(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121057
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
H01R 12/77 20110101AFI20240830BHJP
【FI】
H01R12/77
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027924
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 俊晴
(72)【発明者】
【氏名】松永 貴士
(72)【発明者】
【氏名】坪 慧吾
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼柳 政祥
(72)【発明者】
【氏名】浜田 真吾
(72)【発明者】
【氏名】雨宮 大樹
(72)【発明者】
【氏名】梶川 謙士
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AC23
5E223BA08
5E223BB01
5E223CB22
5E223CB26
5E223CD02
5E223EA03
5E223EA13
5E223EA27
(57)【要約】
【課題】取り扱い性を向上できるワイヤハーネスを提供する。
【解決手段】ワイヤハーネス1は、挿入部52を有する複数の端子5と、複数の端子を第一方向Xに並ぶ複数の列に配列させて保持するハウジング3,4と、を有し、複数の端子が第一の側X1に配置された第一端子群と、第二の側X2に配置された第二端子群と、を含むコネクタ2と、第一端子群の挿入部が挿入されるスルーホールを有する第一のフレキシブルプリント配線板10と、第二端子群の挿入部が挿入されるスルーホールを有する第二のフレキシブルプリント配線板20と、ハウジングに取り付けられ、かつ第一のフレキシブルプリント配線板および第二のフレキシブルプリント配線板を保持可能に構成された保持部材と、を備え、保持部材は、出口部を有し、互いに重ね合わせた第一のフレキシブルプリント配線板および第二のフレキシブルプリント配線板を出口部から延出させる。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状または筒状の挿入部を有する複数の端子と、前記挿入部を突出させた状態で複数の前記端子を第一方向に並ぶ複数の列に配列させて保持するハウジングと、を有し、複数の前記端子が前記第一方向の第一の側に配置された第一端子群と、前記第一方向の第二の側に配置された第二端子群と、を含むコネクタと、
前記第一端子群の前記挿入部が挿入されるスルーホールと、前記第一端子群の前記挿入部に接続される印刷回路と、を有する第一のフレキシブルプリント配線板と、
前記第二端子群の前記挿入部が挿入されるスルーホールと、前記第二端子群の前記挿入部に接続される印刷回路と、を有する第二のフレキシブルプリント配線板と、
前記ハウジングに取り付けられ、かつ前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板を保持可能に構成された保持部材と、
を備え、
前記保持部材は、出口部を有し、互いに重ね合わせた前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板を前記出口部から延出させる
ことを特徴とするワイヤハーネス。
【請求項2】
前記保持部材は、前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板をそれぞれ折り曲げた状態で保持し、互いに重ね合わせた前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板を前記挿入部の突出方向に向けて前記出口部から延出させる
請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項3】
前記保持部材は、前記挿入部を覆うように前記ハウジングに取り付けられる本体と、保持部と、前記本体と前記保持部とをつなぐヒンジ部と、を有し、
前記保持部材は、前記本体と前記保持部との間に前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板を挟み込むことにより、前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板を互いに重ね合わせる
請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項4】
前記保持部材は、前記挿入部を覆うように前記ハウジングに取り付けられる本体と、第一保持部と、前記本体と前記第一保持部とをつなぐ第一ヒンジ部と、第二保持部と、前記本体と前記第二保持部とをつなぐ第二ヒンジ部と、を有し、
前記保持部材は、前記本体と前記第一保持部との間に前記第一のフレキシブルプリント配線板を挟み込み、前記本体と前記第二保持部との間に前記第二のフレキシブルプリント配線板を挟み込み、かつ互いに重ね合わせた前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板を前記第一保持部と前記第二保持部との隙間から延出させる
請求項2に記載のワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フラットケーブルに関するケーブル接続構造がある。特許文献1には、基端部に設けられた導入孔を通してフラットケーブルの端末部が内部に導入され、当該フラットケーブルの端末部に接続された端子を収容するコネクタハウジングと、フラットケーブルとコネクタハウジングの導入孔を画成する周壁との間に介装されたシール部材と、コネクタハウジングの導入孔から延出されたフラットケーブが挿通される挿通孔を有し、当該挿通孔にフラットケーブルを挿通させながらコネクタハウジングの基端部に装着されるリアカバーと、リアカバーの挿通孔に挿通されたフラットケーブルをリアカバーとの間で挟持するようにリアカバーに装着される固定用プレートと、を備えるフラットケーブル用防水コネクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ワイヤハーネスにおいて一つのコネクタに複数のフラットケーブルを接続してコネクタを多極化する場合に、ワイヤハーネスの取り扱い性を向上できることが望ましい。
【0005】
本発明の目的は、取り扱い性を向上できるワイヤハーネスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のワイヤハーネスは、棒状または筒状の挿入部を有する複数の端子と、前記挿入部を突出させた状態で複数の前記端子を第一方向に並ぶ複数の列に配列させて保持するハウジングと、を有し、複数の前記端子が前記第一方向の第一の側に配置された第一端子群と、前記第一方向の第二の側に配置された第二端子群と、を含むコネクタと、前記第一端子群の前記挿入部が挿入されるスルーホールと、前記第一端子群の前記挿入部に接続される印刷回路と、を有する第一のフレキシブルプリント配線板と、前記第二端子群の前記挿入部が挿入されるスルーホールと、前記第二端子群の前記挿入部に接続される印刷回路と、を有する第二のフレキシブルプリント配線板と、前記ハウジングに取り付けられ、かつ前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板を保持可能に構成された保持部材と、を備え、前記保持部材は、出口部を有し、互いに重ね合わせた前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板を前記出口部から延出させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るワイヤハーネスは、ハウジングに取り付けられ、かつ第一のフレキシブルプリント配線板および第二のフレキシブルプリント配線板を保持可能に構成された保持部材を有する。保持部材は、出口部を有し、互いに重ね合わせた第一のフレキシブルプリント配線板および第二のフレキシブルプリント配線板を出口部から延出させる。本発明に係るワイヤハーネスによれば、二枚のフレキシブルプリント配線板が重ね合わされて延出することで、取り扱い性を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態のワイヤハーネスおよび相手コネクタを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るワイヤハーネスの構成要素を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るアウターハウジングの斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るインナーハウジングの斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る端子の斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る第一のフレキシブルプリント配線板の斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る第一のフレキシブルプリント配線板の印刷回路を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る第二のフレキシブルプリント配線板の斜視図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る第二のフレキシブルプリント配線板の印刷回路を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、インナーハウジングを挿入する工程を示す図である。
【
図13】
図13は、フレキシブルプリント配線板を設置する工程を示す図である。
【
図14】
図14は、設置されたフレキシブルプリント配線板の平面図である。
【
図18】
図18は、実施形態に係るワイヤハーネスの断面図である。
【
図20】
図20は、実施形態の第1変形例に係る配線板を折り曲げる工程を示す図である。
【
図21】
図21は、実施形態の第1変形例に係る配線板を保持する工程を示す図である。
【
図22】
図22は、実施形態の第1変形例に係るレバーを組み付ける工程を示す図である。
【
図23】
図23は、実施形態の第1変形例に係るレバーを組み付ける工程を示す図である。
【
図24】
図24は、実施形態の第1変形例に係るレバーを組み付ける工程を示す図である。
【
図25】
図25は、実施形態の第1変形例に係る嵌合工程を示す図である。
【
図26】
図26は、相手コネクタに完全嵌合したワイヤハーネスを示す斜視図である。
【
図27】
図27は、相手コネクタに完全嵌合したワイヤハーネスを示す側面図である。
【
図28】
図28は、相手コネクタに完全嵌合したワイヤハーネスを示す側面図である。
【
図29】
図29は、実施形態の第1変形例に係る配線板を折り曲げる工程を示す図である。
【
図30】
図30は、実施形態の第1変形例に係る配線板を保持する工程を示す図である。
【
図31】
図31は、実施形態の第2変形例に係るワイヤハーネスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係るワイヤハーネスにつき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
[実施形態]
図1から
図19を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、ワイヤハーネスに関する。
図1は、実施形態のワイヤハーネスおよび相手コネクタを示す斜視図、
図2は、実施形態に係るワイヤハーネスの構成要素を示す図、
図3は、実施形態に係るアウターハウジングの斜視図、
図4は、実施形態に係るインナーハウジングの斜視図、
図5は、実施形態に係る端子の斜視図、
図6は、実施形態に係る第一のフレキシブルプリント配線板の斜視図、
図7は、実施形態に係る第一のフレキシブルプリント配線板の印刷回路を示す斜視図、
図8は、実施形態に係る第二のフレキシブルプリント配線板の斜視図、
図9は、実施形態に係る第二のフレキシブルプリント配線板の印刷回路を示す斜視図、
図10は、実施形態に係るカバーの斜視図である。
【0011】
図11は、インナーハウジングを挿入する工程を示す図、
図12は、端子を挿入する工程を示す図、
図13は、フレキシブルプリント配線板を設置する工程を示す図、
図14は、設置されたフレキシブルプリント配線板の平面図、
図15は、カバーを取り付ける工程を示す図、
図16は、配線板を折り曲げる工程を示す図、
図17は、配線板を保持する工程を示す図、
図18は、実施形態に係るワイヤハーネスの断面図、
図19は、レバーを組み付ける工程を示す図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態のワイヤハーネス1は、コネクタ2と、フレキシブルプリント配線板10,20と、を有する。ワイヤハーネス1は、例えば、自動車等の車両に搭載される。ワイヤハーネス1は、インストルメントパネルに配置される機器に接続されてもよい。コネクタ2は、相手コネクタ100に対して嵌合する。相手コネクタ100は、例えば、ディスプレイやメータ装置等の機器の筐体に配置される。ワイヤハーネス1は、相手コネクタ100を有する機器と、この機器を制御する制御装置と、を接続してもよい。フレキシブルプリント配線板10,20は、電源線や信号線を含む印刷回路を有している。
【0013】
相手コネクタ100は、ハウジング110と、ハウジング110によって保持された複数の端子120と、を有する。コネクタ2は、フレキシブルプリント配線板10,20の印刷回路を端子120に接続する。例示されたコネクタ2は、レバー7を有するレバー式コネクタである。コネクタ2は、レバー7を含む倍力機構によって相手コネクタ100のハウジング110と嵌合することができる。
【0014】
図2に示すように、コネクタ2は、アウターハウジング3、複数のインナーハウジング4、複数の端子5、第一のフレキシブルプリント配線板10、第二のフレキシブルプリント配線板20、およびカバー6を有する。アウターハウジング3およびインナーハウジング4は、例えば、絶縁性の合成樹脂で成型される。例示されたアウターハウジング3は、角筒形状を有しており、複数のインナーハウジング4を収容する収容部31を有する。
【0015】
インナーハウジング4は、端子5を保持して端子5を配列させる部材である。インナーハウジング4は、端子5が挿入されるキャビティを有する。複数のインナーハウジング4は、積層されてアウターハウジング3の収容部31に収容される。
【0016】
以下の説明では、複数のインナーハウジング4が積層される方向を「第一方向X」と称する。また、アウターハウジング3に対するインナーハウジング4の挿入方向を「第三方向Z」と称する。第三方向Zは、第一方向Xと直交する。また、第一方向Xおよび第三方向Zの何れとも直交する方向を「第二方向Y」と称する。第二方向Yは、各インナーハウジング4における端子5の並び方向である。本実施形態の各インナーハウジング4は、複数の端子5を第二方向Yに直線状に並べて保持する。
【0017】
フレキシブルプリント配線板10,20は、可撓性を有するフィルム状の回路体である。第一のフレキシブルプリント配線板10および第二のフレキシブルプリント配線板20は、互いに独立した配線板である。端子5は、フレキシブルプリント配線板10,20のスルーホールに挿入され、フレキシブルプリント配線板10,20の印刷回路に接合される。
【0018】
カバー6は、フレキシブルプリント配線板10,20と端子5との接合部を覆いながらアウターハウジング3に組み付けられる。本実施形態のカバー6は、後述するように、二枚のフレキシブルプリント配線板10,20を重ね合わせた状態でフレキシブルプリント配線板10,20を保持するように構成されている。
【0019】
図3に示すように、アウターハウジング3は、筒状部32および底壁33を有する。筒状部32は、角筒形状を有しており、一対の主壁32aおよび一対の側壁32bを有する。一対の主壁32aは、第一方向Xにおいて互いに対向しており、かつ第二方向Yに延在している。主壁32aの外側面には、円柱形状の軸部32cが設けられている。軸部32cは、レバー7を回転可能に支持する。
【0020】
一対の側壁32bは、第二方向Yにおいて互いに対向しており、かつ第一方向Xに延在している。側壁32bの内側面には、インナーハウジング4を案内する複数のリブ32dが設けられている。リブ32dは、第二方向Yに突出した突起部であり、第三方向Zに直線状に延在している。
【0021】
底壁33は、筒状部32の一端を閉塞している。つまり、アウターハウジング3は、有底の筒状の部材である。筒状部32および底壁33によって収容部31が形成されている。底壁33には、複数の貫通孔33aが設けられている。相手コネクタ100の端子120は、貫通孔33aに挿入されて端子5と接続される。複数の貫通孔33aは、複数列に配置されている。各列の貫通孔33aは、第二方向Yに並んでいる。
【0022】
図4に示すように、複数のインナーハウジング4は、第一形状のハウジング4Aおよび第二形状のハウジング4Bを含む。第一形状のハウジング4Aおよび第二形状のハウジング4Bの形状は、矩形の平板形状である。第一形状のハウジング4Aは、端子5を保持する複数の第一キャビティ45を有する。複数の第一キャビティ45は、第二方向Yに並んでおり、かつ第三方向Zに沿って第一形状のハウジング4Aを貫通している。第二形状のハウジング4Bは、端子5を保持する複数の第二キャビティ46を有する。第二キャビティ46は、第二方向Yに並んでおり、かつ第三方向Zに沿って第二形状のハウジング4Bを貫通している。
【0023】
第一キャビティ45および第二キャビティ46は、第二方向Yの位置をずらして配置されている。第二方向Yにおける第二キャビティ46の位置は、隣り合う二つの第一キャビティ45の間の位置である。従って、第一キャビティ45および第二キャビティ46は、複数の端子5をジグザグに配置して保持する。
【0024】
本実施形態のワイヤハーネス1では、積層可能な複数のインナーハウジング4を有することで、コネクタ2の仕様変更に対応可能である。例えば、相手コネクタ100の端子120のタブサイズに応じて異なる端子5を用いる場合に、インナーハウジング4を変更することで対応できる。
【0025】
第一形状のハウジング4Aは、第一の面41および第二の面42を有する。第一の面41および第二の面42は、第一形状のハウジング4Aが有する二つの主面であり、互いに反対側を向いている。第二形状のハウジング4Bは、第一の面43および第二の面44を有する。第一の面43および第二の面44は、第二形状のハウジング4Bが有する二つの主面であり、互いに反対側を向いている。二つのハウジング4A,4Bは、第一の面41と第二の面44とを対向させて積層可能である。また、二つのハウジング4A,4Bは、第一の面43と第二の面42とを対向させて積層可能である。つまり、第一形状のハウジング4Aおよび第二形状のハウジング4Bは、交互に重なって積層可能なように構成されている。
【0026】
第一形状のハウジング4Aは、第一突起41aおよび第一凹部42aを有する。第一突起41aは、第一の面41に設けられている。第一凹部42aは、第二の面42に設けられている。第二形状のハウジング4Bは、第二突起43aおよび第二凹部44aを有する。第二突起43aは、第一の面43に設けられている。第二凹部44aは、第二の面44に設けられている。第一突起41aは第二凹部44aと嵌合可能であり、第二突起43aは第一凹部42aと嵌合可能である。第一突起41aには、第二凹部44aと係合する係合部41bが設けられている。同様に、第二突起43aには、第一凹部42aと係合する係合部43bが設けられている。
【0027】
第一形状のハウジング4Aには、第一の支持突起47が設けられている。第二形状のハウジング4Bには、第二の支持突起48が設けられている。支持突起47,48は、フレキシブルプリント配線板10,20に挿入され、印刷回路や接合部に作用する応力を軽減させる。第一の支持突起47は、第二方向Yの一端に配置され、第二の支持突起48は、第二方向Yの他端に配置される。
【0028】
図5に示すように、端子5は、接続部51と、挿入部52と、を有する。端子5は、導電性の金属板から形成される。接続部51は、端子5の第一端部5aに配置され、挿入部52は、端子5の第二端部5bに配置されている。接続部51は、相手コネクタ100の端子120と接続される部分である。例示された接続部51は、端子120が挿入される角筒形状を有する。接続部51は、インナーハウジング4のキャビティ45,46に挿入されて保持される。
【0029】
挿入部52は、フレキシブルプリント配線板10,20のスルーホールに挿入される部分である。挿入部52の形状は、円筒形状である。挿入部52の先端には、先細形状のテーパ部52aが設けられている。なお、挿入部52の形状は、内部に空間を有していない棒状であってもよく、例えば、円柱形状であってもよい。
【0030】
図6に示すように、第一のフレキシブルプリント配線板10は、ベースフィルム11と、印刷回路12と、カバーレイ13と、を有する。ベースフィルム11およびカバーレイ13は、絶縁性の合成樹脂で形成されたフィルムである。印刷回路12は、ベースフィルム11に形成された導電性の金属箔である。カバーレイ13は、印刷回路12のパターンを覆っており、かつランド16b,17bを露出させる開口部13a,13bを有している。
【0031】
図7に示すように、印刷回路12は、第一回路群14および第二回路群15を有する。第一回路群14は、第一方向Xに延在する複数の回路16を有する。複数の回路16は、第二方向Yに配列されている。第二回路群15は、第一方向Xに延在する複数の回路17を有する。複数の回路17は、第二方向Yに配列されている。印刷回路12は、第一回路群14の一つの回路16と、第二回路群15の一つの回路17とを交互に並べて構成されている。
【0032】
回路16は、パターン16a、およびパターン16aの端部に設けられたランド16bを有する。回路17は、パターン17a、およびパターン17aの端部に設けられたランド17bを有する。複数のランド16bは、第二方向Yに沿って直線状に並んでいる。複数のランド17bは、第二方向Yに沿って直線状に並んでいる。第一方向Xにおいて、ランド17bの位置は、ランド16bの位置に対してずれている。より詳しくは、ランド17bは、ランド16bに対してベースフィルム11の端11aに向けて突出している。従って、パターン17aは、隣り合う二つのランド16bの間を通過している。
【0033】
ランド16bには、端子5の挿入部52が挿入されるスルーホール16cが形成されている。スルーホール16cは、ベースフィルム11を貫通している。同様に、ランド17bには、スルーホール17cが形成されている。スルーホール17cは、ベースフィルム11を貫通している。第一のフレキシブルプリント配線板10には、スルーホール16cおよびスルーホール17cが鋸歯状にジグザグに配置されている。
図6に示すように、カバーレイ13の開口部13aは、第一回路群14のランド16bを露出させている。開口部13bは、第二回路群15のランド17bを露出させている。
【0034】
第一のフレキシブルプリント配線板10には、二つの貫通孔10a,10bが設けられている。二つの貫通孔10a,10bは、印刷回路12を間において第二方向Yの端部に配置されている。貫通孔10aは開口部13aと並んでおり、複数のランド16bに対して第二方向Yの延長線上に配置されている。貫通孔10bは、開口部13bと並んでおり、複数のランド17bに対して第二方向Yの延長線上に配置されている。二つの貫通孔10a,10bの一方には、第一形状のハウジング4Aが有する支持突起47が挿入される。二つの貫通孔10a,10bの他方には、第二形状のハウジング4Bが有する支持突起48が挿入される。
【0035】
第二のフレキシブルプリント配線板20は、第一のフレキシブルプリント配線板10と同様に構成されている。
図8に示すように、第二のフレキシブルプリント配線板20は、ベースフィルム21と、印刷回路22と、カバーレイ23と、を有する。カバーレイ23は、印刷回路22のパターンを覆っており、かつランド26b,27bを露出させる開口部23a,23bを有している。
【0036】
図9に示すように、印刷回路22は、第一回路群24および第二回路群25を有する。第一回路群24は、第一方向Xに延在する複数の回路26を有する。複数の回路26は、第二方向Yに配列されている。第二回路群25は、第一方向Xに延在する複数の回路27を有する。複数の回路27は、第二方向Yに配列されている。印刷回路22は、第一回路群24の一つの回路26と、第二回路群25の一つの回路27とを交互に並べて構成されている。
【0037】
回路26は、パターン26a、およびパターン26aの端部に設けられたランド26bを有する。回路27は、パターン27a、およびパターン27aの端部に設けられたランド27bを有する。複数のランド26bおよび複数のランド27bは、それぞれ第二方向Yに沿って直線状に並んでいる。ランド27bは、ランド26bに対してベースフィルム21の端21aに向けて突出している。パターン27aは、隣り合う二つのランド26bの間を通過している。
【0038】
ランド26bには、端子5の挿入部52が挿入されるスルーホール26cが形成されている。ランド27bには、スルーホール27cが形成されている。つまり、第二のフレキシブルプリント配線板20には、スルーホール26cおよびスルーホール27cが鋸歯状にジグザグに配置されている。
図8に示すように、カバーレイ23の開口部23aは、第一回路群24のランド26bを露出させている。開口部23bは、第二回路群25のランド27bを露出させている。
【0039】
第二のフレキシブルプリント配線板20には、二つの貫通孔20a,20bが設けられている。二つの貫通孔20a,20bは、印刷回路22を間において第二方向Yの端部に配置されている。貫通孔20aは、開口部23aと並んでおり、複数のランド26bに対して第二方向Yの延長線上に配置されている。貫通孔20bは、開口部23bと並んでおり、複数のランド27bに対して第二方向Yの延長線上に配置されている。二つの貫通孔20a,20bの一方には、第一形状のハウジング4Aが有する支持突起47が挿入される。二つの貫通孔20a,20bの他方には、第二形状のハウジング4Bが有する支持突起48が挿入される。
【0040】
図2に示すように、カバー6は、本体61と、保持部62と、ヒンジ部63と、を有する。カバー6は、例えば、絶縁性の合成樹脂で成型される。本体61は、フレキシブルプリント配線板10,20と端子5との接合部を覆う部分であり、アウターハウジング3と係合する。保持部62は、保持部62と本体61との間にフレキシブルプリント配線板10,20を挟み込んで保持する部分である。ヒンジ部63は、本体61と保持部62とをつないでおり、可撓性を有している。
【0041】
図10に示すように、本体61は、接合部を覆う覆い部64と、四つの脚部65と、を有する。覆い部64の形状は、矩形の平板形状である。脚部65は、覆い部64における第二方向Yの両端部に配置されている。脚部65は、アウターハウジング3に対して係合する部分であり、覆い部64から第三方向Zに突出している。脚部65には、係合凹部65a、および係合突起65bが設けられている。係合凹部65aは、脚部65におけるアウターハウジング3と対向する内側面に形成される。係合凹部65aは、四つの脚部65にそれぞれ設けられている。
図2に示すように、アウターハウジング3の外側面には、係合突起34が設けられている。カバー6の係合凹部65aは、係合突起34と係合する。
【0042】
係合突起65bは、保持部62と係合して保持部62を係止する。係合突起65bは、隣り合う二つの脚部65に設けられている。係合突起65bは、係合凹部65aの側とは反対側の面である外側面から第二方向Yに突出している。
【0043】
保持部62は、第二方向Yにおいて本体61と並んでいる。保持部62は、第一保持部62Aおよび第二保持部62Bを有する。第一保持部62Aおよび第二保持部62Bは、第一方向Xに並んでいる。平面視における第一保持部62Aおよび第二保持部62Bの形状は、矩形である。第一保持部62Aと第二保持部62Bとの間には、スリット66が設けられている。従って、第一保持部62Aおよび第二保持部62Bは、互いに独立している。第一保持部62Aは、第一のフレキシブルプリント配線板10を保持する。第二保持部62Bは、第二のフレキシブルプリント配線板20を保持する。
【0044】
ヒンジ部63は、本体61における係合突起65bの側とは反対側の端部に配置されている。ヒンジ部63は、第一ヒンジ部63Aおよび第二ヒンジ部63Bを有する。第一ヒンジ部63Aは、第一保持部62Aと本体61とをつないでおり、第二ヒンジ部63Bは、第二保持部62Bと本体61とをつないでいる。ヒンジ部63は、覆い部64における第二方向Yの端部から第二方向Yに延在している。第一保持部62Aおよび第二保持部62Bの端部には、係合突起65bと係合する係合部62cが設けられている。
【0045】
覆い部64には、フレキシブルプリント配線板10,20の折り曲げ形状を規制するリブ64aが設けられている。リブ64aは、保持部62と対向する面に配置されており、第二方向Yに延在している。例示されたリブ64aの断面形状は、三角形である。つまり、リブ64aの断面形状は、突出方向の先端へ向かうに従って第一方向Xの幅が狭くなるテーパ形状である。第一保持部62Aおよび第二保持部62Bには、リブ64aと対応する傾斜面62dが設けられている。傾斜面62dは、スリット66と隣接する端部に配置されている。リブ64aおよび傾斜面62dは、フレキシブルプリント配線板10,20の曲げ角度を鈍角にする。
【0046】
本実施形態に係るワイヤハーネス1を製造するワイヤハーネスの製造方法について説明する。ワイヤハーネスの製造方法は、インナーハウジングを挿入する工程、端子を挿入する工程、フレキシブルプリント配線板を設置する工程、接合する工程、カバーを取り付ける工程、配線板の方向を規制する工程、およびレバーを組み付ける工程を含む。
【0047】
図11には、インナーハウジングを挿入する工程が示されている。この工程では、積層された複数のインナーハウジング4がアウターハウジング3に挿入される。第一形状のハウジング4Aおよび第二形状のハウジング4Bが交互に重ねられてアウターハウジング3に挿入される。例示されたコネクタ2は、二つの第一形状のハウジング4Aと、二つの第二形状のハウジング4Bと、を有する。複数のインナーハウジング4は、リブ32dに案内されながら、第三方向Zに沿って収容部31に挿入される。複数のインナーハウジング4は、収容部31によって保持される。インナーハウジング4は、アウターハウジング3と係合する係合部を有していてもよい。
【0048】
図12には、端子を挿入する工程が示されている。複数の端子5が第一形状のハウジング4Aのキャビティ45、および第二形状のハウジング4Bのキャビティ46に挿入される。端子5の接続部51は、キャビティ45,46に挿入される。インナーハウジング4は、端子5の挿入部52をキャビティ45,46から突出させた状態で接続部51を保持する。これにより、第二方向Yに並ぶ挿入部52からなる列が四列形成される。四つの列は第一方向Xに並ぶ。
【0049】
図13には、フレキシブルプリント配線板を設置する工程が示されている。この工程では、第一のフレキシブルプリント配線板10および第二のフレキシブルプリント配線板20に端子5の挿入部52が挿入される。より詳しくは、第一のフレキシブルプリント配線板10には、二列の挿入部52が挿入され、第二のフレキシブルプリント配線板20には、他の二列の挿入部52が挿入される。
【0050】
第一のフレキシブルプリント配線板10に対応する挿入部52は、第一回路群14のランド16b、および第二回路群15のランド17bに挿入される。第二のフレキシブルプリント配線板20に対応する挿入部52は、第一回路群24のランド26b、および第二回路群25のランド27bに挿入される。また、支持突起47,48は、フレキシブルプリント配線板10,20の貫通孔に挿入される。
【0051】
図14に示すように、複数の端子5は、第一端子群5Aおよび第二端子群5Bを含む。第一端子群5Aは、第一のフレキシブルプリント配線板10に接続される端子5のグループである。第一端子群5Aは、第二方向Yに沿う端子5の列を二列有する。第一端子群5Aは、コネクタ2が有する複数の端子5のうち、第一の側X1に配置されている端子である。第二端子群5Bは、第二のフレキシブルプリント配線板20に接続される端子5のグループである。第二端子群5Bは、第二方向Yに沿う端子5の列を二列有する。第二端子群5Bは、コネクタ2が有する複数の端子5のうち、第二の側X2に配置されている端子である。
【0052】
第一のフレキシブルプリント配線板10は、第一端子群5Aの挿入部52に接続されるランド16b,17bを有する。
図7に示すように、ランド16b,17bはスルーホール16c,17cを有する。第一端子群5Aの挿入部52は、スルーホール16c,17cに挿入される。
図14に示すように、第一端子群5Aの一列の挿入部52は、ランド16bに挿入され、他の一列の挿入部52は、ランド17bに挿入される。
【0053】
第二のフレキシブルプリント配線板20は、第二端子群5Bの挿入部52に接続されるランド26b,27bを有する。
図9に示すように、ランド26b,27bはスルーホール26c,27cを有する。第二端子群5Bの挿入部52は、スルーホール26c,27cに挿入される。
図14に示すように、第二端子群5Bの一列の挿入部52は、ランド26bに挿入され、他の一列の挿入部52は、ランド27bに挿入される。
【0054】
接合する工程は、端子5の挿入部52をランド16b,17b,26b,27bと接合する工程である。本実施形態のワイヤハーネス1では、挿入部52がランド16b,17b,26b,27bにはんだ付けされる。ランド16b,17b,26b,27bには、予めはんだペーストが塗布されていてもよい。この場合、接合する工程では、はんだペーストにレーザ光が照射されることによりはんだ付けがなされてもよい。例えば、一度の照射によって全てのランド16b,17b,26b,27bが挿入部52に接合されてもよい。ただし、はんだ付けの方法は、レーザ光の照射には限定されず、リフロー炉であってもよく、その他の方法であってもよい。
【0055】
第一のフレキシブルプリント配線板10の印刷回路12は、第一端子群5Aから第一の側X1に向けて延在する。第二のフレキシブルプリント配線板20の印刷回路22は、第二端子群5Bから第二の側X2に向けて延在する。
図14に例示されたワイヤハーネス1では、第一の側X1は第一方向Xの一方側であり、第二の側X2は第一方向Xの他方側である。つまり、二つの印刷回路12,22は、互いに反対側に向けて延在する。
【0056】
カバーを取り付ける工程では、
図15に示すように、アウターハウジング3に対してカバー6の本体61が取り付けられる。本体61の覆い部64は、フレキシブルプリント配線板10,20と端子5との接合部を覆い、接合部を保護する。すなわち、覆い部64は、端子5の挿入部52、およびフレキシブルプリント配線板10,20のランド16b,17b,26b,27b覆って保護する。本体61がアウターハウジング3に組み付けられたときに、保持部62は、フレキシブルプリント配線板10,20に対して第二方向Yにずれた位置に位置付けられる。
【0057】
配線板の方向を規制する工程は、配線板を折り曲げる工程、および配線板を保持する工程を含む。
図16は、配線板を折り曲げる工程について説明する図である。配線板を折り曲げる工程では、第一のフレキシブルプリント配線板10、および第二のフレキシブルプリント配線板20が互いに重なるように折り曲げられる。二枚のフレキシブルプリント配線板10,20は、覆い部64を包むように折り曲げられ、カバーレイ13,23を対向させながら重ねられる。言い換えると、二枚のフレキシブルプリント配線板10,20は、覆い部64に沿ってU字形状に180°折り曲げられる。
【0058】
図17は、配線板を保持する工程について説明する図である。配線板を保持する工程では、カバー6の保持部62によって二枚のフレキシブルプリント配線板10,20が保持される。本実施形態のカバー6は、二枚のフレキシブルプリント配線板10,20を重ねた状態で保持する。
【0059】
第一保持部62Aは、第一ヒンジ部63Aを屈曲させながら本体61に係合される。第一保持部62Aは、第一保持部62Aと本体61との間に第一のフレキシブルプリント配線板10を挟み込む。第二保持部62Bは、第二ヒンジ部63Bを屈曲させながら本体61に係合される。第二保持部62Bは、第二保持部62Bと本体61との間に第二のフレキシブルプリント配線板20を挟み込む。二枚のフレキシブルプリント配線板10,20は、第一保持部62Aと第二保持部62Bとの間のスリット66から外部に引き出される。
【0060】
スリット66は、互いに重ね合わせたフレキシブルプリント配線板10,20を延出させる出口部として使用される。フレキシブルプリント配線板10,20の延出方向は、第三方向Zである。より詳しくは、フレキシブルプリント配線板10,20は、アウターハウジング3の側とは反対側に向けて第三方向Zに沿って保持部62から延出する。つまり、フレキシブルプリント配線板10,20は、端子5の挿入部52がインナーハウジング4から突出する方向に向けて保持部62から延出する。
【0061】
図18には、フレキシブルプリント配線板10,20の折り曲げ形状が示されている。
図18に示すように、第一のフレキシブルプリント配線板10は、第一湾曲部10c、第二湾曲部10d、および第三湾曲部10eを有する状態でカバー6によって保持される。第一湾曲部10cは、覆い部64に沿ってU字状に湾曲している。第二湾曲部10dは、覆い部64のリブ64aが立ち上がる部分に形成される。第三湾曲部10eは、リブ64aの先端部に形成される。覆い部64と第一保持部62Aとの間の隙間は、第一のフレキシブルプリント配線板10に対して第二湾曲部10dおよび第三湾曲部10eを形成するように屈曲している。第一湾曲部10cおよび第二湾曲部10dの内角は、それぞれ鈍角である。
【0062】
第二のフレキシブルプリント配線板20は、第一湾曲部20c、第二湾曲部20d、および第三湾曲部20eを有する状態でカバー6によって保持される。第一湾曲部20cは、覆い部64に沿ってU字状に湾曲している。二つの第一湾曲部10c,20cは、互いに反対の側に向けて湾曲している。すなわち、第一のフレキシブルプリント配線板10の第一湾曲部10cは、第一の側X1に向けて凸の湾曲形状を有する。一方、第二のフレキシブルプリント配線板20の第一湾曲部20cは、第二の側X2に向けて凸の湾曲形状を有する。第二湾曲部20dは、リブ64aが立ち上がる部分に形成される。第三湾曲部20eは、リブ64aの先端部に形成される。第二湾曲部20dおよび第三湾曲部20eの内角は、それぞれ鈍角である。
【0063】
二枚のフレキシブルプリント配線板10,20は、第三湾曲部10e,20eにおいて互いに重ね合わせられて第三方向Zに延在する。本実施形態のカバー6は、フレキシブルプリント配線板10,20に過度の曲げ部分を生じさせないように構成されている。たとえば、覆い部64において、第一湾曲部10c,20cに対応する角部は円弧状に面取りされている。また、第二湾曲部10d,20dおよび第三湾曲部10e,20eを形成する部分は、直角よりも大きな角度で屈曲している。よって、本実施形態のカバー6は、フレキシブルプリント配線板10,20に過度の曲げを形成することなくフレキシブルプリント配線板10,20の経路を規制することができる。
【0064】
このように、本実施形態のカバー6は、フレキシブルプリント配線板10,20と端子5との接合部を保護する機能だけでなく、フレキシブルプリント配線板10,20の経路を規制する機能を有する。カバー6は、二枚のフレキシブルプリント配線板10,20を重ね合わせて延出させる。二枚のフレキシブルプリント配線板10,20が重なっていることで、コネクタ2の取り扱いが容易となる。二枚のフレキシブルプリント配線板10,20は、コネクタ等を介して機器に接続される。二枚のフレキシブルプリント配線板10,20は、同じ機器に接続されてもよく、それぞれ異なる機器に接続されてもよい。
【0065】
図19には、レバー7が組み付けられたコネクタ2が示されている。レバーを組み付ける工程では、アウターハウジング3に対してレバー7が組み付けられる。レバー7が組み付けられたコネクタ2は、相手コネクタ100に対して嵌合される。レバー7は、レバー7に入力される力を増幅して相手コネクタ100に伝え、相手コネクタ100をアウターハウジング3と嵌合させる。
【0066】
以上説明したように、本実施形態のワイヤハーネス1は、コネクタ2と、第一のフレキシブルプリント配線板10と、第二のフレキシブルプリント配線板20と、保持部材としてのカバー6と、を有する。コネクタ2は、棒状または筒状の挿入部52を有する複数の端子5と、挿入部52を突出させた状態で複数の端子5を複数の列に配列させて保持するハウジング3,4と、を有する。複数の列は、第一方向Xに並ぶ。複数の端子5は、第一方向Xの第一の側X1に配置された第一端子群5Aと、第一方向Xの第二の側X2に配置された第二端子群5Bと、を含む。
【0067】
第一のフレキシブルプリント配線板10は、第一端子群5Aの挿入部52が挿入されるスルーホール16c,17cと、第一端子部の挿入部52に接続される印刷回路12と、を有する。第二のフレキシブルプリント配線板20は、第二端子群5Bの挿入部52が挿入されるスルーホール26c,27cと、第二端子群5Bの挿入部52に接続される印刷回路22と、を有する。保持部材としてのカバー6は、ハウジング3,4に取り付けられ、かつ第一のフレキシブルプリント配線板10および第二のフレキシブルプリント配線板20を保持する。
【0068】
カバー6は、出口部を有し、互いに重ね合わせた第一のフレキシブルプリント配線板10および第二のフレキシブルプリント配線板20を出口部から延出させる。カバー6の出口部は、例えば、スリット66である。本実施形態のワイヤハーネス1は、保持部材によって二枚のフレキシブルプリント配線板10,20を重ね合わせて延出させる。よって、本実施形態のワイヤハーネス1は、ワイヤハーネス1の取り扱いやすさを向上させることができる。例えば、二枚のフレキシブルプリント配線板10,20がまとめられていることで、ワイヤハーネス1の運搬や配索時の取り扱いが容易となる。重ね合わせられた二枚のフレキシブルプリント配線板10,20は、そのまま同じ一つの経路に配索されてもよく、互いに別の経路に配索されてもよく、途中で分岐して配索されてもよい。
【0069】
本実施形態のカバー6は、第一のフレキシブルプリント配線板10および第二のフレキシブルプリント配線板20をそれぞれ折り曲げた状態で保持し、互いに重ね合わせた第一のフレキシブルプリント配線板10および第二のフレキシブルプリント配線板20を挿入部52の突出方向に向けて出口部から延出させる。このような構成は、例えば、挿入部52の突出方向に沿ってフレキシブルプリント配線板10,20が配索される場合に採用される。
【0070】
本実施形態のカバー6は、挿入部52を覆うようにハウジング3,4に取り付けられる本体61と、保持部62と、本体61と保持部62とをつなぐヒンジ部63と、を有する。カバー6は、本体61と保持部62との間に第一のフレキシブルプリント配線板10および第二のフレキシブルプリント配線板20を挟み込むことにより、第一のフレキシブルプリント配線板10および第二のフレキシブルプリント配線板20を互いに重ね合わせる。本実施形態のカバー6は、フレキシブルプリント配線板10,20を保持する機能だけでなく、挿入部52とフレキシブルプリント配線板10,20との接合部を保護する機能を有する。
【0071】
本実施形態のカバー6は、挿入部52を覆うようにハウジング3,4に取り付けられる本体61と、第一保持部62Aと、本体61と第一保持部62Aとをつなぐ第一ヒンジ部63Aと、第二保持部62Bと、本体61と第二保持部62Bとをつなぐ第二ヒンジ部63Bと、を有する。カバー6は、本体61と第一保持部62Aとの間に第一のフレキシブルプリント配線板10を挟み込み、本体61と第二保持部62Bとの間に第二のフレキシブルプリント配線板20を挟み込み、かつ互いに重ね合わせた第一のフレキシブルプリント配線板10および第二のフレキシブルプリント配線板20をスリット66から延出させる。スリット66は、第一保持部62Aと第二保持部62Bとの間の隙間である。第一保持部62Aおよび第二保持部62Bが独立していることで、フレキシブルプリント配線板10,20を保持する作業の作業性が向上する。
【0072】
なお、コネクタ2が有するインナーハウジング4の個数は、四個には限定されない。例えば、第一形状のハウジング4Aに第一キャビティ45および第二キャビティ46が設けられ、かつ第二形状のハウジング4Bに第一キャビティ45および第二キャビティ46が設けられてもよい。この場合、コネクタ2が有するインナーハウジング4の個数は二個であってもよい。
【0073】
コネクタ2のハウジングは、アウターハウジング3とインナーハウジング4とに分かれていなくてもよい。例えば、アウターハウジング3にキャビティ45,46が設けられてもよい。コネクタ2は、レバー7を有するレバー式のコネクタには限定されない。
【0074】
カバー6は、本体61と保持部62とが一体でなくてもよい。例えば、本体61と保持部62とが別の部材であってもよい。この場合、まず本体61がアウターハウジング3に取り付けられる。その後、
図16に示すようにフレキシブルプリント配線板10,20が折り曲げられた状態で別部材である保持部62が本体61またはアウターハウジング3に対して組み付けられてもよい。
【0075】
[実施形態の第1変形例]
実施形態の第1変形例について説明する。
図20は、実施形態の第1変形例に係る配線板を折り曲げる工程を示す図、
図21は、実施形態の第1変形例に係る配線板を保持する工程を示す図、
図22から
図24は、実施形態の第1変形例に係るレバーを組み付ける工程を示す図、
図25は、実施形態の第1変形例に係る嵌合工程を示す図、
図26は、相手コネクタに完全嵌合したワイヤハーネスを示す斜視図、
図27は、相手コネクタに完全嵌合したワイヤハーネスを示す側面図、
図28は、相手コネクタに完全嵌合したワイヤハーネスを示す側面図、
図29は、実施形態の第1変形例に係る配線板を折り曲げる工程を示す図、
図30は、実施形態の第1変形例に係る配線板を保持する工程を示す図である。実施形態の第1変形例において、上記実施形態と異なる点は、例えば、フレキシブルプリント配線板10,20が第一方向Xに延出する点である。
【0076】
二枚のフレキシブルプリント配線板10,20がカバー6から延出する方向は、第一方向Xであってもよい。例えば、
図20に示すように、フレキシブルプリント配線板10,20がカバー6から第一方向Xの第二の側X2に引き出されてもよい。この場合、配線板を折り曲げる工程において、作業者は、
図20に示すように、第一のフレキシブルプリント配線板10を折り曲げて第二のフレキシブルプリント配線板20に重ねる。第一のフレキシブルプリント配線板10は、カバー6の覆い部64に巻き付けるようにして折り返され、第二のフレキシブルプリント配線板20に重ねられる。
【0077】
次に、配線板を保持する工程が実行される。配線板を保持する工程において、作業者は、ヒンジ部63A,63Bを折り曲げながら第一保持部62Aおよび第二保持部62Bを本体61に係合させる。これにより、第一のフレキシブルプリント配線板10は、二つの保持部62A,62Bと覆い部64との間に挟み込まれて保持される。
【0078】
次に、レバーを組み付ける工程が実行される。レバーを組み付ける工程において、作業者は、
図22および
図23に示すように、二枚のフレキシブルプリント配線板10,20を第二保持部62Bの側面62fに沿わせるように折り曲げる。フレキシブルプリント配線板10,20は、第三方向Zにおけるアウターハウジング3の側とは反対側に向けて折り曲げられる。
【0079】
図23に示すように、二枚のフレキシブルプリント配線板10,20は、カバー6の端部67から引き出される。つまり、カバー6における第二の側X2の端部67がフレキシブルプリント配線板10,20の出口部として用いられる。より詳しくは、第一のフレキシブルプリント配線板10は、覆い部64と第二保持部62Bとの隙間からカバー6の外部に延出する。第二のフレキシブルプリント配線板20は、覆い部64とアウターハウジング3との隙間からカバー6の外部に延出する。
【0080】
次に、
図24に示すように、レバー7がアウターハウジング3に取り付けられる。レバー7は、一対のアーム71、および操作部72を有する。一対のアーム71は、板形状を有しており、第一方向Xにおいて互いに対向する。操作部72は、作業者の操作力が入力される部分である。操作部72は、一対のアーム71をつないでおり、第一方向Xに延在している。
【0081】
アーム71には、ガイド穴71a、および当接部71bが設けられている。ガイド穴71aは、アウターハウジング3の軸部32cが挿入される円弧状の穴部である。相手コネクタ100のハウジング110の内壁には、当接部71bを係止する支持部が設けられている。当接部71bは、相手コネクタ100支持部に当接し、支持部によって係止される。レバー7は、係止された当接部71bを回転中心として回転することによりアウターハウジング3をハウジング110に嵌合させる。
【0082】
図24に示すように、レバー7は、重ね合わされた二枚のフレキシブルプリント配線板10,20に対してアーム71を外側に位置付けるようにしてアウターハウジング3に取り付けられる。従って、フレキシブルプリント配線板10,20は、アーム71とカバー6との隙間を第三方向Zに延在する。
【0083】
図25に示すように、アウターハウジング3は、相手コネクタ100のハウジング110に対して第三方向Zに沿って挿入される。アウターハウジング3が半嵌合の位置まで挿入されると、作業者は、矢印AR1に示すように操作部72を押圧してレバー7を回転させる。作業者の押圧力は、倍力機構を介してアウターハウジング3に伝達され、アウターハウジング3をハウジング110に完全嵌合させる。
【0084】
図26および
図27には、相手コネクタ100に対して完全嵌合したコネクタ2が示されている。完全嵌合するときに、レバー7のアーム71の大部分がハウジング110に収容される。より詳しくは、
図27に示すように、アーム71は、第一方向Xから見た場合に保持部62と重ならないようにハウジング110に収容される。
図27に示すように、第二保持部62Bと覆い部64との隙間は、第二の側X2に向けて開放している。従って、実施形態の第1変形例に係るカバー6は、第一のフレキシブルプリント配線板10を第二の側X2に向けて直線状に延出させることができる。
【0085】
第二のフレキシブルプリント配線板20は、アーム71を乗り越えるようにして第二の側X2に引き出される。より詳しくは、第二のフレキシブルプリント配線板20には、第三方向Zに延在する第一の部分20f、および第一方向Xに延在する第二の部分20gが形成される。第一の部分20fは、アーム71とアウターハウジング3との隙間に形成される。第二のフレキシブルプリント配線板20は、第一の部分20fが第一のフレキシブルプリント配線板10と交差するところで第一のフレキシブルプリント配線板10に沿うように折れ曲がる。これにより、第二のフレキシブルプリント配線板20が第一のフレキシブルプリント配線板10と重なる。つまり、コネクタ2が相手コネクタ100と完全嵌合すると、フレキシブルプリント配線板10,20を第二の側X2に向けて直線状に延出させることが可能となる。
【0086】
このように、コネクタ2は、二枚のフレキシブルプリント配線板10,20の延出方向を第一方向Xとすることも可能なように構成されている。よって、ワイヤハーネス1は、車両に搭載されるときの様々な配索方向に柔軟に対応することができる。
【0087】
なお、コネクタ2は、
図28に示すように、フレキシブルプリント配線板10,20をカバー6から第一の側X1に延出させることも可能である。この場合、
図29に示すように、配線板を折り曲げる工程において、作業者は、第二のフレキシブルプリント配線板20を折り曲げて第一のフレキシブルプリント配線板10に重ねる。第二のフレキシブルプリント配線板20は、カバー6の覆い部64に巻き付けるようにして折り返され、第一のフレキシブルプリント配線板10に重ねられる。
【0088】
配線板を保持する工程では、第二のフレキシブルプリント配線板20が二つの保持部62A,62Bと覆い部64との間に挟み込まれて保持される。その後、レバーを組み付ける工程において、二枚のフレキシブルプリント配線板10,20が第一保持部62Aの側面62eに沿わせるように折り曲げられ、レバー7がアウターハウジング3に取り付けられる。コネクタ2が相手コネクタ100に対して完全嵌合すると、
図28に示すように、互いに重なったフレキシブルプリント配線板10,20を第一の側X1に向けて直線状に延出させることが可能となる。
【0089】
[実施形態の第2変形例]
実施形態の第2変形例について説明する。
図31は、実施形態の第2変形例に係るワイヤハーネスの断面図である。実施形態の第2変形例において、上記実施形態と異なる点は、例えば、端子5に対するフレキシブルプリント配線板10,20の取り付けの向きである。
図31に示す第一のフレキシブルプリント配線板10は、第一端子群5Aから第二の側X2に延在するようにして第一端子群5Aに接合される。第二のフレキシブルプリント配線板20は、第二端子群5Bから第一の側X1に延在するようにして第二端子群5Bに接合される。
【0090】
二枚のフレキシブルプリント配線板10,20は、第一端子群5Aと第二端子群5Bとの間の位置において第三方向Zに向けて折り曲げられて重ねられる。第2変形例のコネクタ2は、二枚のフレキシブルプリント配線板10,20を第三方向Zに延出させるようにアウターハウジング3に取り付けられる保持部材を有していてもよい。
【0091】
コネクタ2は、シールドコネクタとして構成されてもよい。この場合、第一のフレキシブルプリント配線板10および第二のフレキシブルプリント配線板20には、導電性のシールド層が設けられてもよい。二枚のフレキシブルプリント配線板10,20が重ね合わされた状態で、シールド層が外側に配置される。シールド層は、ベースフィルム11,21の外側面に塗布された導電性のペーストであってもよい。
【0092】
コネクタ2がシールドコネクタとして構成される場合、コネクタ2は、シールド層を接地する導電部を有していてもよい。接地用の導電部は、フレキシブルプリント配線板10,20のシールド層を金属製の筐体等に接地する。接地用の導電部は、アウターハウジング3に設けられた導電部材であってもよく、アウターハウジング3を覆うシールドシェルであってもよい。
【0093】
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
【符号の説明】
【0094】
1:ワイヤハーネス、 2:コネクタ、 3:アウターハウジング
4:インナーハウジング
4A:第一形状のハウジング、 4B:第二形状のハウジング
5:端子、 5A:第一端子群、 5B:第二端子群
6:カバー、 7:レバー
10:第一のフレキシブルプリント配線板、 10a,10b:貫通孔
10c:第一湾曲部、 10d:第二湾曲部、 10e:第三湾曲部
11:ベースフィルム、 12:印刷回路、 13:カバーレイ
14:第一回路群、 15:第二回路群、 16,17:回路
16a,17a:パターン、 16b,17b:ランド
16c,17c:スルーホール
20:第二のフレキシブルプリント配線板
20c:第一湾曲部、 20d:第二湾曲部、 20e:第三湾曲部
21:ベースフィルム、 22:印刷回路、 23:カバーレイ
24:第一回路群、 25:第二回路群、 26,27:回路
26a,27a:パターン、 26b,27b:ランド
26c,27c:スルーホール
31:収容部
32:筒状部、 32a:主壁、 32b:側壁、 32c:軸部、 32d:リブ
33:底壁、 33a:貫通孔
41:第一の面、 41a:第一突起、 41b:係合部
42:第二の面、 42a:第一凹部
43:第一の面、 43a:第二突起、 43b:係合部
44:第二の面、 44a:第二凹部
45:第一キャビティ、 46:第二キャビティ
47:第一の支持突起、 48:第二の支持突起
51:接続部、 52:挿入部、 52a:テーパ部
61:本体
62:保持部、 62A:第一保持部、 62B:第二保持部
62c:係合部、 62d:傾斜面、 62e:側面、 62f:側面
63:ヒンジ部、 63A:第一ヒンジ部、 63B:第二ヒンジ部
64:覆い部
65:脚部、 65a:係合凹部、 65b:係合突起
66:スリット
71:アーム、 71a:ガイド穴、 71b:当接部
100:相手コネクタ、 110:ハウジング、 120:端子
X:第一方向、 X1:第一の側、 X2:第二の側
Y:第二方向、 Z:第三方向
【手続補正書】
【提出日】2024-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状または筒状の挿入部を有する複数の端子と、前記挿入部を突出させた状態で複数の前記端子を第一方向に並ぶ複数の列に配列させて保持するハウジングと、を有し、複数の前記端子が前記第一方向の第一の側に配置された第一端子群と、前記第一方向の第二の側に配置された第二端子群と、を含むコネクタと、
前記第一端子群の前記挿入部が挿入されるスルーホールと、前記第一端子群の前記挿入部に接続される印刷回路と、を有する第一のフレキシブルプリント配線板と、
前記第二端子群の前記挿入部が挿入されるスルーホールと、前記第二端子群の前記挿入部に接続される印刷回路と、を有する第二のフレキシブルプリント配線板と、
前記ハウジングに取り付けられ、かつ前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板を保持可能に構成された保持部材と、
を備え、
前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板は、前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板のうち少なくとも一方のフレキシブルプリント配線板が折り曲げられることで互いに重ね合わせられ、
前記保持部材は、出口部を有し、互いに重ね合わせた前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板を前記出口部から延出させる
ことを特徴とするワイヤハーネス。
【請求項2】
前記保持部材は、前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板をそれぞれ折り曲げた状態で保持し、互いに重ね合わせた前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板を前記挿入部の突出方向に向けて前記出口部から延出させる
請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項3】
前記保持部材は、前記挿入部を覆うように前記ハウジングに取り付けられる本体と、保持部と、前記本体と前記保持部とをつなぐヒンジ部と、を有し、
前記保持部材は、前記本体と前記保持部との間に前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板を挟み込むことにより、前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板を互いに重ね合わせる
請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項4】
前記保持部材は、前記挿入部を覆うように前記ハウジングに取り付けられる本体と、第一保持部と、前記本体と前記第一保持部とをつなぐ第一ヒンジ部と、第二保持部と、前記本体と前記第二保持部とをつなぐ第二ヒンジ部と、を有し、
前記保持部材は、前記本体と前記第一保持部との間に前記第一のフレキシブルプリント配線板を挟み込み、前記本体と前記第二保持部との間に前記第二のフレキシブルプリント配線板を挟み込み、かつ互いに重ね合わせた前記第一のフレキシブルプリント配線板および前記第二のフレキシブルプリント配線板を前記第一保持部と前記第二保持部との隙間から延出させる
請求項2に記載のワイヤハーネス。