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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121058
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】基板ユニット
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20240830BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20240830BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240830BHJP
   H02G 3/16 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
H05K1/14 C
H05K7/14 A
H05K7/20 B
H02G3/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027925
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲浜▼田 良
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 賢志
【テーマコード(参考)】
5E322
5E344
5E348
5G361
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA04
5E322EA10
5E322EA11
5E322FA04
5E344AA02
5E344AA12
5E344BB02
5E344CC17
5E344DD02
5E344EE02
5E348AA08
5E348AA40
5G361BA01
5G361BA07
5G361BB03
5G361BC01
5G361BC02
5G361BC03
(57)【要約】
【課題】適正に放熱対策をすることができる基板ユニットを提供することを目的とする。
【解決手段】基板ユニット100は、電子部品120が実装される基板110と、可撓性を有し、基板110に接続される平型配索材130と、外壁部140Kで囲われた内部(内部空間部140S)に基板110及び平型配索材130を収容する筐体140とを備えている。また、平型配索材130は、基板110側から筐体140の外壁部140K側に向けてアーチ状に突出して形成され、当該基板110から発生する熱を外壁部140K側に伝熱する熱引き部132を含んで構成されることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が実装される基板と、
可撓性を有し、前記基板に接続される平型配索材と、
外壁部で囲われた内部に前記基板及び前記平型配索材を収容する筐体とを備え、
前記平型配索材は、前記基板側から前記筐体の前記外壁部側に向けてアーチ状に突出して形成され前記基板から発生する熱を前記外壁部側に伝熱する熱引き部を含むことを特徴とする、
基板ユニット。
【請求項2】
前記平型配索材は、前記電子部品同士を電気的に接続する回路の一部を構成する、
請求項1に記載の基板ユニット。
【請求項3】
前記熱引き部は、前記外壁部と接触する、
請求項1または2に記載の基板ユニット。
【請求項4】
前記熱引き部に設けられるシリコンマットを備え、
前記シリコンマットは、前記平型配索材と前記外壁部との間に介在し、前記平型配索材と前記筐体とに接触している状態で配置される、
請求項1または2に記載の基板ユニット。
【請求項5】
前記熱引き部に設けられる放熱部材を備え、
前記放熱部材は、前記外壁部に形成された孔部から突出し、前記筐体の外部に向かって露出している状態で配置される、
請求項1または2に記載の基板ユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、車両に搭載された機器を制御するための電子部品と、当該電子部品が実装された基板とを備える、車両制御用回路基板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-40205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に記載の基板は、当該基板から発生する熱を効率よく放熱させる放熱対策の点で更なる改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、適正に放熱対策をすることができる基板ユニットを提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る基板ユニットは、電子部品が実装される基板と、可撓性を有し、前記基板に接続される平型配索材と、外壁部で囲われた内部に前記基板及び前記平型配索材を収容する筐体とを備え、前記平型配索材は、前記基板側から前記筐体の前記外壁部側に向けてアーチ状に突出して形成され前記基板から発生する熱を前記外壁部側に伝熱する熱引き部を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る基板ユニットは、適正に放熱対策をすることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る基板ユニットを表す分解斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る基板ユニットを表す模式的な断面図である。
図3図3は、図1に示す平型配索材の熱引き部の変形例を表す模式的な斜視図である。
図4図4は、第2実施形態に係る基板ユニットを表す模式的な断面図である。
図5図5は、第3実施形態に係る基板ユニットを表す模式的な断面図である。
【0009】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
なお、図3は、説明の便宜上、基板110と、当該基板110に実装される平型配索材130のみを示し、当該基板110に実装される電子部品120と、各部品が実装された基板110を収容する筐体140とを省略して示している。
【0011】
[第1実施形態]
図1図2に示す本実施形態に係る基板ユニット100は、典型的には、車両に搭載され、エンジンなどの各種装置の作動制御を電子的に行う電子制御ユニット(ECU)に適用されるものである。本実施形態の基板ユニット100は、基板110から発生する熱を当該基板110に実装される平型配索材130を介して移動させることで、適正に放熱対策をすることができる構成を実現したものである。以下、図1図3を参照して、基板ユニット100の構成について詳細に説明する。
【0012】
なお、以下の説明では、互いに交差する第1方向、第2方向、及び、第3方向のうち、第1方向を「第1幅方向X」といい、第2方向を「第2幅方向Y」といい、第3方向を「高さ方向Z」という。ここでは、第1幅方向Xと第2幅方向Yと高さ方向Zとは、互いに直交する。以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、基板ユニット100の各部が組み付けられた状態での方向として説明する。
【0013】
基板ユニット100は、図1に示すように、基板110と、電子部品120と、平型配索材130と、筐体140とを備える。
【0014】
基板110は、種々の電子部品120が実装され、電子部品120同士を電気的に接続する電子回路を構成する板状の部材であり、リジッド基板に電子部品120がはんだ付けされたプリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)である。図1に示すように、基板110は、第1幅方向X及び第2幅方向Yに沿って延在し、高さ方向Zが板厚方向となる略矩形状に形成される。基板110は、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂、紙エポキシ樹脂やセラミック等の絶縁層に、銅等の導電性を有する材料によって配線パターン(プリントパターン)が印刷されることで形成され、当該配線パターンによって回路体が構成される。なお、基板110の構成は、片面基板、両面基板、多層基板、ビルドアップ基板のいずれであってもよい。
【0015】
電子部品120は、基板110に実装され、電気的に接続されることで種々の機能を発揮する素子であり、例えば、コンデンサ、リレー、抵抗、トランジスタ、マイコン等を含む電子制御ユニット等である。
【0016】
平型配索材130は、基板110に接続されることで当該基板110から発生する熱を吸熱して移動させることができるものであり、可撓性を有する板状の部材によって構成されるものである。本実施形態の平型配索材130は、基板110にはんだ付けされたフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)である。フレキシブルプリント基板は、基板110と同様に電子部品120を実装することが可能であり、ポリイミド等のベースフィルムに接着層を介して導体箔やカバーレイを貼り合わせることで形成される。また、フレキシブルプリント基板は、エッチング加工等によって配線パターンが形成され、当該配線パターンによって回路体が構成される。そのため、平型配索材130は、電子部品120同士を電気的に接続する電子回路の一部を構成する部材として基板110に実装される。
【0017】
なお、平型配索材130は、ここではフレキシブルプリント基板であるものとして説明するが、フレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)であってもよい。フレキシブルフラットケーブルは、板状の導体が並列に配置された多芯電線であり、導体の両面をプラスチックフィルムテープ等の絶縁体で挟み、各部材を熱溶着または熱融着によって接合することで形成される。フレキシブルフラットケーブルは、導体に電気を流すことで電子部品120同士を電気的に接続することができる回路体である。そのため、フレキシブルフラットケーブルは、フレキシブルプリント基板と同様に、電子部品120同士を電気的に接続する電子回路の一部を構成する部材として基板110に実装される。
【0018】
また、基板110に対する平型配索材130の接続方法は、特に限定されない。平型配索材130は、ホルダを介して基板110に仮固定された状態ではんだ付けされるものであってもよい。また、平型配索材130は、基板コネクタを介して基板110に固定されるものであってもよい。
【0019】
筐体140は、複数の側壁部140Kaと上壁部140Kbと含む外壁部140Kによって構成され、各壁部が一体となって形成されることで、基板110、及び、平型配索材130を内部空間部140Sに収容することができるものである。ここでいう側壁部140Kaは、第1幅方向X及び高さ方向Zに沿って延在し、第2幅方向Yが板厚方向となる一対の壁部と、第2幅方向Y及び高さ方向Zに沿って延在し、第1幅方向Xが板厚方向となる一対の壁部とを合わせた、4つの壁部である。また、上壁部140Kbは、いわゆる天井壁であり、第1幅方向X及び第2幅方向Yに沿って延在し、高さ方向Zが板厚方向となる壁部である。本実施形態の筐体140は、図2に示すように、4つの側壁部140Kaが基板110を囲うように位置し、上壁部140Kbが基板110と所定の間隔を空けて位置することで、基板110に実装された電子部品120や平型配索材130を覆った状態で組み付けられる。
【0020】
そして、本実施形態の平型配索材130は、上記のように構成される基板ユニット100において、図1図2に示すように、アーチ状に形成されている。より詳しく言えば、平型配索材130は、両端部にそれぞれ位置する接続部131と、2つの接続部131の間に位置し、基板110から突出して配置される熱引き部132を含んで構成されている。
【0021】
接続部131は、一方の端部が基板110に固定される部分であり、基板110の実装面に沿って延在する部分である。
【0022】
熱引き部132は、一対の接続部131を繋ぐ部分であり、基板110側から筐体140の外壁部140K側に向けてアーチ状に突出して形成される部分である。また、言い換えれば、熱引き部132は、平型配索材130において筐体140に近接させている部位であり、筐体140の内面側に接近する部位である。
【0023】
具体的には、熱引き部132は、図2に示すように、接続部131と連続して形成される立ち上がり部分132aと、2つの立ち上がり部分132aの間に位置する接触部分132bを含んで構成されている。ここでいう立ち上がり部分132aは、基板110側から筐体140側に向かって延在する部分であり、一方の端部が接続部131に接続され、他方の端部が基板110から離れて位置する部分である。また、接触部分132bは、一対の立ち上がり部分132aを繋ぐ部分であり、基板110と所定の間隔を空けて位置する部分である。そのため、熱引き部132は、2つの立ち上がり部分132aと接触部分132bが一体となって形成されることで、U字状、すなわちアーチ状に形成されている。また、熱引き部132は、図2に示すように、筐体140の内部に収容された状態で、アーチ状に形成されている部分が筐体140の外壁部140Kによって押さえられることで弾性変形している。
【0024】
上記のように構成される熱引き部132は、筐体140の内部に収容された状態で、平型配索材130の弾力性によって筐体140の上壁部140Kbに押し付けられ、当該上壁部140Kbに接触部分132bが接触している状態で配置される。そして、熱引き部132は、基板110から発生する熱を接続部131から吸収し、当該熱を熱引き部132の立ち上がり部分132aから接触部分132bに伝えることができる。そのため、本実施形態の熱引き部132は、接触部分132bを介して、基板110から吸収した熱を筐体140の外壁部140Kに伝えることで、当該熱を大気(外壁部140Kの外側に位置する空気)に近い構造部材に移動させることができる。
【0025】
以上で説明した基板ユニット100は、電子部品120が実装される基板110と、可撓性を有し、基板110に接続される平型配索材130と、外壁部140Kで囲われた内部(内部空間部140S)に基板110及び平型配索材130を収容する筐体140とを備えている。また、平型配索材130は、基板110側から筐体140の外壁部140K側に向けてアーチ状に突出して形成され、当該基板110から発生する熱を外壁部140K側に伝熱する熱引き部132を含んで構成される。
【0026】
このような構成によれば、平型配索材130は、熱引き部132を介して、基板110から吸収した熱を筐体140の外壁部140K側に伝えることで、当該熱を基板110側から大気側に移動させることができる。そして、平型配索材130は、発生源から熱を遠ざけて逃がすことで、局所的な熱を分散させることができる。したがって、基板ユニット100は、平型配索材130を介して基板110から発生する熱を移動させて、当該熱を放熱することで、適正に放熱対策をすることができる。
【0027】
また、基板ユニット100は、平型配索材130がアーチ状に形成されていることで、平型配索材130の下側にも電子部品120を実装することができる。そのため、電子部品120を跨ぐように平型配索材130を配置することができ、電子部品120と平型配索材130を重ねて配置することにより、基板110の実装面を有効に使うことができる。
【0028】
さらに、以上で説明した平型配索材130は、電子部品120同士を電気的に接続する回路の一部を構成する。このような構成によれば、平型配索材130は、電子部品120同士を電気的に接続する回路体に、熱引き部材としての機能を加えることで、基板110から熱を移動させることができる。そのため、基板に実装される部品点数を削減することができ、基板ユニット100の小型化に寄与することができる。
【0029】
さらに、以上で説明した平型配索材130の熱引き部132は、筐体140の外壁部140Kと接触した状態で配置される。このような構成によれば、平型配索材130は、基板110から吸収した熱を熱引き部132から筐体140の外壁部140Kに直接伝えることで、当該熱をより効率よく移動させることができる。そのため、平型配索材130は、基板110から発生する熱をより効率よく放熱することができる。
【0030】
なお、基板ユニット100は、基板110から発生する熱を当該基板110に実装される平型配索材130から筐体140に移動させることで、当該熱を発生源から遠ざけることができる構成である限り、その構成は特に限定されない。
【0031】
例えば、平型配索材130の熱引き部132が接触することで熱が伝わる箇所は、筐体140の外壁部140Kであることが好ましいが、上記で説明した上壁部140Kbに限定されない。
【0032】
また、平型配索材130は、図1に示すように、一定の幅で延在する部材であってもよいが、幅が拡大された箇所が部分的に形成されるものであってもよい。例えば、図3に示す基板ユニット100Aは、平型配索材130Aの熱引き部132Aに設けられる接触部分132bAは、中央部分が略円形状に形成されている。また、接触部分132bAは、中央部分の幅(第2幅方向Yに長さ)が立ち上がり部分132aAの幅や接続部131の幅と比べて大きく構成されている。そのため、熱引き部132Aは、図1に示す熱引き部132と比べて平面積が広く、筐体140に対する接触面積が拡大されている。そのため、熱引き部132Aは熱引き量が多く、平型配索材130Aは、当該熱引き部132Aを介して、基板110から吸収した熱を筐体140の外壁部140Kにより効率よく伝えることができる。
【0033】
[第2実施形態]
次に、図4に示す第2実施形態に係る基板ユニット200について説明する。基板ユニット200は、平型配索材130が、間接部材を介して筐体140の外壁部140Kに接触する点で、上記第1実施形態に係る基板ユニット100と異なる。なお、第2実施形態では、上記第1実施形態と同一の構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0034】
基板ユニット200は、図4に示すように、基板110と、電子部品120と、平型配索材130と、筐体140と、シリコンマット250とを備える。
【0035】
シリコンマット250は、平型配索材130の熱引き部132と筐体140の上壁部140Kbとの間に介在し、平型配索材130と筐体140に接触している状態で配置されるものであり、シート状の部材によって構成されるものである。シリコンマット250は、熱引き部132の接触部分132bに設けられ、自身の粘着性と、平型配索材130の弾力性によって、平型配索材130と筐体140に密着している状態で配置される。そのため、シリコンマット250は、平型配索材130と筐体140の接合界面に存在する空気層を埋めることができ、平型配索材130から筐体140への熱伝導性をより高めることができる。
【0036】
このような構成によれば、平型配索材130は、シリコンマット250を介して、基板110から吸収した熱を熱引き部132から筐体140の上壁部140Kbにより効率よく伝えることで、当該熱をより効率よく移動させることができる。したがって、基板ユニット200は、平型配索材130を介して基板110から発生する熱を移動させて、当該熱を放熱することで、適正に放熱対策をすることができる。
【0037】
[第3実施形態]
次に、図5に示す第3実施形態に係る基板ユニット300について説明する。基板ユニット300は、基板110から発生する熱を平型配索材130の熱引き部132に設けられる放熱部材360を介して移動させる点で、上記第1実施形態に係る基板ユニット100と異なる。なお、第3実施形態では、上記第1実施形態、第2実施形態と同一の構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0038】
基板ユニット300は、図5に示すように、基板110と、電子部品120と、平型配索材130と、筐体140と、シリコンマット250と、放熱部材360とを備える。
【0039】
放熱部材360は、熱引き部132の接触部分132bに設けられ、平型配索材130から伝わった熱を放熱するものであり、銅やアルミニウム等の金属によって形成されるものである。放熱部材360は、放熱板361と、当該放熱板361に設けられる複数の放熱フィン362を含んで構成されている。
【0040】
放熱板361は、第1幅方向X及び第2幅方向Yに沿って延在し、高さ方向Zが板厚方向となる板状の部材によって構成されるものである。放熱板361は、一方側に設けられる受熱面361mを有し、当該受熱面361mが平型配索材130の熱引き部132と対向して配置されることで、受熱面361mを介して熱引き部132から熱を受け取ることができる。
【0041】
放熱フィン362は、第2幅方向Y及び高さ方向Zに沿って延在し、第1幅方向Xが板厚方向となる板状の部材によって構成されるものである。放熱フィン362の各々は、放熱板361の受熱面361mとは反対側の面に形成され、第1幅方向Xに沿って間隔を空けて配置されている。そのため、放熱部材360は、放熱板361と放熱フィン362が一体となって形成されることで、平型配索材130の熱引き部132から受け取った熱を放熱板361から放熱フィン362に伝えることができ、当該熱を放熱フィン362のそれぞれに逃がすことで局所的な熱を分散させることができる。
【0042】
なお、第3実施形態の筐体140は、上壁部140Kbに孔部140Hが形成され、当該孔部140Hを介して内部(内部空間部140S)と外部とが連通している。孔部140Hは、高さ方向Zに沿って形成される貫通孔であり、放熱部材360の放熱板361の大きさにあわせて形成されている孔部である。そのため、基板ユニット300は、平型配索材130が筐体140の内部空間部140Sに収容され、平型配索材130の熱引き部132に設けられた放熱部材360が筐体140の孔部140Hから突出して筐体140の外部に向かって露出している状態で配置される。
【0043】
また、第3実施形態のシリコンマット250は、平型配索材130の熱引き部132と放熱部材360の放熱板361との間に介在し、平型配索材130と放熱部材360に接触している状態で配置される。シリコンマット250は、熱引き部132の接触部分132bに設けられ、自身の粘着性によって、平型配索材130と放熱部材360に密着している状態で配置される。そのため、シリコンマット250は、第1実施形態と同様に、平型配索材130から放熱部材360への熱伝導性をより高めることができる。
【0044】
このような構成によれば、平型配索材130は、シリコンマット250を介して、基板110から吸収した熱を熱引き部132から放熱部材360の放熱板361に効率よく伝えることで、当該熱を基板110側から大気側に効率よく移動させることができる。また、放熱部材360は、放熱板361から放熱フィン362に伝わった熱を放熱フィン362の先端362aに移動させることで、基板110から発生する熱を大気に近い箇所に移動させることができる。そして、放熱部材360は、発生源から熱をさらに遠ざけることで、局所的な熱を分散させることができる。したがって、基板ユニット300は、平型配索材130を介して基板110から発生する熱を移動させて、当該熱を放熱部材360から放熱することで、適正に放熱対策をすることができる。
【0045】
なお、基板ユニット300は、基板110から発生する熱を当該基板110に実装される平型配索材130から放熱部材360に移動させることで、当該熱を発生源から遠ざけることができる構成である限り、その構成は特に限定されない。
【0046】
例えば、平型配索材130の熱引き部132は、図5に示すように、シリコンマット250を介して放熱部材360に接触していてもよいが、熱引き部132と放熱部材360の放熱板361との間に介在する間接部材の種類は、両部材を接着することができるものである限り、特に限定されない。当該間接部材は、例えば、両面テープであってもよく、接着剤であってもよい。
【0047】
なお、放熱部材360は、図5に示すように、筐体140の外壁部140Kに形成された孔部140Hから突出して配置されていてもよいが、筐体140内に配置されていてもよい。この場合、筐体140は、外壁部140Kに孔部140Hが形成されておらず、基板110に実装された電子部品120や平型配索材130を覆った状態で組み付けられることで、放熱部材360を内部に収容することができる。また、放熱部材360は、熱引き部132から受け取った熱を放熱フィン362の先端362aに移動させ、内部空間部140Sに拡散させることで、局所的な熱を分散させることができる。
【0048】
なお、上述した本発明の実施形態に係る基板ユニット100、200、300は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0049】
例えば、平型配索材130の位置や、平型配索材130の個数は、特に限定されない。基板110上に複数の平型配索材130が配置されている場合、平型配索材130同士が重ならないように配置されていることが好ましいが、平型配索材130を介して熱が移動することができる配置である限り、平型配索材130の位置や延在方向は、特に限定されない。
【0050】
また、平型配索材130は、単に、基板110から熱を移動させることができる熱引き部材としての機能を有するものであれば、その構成は限定されない。
【0051】
また、本実施形態に係る基板ユニットは、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【符号の説明】
【0052】
100、200、300 基板ユニット
110 基板
120 電子部品
130 平型配索材
132 熱引き部
140 筐体
140H 筐体の外壁部に形成された孔部
140K 筐体の外壁部
140S 内部空間部(筐体の内部)
250 シリコンマット
360 放熱部材
X 第1幅方向
Y 第2幅方向
Z 高さ方向

図1
図2
図3
図4
図5