(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121069
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20240830BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240830BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20240830BHJP
B60L 15/20 20060101ALI20240830BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240830BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20240830BHJP
【FI】
G08G1/01 A
G08G1/09 F
G01C21/34
B60L15/20 J
B60L50/60
B60L58/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027954
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西川 一紀
【テーマコード(参考)】
2F129
5H125
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC15
2F129CC16
2F129DD44
2F129DD49
2F129EE38
2F129EE52
2F129EE88
2F129EE92
2F129FF02
2F129FF70
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC22
5H125CA18
5H125CC04
5H125CD02
5H125CD03
5H125EE27
5H125EE51
5H125EE61
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB08
5H181FF03
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF32
5H181MC13
(57)【要約】
【課題】
充電切れによる車両停止が発生する前に電気自動車の運転者に通知を行いかつ、充電切れによる車両停止に起因する事故及び渋滞の発生を防止することが可能な情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】
路上又は路側に設置されたアンテナによって1の電気自動車から受信された航続可能距離に関する航続可能距離情報を取得する航続可能距離情報取得部と、
前記1の電気自動車が道路の出口のいずれか又は充電設備まで到達するまでの距離である到達距離を取得する距離取得部と、前記航続可能距離情報及び前記到達距離に基づいて、前記1の電気自動車が充電切れにより前記道路上で走行停止する可能性があるか否かを判定する判定部と、前記1の電気自動車に向けて前記判定部の判定の結果に基づく情報を送信する送信部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
路上又は路側に設置されたアンテナによって1の電気自動車から受信された航続可能距離に関する航続可能距離情報を取得する航続可能距離情報取得部と、
前記1の電気自動車が道路の出口のいずれか又は充電設備まで到達するまでの距離である到達距離を取得する距離取得部と、
前記航続可能距離情報及び前記到達距離に基づいて、前記1の電気自動車が充電切れにより前記道路上で走行停止する可能性があるか否かを判定する判定部と、
前記1の電気自動車に向けて前記判定部の判定の結果に基づく情報を送信する送信部と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記道路は、自動車専用道路であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記判定部が前記1の電気自動車が充電切れにより前記道路上で走行停止する可能性があると判定した場合には、前記アンテナから前記1の電気自動車に前記1の電気自動車が充電切れにより前記道路上で走行停止する可能性があることを示す停止可能性情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記道路への進入時において、前記アンテナから前記1の電気自動車に前記道路への進入の中止を促す情報を送信することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、前記アンテナから前記1の電気自動車に前記道路の出口からの退出を促す情報を送信することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記道路から退出を促す情報を送信した前記1の電気自動車が、前記道路から退出できずに充電切れにより前記道路上で走行停止する可能性があると判定した場合には、前記アンテナから、前記1の電気自動車の後方を走行する他の車両に対して、充電切れにより前記道路上で走行停止する可能性がある前記1の電気自動車が走行している情報を送信することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報処理装置は、前記1の電気自動車の後方の電光掲示板に、充電切れにより前記道路上で走行停止する可能性がある前記1の電気自動車が走行している情報を表示させることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報処理装置は、前記1の電気自動車の後方を走行している道路巡回車に対して、充電切れにより前記道路上で走行停止する可能性がある前記1の電気自動車の情報を送信することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
路上又は路側に設置されたアンテナによって1の電気自動車から受信された航続可能距離に関する航続可能距離情報を取得する航続可能距離情報取得ステップと、
前記1の電気自動車が道路の出口のいずれか又は充電設備まで到達するまでの距離である到達距離を取得する距離取得ステップと、
前記航続可能距離情報及び前記到達距離に基づいて、前記1の電気自動車が充電切れにより前記道路上で走行停止する可能性があるか否かを判定する判定ステップと、
前記1の電気自動車に向けて前記判定ステップの判定の結果に基づく情報を送信する送信ステップと、を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
前記判定ステップは、前記1の電気自動車が前記アンテナとは異なる他のアンテナが設置された地点において、すでに前記送信ステップで前記判定ステップの判定の結果に基づく情報が送信された前記1の電気自動車であるか否かを判定することを特徴とする請求項9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
路上又は路側に設置されたアンテナによって1の電気自動車から受信された航続可能距離に関する航続可能距離情報を取得する航続可能距離情報取得ステップと、
前記1の電気自動車が道路の出口のいずれか又は充電設備まで到達するまでの距離である到達距離を取得する距離取得ステップと、
前記航続可能距離情報及び前記到達距離に基づいて、前記1の電気自動車が充電切れにより前記道路上で走行停止する可能性があるか否かを判定する判定ステップと、
前記1の電気自動車に向けて前記判定ステップの判定の結果に基づく情報を送信する送信ステップと、を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項12】
前記判定ステップは、前記1の電気自動車が前記アンテナとは異なる他のアンテナが設置された地点において、すでに前記送信ステップで前記判定ステップの判定の結果に基づく情報が送信された前記1の電気自動車であるか否かを判定することを特徴とする請求項11に記載の情報処理プログラム。
【請求項13】
道路を走行し、自身の航続可能距離に関する航続可能距離情報を送信する1の電気自動車と、
前記道路の路上又は路側に設置されたアンテナと、
前記アンテナによって前記1の電気自動車から受信された前記航続可能距離情報を取得する航続可能距離情報取得部、前記1の電気自動車が前記道路の出口のいずれか又は充電設備まで到達するまでの距離である到達距離を取得する距離取得部、前記航続可能距離情報及び前記到達距離に基づいて前記1の電気自動車が充電切れにより前記道路上で走行停止する可能性があるか否かを判定する判定部、及び前記1の電気自動車に向けて前記判定部の判定の結果に基づく情報を送信する送信部を有する情報処理装置と、を有することを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バッテリによってモータを駆動させる電気自動車が徐々に普及している。しかし、ガソリン車と比較して、電気自動車は、その航続距離の短さ、充電設備を有する充電スポットの少なさ、充電時間の長さ等の問題もあり、当該電気自動車が路上でバッテリの充電切れが起こる可能性がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、電気自動車のバッテリ残存量及び当該バッテリの利用可能な走行用エネルギーに基づいて、現在位置から目的地に到達できる到達確率を地図上に表示する電気自動車の表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の表示装置においては、目的地に到達できる到達確率を表示するのみであり、電気自動車の充電切れによる車両停止を通知するものではない。道路走行中、特に、高速道路走行中において電気自動車が充電切れによる車両停止状態となった場合、当該車両停止に起因する事故、又は渋滞が発生するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、充電切れによる車両停止が発生する前に電気自動車の運転者に通知を行いかつ、充電切れによる車両停止に起因する事故及び渋滞の発生を防止することが可能な情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による情報処理装置は、路上又は路側に設置されたアンテナによって1の電気自動車から受信された航続可能距離に関する航続可能距離情報を取得する航続可能距離情報取得部と、前記1の電気自動車が道路の出口のいずれか又は充電設備まで到達するまでの距離である到達距離を取得する距離取得部と、前記航続可能距離情報及び前記到達距離に基づいて、前記1の電気自動車が充電切れにより前記道路上で走行停止するか否かを判定する判定部と、前記1の電気自動車に向けて前記判定部の判定の結果に基づく情報を送信する送信部と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明による情報処理方法は、路上又は路側に設置されたアンテナによって1の電気自動車から受信された航続可能距離に関する航続可能距離情報を取得する航続可能距離情報取得ステップと、前記1の電気自動車が道路の出口のいずれか又は充電設備まで到達するまでの距離である到達距離を取得する距離取得ステップと、前記航続可能距離情報及び前記到達距離に基づいて、前記1の電気自動車が充電切れにより前記道路上で走行停止するか否かを判定する判定ステップと、前記1の電気自動車に向けて前記判定ステップの判定の結果に基づく情報を送信する送信ステップと、を有する。
【0009】
また、本発明による情報処理プログラムは、コンピュータに、路上又は路側に設置されたアンテナによって1の電気自動車から受信された航続可能距離に関する航続可能距離情報を取得する航続可能距離情報取得ステップと、前記1の電気自動車が道路の出口のいずれか又は充電設備まで到達するまでの距離である到達距離を取得する距離取得ステップと、前記航続可能距離情報及び前記到達距離に基づいて、前記1の電気自動車が充電切れにより前記道路上で走行停止するか否かを判定する判定ステップと、前記1の電気自動車に向けて前記判定ステップの判定の結果に基づく情報を送信する送信ステップと、を実行させる。
【0010】
また、本発明による情報処理システムは、道路を走行し、自身の航続可能距離に関する航続可能距離情報を送信する1の電気自動車と、前記道路の路上又は路側に設置されたアンテナと、前記アンテナによって前記1の電気自動車から受信された前記航続可能距離情報を取得する航続可能距離情報取得部、前記1の電気自動車が前記道路の出口のいずれか又は充電設備まで到達するまでの距離である到達距離を取得する距離取得部、前記航続可能距離情報及び前記到達距離に基づいて前記1の電気自動車が充電切れにより前記道路上で走行停止する可能性があるか否かを判定する判定部、及び前記1の電気自動車に向けて前記判定部の判定の結果に基づく情報を送信する送信部を有する情報処理装置と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例1に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【
図2】実施例1に係る情報処理システムの車両側ユニットのブロック図である。
【
図3】実施例1に係る情報処理システムの情報処理装置のブロック図である。
【
図4】実施例1に係る情報処理システムの通知の一例を示す図である。
【
図5】実施例1に係る情報処理システムの通知フローを示す図である。
【
図6】実施例2に係る情報処理システムの通知の一例を示す図である。
【
図7】実施例2に係る情報処理システムの通知フローを示す図である。
【
図8】実施例3に係る情報処理システムの通知の一例を示す図である。
【
図9】実施例3に係る情報処理システムの通知フローを示す図である。
【
図10】実施例4に係る情報処理システムの通知の一例を示す図である。
【
図11】実施例4に係る情報処理システムの通知フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ具体的に説明する。なお、図面において、同一の構成要素については同一の符号を付け、重複する構成要素の説明は省略する。
【実施例0013】
図1は、実施例1に係る情報処理システム1の構成を示す図である。また、
図2は、車両側ユニット10のブロック図である。また、
図3は、サーバ30のブロック図である。
【0014】
情報処理システム1は、道路RDを走行する電気自動車である車両M、アンテナ20及びサーバ30を含む。
【0015】
道路RDは、例えば、高速道路等の自動車専用道路の道路である。すなわち、本実施例1においては、道路RDには、道路RDへの入口及び出口があり、当該入口及び出口の間には、パーキングエリア又はサービスエリア等に設置された充電装置がある場合について説明する。
【0016】
車両Mは、例えば、車両側ユニット10、バッテリ11、モータ12及び車両Mの客室内に設けられたディスプレイ13、スピーカ14を有する。
【0017】
車両側ユニット10は、
図2に示すように、航続可能距離演算部10A、通信部10B及び出力部10Cを含む。
【0018】
航続可能距離演算部10Aは、車両Mの走行電力源であるバッテリ11及びバッテリ11の電力を消費して車両Mを走行させるモータ12と互いに接続されている。
【0019】
航続可能距離演算部10Aは、バッテリ11及びモータ12の情報に基づいて、車両Mの航続可能距離を算出する。
【0020】
具体的には、航続可能距離演算部10Aは、例えば、バッテリ11の残量と、モータ12の消費電力量と、モータ12の回転数、すなわち車両Mの速度とに基づいて、車両Mの航続可能距離を算出する。
【0021】
なお、航続可能距離演算部10Aは、バッテリ11の残量と、今までの走行履歴から算出される単位走行距離あたりの電費に基づいて車両Mの航続可能距離を算出してもよい。
【0022】
また、例えば、航続可能距離演算部10Aは、バッテリ11残量と、図示しないカーナビゲーションシステムに含まれる地図情報に紐づけされた道路RDにおける想定走行速度とに基づいて航続可能距離を算出してもよい。例えば、道路RDの渋滞時においては、航続可能距離は短く算出され得る。
【0023】
また、例えば、航続可能距離演算部10Aは、上記航続可能距離の算出の際に、現在の外気温やバッテリ11の温度といったバッテリの状況及び車内の電装品(例えば、ヘッドライト、エアコン、シートヒータ、熱線デフォッガ等)の使用状況のいずれかまたは両方に基づく修正演算を行ってもよい。なお、この修正演算は、車両Mの積載荷重(搭乗者の重量や積載している荷物の重量)に応じてなされてもよい。
【0024】
通信部10Bは、アンテナ20と相互に通信可能な通信装置である。通信部10Bは、例えば、車両Mの側から、航続可能距離演算部10Aで算出された航続可能距離に関する航続可能距離情報及び車両Mの車両識別情報をアンテナ20に送信する。
【0025】
また、通信部10Bは、例えば、アンテナ20の側から、車両Mが道路RD上で充電切れによる車両停止の発生が予想されることを示す情報を受信する。
【0026】
通信部10Bとアンテナ20との通信は、例えば、VICS(Vehicle Information and Communication System:登録商標)又はDSRC(Dedicated Short Range Communications:登録商標)等の双方向通信可能な通信方式によってなされる。なお、通信部10Bとアンテナ20との通信は、車両側ユニット10が搭載されている車両以外の他車の装置を経由したマルチホップ方式でなされてもよい。これによって、アンテナ20や通信部10B単体の出力や感度によって実現される通信距離よりも長い距離の通信が可能になる。
【0027】
例えば、アンテナ20が法的や技術的制約により、高速道路本線には取り付けられるが高速道路入口周辺には取り付けられない場合にも、アンテナ20から距離のある入口付近近傍の車両側ユニット10との通信が、低出力及び低感度のアンテナ20及び通信部10Bによって可能になりうる。
【0028】
出力部10Cは、車両Mの客室内に設置されたディスプレイ13及びスピーカ14と互いに接続されている。出力部10Cは、通信部10Bが、後述のサーバ30からの情報をアンテナ20を介して受信した際に、当該情報を車両Mの運転者及び同乗者にディスプレイ13及びスピーカ14を介して通知する。
【0029】
アンテナ20は、例えば、道路RDの路上又は路側に所定間隔ごとに複数設置され、車両側ユニット10の通信部10Bと相互に通信しかつサーバ30と相互に通信を行う。アンテナ20は、例えば、車両側ユニット10の通信部10Bから受信した航続可能距離情報及び車両Mの車両識別情報をネットワークNWを介してサーバ30に送信する。
【0030】
アンテナ20とサーバ30との通信は、例えば、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)等の双方向通信可能な通信方式によってなされる。
【0031】
情報処理装置としてのサーバ30は、
図3に示すように、通信部30A、記憶部30B、距離取得部30C及び判定部30Dを含む。
【0032】
通信部30Aは、アンテナ20と相互に通信を行う通信装置である。通信部30Aは、例えば、アンテナ20から、車両Mの航続可能距離情報及び車両Mの車両識別情報を受信する。この時、サーバ30の通信部30Aは、アンテナ20によって車両Mから受信された航続可能距離に関する航続可能距離情報を取得する航続可能距離情報取得部として機能する。
【0033】
記憶部30Bは、例えば、ハードディスク装置、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により構成されており、オペレーティングシステム及び各ブロック動作用のソフトウェア等の各種プログラムを記憶する。
【0034】
記憶部30BのDB1は、例えば、地図情報及び当該地図情報におけるアンテナ20の位置、道路RDの入口、出口の位置及び充電装置設置場所の位置の情報を記憶する。
【0035】
また、記憶部30BのDB2は、例えば、車両Mの車両側ユニット10と通信を行ったアンテナ20の位置と、当該アンテナ20が受信した車両Mの航続可能距離情報及び車両Mの車両識別情報を記憶する。
【0036】
なお、各種プログラム、地図情報の情報は、例えば、他のサーバ装置等からネットワークNWを介して取得されてもよいし、記録媒体に記録されて各種ドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。すなわち、記憶部30Bに記憶される各種プログラムは、ネットワークNWを介して伝送可能であるし、また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して譲渡することが可能である。
【0037】
距離取得部30Cは、記憶部30Bに記憶された地図情報から、車両Mの車両側ユニット10と通信を行ったアンテナ20の位置から車両Mの走行する進行方向の道路RDの出口及び充電装置設置場所まで到達するまでの距離である到達距離を取得する。すなわち、サーバ30の距離取得部30Cは、車両Mが道路RDの出口のいずれか又は充電設備CHまで到達するまでの距離である到達距離を取得する。
【0038】
なお、充電設備CHは、車両Mのバッテリに充電可能な設備である。例えば、車両Mが対応可能な充電方式が、充電設備CHが対応可能な充電方式と異なる等により、車両Mのバッテリに充電不可能な設備は含まないこととしてよい。
【0039】
このような充電不可能な設備が判定処理によって除外された上で、以下の判定部30Dの処理が行われてもよい。充電設備による充電が不可能な具体例としては、車両Mはコンダクティブ充電のみに対応しているが、充電設備がインダクティブ方式やワイヤレス給電方式である場合が考えられる。
【0040】
判定部30Dは、車両Mが道路RD上で充電切れによる車両停止が発生するか否かを判定する。
【0041】
具体的には、判定部30Dは、車両Mの航続可能距離情報と、距離取得部30Cが取得した道路RDの最寄りの出口又は充電装置設置場所までの到達距離とを比較する。
【0042】
判定部30Dは、車両Mの航続可能距離情報に含まれる航続可能距離が道路RDの最寄りの出口又は充電装置設置場所までの到達距離よりも小さい場合、車両Mが道路RD上で充電切れによる車両停止が発生する可能性があると判定する。言い換えれば、サーバ30の判定部30Dは、航続可能距離情報及び到達距離に基づいて、車両Mが充電切れにより道路RD上で走行停止する可能性があるか否かを判定する。
【0043】
判定部30Dは、車両Mが道路RD上で充電切れによる車両停止が発生する可能性があると判定した場合、通信部30Aからアンテナ20を介して、車両Mが充電切れにより道路RD上で車両停止することを示す情報を車両Mに送信する。言い換えれば、この時、サーバ30の通信部30Aは、車両Mに向けて判定部30Dの判定の結果に基づく情報を送信する送信部として機能する。また、サーバ30は、判定部30Dが車両Mが充電切れにより道路RD上で走行停止する可能性があると判定した場合には、アンテナ20から車両Mに車両Mが充電切れにより道路RD上で走行停止する可能性があることを示す停止可能性情報を送信する。
【0044】
また、例えば、判定部30Dは、車両Mの航続可能距離が道路RDの2番目に近い出口の位置又は充電装置設置場所の位置までの距離よりも小さい場合、道路RDの直近の出口で道路RDからの退出すること又は直近の充電装置設置場所で充電を行うことを促すこともできる。言い換えれば、サーバ30は、アンテナ20から車両Mに道路RDの出口からの退出を促す情報を送信する。
【0045】
また、例えば、判定部30Dは、高速道路である道路RDに進入する前であれば、車両Mの航続可能距離が道路RDの最寄りの出口の位置又は最寄りの充電装置設置場所の位置までの距離よりも小さい場合、道路RDへの進入を中止することを促すこともできる。言い換えれば、サーバ30は、高速道路である道路RDへの進入時において、アンテナ20から車両Mに道路RDへの進入の中止を促す情報を送信する。
【0046】
車両側ユニット10は、上記走行停止する可能性があることを示す情報または進入の中止を促す情報を受信すると、車内のディスプレイへの表示またはスピーカからの音声により当該情報を乗員に告知する。なお、上記走行停止する可能性があることを示す情報または進入の中止を促す情報は、車両側ユニット10ではなくユーザのスマートフォン等の端末に送信されて、当該端末を介して乗員に当該情報の告知がなされてもよい。
【0047】
情報処理システム1は、上記の構成により、車両Mが道路RD上で充電切れによる車両停止が発生する前に通知を行うことができ、車両停止が発生する前に道路RDからの退出する又は充電を行う機会を与えることが可能となる。これにより、車両Mの充電切れによる車両停止に起因する事故及び渋滞の発生を防止することが可能となる。
【0048】
図4は、実施例1に係る情報処理システム1における、車両Mに対して、当該車両Mが道路RD上で車両停止する可能性があることを通知する一例を示す図である。なお、
図4においては、車両Mが高速道路である道路RDに進入する前に通知を行う場合である。
【0049】
実施例1においては、道路RDが進入路INから入口ENを通って道路RDの本線に進入するようになっている場合について説明する。また、実施例1においては、入口ENの手前に、道路RDに進入する前に退避可能な第1の出口EX1が設けられている場合について説明する。また、実施例1においては、入口ENから道路RDの本線上に、第2の出口EX2、充電設備CHが道路RDの進行方向に向かって順に設けられている場合について説明する。
【0050】
アンテナ20Aは、道路RDの入口ENより手前の進入路INの路上又は路側に設置されている。
【0051】
車両Mは、進入路INから道路RDに進入するために入口ENに向かっている。車両Mの車両側ユニット10の通信部10Bは、進入路IN上で接近したアンテナ20A近傍にて、アンテナ20Aを介してサーバ30と通信を行う。
【0052】
以下に、
図5を用いて情報処理システム1の動作を説明する。
【0053】
図5は、実施例1に係る情報処理システム1の車両Mへの停止可能性情報の通知フローFC1を示す図である。
【0054】
まず、サーバ30の通信部30Aは、車両Mがアンテナ20Aに接近した際に、アンテナ20Aを介して車両Mの車両側ユニット10から送信される航続可能距離情報及び車両識別情報を取得して記憶部30Bに記憶する航続可能距離情報取得ステップを行う(ステップS11)。
【0055】
次に、サーバ30の距離取得部30Cは、記憶部30Bに記憶されている地図情報から、車両Mと接近したアンテナ20Aから最寄りの出口である第2の出口EX2及び最寄りの充電設備CHまでの到達距離を取得する距離取得ステップを行う(ステップS12)。
【0056】
次に、サーバ30の判定部30Dは、記憶部30Bに記憶された車両Mの航続可能距離情報に含まれる航続可能距離と、距離取得部30Cが取得した到達距離とを比較し、当該航続可能距離が第2の出口EX2までの到達距離未満か否かを判定する判定ステップを行う(ステップS13)。
【0057】
判定部30Dが車両Mの航続可能距離が第2の出口EX2までの到達距離未満であると判定した場合(ステップS13:Yes)、判定部30Dは、通信部30Aからアンテナ20Aを介して車両Mに対して、車両Mが充電切れにより道路RD上で車両停止する可能性があることを示す情報である停止可能性情報を送信する送信ステップを行う(ステップS14)。なお、この場合において、判定部30Dは、車両Mに対して、道路RDに進入する前に、入口EN前に設けられた退避可能な第1の出口EX1から、道路RDに進入せずに退出することを促す情報を送信するようにしてもよい。
【0058】
また、判定部30Dが車両Mの航続可能距離が第2の出口EX2までの到達距離以上であると判定した場合(ステップS13:No)、判定部30Dは、処理を終了する。なお、この時、判定部30Dは、車両Mの航続可能距離に応じて、最寄りの出口である第2の出口EX2から退出すること又は最寄りの充電設備CHにて充電を行うことを促す情報を送信するようにしてもよい。
【0059】
実施例1によれば、車両Mが高速道路である道路RDに進入する前に、道路RDを走行中に充電切れが発生して車両停止することを車両Mの運転者に通知することができる。これにより、車両Mに道路RDへの進入を中止する機会を与え、道路RDを走行中の車両Mの充電切れによる車両停止に起因する事故、渋滞の防止することが可能となる。また、実施例1によれば、車両Mのバッテリ11の充電切れを危惧する車両Mの運転者の心理的負担を軽減することが可能となる。
【0060】
図6は、実施例2に係る情報処理システム1における、車両Mに対して、当該車両Mが道路RD上で車両停止する可能性があることを通知する一例を示す図である。なお、
図6においては、車両Mが高速道路である道路RDを走行中に通知を行う場合である。
【0061】
実施例2においては、車両Mから道路RDの進行方向に向かって、アンテナ20B、第3の出口EX3、充電設備CH、第4の出口EX4が順に設けられている場合について説明する。
【0062】
アンテナ20Bは、道路RDの路上又は路側に設置されている。
【0063】
車両Mは、道路RDを進行方向に向かって走行中である。車両Mの車両側ユニット10の通信部10Bは、道路RD上で接近したアンテナ20B近傍にて、アンテナ20Bを介してサーバ30と通信を行う。
【0064】
以下に、
図7を用いて情報処理システム1の動作を説明する。
【0065】
図7は、実施例2に係る情報処理システム1の車両Mへの停止可能性情報の通知フローFC2を示す図である。
【0066】
まず、サーバ30の通信部30Aは、車両Mがアンテナ20Bに接近した際に、アンテナ20Bを介して車両Mの車両側ユニット10から送信される航続可能距離情報及び車両識別情報を取得して記憶部30Bに記憶する航続可能距離情報取得ステップを行う(ステップS21)。
【0067】
次に、サーバ30の距離取得部30Cは、記憶部30Bに記憶されている地図情報から、車両Mと接近したアンテナ20Bから最寄りの出口である第3の出口EX3、最寄りの充電設備CH及び2番目に近い出口である第4の出口EX4までの到達距離を取得する距離取得ステップを行う(ステップS22)。
【0068】
次に、サーバ30の判定部30Dは、記憶部30Bに記憶された車両Mの航続可能距離情報に含まれる航続可能距離と、距離取得部30Cが取得した到達距離とを比較し、当該航続可能距離が第3の出口EX3までの到達距離以上かつ充電設備CHまでの到達距離未満か否かを判定する判定ステップを行う(ステップS23)。
【0069】
判定部30Dが車両Mの航続可能距離が第3の出口EX3までの到達距離以上かつ充電設備CHまでの到達距離未満であると判定した場合(ステップS23:Yes)、判定部30Dは、通信部30Aからアンテナ20Aを介して車両Mに、車両Mが充電切れにより道路RD上で車両停止する可能性があることを示す情報である停止可能性情報を車両Mに送信するとともに、最寄りの出口である第3の出口EX3から退出を促す情報を送信する送信ステップを行う(ステップS24)。
【0070】
また、判定部30Dが車両Mの航続可能距離が充電設備CHまでの到達距離以上であると判定した場合(ステップS23:No)、判定部30Dは、処理を終了する。なお、この時、判定部30Dは、車両Mの航続可能距離に応じて、最寄りの充電設備CHにて充電を行うこと又は2番目に近い出口である第4の出口EX4から退出することを促すようにしてもよい。
【0071】
実施例2によれば、車両Mが高速道路である道路RDを走行中に、充電切れが発生して車両停止する可能性があることを車両Mの運転者に通知することができる。これにより、車両Mが道路RDを走行中の車両Mの充電切れによる車両停止する前に道路RDから退出する機会を与え、道路RDを走行中の車両Mの充電切れによる車両停止に起因する事故、渋滞の防止することが可能となる。また、実施例2によれば、車両Mのバッテリ11の充電切れを危惧する車両Mの運転者の心理的負担を軽減することが可能となる。
【0072】
図8は、実施例3に係る情報処理システム1における、車両Mの後方を走行する他車に対して、車両Mが車両停止する可能性がある情報を通知する一例を示す図である。なお、
図8においては、実施例1の通知フローFC1において、道路RDへの進入路INにて車両Mに対して停止可能性情報が送信された(
図5のステップS14が実行された)にも関わらず、車両Mが道路RDに進入してしまい、車両Mが道路RD上で充電切れによる車両停止が発生する可能性がある場合である。
【0073】
実施例3においては、道路RDの進行方向に向かって、アンテナ20C、第2の出口EX2、充電設備CHが順に設けられているが、車両Mが第2の出口EX2に到達する前に道路RD上で充電切れによる車両停止が発生する可能性がある場合について説明する。
【0074】
また、道路RDには、車両Mの後方を走行する後続車両MA、MB及び道路巡回車MPが走行している場合について説明する。また、道路RDには、道路RDの進行方向の状況の情報を表示する電光掲示板40が設置されている場合について説明する。なお、本説明においては、後続車両MA及びMBが、アンテナ20と相互に通信可能である場合について説明する。
【0075】
道路巡回車MPは、サーバ30と相互に通信可能な車両であり、サーバ30から道路RDの状況の情報を受信する。
【0076】
車両Mは、道路RDを進行方向に向かって走行中である。車両Mの車両側ユニット10の通信部10Bは、道路RD上で接近したアンテナ20B近傍にて、アンテナ20Bを介してサーバ30と通信を行う。
【0077】
以下に、
図9を用いて情報処理システム1の動作を説明する。
【0078】
図9は、実施例3に係る情報処理システム1の車両Mの後方を走行する他車に対する車両Mの車両停止可能性の通知フローFC3を示す図である。
【0079】
まず、サーバ30の通信部30Aは、車両Mがアンテナ20Cに接近した際に、アンテナ20Cを介して車両Mの車両側ユニット10から送信される航続可能距離情報及び車両識別情報を取得して記憶部30Bに記憶する航続可能距離情報取得ステップを行う(ステップS31)。
【0080】
次に、サーバ30の判定部30Dは、記憶部30Bに記憶されている車両識別情報から、車両Mが道路RDの進入路INにおいて充電切れにより道路RD上で車両停止することを示す情報である停止可能性情報が送信された車両Mか否かを判定する判定ステップを行う(ステップS22)。言い換えれば、サーバ30の判定部30Dは、車両Mがアンテナ20Cとは異なる他のアンテナ20Aが設置された地点において、すでに送信ステップ(
図5のステップS14)で判定部30Dの判定の結果に基づく情報が送信された車両Mであるか否かを判定する。
【0081】
判定部30Dが、車両Mが道路RDの進入路INにおいて停止可能性情報が送信された車両Mであると判定した場合(ステップS32:Yes)、判定部30Dは、通信部30Aからアンテナ20Cを介して車両Mの後方を走行する後続車両MA及びMBに、後続車両MA及びMBの進行方向に充電切れにより道路RD上で車両停止する可能性がある車両Mが走行中であることを注意させる注意情報を送信するステップを行う(ステップS33)。言い換えれば、サーバ30は、道路RDから退出を促す情報を送信した車両Mが、道路RDから退出できずに充電切れにより道路RD上で走行停止する可能性があると判定した場合には、アンテナ20Aから、車両Mの後方を走行する他の車両である後続車両MA及びMBに対して、充電切れにより道路RD上で走行停止する可能性がある車両Mが走行している情報を送信する。
【0082】
次に、判定部30Dは、通信部30Aから電光掲示板40に対して、道路RDの進行方向に充電切れにより道路RD上で車両停止する可能性がある車両Mが走行中であることを注意させる注意情報を送信し、電光掲示板40に当該注意情報を表示させる(ステップS34)。言い換えれば、サーバ30は、車両Mの後方の電光掲示板40に、充電切れにより道路RD上で走行停止する可能性がある車両Mが走行している情報を表示させる。
【0083】
電光掲示板40に注意情報を表示させることにより、アンテナ20と通信ができない他の車両にも充電切れにより道路RD上で車両停止する可能性がある車両Mが走行中であることを通知することができる。
【0084】
次に、判定部30Dは、通信部30Aから道路巡回車MPに対して、道路RDの進行方向に充電切れにより道路RD上で車両停止する可能性がある車両Mの車両情報を送信する(ステップS35)。言い換えれば、サーバ30は、車両Mの後方を走行している道路巡回車MPに対して、充電切れにより道路RD上で走行停止する可能性がある車両Mの情報を送信する。
【0085】
また、判定部30Dが、車両Mが道路RDの進入路INにおいて充電切れにより道路RD上で車両停止する可能性があることを示す情報である停止可能性情報が送信された車両Mでないと判定した場合(ステップS32:No)、判定部30Dは、処理を終了する。なお、この場合、サーバ30は、実施例2の通知フローFC2を実行するようにしてもよい。
【0086】
実施例3によれば、車両Mが高速道路である道路RDにて充電切れが発生して車両停止する可能性がある場合において、車両Mが車両停止する前に、車両Mの後方を走行する後続車両MA及びMBの運転者に対して道路RDの前方に充電切れによる車両停止が発生する車両Mが走行中であることを直接又は電光掲示板40を介して通知することができる。また、車両Mが車両停止する前に、道路巡回車MPに対して、道路RDの前方に充電切れによる車両停止が発生する可能性がある車両Mの車両情報を送信するすることができる。
【0087】
すなわち、情報処理システム1においては、車両Mが車両停止する前に、当該車両Mの後続車両MA及びMBへの情報提供及び電光掲示板40の表示による注意喚起ができ、道路管制業務の高度化が可能となる。また、車両Mの車両情報を道路巡回車MPと共有することにより、車両Mの車両停止時の対処の迅速化が可能となる。
【0088】
これにより、道路RDを走行中の車両Mの充電切れによる車両停止に起因する事故、渋滞の防止することが可能となる。また、実施例3によれば、車両Mの車両停止に起因する事故、渋滞を危惧する車両Mの運転者の心理的負担を軽減することが可能となる。
【0089】
図10は、実施例4に係る情報処理システム1における、車両Mの後方を走行する他車に対して、車両Mが車両停止する可能性がある情報を通知する一例を示す図である。なお、
図10においては、実施例2の通知フローFC2において、道路RDにて車両Mに対して停止可能性情報が送信された(
図7のステップS24が実行された)にも関わらず、車両Mが最寄りの出口からの退出及び充電設備CHでの充電を行わず、継続して道路RDを走行してしまい、車両Mが道路RD上で充電切れによる車両停止が発生する可能性がある場合である。
【0090】
実施例4においては、車両Mから道路RDの進行方向に向かって、アンテナ20D、第4の出口EX4が順に設けられているが、車両Mが第4の出口EX4に到達する前に道路RD上で充電切れによる車両停止が発生する可能性がある場合について説明する。
【0091】
また、道路RDには、車両Mの後方を走行する後続車両MA、MB及び道路巡回車MPが走行している場合について説明する。また、道路RDには、道路RDの進行方向の状況の情報を表示する電光掲示板40が設置されている場合について説明する。
【0092】
車両Mは、道路RDを進行方向に向かって走行中である。車両Mの車両側ユニット10の通信部10Bは、道路RD上で接近したアンテナ20D近傍にて、アンテナ20Dを介してサーバ30と通信を行う。
【0093】
以下に、
図11を用いて情報処理システム1の動作を説明する。
【0094】
図11は、実施例4に係る情報処理システム1の車両Mの後方を走行する他車に対する車両Mの車両停止可能性の通知フローFC4を示す図である。
【0095】
まず、サーバ30の通信部30Aは、車両Mがアンテナ20Dに接近した際に、アンテナ20Dを介して車両Mの車両側ユニット10から送信される航続可能距離情報及び車両識別情報を取得して記憶部30Bに記憶する航続可能距離情報取得ステップを行う(ステップS41)。
【0096】
次に、サーバ30の判定部30Dは、記憶部30Bに記憶されている車両識別情報から、車両Mが道路RDのアンテナ20Bの設置地点において充電切れにより道路RD上で車両停止する可能性があることを示す情報である停止可能性情報が送信された車両Mか否かを判定する判定ステップを行う(ステップS42)。
【0097】
判定部30Dが、車両Mが道路RDのアンテナ20Bの設置地点において停止可能性情報が送信された車両Mであると判定した場合(ステップS42:Yes)、判定部30Dは、通信部30Aからアンテナ20Dを介して車両Mの後方を走行する後続車両MA及びMBに、後続車両MA及びMBの進行方向に充電切れにより道路RD上で車両停止する可能性がある車両Mが走行中であることを注意させる注意情報を送信するステップを行う(ステップS43)。
【0098】
次に、判定部30Dは、通信部30Aから電光掲示板40に対して、道路RDの進行方向に充電切れにより道路RD上で車両停止する可能性がある車両Mが走行中であることを注意させる注意情報を送信し、電光掲示板40に当該注意情報を表示させる(ステップS44)。電光掲示板40に注意情報を表示させることにより、アンテナ20と通信ができない他の車両にも充電切れにより道路RD上で車両停止する可能性がある車両Mが走行中であることを通知することができる。
【0099】
次に、判定部30Dは、通信部30Aから道路巡回車MPに対して、道路RDの進行方向に充電切れにより道路RD上で車両停止する可能性がある車両Mの車両情報を送信する(ステップS45)。
【0100】
また、判定部30Dが、車両Mが道路RDのアンテナ20Bの設置地点において停止可能性情報が送信された車両Mでないと判定した場合(ステップS42:No)、判定部30Dは、処理を終了する。なお、この場合、サーバ30は、実施例2の通知フローFC2を実行するようにしてもよい。
【0101】
実施例4によれば、車両Mが高速道路である道路RDにて充電切れが発生して車両停止する可能性がある場合において、車両Mが車両停止する前に、車両Mの後方を走行する後続車両MA及びMBの運転者に対して道路RDの前方に充電切れによる車両停止が発生する可能性がある車両Mが走行中であることを直接又は電光掲示板40を介して通知することができる。また、車両Mが車両停止する前に、道路巡回車MPに対して、道路RDの前方に充電切れによる車両停止が発生する可能性がある車両Mの車両情報を送信するすることができる。
【0102】
すなわち、情報処理システム1においては、車両Mが車両停止する前に、当該車両Mの後続車両MA及びMBへの情報提供及び電光掲示板40の表示による注意喚起ができ、道路管制業務の高度化が可能となる。また、車両Mの車両情報を道路巡回車MPと共有することにより、車両Mの車両停止の対処の迅速化が可能となる。
【0103】
これにより、道路RDを走行中の車両Mの充電切れによる車両停止に起因する事故、渋滞の防止することが可能となる。また、実施例4によれば、車両Mの車両停止に起因する事故、渋滞を危惧する車両Mの運転者の心理的負担を軽減することが可能となる。
【0104】
なお、実施例1乃至4においては、道路RDが高速道路である場合について説明したが、高速道路以外の自動車専用道路等の道路への1又は複数の入口及び出口(いわゆるインターチェンジ)を有し、当該入口と出口の区間内で車両が他の道路に退出不能に閉鎖された道路にも適用可能である。
【0105】
上記説明では、車両Mが電気自動車である場合について説明したが、これに限られない。例えば、車両Mがガソリン車やハイブリッド車であっても良い。航続可能距離演算部10Aは、車両Mがガソリン車の場合、燃料タンク内のガソリンの残量及び燃費に基づいて航続可能距離を算出し得る。
【0106】
また、パラレル方式やスプリット方式のハイブリッド車の場合、航続可能距離演算部10Aは、燃料タンク内のガソリンの残量及びガソリンエンジン走行時の燃費、バッテリの充電状態及びモータ走行時の電費に基づいて航続可能距離を算出し得る。
【0107】
また、シリーズ方式のハイブリッド車の場合、航続可能距離演算部10Aは、燃料タンク内のガソリンの残量及びバッテリの充電状態並びにモータ走行時の電費に基づいて、航続可能距離を算出し得る。
【0108】
また、上記実施例の車両Mに道路RDの出口からの退出を促す情報を送信するまで一連の処理において、カーナビゲーションシステムに設定された経路情報が用いられても良い。例えば、当該経路情報において車両Mが退出する予定の道路RDの出口である退出予定出口までの距離が航続可能距離よりも長い場合に、当該退出予定出口よりも前で退出すべきことや充電設備CHでの充電を促す情報が送信されてもよい。
【0109】
上記の実施例は発明の範囲を限定することは意図していない。記載の実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。そして、それら変形例も、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。