(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121070
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】資材の保管管理システム
(51)【国際特許分類】
E04G 21/24 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
E04G21/24 A ESW
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027956
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000235543
【氏名又は名称】飛島建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501126630
【氏名又は名称】東北興商株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082658
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 儀一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221615
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 祐子
(72)【発明者】
【氏名】筒井 隆規
(72)【発明者】
【氏名】松田 浩▲朗▼
(72)【発明者】
【氏名】蔵本 修一
(72)【発明者】
【氏名】中川 浩二
(57)【要約】 (修正有)
【課題】保管管理システム内での資材の確認が面倒にならず、保管管理されているシート内の資材内容が判断しにくいものとはならず、紫外線をカットすることが出来できて資材の劣化を招来することなく、簡単に切断や接合できる材質で、接続作業が面倒ではなく、接続箇所の間からシート内部への漏水が発生する事態も生じない保管管理システムの提供。
【解決手段】作業現場で使用される資材を保管管理する資材保管管理システムに使用され、前記資材を覆って保管管理する保管管理透明シートを、ポリオレフィン系樹脂を主原料にして生成されたフィルムからなり、前記資材を覆ったシート内表面のほこり付着を防止する防じん性機能、覆ったシート内表面の曇りを防止する防霧性機能、覆ったシート内表面の水滴付着を防滴する防滴性機能、UVカット用エンボス処理を施して覆ったシート内資材の紫外線劣化防止機能、シート熱加工処理可能機能を有するシートに形成した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業現場で使用される資材を保管管理する資材保管管理システムに使用され、前記資材を覆って保管管理する保管管理透明シートを、ポリオレフィン系樹脂を主原料にして生成されたフィルムからなり、前記資材を覆ったシート内表面のほこり付着を防止する防じん性機能、覆ったシート内表面の曇りを防止する防霧性機能、覆ったシート内表面の水滴付着を防滴する防滴性機能、UVカット用エンボス処理を施して覆ったシート内資材の紫外線劣化防止機能、シート熱加工処理可能機能のいずれかの機能のうち、1つあるいは2つあるいは3つあるいは4つあるいはすべての機能を有するシートに形成した、
ことを特徴とする資材の保管管理システム。
【請求項2】
前記保管管理透明シートは、該保管管理透明シート生成時に無滴材が添加されて生成され、あるいはシート表面に無滴剤が塗布されて、防滴性機能を有する保管管理透明シートとされた、
ことを特徴とする請求項1記載の資材の保管管理システム。
【請求項3】
作業現場の複数載置箇所に置かれた種類の異なる資材と、前記資材を覆って保管管理する保管管理透明シートと、前記保管管理透明シートに覆われた資材の映像を取得する映像取得手段と、該映像取得手段により取得された前記資材の映像と、該資材の載置位置を特定する位置データにより、前記資材の種類と数量を算出すると共に、該資材の載置位置を特定する資材情報を生成する資材情報生成手段と、を有する、
ことを特徴とする資材の保管管理システム。
【請求項4】
前記保管管理透明シートは、ポリオレフィン系樹脂を主原料にして生成されたフィルムからなり、該フィルム表面には無滴剤が塗布されて、前記資材を覆ったシート内表面のほこり付着を防止する防じん性機能、覆ったシート内表面の曇りを防止する防霧性機能、覆ったシート内表面の水滴付着を防滴する防滴性機能、UVカット用エンボス処理を施して覆ったシート内資材の紫外線劣化防止機能、シート熱加工処理可能機能のいずれかの機能のうち、1つあるいは2つあるいは3つあるいは4つあるいはすべての機能を有する、
ことを特徴とする請求項3記載の資材の保管管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば構造物構築現場における構築資材など構築現場で使用される資材の保管管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、建設工事の資材の保管管理システムにあっては、いわゆるブルーシートと称呼されているシートが前記保管管理システムの資材被覆用部材として使用されている。
該ブルーシートは極めて安価で軽く、よって扱いやすく、かつ現場で調達しやすいため、建設資材など部材の保管管理システムの被覆用部材としては極めて重宝される部材となっている。
【0003】
しかし、前記ブルーシートは保管する部材の目隠しのために使用される用途もあるように、保管管理(養生)の対象である資材が外から可視することが出来ない不透明な部材となっている。そのため、広域な構築現場内で保管管理されている資材を探す場合、それぞれのブルーシートを取り外して内部の保管資材を確認しなければならないなど、保管管理システム内での資材の確認が面倒であるとの課題があった。
【0004】
よって、近年では、前記課題を解決すべく、ブルーシートではなく比較的透明なシートを保管管理システムの部材として使用して、保管管理システムを形成していた。
【0005】
しかし、前記のシートでは、埃・降雨等による外側の水滴・湿度などによって前記シートの内側に曇りなどなどが生じ、保管管理されているシート内の資材内容が判断しにくいものとなり、また前記シートが紫外線をカットできるシートではないため、保管されている資材に直接紫外線が照射されてしまい資材の劣化を招来するといった課題があった。
【0006】
一方で、前記ブルーシートや前記のシートは、ポリエステルのような樹脂繊維が編み込まれて形成されており、耐久性は高いものの、切断や接合して使用することに適してはいない。また、形状が大きな資材、あるいは複雑な形状の資材に対しては、定型サイズのシートを複数枚繋げて使用しなければならないため、保管すべき資材などの被覆すべき対象に対してシートにムダが出るような使い方となる場合がある。また、定型サイズのシートを複数枚繋げて使用するときには、シートの端を紐などで縛るなどして接続しなければならず、余計な作業が必要となる。さらに、前記紐で繋げた箇所の間からの漏水が発生するなどの課題も生じていた。
【0007】
さらに、従来は、シートの外から覆ってある資材の種類や資材の数量を確認することができないものであり、そのため、1つ1つシートをめくり、資材の種類や資材の数量を確認する必要があった。すると、広大な現場の敷地、すなわち複数の載置箇所に多種類の資材がある場合など、資材確認には多大な労力を要するとの課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するために創案されたものであり、保管管理システムの部材として使用される従来のブルーシートのように、保管管理システム内での資材の確認が面倒にならず、埃・降雨等による外側の水滴・湿度などによってシートの内側に曇りなどなどが生じ、保管管理されているシート内の資材内容が判断しにくいものとはならず、しかも紫外線をカットすることが出来できて保管管理している資材の劣化を招来することなく、簡単に切断や接合できる材質であるため、形状が大きな保管管理資材、あるいは複雑な形状の保管管理資材に対してもムダが出るような使い方とはならず、シートの端を紐などで縛るなどして接続しないので接続作業が面倒ではなく、さらに、前記接続箇所の間からシート内部への漏水が発生する事態も生じない保管管理システムを提供するものであり、また、シートの外から覆ってある資材の種類や資材の数量を確認することができないため、1つ1つシートをめくり、資材の種類や資材の数量を確認する必要がなく、広大な現場の敷地、すなわち複数の載置箇所に多種類の資材がある場合などにおいても資材確認に多大な労力を要することのない保管管理システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
作業現場で使用される資材を保管管理する資材保管管理システムに使用され、前記資材を覆って保管管理する保管管理透明シートを、ポリオレフィン系樹脂を主原料にして生成されたフィルムからなり、前記資材を覆ったシート内表面のほこり付着を防止する防じん性機能、覆ったシート内表面の曇りを防止する防霧性機能、覆ったシート内表面の水滴付着を防滴する防滴性機能、UVカット用エンボス処理を施して覆ったシート内資材の紫外線劣化防止機能、シート熱加工処理可能機能のいずれかの機能のうち、1つあるいは2つあるいは3つあるいは4つあるいはすべての機能を有するシートに形成した、
ことを特徴とし、
または、
前記保管管理透明シートは、該保管管理透明シート生成時に無滴材が添加されて生成され、あるいはシート表面に無滴剤が塗布されて、防滴性機能を有する保管管理透明シートとされた、
ことを特徴とし、
または、
作業現場の複数載置箇所に置かれた種類の異なる資材と、前記資材を覆って保管管理する保管管理透明シートと、前記保管管理透明シートに覆われた資材の映像を取得する映像取得手段と、該映像取得手段により取得された前記資材の映像と、該資材の載置位置を特定する位置データにより、前記資材の種類と数量を算出すると共に、該資材の載置位置を特定する資材情報を生成する資材情報生成手段と、を有する、
ことを特徴とし、
または、
前記保管管理透明シートは、ポリオレフィン系樹脂を主原料にして生成されたフィルムからなり、該フィルム表面には無滴剤が塗布されて、前記資材を覆ったシート内表面のほこり付着を防止する防じん性機能、覆ったシート内表面の曇りを防止する防霧性機能、覆ったシート内表面の水滴付着を防滴する防滴性機能、UVカット用エンボス処理を施して覆ったシート内資材の紫外線劣化防止機能、シート熱加工処理可能機能のいずれかの機能のうち、1つあるいは2つあるいは3つあるいは4つあるいはすべての機能を有する、
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、保管管理システムの部材として使用されるブルーシートのように、保管管理の対象である資材が外から可視することが出来ないため、広域な現場内で保管管理されている資材を探す場合、それぞれのブルーシートを取り外して内部の保管部材を確認しなければならないなど、保管管理システム内での資材の確認が面倒にならず、埃・降雨等による外側の水滴・湿度などによってシートの内側に曇りなどなどが生じ、保管管理されているシート内の資材内容が判断しにくいものとはならず、しかも紫外線をカットすることが出来できて保管管理している資材の劣化を招来することなく、簡単に切断や接合できる材質であるため、形状が大きな保管管理資材、あるいは複雑な形状の保管管理資材に対してもムダが出るような使い方とはならず、シートの端を紐などで縛るなどして接続しないので接続作業が面倒ではなく、さらに、前記接続箇所の間からの漏水が発生する事態も生じない保管管理システムを提供できると共に、シートの外から覆ってある資材の種類や資材の数量を確認することができないため、1つ1つシートをめくり、資材の種類や資材の数量を確認するとの必要がなく、広大な現場の敷地、すなわち複数の載置箇所に多種類の資材がある場合などにおいても、資材確認に多大な労力を要することのない保管管理システムを提供できるとの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施例の構成を説明する説明図である。
【
図2】本発明の第2実施例の構成を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、作業現場で使用される資材を保管管理する資材保管管理システムに使用される保管管理透明シート1につき説明する。
本発明による保管管理透明シート1は、例えば構築現場に載置された構築資材などの資材2を覆って保管管理を行うために使用されるものである。
【0014】
ここで、本発明による保管管理透明シート1は、ポリオレフィン系樹脂を主原料にして生成されたフィルムをシート状にして構成したものであり、前記資材2を覆ったシート内表面のほこり付着を防止する防じん性機能、覆ったシート内表面の曇りを防止する防霧性機能、覆ったシート内表面の水滴付着を防滴する防滴性機能、UVカット用エンボス処理を施すことにより覆ったシート内資材の紫外線劣化防止機能、シート熱加工処理可能機能のいずれかの機能のうち、少なくとも1つあるいは2つあるいは3つあるいは4つあるいはすべての機能を有して構成される。
【0015】
すなわち、本発明の保管管理透明シート1は、前記防じん性機能、防霧性機能、防滴性機能、紫外線劣化防止機能、シート熱加工処理可能機能のうち少なくとも1つの機能を有する保管管理透明シート1である場合でもよく、前記の機能のうちいずれかの組み合わせによる2つあるいは3つあるいは4つの機能を有する保管管理透明シート1である場合でよい。さらに好ましくは前記機能をすべて有する保管管理透明シート1でもよい。
【0016】
また、前述の如く、本発明の保管管理透明シート1はポリオレフィン系樹脂を主原料にして生成されたフィルムからシート状に生成されている。これにより、防じん性機能、防霧性機能、シート熱加工処理可能機能を有する保管管理透明シート1が形成出来る。
【0017】
さらに、ポリオレフィン系樹脂を主原料にしたシート材料に無滴剤を加えて生成するか、ポリオレフィン系樹脂を主原料にして生成されたシート表面に無滴剤を塗布することにより、前記防滴性機能をも有する保管管理透明シート1を形成することが出来る。
【0018】
尚、前記シート材料であるが、ポリオレフィン系樹脂の中に低密度ポリエチレン(LDPE)やエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)が含有した材料を使用しても構わない。
【0019】
ポリオレフィンは、引張強さ、引裂強さ、衝撃強さなど機械的性質や、防水・防湿性、耐薬品性に優れている。さらに、非常に軽く、透明性、通気性やヒートシール性(加熱密封)があるなど多くの特性を備えている。よって、本発明の保管管理透明シート1の生成には極めて適している物性の材質といえる。
【0020】
尚、無滴剤には、例えばカチオン化水溶性高分子よりなる水溶性高分子、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル-ビニルピロリドン共重合体などからなる水溶性高分子、界面活性剤などを含有した親水性剤などが挙げられる。そして、前記無滴剤は光の波長より遥かに小さい粒子で構成されており、光の透過を妨げることもないので可視性に優れている。
【0021】
また、前記ポリオレフィン系樹脂を主原料にして生成されたフィルムを多層構造にすることで、前記の機能のほか、耐久性、保温性、光線選択性、防曇性、および防霧性などの複数の機能を向上させたシートとすることが出来る。
さらに、前記シートの生成につき、シート表面にUVカット用エンボス処理を施すことにより紫外線劣化防止機能を有するシートに生成出来るものとなる。
尚、ポリオレフィン系樹脂を主原料にして生成されたシートには前述のように熱加工処理可能機能を有しており、例えばカッターやアイロンなどで切断・溶着が極めて容易なシートとして生成出来、覆う資材2がたとえ複雑な形状からなるものであったとしても、シート材料を無駄なく繋げて使用できる。しかも容易に覆うことが出来る程柔軟性を有している。
【0022】
図1、
図2は本発明による資材の保管管理システムの実施例を説明する説明図である。本発明による資材の保管管理システムは
図1に示す場合のみならず
図2に示す様に、資材2の載置箇所がビルのような複数階のそれぞれの箇所に置かれている場合でも適用できるものとなっている。
【0023】
符号3はカメラなど撮像機器を示す。撮像機器3は構築現場の所定箇所に1台あるいは複数台がランダムに設置されており、これら撮像機器3により前述した保管管理透明シート1によって覆われた資材2を撮像できるものとなっている。
【0024】
ここで、保管管理透明シート1は、前記したように、ポリオレフィン系樹脂を主原料にして生成されたフィルムから構成されて、透明なシートとして構成され、しかもシート内表面のほこり付着を防止する防じん性機能、覆ったシート内表面の曇りを防止する防霧性機能、覆ったシート内表面の水滴付着を防滴する防滴性機能、UVカット用エンボス処理を施して覆ったシート内資材2の紫外線劣化防止機能、シート熱加工処理可能機能のいずれか1つ、または任意の2つ、任意の3つまたは任意の4つまたはすべての機能を有するシートとして構成されている。よって、資材2が保管管理透明シート1に覆われていても、前記撮像機器3によって鮮明にかつ確実に資材2を撮像できるものとなっている。
【0025】
尚、保管管理透明シート1によって覆われた資材2を撮像機器3によって撮像する際、この撮像機器3のカメラ位置と前記撮像機器3のカメラの姿勢(角度)などの位置データが検出出来るように構成されており、この検出値を後述するサーバコンピュータ6に送出し、サーバコンピュータ6の位置情報確認部9において前記検出値を演算して、撮像した画像上の資材2の場所、すなわち資材2の載置箇所が認識出来るものとなっている。
【0026】
このように位置データの取得も簡単に、確実にできる構成であり撮像された資材2が、載置箇所のいずれの箇所に置かれているかが容易にかつ確実に把握、認識、特定できるように構成されている。
尚、位置データの取得は、前記のように撮像機器3のカメラの姿勢(角度)などの位置データに限定されるものではない。例えば、資材2にGPS発信器などの位置測位センサを取り付けておき、該位置測位センサによって得られた位置データでも構わない。
【0027】
そして、前述した上記資材2を撮像する撮像機器3のカメラ位置と前記撮像機3のカメラの姿勢(角度)の検出値などから算出された位置データは前記撮像された資材2の映像データに紐付けされるものとなっている。
【0028】
ここで、サーバコンピュータ6は、受信部7、制御部8、格納部15、表示部16、入力部17、送信部18などを有して構成されている。
尚、前記撮像機器3は設置固定型に限定されないが、設置固定型の場合は、例えば遠隔操作などで撮像角度が調整出来るものが好ましい。また、盗難防止用の監視カメラであっても構わない。そして、撮像機器3は、作業員が携帯して撮像できるタイプでも構わない。さらに、撮像機器3は動画撮影用に限定されず、静止画像のみが撮影できる機器でも構わない。
【0029】
前記撮像機器3で撮像された撮像データ及び別途取得された位置データはインターネット回線5を介して、あるいは無線でまたは有線で接続されてサーバコンピュータ6の受信部7で受信され、制御部8に送出される。
【0030】
図4に示す様に、サーバコンピュータ6の制御部8は、位置算出部9、資材種類判断部10、資材個数算出部11、資材紛失確認部12、データ更新部13及び更新履歴確認部14などの制御手段を有して構成されている。
【0031】
また、格納部15はハードディスクあるいはSSDで構成されており、前記位置算出部9、資材種類判断部10、資材個数算出部11及び資材紛失確認部12、データ更新部13及び更新履歴確認部14などで生成された各種データが保存され、格納されるものとなっている。
【0032】
ここで、本システムの動作につき説明すると、
図1に示す様に構築現場の複数箇所に本発明の保管管理透明シート1によって覆われた資材2が置かれている。
前記したように、保管管理透明シート1は、透明なシートとして構成されており、しかもシート内表面のほこり付着を防止する防じん性機能、覆ったシート内表面の曇りを防止する防霧性機能、覆ったシート内表面の水滴付着を防滴する防滴性機能、UVカット用エンボス処理を施し、覆ったシート内資材2の紫外線劣化防止機能、シート熱加工処理可能機能を有するシートとして構成されている。よって、資材2が保管管理透明シート1に覆われていても、前記撮像機器3によって鮮明にかつ確実に資材2を撮像できるものとなっている。
【0033】
保管管理透明シート1に覆われた資材2は、その載置期間がたとえ長期期間になったとしても、シート内表面のほこり付着を防止する防じん性機能、覆ったシート内表面の曇りを防止する防霧性機能、覆ったシート内表面の水滴付着を防滴する防滴性機能、UVカット用エンボス処理を施し、覆ったシート内資材2の紫外線劣化防止機能、シート熱加工処理可能機能を有するシートとして構成されているため、内部の資材2を劣化させて品質を落とす恐れがなく、また、覆われた保管管理ート1の外からでも内部の資材2の映像を鮮明、正確に撮像でき、もって資材2の鮮明で正確な撮像データが取得出来るものとなっている。
【0034】
撮像機器3の設置位置と撮像機器3の設置姿勢(設置角度)などにより得られた位置データと、撮像して得られた撮像データはサーバコンピュータ6に送られ、送られた位置データにより位置算出部9で資材2が載置された位置が特定される。そして、特定された位置は一緒に送られた撮像データに紐付けられ、載置された資材2の置き場所が構築現場のいずれの箇所なのかが確実に確認、保存できるものとなっている。
【0035】
撮像データは、資材種類判断部10に送られ、資材種類判断部10では、撮像された資材2の外形映像などの撮像データと、予め格納部15に格納されている資材2の映像などが類型的に集められた資材比較表の資材映像などのデータとが比較照合され、合致したデータがあったとき、その資材種類であるとして認識し、特定するものとなる。そして、その特定した資材2の種類データが格納部15へ送られ、保存される。
【0036】
また、資材個数算出部11では前記資材2の撮像データから資材2の個数を算出し、その個数データを撮像データが送られてきた日時に紐付けて記憶し、そのデータも格納部15へ送出する。
【0037】
ところで、長期間の資材2の載置期間中には、資材2の状態が劣化して変化する場合や、資材2の個数が増減したりすることが考えられる。そのため、サーバコンピュータ6では、データ更新部13で位置データや撮像データを最新に撮像した時点のデータとして書き残し、データ更新できるものとしている。そして、更新された最新のデータは更新履歴確認部14で過去のデータも含めて一覧に生成され、格納部15に格納、保存されるものとなっている。
【0038】
そして、資材紛失確認部12を起動すれば、前記格納部15に格納されている更新履歴の一覧からどこの箇所で載置された資材2がいくつ紛失したかなど資材2の増減数が確認できるものとなっている。
【0039】
ところで、本発明では、現場遠隔監視のための監視カメラを撮像機器3として使用することが可能で、該監視カメラからのいわゆるIPカメラ映像を活用し、撮像した資材2の映像と資材種別・数量を識別できる様構成されたAI技術から、資材種別・数量の自動管理などを可能にすることも出来る。
【0040】
このように、外部から遠隔操作で資材2の種類や数量などを確認することができると、資材管理の労力を大幅に削減できるものとなる。
すなわち、人力による資材確認だけでなく、いわゆる遠隔監視カメラなどの撮像機器3とコンピュータ制御技術に基づく例えばAIによる資材識別技術とを組み合わせるなどして、保管管理透明シート1を覆ったままでの資材管理の自動化をも可能にできるのである。
【符号の説明】
【0041】
1 保管管理透明シート
2 資材
3 撮像機器
5 インターネット回線
6 サーバコンピュータ
7 受信部
8 制御部
9 位置算出部
10 資材種類判断部
11 資材個数算出部
12 資材紛失確認部
13 データ更新部
14 更新履歴確認部
15 格納部