(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121075
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04817 20220101AFI20240830BHJP
【FI】
G06F3/04817
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027964
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100182936
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 梨紗
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA23
5E555AA31
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC18
5E555BD09
5E555DB39
5E555DB41
5E555DB51
5E555DC16
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】オブジェクトを共同編集する際の使い勝手を向上させること。
【解決手段】情報処理装置は、複数のアカウントに夫々対応する複数のユーザが共有可能な画面であって、オブジェクトが複数配置されるオブジェクト配置画面を、複数のユーザが操作するそれぞれの表示装置の表示画面に表示させ、複数のユーザのうち第1のユーザがオブジェクト配置画面における第1のオブジェクトの編集権限を有する編集状態であるか否かを検知し、第1のユーザが編集状態であることが検知されると、複数の表示装置のうち第1のユーザ以外のユーザが操作する表示装置の表示画面において、複数のオブジェクトとともに第1のオブジェクトについては第1のユーザが編集権限を有する編集状態であることを識別可能に表示させる、処理を実行する。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアカウントに夫々対応する複数のユーザが共有可能な画面であって、オブジェクトが複数配置されるオブジェクト配置画面を、前記複数のユーザが操作するそれぞれの表示装置の表示画面に表示させ、
前記複数のユーザのうち第1のユーザが前記オブジェクト配置画面における第1の前記オブジェクトの編集権限を有する編集状態であるか否かを検知し、
前記第1のユーザが編集状態であることが検知されると、前記複数の表示装置のうち前記第1のユーザ以外のユーザが操作する表示装置の表示画面において、前記複数のオブジェクトとともに前記第1のオブジェクトについては前記第1のユーザが編集権限を有する編集状態であることを識別可能に表示させる、処理を実行する、制御部を備えることを特徴とする、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1のユーザが前記第1のオブジェクトの編集状態であると検知したとき、前記第1のユーザ以外のユーザでの前記第1のオブジェクトへの編集を制限する処理を実行することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1のユーザで前記複数のオブジェクトについて同じグループにグループ化する操作が検知された後、前記グループ化された複数のオブジェクトの1つが前記編集状態であることが検知されると、前記グループ化された複数のオブジェクトが前記編集状態であることを識別可能に表示させる処理を実行することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記オブジェクトは電子付箋であり、
前記編集状態は、前記第1のオブジェクトに対応する第1の電子付箋から複数の電子付箋への連結処理を実行する状態であることを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数のアカウントに夫々対応する複数のユーザが共有可能な画面であって、オブジェクトが複数配置されるオブジェクト配置画面を、前記複数のユーザが操作するそれぞれの表示装置の表示画面に表示させる情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記複数のユーザのうち第1のユーザが前記オブジェクト配置画面における第1の前記オブジェクトの編集権限を有する編集状態であるか否かを検知するステップと、
前記第1のユーザが編集状態であることが検知されると、前記複数の表示装置のうち前記第1のユーザ以外のユーザが操作する表示装置の表示画面において、前記複数のオブジェクトとともに前記第1のオブジェクトについては前記第1のユーザが編集権限を有する編集状態であることを識別可能に表示させるステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
複数のアカウントに夫々対応する複数のユーザが共有可能な画面であって、オブジェクトが複数配置されるオブジェクト配置画面を、前記複数のユーザが操作するそれぞれの表示装置の表示画面に表示させる情報処理装置が備えるコンピュータに、
前記複数のユーザのうち第1のユーザが前記オブジェクト配置画面における第1の前記オブジェクトの編集権限を有する編集状態であるか否かを検知する手順、
前記第1のユーザが編集状態であることが検知されると、前記複数の表示装置のうち前記第1のユーザ以外のユーザが操作する表示装置の表示画面において、前記複数のオブジェクトとともに前記第1のオブジェクトについては前記第1のユーザが編集権限を有する編集状態であることを識別可能に表示させる手順、
を、実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の開示は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
PC(Personal Computer)やタブレット端末等の情報処理装置において、各種情報を入力して作成した表示領域(画面)上に、任意のコメント等の表示内容(付箋情報)を入力した電子付箋を任意の位置に配置して表示させる技術が実用化されている。
【0003】
電子付箋は、例えばユーザがメモ書きとして残したいテキスト等を表示することが可能な表示オブジェクトであり、決められた形状およびサイズをもつ。電子付箋は、決められた表示領域内で、ユーザによって指定された任意の位置に表示される。電子付箋は、ユーザ操作に応じて、表示位置の移動や、作成、削除、表示内容の追加や編集が可能となっている。
【0004】
一方、共同ワークスペースにアップロードされた画像等のオブジェクトにプライバシや重要度に関するアイコンを付加する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種のワークスペースの操作においては、アップロードされたオブジェクトにプライバシや重要度に関するアイコンすることで、他の参加者に対しそのオブジェクトについての操作上の注意喚起を促すことについては可能なものの、このようなオブジェクトを共同編集する際のワークスペースの使い勝手については、いまだ改善の余地がある。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、オブジェクトを共同編集する際の使い勝手を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る情報作成装置は、複数のアカウントに夫々対応する複数のユーザが共有可能な画面であって、オブジェクトが複数配置されるオブジェクト配置画面を、前記複数のユーザが操作するそれぞれの表示装置の表示画面に表示させ、前記複数のユーザのうち第1のユーザが前記オブジェクト配置画面における第1の前記オブジェクトの編集権限を有する編集状態であるか否かを検知し、前記第1のユーザが編集状態であることが検知されると、前記複数の表示装置のうち前記第1のユーザ以外のユーザが操作する表示装置の表示画面において、前記複数のオブジェクトとともに前記第1のオブジェクトについては前記第1のユーザが編集権限を有する編集状態であることを識別可能に表示させる、処理を実行する、制御部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、オブジェクトを共同編集する際の使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバの電子回路の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバの付箋管理テーブルデータ記憶領域に記憶される付箋管理テーブルの内容を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るユーザ端末の電子回路の構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される電子付箋作成処理を示すフローチャートである。
【
図6】
図5に示される電子付箋作成処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
【
図7】
図5に示される電子付箋作成処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
【
図8】
図5に示される電子付箋作成処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される線つなぎ処理を示すフローチャートである。
【
図10】
図9に示される線つなぎ処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される電子付箋開閉処理を示すフローチャートである。
【
図12】
図11に示される電子付箋開閉処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行されるグループ登録処理を示すフローチャートである。
【
図14】
図13に示されるグループ登録処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
【
図15】
図13に示されるグループ登録処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
【
図16】
図13に示されるグループ登録処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
【
図17】
図13に示されるグループ登録処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
【
図18】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行されるグループワーク処理を示すフローチャートである。
【
図19】
図18に示されるグループワーク処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
【
図20】
図18に示されるグループワーク処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
【
図21】
図18に示されるグループワーク処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
【
図22】
図18に示されるグループワーク処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
【
図23】
図18に示されるグループワーク処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
【
図24】
図18に示されるグループワーク処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理装置、コンピュータの一例である情報処理装置で実行される情報処理方法およびプログラムについて詳細に説明する。
【0012】
(本発明の一実施形態の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の全体構成を示す図である。
【0013】
情報処理システム1は、インターネット等のネットワークN上に設けられる情報処理サーバ10(サーバ装置)、および情報処理サーバ10と通信接続されるユーザ端末20(通信機器)を含む。
【0014】
情報処理サーバ10は、情報処理サーバ10を利用するための情報処理サーバ利用アプリケーションとクラウドサービスとを接続する専用サーバである。なお、情報処理サーバ10とユーザ端末20は、何れも、本発明に係る情報処理装置になり得る。
【0015】
ユーザ端末20は、例えば、通信機能を有するタブレット端末、スマートフォン、PC、電子辞書、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機等である。
【0016】
図1では、情報処理サーバ10と通信接続されるユーザ端末20を2台示すが、情報処理サーバ10には、より多くのユーザ端末20が情報処理サーバ10と通信接続されてもよい。
【0017】
ユーザ端末20には、情報処理サーバ利用アプリケーション(情報処理サーバ利用アプリ)がインストールされる。
【0018】
<情報処理サーバ10の機能>
情報処理サーバ10は、ユーザ端末20の情報処理サーバ利用アプリに従いユーザ端末20と通信接続した状態において、少なくとも、次の機能(10a)~(10h)を有する。
【0019】
《機能(10a)》
ユーザ端末20の操作に応じてノートブック画面G2を作成し、作成したノートブック画面G2をユーザ端末20の表示部27に表示させる機能(例えば
図7参照)。ノートブック画面G2は、ユーザが任意の情報を入力して表示させることができる表示領域(ノートブックNBm)である。なお、符号mは自然数を示す。
【0020】
《機能(10b)》
ノートブック画面G2に設けられたノートブックメニューMNに対するユーザ操作に応じて、ノートブックメニューMNから選択された種類の情報を入力した電子付箋NBm-nを作成し、作成した電子付箋NBm-nをノートブックNB1内のユーザ任意の位置に表示させる機能。なお、符号nは自然数を示す。
【0021】
《機能(10c)》
電子付箋NBm-n(
図1では、電子付箋NB1-1)の右端に付加した[線つなぎ]タブLTを、ユーザ操作に応じてノートブックNBm(
図1では、ノートブックNB1)内の他の電子付箋(
図1では、電子付箋NB1-2)に移動させ、電子付箋NB1-1と電子付箋NB1-2とを、所定の色(例えば青色)のつなぎ矢印Bsで一列に順番に連結(線つなぎ)して整理する機能。
【0022】
《機能(10d)》
一列で順番に連結(線つなぎ)して整理した複数の電子付箋(
図1では、電子付箋NB1-1、NB1-2)のうち先頭の電子付箋NB1-1の左端に付加した[畳み込み]タブFTに対するユーザ操作に応じて、先頭の電子付箋(
図1では、電子付箋NB1-1)を上にして且つ2番目以降の電子付箋(
図1では、電子付箋NB1-2)を下に畳み込んで所定範囲内に収まるように、展開した状態から切り換えて表示させる機能(例えば
図12参照)。
【0023】
《機能(10e)》
畳み込んで表示させた複数の電子付箋(例えば電子付箋NB1-1、NB1-2)のうち先頭の電子付箋(例えば電子付箋NB1-1)の左端に付加した[展開]タブEXT(例えば
図12参照)に対するユーザ操作に応じて、複数の電子付箋(例えば電子付箋NB1-1、NB1-2)を元通りに展開して表示させる機能。
【0024】
《機能(10f)》
一列で順番に連結(線つなぎ)した複数の電子付箋(例えば電子付箋NB1-1~NB1-n)を、ユーザ操作に応じて選択される表示モードに応じて、スライドショーのように、先頭の電子付箋(例えば電子付箋NB1-1)から最後の電子付箋(例えば電子付箋NB1-n)まで順番に拡大した状態で切り換えながら表示させる機能。
【0025】
《機能(10g)》
複数のアカウントで共有可能な画面であって、アカウントで編集可能な電子付箋NBm-nが配置されるワークグループスペース(ノートブック画面G5)の設定および登録を行う機能。なお、アカウントは、ユーザ、ユーザID、ユーザ端末20等に適宜言い換えてもよい。
【0026】
《機能(10h)》
複数のアカウントで共有可能な画面であって、アカウントで編集可能な電子付箋NBm-nが配置されるノートブック画面G5を、複数のアカウントのそれぞれの表示画面(例えばユーザ端末20の表示部27)に表示させ、グループワークに参加する、あるアカウントで、電子付箋NBm-nが編集状態であるか否かを検知し、あるアカウントで電子付箋NBm-nが編集状態であることが検知されると、他のアカウントにおいて、この電子付箋NBm-nを他の電子付箋NBm-nと識別可能に表示画面に表示させる機能。
【0027】
なお、本実施形態において、電子付箋の連結は、主に、複数の電子付箋NBm-nを一列で順番に連結するものである。
【0028】
また、本実施形態では、複数の電子付箋NBm-nを分類してグループ化し識別できる状態にすること、およびその順番を識別できる状態にすることを含めて、複数の電子付箋NBm-nを「整理」する、という表現を用いる場合がある。
【0029】
また、本実施形態において、符号NBm(NB1、NB2など)は、ノートブックID(識別情報)を示す。符号NBmは、ユーザにより入力されたノートブック名として読み替えられてもよい。また、符号NBm-n(NB1-1、NB1-2など)は、ノートブックNBm内に作成された電子付箋IDを示す。符号NBm-nは、ユーザにより入力された電子付箋名として読み替えられてもよい。
【0030】
具体的には、ノートブック名は、例えば、ユーザが学習している科目の科目名であってもよく、また、電子付箋名は、例えば、科目内の単元名、学習日時であってよい。
【0031】
<情報処理サーバ10の電子回路>
図2は、情報処理サーバ10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0032】
情報処理サーバ10の電子回路は、コンピュータである制御部(CPU:Central Processing Unit)11、記憶部12、記録媒体読取部14、通信部15、入力部16および表示部17を含む。
【0033】
制御部11は、記憶部12に記憶されているサーバ制御プログラム12aに従い、入力部16に対するユーザ操作に応じた入力信号、またはネットワークN上のユーザ端末20からの通信部15による受信信号に応じて回路各部の動作を制御する。
【0034】
サーバ制御プログラム12aは、記憶部12に予め記憶されてもよく、また、CD-ROM等の外部の記録媒体13から記録媒体読取部14を介して記憶部12に読み込まれて記憶されたものであってもよく、ネットワークN上のWebサーバ(この場合、プログラムサーバ)30からダウンロードして記憶部12に読み込まれて記憶されたものであってもよい。
【0035】
サーバ制御プログラム12aは、少なくとも、上記の機能(10a)~(10h)を実行するためのプログラムを含む。
【0036】
記憶部12には、サーバ制御プログラム12aの記憶領域のほか、辞書データベース記憶領域12b、ユーザ管理データ記憶領域12c、付箋管理テーブルデータ記憶領域12dおよび作業データ記憶領域12eが確保される。
【0037】
辞書データベース記憶領域12bには、英和辞書、独和辞書、仏和辞書、国語辞書等の各種辞書データが、見出し語である単語と、同見出し語に対応する訳、語義、例文、解説等の説明情報と、を対応付けた辞書データとして記憶される。
【0038】
ユーザ管理データ記憶領域12cには、情報処理サーバ利用アプリがインストールされたユーザ端末20のユーザ(ユーザID(アカウント))毎に、ユーザが登録したパスワード、ユーザ属性(職業(学校)、学年など)、ノートブックNBmの内容のデータ(ノートブックデータ)が、対応付けられて記憶される。ノートブックデータは、ユーザ操作に応じて作成される電子付箋NBm-nの内容を含むデータであり、ノートブックIDおよび電子付箋IDに対応付けられたものとなっている。
【0039】
ユーザ管理データ記憶領域12cには、更に、後述するグループワーク処理で登録されたグループ(グループID)毎に、グループ属性(何年何組、科目名、単元名、学習日時など)、グループに参加する各ユーザ(ユーザID(アカウント))、グループに参加する各ユーザ(各参加者)のテーマ(表示カラーなど)、グループワーク処理で登録されたノートブックのノートブックデータが、対応付けられて記憶される。
【0040】
図3は、情報処理サーバ10の付箋管理テーブルデータ記憶領域12dに記憶される付箋管理テーブル(ノートブック管理テーブル)12dの内容を示す図である。
【0041】
付箋管理テーブル(ノートブック管理テーブル)12dには、ユーザ管理データ記憶領域12cに記憶(登録)されたユーザID毎及びグループID毎に、ノートブックNBmのノートブックIDに対応付けられて、ノートブックNBmに含まれる電子付箋NBm-nの電子付箋ID、ノートブックメニューMNから選択された情報の種別、電子付箋NBm-nに含まれるデータの属性(作成/編集日時、データフォーマット等のデータ設定情報、サブ属性など)、電子付箋NBm-nのノートブックNBm上での表示位置を示す座標、電子付箋NBm-nの表示サイズ、連結開閉フラグ、連結付箋ID、編集フラグエリアおよび編集ユーザIDが記憶・設定される。連結開閉フラグは、他の電子付箋と線つなぎ(連結)された電子付箋である場合に展開して表示させるか畳み込んで表示させるかを示す。連結付箋IDは、連結先と連結元の電子付箋IDを示す。
【0042】
なお、本実施形態における電子付箋の連結は、主に、複数の電子付箋(NB1-n)を一列で順番に連結するものなので、連結付箋IDに記憶される連結先と連結元それぞれの電子付箋IDは、何れも最大1つに制限する。これにより、連結付箋IDの連結先/連結元に既に他の電子付箋IDが記憶されている場合には、その電子付箋に対する新たな連結を禁止することで、電子付箋の連結状態が複数列に分岐してしまうことを防止することができる。
【0043】
付箋管理テーブル(ノートブック管理テーブル)12dは、複数のノートブック(NB1、NB2、・・・)のそれぞれに含まれる複数の電子付箋(NB1-n/NB2-n/NBm-n)の管理情報をまとめて記憶するものであり、ノートブックNBmおよびそのノートブックNBmに含まれる電子付箋NBm-nの作成、情報の更新に応じて、記憶されている管理情報の更新が可能なノートブックNBmの管理テーブルでもあり、特に、ステータスが編集状態の電子付箋については、編集フラグに“1”がセットされてフラグが立ち、編集が許可されている編集ユーザIDが記録される。
【0044】
作業データ記憶領域12eには、制御部11による各部の動作の制御に応じて生成または取得される各種データが必要に応じて一時的に記憶される。
【0045】
このように構成された情報処理サーバ10は、制御部11がサーバ制御プログラム12aに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウェアとハードウェアとが協働して動作することにより、後述の動作説明で述べるような各種機能を実現する。
【0046】
<ユーザ端末20の電子回路>
図4は、ユーザ端末20の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0047】
ユーザ端末20の電子回路は、コンピュータである制御部(CPU)21、記憶部22、記録媒体読取部24、通信部(Wi-Fi(登録商標)通信/移動体通信)25、キー入力部26、タッチパネル式の表示部27および撮像部(カメラ)28を備える。
【0048】
制御部21は、記憶部22に記憶されたユーザ端末制御プログラム22aおよび情報処理サーバ利用アプリケーション(情報処理サーバ利用アプリ)22bに従い回路各部の動作を制御する。ユーザ端末制御プログラム22aは、記憶部22に予め記憶されてもよく、また、メモリカード等の外部の記録媒体23から記録媒体読取部24により読み取って記憶部22に記憶されたものであってもよく、ネットワークN上のWebサーバ(ここではプログラムサーバ)30から通信部25を介してダウンロードして記憶部22に記憶されたものであってもよい。
【0049】
情報処理サーバ利用アプリ22bは、ネットワークN上のWebサーバ(例えばアプリストアのプログラムサーバ)30から通信部25を介してダウンロードされて記憶部22に記憶される。
【0050】
ユーザ端末制御プログラム22aは、ユーザ端末20の全体を制御するシステムプログラムのほか、記憶部22に記憶された各種のアプリケーションプログラムと連携して、ネットワークN上の情報処理サーバ10およびWebサーバ30を含む外部の通信機器と随時通信接続するためのプログラムを含む。
【0051】
情報処理サーバ利用アプリ22bは、情報処理サーバ10と通信接続して上記の機能(10a)~(10h)に応じたデータの入出力処理を実行するためのプログラムを含む。
【0052】
制御部21には、システムおよびデータバスを介して、記憶部22、記録媒体読取部24、通信部25のほか、電源キーと音量調整キーを含むキー入力部26、タッチパネル式の表示部27、撮像部(カメラ)28等が接続される。
【0053】
記憶部22には、ユーザ端末制御プログラム22aおよび情報処理サーバ利用アプリ22bを記憶するプログラム記憶領域のほか、端末データ記憶領域22cおよび作業データ記憶領域22d等が確保される。
【0054】
端末データ記憶領域22cには、ネットワークN上の情報処理サーバ10およびWebサーバ30を含む外部の通信機器と通信接続するための端末機器番号のほか、電話番号、メールアドレス、ユーザID(アカウント)、ユーザ属性(職業(学校)/学年)等のデータが、ユーザ端末20に固有の端末データとして記憶される。
【0055】
作業データ記憶領域22dには、制御部21による各部の動作の制御に応じて生成または取得される各種データが必要に応じて一時的に記憶される。
【0056】
このように構成されたユーザ端末20は、制御部21がユーザ端末制御プログラム22aおよび情報処理サーバ利用アプリ22bに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウェアとハードウェアとが協働して動作することにより、後述の動作説明で述べるような各種機能を実現する。
【0057】
(基本的な電子付箋処理)
情報処理システム1で実行される基本的な電子付箋処理について説明する。
【0058】
図5は、情報処理サーバ10のサーバ制御プログラム12aに従った電子付箋作成処理を示すフローチャートである。
【0059】
図6~
図8は、
図5に示される電子付箋作成処理の実行時にユーザ端末20の表示部27に表示される画面例を示す図である。
【0060】
図6は、ユーザ端末20の表示部27に表示されるノートブック一覧画面G1の一例を示す。
【0061】
情報処理サーバ10は、ユーザ端末20からのログイン要求に応じてユーザ端末20と通信接続する。この状態において、制御部11は、例えば、
図6に示されるように、ノートブック一覧画面G1をユーザ端末20の表示部27に表示させる。
【0062】
図6のノートブック一覧画面G1では、ユーザ操作に応じて作成されたノートブックNBm(例えばノートブックNB1~NB4)がノートブックアイコンNBI1~NBI4の形態でリスト表示される。
【0063】
図7は、ユーザ端末20の表示部27に表示されるノートブック画面G2の一例を示す。
【0064】
ノートブック一覧画面G1において、ユーザがノートブックアイコン(例えばノートブックアイコンNBI1)をタッチ操作して指定したものとする。この場合、制御部11は、ユーザにより指定されたノートブックNB1のノートブックデータをユーザ管理データ記憶領域12cから読み出し、付箋管理テーブル12dに基づき、
図7に示されるように、ノートブックNB1のノートブック画面G2として表示部27に表示させる(ステップS101)。
【0065】
図7の例では、ノートブックNB1の中に電子付箋NB1-nが1つも作成されていないため、電子付箋NB1-nを表示するスペースがブランクとなっている。
【0066】
ユーザがノートブック画面G2の[←](閉じる)ボタンTBをタッチ操作すると、制御部11は、ユーザ端末20の表示部27の画面を、ノートブック画面G2からノートブック一覧画面G1に遷移させる。
【0067】
なお、本実施形態において、表示画面上でのタッチ操作は、マウスカーソルによるクリック操作や他のポインタデバイスによる指定操作と決定操作との組み合わせであってもよい。
【0068】
ユーザが任意の情報を入力した電子付箋NB1-nをノートブックNB1に貼り付けて作成したい場合を説明する。
【0069】
図7に示されるように、ノートブック画面G2の左端には、ノートブックメニューMNが設けられる。ユーザがノートブックメニューMNから任意の種類の情報を示すボタン(Tx/Ca/Li/Fi/Di/Te)を選択すると(ステップS102:YES)、制御部11は、選択された種類の情報に応じた電子付箋NB1-nを作成して、ノートブックNB1内に表示させる(ステップS103)。
【0070】
ノートブックメニューMNは、例えば、[テキスト]ボタンTx、[カメラ]ボタンCa、[リンク]ボタンLi、[ファイル]ボタンFi、[辞書]ボタンDi、[テスト]ボタンTeを含む。
【0071】
[テキスト]ボタンTxが選択されると、制御部11は、新たな電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させるとともにユーザ端末20のテキスト入力アプリを起動させ、電子付箋NB1-nに対しユーザ操作に応じた任意のテキストを入力して表示、編集可能な状態とする(ステップS104)。
【0072】
[カメラ]ボタンCaが選択されると、制御部11は、新たな電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させるとともにユーザ端末20の撮像部28を起動させ、電子付箋NB1-nに対し撮像部28で撮影された任意の写真画像を入力して表示、編集可能な状態とする(ステップS104)。
【0073】
[リンク]ボタンLiが選択されると、制御部11は、新たな電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させるとともにユーザ端末20のWebブラウザを起動させ、電子付箋NB1-nに対しユーザ任意のWebページを入力して表示、編集可能な状態とする(ステップS104)。
【0074】
[ファイル]ボタンFiが選択されると、制御部11は、新たな電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させるとともにユーザ端末20のファイル操作アプリを起動させ、電子付箋NB1-nに対しユーザ任意のファイルを入力して表示、編集可能な状態とする(ステップS104)。
【0075】
[辞書]ボタンDiが選択されると、制御部11は、新たな電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させるとともに情報処理サーバ10の辞書アプリを起動させ、電子付箋NB1-nに対しユーザ任意の辞書の見出し語とその説明情報を辞書データベース12bから検索して表示、編集可能な状態とする(ステップS104)。
【0076】
[テスト]ボタンTeが選択されると、制御部11は、新たな電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させるとともに情報処理サーバ10のテストアプリを起動させ、電子付箋NB1-nに対しユーザ指定のテスト問題を表示、テスト問題に対する入力(回答)が可能な状態とする(ステップS104)。
【0077】
なお、ノートブックメニューMNは、[テキスト]ボタンTx、[カメラ]ボタンCa、[リンク]ボタンLi、[ファイル]ボタンFi、[辞書]ボタンDi、[テスト]ボタンTeに代えてまたは加えて、別の種類の情報を入力するためのボタンを含んでもよい。
【0078】
制御部11は、ノートブックNB1内に表示させた電子付箋NB1-nの表示位置を、ユーザによりタッチ操作されドラッグ(移動)されることに応じて移動させる。
【0079】
制御部11は、ノートブックNB1内に作成した電子付箋NB1-nの色を、ユーザ操作に応じて任意の色に変更してもよい。
【0080】
制御部11は、ノートブックNB1内に作成した電子付箋NB1-nの電子付箋IDに対応付けて、付箋管理テーブル12dの種別、属性、座標、サイズ、連結開閉フラグ、連結付箋IDを記憶させる(ステップS105)。
【0081】
図8は、このような処理を経てユーザ端末20の表示部27に表示される画面例を示す。
図8の画面例は、3つの電子付箋NB1-1~NB1-3を表示させた状態を示す。
図8において、電子付箋NB1-1および電子付箋NB1-2は、[テキスト]ボタンTxの操作に基づきテキストを入力して作成したものである。電子付箋NB1-3は、[辞書]ボタンDiの操作に基づき辞書の見出し語とその説明情報を検索して作成したものである。
【0082】
複数の電子付箋NB1-nを含むノートブックNB1のノートブック画面G2を表示させた状態で(ステップS101)、任意の電子付箋NB1-nが選択されると(ステップS106:YES)、制御部11は、選択された電子付箋NB1-nの内容を前述同様にノートブックメニューMNに基づき追加で編集可能な状態とする(ステップS104)。
【0083】
図9は、情報処理サーバ10のサーバ制御プログラム12aに従った線つなぎ処理を示すフローチャートである。
図10は、この線つなぎ処理でグループ化された電子付箋を含む画面例を示す。
【0084】
例えば、
図8に示されるように、ノートブック画面G2をユーザ端末20の表示部27に表示させた状態おいて、ノートブックNB1に含まれる電子付箋NB1-nの数が複数ある場合を説明する。この場合(ステップS201:YES)、制御部11は、電子付箋NB1-nに付加した[線つなぎ]タブLTに対するタッチ操作を待機する(ステップS202)。
【0085】
例えば、電子付箋NB1-1と電子付箋NB1-2とを手動操作で線つなぎ(連結)しグループ化したい場合、ユーザは、一方の電子付箋NB1-1の[線つなぎ]タブLTをタッチした状態で移動(ドラッグ)させる(ステップS202:YES)。このドラッグ操作が他方の電子付箋NB1-2の表示位置で解除されると(ステップS203:YES)、制御部11は、
図10に示されるように、電子付箋NB1-1と電子付箋NB1-2とを連結元から連接先へ向かう青色の実線のつなぎ矢印Bsで連結(線つなぎ)させる(ステップS204)。
【0086】
制御部11は、連結(線つなぎ)した電子付箋NB1-1と電子付箋NB1-2とに基づいて、付箋管理テーブル12dの連結開閉フラグおよび連結付箋IDを更新する(ステップS205)。
【0087】
これにより、ユーザは、ノートブックNB1内に作成した複数の電子付箋NB1-nを、ユーザ任意の関係性に基づいて手動で連結(線つなぎ)しグループ化して整理することができる。
【0088】
なお、複数の電子付箋NB1-nを連結(線つなぎ)したつなぎ矢印は、ユーザ操作に応じて消去されてもよい。つなぎ矢印が消去されると、その連結(線つなぎ)も解消される。
【0089】
このように、制御部11は、電子付箋NB1-1と電子付箋NB1-2との手動による線つなぎ操作(複数のオブジェクトに対する第3の操作の一例)に応じて電子付箋NB1-1と電子付箋NB1-2(複数のオブジェクトの一例)を同一グループとして分類することができる。
【0090】
図11は、情報処理サーバ10のサーバ制御プログラム12aに従った電子付箋開閉(展開/畳み込み)処理を示すフローチャートである。
図12は、この電子付箋開閉処理における畳み込み動作時の画面例を示す。
【0091】
例えば、
図10に示されるように、電子付箋NB1-1と電子付箋NB1-2とがつなぎ矢印Bsで線つなぎ(連結)されて表示されている場合を説明する。この場合に、線つなぎ(連結)された先頭の電子付箋NB1-1の左端に付加された[畳み込み]タブFTがタッチ操作されると(ステップS301:YES)、制御部11は、展開して表示させている電子付箋NB1-1と電子付箋NB1-2を、
図12に示されるように、先頭の電子付箋NB1-1を上として2番目以降の電子付箋(ここでは、電子付箋NB1-2)を順番に位置をずらしつつ下に重なるように畳み込んで表示させる(ステップS302)。
【0092】
制御部11は、畳み込んで表示させた電子付箋NB1-1および電子付箋NB1-2に応じて、付箋管理テーブル12dの連結開閉フラグを更新させる(ステップS305)。
【0093】
これにより、ユーザは、例えば、ノートブックNBm内に作成した複数の電子付箋NBm-nの数が多くなり表示が複雑化していても、線つなぎ(連結)してグループ化した複数の電子付箋NBm-nを畳み込んで表示させることで、簡潔なノートブック画面G2として整理することができる。
【0094】
なお、線つなぎ(連結)した電子付箋NB1-1と電子付箋NB1-2とを畳み込んで表示させる表示形態は、各電子付箋NB1-nを線つなぎした順番で重ねて表示させる表示形態に限らず、線つなぎされた順番で縦または横方向に一列に整列させて表示させる表示形態であってもよい。
【0095】
図12に示されるように、畳み込んで表示された先頭の電子付箋NB1-1の左端に、[展開]タブEXTが付加される。この[展開]タブEXTがタッチ操作されると(ステップS303:YES)、制御部11は、先頭の電子付箋NB1-1に連結されている2番目以降の電子付箋(ここでは、電子付箋NB1-2)を、付箋管理テーブル12dに基づき、
図10に示されるように、元通りに展開して表示させる(ステップS304)。
【0096】
制御部11は、展開して表示させた電子付箋NB1-1およびNB1-2に応じて、付箋管理テーブル12dの連結開閉フラグを更新させる(ステップS305)。
【0097】
ユーザは、畳み込んだ状態で表示された複数の電子付箋NBm-nを、必要に応じて展開して表示させることで、グループ化された電子付箋NBm-nのそれぞれの内容とその関係性を容易に確認することができる。
【0098】
なお、
図9の線つなぎ処理では、連結(線つなぎ)された複数の電子付箋は、最初に、展開した状態で表示されるが、別の実施形態では、連結(線つなぎ)された複数の電子付箋は、最初に、畳み込んだ状態で表示されてもよい。
【0099】
(グループワーク処理)
本実施形態に係る情報処理システム1では、複数のアカウントで共同編集可能なグループワークスペースを提供するグループワーク処理が実行される。以下、グループワーク処理について具体的に説明する。
【0100】
なお、本実施形態では、特定のグループIDが割り当てられたグループワークに参加するユーザ毎に1つのアカウント(ユーザID等)が割り当てられている。また、アカウントが割り当てられた1人のユーザにつき、1台のユーザ端末20がネットワークNに接続される。従って、以下の説明では、「ユーザ」、「ユーザID」、「ユーザ端末20」が「アカウント」と同義的に用いられることがある。また、「アカウント」は、「ユーザ」、「ユーザID」、「ユーザ端末20」に適宜読み替えられてもよい。
【0101】
グループワーク処理を実行する情報処理装置の一例である情報処理サーバ10は、一つのグループIDが割り当てられたノートブックを夫々がアカウントを有している参加者で共有可能な画面であって、アカウントで編集可能な電子付箋NBm-n(オブジェクトの一例)が配置されるノートブック画面G5(グループワークスペースを表示する画面であり、オブジェクト配置画面の一例)を、複数の参加者が操作するユーザ端末20の表示部27に夫々表示させる。そして、ある参加者(例えば第1のアカウントの参加者)が、自身が所有する端末20において、電子付箋NBm-n(第1のオブジェクトの一例)に対する編集を指示すると、情報処理サーバ10の制御部11は編集状態になったことを検知する。そして、付箋管理テーブルデータ12dにおいて対応する電子付箋NBm-nについては編集フラグエリアにフラグが立ち、編集ユーザIDに第1のアカウントに対応するユーザIDが記憶される。更に、上記参加者以外の参加者(例えば第1のアカウント以外のアカウントの参加者)が所有する夫々のユーザ端末20に対し、更新された付箋管理テーブルデータ12dのステータス、すなわち、電子付箋NBm-nが第1のアカウントによって編集されている状態であることを送信し、夫々のユーザ端末20の表示部27では、編集状態の電子付箋NBm-n(第1のオブジェクトの一例)を他の電子付箋NBm-nと識別可能に表示させ、電子付箋NBm-nについては編集権限が制限されている(第1のアカウント以外のアカウントは電子付箋NBm-nの編集権限を有しない)ことを報知する。
【0102】
このような処理を行うことにより、グループワークの参加者は、ノートブック画面G5(例えば
図20~
図23参照)に表示される電子付箋NBm-nのうち、自分以外の参加者によって編集状態にある電子付箋NBm-nを、他の電子付箋NBm-nと識別することができる。そのため、従来と比べて、電子付箋NBm-n等のオブジェクトを共同編集する際の使い勝手が向上する。
【0103】
図13は、情報処理サーバ10のサーバ制御プログラム12aに従ったグループ登録処理を示すフローチャートである。
図14~
図17は、このグループ登録処理時にユーザ端末20の表示部27に表示される画面例を示す図である。
【0104】
以下の説明では、先生がホストとなってグループワーク用のグループGPxの登録を行う。グループGPxには、グループ登録処理において、例えば先生により選択された生徒が参加者として登録される。グループワークでは、参加者として登録された生徒(および先生)が、ノートブック画面G5として表示される、グループワークスペースを共有する。
【0105】
なお、本実施形態において、符号GPx(GP1、GP2など)は、グループID(識別情報)を示す。符号GPxは、ユーザにより入力されたグループ名として読み替えられてもよい。
【0106】
グループワークスペースの参加者は、先生を含まなくてもよく、参加者として登録された生徒だけに制限されてもよい。また、先生に代わり、生徒の1人がホストとなってグループGPxの登録を行ってもよい。
【0107】
図14は、ホストである先生のユーザ端末20の表示部27に表示されるグループ一覧画面G3の一例を示す。便宜上、ホストである先生のユーザ端末20を「ホストユーザ端末20」と記す。
【0108】
制御部11は、ホストユーザ端末20に対する操作に応じて、グループ一覧画面G3をホストユーザ端末20の表示部27に表示させる。この状態において、制御部11は、登録ボタンGWBに対するタッチ操作を待機する(ステップS401)。
【0109】
登録ボタンGWBに対するタッチ操作を検知すると(ステップS401:YES)、制御部11は、
図15に示されるように、グループワーク登録メニューGWMをホストユーザ端末20の表示部27に表示させる(ステップS402)。
【0110】
なお、グループワーク登録メニューGWMは、スクロール表示可能となっている。
図15の状態から下方向へのスクロール操作が行われると、グループワーク登録メニューGWMは、例えば
図16に示される位置までスクロールされる。
【0111】
グループワーク登録メニューGWMには、例えば、グループワークで使用するノートブックNBmを設定する項目、グループ数を設定する項目、ランダムアイコンRI、履歴アイコンHI、グループ編集ボタンEB、各グループGPxの参加者リスト、開始ボタンSB等が含まれる。
【0112】
グループワークで使用するノートブックNBmを設定する項目には、「既存のノートブックをテンプレートにする」という説明文とトグルボタンが含まれる。トグルボタンがオフの場合、新規(ブランク)のノートブックNBmが設定される。トグルボタンがオンの場合、テンプレートとして予め登録されたノートブックNBmが設定される。
【0113】
このテンプレートは、例えば、情報処理サーバ10側で予め用意されたものであってもよく、また、先生がホストユーザ端末20を操作して自身で予め作成したものであってもよく、また、他の授業等で以前作成されたものであってもよい。
【0114】
先生は、グループワーク登録メニューGWMにおいて、プルダウンメニューで表示される数字を選択することにより、グループ数を設定することができる。
図15の例では、グループ数として4が選択されている。
【0115】
制御部11は、グループワーク登録メニューGWMに対する各種項目に対するユーザ操作(例えばトグルボタンのオンやオフ)に応じて、ホストユーザ端末20の表示部27上でのグループワーク登録メニューGWMの表示を更新する(ステップS403)。
【0116】
グループワーク登録メニューGWMを表示させた状態において、制御部11は、グループ編集ボタンEBに対するタッチ操作を待機する(ステップS404)。
【0117】
グループ編集ボタンEBに対するタッチ操作を検知すると(ステップS404:YES)、制御部11は、各グループGPxの参加者を登録する(ステップS405)。
【0118】
ここで、ランダムアイコンRIおよび履歴アイコンHIは、タッチ操作により選択状態/非選択状態が切り替わるラジオボタンとなっている。
【0119】
例えば、ランダムアイコンRIが選択された状態でグループ編集ボタンEBに対するタッチ操作を検知すると(ステップS404:YES)、制御部11は、プルダウンメニューで設定された数のグループGPxを作成し、作成した各グループGPxの参加者をランダムに選択して登録する(ステップS405)。選択対象の参加者は、例えば共通のユーザ属性(同じクラスなど)をもつ生徒である。
【0120】
例えば、履歴アイコンHIが選択された状態でグループ編集ボタンEBに対するタッチ操作を検知すると(ステップS404:YES)、制御部11は、ユーザ管理データ記憶領域12cに記憶された過去のグループGPxを読み出し、読み出されたグループGPxの参加者を登録する(ステップS405)。
【0121】
例えば、ランダムアイコンRIおよび履歴アイコンHIが非選択状態でグループ編集ボタンEBに対するタッチ操作を検知すると(ステップS404:YES)、制御部11は、選択対象の参加者リストをホストユーザ端末20の表示部27に表示させる。制御部11は、プルダウンメニューで設定された数のグループGPxを作成する。制御部11は、作成した各グループGPxの参加者を、参加者リストに対する先生の操作に従って選択して登録する(ステップS405)。
【0122】
開始ボタンSBに対するタッチ操作を検知すると(ステップS406:YES)、制御部11は、グループワーク登録メニューGWMにおける設定内容に応じて、各種情報を生成または取得する(ステップS407)。生成または取得される各種情報は、例えば、各グループGPxのグループID、グループ属性、参加者のアカウント(ユーザID)、ノートブックデータ等を含む。制御部11は、これらの情報を対応付けてユーザ管理データ記憶領域12cに記憶させる(ステップS408)。
【0123】
ユーザ管理データ記憶領域12cにおいて、グループIDと参加者のアカウント(ユーザID)とが対応付けて記憶されることにより、そのグループIDのグループワークスペースに対する編集権限が、そのグループIDに対応付けられたアカウント(参加者)に付与されることとなる。
【0124】
このように、ユーザの1人である先生(複数のアカウントのうちの特定のアカウントの一例)が行う登録操作(第5の操作の一例)に応じて、グループワークスペースであるノートブック画面G5(オブジェクト配置画面の一例)を共有するアカウント(すなわち、グループワークの参加者)が設定される。
【0125】
制御部11は、更に、各グループGPxの各参加者のテーマを設定し(ステップS409)、設定したテーマの情報を、各グループIDの各参加者のアカウント(ユーザID)に対応付けてユーザ管理データ記憶領域12cに記憶させる(ステップS410)。
【0126】
ここで「テーマ」は、例えばグループワークスペース上での各参加者の表示カラーを示す。例えば、グループワークスペース上で参加者が電子付箋NBm-nを編集する際、その参加者(編集者)に対して設定されたカラーで、編集者の氏名を記したアイコンが編集対象の電子付箋NBm-nに付加して表示され、また、その電子付箋NBm-nが表示される。
【0127】
「テーマ」は、グループワークスペース上での各参加者の表示カラーに限らない。別の実施形態では、「テーマ」は、グループワークスペース上での各参加者を示す識別情報(例えばアイコン等の画像)を指してもよい。
【0128】
各グループGPxの各参加者のカラーは、ランダムに設定される。各参加者には、グループワークスペース上で各編集者を区別できるように、それぞれ異なるカラーが設定される。
【0129】
例えば先生が参加者リストから手入力で参加者を選択する場合、各参加者のカラーは、グループGPxに登録された順番で決まってもよい。一例として、最初に登録された参加者には赤が設定され、2番目に登録された参加者には青が設定され、3番目に登録された参加者には緑が設定される。
【0130】
処理負荷およびデータ容量削減のため、ステップS409で設定可能なテーマ数を少ない数(例えば8つ)に制限してもよい。ここで、グループGPxに登録される参加者数がステップS409で設定可能なテーマ数(8つ)を超過する場合を考える。この場合、制御部11は、例えば、登録された参加者順に、8つのなかからテーマ(カラー)をランダムに設定する。これにより、例えば1番目から8番目の参加者に、赤、青、緑・・・の順でテーマが設定されたものとする。この場合、制御部11は、9番目以降の参加者に対しても、同じ色順(赤、青、緑・・・の順)でテーマを設定する。
【0131】
制御部11は、グループワーク登録メニューGWMをグループ一覧画面G3から消去する(ステップS411)。これにより、
図17に例示されるグループ一覧画面G3がホストユーザ端末20の表示部27に表示される。
【0132】
図17の例では、グループワーク登録メニューGWMに対する先生の操作に応じて作成された3つのグループGP1~GP3がグループアイコンGPI1~GPI3の形態でリスト表示される。
【0133】
制御部11は、各グループGPxの参加者(参加者である生徒のユーザ端末20)にグループワークの登録を通知する(ステップS412)。通知を受け取った生徒は、グループワークへの登録を知ることができる。便宜上、参加者である生徒のユーザ端末20を「ゲストユーザ端末20」と記す。
【0134】
図18は、情報処理サーバ10のサーバ制御プログラム12aに従ったグループワーク処理を示すフローチャートである。
図19~
図24は、このグループワーク処理時にユーザ端末20の表示部27に表示される画面例を示す図である。
【0135】
図19は、ゲストユーザ端末20の表示部27に表示されるグループ一覧画面G4の一例を示す。
【0136】
制御部11は、ゲストユーザ端末20に対する生徒の操作に応じて、グループ一覧画面G4をゲストユーザ端末20の表示部27に表示させる。
図19に例示されるグループ一覧画面G4には、ゲストユーザ端末20を操作する生徒が参加者として登録されたグループGP1がグループアイコンGPI1の形態で表示される。
【0137】
この状態において、制御部11は、グループアイコン(ここではグループアイコンGPI1)に対するタッチ操作を待機する(ステップS501)。
【0138】
グループアイコンに対するタッチ操作を検知すると(ステップS501:YES)、制御部11は、これに対応するノートブック画面G5をゲストユーザ端末20の表示部27に表示させる(ステップS502)。これにより、生徒は、グループGPx(ここではグループGP1)のグループワークに参加した状態となる。
【0139】
なお、先生は、ホストユーザ端末20の表示部27に表示されるグループ一覧画面G3のなかからグループGPxを選択することにより、そのグループGPxのグループワークに参加することができる。
【0140】
また、ユーザ(生徒、先生)は、ノートブック画面G5の[←](閉じる)ボタンTBをタッチ操作することにより、参加中のグループワークから退出することができる。
【0141】
ノートブック画面G5は、グループワークスペースを表示する画面であり、オブジェクト配置画面の一例である。すなわち、制御部11は、複数のアカウントで共有可能な画面であって、アカウントで編集可能なオブジェクト(例えば電子付箋NBm-n)が配置されるオブジェクト配置画面を、複数のアカウントのそれぞれの表示画面(例えばゲストユーザ端末20の表示部27)に表示させる、処理を実行する。
【0142】
制御部11は、ノートブック画面G5に対するユーザ操作に応じて、例えば、
図5に示される電子付箋作成処理を実行して電子付箋NBm-nを作成し、また、
図9に示される線つなぎ処理を実行して複数の電子付箋NBm-nを線つなぎ(連結)し、また、
図11に示される電子付箋開閉処理を実行して複数の電子付箋NBm-nの展開表示および畳み込み表示を行う。
【0143】
ここでは、ノートブック画面G5に対するユーザ操作が行われた結果、グループGPx(例えばグループGP1)に参加するユーザのユーザ端末20の表示部27に、
図8と同様の画面が表示されるものとする。すなわち、3つの電子付箋NB1-1、NB1-2、NB1-3がノートブック画面G5に表示される。
【0144】
このように、制御部11は、ユーザ端末20(アカウント)で行われた電子付箋NBm-nの作成操作(第4の操作の一例)に応じて電子付箋NBm-n(オブジェクトの一例)を作成し、作成された電子付箋NBm-nを、複数のユーザ端末20(アカウント)で共有できるように、ノートブック画面G5(オブジェクト配置画面の一例)に配置する、処理を実行する。
【0145】
制御部11は、ノートブック画面G5に配置された電子付箋NBm-nに対するタッチ操作を待機する(ステップS503)。
【0146】
電子付箋NBm-nに対するタッチ操作を検知すると(ステップS503:YES)、制御部11は、タッチ操作された電子付箋NBm-nについて、
図3の付箋管理テーブル12dを参照し、電子付箋NBm-nに対応する編集フラグエリアにフラグを立てて、タッチ操作を行ったユーザのユーザIDを編集ユーザIDに記憶させる。このようにしてこの電子付箋NBm-nに対する編集権限を、タッチ操作を行ったユーザに制限する(ステップS504)。例えば、生徒Aが電子付箋NB1-1をタッチ操作すると、制御部11は、電子付箋NB1-1を、グループワークの参加者のなかで生徒Aだけが編集できる状態に遷移させる。
【0147】
電子付箋NBm-nのステータスおよび編集権限の設定情報は、付箋管理テーブルデータ記憶領域12dにログ(履歴)として蓄積される。
【0148】
このように、制御部11は、第1のアカウント(例えば生徒A)で第2の操作(例えば電子付箋NBm-nに対するタッチ操作)を検知すると、生徒Aで電子付箋NBm-nが編集状態であると検知して、生徒A以外のアカウント(第1のアカウント以外のアカウント)での電子付箋NBm-nの編集権限を制限する処理を実行する。
【0149】
便宜上、電子付箋NBm-nを編集状態に遷移させた参加者を「編集者」と記し、編集者以外の参加者を「非編集者」と記す。
【0150】
制御部11は、非編集者のユーザ端末20において、電子付箋NBm-nの表示形態を変化させる(ステップS505)。具体的には、制御部11は、非編集者のユーザ端末20において、編集者により編集状態に遷移された電子付箋NBm-nの表示形態を、他の電子付箋NBm-nと識別可能な表示形態に変化させて、表示部27に表示させる。
【0151】
図20は、生徒Aのユーザ端末20の表示部27に表示されるノートブック画面G5の一例を示す。
図21は、生徒Cのユーザ端末20の表示部27に表示されるノートブック画面G5の一例を示す。
図22は、生徒A、C以外の生徒(生徒B、D)のユーザ端末20の表示部27に表示されるノートブック画面G5の一例を示す。
【0152】
図20~
図22の例では、生徒Aが電子付箋NB1-1の編集者となっており、生徒Cが電子付箋NB1-3の編集者となっている。電子付箋NB1-2は編集状態となっていない。
【0153】
制御部11は、生徒A(
図20参照)並びに生徒B及びD(
図22参照)のユーザ端末20において、電子付箋NB1-3の表示形態を、他の電子付箋1-1、1-2と識別可能な表示形態に変化させて、それらの表示部27に表示させる(ステップS505)。
【0154】
具体的には、制御部11は、生徒Cの氏名(アカウント情報の一例であり、アカウントのユーザ名)を記したアイコンN2を電子付箋NB1-3に付加して表示させる。これにより、生徒C以外の参加者(生徒A、生徒B及びD)のユーザ端末20において、電子付箋NB1-3は、他の電子付箋1-1、1-2と識別可能に表示される。そのため、生徒C以外の参加者は、電子付箋NB1-3が他者(具体的には生徒C)により編集されていることを把握できる。従って、従来と比べて、電子付箋NBm-n等のオブジェクトを共同編集する際の使い勝手が向上する。
【0155】
また、制御部11は、生徒C(
図21参照)のユーザ端末20において、電子付箋NB1-3に編集制御ボタンE1を付加して表示させる。生徒Cは、編集制御ボタンE1を操作して、例えば、電子付箋NB1-3を他の電子付箋NB1-1やNB-2へ線つなぎ(連結)しグループ化する等の編集をすることができる。オブジェクトの編集状態には、例えば、第1のオブジェクトに対応する第1の電子付箋(電子付箋NB1-1)から少なくとも1つの他の電子付箋への連結処理(線つなぎ処理)を実行する状態が含まれてもよい。
【0156】
また、制御部11は、生徒C(
図21参照)並びに生徒B及びD(
図22参照)のユーザ端末20において、電子付箋NB1-1の表示形態を、他の電子付箋1-2、1-3と識別可能な表示形態に変化させて、それらの表示部27に表示させる(ステップS505)。
【0157】
具体的には、制御部11は、生徒Aの氏名(アカウント情報の一例であり、アカウントのユーザ名)を記したアイコンN1を電子付箋NB1-1に付加して表示させる。これにより、生徒A以外の参加者(生徒B~D)のユーザ端末20において、電子付箋NB1-1は、他の電子付箋1-2、1-3と識別可能に表示される。そのため、生徒A以外の参加者は、電子付箋NB1-1が他者(具体的には生徒A)により編集されていることを把握できる。従って、従来と比べて、電子付箋NBm-n等のオブジェクトを共同編集する際の使い勝手が向上する。
【0158】
また、制御部11は、生徒A(
図20参照)のユーザ端末20において、電子付箋NB1-1に編集制御ボタンE1を付加して表示させる。生徒Aは、編集制御ボタンE1を操作して電子付箋NB1-1を編集することができる。
【0159】
このように、制御部11は、第1のアカウント(例えば生徒A)で第1のオブジェクト(例えば電子付箋NB1-1)が編集状態であることが検知されると、生徒A以外のアカウント(第1のアカウント以外のアカウント)において、第1のオブジェクト(例えば電子付箋NB1-1)を他のオブジェクト(例えば電子付箋NB1-2、1-3)と識別可能に表示部27に表示させる、処理を実行する。附言するに、制御部11は、第1のアカウントに関するアカウント情報(例えば生徒Aの氏名)を第1のオブジェクト(例えば電子付箋NB1-1)に付記することにより、第1のオブジェクト(例えば電子付箋NB1-1)を他のオブジェクト(例えば電子付箋NB1-2、1-3)と識別可能に表示部27に表示させる。
【0160】
より詳細には、アイコンN1、N2は、それぞれ、生徒A、Cに対して設定されたテーマ(カラー)で表示される。そのため、参加者は、誰が電子付箋NBm-nを編集しているかを簡単に把握することができる。
【0161】
また、電子付箋NBm-nは、例えば、その電子付箋NBm-nの作成者に対して設定されたテーマ(カラー)で表示される。すなわち、電子付箋NBm-n(オブジェクトの一例)は、電子付箋NBm-nの作成操作(第4の操作の一例)を行った作成者(アカウント)毎に識別可能に表示画面(例えばユーザ端末20の表示部27)に表示される。
【0162】
これにより、参加者は、誰が電子付箋NBm-nを作成したかを簡単に把握することができる。
【0163】
また、電子付箋NBm-nは、編集状態の間だけ、編集者に対して設定されたテーマ(カラー)で表示されてもよい。これにより、参加者は、電子付箋NBm-nを誰が編集中であるかを簡単に把握することができる。
【0164】
また、一度でも編集された電子付箋NBm-nは、最終編集者のテーマ(カラー)で表示されてもよい。これにより、参加者は、電子付箋NBm-nを誰が編集したかを簡単に把握することができる。
【0165】
電子付箋NBm-nに対する編集操作を検知すると(ステップS506:YES)、制御部11は、電子付箋NBm-nの内容およびノートブックデータを編集操作に応じて更新し(ステップS507)、更新内容が反映された電子付箋NBm-nをグループワークに参加する各ユーザ端末20の表示部27に表示させる(ステップS508)。
【0166】
制御部11は、編集者のユーザ端末20において、編集状態の電子付箋NBm-n以外の画面領域に対するタッチ操作を待機する(ステップS509)。
【0167】
編集状態の電子付箋NBm-n以外の画面領域に対するタッチ操作を検知すると(ステップS509:YES)、制御部11は、編集状態にあった電子付箋NBm-nのステータスを元に戻す(非編集状態に設定する)とともに、この電子付箋NBm-nに対する編集権限の制限を解除する(ステップS510)。
【0168】
制御部11は、更に、編集状態が解除された電子付箋NBm-nの表示形態であって、他の電子付箋NBm-nと識別可能な表示形態を解除する(ステップS511)。
【0169】
例えば、生徒A(
図20参照)のユーザ端末20において、電子付箋NB1-1以外の画面領域に対するタッチ操作を検知すると(ステップS509:YES)、制御部11は、電子付箋NB1-1のステータスを元に戻すとともに、電子付箋NB1-1に対する編集権限の制限を解除し(ステップS510)、更に、
図23に示されるように、電子付箋NB1-1に付加して表示されていたアイコンN1を消去することにより、他の電子付箋NB1-2、NB1-3と識別可能であった電子付箋NB1-1の表示形態を解除する(ステップS511)。
【0170】
このように、制御部11は、第1のアカウント(例えば生徒A)で第1の操作(例えば編集状態の電子付箋NB1-1以外の画面領域に対するタッチ操作)が検知されると、電子付箋NB1-1(第1のオブジェクトの一例)の編集状態を解除し、電子付箋NB1-1の表示形態であって、他の電子付箋NB1-2、NB1-3と識別可能な表示形態を解除する、処理を実行する。
【0171】
また、例えば、ノートブック画面G5に対するユーザ操作が行われた結果、グループGPx(例えばグループGP1)に参加するユーザのユーザ端末20の表示部27に、
図10と同様の画面が表示されるものとする。すなわち、ノートブック画面G5上に、3つの電子付箋NB1-1、NB1-2、NB1-3が表示され、且つ電子付箋NB1-1と電子付箋NB1-2とが連結(線つなぎ)された状態で表示される。
【0172】
この状態において、電子付箋NB1-1または電子付箋NB1-2に対するタッチ操作を検知すると(ステップS503:YES)、制御部11は、連結(線つなぎ)された2つの電子付箋NB1-1、NB1-2のステータスをまとめて編集状態に設定するとともに、2つの電子付箋NB1-1、NB1-2に対する編集権限を、まとめて、タッチ操作を行ったユーザに制限する(ステップS504)。例えば、生徒Aが電子付箋NB1-1または電子付箋NB1-2をタッチ操作すると、制御部11は、電子付箋NB1-1および電子付箋NB1-2を、グループワークの参加者のなかで生徒Aだけが編集できる状態に遷移させる。
【0173】
次いで、制御部11は、非編集者である生徒B~Dのユーザ端末20において、電子付箋NB1-1および電子付箋NB1-2の表示形態を変化させる(ステップS505)。具体的には、制御部11は、生徒B~Dのユーザ端末20において、
図24に示されるように、生徒Aの氏名を記したアイコンN1を電子付箋NB1-1および電子付箋NB1-2に付加して表示させる。
【0174】
これにより、生徒A以外の参加者(生徒B~D)のユーザ端末20において、電子付箋NB1-1および電子付箋NB1-2は、他の電子付箋1-3と識別可能に表示される。そのため、生徒A以外の参加者は、電子付箋NB1-1および電子付箋NB1-2が他者(具体的には生徒A)により編集されていることを把握できる。従って、従来と比べて、電子付箋NBm-n等のオブジェクトを共同編集する際の使い勝手が向上する。
【0175】
この例では、参加者は、例えば関連性のある複数の電子付箋NBm-nの編集権限をまとめて取得できるとともに、他の参加者のユーザ端末20において、これらの電子付箋NBm-nを、まとめて、他の電子付箋NBm-nと識別可能に表示させることができる。そのため、従来と比べて、電子付箋NBm-n等のオブジェクトを共同編集する際の使い勝手がより一層向上する。
【0176】
このように、制御部11は、第1のユーザで複数のオブジェクトについて同じグループにグループ化する操作(例えば、生徒Aによる、電子付箋NB1-1と電子付箋NB1-2とを連結(線つなぎ)する操作)が検知された後、グループ化された複数のオブジェクトの1つ(例えば電子付箋NB1-1または電子付箋NB1-2)が編集状態であることが検知されると、生徒A以外のアカウントにおいて、電子付箋NB1-1および電子付箋NB1-2を、他の電子付箋NB1-3と識別可能に(より詳細には、生徒Aによる編集状態であることを識別可能に)表示画面(ユーザ端末20の表示部27)に表示させる。
【0177】
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、上述の実施形態の各種変形形態および代替形態を包含するものとして理解されるべきである。例えば、上述した実施形態は、その趣旨および範囲を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できることが理解されよう。また、上述した実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより、種々の実施形態が実施され得ることが理解されよう。更には、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除して、または実施形態に示される構成要素にいくつかの構成要素を追加して種々の実施形態が実施され得ることが当業者には理解されよう。即ち、プログラム、サーバ装置、クライアント装置、システム、サーバ装置により実施される方法、クライアント装置により実施される方法は、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
【0178】
例えば、情報処理サーバ10とユーザ端末20のハードウェア構成は特に限定しない。一例として、情報処理サーバ10は、
図1では単一の装置として図示されているが、複数の装置から構成されてもよい。情報処理サーバ10とユーザ端末20は、それぞれプロセッサとメモリを備えたコンピュータであればよい。情報処理サーバ10、ユーザ端末20が有する上述した機能的構成は、プロセッサがメモリ上のプログラムを実行することで実現されてもよい。
【0179】
プロセッサは、特に限定しないが、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等であってもよい。また、プロセッサは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア回路を含んでもよい。メモリは、特に限定しないが、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)等の半導体メモリであってもよく、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶装置であってもよく、光記憶装置であってもよい。
【符号の説明】
【0180】
1 :情報処理システム
10 :情報処理サーバ
11 :制御部
12 :記憶部
12a :サーバ制御プログラム
12b :辞書データベース記憶領域
12c :ユーザ管理データ記憶領域
12d :付箋管理テーブルデータ記憶領域
12e :作業データ記憶領域
13 :記録媒体
14 :記録媒体読取部
15 :通信部
16 :入力部
17 :表示部
20 :ユーザ端末
21 :制御部
22 :記憶部
22a :ユーザ端末制御プログラム
22b :情報処理サーバ利用アプリ
22c :端末データ記憶領域
22d :作業データ記憶領域
23 :記録媒体
24 :記録媒体読取部
25 :通信部
26 :キー入力部
27 :表示部
28 :撮像部
30 :Webサーバ
G1 :ノートブック一覧画面
G2 :ノートブック画面
G3 :グループ一覧画面
G4 :グループ一覧画面
G5 :ノートブック画面
GPx :グループ
N1、N2 :アイコン
NBm :ノートブック
NBm-n :電子付箋