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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012108
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】個人用組み合わせ刺激LEDマスク
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100469
(22)【出願日】2023-06-20
(31)【優先権主張番号】10-2022-0087668
(32)【優先日】2022-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520102820
【氏名又は名称】ワイ・アンド・ジェイ・バイオ・カンパニー・リミテッド
【住所又は居所原語表記】Bdong 916ho,947,Hanam-daero,Hanam-si,Gyeonggi-do,12982,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ヨン・サム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ハ・シク
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082PA01
4C082PA02
4C082PC10
4C082PE09
4C082PJ15
4C082PJ21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、顔に着用することができる個人用組合せ刺激LEDマスクに関して、より詳細には、LED発光に応じた発熱による皮膚の損傷を防止することができ、製造コストおよびメンテナンスコストを低減しつつ顔面の皮膚の美白作用とシワを低減する改善作用などを効果的に行うことができ、特に眼の周りのシワを効果的に改善できる個人用組合せ刺激LEDマスクに関する。
【解決手段】本発明に係る個人用組み合わせ刺激LEDマスクは、LEDマスクにおいて、使用者の顔面に着座するマスク部と、前記マスク部に設けられ、基板上に複数のLEDが配置された光照射部と、を含み、前記LEDは、異なる波長帯の光を放射する複数種のLEDチップが配置され、単一の支持構造体に前記複数種のLEDチップが配置された組合わせ型LEDモジュールで構成され、前記基板上に配置されたことを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDマスクにおいて、
使用者の顔面に着座するマスク部と、
マスク部に設けられ、基板上に複数のLEDが配置された光照射部と、を含み、
前記LEDは、異なる波長帯の光を放射する複数種のLEDチップが配置され、単一の支持構造体に前記複数種のLEDチップが配置された組合せ型LEDモジュールで構成され、前記基板上に配置されたことを特徴とする個人用組み合わせ刺激LEDマスク。
【請求項2】
前記組合せ型LEDモジュールは、波長が625~635nmの第1のLEDチップと、波長が845~855nmの第2のLEDチップとが前記単一の支持構造体に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の個人用組合せ刺激LEDマスク。
【請求項3】
前記第1のLEDチップは波長が630nmでありながら光照射出力が10mW/cm2±20%であり、前記第2のLEDチップは波長が850nmでありながら光照射出力が10mW/cm2±20%であり、
前記組合せ型LEDモジュールは発光に応じた発熱作用により前記マスクの部内部温度が41~43℃範囲の以上に上昇しない数量で配置され、光照射出力の50%が管理対象の皮膚面に照射される離隔距離を有するように 前記マスク部に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の個人用組合せ刺激LEDマスク。
【請求項4】
前記組合せ型LEDモジュールは光照射角が120°であり、
前記組合せ型LEDモジュールと前記管理皮膚面との間の離隔距離は10mm±10%であることを特徴とする請求項3に記載の個人用組合せ刺激LEDマスク。
【請求項5】
前記組合せ型LEDモジュールは、前記マスク部の内部温度が41~43℃を超えないようにするとともに、顔部位の屈曲を考慮して、相互間の離間距離が14~20mmとなるように前記基板に設けられたことを特徴とする請求項4に記載の個人用組合せ刺激LEDマスク。
【請求項6】
前記マスク部は、使用者の顔面に着座し、内部眼露出孔が形成され、外面に前記光照射部が配置される内部マスク部と、前記内部マスク部に結合され、前記内部眼露出孔と連通する外部眼露出孔が形成された外部マスク部と、を含み、
眼に光が入射しないように、内部眼露出孔および外部眼露出孔の周りに設置される光遮断部材と、
眼の周りの皮膚に光が照射されるように内部マスク部に設けられる光伝達供給手段と、を含み、
前記光伝達供給手段は、前記内部眼露出孔の周りに設けられ、光透過性の素材で形成されて光が入射、放射される光供給部と、前記光供給部と前記LEDとの間に配置され、前記光供給部に光を伝達する光伝達部を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5の中のいずれか一項に記載の個人用組み合わせ刺激LEDマスク。
【請求項7】
前記光供給部は、前記光遮断部材の内側に着座し、前記内部眼露出孔と連通する連通孔が設けられた可撓性光透過パッドと、前記可撓性光透過パッドに形成され、嵌合孔を有する導光管接続部と、前記光伝達部を介して流入する光を移動および拡散させるように前記可撓性光透過パッドに形成される複数の光供給ライン部と、を含み、
前記光伝達部は、前記光照射部のLEDに対向して一端が配置され、他端が前記嵌合孔に接続される導光管を含み、
前記光遮断部材は、前記内部眼露出孔の周りの内側に着座するように閉曲線状に形成され、下側の中央に鼻梁着座溝を有する鼻梁着座部が延びた内側光遮断部と、前記内側光遮断部の周りに鋭角の構造で延び、縁には前記内部眼露出孔と外部眼露出孔との間の隙間に挟まれた嵌合突部が形成された外側光遮断部と、を含むことを特徴とする請求項6に記載の個人用組合せ刺激LEDマスク。
【請求項8】
前記可撓性光透過パッドは、前記内側光遮断部の外部を包み込むように配置され、着用時に眼の周りに着座するように鼻挿入切開部が設けられた楕円体で形成され、内側縁に沿って前記内側光遮断部の縁部が着座する着座顎が形成された着座パッド部と、前記鼻挿入切開部と接した前記着座パッド部に下方に延びる前方支持部と、前記前方支持部の下端に屈曲して導光管挿入口が形成された導光管設置部と、前記着座パッド部の外周縁に沿って延び、前記前方支持部に連結され、前記内部マスク部に結束するクッション連結部と、を含み、
前記光供給ライン部は、両上まぶた及び目尻の部位に対応する前記着座パッド部に形成されて光を散乱させて照射する上まぶた光供給ライン部と、眉間の部位に対応する前記着座パッド部に形成される眉間光供給ライン部と、を含むことを特徴とする請求項7に記載の個人用組合せ刺激LEDマスク。
【請求項9】
前記上まぶた光供給ライン部は、前記鼻挿入切開部と接した前記着座パッド部の表面から他側に向かって並んで配列される複数の光透過性突出ラインで形成され、
前記眉間光供給ライン部は、前記眉間の部位に対応する前記着座パッド部に弧状に繰り返し突出し、曲率半径が異なる複数の光透過性突出ラインで形成されることを特徴とする請求項8に記載の個人用組合せ刺激LEDマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔に着用することができる個人用組合せ刺激LEDマスクに関して、より詳細には、LED発光に応じた発熱による皮膚の損傷を防止することができ、製造コストおよびメンテナンスコストを低減しつつ顔面の皮膚の美白作用とシワを低減する改善作用などを効果的に行うことができ、特に眼の周りのシワを効果的に改善できる個人用組合せ刺激LEDマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、皮膚の美容や皮膚の疾患治療のための光線療法は、レーザー、蛍光灯、紫外線ランプなどの様々な光源から人体の皮膚に光を照射することにより皮膚内で生化学的な反応を促進させる原理を利用するもので、皮膚の組織の選択的な再生あるいは破壊によって損傷した皮膚を治療したり、美白などの美容の目的に使用する。
【0003】
特に、発光ダイオード(LED)光源は、高出力レーザー光源とは異なり、人体に適した光出力で広い面積の美容部位または治療部位に照射することができ、このように照射される光は植物で太陽光が葉緑素を介して植物の細胞に変換される原理と類似に、皮膚細胞間の光生化学反応を誘導することができる。
【0004】
そして、発光ダイオード(LED)光源は、光子が細胞組織内の色素胞や光レセプターによって受容され、細胞の代謝活動を促進させることに基づくものであり、細胞に吸収された光は細胞組織内のROSとATPの合成を増加させ、 例えば、赤色光と近赤外線光に曝露された細胞はNOなどを放出することができ、そのような放出された成分が光分解され、酵素活性化を促進することができる。
【0005】
これにより、前述の発光ダイオード(LED)光源が複数に設置された美容マスクを着用する場合、細胞の全般的な代謝活動を活発にし、細胞の再生とリハビリテーションに大きな役割を果たすことができるので、皮膚のコラーゲンとエラスチンの生成を促進させ、シワの発生を抑え、皮膚をしっとりと弾力に保つことができる。
【0006】
例えば、前述した美容マスクとしては、大韓民国登録特許公報の登録番号第10-2223108号に示すような「LEDマスク」が提案されている。
【0007】
前述した従来のLEDマスク1は、使用者の顔面に着用される内部マスク部100と、内部マスク部100を充電および殺菌する充電部200とを含む。
【0008】
内部マスク部100は、使用者の顔面に配置されるマスク本体110と、マスク本体110の内部に設けられ、使用者の顔面に波長の異なる光を照射する発光部120と、マスク本体110の内側に着脱可能に結合され、使用者の鼻口脣に光が照射される範囲を調節する鼻口脣シワ位置調節部材130と、マスク本体110を使用者の頭部に固定する固定ベルト140と、を含む。
【0009】
マスク本体110は、使用者の顔面を覆うように配置され、内部に収容された発光部120のLED123、125、127、129から照射された光が使用者の顔面に照射されるように支持する。マスク本体110は、図1に示すように、外部マスク111と、外部マスク111の内側に設けられる内部マスク113とを含む。外部マスク111と内部マスク113との間には発光部120が収容される。
【0010】
内部マスク113は、外部マスク111の内側に結合されて発光部120を支持し、発光部120の各LED123、125、127、129から照射された光が顔面に照射されるように光を透過する。内部マスク113は、光が透過する材質で形成され、外部マスク111と同じ位置に内部眼露出孔113aと鼻挿入溝113bと、内部鼻呼吸孔113cと、内部口呼吸孔113dが設けられる。
【0011】
そして、内部眼露出孔113aの周りにはシリコン部材115が設けられ、内部マスク113が使用者の顔面に着座することができる。シリコン部材115は一定の高さに突出するように形成され、LED123、125、127、129から照射された光が使用者の眼に照射されるのを防ぐ。
【0012】
従来のLEDマスクは、着用者の眼に光が照射されるのを防ぐために内部マスク113に楕円形状の構造のシリコン部材115が設けられ、このシリコン部材115は、光の流入が防止されるように不透明なシリコン材料で形成されるので、眼の周りの皮膚のシワの改善のための光の流入が遮断される限界がある。
【0013】
これにより、顔の部位でシワがひどく生じた眉間、上まぶた、目尻などの眼の周りのシワを低減する改善効果を全く期待できない短所がある。
【0014】
そして、前述の登録特許第10-2223108号に示すような従来のLEDマスクは、皮膚の美白作用とシワを改善できる効果があると主張しているが、実質的に検証または適用した例はめったに実情であり、LEDが皮膚の美白作用とシワの改善に効果があるという一部の研究結果を漠然と活用しているのが現実的な状況である。
【0015】
特に、従来のLEDマスクは、光量の増加時に皮膚の改善効果が向上することを研究結果のみに基づいて無分別にLEDの設置数量を増加させるにつれて、過剰な発熱により皮膚の損傷を引き起こし、ひどい場合にやけどを招く短所があり、過剰な数量のLED設置に伴うバッテリーの容量の上昇、他の部品の追加及び容量の増加による部品コストの上昇、消費電力の上昇などの様々な問題を伴う限界がある。
【0016】
また、従来のLED技術は、シワの改善に効果のあるLEDを使用すると記載されているが、実際にマスク型の製品に使用するLEDは、内蔵バッテリーの電力量が制限されているので、病院などで使用する医療機器のような高い光出力を出すことができないのが現実である。したがって、実際の製品では光出力が不足してシワの改善の効果が期待できない限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、前記内容に着眼して提案されたものであり、様々な波長帯域のLEDチップを組み合わせた組合せ刺激LEDを用いて顔面の美白作用とシワを低減する改善作用等を実質的に行うことができるようにした個人用組合せ刺激LEDマスクを提供することにその目的がある。
【0018】
本発明の他の目的は、皮膚の美白作用とシワの改善作用を効果的に行いながらもLEDの発熱による皮膚の損傷を防止できるLEDの構造及びLEDの配置構造を備えた個人用組合せ刺激LEDマスクを提供することである。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、眼に光の入射を遮断しながらも眼の周りのシワを効果的に改善することができる個人用組合せ刺激LEDマスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記目的を達成するために、本発明に係る個人用組合せ刺激LEDマスクは、LEDマスクにおいて、使用者の顔面に着座するマスク部と、マスク部に設けられ、基板上に複数のLEDが配置された光照射部と、を含み、前記LEDは、異なる波長帯の光を放射する複数種のLEDチップが配置され、単一の支持構造体に前記複数種のLEDチップが配置された組合せ型LEDモジュールで構成され、前記基板上に配置されたことを特徴とする。
【0021】
前記組合せ型LEDモジュールは、波長が625~635nmの第1のLEDチップと、波長が845~855nmの第2のLEDチップとが前記単一の支持構造体で構成することができる。
【0022】
前記第1のLEDチップは波長が630nmであり、光照射出力が10mW/cm2±20%であり、前記第2のLEDチップは波長が850nmであり、光照射出力が10mW/cm2±20%で構成することができる。
【0023】
前記組合せ型LEDモジュールは発光に応じた発熱作用により前記マスク部の内部温度が41~43℃範囲の以上に上昇しない数量で配置され、光照射出力の50%が管理対象の皮膚面に照射される離隔距離を有するように前記マスク部に設けられることができる。
【0024】
好ましくは、前記組合せ型LEDモジュールは光照射角が120°であり、前記組合せ型LEDモジュールと前記管理皮膚面との間の離隔距離は10mm±10%で構成することができる。
【0025】
前記組合せ型LEDモジュールは、前記マスク部の内部温度が41~43℃を超えないようにするとともに、顔部位の屈曲を考慮して、相互間の離間距離が14~20mmとなるように前記基板に設けることができる。
【0026】
前記マスク部は、使用者の顔面に着座し、内部眼露出孔が形成され、外面に前記光照射部が配置される内部マスク部と、前記内部マスク部に結合され前記内部眼露出孔と連通する外部眼露出孔が形成された外部マスク部と、を含んで構成することができる。
【0027】
そして、本発明に係る個人用組合せ刺激LEDマスクは、眼に光が入射しないように、前記内部眼露出孔および外部眼露出孔の周りに設置される光遮断部材と、眼の周りの皮膚に光が照射されるように前記内部マスク部に設けられる光伝達供給手段と、を含み、前記光伝達供給手段は、前記内部眼露出孔の周りに設けられ、光透過性の素材で形成されて光が入射、放出される光供給部と、前記光供給部と前記LEDとの間に配置され、前記光供給部に光を伝達する光伝達部を含むことができる。
【0028】
前記光供給部は、前記光遮断部材の内側に着座し、前記内部眼露出孔と連通する連通孔が設けられた可撓性光透過パッドと、前記可撓性光透過パッドに形成され、嵌合孔を有する導光管接続部と、前記光伝達部を介して流入する光を移動および拡散させるように前記可撓性光透過パッドに形成される複数の光供給ライン部と、を含むことができる。
【0029】
前記光伝達部は、前記光照射部のLEDに対向して一端が配置され、他端が前記嵌合孔に接続される導光管を含むことができる。
【0030】
前記光遮断部材は、前記内部眼露出孔の周りの内側に着座するように閉曲線状に形成され、下側の中央に鼻梁着座溝を有する鼻梁着座部が延びた内側光遮断部と、前記内側光遮断部の周りに鋭角の構造で延び、縁には前記内部眼露出孔と外部眼露出孔との間の隙間に挟まれる嵌合突部が形成された外側光遮断部と、を含むことができる。
【0031】
好ましくは、前記可撓性光透過パッドは、前記内側光遮断部の外部を包み込むように配置され、着用時に眼の周りに着座するように鼻挿入切開部が設けられた楕円体で形成され、内側縁に沿って前記内側光遮断部の縁部が着座する着座顎が形成された着座パッド部と、前記鼻挿入切開部と接した前記着座パッド部に下方に延びる前方支持部と、前記前方支持部の下端に屈曲して導光管挿入口が形成された導光管設置部と、前記着座パッド部の外周縁に沿って延び、前記前方支持部に連結され、前記内部マスク部に結束するクッション連結部と、を含むことができる。
【0032】
前記光供給ライン部は、両上まぶた及び目尻の部位に対応する前記着座パッド部に形成されて光を散乱させて照射する上まぶた光供給ライン部と、眉間の部位に対応する前記着座パッド部に形成される眉間光供給ライン部と、を含むことができる。
【0033】
前記上まぶた光供給ライン部は、前記鼻挿入切開部と接した前記着座パッド部の表面から他側に向かって並んで配列される複数の光透過性突出ラインで形成することができる。
【0034】
前記眉間光供給ライン部は、前記眉間の部位に対応する前記着座パッド部に弧状に繰り返し突出し、曲率半径が異なる複数の光透過性突出ラインで形成することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る個人用組合せ刺激LEDマスクによれば、光照射出力が10mW/cm2±20%の630nm波長帯域のLEDチップと850nm波長帯域のLEDチップを組み合わせた組合せ刺激LEDモジュールを用いて10mmの離隔距離で50%の光照射出力で管理対象の皮膚に光を照射することにより、皮膚の美白作用とシワを低減する改善作用などを実質的に行なえる効果がある。
【0036】
本発明に係る個人用組合せ刺激LEDマスクによれば、LED発熱による皮膚の損傷を防止できるLEDの構造及びLEDの配置構造を具現することにより、バッテリーの容量とLEDの配置数量を最小化できるので、使用上の安全性及び耐久性を向上させることができ、製造コスト及びメンテナンスコストを低減できる効果がある。
【0037】
そして、本発明に係る個人用組合せ刺激LEDマスクによれば、マスクに眼への光入射を遮断する光遮断部材とともに、内部マスク部の内部眼露出孔に可撓性及び光透過性を有する光伝達供給手段が備えられているので、眼の周りに密着していても光を眼の周りの皮膚に照射してシワの改善作用を行なえる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】従来のLEDマスクを説明するための図である。
図2】本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクを示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクを示す分離斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの光照射部を示す平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの光照射部に配置される組合せ型LEDモジュールの設置構造を説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの光照射部に配置された組合せ型LEDモジュールの光照射領域を簡略に示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの内側に現れる形状を示す斜視図である。
図8a】本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの眼部位を示す斜視図であって、外側に現れる形状を示す図である。
図8b】本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの眼部位を示す斜視図であって、内側に現れる形状を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの鼻口脣シワ改善部を説明するための拡大斜視図である。
図10a】本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの光遮断部材を説明するための図であって、一側に現れる形状を示す図である。
図10b】本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの光遮断部材を説明するための図であって、他側に現れる形状を示す図である。
図11a】本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの光伝達供給手段を説明するための図であって、一側に現れる形状を示す図である。
図11b】本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの光伝達供給手段を説明するための図であって、他側に現れる形状を示す図である。
図12a図2のA-A線に沿った切開斜視図である。
図12b図2のB部の切開斜視図である。
図13】本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの使用状態を説明するための図である。
図14】本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの臨床試験の結果、目元のシワが改善された対象者の割合を比較して目元のシワ尺度(CFGS)の改善の度合いを示すグラフである。
図15】本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの臨床試験の結果、目元のシワが改善された対象者の割合を比較して、目元の部位のグローバル美容向上尺度(GAIS)の改善の度合いを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付の図面の図2図15に基づいて詳細に説明して、図2図15において同一の構成要素については同一の参照番号を付して説明する。
【0040】
一方、各図における一般的な技術から、この分野の通常の知識を有する者が容易に知ることができる構成と、それに対する作用及び効果の詳細な説明は、簡略化または省略する。さらに、本発明は個人用組合せ刺激LEDマスクに特徴を有するものであるので、それに関連する部分を中心に図示および説明し、残りの部分の説明は簡略化または省略する。
【0041】
図2は本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクを示す斜視図であり、外側から見た形状を示す。図3は本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクを示す分離斜視図であり、図4は本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの光照射部を示す平面図であり、図5は本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの光照射部に配置される組合せ型LEDモジュールの設置構造を説明するための図であり、図6は本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの光照射部に配置された組合せ型LEDモジュールの光照射領域を簡略に示す図である。
【0042】
図2図6を参照すると、本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクは、様々な波長帯域のLEDチップを組み合わせた組合せ刺激LEDを用いて顔面の皮膚の美白作用とシワを低減する改善作用などが行なえるとともにLED発熱による皮膚の損傷を防止できるように構成した点に特徴があり、使用者の顔面に着座するマスク部mと、このマスク部mに設けられる光照射部4を備える。
【0043】
マスク部mは、使用者の顔面に着用できる構造であれば、形態や構造に特に制限なく単一のマスク構造体でも構成することができるが、本実施形態では、以下で具体的に説明するように光照射部4の設置安定性と、組立性、使用上の利便性を考慮して内側に位置する内部マスク部1と、内部マスクの外側に位置する外部マスク部2とから構成されている。
【0044】
光照射部4は、図4に示すようにマスク部mに設けられ、基板41上に複数のLEDが配置されたものであり、特に制限なく様々な波長帯域のLEDで構成することもできるが、本実施形態では、様々な波長帯域のLEDチップを組み合わせて構成し、様々な方法で皮膚に照射するテストを通して、シワの改善作用、美白作用などの皮膚管理に適するように具現した点に特徴がある。
【0045】
より具体的に説明すると、光照射部4は、異なる波長帯の光を放射する複数種のLEDチップが1つの支持構造体に一体に構成された組合せ型LEDモジュール42が基板41に配置された点に、主な特徴がある。
【0046】
組み合わせ型LEDモジュール42は、組み合わせた光刺激(以下、組み合わせ刺激という)を具現するために波長が625~635nmで光照射出力が10mW/cm2±20%の第1のLEDチップ(図示せず)と、波長が845~855nmで光照射出力が10mW/cm2±20%の第2のLEDチップ(図示せず)が一つの支持構造体に構成されている。
【0047】
特に、第1のLEDチップは波長が630nmでありながら光照射出力が10mW/cm2±20%であり、第2のLEDチップは波長が850nmでありながら光照射出力が10mW/cm2±20%であることを適用する場合、皮膚の管理に最適の条件であることが確認できた。例えば、組み合わせ型LEDモジュールは、630nm RED LEDチップと850nm IR LEDチップを含むRED&IR DUAL TOP VIEW LED(サイズ:3.5x2.8x1.8mm)を国内外のLEDメーカーから提供されて設置することができる。
【0048】
そして、組み合わせ型LEDモジュール42は、その設置数量が多いほど皮膚管理に有利であるという一部の研究結果があるが、LEDの設置数量を過度に増加させると、過度な発熱により深刻な皮膚の損傷を招き、LEDの数量の増加、バッテリーの容量の増加などによって様々な問題が生じるので、マスク部の内部温度が41~43℃を超えないようにLEDの構造およびLEDの配置構造を構成することが重要である。ここで、マスク部の内部温度は41℃以下とすることが好ましい。なお、マスク部の内部温度41~43℃は、医療機器の印加機関で許容される温度である。
【0049】
図3図5を参照すると、本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクは、発光に応じた発熱作用によりマスク部mの内部温度が高温に加熱されず、皮膚に悪影響を与えないようにするためには、組み合わせ型LEDモジュール42の配置数量が重要であり、組み合わせ型LEDモジュール42の光照射出力が皮膚面に照射される離隔距離dが重要であることを様々な試験を通して確認することができた。
【0050】
このような事実に基づき本実施形態では、発熱作用によりマスク部mの内部温度が41~43℃を超えない数量で組合せ型LEDモジュール42をマスク部mに配置し、光照射出力の50%が管理対象の皮膚面に照射される離隔距離dを有するように設置しなければならないことを確認した。
【0051】
より具体的に説明すると、マスク部mの内部温度が41~43℃を超えずに光照射出力の50%が管理対象の皮膚面sに照射されるための条件を満たす案として組み合わせ型LEDモジュール42は、光の照射角を120°で構成し、組合わせ型LEDモジュール42と管理対象の皮膚面sとの間の離隔距離を10mm±10%で構成することが好ましい。
【0052】
そして、組合せ型LEDモジュール42は、マスク部mの内部温度が41~43℃を超えないようにするとともに、顔部位の屈曲を考慮して互いにの離間距離が14~20mmとなるように基板41に設置する好ましい様々な離隔距離を有するように具現した複数の比較試験(具体的な内容を省略する)を通して確認できた。このように組合わせ型LEDモジュール42間の離隔距離が14~20mmとなるように構成すると、図6に示すように円形の光照射域rに交差集合領域(交差領域)が形成され、この交差集合領域の光量が相対的に大きく、顔部位の屈曲部分にも自然に安定した光量を照射し、適切な皮膚管理が可能であることが確認できた。
【0053】
一方、光照射部4は、後述する内部マスク部1の外面と外部マスク部2の内面との間に配置され、光伝達供給手段6及び内部マスク部に向けて光を照射するように配置されている。
【0054】
基板41は薄いフィルム紙の構造で形成されたものであり、複数の組合せ型LEDモジュール42が接続される複数の端子と、この端子と接続される回路等が実装されている。そして、フィルム紙状の基板41には、眼、鼻、口、耳、頬骨などの顔形状に合わせて複数の屈曲部が形成された内部マスク部1に容易に近接して配置できるように、複数の切開部411が形成されている。
【0055】
以下、本発明に係るマスク部mについて具体的に説明する。
【0056】
図7は、本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの内側に現れる形状を示す斜視図であり、図8aおよび図8bは、本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの眼部位を示す斜視図であり、図8aは外側に現れる形状を示し、図8bは内側に現れる形状を示す。図9は、本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの鼻口脣シワ改善部を説明するための拡大斜視図である。
【0057】
図2図3図7図8bを参照すると、内部マスク部1は、人体の顔を包み込む形態で形成され、使用者の顔面が着座する内部マスク本体11に内部眼露出孔12が穿孔された構造として、着用用固定手段3の結束のための結束バンド固定部15、外部マスク部2の結合ボス29(図8a参照)との結束のための結束孔(図面符号の省略)等が形成されている。
【0058】
そして、内部マスク部1は、顔の両鼻口脣シワの形成領域に対応する位置に鼻口脣シワ改善用光が拡散して入射するように鼻口脣シワ改善部7が形成されている。
【0059】
鼻口脣シワ改善部7は、内部マスク本体11の下側の両側に略三日月形状に形成されたものであり、顔の鼻口脣シワの形成領域に穿孔されるシワ改善板設置孔71と、このシワ改善板設置孔71に結合されるシワ改善板72で構成されている。
【0060】
シワ改善板72は、光透過性の板状体721に光を拡散させるために複数の拡散レンズ722が突出している。このシワ改善板72には、シワ改善板設置孔71の周面に突出した複数の結束突起(図示せず)が挿入される突起挿入溝を有する組立突起723が形成されている。また、シワ改善板72の内面には、鼻口脣シワ改善用光を発生させるLEDが設けられるフィルム紙状の基板(図示せず)が設けられている。
【0061】
そして、シワ改善板は、光を拡散供給できれば前述の構造の他にも様々な形態で構成できるものであり、図面には示していないが光透過性の板状体に光を拡散するための線形の突起形態で突出した複数の光供給ライン部が緻密に形成されたものを適用することもできる。
【0062】
一方、内部マスク部1の上部には、着用時に使用者の額部が着座する額着座部材8が設けられている。額着座部材8は、安定した着用状態を維持しながらも使用者に痛みを誘発しないようにクッションの特性を有する素材や構造で形成されることが好ましい。
【0063】
外部マスク部2は、内部マスク部1の外面に結合するように対応する形状で構成されており、光照射部4が重ねてかぶせるように内部マスク部1と対応するように形成された外部マスク本体21に内部眼露出孔12と連通する外部眼露出孔22が形成されている。
【0064】
そして、外部マスク部2は、単一又は複数の射出成形物から構成されることが好ましく、内面には、内部マスク部1との結束のための結合ボス29(図8a参照)が形成されている。
【0065】
添付の図10a及び図10bは、本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの光遮断部材を説明するための図であり、図10aは一側に現れる形状を示し、図10bは他側に現れる形状を示す。図11a及び図11bは、本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの光伝達供給手段を説明するための図であり、図11aは一側に現れる形状を示し、図11bは他側に現れる形状を示す。図12aは図2のA-A線に沿った切開斜視図であり、図12bは図2のB部の切開斜視図である。
【0066】
図10a~図12bを参照すると、本発明に係る個人用組合せ刺激LEDマスクは、マスク部を固定するための着用用固定手段3と、光照射部4の光が眼部位に流入しないようにする光遮断部材5と、眼の周りの皮膚に光を照射するための光伝達供給手段6が備えられている。
【0067】
着用用固定手段3は、皮膚管理用マスクの着用時に人体の頭部に固定するための構成要素であり、マスクの着用状態を安定的に維持できれば、形態や構造に特に制限はないが、本実施形態では内部マスク部1の結束バンド固定部15に結束する結束バンドで構成されている。
【0068】
結束バンドは、様々な形態の頭部に着用できるように、長さを調節可能とされる公知の結束バンドで構成することができる。例えば、結束バンドは、内部マスク部1の両結束バンド固定部15に結束されるバンド31と、このバンドの長さを調節するために連結されるバックル32等から構成されている。
【0069】
図6a~図8bを参照すると、光遮断部材5は、内部マスク部1を着用した状態でLEDから生じた光が眼に入射しないように遮断する構成要素として可撓性及び密着性を有して、光は透過しない不透明な素材で形成され、内部眼露出孔12および外部眼露出孔22の周りに設けられる。例えば、光遮断部材5は、不透明シリコンゴム(Silicone rubber)で形成することができる。
【0070】
より具体的に説明すると、光遮断部材5は、図6a及び図6bに示すように、内部眼露出孔12の周りの内側に着座するように略楕円形の閉曲線状に形成され、下側の中央に鼻梁着座溝512を有する鼻梁着座部511が延びた内側光遮断部51と、この内側光遮断部51の周りに鋭角の構造(断面構造)に延びて縁に内部眼露出孔12と外部眼露出孔22との間の隙間に挟まれた嵌合突部522が形成された外側光遮断部52を備える。
【0071】
一方、光伝達供給手段6は、シワを低減する改善作用を行う光を眼の周りに入射させるために構成されたものであり、眼の周りの皮膚に光が照射されるように内部マスク部1に設けられている。
【0072】
より具体的に説明すると、光伝達供給手段6は、図7a~図8bに示すように、内部眼露出孔12の周りに設けられ、光透過性の材料で形成されて光が入射、放射される光供給部61と、光供給部61とLED(図示せず)との間に配置され光供給部61に光を伝達する光伝達部62から構成されている。
【0073】
前記光供給部61は、光遮断部材5の内側に着座し、内部眼露出孔12と連通する連通孔が設けられた可撓性光透過パッド611、可撓性光透過パッド611に形成される導光管接続部612、光伝達部62を介して入射する光を移動及び拡散させるように可撓性光透過パッド611に形成される複数の光供給ライン部613を備える。
【0074】
ここで、光供給部61は、光透過性、可撓性及び緩衝の特性を有すれば医療用シリコーンゴムなどの素材に特に制限なく適用できるが、本実施形態では医療用TPU(Thermoplastic Poly Urethane、熱可塑性ポリウレタン)と呼称する素材で形成されている。そのような医療用TPUは、PE、PP、TPE、PVCおよびシリコーンゴムのような従来の医療材料より優れた生体適合性および安定性と、優れた機械的特性および加工の特性を有する。
【0075】
可撓性光透過パッド611は、着用時に眼の周りに密着する着座パッド部611aと、この着座パッド部611aに形成される前方支持部611bと、導光管設置部611cと、クッション連結部611dと、を備える。
【0076】
着座パッド部611aは、内側光遮断部51の外部を包み込むように配置され、着用時に眼の周りに着座するように略楕円状の体で形成されるが、下側の中央に鼻挿入切開部dが切開されて設けられたものであり、その内側の縁に沿って内側光遮断部51の縁部が着座する着座顎611eが形成されている。
【0077】
前方支持部611bは、内部に導光管621が配置される空間が設けられるように鼻挿入切開部dと接した着座パッド部611aの両側に下方に延びている。
【0078】
導光管設置部611cは、前方支持部611bの下端に内側へ顎の形状に屈曲して導光管挿入口611fが形成されている。
【0079】
クッション連結部611dは、着座パッド部611aの外周縁に沿って延び形成されて前方支持部611bに連結されるものであり、内部マスク部1の結束孔に結束するように結束突起611gが形成されている。そして、クッション連結部611dは、着用時に緩衝性が付与されるように断面の形状が略「L」字状になるように着座パッド部の縁で一体に延びている。
【0080】
導光管接続部612は、可撓性光透過パッド611の着座パッド部611aの底面に突出する管接続突起で構成されている。この管接続突起は、前方に導光管621が嵌まる嵌合孔612aが凹んだものであり、高さが嵌合孔612aの入口から後方に向かって次第に低くなる形態に形成されている。
【0081】
前記光供給ライン部613は、両上まぶた及び目尻の部位に対応する着座パッド部611aに形成され、光を移動及び散乱させて拡散する上まぶた光供給ライン部613aと、眉間の部位に対応する着座パッド部611aに形成されて光を移動及び散乱させて拡散する眉間光供給ライン部613bを備える。
【0082】
上まぶた光供給ライン部613aは、鼻挿入切開部dと接した着座パッド部611aの端部の表面から他側に向かって並んで配列される複数の光透過性突出ラインで形成されている。
【0083】
眉間光供給ライン部613bは、眉間の部位に対応する着座パッド部611aに弧状に繰り返し突出し、曲率半径が異なる複数の光透過性突出ラインで形成されている。このとき、光透過性突出ラインの曲率半径は、内側から外側に向かって次第に曲率半径が大きくなる形態で形成されている。
【0084】
一方、光伝達部62は、光照射部4のLEDと対向して一端が配置され、他端が導光管接続部612に接続される導光管621で構成されている。
【0085】
導光管621は光透過性の丸棒構造で形成され、一端が導光管設置部611cの導光管挿入口611fを経由して内部マスク部1に設けられた導光管挿入孔(図示せず)に接続して対向配置された基板41のLEDと対向するように配置され、他端が導光管接続部612の嵌合孔612aに挿入されるように屈曲した形態に形成されている。ここで、導光管621は、光の移動過程で流出を防ぐことができるように、その外面に外皮層が形成されることもできる。
【0086】
一方、本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクは添付の図面には示していないが、使用者が電源のオン/オフの操作、使用モードの選択、使用時間などを入力するように設けられるボタン等の入力部(図示せず)、LED等に電源を供給する二次バッテリーのような電源供給部(図示せず)、入力部の入力信号に応じてLEDの駆動を制御する制御部を外部マスク部2の等に設けることができる。
【0087】
そして、本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクは添付の図面には示していないが、皮膚管理用マスクを据え置く機能を行う据え置きフレームに電源供給部の充電端子と電気的に接続される電源供給端子とを備えられた充電部(図示せず)を備えることができる。
【0088】
以下、本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの作用を簡単に説明する。
【0089】
図13は本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの使用状態を説明するための図であり、個人用組合せ刺激LEDマスクの着用状態を簡略化して示したものである。
【0090】
図2図13を参照すると、充電部の据え置きフレーム(図示せず)に据え置いた状態で商用電源から電源を受けて二次バッテリーが充電されると、使用者が皮膚管理用マスクを据え置きフレームから取り外し、光伝達供給手段6が眼の周りに着座し、内部マスク部1が顔を覆って密閉するように位置決めした状態で着用用固定手段3を頭部に結束するように着用する。
【0091】
その後、入力部(図示せず)を操作して光照射部4の組合わせ型LEDモジュール42を点灯し、第1のLEDチップの630nm波長の光と第2のLEDチップの850nm波長の光が10mW/cm2±20%の光照射出力で管理対象の顔の皮膚に照射されながら改善作用を行う。
【0092】
このとき、内部眼露出孔12及び外部眼露出孔22の部位に設けられた光遮断部材5は、不透明シリコンゴムで形成されているので、着用した状態でLEDから照射される光が眼に入射しないように遮断する作用を行う。
【0093】
そして、光遮断部材5に接して内部マスク部1に設けられた光伝達供給手段6は光透過性の素材で形成されているので、眼の周りに密着していても光を眼の周りの皮膚に照射してシワの改善作用を行うので、従来の問題を解決することができる。従来のLEDマスクの場合、不透明光遮断部材が眼の周りに密着するにつれて、眼の周りの皮膚に光の入射不能で行えなかった眼の周りのシワの改善作用を効果的に行なえる。
【0094】
前述した光伝達供給手段6による眼の周りのシワの改善作用をより具体的に説明すると、光照射部4の基板41に配置された組合せ型LEDモジュール42で生じた光が対向する導光管621の一側を介して他側の導光管接続部612に入射し、導光管接続部612を経由した光は光透過性の素材で形成された可撓性光透過パッド611に伝達される。
【0095】
このように伝達された光は、可撓性光透過パッド611の光供給ライン部613により誘導及び散乱しながら両上まぶた及び目尻の部位と眉間の部位に均等に拡散するので、シワの改善作用を効果的に行うことができる。
【0096】
そして、本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクは、内部マスク部1の鼻口脣シワ形成部位に鼻口脣シワ改善部7が設けられており、鼻口脣シワを低減する改善作用が行なえる。特に、鼻口脣シワ改善部7は、LED光がシワ改善板72の拡散レンズ722を経由して拡散して皮膚に均一に照射されるので、鼻口脣シワの改善作用を効果的に行うことができる。
【0097】
一方、本発明の一実施形態に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの皮膚の改善作用を検証するための臨床試験を実施し、その結果を簡略に説明する。(以下の臨床試験は漢陽大学教のクリ病院の成形外科に依頼して施行された結果である、Protocol NO:Y&J_EC_P01)
【0098】
選定/除外基準に基づいて選定された被験者のうち、試験群には本発明に係る個人用組合せ刺激LEDマスクを提供し、対照群には対照機器の個人用組合せ刺激LEDマスク(外観は同一であるが第2のLEDチップ(IR LED(850nm))なしで、第1のLEDチップ(RED LED(630nm))を10分の1のみ照射するように構成する)を提供し試験した。
【0099】
臨床試験期間の中、被験者は臨床試験用医療器の適用期間に4週目、8週目、12週目に訪問と、追跡観察訪問である16週目に最大6回の訪問を実施し、臨床試験用医療器の12週適用完了後に4週間の有効性及び安全性の評価を施行した。
【0100】
有効性の評価(具体的な内容は省略する)には、独立した評価者が評価した目元シワの尺度(CFGS)の評価、試験者の目元の部位のGAISの評価などを施行し、安全性の評価には異常事例確認、活力兆候、身体検診を含んだ。 また、訪問毎に臨床試験用医療器の適用部位の写真撮影を施行し、独立した評価者は、撮影された写真を介して目元シワの尺度(CFGS)の評価を実施した。
【0101】
定められた臨床対象者の選定基準(省略)を介して選定された計画人員(26人)で25人が臨床試験に参加し、試験群及び対照群は定められた臨床試験用医療器を1日9分、週5回施行して16週間使用した。
【0102】
前記のように臨床試験した結果を介して目元シワが改善された対象者の割合を比較し、目元シワの尺度((Crow Σs Feet Grading Scale, CFGS)の改善を比較してみると、表1のように同じ結果が得られ、これをグラフで示した結果を図14のように現れた。
【0103】
【表1】
【0104】
表1の目元シワが改善された対象者の割合比較(独立した評価者)と図14の目元シワが改善された対象者の割合比較のグラフを参照すると、試験群と対照群との間を比較してみると、臨床試験用医療器の初適用後、12週でスコア変化量が有意味な差を示しており、これらの結果に基づき、本発明に係る個人用組合せ刺激LEDマスクを12週の使用時に、目元シワの尺度((Crow‘s Feet Grading Scale,CFGS)の改善に効果があることがわかる。表1及び表2において、FAS(Full Analysis Set)は臨床試験対象者群を意味し、PPS(Per Protocol Set)はFASに含まれる対象者のうち計画書によく順応して臨床を終了した臨床試験対象者を意味し、図14および図15においてW(WEEK)は週を意味する。
【0105】
一方、前記のように臨床試験した結果を介して目元のシワが改善された対象者の割合を比較し、目元の部位のグローバル美容向上尺度(Global Aesthetic Improvement Scale、GAIS)の改善を比較してみると、表2のような結果が得られ、これをグラフで示した結果を図15のように現れた。
【0106】
【表2】
【0107】
表2及び図15は試験者を評価したものであり、眼元の部位のグローバル美容香上尺度(GAIS)は、試験者が写真を使用せずに目視で直接観察して評価する方式で、-1点(悪い)から3点(非常に良くなる)までの5段階(-1~3点)で構成されている。目元の部位のグローバル美容香上尺度(GAIS)は、12週と16週で試験群と対照群の有意味な差を確認した。その結果、本発明に係る個人用組合せ刺激LEDマスクを12週以上の使用の時に、目視で目元のシワの改善度合いを確認できることが分かる。
【0108】
以上に記載した「含む」、「構成する」または「有する」等の用語は、特に反対の記載がない限り、当該の構成要素が内在できることを意味するものであり、他の構成要素を除外するものではなくて、他の構成要素をさらに含むことができると解釈されるべきである。技術的または科学的用語を含むすべての用語は、別に定義がない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。辞典に定義された用語等のように一般的に使用される用語は、関連技術の文脈上の意味と一致すると解釈されるべきであり、本発明で明確に定義されない限り、理想的または過度に形式的な意味として解釈されるべきではない。
【0109】
以上、説明した本発明の一実施例に係る個人用組合せ刺激LEDマスクの構成及び動作について説明したが、これは例示的なものであり、本技術分野に通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で前述した実施形態の一部を置換および変形することが可能であることが理解できる。
【0110】
したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に記載された発明およびその均等物に及ぶこととして理解されるべきである。
【符号の説明】
【0111】
m:マスブ部
s:皮膚
r:光照射域
1:内部マスク部
11:内部マスク本体
12:内部眼露出工
15:結束バンド固定部
2:外部マスク部
21:外部マスク本体
22:外部眼露出工
3:着用用固定手段
31:バンド
32:バックル
4:光照射部
41:基板
42:組合せ型LEDモジュール
5:光遮断部材
51:内側光遮断部
52:外側光遮断部
6:光伝達供給手段
61:光供給部
611:可撓性光透過パッド
612:導光管接続部
613:光供給ライン部
62;光伝達部
621:導光管
7:鼻口脣シワ改善部
71:シワ改善板設置孔
72:シワ改善板
8:額着座部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10a
図10b
図11a
図11b
図12a
図12b
図13
図14
図15