(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121080
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】飲食品用組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 29/00 20160101AFI20240830BHJP
C12C 5/00 20060101ALI20240830BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20240830BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20240830BHJP
C12G 3/055 20190101ALI20240830BHJP
C12G 3/04 20190101ALI20240830BHJP
A23L 27/00 20160101ALI20240830BHJP
【FI】
A23L29/00
C12C5/00
A23L5/00 N
A23L2/00 E
C12G3/055
C12G3/04
A23L27/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027975
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 芳徳
(74)【代理人】
【識別番号】100187850
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】竹雅 亮
(72)【発明者】
【氏名】秦 悠斗
(72)【発明者】
【氏名】単 小遠
(72)【発明者】
【氏名】加藤 悠一
【テーマコード(参考)】
4B035
4B047
4B115
4B117
4B128
【Fターム(参考)】
4B035LC03
4B035LE03
4B035LG40
4B035LG50
4B035LK04
4B035LK19
4B035LP59
4B047LB03
4B047LF07
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4B047LP08
4B115LG03
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4B117LG16
4B117LK01
4B117LK08
4B117LK13
4B117LL01
4B128CP16
(57)【要約】
【課題】本発明は、飲食品に対してコクを付与しつつも飲み込みやすい新たな飲食品用組成物を提供することに関する。
【解決手段】解繊処理されたβ-グルカンを含む、飲食品用組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
解繊処理されたβ-グルカンを含む、飲食品用組成物。
【請求項2】
前記β-グルカンが、β-1,3-1,6-グルカン及びβ-1,3-1,4-グルカンからなる群より選択される1種以上を含む、請求項1に記載の飲食品用組成物。
【請求項3】
前記解繊処理されたβ-グルカンの固有粘度が550mL/g以下である、請求項1に記載の飲食品用組成物。
【請求項4】
前記解繊処理されたβ-グルカンの重量平均分子量が10000以上である、請求項1に記載の飲食品用組成物。
【請求項5】
前記解繊処理されたβ-グルカンのMark-Houwink-Sakuradaプロットにおける構造αの値が0.70以上である、請求項1に記載の飲食品用組成物。
【請求項6】
β-グルカンを解繊処理する工程を含む、飲食品用組成物の製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載の飲食品用組成物を含む、飲食品。
【請求項8】
ビールテイスト飲料である、請求項7に記載の飲食品。
【請求項9】
請求項1に記載の飲食品用組成物を添加する工程を含む、飲食品の製造方法。
【請求項10】
前記飲食品がビールテイスト飲料である、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
請求項1に記載の飲食品用組成物を添加する工程を含む、飲食品にコクを付与する方法。
【請求項12】
前記飲食品がビールテイスト飲料である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
固有粘度が550mL/g以下である、β-1,3-1,6-グルカン。
【請求項14】
固有粘度が550mL/g以下である、β-1,3-1,4-グルカン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食品用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の消費者の嗜好の多様化にともなって、コクのある香味特徴をもつ飲食品の開発が望まれている。例えば、特許文献1にはルイボスティーエキスを含有させることでノンアルコール飲料のコク感と複雑味のあるバランスのよい味わいを付与すること、特許文献2はα-グルカン、アラビノキシランとβ-グルカンを含有させることで飲料にコクを与える方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-115899号公報
【特許文献2】特開2013-48574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1ではコク以外に含有させる成分由来の特有の香味が付与されてしまうために従来の製品が持つ自然な風味から離れてしまうことがあり、また、特許文献2では高濃度の食物繊維を含有することでコクがあがる一方で、粘度が上昇してしまうために飲料としての飲み込みにくくなることがあり、さらなる改良が望まれる。
【0005】
本発明は、飲食品に対してコクを付与しつつも飲み込みやすい新たな飲食品用組成物を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記[1]~[14]に関する。
[1] 解繊処理されたβ-グルカンを含む、飲食品用組成物。
[2] 前記β-グルカンが、β-1,3-1,6-グルカン及びβ-1,3-1,4-グルカンからなる群より選択される1種以上を含む、[1]に記載の飲食品用組成物。
[3] 前記解繊処理されたβ-グルカンの固有粘度が550mL/g以下である、[1]に記載の飲食品用組成物。
[4] 前記解繊処理されたβ-グルカンの重量平均分子量が10000以上である、[1]に記載の飲食品用組成物。
[5] 前記解繊処理されたβ-グルカンのMark-Houwink-Sakuradaプロットにおける構造αの値が0.70以上である、[1]に記載の飲食品用組成物。
[6] β-グルカンを解繊処理する工程を含む、飲食品用組成物の製造方法。
[7] [1]に記載の飲食品用組成物を含む、飲食品。
[8] ビールテイスト飲料である、[7]に記載の飲食品。
[9] [1]に記載の飲食品用組成物を添加する工程を含む、飲食品の製造方法。
[10] 前記飲食品がビールテイスト飲料である、[9]に記載の製造方法。
[11] [1]に記載の飲食品用組成物を添加する工程を含む、飲食品にコクを付与する方法。
[12] 前記飲食品がビールテイスト飲料である、[11]に記載の方法。
[13] 固有粘度が550mL/g以下である、β-1,3-1,6-グルカン。
[14] 固有粘度が550mL/g以下である、β-1,3-1,4-グルカン。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、飲食品に対してコクを付与しつつも飲み込みやすい新たな飲食品用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明者らが上記課題について鋭意検討したところ、解繊処理されたβ-グルカンを飲食品用組成物として用いることでコクを付与しつつも飲み込みやすい飲食品が得られることが分かった。このメカニズムは定かではないが、解繊を行うことで3重らせん構造をとっていた分子が乖離して、水酸基が露出して分子あたりの水との結合力が上昇することで多糖類同士の結合を抑制でき親水性が上昇することにあると推定される。
【0009】
本発明の飲食品用組成物は、解繊処理されたβ-グルカンを含む。解繊処理前のβ-グルカンはβ-グルカンを含んだ穀物(大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦など麦類やこれらの麦芽、大豆、小豆、エンドウなどの豆類やこれらの分解物、とうもろこし、米、芋類など)、酵母、キノコなどを含んだ原料、またはそれぞれから精製されてきたものなどを使用することができ、添加する飲食品への影響の観点から、β-1,3-1,6-グルカン及びβ-1,3-1,4-グルカンからなる群より選択される1種以上を含むことが好ましく、好ましくは精製されたβ-グルカン純度が高い製品である。また、解繊処理としては、物理的処理、化学的処理のいずれでもよく、安全性、香味、環境負荷の観点から、好ましくは物理的処理法を用いることが望ましい。また、複数の解繊処理を行ってもよい。例えば、物理的処理として高圧ホモジナイザー法、マイクロフルイダイザー法、グラインダー法、ボールミル粉砕法、ビーズミル粉砕法、凍結粉砕法、化学的処理として酵素加水分解法、イオン液体選択溶解法などが挙げられる。
【0010】
本発明の飲食品用組成物に係る解繊処理されたβ-グルカンの固有粘度は、550mL/g以下であれば解繊処理された状態と判断することができ、飲食品を飲み込みやすくする観点から、好ましくは550mL/g以下、より好ましくは500mL/g以下、更に好ましくは450mL/g以下、更に好ましくは400mL/g以下、更に好ましくは350mL/g以下、更に好ましくは300mL/g以下、更に好ましくは250mL/g以下、更に好ましくは200mL/g以下、更に好ましくは150mL/g以下である。また、10mL/g以上、20mL/g以上、30mL/g以上、40mL/g以上、50mL/g以上、60mL/g以上、70mL/g以上、80mL/g以上、90mL/g以上、100mL/g以上、110mL/g以上、120mL/g以上、130mL/g以上、140mL/g以上であってもよい。特に、炭酸飲料、ビールテイスト飲料などの飲料については粘度が低いと飲みやすくなることから、低粘度であることが好ましい。本明細書における固有粘度は、後述の実施例に記載の方法により測定する。
【0011】
本発明の飲食品用組成物に係る解繊処理されたβ-グルカンの重量平均分子量は、コク付与の観点から、好ましくは10000以上、より好ましくは12500以上、更に好ましくは15000以上、更に好ましくは17500以上、更に好ましくは20000以上、更に好ましくは22500以上、更に好ましくは25000以上、更に好ましくは27500以上、更に好ましくは30000以上、更に好ましくは32500以上、更に好ましくは35000以上、更に好ましくは37500以上、更に好ましくは40000以上である。また、飲食品を飲み込みやすくする観点から、好ましくは1000000以下であり、500000以下、250000以下、100000以下、75000以下、50000以下であってもよい。β-グルカンの重量平均分子量が大きいとコクが大きくなるという利点があり、分子量が小さいと飲食品に対する溶解性が向上して飲食品を飲み込みやすくするという利点がある。本明細書における重量平均分子量は、後述の実施例に記載の方法により測定する。
【0012】
本発明の飲食品用組成物に係る解繊処理されたβ-グルカンのMark-Houwink-Sakuradaプロットにおける構造αの値は、0.70以上であれば解繊処理された状態と判断することができ、飲食品を飲み込みやすくする観点から、好ましくは0.70以上、より好ましくは0.72以上、更に好ましくは0.74以上、更に好ましくは0.76以上、更に好ましくは0.78以上、更に好ましくは0.80以上、更に好ましくは0.82以上、更に好ましくは0.84以上、更に好ましくは0.86以上、更に好ましくは0.88以上、更に好ましくは0.90以上である。本明細書における構造αの値は、後述の実施例に記載の方法により測定する。
【0013】
本発明の飲食品用組成物における解繊処理されたβ-グルカンの含有量は、コク付与の観点から、好ましくは50mg/L以上、より好ましくは100mg/L以上、更に好ましくは125mg/L以上、更に好ましくは150mg/L以上、更に好ましくは175mg/L以上、更に好ましくは200mg/L以上、更に好ましくは225mg/L以上、更に好ましくは250mg/L以上、更に好ましくは275mg/L以上、更に好ましくは300mg/L以上、更に好ましくは325mg/L以上、更に好ましくは350mg/L以上、更に好ましくは375mg/L以上、更に好ましくは400mg/L以上、更に好ましくは450mg/L以上、更に好ましくは500mg/L以上、更に好ましくは600mg/L以上、更に好ましくは700mg/L以上、更に好ましくは800mg/L以上、更に好ましくは900mg/L以上、更に好ましくは1000mg/L以上、更に好ましくは1500mg/L以上、更に好ましくは2000mg/L以上、更に好ましくは2500mg/L以上、更に好ましくは3000mg/L以上、更に好ましくは4000mg/L以上、更に好ましくは5000mg/L以上、更に好ましくは7500mg/L以上、更に好ましくは10000mg/L以上、更に好ましくは20000mg/L以上、更に好ましくは30000mg/L以上、更に好ましくは40000mg/L以上、更に好ましくは50000mg/L以上、更に好ましくは100000mg/L以上、更に好ましくは200000mg/L以上、更に好ましくは300000mg/L以上、更に好ましくは400000mg/L以上、更に好ましくは500000mg/L以上である。本明細書におけるβ-グルカンの含有量(mg/L)は、ビール酒造組合国際技術委員会(BCOJ)が定める「ビール分析法(2004年11月1日改訂版)8.28高分子β-グルカン」に従い測定する。
【0014】
本発明の飲食品用組成物は、飲食品用として使用される公知の成分を任意に含有することができる。
【0015】
本発明の飲食品としては、例えば、野菜加工品(野菜缶詰、野菜瓶詰、トマト加工品、キノコ類加工品、塩蔵野菜、野菜漬物、野菜冷凍食品、乾燥野菜、野菜佃煮など)、果実加工品(果実缶詰、果実瓶詰、果実飲料原料、ジャム、マーマレード、果実バター、果実漬物、乾燥果実、果実冷凍食品など)、茶製品、コーヒー製品、ココア製品、香辛料、麺類、パン類、菓子類、豆類調製品(あん製品、煮豆製品、豆腐、油揚げ類、湯葉、凍豆腐、納豆、きな粉、豆乳類、ピーナッツ製品、いり豆類など)、こんにゃく、肉製品(加工肉製品、鳥獣肉の缶詰、鳥獣肉の瓶詰、鳥獣肉冷凍食品など)、酪農製品(液状ミルク、クリーム、練乳、濃縮乳、粉乳、脱脂乳、脱脂濃縮乳、発酵乳、乳酸菌飲料、バター、チーズ、カード、ホエイ、アイスクリーム類、乳糖、カゼイン調製品、乳等を主要原料とする食品など)、加工卵製品(液鶏卵、粉末鶏卵、鶏卵加工冷凍製品、アヒルの卵の加工製品、ウズラの卵の加工製品など)、加工魚介類(素干魚介類、塩干魚介類、煮干魚介類、塩蔵魚介類、缶詰魚介類、冷凍魚介類、水産物冷凍食品、ねり製品、燻製魚介類、節類、削節類、塩辛製品、水産物佃煮、水産物漬物、調味加工品など)、加工海藻類(こんぶ加工品、のり加工品、わかめ加工品、ひじき加工品、寒天、塩蔵海藻、海藻類冷凍食品、寒天干原草など)、調味料(食塩、みそ、しょうゆ、ソース、食酢、和風だしの素、固形コンソメ、旨味調味料、風味調味料、カレールウ、麺類等つゆ、焼肉当のたれなど)、スープ、乾燥スープ、食用油脂(食用植物油脂、食用動物油脂、マーガリン、ショートニング、油脂加工食品など)、調理食品(調理冷凍食品、チルド食品、レトルトパウチ食品、煮物類、焼物類、揚げ物類、蒸し物類、和え物類、米飯類など)、イースト、ふくらし粉、動物性タンパク、調味植物性タンパク、麦芽類(麦芽、麦芽抽出物、麦芽シロップなど)、芳香シロップ抽出物、芳香シロップ濃縮物、芳香シロップペースト、芳香シロップ粉末、粉末ジュース、飲料水、発泡性清涼飲料(炭酸水、コーラ炭酸飲料、果汁や野菜汁等の汁入り炭酸飲料、汁風味炭酸飲料(果汁風味炭酸飲料、野菜汁風味炭酸飲料など)、果実着色炭酸飲料、乳類入り炭酸飲料、ノンアルコールビールテイスト飲料等)、非発泡性清涼飲料(果実飲料、野菜飲料、果汁や野菜汁等の汁飲料、汁風味飲料(果汁風味飲料、野菜汁風味飲料など)、果肉飲料、着香飲料、着香シロップ、牛乳又は乳製品から造られた酸性飲料、コーヒー飲料、カフェイン飲料、茶系飲料、豆乳類飲料)、アルコール飲料(ビールテイスト飲料、リキュール類、ワイン(葡萄酒)、果実酒、清酒、発泡酒、濁酒、蒸留酒、実酒、焼酎、日本酒、紹興酒、ウイスキー、ブランデー、ラム、ジン、ウォッカ、テキーラ、マッコリ、チューハイ等)などが挙げられ、好ましくはビールテイスト飲料である。本発明の飲食品の製造方法としては、本発明の飲食品用組成物を添加する工程を含む方法が挙げられる。また、本発明の飲食品は、コクが付与されつつも飲み込みやすいものである。従って、本発明は、飲食品にコクを付与する方法についても提供するものである。なお、本発明の方法における工程の詳細は、本発明の製造方法と同様である。
【0016】
本発明の飲食品における解繊処理されたβ-グルカンの含有量は、適用する飲食品の種類によって好適範囲が異なるが、例えば、ビールテイスト飲料に対する添加量としては、好ましくは50mg/L以上、より好ましくは100mg/L以上、更に好ましくは125mg/L以上、更に好ましくは150mg/L以上、更に好ましくは175mg/L以上、更に好ましくは200mg/L以上、更に好ましくは225mg/L以上、更に好ましくは250mg/L以上、更に好ましくは275mg/L以上、更に好ましくは300mg/L以上、更に好ましくは325mg/L以上、更に好ましくは350mg/L以上、更に好ましくは375mg/L以上、更に好ましくは400mg/L以上、更に好ましくは425mg/L以上、更に好ましくは450mg/L以上、更に好ましくは475mg/L以上、更に好ましくは500mg/L以上、更に好ましくは525mg/L以上、更に好ましくは550mg/L以上である。また、飲み込みにくさの観点から、3000mg/L以下、2500mg/L以下、2000mg/L以下、1500mg/L以下、1250mg/L以下、1000mg/L以下、900mg/L以下、800mg/L以下、700mg/L以下、600mg/L以下でもよい。
【0017】
以下、飲食品としてビールテイスト飲料の態様について説明するが、本発明はビールテイスト飲料に限定されるものではない。
【0018】
本明細書における「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつアルコール含有またはノンアルコールの炭酸飲料をいう。つまり、本明細書のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、ビール風味の炭酸飲料を全て包含する。本明細書において「ビールテイストアルコール飲料」とは、アルコール度数が1v/v%以上のビールテイスト飲料であり、「ノンアルコールビールテイスト飲料」とは、アルコール度数が1v/v%未満のビールテイスト飲料である。本発明のビールテイスト飲料は、酵母を用いて発酵工程を経た発酵ビールテイスト飲料であってもよく、発酵工程を経ない非発酵ビールテイスト飲料であってもよい。発酵ビールテイスト飲料は上面発酵酵母を用いた発酵工程を経て醸造された上面発酵ビールテイスト飲料であってもよく、下面発酵酵母を用いた発酵工程を経て醸造された下面発酵ビールテイスト飲料であってもよく、それらを混合したビールテイスト飲料でもよい。また、発酵ビールテイスト飲料に蒸留酒などを混合した蒸留酒含有発酵ビールテイスト飲料でもよい。発酵にはアルコールを生成する酵母(サッカロマイセス)や野生酵母(ブレタノマイセスなど)を用いてもよいし、アルコールを生成しない酵母(サッカロマイセスなど)、野生酵母(ブレタノマイセスなど)、乳酸発酵やグルコン酸発酵を行う菌などを用いてもよい。発酵ノンアルコールビールテイスト飲料の場合は、酵母を添加し1v/v%未満になるように発酵を停止させる方法や、1v/v%以上に発酵した後に脱アルコール工程を経て1v/v%未満になるような方法で製造してもよい。非発酵ビールテイスト飲料や上述のように発酵を停止させて得た1v/v%未満の発酵ノンアルコールビールテイスト飲料、脱アルコール工程を経て得たノンアルコールビールテイスト飲料などを混合することによって製造してもよい。
【0019】
本発明のビールテイスト飲料における原麦汁エキス(O-Ex)濃度は、好ましくは14.0w/w%以下、より好ましくは13.5w/w%以下、更に好ましくは13.0w/w%以下、更に好ましくは12.5w/w%以下、更に好ましくは12.0w/w%以下、更に好ましくは11.5w/w%以下、更に好ましくは11.0w/w%以下、更に好ましくは10.5w/w%以下、更に好ましくは10.0w/w%以下、更に好ましくは9.5w/w%以下、更に好ましくは9.0w/w%以下とすることができ、また好ましくは2.8w/w%以上、より好ましくは3.0w/w%以上、更に好ましくは3.5w/w%以上、更に好ましくは4.0w/w%以上、更に好ましくは4.5w/w%以上、更に好ましくは5.0w/w%以上、更に好ましくは5.5w/w%以上、更に好ましくは6.0w/w%以上、更に好ましくは6.5w/w%以上、更に好ましくは7.0w/w%以上である。本明細書において、原麦汁エキス(O-Ex)濃度は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂に記載されている方法によって測定する。原麦汁エキス(O-Ex)濃度の調整は、希釈水または炭酸水の添加、原材料(麦芽、コーングリッツ、糖液等)の種類、原材料の量、麦汁濾過の時間、麦汁濾過のpH、煮沸時間、煮沸温度等を適宜設定して行うことができる。
【0020】
本発明のビールテイスト飲料における外観エキス濃度は、ビールらしい麦の味わいをより向上させたビールテイスト飲料を提供する観点から、好ましくは-2.00w/w%以上、より好ましくは-1.50w/w%以上、更に好ましくは-1.00w/w%以上、更に好ましくは-0.75w/w%以上、更に好ましくは-0.50w/w%以上、更に好ましくは-0.25w/w%以上、更に好ましくは0.00w/w%以上、更に好ましくは0.10w/w%以上、更に好ましくは0.20w/w%以上、更に好ましくは0.30w/w%以上、更に好ましくは0.40w/w%以上、更に好ましくは0.50w/w%以上、更に好ましくは0.60w/w%以上、更に好ましくは0.70w/w%以上、更に好ましくは0.80w/w%以上、更に好ましくは0.90w/w%以上である。また、飲みやすくスッキリとした味わいのビールテイスト飲料を提供する観点から、好ましくは6.00w/w%以下、より好ましくは5.00w/w%以下、更に好ましくは4.00w/w%以下、更に好ましくは3.50w/w%以下、更に好ましくは3.00w/w%以下、更に好ましくは2.50w/w%以下、更に好ましくは2.00w/w%以下、更に好ましくは1.50w/w%以下、更に好ましくは1.00w/w%以下、更に好ましくは0.75w/w%以下、更に好ましくは0.50w/w%以下、更に好ましくは0.45w/w%以下である。本明細書において、外観エキス濃度は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂に記載されている方法によって測定する。外観エキス濃度の調整は、水や炭酸水などの液体を調整したり、糖やアミノ酸などの固形分濃度などを適宜設定して行うことができる。
【0021】
本発明のビールテイストアルコール飲料におけるアルコール度数(アルコール含有量)は、飲みごたえのあるビールテイスト飲料とする観点から、好ましくは1v/v%以上12v/v%以下であり、例えば、1v/v%以上、2v/v%以上、2.5v/v%以上、3v/v%以上、3.5v/v%以上、4v/v%以上、4.5v/v%以上、5v/v%以上、5.5v/v%以上、6v/v%以上、6.5v/v%以上、7v/v%以上であってもよい。他方、飲みやすさを良好とする観点から、12.0v/v%以下、11.5v/v%以下、11v/v%以下、10.5v/v%以下、10v/v%以下、9.5v/v%以下、9v/v%以下、8.5v/v%以下、8v/v%以下、7.5v/v%以下とすることができる。本発明のノンアルコールビールテイスト飲料におけるアルコール度数(アルコール含有量)は、好ましくは0.000v/v%以上1.0v/v%未満、好ましくは0.95v/v%以下、より好ましくは0.90v/v%以下、更に好ましくは0.85v/v%以下、更に好ましくは0.80v/v%以下、更に好ましくは0.75v/v%以下、更に好ましくは0.70v/v%以下、更に好ましくは0.60v/v%以下、更に好ましくは0.50v/v%以下、更に好ましくは0.40v/v%以下、更に好ましくは0.30v/v%以下、更に好ましくは0.20v/v%以下、更に好ましくは0.10v/v%以下、更に好ましくは0.05v/v%以下、更に好ましくは0.01v/v%以下、更に好ましくは0.005v/v%以下、更に好ましくは0.001v/v%以下、である。本明細書において、アルコール度数(アルコール含有量)は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂に記載されている方法によって測定する。アルコール度数の調整は、希釈水または炭酸水の添加、発酵前液の糖組成、酵母の種類、酵母の量、醸造アルコールの添加、蒸留アルコールの添加、各種原料中のアルコール量、脱アルコール工程での条件設定等を適宜設定して行うことができる。
【0022】
本発明のビールテイスト飲料におけるpHは、2.5以上、2.6以上、2.7以上、2.8以上、2.9以上、3以上、3.1以上、3.2以上、3.3以上でもよい。5.0以下、4.9以下、4.8以下、4.7以下、4.6以下、4.55以下、4.5以下、4.4以下、4.3以下、4.2以下、4.1以下、4.0以下、3.9以下、3.8以下、3.7以下、3.6以下、3.5以下、3.4以下、3.3以下でもよい。pHの調整は、酢酸または乳酸の添加量、希釈水または炭酸水の添加量等を適宜設定して行うことができる。さらに、原材料(麦芽、コーングリッツ、糖液等)の種類、原材料の量、酵素の種類、酵素の添加量、酵素の添加のタイミング、仕込槽で糖化時間、仕込槽でのタンパク分解時間、仕込槽でのpH、仕込工程(麦芽投入から酵母添加前での麦汁製造工程)でのpH、pH調整の際に使用する酸の種類(酢酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸など)、pH調整の際に使用する酸の添加量、pH調整のタイミング(仕込時、発酵時、発酵完了時、ビール濾過前、ビール濾過後など)、麦汁を調製する際(糖化時含む)の各温度領域の設定温度及び保持時間、発酵前液のオリジナルエキス濃度、発酵工程でのオリジナルエキス濃度、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)等を適宜設定して行うこともできる。本明細書において、ビールテイスト飲料のpHは、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂の8.7 pHに記載されている方法によって測定する。
【0023】
本発明のビールテイスト飲料における主な原材料は、水と共に麦芽を用いてもよく、また、麦芽を用いなくてもよい。さらにホップを用いてもよく、その他に、保存料、甘味料、水溶性食物繊維、色素(カラメル色素など)、苦味料又は苦味付与剤、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、スピリッツ等を用いてもよい。
【0024】
麦芽とは、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦などの麦類の種子を発芽させて乾燥させ、除根したものをいい、産地や品種は、いずれのものであってもよく、大麦麦芽が好ましい。大麦麦芽は、日本のビールテイスト飲料の原料として最も一般的に用いられる麦芽の1つである。大麦には、二条大麦、六条大麦などの種類があるが、いずれを用いてもよい。さらに、通常麦芽のほか、色麦芽なども用いることができる。なお、色麦芽を用いる際には、種類の異なる色麦芽を適宜組み合わせて用いてもよいし、一種類の色麦芽を用いてもよい。
【0025】
また、麦芽と共に、麦芽以外の穀物、タンパク、酵母エキス、糖液等を用いてもよい。そのような穀物としては、例えば、麦芽には該当しない麦(大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦等)、米(白米、玄米等)、トウモロコシ(コーングリッツ等)、こうりゃん、ばれいしょ、豆(大豆、えんどう豆等)、そば、ソルガム、粟、ひえ、およびそれらから得られたデンプン、これらの抽出物(エキス)等が挙げられる。また、タンパクとしては、コラーゲンタンパク、大豆タンパク、エンドウ豆タンパク、コーンタンパク、酵母エキス、これらの分解物等が挙げられる。
【0026】
なお、麦芽を用いない場合には、炭素源を含有する液糖、コーングリッツ等、麦芽や麦以外の上述の穀物等のアミノ酸含有材料(例えば、コラーゲンタンパク、大豆タンパク、エンドウ豆タンパク、コーンタンパク、酵母エキス、これらの分解物等)、各種アミノ酸などの窒素源を用いたビールテイスト飲料が挙げられる。
【0027】
ホップとしては、例えば、ペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキス等が挙げられる。また、用いるホップは、イソ化ホップ、還元ホップ等のホップ加工品を用いてもよい。
【0028】
保存料としては、例えば、安息香酸;安息香酸ナトリウム等の安息香酸塩;パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等の安息香酸エステル;二炭酸ジメチル等が挙げられる。また、保存料としては、強力サンプレザー(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、安息香酸ナトリウムと安息香酸ブチルの混合物)等の市販の製剤を用いてもよい。これらの保存料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。保存料の配合量は、好ましくは5質量ppm以上1200質量ppm以下、より好ましくは10質量ppm以上1100質量ppm以下、更に好ましくは15質量ppm以上1000質量ppm以下、更に好ましくは20質量ppm以上900質量ppm以下である。
【0029】
甘味料としては、穀物由来のデンプンを酸または酵素等で分解した市販の糖化液、市販の水飴等の糖類、三糖類以上の糖、糖アルコール、ステビア等の天然甘味料、人工甘味料等が挙げられる。これらの糖類の形態は、溶液等の液体であってもよく、粉末等の固体であってもよい。また、デンプンの原料穀物の種類、デンプンの精製方法、および酵素や酸による加水分解等の処理条件についても特に制限はない。例えば、酵素や酸による加水分解の条件を適宜設定することにより、マルトースの比率を高めた糖類を用いてもよい。その他、スクロース、フルクトース、グルコース、マルトース、トレハロース、マルトトリオース、マルトテトラオース、パノース、ラクトース、ガラクトースおよびこれらの溶液(糖液)等を用いることもできる。イソマルトース、イソマルトトリオ―ス、イソマルトテトラオ―スなどの異性化した糖なども用いることができる。また、人工甘味料としては、例えば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、スクラロース、ネオテーム等が挙げられる。甘味料は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0030】
水溶性食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、大豆食物繊維、グアーガム分解物、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、ラミナリン、フコイジン、カラギーナン等が挙げられ、安定性や安全性等の汎用性の観点から、難消化性デキストリンまたはポリデキストロースが好ましい。
【0031】
苦味料または苦味付与剤としては、特に限定されず、ホップの他に、例えば、マンネンロウ、レイシ、姫茴香、杜松実、セージ、迷迭香、マンネンタケ、月桂樹、クワシン、柑橘抽出物、ニガキ抽出物、コーヒー抽出物、茶抽出物、ゴーヤ抽出物、ハス胚芽抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、レイシ抽出物、ローレル抽出物、セージ抽出物、キャラウェイ抽出物、ナリンギン、アブシンチン、ニガヨモギ、ニガヨモギ抽出物、キハダ等が挙げられる。
【0032】
酸化防止剤としては、特に限定されず、通常のビールや発泡酒に酸化防止剤として用いられるものが使用でき、例えば、アスコルビン酸、エリソルビン酸、ビタミンEなどのトコフェロール類およびカテキン等が挙げられる。
【0033】
香料としては、特に限定されず、一般的な香料を用いることができ、ビール類に含まれる物質以外の成分についても用いることができる。香料は、ビール様の風味付けのために用いるものであり、麦芽やホップ、コーングリッツ、液糖、米などの原料に含まれる成分、製造工程中(原料粉砕・投入~発酵工程)により発生・変換する成分等が含まれるが、これら以外の成分についても風味付けのためであれば用いることができる。香料としては、例えば、酢酸イソアミル、酢酸エチル、n-プロパノール、イソブタノール、アセトアルデヒド、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、イソアミルプロピオネート、リナロール、ゲラニオール、シトラール、4-ビニルグアイアコール(4-VG)、4-メチル-3-ペンテン酸、2-メチル-2-ペンテン酸、1,4-シネオール、1,8-シネオール、2,3-ジエチル-5-メチルピラジン、γ-デカノラクトン、γ-ウンデカラクトン、ヘキサン酸エチル、2-メチル酪酸エチル、n-酪酸エチル、ミルセン、シトラール、リモネン、マルトール、エチルマルトール、フェニル酢酸、フラネオール、フルフラール、メチオナール、3-メチル-2-ブテン-1-チオール、3-メチル-2-ブタンチオール、ダイアセチル、フェルラ酸、ゲラン酸、ゲラニルアセテート、酪酸エチル、オクタン酸、デカン酸、9-デセン酸、ノナン酸、テトラデカン酸、プロパン酸、2-メチルプロパン酸、γ-ブチロラクトン、2-アミノアセトフェノン、3-フェニルプロピオン酸エチル、2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-3(2H)-フラノン、ジメチルスルホン、3-メチルシクロペンタン-1,2-ジオン、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、2-メチルテトラヒドロフラン-3-オン、2-アセチルフラン、2-メチルテトラヒドロフラン-3-オン、ヘキサナール、ヘキサノール、シス-3-ヘキセナール、1-オクテン-3-オール、β-ユーデスモール、4-メルカプト-4-メチルペンタン-2-オン、β-カリオフィレン、β-ミルセン、フルフリルアルコール、2-エチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン、酢酸2-メチルブチル、イソアミルアルコール、5-ヒドロキシメチルフルフラール、フェニルアセトアルデヒド、1-フェニル-3-ブテン-1-オン、トランス-2-ヘキセナール、ノナナール、フェネチルアルコール、ネロール、シトロネロール、p-トルイル酸メチル、1,2,3,5-テトラメチルベンゼン、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、酒石酸ジエチル、リンゴ酸ジブチル、ペリルアルデヒド、メチルヘプテノン、レモンマートル、シンナムアルデヒド、2-プロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、活性アミルアルコール、2-ヘプタノール、2-オクタノール、5-メチルフルフリルアルコール、エチルブチレート、エチルイソブチレート、エチルヘプタノエート、酢酸イソブチル、活性酢酸アミル、プロピオン酸エチル、オクタン酸イソアミル、2,3-ブタンジオール、メチオノール、イソバレルアルデヒド、ペンタナール、オクタナール、2-ノナナール、trans-2-ノネナール、メチルフルフラール、β-イオノン、ヒドロキシメチルフルフラール、アセトイン、2,3-ブタンジオン、2,3-ペンタンジオン、2,3-ヘキサンジオン、グアヤコール、α-テルピネオール、ダマセノン、ネロリドール、フムレン、リナロールオキサイド等を含む香料などが挙げられる。
【0034】
酸味料としては、酸味を有する物質(酸味物質)であれば特に限定されないが、例えば、酒石酸、リン酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸、グルコノデルタラクトンまたはそれらの塩が挙げられる。これらの酸味料の中でも、酒石酸、リン酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸またはそれらの塩が好ましく、酒石酸、リン酸、クエン酸、乳酸、酢酸またはそれらの塩がより好ましい。これらの酸味料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0035】
上記酸味料を含むビールテイスト飲料中の酸味物質の合計含有量は、もったり感低減の観点から、クエン酸換算で好ましくは50mg/L以上、より好ましくは100mg/L以上、更に好ましくは150mg/L以上、更に好ましくは200mg/L以上、更に好ましくは250mg/L以上、更に好ましくは300mg/L以上、更に好ましくは350mg/L以上、更に好ましくは350mg/L以上、更に好ましくは400mg/L以上、更に好ましくは450mg/L以上である。また、酸味の観点から、5000mg/L以下、4000mg/L以下、3000mg/L以下、2500mg/L以下、2000mg/L以下、1500mg/L以下、1250mg/L以下、1000mg/L以下、900mg/L以下、800mg/L以下、700mg/L以下、600mg/L以下、500mg/L以下とすることができる。なお、本明細書において、クエン酸換算量とは、クエン酸の酸味度を基準として各酸味料の酸味度から換算される量のことであり、例えば、乳酸100mg/Lに相当するクエン酸換算量は120mg/L、リン酸100mg/Lに相当するクエン酸換算量は200mg/L、リンゴ酸100mg/Lに相当するクエン酸換算量は125mg/L、酒石酸100mg/Lに相当するクエン酸換算量は125mg/Lとして換算する。
【0036】
本発明のビールテイスト飲料の一態様において、乳酸の含有量は、ビールテイスト飲料にほどよい酸味やまろやかさ、後味に余韻を付与する観点から、例えば、10mg/L以上、20mg/L以上、30mg/L以上、40mg/L以上、50mg/L以上、60mg/L以上、70mg/L以上、80mg/L以上、90mg/L以上、100mg/L以上、110mg/L以上、120mg/L以上、130mg/L以上、140mg/L以上、150mg/L以上、160mg/L以上、または、170mg/L以上としてもよく、また、酸味の強すぎないビールテイスト飲料とする観点から、例えば、2000mg/L以下、1500mg/L以下、1000mg/L以下、700mg/L以下、650mg/L以下、600mg/L以下、575mg/L以下、550mg/L以下、525mg/L以下、500mg/L以下、480mg/L以下、460mg/L以下、440mg/L以下、420mg/L以下、400mg/L以下、390mg/L以下、380mg/L以下、370mg/L以下、360mg/L以下、350mg/L以下、340mg/L以下、330mg/L以下、320mg/L以下、310mg/L以下、300mg/L以下、290mg/L以下、280mg/L以下、270mg/L以下、または、265mg/L以下としてもよい。また、乳酸は合成乳酸を使っても良いし、発酵乳酸を使用しても良いし、合成乳酸と発酵乳酸を併用してもよい。乳酸の含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により測定することができる。
【0037】
本発明のビールテイスト飲料の一態様において、ほどよい酸味や後味のすっきりさ、キレを付与する観点から、リン酸を添加してもよい。リン酸の含有量は、特に制限はないが、上記観点から、例えば、10mg/L以上、15mg/L以上、20mg/L以上、25mg/L以上、30mg/L以上、35mg/L以上、40mg/L以上、45mg/L以上、50mg/L以上、55mg/L以上、60mg/L以上、65mg/L以上、70mg/L以上、75mg/L以上、72.5mg/L以上、75mg/L以上、または、80mg/L以上としてもよく、また、酸味の強すぎない炭酸飲料とする観点から、1200mg/L以下、1100mg/L以下、1000mg/L以下、950mg/L以下、900mg/L以下、850mg/L以下、800mg/L以下、775mg/L以下、750mg/L以下、725mg/L以下、700mg/L以下、675mg/L以下、650mg/L以下、625mg/L以下、575mg/L以下、550mg/L以下、525mg/L以下、500mg/L以下、480mg/L以下、460mg/L以下、440mg/L以下、420mg/L以下、400mg/L以下、380mg/L以下、360mg/L以下、340mg/L以下、320mg/L以下、310mg/L以下、300mg/L以下、280mg/L以下、260mg/L以下、240mg/L以下、220mg/L以下、200mg/L以下、190mg/L以下、185mg/L以下、180mg/L以下、175mg/L以下、170mg/L以下、165mg/L以下、160mg/L以下、155mg/L以下、150mg/L以下、145mg/L以下、または、140mg/L以下としてもよい。リン酸の含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により測定することができる。
【0038】
本明細書において、スピリッツとは、麦、米、そば、トウモロコシ等の穀物を原料として、麦芽または必要により酵素剤を用いて糖化し、酵母を用いて発酵させた後、更に蒸留して得られる酒類を意味する。スピリッツの原材料である穀物としては、麦が好ましい。
【0039】
本発明のビールテイスト飲料の一態様として、容器詰飲料の態様が挙げられる。容器の例としては、ビン、ペットボトル、缶、または樽が挙げられるが、特に持ち運びが容易であるとの観点から、缶、ビン、ペットボトルが好ましい。なお、無色透明のビンやペットボトルを使用する場合、太陽光や蛍光灯の光にさらされることになるため、有色のビン、有色のペットボトル、缶、または樽が好ましい。
【0040】
本発明のビールテイスト飲料の麦芽比率は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、更に好ましくは35質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、更に好ましくは45質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、更に好ましくは51質量%以上、更に好ましくは52質量%以上、更に好ましくは53質量%以上、更に好ましくは54質量%以上、更に好ましくは55質量%以上、更に好ましくは56質量%以上、更に好ましくは57質量%以上、更に好ましくは58質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、更に好ましくは62質量%以上、更に好ましくは64質量%以上、更に好ましくは66質量%以上、更に好ましくは66.6質量%以上、更に好ましくは67質量%以上、更に好ましくは68質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、更に好ましくは72質量%以上、更に好ましくは74質量%以上、更に好ましくは76質量%以上、更に好ましくは78質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95%質量%以上であり、100質量%であってもよい。また、100質量%以下、100質量%未満、90質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、70質量%以下、67質量%以下、66.6質量%以下、66質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、52質量%以下とすることができる。本明細書において、麦芽比率とは平成30年4月1日が施行日の酒税法および酒類行政関係法令等解釈通達に従って計算された値を意味する。
【0041】
本発明のビールテイスト飲料の炭酸ガスの量は、飲料の炭酸ガス圧によって表される。典型的には、飲料の炭酸ガス圧の上限は5.0kg/cm2、4.5kg/cm2、または4.0kg/cm2であり、下限は0.20kg/cm2、0.50kg/cm2、または1.0kg/cm2であり、これらの上限および下限のいずれを組み合わせてもよい。例えば、飲料の炭酸ガス圧は、0.20kg/cm2以上5.0kg/cm2以下、0.50kg/cm2以上4.5kg/cm2以下、または、1.0kg/cm2以上4.0kg/cm2以下であってよい。本明細書において、ガス圧とは、特別な場合を除き、容器内におけるガス圧をいう。圧力の測定は、20℃にした試料をガス内圧計に固定した後、一度ガス内圧計の活栓を開いてガスを抜き、再び活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達したときの値を読み取る方法を用いて、または市販のガス圧測定装置を用いて測定する。
【0042】
本発明のビールテイスト飲料は、必要に応じて、様々な添加物を含有してもよい。そのような添加物としては、例えば、着色料、泡形成剤、発酵促進剤、酵母エキス、ペプチド含有物等のタンパク質系物質、アミノ酸(グリシン、プロリンなど)、アミノ酸等の調味料が挙げられる。
【0043】
着色料は、飲料にビール様の色を与えるために使用するものであり、カラメル色素などを用いることができる。
【0044】
泡形成剤は、飲料にビール様の泡を形成させるため、あるいは飲料の泡を保持させるために使用するものであり、大豆サポニン、キラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーン、大豆などの植物タンパク、およびコラーゲンペプチド等のペプチド含有物、酵母エキスなどを適宜使用することができる。
【0045】
発酵促進剤は、酵母による発酵を促進させるために使用するものであり、例えば、酵母エキス、米や麦などの糠成分、ビタミン、ミネラル剤などを単独または組み合わせて使用することができる。
【0046】
本発明のビールテイスト飲料は、本発明の飲食品用組成物を添加する工程を有する以外は、いずれも一般的なビールテイスト飲料と同様にして製造できる。本発明の飲食品用組成物は、ビールテイスト飲料の製造工程中の任意の時期に添加できる。例えば、原料投入工程、糖化工程、麦汁濾過工程、糖液添加工程、煮沸工程、固形分除去工程、冷却工程、酵母添加工程、発酵工程、熟成工程、ビールテイスト飲料濾過工程、創味原料添加工程、殺菌工程、炭酸ガス調整工程、パッケージング工程やそれぞれの工程の間で添加してもよい。飲食品用組成物の添加は、β-グルカナーゼなどのβ-グルカン分解酵素の活性が低い、または、β-グルカン分解酵素が失活している状態で添加するのが好ましい。例えば、β-グルカン分解酵素の活性が低い、または、β-グルカン分解酵素が失活している、麦汁濾過工程以降において添加するのが好ましい。なお、本発明のビールテイスト飲料においては、上述のすべての工程を経る必要はなく、必要に応じて省略してもよいし、順番を変えてもよい、または、新たに工程を加えてもよいし、同じ工程を複数繰り返してもよい。以下に、一般的なビールテイスト飲料の製造方法として、麦芽を原料として使用する場合と使用しない場合の製造方法を示す。
【0047】
麦芽を原料として使用して製造されるアルコールを含有するビールテイスト飲料は、まず、麦芽等の麦の他、必要に応じて他の穀物、でんぷん、糖類、苦味料、又は着色料などの原料及び水を含む混合物に、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行なわせ、ろ過し、糖化液とする。必要に応じてホップや苦味料などを糖化液に加えて煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除く。この糖化液の代替として、麦芽エキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から煮沸終了前のどの段階で混合してもよい。糖化工程、煮沸工程、固形分除去工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。発酵・貯酒工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。得られた発酵液を濾過し、得られた濾過液に炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のビールテイスト飲料を得る。なお、アルコール成分として、さらに、穀物に由来するスピリッツを添加してもよい。
【0048】
麦芽を原料として使用せずに製造されるアルコールを含有するビールテイスト飲料は、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源、ホップ、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液とする。該液糖溶液は、煮沸する。原料としてホップを用いる場合、ホップは煮沸開始前ではなく、煮沸中に、該液糖溶液に混合してもよい。この糖化液の代替として、麦芽以外の原料を用いたエキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から煮沸終了前のどの段階で混合してもよい。発酵・貯酒工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。得られた発酵液を濾過し、得られた濾過液に炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のビールテイスト飲料を得る。なお、アルコール成分として、さらに、穀物に由来するスピリッツを添加してもよい。
【0049】
非発酵かつアルコールを含有するビールテイスト飲料は、麦芽を使用する、しないに限らず、原料用アルコールなどを加えることにより最終製品のアルコール分を調整したものでもよい。原料用アルコールの添加は、糖化工程から充填工程までのどの工程で行ってもよい。なお、アルコール成分として、さらに、穀物に由来するスピリッツを添加してもよい。
【0050】
麦芽を原料として使用して製造されるノンアルコールビールテイスト飲料は、まず、麦芽等の麦の他、必要に応じて他の穀物、でんぷん、糖類、苦味料、又は着色料などの原料及び水を含む混合物に、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行なわせ、ろ過し、糖化液とする。必要に応じてホップや苦味料などを糖化液に加えて煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除く。この糖化液の代替として、麦芽エキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から煮沸終了前のどの段階で混合してもよい。糖化工程、煮沸工程、固形分除去工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。煮沸後、冷却し、得られた麦汁に香料、酸味料、カラメル色素などの色素、酸化防止剤、苦味料、甘味料、アミノ酸原料などを添加し、濾過し、得られた濾過液に炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のノンアルコールビールテイスト飲料を得る。
【0051】
麦芽を原料として使用しないノンアルコールビールテイスト飲料を製造する場合には、まず、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源、ホップ、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液とする。該液糖溶液は、煮沸する。原料としてホップを用いる場合、ホップは煮沸開始前ではなく、煮沸中に、該液糖溶液に混合してもよい。煮沸後、冷却し、得られた麦汁に香料、酸味料、カラメル色素などの色素、酸化防止剤、苦味料、甘味料、アミノ酸原料などを添加し、濾過し、得られた液糖溶液に対して、炭酸ガスを加える。その後、容器に充填し殺菌工程を経て目的のノンアルコールビールテイスト飲料を得る。
【実施例0052】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0053】
調製例1
大麦由来β-グルカン(β-1,3-1,4-グルカン)を2000mg/Lになるように水に混合することで解繊前β-グルカン水溶液を得た。
【0054】
調製例2
調製例1で得られた解繊前β-グルカン水溶液をボールミル粉砕法により解繊処理した後に凍結乾燥を行い、解繊後β-グルカンを得た。
【0055】
また、解繊前後(調製例1、2)におけるβ-グルカンの固有粘度、重量平均分子量、Mark-Houwink-Sakuradaプロットにおける構造αの値について、下記の条件でサイズ排除クロマトグラフィー SEC)によりサンプルを分離し、多角度光散乱検出器(MALS)DAWN、粘度検出器ViscoStar、及び示差屈折率検出器Optilab(いずれもWyatt Technology社製)を用いて測定を行った。固有粘度は解繊前β-グルカン(調製例1)で570mL/g、解繊後(調製例2)では138mL/gに低下した。重量平均分子量は解繊前β-グルカン(調製例1)で3.63×105g/mol、解繊後(調製例2)では4.82×104g/molとなった。構造αに関しては解繊前β-グルカン(調製例1)で0.65、解繊後(調製例2)では0.79となり解繊処理が進んでいることが推測された。
試料調製
各サンプルを終濃度1.0mgとなるように移動相と混合し、80℃で2.5時間加熱して溶解した後、0.22μmポアサイズのフィルター濾過を実施。バイアル瓶に入れたサンプルをオートインジェクターを用いて50μL注入。
使用カラム:SB806M HQ 4mmx300mm 1本
カラム温度 40℃
注入量 50μL
移動相 0.1M硝酸ナトリウム水溶液
流量 0.6mL/min
【0056】
実施例1~4、比較例1~4
調製例1、2で得られたβ-グルカンを用いて、表1に記載した濃度となるように80℃、1時間で水に溶解させ、その後氷冷にて4℃まで冷却を実施してゲルの発生を目視で確認した。結果を表1に示す。
【0057】
【0058】
調製例3
黒酵母由来β-グルカン(β-1,3-1,6-グルカン)を2000mg/Lになるように水に混合することで解繊前β-グルカン水溶液を得た。
【0059】
調製例4
調製例3で得られた解繊前β-グルカン水溶液をボールミル粉砕法により解繊処理した後に凍結乾燥を行い、解繊後β-グルカンを得た。
【0060】
実施例5~8、比較例5~8
表2に示すように調製例3、4のβ-グルカンを用いた以外は実施例1と同様にしてゲルの発生を目視で確認した。結果を表2に示す。
【0061】
【0062】
実施例9~12、16、20~31、比較例9~11
ノンアルコールビールテイスト飲料の調製
表3~7に示す組成となるようにノンアルコールビールテイスト飲料を調製した。粉砕した大麦麦芽17kgを温水100Lが入った仕込槽に投入した後、段階的に温度を上げて保持し、ろ過して麦芽粕等を除去した。ろ過後、当該原料液およびホップを煮沸釜に投入し、温水で100Lに調整して熱麦汁を得た。得られた熱麦汁を冷却し、ビール香料、酸味料を添加して、エキス調整水、およびβ-グルカンを添加しノンアルコールビールテイスト飲料を製造した。
【0063】
実施例13、17
ビールテイスト飲料の調製
表4、5に示す組成となるようにビールテイスト飲料を調製した。粉砕した大麦麦芽25kgを温水100Lが入った仕込槽に投入した後、段階的に温度を上げて保持し、ろ過して麦芽粕等を除去した。ろ過後、当該原料液およびホップを煮沸釜に投入し、温水で100Lに調整して熱麦汁を得た。得られた熱麦汁を冷却し、酸素による通気を実施することで酵母添加前の発酵前液50Lを得た。このようにして得られた発酵前液にビール酵母を添加して約1週間発酵させた後、さらに約1週間の熟成期間を経て、酵母をろ過で除去して、エキス調整水、およびβ-グルカンを添加しビールテイスト飲料を調製した。
【0064】
実施例14、18
アルコール飲料の調製
表4、5に示す組成となるようにアルコール飲料を調製した。液糖、レモン香料、酸味料、小麦スピリッツ、およびβ-グルカンを水に添加してレモン風味のアルコール飲料を製造した。
【0065】
実施例15、19
水飲料の調製
表4、5に示す組成となるようにβ-グルカンを水に添加して水飲料を調製した。
【0066】
各実施例・比較例の飲料を4℃まで冷却した後、6人の専門パネラーが試飲し、「飲みごたえ」及び「飲み込みにくさ」について下記基準により評価した。いずれも2点以上を合格とした。平均値を表3~7に示す。なお、各項目の評価前に、予め、それぞれの評価が「2」となるサンプルを用意し、各パネラー間での基準の統一を図った。
<飲みごたえ>
「1」:感じない。
「1.5」:あまり感じない。
「2」:感じる。
「2.5」:明確に感じる。
「3」:強く感じる。
<飲み込みにくさ>
「3」:全く感じない。
「2.5」:感じない。
「2」:あまり感じない。
「1.5」:明確に感じる。
「1」:強く感じる。
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
表3~7に示すように、実施例9~31の飲料はいずれも、飲みごたえを付与しつつも飲み込みやすいものであった。一方、比較例9~11の飲料においては、飲みごたえが付与されるものの、飲み込みにくいものであった。