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特開2024-121096圧縮機モジュールの組立方法及び圧縮機モジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121096
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】圧縮機モジュールの組立方法及び圧縮機モジュール
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/62 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
F04D29/62 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027996
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】310010564
【氏名又は名称】三菱重工コンプレッサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】上田 博久
(72)【発明者】
【氏名】長屋 圭太
(72)【発明者】
【氏名】宮田 寛之
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA12
3H130AB27
3H130AB42
3H130AB69
3H130AC01
3H130BA22Z
3H130BA95Z
3H130CA23
3H130CA24
3H130DJ06X
3H130EA07Z
3H130EB01Z
3H130EB02Z
3H130ED02Z
(57)【要約】
【課題】圧縮機モジュールを効率良く高精度に組み立てる。
【解決手段】圧縮機モジュールの組立方法は、第一支持部及び第二支持部が設置面上に固定された状態での第一支持部と第二支持部との第一方向の設置間隔に合わせて形成された位置決め部材を準備する工程と、少なくとも二つの冷却部が固定された状態の第一支持部を設置面上に固定する工程と、第一支持部と異なる少なくとも二つの冷却部が固定された状態の第二支持部を、第一支持部に対して第一方向に間隔をあけて移動可能な状態で配置する工程と、第一支持部と第二支持部との第一方向の間隔を、位置決め部材によって設置間隔に合わせ、第一方向及び鉛直方向と直交する第二方向と第一方向とにおける設置面上での第一支持部に対する第二支持部の位置決めをする工程と、第二支持部を設置面上に固定する工程と、を含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線回りに回転する回転軸を有し、段階的に流体を圧縮可能な圧縮機と、
前記圧縮機に対してシールガスを供給するガス供給機器と、
前記圧縮機で圧縮された流体を冷却する複数の冷却部と、
少なくとも二つの冷却部を鉛直方向の下方から支持し、前記鉛直方向に延びる複数の柱部と水平方向の一つである第一方向に延びる複数の梁部によって、直方状に形成された第一支持部と、
前記第一支持部に対して前記第一方向に間隔をあけて配置され、前記第一支持部と異なる少なくとも二つの前記冷却部を前記鉛直方向の下方から支持し、前記鉛直方向に延びる複数の柱部と前記第一方向に延びる複数の梁部によって、直方状に形成された第二支持部と、
前記第一支持部の前記鉛直方向の真上に固定され、前記圧縮機及び前記ガス供給機器を前記鉛直方向の下方から支持する第三支持部と、を含む圧縮機モジュールの組立方法であって、
前記第一支持部及び前記第二支持部が設置面上に固定された状態での前記第一支持部と前記第二支持部との前記第一方向の設置間隔に合わせて形成された位置決め部材を準備する工程と、
少なくとも二つの前記冷却部が固定された状態の前記第一支持部を設置面上に固定する工程と、
前記第一支持部と異なる少なくとも二つの前記冷却部が固定された状態の前記第二支持部を、前記第一支持部に対して前記第一方向に間隔をあけて移動可能な状態で配置する工程と、
前記第一支持部と前記第二支持部との前記第一方向の間隔を、前記位置決め部材によって前記設置間隔に合わせ、前記第一方向及び前記鉛直方向と直交する第二方向と前記第一方向とにおける前記設置面上での前記第一支持部に対する前記第二支持部の位置決めをする工程と、
前記第二支持部を前記設置面上に固定する工程と、
を含む圧縮機モジュールの組立方法。
【請求項2】
前記第二支持部が前記第一支持部に対して移動可能な状態で配置する工程の前に、前記第一支持部と異なる少なくとも二つの前記冷却部が固定された状態の前記第二支持部に前記位置決め部材を固定する工程をさらに含む請求項1に記載の圧縮機モジュールの組立方法。
【請求項3】
前記位置決め部材を準備する工程は、
前記設置面とは異なる他の場所に設定された仮設置面上に、前記第一支持部を固定する工程と、
前記仮設置面上での前記第一支持部に対する前記第二支持部の位置を決定した後、前記第二支持部を前記仮設置面上に固定する工程と、
前記仮設置面上に固定された前記第一支持部と前記第二支持部との前記第一方向の間隔を前記設置間隔として前記位置決め部材を形成する工程とを含む請求項1又は2に記載の圧縮機モジュールの組立方法。
【請求項4】
前記第一支持部は、前記柱部及び前記梁部の少なくとも一方に前記位置決め部材が保持される第一被固定位置を有し、
前記位置決め部材は、前記第一被固定位置と重なる位置に配置されることで、前記第一支持部に対して前記第一方向及び前記第二方向に移動不能とされる第一位置確定部を有し、
前記第一支持部に対する前記第二支持部の位置決めをする工程では、前記第二支持部は、前記第一位置確定部を前記第一被固定位置と重ねるように移動される請求項1又は2に記載の圧縮機モジュールの組立方法。
【請求項5】
前記第一支持部は、前記第一被固定位置に形成された第一支持孔を有し、
前記第一位置確定部は、
前記第一支持部上に配置された場合に前記第一支持孔と重なる位置に配置され、前記鉛直方向に連通する第一挿入孔と、
前記第一挿入孔及び前記第一支持孔に挿入可能な第一ピンと、を有し、
前記第一支持部に対する前記第二支持部の位置決めをする工程では、前記第一挿入孔及び前記第一支持孔の位置が重なった状態で、前記第一ピンが前記第一挿入孔及び前記第一支持孔に挿入される請求項4に記載の圧縮機モジュールの組立方法。
【請求項6】
前記第一ピンは、前記鉛直方向の上方から下方に向かって外径が漸次縮小するテーパピンである請求項5に記載の圧縮機モジュールの組立方法。
【請求項7】
前記第二支持部は、前記柱部及び前記梁部の少なくとも一方に前記位置決め部材が保持される第二被固定位置を有し、
前記位置決め部材は、前記第二被固定位置と重なる位置に配置されることで、前記第二支持部に対して前記第一方向及び前記第二方向に移動不能とされる第二位置確定部を有し、
前記第二支持部は、前記第二被固定位置に形成された第二支持孔を有し、
前記第二位置確定部は、
前記第二支持部上に配置された場合に前記第二支持孔と重なる位置に配置され、前記鉛直方向に連通する第二挿入孔と、
前記第二挿入孔及び前記第二支持孔に挿入可能な第二ピンと、を有し、
前記第二支持部に前記位置決め部材を固定する工程では、前記第二挿入孔及び前記第二支持孔の位置が重なった状態で、前記第二ピンが前記第二挿入孔及び前記第二支持孔に挿入された後に、前記第二支持部に前記位置決め部材が固定される請求項2に記載の圧縮機モジュールの組立方法。
【請求項8】
前記位置決め部材は、
一端が前記第二支持部に固定されて前記第一方向に延び、前記第二方向に間隔をあけて配置される複数の第一部材と、
複数の前記第一部材同士を連結する連結部材をさらに備える請求項1又は2に記載の圧縮機モジュールの組立方法。
【請求項9】
前記仮設置面に固定された前記第一支持部と前記仮設置面との前記鉛直方向における第一間隔、及び前記仮設置面に固定された前記第二支持部と前記仮設置面との前記鉛直方向における第二間隔を記録する工程と、
前記第一支持部を前記設置面上に固定する工程の前に、前記第一支持部と前記設置面との前記鉛直方向における間隔を前記第一間隔に合わせて調整する工程と、
前記第二支持部を前記設置面上に固定する工程の前に、前記第二支持部と前記設置面との前記鉛直方向における間隔を前記第二間隔に合わせて調整する工程と、をさらに含む請求項3に記載の圧縮機モジュールの組立方法。
【請求項10】
軸線回りに回転する回転軸を有し、段階的に流体を圧縮可能な圧縮機と、
前記圧縮機に対してシールガスを供給するガス供給機器と、
前記圧縮機で圧縮された流体を冷却する複数の冷却部と、
少なくとも二つの冷却部を鉛直方向の下方から支持し、前記鉛直方向に延びる複数の柱部と水平方向の一つである第一方向に延びる複数の梁部によって、直方状に形成された第一支持部と、
前記第一支持部に対して前記第一方向に間隔をあけて配置され、前記第一支持部と異なる少なくとも二つの前記冷却部を前記鉛直方向の下方から支持し、前記鉛直方向に延びる複数の柱部と前記第一方向に延びる複数の梁部によって、直方状に形成された第二支持部と、
前記第一支持部の前記鉛直方向の真上に固定され、前記圧縮機及び前記ガス供給機器を前記鉛直方向の下方から支持する第三支持部と、
前記第一支持部及び前記第二支持部が設置面上に固定された状態での前記第一支持部と前記第二支持部との前記第一方向の設置間隔に合わせて形成され、前記第一方向及び前記鉛直方向と直交する第二方向と前記第一方向とにおける前記第二支持部と前記第一支持部との相対的な位置を決定する位置決め部材と、を備える圧縮機モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧縮機モジュールの組立方法及び圧縮機モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
空気やガス等の気体を圧縮する圧縮機と、圧縮機を駆動させるモータやタービン等の回転駆動機とを台板上に設置した圧縮機モジュールが、船等の海上設備に使用されている。このような圧縮機モジュールでは、圧縮機で圧縮された流体を冷却するクーラも一体に設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、圧縮機と、複数のクーラと、圧縮機及び複数のクーラを設置面上で支持する支持台と、を備える構成が開示されている。支持台は、圧縮機を支持する本体支持台と、クーラを支持する付属支持台と、を備えている。本体支持台と付属支持台とは、水平方向に並べて配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6060045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のような構成では、圧縮機を支持する本体支持台と、クーラを支持する付属支持台とが、個別に備えられている。この場合、本体支持台及び付属支持台の据え付け時に、本体支持台と付属支持台との間には、相対的な位置ずれが生じることがある。本体支持台と付属支持台との相対的な位置ずれを吸収するため、圧縮機とクーラとを接続する配管には、可撓性を有した伸縮配管が用いられる。しかしながら、本体支持台と付属支持台との相対的な位置ずれを吸収するために、伸縮配管は変形した状態で圧縮機やクーラに固定される。その結果、その変形による反力が伸縮配管から、圧縮機やクーラに作用し、悪影響を及ぼすことがある。これに対し、本体支持台と付属支持台との相対的な位置ずれを抑えようとすると、本体支持台及び付属支持台の位置調整に設置現場で手間と時間が掛かってしまう。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、圧縮機モジュールを効率良く高精度に組み立てることができる圧縮機モジュールの組立方法及び圧縮機モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る圧縮機モジュールの組立方法は、軸線回りに回転する回転軸を有し、段階的に流体を圧縮可能な圧縮機と、前記圧縮機に対してシールガスを供給するガス供給機器と、前記圧縮機で圧縮された流体を冷却する複数の冷却部と、少なくとも二つの冷却部を鉛直方向の下方から支持し、前記鉛直方向に延びる複数の柱部と水平方向の一つである第一方向に延びる複数の梁部によって、直方状に形成された第一支持部と、前記第一支持部に対して前記第一方向に間隔をあけて配置され、前記第一支持部と異なる少なくとも二つの前記冷却部を前記鉛直方向の下方から支持し、前記鉛直方向に延びる複数の柱部と前記第一方向に延びる複数の梁部によって、直方状に形成された第二支持部と、前記第一支持部の前記鉛直方向の真上に固定され、前記圧縮機及び前記ガス供給機器を前記鉛直方向の下方から支持する第三支持部と、を含む圧縮機モジュールの組立方法であって、前記第一支持部及び前記第二支持部が設置面上に固定された状態での前記第一支持部と前記第二支持部との前記第一方向の設置間隔に合わせて形成された位置決め部材を準備する工程と、少なくとも二つの前記冷却部が固定された状態の前記第一支持部を設置面上に固定する工程と、前記第一支持部と異なる少なくとも二つの前記冷却部が固定された状態の前記第二支持部を、前記第一支持部に対して前記第一方向に間隔をあけて移動可能な状態で配置する工程と、前記第一支持部と前記第二支持部との前記第一方向の間隔を、前記位置決め部材によって前記設置間隔に合わせ、前記第一方向及び前記鉛直方向と直交する第二方向と前記第一方向とにおける前記設置面上での前記第一支持部に対する前記第二支持部の位置決めをする工程と、前記第二支持部を前記設置面上に固定する工程と、を含む。
【0008】
本開示に係る圧縮機モジュールは、軸線回りに回転する回転軸を有し、段階的に流体を圧縮可能な圧縮機と、前記圧縮機に対してシールガスを供給するガス供給機器と、前記圧縮機で圧縮された流体を冷却する複数の冷却部と、少なくとも二つの冷却部を鉛直方向の下方から支持し、前記鉛直方向に延びる複数の柱部と水平方向の一つである第一方向に延びる複数の梁部によって、直方状に形成された第一支持部と、前記第一支持部に対して前記第一方向に間隔をあけて配置され、前記第一支持部と異なる少なくとも二つの前記冷却部を前記鉛直方向の下方から支持し、前記鉛直方向に延びる複数の柱部と前記第一方向に延びる複数の梁部によって、直方状に形成された第二支持部と、前記第一支持部の前記鉛直方向の真上に固定され、前記圧縮機及び前記ガス供給機器を前記鉛直方向の下方から支持する第三支持部と、前記第一支持部及び前記第二支持部が設置面上に固定された状態での前記第一支持部と前記第二支持部との前記第一方向の設置間隔に合わせて形成され、前記第一方向及び前記鉛直方向と直交する第二方向と前記第一方向とにおける前記第二支持部と前記第一支持部との相対的な位置を決定する位置決め部材と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の圧縮機モジュールの組立方法及び圧縮機モジュールによれば、圧縮機モジュールを効率良く高精度に組み立てることができることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る圧縮機モジュールの概略構成を示す斜視図である。
図2】本実施形態の圧縮機モジュールを軸方向の正面から見た正面図である。
図3】本実施形態の圧縮機モジュールを鉛直方向の上方から見た上面図である。
図4】第二支持部の概略構成を示す斜視図である。
図5】本実施形態に係る圧縮機モジュールの組立方法の流れを示すフロー図である。
図6】仮設置面上に圧縮機モジュールを設置し、位置決め部材を形成した状態を模式的に示す図である。
図7】位置決め部材を準備する工程の流れを示す図である。
図8】第一支持部を仮設置面に固定した状態を示す図である。
図9】第二支持部を仮設置面に固定した状態を示す図である。
図10】第三支持部を第一支持部上に配置し、第四支持部を第二支持部上に配置した状態を示す図である。
図11】仮設置面上に固定した第一支持部と第二支持部との暫定設置間隔に合わせて位置決め部材を形成した状態を示す平面図である。
図12】位置決め部材を図11においてXII-XIIから見た軸方向に見た断面図である。
図13図11においてXIII-XIIIから見た軸方向に位置決め部材に見た断面図である。
図14】第一支持部を設置面上に設置する工程、及び第二支持部を設置面上に設置する工程の流れを示すフロー図である。
図15】第一支持部を設置面上に固定した状態を示す断面図である。
図16】位置決め部材を第二支持部に載せた状態を示す断面図である。
図17】位置決め部材を第二支持部に固定した状態を示す断面図である。
図18】第二支持部を移動可能な状態で配置した状態を示す図である。
図19】位置決め部材を第一支持部に載せた状態を示す断面図である。
図20】位置決め部材を用い、第一支持部と第二支持部とを設置間隔に合わせた状態を示す断面図である。
図21】設置面上で、位置決め部材を用いて設置間隔に合わせて配置された第一支持部と第二支持部とを示す図である。
図22】設置面上で、第三支持部を第一支持部上に配置し、第四支持部を第二支持部上に配置した状態を示す図である。
図23】本実施形態の第一変形例に係る位置決め部材を示す平面図である。
図24】本実施形態の第二変形例に係る位置決め部材を示す平面図である。
図25】本実施形態の第三変形例に係る位置決め部材を示す平面図である。
図26】本実施形態の第四変形例に係る位置決め部材を示す平面図である。
図27】本実施形態の第五変形例に係る圧縮機モジュールの組立方法における位置決め部材の位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第一実施形態>
以下、添付図面を参照して、本開示による圧縮機モジュールの組立方法及び圧縮機モジュールを実施するための形態を説明する。しかし、本開示はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
【0012】
(圧縮機モジュールの構成)
図1図4に示すように、圧縮機モジュール100は、圧縮機1と、回転駆動機2と、ガス供給機器3と、複数の冷却部4と、オイルコンソール機器5と、第一支持部7と、第二支持部8と、第三支持部6と、第四支持部9と、を備えている。
【0013】
(圧縮機)
圧縮機1は、作動流体としてガスを圧縮する。圧縮機1は、軸線O回りに回転する回転軸1aを有している。回転軸1aは、軸線Oを中心とする円柱状をなしている。圧縮機1は、段階的にガス(流体)を圧縮可能とされている。本実施形態の圧縮機1は、複数の圧縮部10を有することで、段階的にガスを圧縮可能とされている。本実施形態の圧縮機1は、例えば8段の圧縮部10を有するギアド圧縮機である。圧縮機1は、各圧縮部10がインペラ(不図示)を一つずつ有している。
【0014】
本実施形態の圧縮機1は、内部に、複数のギア(不図示)を有するギアケーシング1bをさらに備えている。ギアは、回転軸1aの回転を複数の従動軸(不図示)に伝達可能とされている。従動軸は、両端にそれぞれ圧縮部10が配置され、回転軸1aと平行に軸方向Daに延びている。複数のギアによって、複数(本実施形態では四つ)の従動軸の回転数がそれぞれ異なるように設定されている。回転軸1aは、ギアケーシング1bの外部に突出するように延びている。
【0015】
また、以下では、後述する回転軸1aの軸線Oが延びている方向を軸方向Daとする。軸方向Daは水平方向の一つである。水平方向は、鉛直方向Dvと直交する仮想面の広がる方向である。また、軸方向Daと直交する水平方向の一つを幅方向Dwと称する。また、本実施形態において、幅方向Dwは、水平方向の一つである第一方向である。軸方向Daは、水平方向の一つである第二方向である。
【0016】
また、複数の圧縮部10は、ギアケーシング1bの外部に配置されている。本実施形態の圧縮機1は、圧縮部10として、第一圧縮部11と、第二圧縮部12と、第三圧縮部13と、第四圧縮部14と、第五圧縮部15と、第六圧縮部16と、第七圧縮部17と、第八圧縮部18とを有している。
【0017】
第一圧縮部11は、圧縮機1の外部から供給されたガスを圧縮する。第一圧縮部11は、複数の圧縮部10の中で、圧縮するガスの体積流量が最も多い。第二圧縮部12は、第一圧縮部11で圧縮されたガスを圧縮する。第二圧縮部12は、第一圧縮部11と同じ従動軸によって回転される。第二圧縮部12で圧縮するガスの体積流量は、第一圧縮部11より少ない。
【0018】
第三圧縮部13は、第二圧縮部12で圧縮されたガスを圧縮する。第三圧縮部13は、第一圧縮部11及び第二圧縮部12とは異なる従動軸によって回転される。第三圧縮部13で圧縮するガスの体積流量は、第二圧縮部12よりも少ない。第四圧縮部14は、第三圧縮部13で圧縮されたガスを圧縮する。第四圧縮部14は、第三圧縮部13と同じ従動軸によって回転される。第四圧縮部14で圧縮するガスの体積流量は、第三圧縮部13より少ない。
【0019】
第五圧縮部15は、第四圧縮部14で圧縮されたガスを圧縮する。第五圧縮部15は、第三圧縮部13及び第四圧縮部14とは異なる従動軸によって回転される。第五圧縮部15で圧縮するガスの体積流量は、第四圧縮部14よりも少ない。第六圧縮部16は、第五圧縮部15で圧縮されたガスを圧縮する。第六圧縮部16は、第五圧縮部15と同じ従動軸によって回転される。第六圧縮部16で圧縮するガスの体積流量は、第五圧縮部15より少ない。
【0020】
第七圧縮部17は、第六圧縮部16で圧縮されたガスを圧縮する。第七圧縮部17は、第五圧縮部15及び第六圧縮部16とは異なる従動軸によって回転される。第七圧縮部17で圧縮するガスの体積流量は、第六圧縮部16よりも少ない。第八圧縮部18は、第七圧縮部17で圧縮されたガスを圧縮する。第八圧縮部18は、第七圧縮部17と同じ従動軸によって回転される。第八圧縮部18で圧縮するガスの体積流量は、第七圧縮部17より少ない。
【0021】
(回転駆動機)
回転駆動機2は、圧縮機1に連結されている。回転駆動機2は、圧縮機1を駆動させる。回転駆動機2は、回転駆動される出力軸2aを有する。本実施形態の回転駆動機2は、例えば、電動モータである。回転駆動機2は、常に一定速で出力軸2aを回転させる。出力軸2aは、軸線O回りに回転駆動される。出力軸2aは、軸線Oを中心とする円柱状をなしている。出力軸2aは、回転軸1aに接続されている。これにより、出力軸2aの回転は、回転軸1aに伝達される。なお、回転駆動機2は、圧縮機1に直接接続された構造に限定されるものではなく、変速機等を介して間接的に接続された構造であってもよい。回転駆動機2は、圧縮機1に対して軸方向Daに間隔を空けて並んで配置されている。
【0022】
回転駆動機2は、駆動支持部25上に配置されている。駆動支持部25は、回転駆動機2を鉛直方向Dvの下方から支持している。駆動支持部25は、第三支持部6に対して軸方向Daに並ぶように配置されている。駆動支持部25は、鉛直方向Dvにおいて、回転駆動機2の出力軸2aの位置と、圧縮機1の回転軸1aの位置とを同じ位置(レベル)に配置するように形成されている。駆動支持部25は、例えば、第三支持部6及び第一支持部7よりも剛性の高いコンクリートで形成された門型の土台として形成されている。駆動支持部25は、設置面200に直接固定されている。設置面200は、予め設定された寸法精度で、所定の形状に形成されている。駆動支持部25は、第一支持部7、第二支持部8、第三支持部6、及び第四支持部9とは独立して配置されている。
【0023】
(ガス供給機器)
ガス供給機器3は、圧縮機1に対してシールガスを供給可能とされている。ガス供給機器3は、複数の配管31によって圧縮機1と接続されている。ガス供給機器3は、圧縮機1に対して幅方向Dwに離れて配置されている。本実施形態のガス供給機器3は、ガスシールモジュール(GSM:ガスシール装置)である。ガス供給機器3は、ケーシング内に配置されたドライガスシール(不図示)に送り込んだシールガスが、ドライガスシールにおいて逆流することを防ぐため、シールガスの圧力が内部よりも高くなるよう調整可能とされている。
【0024】
(冷却部)
複数の冷却部4は、圧縮機1で圧縮されたガスを冷却する。冷却部4は、二つの圧縮部10同士の段間に一つずつ配置されている。本実施形態の冷却部4は、シェルアンドチューブ型の熱交換器である。つまり、冷却部4は、円筒状のシェル40と、シェル40の内部に配置された冷却配管等のチューブ式の熱交換部(不図示)を有している。冷却部4では、冷媒として冷却水が使用される。各々の冷却部4は、前段の圧縮部10から吐出されたガスを冷却し、後段の圧縮部10に供給する。本実施形態の複数の冷却部4は、第一冷却部41と、第二冷却部42と、第三冷却部43と、第四冷却部44と、第五冷却部45と、第六冷却部46とを有している。
【0025】
第一冷却部41は、第一圧縮部11で圧縮されたガスを冷却する。第一冷却部41は、冷却したガスを第二圧縮部12に供給可能とされている。第一冷却部41は、第一圧縮部11や第二圧縮部12に対して伸縮継手49(図2参照)で接続されている。
【0026】
第二冷却部42は、第二圧縮部12で圧縮されたガスを冷却する。第二冷却部42は、冷却したガスを第三圧縮部13に供給可能とされている。第二冷却部42は、第二圧縮部12や第三圧縮部13に対して伸縮継手49(図2参照)で接続されている。
【0027】
第三冷却部43は、第三圧縮部13で圧縮されたガスを冷却する。第三冷却部43は、冷却したガスを第四圧縮部14に供給可能とされている。第三冷却部43は、第三圧縮部13や第四圧縮部14に対して伸縮継手49(図2参照)で接続されている。
【0028】
第四冷却部44は、第四圧縮部14で圧縮されたガスを冷却する。第四冷却部44は、冷却したガスを第五圧縮部15に供給可能とされている。第四冷却部44は、第四圧縮部14や第五圧縮部15に対して伸縮継手49(図2参照)で接続されている。
【0029】
第五冷却部45は、第五圧縮部15で圧縮されたガスを冷却する。第五冷却部45は、冷却したガスを第六圧縮部16に供給可能とされている。第五冷却部45は、第五圧縮部15や第六圧縮部16に対して配管及び伸縮継手49(図2参照)で接続されている。
【0030】
第六冷却部46は、第八圧縮部18で圧縮されたガスを冷却する。第六冷却部46は、第八圧縮部18に対して配管及び伸縮継手49(図2参照)で接続されている。本実施形態の第六冷却部46は、圧縮機1で圧縮された最も圧力の高いガスを最終的に冷却するリサイクルクーラである。第六冷却部46は、冷却したガスを圧縮機モジュール100の内部の圧縮部入口に供給可能とされている。
【0031】
(オイルコンソール機器)
オイルコンソール機器5は、潤滑油を圧縮機1や回転駆動機2に供給している。オイルコンソール機器5は、タンク、ポンプ、オイルクーラ、オイルフィルタ等の不図示の複数の機器によって構成されている。オイルコンソール機器5は、鉛直方向Dvから見た際に水平方向において圧縮機1及び回転駆動機2と重ならない位置に配置されている。オイルコンソール機器5は、圧縮機1及び回転駆動機2に対して、鉛直方向Dvの下方に配置されている。オイルコンソール機器5は、設置面200に固定されている。つまり、オイルコンソール装置は、第一支持部7、第二支持部8、第三支持部6、第四支持部9、及び駆動支持部25とは独立して配置されている。
【0032】
(第一支持部~第四支持部)
上記したような圧縮機モジュール100を構成する圧縮機1、回転駆動機2、ガス供給機器3、複数の冷却部4、及びオイルコンソール機器5のうち、圧縮機1、回転駆動機2、ガス供給機器3、及び複数の冷却部4は、第一支持部7、第二支持部8、第三支持部6、第四支持部9に支持されている。第一支持部7、第二支持部8、第三支持部6、及び第四支持部9の各々は、船舶、トラック等の車両、クレーン等によって運搬可能となるように、ユニット化されている。第一支持部7、第二支持部8、第三支持部6、及び第四支持部9の各々は、少なくともその一部が工場で組み立てられた状態で、工場から圧縮機モジュール100の設置現場に運搬され、設置現場の設置面200上に据え付けされる。
【0033】
(第一支持部)
第一支持部7は、少なくとも二つの冷却部4を鉛直方向Dvの下方から支持している。第一支持部7は複数の冷却部4が固定された状態で、運搬可能とされている。本実施形態の第一支持部7には、第一冷却部41及び第二冷却部42が固定されている。つまり、第一支持部7は、第一冷却部41及び第二冷却部42が固定された状態で、運搬可能とされている。第一支持部7は、設置面200上に固定されている。また、第一支持部7は、第三支持部6と固定されている。図4に示すように、第一支持部7は、第一上縦梁部(梁部)71と、第一上横梁部(梁部)72と、第一下縦梁部(梁部)73と、第一下横梁部(梁部)74と、柱部75と、第一被固定位置P71(図11参照)とを有している。
【0034】
第一上縦梁部71は、軸方向Daに延びる部材である。複数の第一上縦梁部71は、幅方向Dwに間隔をあけて配置されている。本実施形態では、三つの第一上縦梁部71が、幅方向Dwに均等に離れて配置されている。第一上縦梁部71は、例えば、H型鋼である。
【0035】
第一上横梁部72は、幅方向Dwに延びる部材である。複数の第一上横梁部72は、軸方向Daに間隔をあけて配置されている。本実施形態では、四つの第一上横梁部72が、軸方向Daに離れて配置されている。第一上横梁部72は、例えば、H型鋼である。第一上横梁部72は、第一上縦梁部71と固定されている。幅方向Dwにおいて最も外側に配置された二つの第一上縦梁部71と、軸方向Daにおいて最も外側に配置された第一上横梁部72とによって、矩形状の第一上枠体7aが構成されている。つまり、第一上枠体7aは、鉛直方向Dvの上方から見た際に、内部が中空の矩形環状に形成されている。第一上枠体7aは、第一冷却部41及び第二冷却部42に対して鉛直方向Dvの上方に離れて配置されている。
【0036】
第一下縦梁部73は、軸方向Daに延びる部材である。複数の第一下縦梁部73は、幅方向Dwに間隔をあけて配置されている。本実施形態では、三つの第一下縦梁部73が、幅方向Dwに均等に離れて配置されている。第一下縦梁部73は、例えば、H型鋼である。第一下縦梁部73は、第一上縦梁部71と同じ形状で形成されている。また、複数の第一下縦梁部73は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、複数の第一上縦梁部71と同じ位置に配置されている。
【0037】
第一下横梁部74は、幅方向Dwに延びる部材である。複数の第一下横梁部74は、軸方向Daに間隔をあけて配置されている。本実施形態では、四つの第一下横梁部74が、軸方向Daに離れて配置されている。第一下横梁部74は、例えば、H型鋼である。第一下横梁部74は、第一上横梁部72と同じ形状で形成されている。また、複数の第一下横梁部74は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、複数の第一上横梁部72と同じ位置に配置されている。第一下横梁部74は、第一下縦梁部73と固定されている。幅方向Dwにおいて最も外側に配置された二つの第一下縦梁部73と、軸方向Daにおいて最も外側に配置された第一下横梁部74とによって、矩形状の第一下枠体7bが構成されている。つまり、第一下枠体7bは、鉛直方向Dvの上方から見た際に、内部が中空の矩形状に形成されている。第一下枠体7bは、第一上枠体7aと同じ形状で形成されている。第一下枠体7bは、設置面200に直接固定されている。第一下枠体7bは、第一冷却部41及び第二冷却部42に対して鉛直方向Dvの下方で固定されている。
【0038】
柱部75は、鉛直方向Dvに延びる柱状の部材である。複数の柱部75は、水平方向(幅方向Dwや軸方向Da)に間隔をあけて配置されている。また、複数の柱部75の一部は、水平方向における第一冷却部41と第二冷却部42との間であって、軸線Oの延びる方向から見た際に、圧縮機1と重なる位置に少なくとも一つが配置されている。本実施形態では、軸方向Daに離れて配置された四つの柱部75が、幅方向Dwに離れて三組配置されている。軸方向Daに離れて配置された四つの柱部75は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、複数の第一上縦梁部71及び第一下縦梁部73と重なる位置に配置されている。幅方向Dwに離れて配置された三つの柱部75は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、複数の第一上横梁部72及び第一下横梁部74と重なる位置に配置されている。幅方向Dwに離れて配置された三つの柱部75の真ん中の柱部75は、幅方向Dwにおいて第一冷却部41と第二冷却部42との間に配置されている。また、軸方向Daに離れて配置された四つの柱部75の中で真ん中の二つであって、幅方向Dwの中央に配置され二つの柱部75は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、ギアケーシング1bと重なる位置に配置されている。柱部75は、例えば、H型鋼である。複数の柱部75の両端は、第一上枠体7a及び第一下枠体7bにそれぞれ固定されている。
【0039】
このように、第一支持部7は、複数の柱部75と、第一上枠体7aと、第一下枠体7bとによって、直方状に形成されたラーメン構造を有している。つまり、ラーメン構造は、鉛直方向Dvに延びる複数の柱部75と、水平方向の一つである軸方向Daに延びる複数の第一上縦梁部71及び第一下縦梁部73と、水平方向の一つである幅方向Dwに延びる複数の第一上横梁部72及び第一下横梁部74とによって形成されている。なお、本実施形態におけるラーメン構造とは、上述した部材に加えて、方杖やブレースで補強された構造も含まれる。
【0040】
また、第一冷却部41及び第二冷却部42は、ラーメン構造によって形成された第一支持部7の内部の空間に固定されている。図1図4に示すように、第一支持部7は、第一冷却部41及び第二冷却部42とともに第一ユニットBを構成している。第一ユニットBは、クレーン等の運搬機械によって、すべての部品が同時に運搬可能とされている。
【0041】
また、図11に示すように、第一被固定位置P71は、後述する位置決め部材300Aを保持可能とされている。第一被固定位置P71は、柱部及び梁部の少なくとも一方に形成される。つまり、第一被固定位置P71は、第一上縦梁部71と、第一上横梁部72と、第一下縦梁部73と、第一下横梁部74と、柱部75との少なくとも一つに形成されている。本実施形態の第一被固定位置P71は、第一上縦梁部71と、第一下縦梁部73とにそれぞれ形成されている。
【0042】
(第二支持部)
図2に示すように、第二支持部8は、第一支持部7に対して幅方向Dwに隣接して配置されている。第二支持部8は、第一支持部7と異なる少なくとも二つの冷却部4を鉛直方向Dvの下方から支持している。本実施形態の第二支持部8には、第三冷却部43及び第四冷却部44が固定されている。第二支持部8は、第三冷却部43及び第四冷却部44が固定された状態で、運搬可能とされている。また、第二支持部8は、第一支持部7と同じ構造で形成されている。つまり、第二支持部8も、第一支持部7と同様に、鉛直方向Dvに延びる複数の柱部75と水平方向に延びる複数の梁部によって、直方状に形成されたラーメン構造を有している。したがって、第二支持部8は、第一支持部7と同様に、第一上縦梁部71と、第一上横梁部72と、第一下縦梁部73と、第一上横梁部72と、柱部75と、第二被固定位置P81(図11参照)とを有している。また、第二支持部8では、幅方向Dwに離れて配置された三つの柱部75の真ん中の柱部75は、幅方向Dwにおいて第三冷却部43と第四冷却部44との間に配置されている。さらに、これら真ん中の柱部75は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、第五冷却部45及び第六冷却部46と重なる位置に配置されている。
【0043】
また、第三冷却部43及び第四冷却部44は、ラーメン構造によって形成された第二支持部8の内部の空間に固定されている。第二支持部8は、第三冷却部43及び第四冷却部44とともに第二ユニットCを構成している。第二ユニットCは、クレーン等の運搬機械によって、すべての部品が同時に運搬可能とされている。
【0044】
また、図11に示すように、第二被固定位置P81は、後述する位置決め部材300Aを保持可能とされている。第二被固定位置P81は、柱部及び梁部の少なくとも一方に形成される。つまり、第二被固定位置P81は、第一上縦梁部71と、第一上横梁部72と、第一下縦梁部73と、第一下横梁部74と、柱部75との少なくとも一つに形成されている。本実施形態の第二被固定位置P81は、第一上縦梁部71と、第一下縦梁部73とにそれぞれ形成されている。
【0045】
(第三支持部)
図2に示すように、第三支持部6は、圧縮機1及びガス供給機器3を水平方向と直交する鉛直方向Dvの下方から支持している。第三支持部6は、複数の配管31によって接続された圧縮機1とガス供給機器3が固定された状態で、運搬可能とされている。つまり、第三支持部6上に、圧縮機1とガス供給機器3とが固定されている。第三支持部6は、第一支持部7の真上に配置されている。第三支持部6は、第一支持部7に固定されている。図3に示すように、本実施形態の第三支持部6は、複数の第三縦梁部61と、複数の第三横梁部62と、台板本体65と、を有している。
【0046】
第三縦梁部61は、軸方向Daに延びる柱状の部材である。複数の第三縦梁部61は、幅方向Dwに間隔をあけて配置されている。本実施形態では、三つの第三縦梁部61が、幅方向Dwに均等に離れて配置されている。第三縦梁部61は、例えば、H型鋼である。
【0047】
第三横梁部62は、幅方向Dwに延びる柱状の部材である。複数の第三横梁部62は、軸方向Daに間隔をあけて配置されている。本実施形態では、四つの第三横梁部62が、軸方向Daに離れて配置されている。第三横梁部62は、例えば、H型鋼である。第三横梁部62は、第三縦梁部61と固定されている。幅方向Dwにおいて最も外側に配置された二つの第三縦梁部61と、軸方向Daにおいて最も外側に配置された第三横梁部62によって、矩形状の第三枠体6aが構成されている。つまり、第三枠体6aは、鉛直方向Dvの上方から見た際に、内部が中空の矩形状に形成されている。また、第三枠体6aにおいて、軸方向Daにおいて、中央付近に配置された二つの第三横梁部62は、鉛直方向Dvから見た際に、圧縮機1やガス供給機器3と重なる位置に配置されている。第三枠体6aは、第一上枠体7aに直接固定されている。
【0048】
台板本体65は、軸方向Da及び幅方向Dwに広がっている。本実施形態の台板本体65は、水平方向に広がる大きな面を有した長方形状の平板部材である。台板本体65は、第三枠体6aに対して鉛直方向Dvの上方に配置されている。台板本体65は、第三枠体6aに固定されている。台板本体65は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、複数の第三縦梁部61及び複数の第三横梁部62の全領域と重なる大きさで形成されている。本実施形態の台板本体65は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、軸方向Daの長さが第三枠体6aと等しく、幅方向Dwの長さが第三枠体6aよりも大きい長方形状に形成されている。台板本体65は、作業員等の軽量の物体が乗っても変形しない。第三支持部6の台板本体65には、圧縮機1及びガス供給機器3が固定されている。
【0049】
また、図1図4に示すように、第三支持部6は、圧縮機1及びガス供給機器3とともに第三ユニットAを構成している。第三ユニットAは、クレーン等の運搬機械によって、すべての部品が同時に運搬可能とされている。
【0050】
(第四支持部)
図2に示すように、第四支持部9は、第二支持部8に対して鉛直方向Dvの上方であって、第三支持部6に対して幅方向Dwに隣接して配置されている。第四支持部9は、第二支持部8に固定されている。第四支持部9は、第一支持部7及び第二支持部8と異なる少なくとも二つの冷却部4を鉛直方向Dvの下方から支持している。本実施形態の第四支持部9には、第五冷却部45及び第六冷却部46が固定されている。第四支持部9は、第五冷却部45及び第六冷却部46が固定された状態で、運搬可能とされている。また、第四支持部9は、第三支持部6と同じ構造で形成されている。したがって、第四支持部9も、第三支持部6と同様に、複数の第三縦梁部61と、複数の第三横梁部62と、台板本体65と、を有している。第四支持部9の台板本体65には、第五冷却部45が固定されている。
【0051】
また、第四支持部9は、第五冷却部45及び第六冷却部46とともに第四ユニットDを構成している。第四ユニットDは、クレーン等の運搬機械によって、すべての部品が同時に運搬可能とされている。
【0052】
(圧縮機モジュールの組立方法の手順)
圧縮機モジュール100の組立方法S10は、位置決め部材300Aを利用して、第一ユニットB、第二ユニットC、第三ユニットA、及び第四ユニットDの位置を調整して、圧縮機モジュール100を設置面200上に組み立てる。図5に示すように、本実施形態の圧縮機モジュール100の組立方法S10は、位置決め部材300Aを準備する工程S20と、第一支持部7を設置面200に設置する工程S30と、第二支持部8を設置面200に設置する工程S40と、第三支持部6を第一支持部7上に固定する工程S50と、第四支持部9を第二支持部8上に固定する工程S60と、を含む。
【0053】
(位置決め部材を準備する工程)
位置決め部材300Aを準備する工程S20では、圧縮機モジュール100を設置面200上に組み立てる前に、事前に位置決め部材300Aを準備する。図6に示すように、位置決め部材300Aは、第一支持部7と第二支持部8との水平方向での相対的な位置を決定(位置決め)する。位置決め部材300Aは、第一支持部7及び第二支持部8が設置面200上に固定された状態での第一支持部7と第二支持部8との幅方向Dwの設置間隔Ldに合わせて形成されている。位置決め部材300Aは、圧縮機モジュール100に対して少なくとも一つ配置される治具である。位置決め部材300Aは、完成した圧縮機モジュール100に対して取り付けられた状態となっていてもよく、取り外れていてもよい。
【0054】
本実施形態の位置決め部材300Aを準備する工程S20は、実際に圧縮機モジュール100を設置する設置面200とは異なる他の場所に設定された仮設置面250で実施される。仮設置面250は、圧縮機モジュール100を設置して運転させる設置面200とは異なる他の場所に設定されている。仮設置面250は、例えば、工場等の床面である。仮設置面250は、実際に圧縮機モジュール100を設置する設置面200の設計寸法に基づいて、設置面200を模して形成される。工程S20では、仮設置面250上で、第一支持部7と第二支持部8とを、幅方向Dwに間隔があけて固定される。ここで、第一支持部7と第二支持部8との幅方向Dwにおける仮設置面250上での間隔は、圧縮機モジュール100の設計寸法に基づいて設定される。工程S20では、仮設置面250上で、圧縮機モジュール100が仮組みされる。工程S20では、仮設置面250上に仮組みした圧縮機モジュール100における第一支持部7と第二支持部8との設置間隔Ldに合わせて、位置決め部材300Aを準備する。
【0055】
図7に示すように、本実施形態の位置決め部材300Aを準備する工程S20は、第一支持部7を仮設置面250上に固定する工程S21と、第二支持部8を仮設置面250上に固定する工程S22と、第三支持部6を第一支持部7上に配置する工程S23と、第四支持部9を第二支持部8上に配置する工程S24と、位置決め部材300Aを形成する工程S25と、寸法を記録する工程S26と、圧縮機モジュール100を分解する工程S27と、を含む。
【0056】
第一支持部7を仮設置面250上に固定する工程S21では、図8に示すように、第一支持部7が仮設置面250上に設置される。まず、仮設置面250上で、第一支持部7が組み立てられる。第一支持部7は、仮設置面250上に、設計寸法に基づいて予め描いた墨出し線(図示無し)に合わせて、所定の位置に設置される。さらに、第一支持部7には、第一冷却部41及び第二冷却部42は組み込まれる。なお、第一冷却部41及び第二冷却部42は、第一支持部7を組み立てている過程で組み込まれてもよく、第一支持部7が完成した後に組み込まれてもよい。また、第一支持部7には、第一冷却部41及び第二冷却部42に接続される配管及び計装が組み込む。このとき、第一支持部7の外方に延びる他の第二支持部8、第三支持部6、第四支持部9に接続される配管は、組み込まれない。このようにして、仮設置面250に、第一ユニットBが設置される。また、工程S21では、第一支持部7を設置する際に、第一支持部7と仮設置面250との間には、シム401を挟み込んで、仮設置面250に対する第一支持部7の高さ及び水平度等の調整が行われる。その後、第一支持部7に対して着脱可能な締結部材であるボルト400によって、仮設置面250に、第一ユニットBを移動不能な状態で固定する。
【0057】
第二支持部8を仮設置面250上に固定する工程S22では、図9に示すように、仮設置面250上で、第一支持部7に対して幅方向Dwに、設計寸法に基づいた所定の間隔をあけて第二支持部8が設置される。まず、仮設置面250上で、第二支持部8が組み立てられる。第二支持部8は、幅方向Dwにおける第一支持部7に対する間隔が、設計寸法に基づく所定の間隔となるように、仮設置面250上に設計寸法に基づいて予め描いた墨出し線(図示無し)に合わせて設置される。これにより、仮設置面250上での第一支持部7に対する第二支持部8の位置が決定される。さらに、第二支持部8には、第三冷却部43及び第四冷却部44が組み込まれる。なお、第三冷却部43及び第四冷却部44は、第二支持部8を組み立てている過程で組み込まれてもよく、第二支持部8が完成した後に組み込まれてもよい。また、第二支持部8には、第三冷却部43及び第四冷却部44に接続される配管及び計装類が組み込まれる。このとき、第二支持部8の外方に延びる配管は、組み込まれない。このようにして、仮設置面250に、第二ユニットCが設置される。また、工程S22では、第二支持部8を設置する際に、第二支持部8と仮設置面250との間には、シム401を挟み込んで、仮設置面250に対する第二支持部8の高さ及び水平度等の調整が行われる。その後、第二支持部8に対して着脱可能な締結部材であるボルト400によって、仮設置面250に、第二ユニットCを移動不能な状態で固定する。このようにして、工程S22では、仮設置面250上での第一支持部7に対する第二支持部8の位置が決定された後、第二支持部8が仮設置面250上に固定される。
【0058】
第三支持部6を第一支持部7上に配置する工程S23では、図10に示すように、第三支持部6が、第一支持部7の真上に配置される。第三支持部6は、第一支持部7上で組み立てられてもよいし、別の場所で予め組み立てた第三枠体6aを第一支持部7上に配置してもよい。第三支持部6は、第一支持部7上に描かれた墨出し線に基づいて、第一支持部7に対して位置合わせされる。これにより、第一支持部7に対する第三支持部6の位置が決定される。また、第三枠体6a上に、台板本体65、圧縮機1、ガス供給機器3(図1参照)が取り付けられる。台板本体65、圧縮機1、及びガス供給機器3に換えて、これらを模したダミーの台板本体、圧縮機、及びガス供給機器を取り付けてもよい。ダミーの台板本体、圧縮機、及びガス供給機器は、例えば、台板本体65、圧縮機1、及びガス供給機器3と外形のみが一致した箱状の部材である。工程S23では、第三支持部6を設置する際に、第三枠体6aに対して高さ調整ボルト403を取り付けておき、第一支持部7の第一上枠体7aに対する鉛直方向Dvにおける高さ及び水平度等の調整が行われる。調整後、第三支持部6と第一支持部7との間に、シム401を挟み込む。その後、第三支持部6に対して着脱可能な締結部材であるボルト(図示せず)によって、第一支持部7上に、第三ユニットAを移動不能な状態で固定する。このようにして、第一支持部7に対して第三支持部6の位置合わせがされた状態で、第三支持部6が第一支持部7上に配置される。
【0059】
第四支持部9を第二支持部8上に配置する工程S24では、第四支持部9が、第二支持部8の真上に配置される。第四支持部9は、第二支持部8上で組み立てられてもよいし、別の場所で予め組み立てた第三枠体6aを第二支持部8上に配置してもよい。第四支持部9は、第二支持部8上に描かれた墨出し線に基づいて、第二支持部8に対して位置合わせされる。これにより、第二支持部8に対する第四支持部9の位置が決定される。また、第三枠体6a上に、第五冷却部45及び第六冷却部46が取り付けられる。工程S24では、第四支持部9を設置する際に、第四支持部9に対して高さ調整ボルト403を取り付けておき、第二支持部8の第一上枠体7aに対する鉛直方向Dvにおける高さ及び水平度等の調整が行われる。調整後、第四支持部9と第二支持部8との間に、シム401を挟み込む。その後、第四支持部9に対して着脱可能な締結部材であるボルト(図示せず)によって、第二支持部8上に、第四ユニットDを移動不能な状態で固定する。このようにして、第二支持部8に対して第四支持部9の位置合わせがされた状態で、第四支持部9が第二支持部8上に配置される。これにより、仮設置面250上で、圧縮機モジュール100が正確な位置で仮組みされる。
【0060】
位置決め部材300Aを形成する工程S25では、図11に示すように、仮設置面250上で仮組みした第一支持部7と第二支持部8との暫定設置間隔Sdに合わせて位置決め部材300Aを形成する。暫定設置間隔Sdは、仮設置面250上に固定された第一支持部7と第二支持部8との幅方向Dwの間隔である。つまり、工程S21~S24を経ることで、暫定設置間隔Sdを、設置間隔Ldとみなして位置決め部材300Aを形成する。本実施形態において、位置決め部材300Aは、例えば、第一支持部7及び第二支持部8の下端部と上端部とにそれぞれ配置される。位置決め部材300Aは、第一支持部7及び第二支持部8の下端部及び上端部の少なくとも一方にのみ配置するようにしてもよい。その場合、位置決め部材300Aは、第一支持部7及び第二支持部8の下端部に配置されることが好ましい。なお、本実施形態での第一支持部7及び第二支持部8の下端部と上端部とにそれぞれ配置される位置決め部材300Aは、同様の構成である。
【0061】
位置決め部材300Aは、複数(本実施形態では二つ)の第一部材310と、連結部材320と、を有している。位置決め部材300Aは、例えば、H型鋼、角鋼管等によって形成されている。本実施形態では、複数の第一部材310は、軸方向Daに間隔をあけて一対配置されている。各第一部材310は、幅方向Dwに延びている。連結部材320は、複数の第一部材310同士を連結する。連結部材320は、鉛直方向Dvから見た際に、例えばH字状に形成されている。
【0062】
また、位置決め部材300Aは、第一位置確定部317と、第二位置確定部315とを有している。第一位置確定部317は、第一被固定位置P71と重なる位置に配置されることで、第一支持部7に対して幅方向Dw及び軸方向Daに移動不能とされる。第二位置確定部315は、第二被固定位置P81と重なる位置に配置されることで、第二支持部8に対して幅方向Dw及び軸方向Daに移動不能とされる。
【0063】
図6に示すように、第一支持部7及び第二支持部8の下端部に配置される位置決め部材300Aの各第一部材310の両端は、第一下枠体7bの第一下縦梁部73に固定される。第一支持部7及び第二支持部8の上端部に配置される位置決め部材300Aの各第一部材310の両端は、第一下枠体7bの第一上縦梁部71に固定される。図11に示すように、各第一部材310の一端は、複数本のボルト及びナット330により、第二支持部8の第一上縦梁部71又は第一下縦梁部73に着脱可能に固定される。各第一部材310の他端は、複数本のボルト及びナット330により、第一支持部7の第一上縦梁部71又は第一下縦梁部73に着脱可能に固定される。
【0064】
工程S25では、このような位置決め部材300Aを、暫定設置間隔Sdに合わせて形成する。これには、予め組み立てた位置決め部材300Aの各第一部材310の両端を、図12に示すように、第一支持部7及び第二支持部8上に載せる。なお、この図12では、第一部材310は、H型鋼の下フランジのみを図示している。工程S25では、第一支持部7及び第二支持部8の下端部及び上端部のいずれに位置決め部材300Aを配置する場合も同様の手順のため、以下では、下端部を例に挙げて説明する。
【0065】
第一部材310は、一端を第二支持部8の第一下縦梁部73上に載せ、他端を第一支持部7の第一下縦梁部73上に載せる。その後、鉛直方向Dvから見た際に、第一部材310と第二支持部8の第一下縦梁部73とが重なっている領域の所定の位置に、ドリル等の工具を用いて、ボルトが挿通可能な貫通孔を形成する。同様に、鉛直方向Dvから見た際に、第一部材310と第一支持部7の第一下縦梁部73とが重なっている領域の所定の位置に、ドリル等でボルトが挿通可能な貫通孔を形成する。これらによって、第二支持部8の第一下縦梁部73と、第一支持部7の第一下縦梁部73とには、それぞれ所定の位置に、鉛直方向Dvに貫通する梁ボルト挿通孔78が形成される。また、第一部材310の両端部には、それぞれ、鉛直方向Dvに貫通する部材ボルト挿通孔311が形成される。梁ボルト挿通孔78及び部材ボルト挿通孔311の内径は、等しい。梁ボルト挿通孔78及び部材ボルト挿通孔311の内径は、ボルト及びナット330のボルト軸の外径よりも大きく形成されている。部材ボルト挿通孔311と梁ボルト挿通孔78との位置を一致させて鉛直方向Dvに連通させた状態で、ボルト及びナット330によって、第一部材310の端部と第一下縦梁部73とが締結される。これにより、第一支持部7と第二支持部8とが、幅方向Dwに暫定設置間隔Sdをあけた状態で、位置決め部材300Aによって連結された状態となる。
【0066】
続いて、図13に示すように、鉛直方向Dvから見た際に、第一部材310と第二支持部8の第一下縦梁部73とが重なっている領域の所定の位置に、ドリル等の工具を用いて、後述するテーパピンが挿通可能な貫通孔を形成する。同様に、鉛直方向Dvから見た際に、第一部材310と第一支持部7の第一下縦梁部73とが重なっている領域の所定の位置に、ドリル等でテーパピンが挿通可能な貫通孔を形成する。これらによって、第二支持部8の第一下縦梁部73には、所定の位置に、鉛直方向Dvに貫通する第二支持孔88が形成される。同様に、第一支持部7の第一下縦梁部73には、所定の位置に、鉛直方向Dvに貫通する第一支持孔79が形成される。また、第一部材310の両端部には、それぞれ、鉛直方向Dvに貫通する第二挿入孔312及び第一挿入孔313が形成される。部材ボルト挿通孔311と梁ボルト挿通孔78との位置を一致させた状態で、第二挿入孔312及び第二支持孔88と、第一挿入孔313及び第一支持孔79とは、鉛直方向Dvから見た際に、一致する位置に配置されている。ここで、第二挿入孔312及び第二支持孔88と、第一挿入孔313及び第一支持孔79とは、鉛直方向Dvの上方から下方に向かって内径が漸次縮小するテーパ孔とするのが好ましい。これらによって、工程S25では、暫定設置間隔Sdに合わせて形成された二つの位置決め部材300Aが形成される。
【0067】
なお、第一支持部7において梁ボルト挿通孔78及び第一支持孔79が形成された領域は、位置決め部材300Aが保持される第一被固定位置P71として機能している。また、第二支持部8において梁ボルト挿通孔78及び第一支持孔79が形成された領域は、位置決め部材300Aが保持される第二被固定位置P81として機能している。
【0068】
また、第一部材310において、部材ボルト挿通孔311及び第二挿入孔312が形成された一端の領域は、第二支持部8に対して移動不能に固定される第二位置確定部315として機能している。つまり、本実施形態の第二位置確定部315は、第一部材310の一端に形成されている。第一部材310において、部材ボルト挿通孔311及び第一挿入孔313が形成された他端の領域は、第一支持部7に対して移動不能に固定される第一位置確定部317として機能している。つまり、本実施形態の第一位置確定部317は、第一部材310の他端に形成されている。
【0069】
図7に示すように、寸法を記録する工程S26では、仮設置面250上で、仮組された圧縮機モジュール100の鉛直方向Dvの位置に関する寸法が記録される。具体的には、本実施形態の工程S26では、図10に示すように、仮設置面250に固定された第一支持部7と仮設置面250との鉛直方向Dvにおける第一間隔Sv1の情報が取得される。より具体的には、第一支持部7と仮設置面250との間に挟み込まれた各部のシム401の厚さの情報が記録される。また、仮設置面250に固定された第二支持部8と仮設置面250との鉛直方向Dvにおける第二間隔Sv2の情報が取得される。より具体的には、第二支持部8と仮設置面250との間に挟み込まれた各部のシム401の厚さの情報が記録される。また、第一支持部7上に固定された第三支持部6と第一支持部7との鉛直方向Dvにおける第三間隔Sv3の情報が取得される。より具体的には、第一支持部7と第三支持部6との間に挟み込まれた各部のシム401の厚さの情報が記録される。また、第二支持部8上に固定された第四支持部9と第二支持部8との鉛直方向Dvにおける第四間隔Sv4の情報も取得される。より具体的には、第二支持部8と第四支持部9との間に挟み込まれた各部のシム401の厚さの情報が記録される。なお、この工程S26は、工程S25の前に実施してもよいし、工程S21~S24と並行して実施してもよい。
【0070】
図7に示すように、圧縮機モジュール100を分解する工程S27では、上記のようにして仮設置面250上で仮組みした圧縮機モジュール100を分解する。工程S27では、仮組された圧縮機モジュール100を、第一ユニットB、第二ユニットC、第三ユニットA、第四ユニットDに分解する。工程S27では、第一ユニットB、第二ユニットC、第三ユニットA、第四ユニットDは、それ以上分解されない。位置決め部材300Aは、第一支持部、及び第二支持部8の双方から取り外されてもよく、第一支持部7及び第二支持部8の一方に、ボルト及びナット330により固定したままの状態としてもよい。
【0071】
その後、分解した圧縮機モジュール100の第一ユニットB、第二ユニットC、第三ユニットA、第四ユニットDは、圧縮機モジュール100の設置場所に運搬される。
【0072】
(第一支持部を設置面に設置する工程)
図5に示すように、第一支持部7を設置面200に設置する工程S30は、位置決め部材300Aが準備された後に実施される。工程S30は、第一ユニットB、第二ユニットC、第三ユニットA、第四ユニットDは、圧縮機モジュール100の設置場所に運搬された後に実施される。図14に示すように、本実施形態の第一支持部7を設置面200に設置する工程S30は、第一支持部7の位置決めをする工程S31と、第一支持部7と設置面200との鉛直方向Dvにおける間隔を第一間隔Sv1に合わせて調整する工程S33と、第一支持部7を設置面200上に固定する工程S35と、を含む。
【0073】
第一支持部7の位置決めをする工程S31では、第一支持部7の水平方向の位置を調整して、第一支持部7を設置面200上に配置する。工程S31は、工程S33の前に実施される。図15に示すように、本実施形態の工程S31では、既に組み立てられた状態の第一ユニットBを設置面200上に配置する。その際、設置面200上に設計寸法に基づいて予め描いた墨出し線(図示無し)に、第一支持部7を合わせることで、第一ユニットBは所定の位置に設置される。これにより、第一支持部7は、幅方向Dw及び軸方向Daにおいて適切な位置に調整された状態で、設置面200上に配置される。
【0074】
第一支持部7と設置面200との鉛直方向Dvにおける間隔を第一間隔Sv1に合わせて調整する工程S33では、設置面200に対する第一支持部7の鉛直方向Dvの位置を調整する。工程S33は、工程S35の前に実施される。本実施形態の工程S33では、寸法を記録する工程S26で記録された第一間隔Sv1に合わせて、設置面200に対する第一支持部7の鉛直方向Dvの位置が調整される。その際、工程S21で使用されたシム401と同じシム401を用いて第一支持部7の位置が調整される。
【0075】
第一支持部7を設置面200上に固定する工程S35では、工程S31及び工程S33を経て位置調整がなされた第一支持部7を、アンカーボルト500等を用いて設置面200に固定する。これにより、第一ユニットBは、仮設置面250に対して固定されていた状態と同じ状態で、設置面200に対して固定される。つまり、仮設置面250と第一ユニットBとの幅方向Dw、軸方向Da、及び鉛直方向Dvの位置関係と、設置面200と第一ユニットBとの幅方向Dw、軸方向Da、及び鉛直方向Dvの位置関係は同じとなっている。
【0076】
(第二支持部を設置面に設置する工程)
図14に示すように、第二支持部8を設置面200に設置する工程S40は、第一支持部7を設置面200に設置する工程S30の後に実施される。第二支持部8を設置面200に設置する工程S40は、位置決め部材300Aを第二支持部に固定する工程S41と、第二支持部8を移動可能な状態で配置する工程S43と、第二支持部8の位置決めをする工程S45と、第二支持部8と設置面200との鉛直方向Dvにおける間隔を第二間隔Sv2に合わせて調整する工程S47と、第二支持部8を設置面200に固定する工程S49と、を含む。
【0077】
位置決め部材300Aを第二支持部8に固定する工程S41は、工程S43の前に実施される。工程S41では、位置決め部材300Aが、第二ユニットCにおける第二支持部8に取り付けられる。つまり、第三冷却部43及び第四冷却部44が固定された状態の第二支持部8に位置決め部材300Aが固定される。本実施形態では、位置決め部材300Aは、第二支持部8の下端部と上端部とにそれぞれ配置される。具体的には、まず、図16に示すように、位置決め部材300Aの各第一部材310の一端を、第二支持部8の第一下縦梁部73(第一上縦梁部71)において、第二支持孔88が形成された領域に重ねるように載せる。つまり、第二支持部8の第二被固定位置P81として機能する領域に、第一部材310の第二挿入孔312が形成された領域が重ねられる。第一部材310を第二支持部8に重ねた状態で、第一部材310の一端に形成された第二挿入孔312が、第二支持孔88と重なるように、位置決め部材300Aの幅方向Dw及び軸方向Daの位置を調整する。第二挿入孔312が第二支持孔88と重なって鉛直方向Dvに連通した状態で、図17に示すように、第二挿入孔312及び第二支持孔88に、第二ピン360を挿入する。ここで、第二ピン360は、鉛直方向Dvの上方から下方に向かって外径が漸次縮小するテーパピンである。
【0078】
これにより、第二位置確定部315は、第二被固定位置P81と重なる位置に配置された状態で、第一部材310の一端は、第二支持部8の第一下縦梁部73(第一上縦梁部71)に対して移動不能となる。このように第一部材310が第二支持部8に対して幅方向Dw及び軸方向Daに移動不能とされた状態で、鉛直方向Dvに挿通する部材ボルト挿通孔311及び梁ボルト挿通孔78に、ボルト及びナット330を締結させる。これによって、工程S41では、位置決め部材300Aは、仮設置面250で第二支持部8に対して固定されていた状態と同じ状態で、再び第二支持部8に対して固定される。つまり、仮組時の位置決め部材300Aと第二支持部8との幅方向Dw、軸方向Da、及び鉛直方向Dvの位置関係と、工程S41後の位置決め部材300Aと第二支持部8との幅方向Dw、軸方向Da、及び鉛直方向Dvの位置関係は同じとなっている。
【0079】
図14に示すように、第二支持部8を移動可能な状態で配置する工程S43は、工程S41の後に実施される。工程S43では、図18に示すように、第二支持部8を、クレーン等で吊り下げることで、第一支持部7に対して幅方向Dwに間隔をあけて移動可能な状態で配置する。第二支持部8には、位置決め部材300Aが固定された状態で吊り下げられている。第二支持部8は、設置面200上に降ろされることなく、第一支持部7に対して近接した位置まで移動される。
【0080】
図14に示すように、第二支持部8の位置決めをする工程S45は、工程S43の後に実施される。工程S45では、第一支持部7と第二支持部8との幅方向Dwの間隔を、位置決め部材300Aによって設置間隔Ldとして設定された暫定設置間隔Sdに合わせる。これによって、幅方向Dwと軸方向Daとにおける設置面200上での第一支持部7に対する第二支持部8の位置決めがなされる。具体的には、図18に示すようなクレーン等で吊り下げられて、第一支持部7に対して移動可能な状態の第二支持部8が、移動される。これにより、図19に示すように、位置決め部材300Aの第一部材310の他端を、第一支持部7の第一下縦梁部73(第一上縦梁部71)において、第一支持孔79が形成された領域に重ねるように載せる。つまり、第一支持部7の第一被固定位置P71として機能する領域に、第一部材310の第一挿入孔313が形成された領域が重ねられる。第一部材310を第一支持部7に重ねた状態で、第一部材310の他端に形成された第一挿入孔313が、第一支持孔79と重なるように、第二支持部8を移動させて位置決め部材300Aの幅方向Dw及び軸方向Daの位置を調整する。第一挿入孔313が第一支持孔79と重なって鉛直方向Dvに連通した状態で、図20に示すように、第一挿入孔313及び第一支持孔79に、第一ピン350を挿入する。ここで、第一ピン350は、鉛直方向Dvの上方から下方に向かって外径が漸次縮小するテーパピンである。第一ピン350は、第二ピン360と同じ形状の部材である。
【0081】
これにより、第一位置確定部317は、第一被固定位置P71と重なる位置に配置された状態で、第一部材310の他端は、第一支持部7の第一下縦梁部73(第一上縦梁部71)に対して移動不能となる。これによって、工程S45では、位置決め部材300Aは、仮設置面250で第一支持部7に対して固定されていた状態と同じ状態で、再び第一支持部7に対して固定される。つまり、仮組時の位置決め部材300Aと第一支持部7との幅方向Dw、軸方向Da、及び鉛直方向Dvの位置関係と、工程S45後の位置決め部材300Aと第一支持部7との幅方向Dw、軸方向Da、及び鉛直方向Dvの位置関係は同じとなっている。位置決め部材300Aは、第二支持部8に対して仮組時と同じ位置関係で固定されている。その結果、工程S45後の第一支持部7と第二支持部8との幅方向Dw、軸方向Da、及び鉛直方向Dvの位置関係と、仮組時の第一支持部7と第二支持部8との幅方向Dw、軸方向Da、及び鉛直方向Dvの位置関係は同じとなっている。これにより、幅方向Dw及び軸方向Daにおける設置面200上での第一支持部7に対する第二支持部8の位置決めが完了される。
【0082】
なお、工程S45では、第一部材310が第一支持部7に対して幅方向Dw及び軸方向Daに移動不能とされた状態で、鉛直方向Dvに挿通する部材ボルト挿通孔311及び梁ボルト挿通孔78に、ボルト及びナット330を締結させてもよい。
【0083】
第二支持部8と設置面200との鉛直方向Dvにおける間隔を第二間隔Sv2に合わせて調整する工程S47では、図21に示すように、設置面200に対する第二支持部8の鉛直方向Dvの位置を調整する。工程S47は、工程S49の前に実施される。本実施形態の工程S47では、寸法を記録する工程S26で記録された第二間隔Sv2に合わせて、設置面200に対する第二支持部8の鉛直方向Dvの位置が調整される。その際、工程S22で使用されたシム401と同じシム401を用いて第二支持部8の位置が調整される。
【0084】
第二支持部8を設置面200に固定する工程S49では、工程S45及び工程S47を経て位置調整がなされた第二支持部8が、アンカーボルト500等を用いて設置面200に固定される。これにより、第二ユニットCは、仮設置面250に対して固定されていた状態と同じ状態で、設置面200に対して固定される。つまり、仮設置面250と第二ユニットCとの幅方向Dw、軸方向Da、及び鉛直方向Dvの位置関係と、設置面200と第二ユニットCとの幅方向Dw、軸方向Da、及び鉛直方向Dvの位置関係は同じとなっている。
【0085】
(第三支持部を第一支持部上に固定する工程)
第三支持部6を第一支持部7上に固定する工程S50では、図22に示すように、第三支持部6を、第一支持部7の真上に配置する。具体的には、第三支持部6を、クレーン等で吊り下げることで、第一支持部7に対して鉛直方向Dvに間隔をあけて移動可能な状態で配置する。その後、第三支持部6は、第一支持部7上に描かれた墨出し線に基づいて、第一支持部7に対して位置合わせされる。また、第三支持部6は、寸法を記録する工程S26で記録された第三間隔Sv3に合わせて、第一支持部7に対する第二支持部8の鉛直方向Dvの位置が調整される。その際、高さ調整ボルト403を工程S23と同じ高さとする。また、工程S23で使用されたシム401と同じシム401を用いて第三支持部6の位置が調整される。このように位置調整がなされた第三支持部6は、ボルト等を用いて第一支持部7に固定される。これにより、第三ユニットAは、仮設置面250上の第一支持部7に対して固定されていた状態と同じ状態で、設置面200上の第一支持部7に対して固定される。つまり、第一ユニットBと第三ユニットAとの幅方向Dw、軸方向Da、及び鉛直方向Dvの位置関係は、仮組時の位置関係は同じとなっている。
【0086】
(第四支持部を第二支持部上に固定する工程)
第四支持部9を第二支持部8上に固定する工程S60では、第四支持部9を、第二支持部8の真上に配置する。具体的には、第四支持部9を、クレーン等で吊り下げることで、第二支持部8に対して鉛直方向Dvに間隔をあけて移動可能な状態で配置する。その後、第四支持部9は、第二支持部8上に描かれた墨出し線に基づいて、第二支持部8に対して位置合わせされる。また、第四支持部9は、寸法を記録する工程S26で記録された第四間隔Sv4に合わせて、第二支持部8に対する第四支持部9の鉛直方向Dvの位置が調整される。その際、高さ調整ボルト403を工程S24と同じ高さとする。また、工程S24で使用されたシム401と同じシム401を用いて第四支持部9の位置が調整される。このように位置調整がなされた第四支持部9は、ボルト等を用いて第二支持部8に固定される。これにより、第四ユニットDは、仮設置面250上の第二支持部8に対して固定されていた状態と同じ状態で、設置面200上の第二支持部8に対して固定される。つまり、第二ユニットCと第四ユニットDとの幅方向Dw、軸方向Da、及び鉛直方向Dvの位置関係は、仮組時の位置関係は同じとなっている。
【0087】
この後、第一支持部7と第二支持部8との間から、位置決め部材300Aが撤去される。位置決め部材300Aは撤去されずに、運転中の圧縮機モジュール100に固定されたままであってもよい。これにより、圧縮機モジュール100が設置面200上に設置される。
【0088】
(作用効果)
上記構成の圧縮機モジュール100の組立方法S10及び圧縮機モジュール100では、第一支持部7と第二支持部8との幅方向Dwの設置間隔Ldとみなせる暫定設置間隔Sdに合わせて形成された位置決め部材300Aが、事前に準備される。そして、第一ユニットBが設置面200上に固定された後に、第一支持部7に対して幅方向Dwに間隔をあけて移動可能な状態で第二支持部8を有する第二ユニットCが配置される。その後、第二ユニットCは、第一支持部7に対する幅方向Dwでの第二支持部8の間隔を、位置決め部材300Aによって、暫定設置間隔Sdに合わせた状態で位置決めされて、設置面200上に固定される。これにより、設置面200上に、第一支持部7と第二支持部8との幅方向Dwの間隔を、暫定設置間隔Sdに高い精度で合わせて固定することができる。したがって、設置面200上で細かな位置調整を行うことなく、位置決め部材300Aによって、第一支持部7と第二支持部8とを、高い精度で容易に設置することができる。その結果、圧縮機モジュール100を効率良く高精度に組み立てることができる。
【0089】
また、第二支持部8を第一支持部7に対して移動可能な状態で配置する前に、第二支持部8に位置決め部材300Aが固定されている。つまり、第二ユニットCが移動される前に、第二支持部8に位置決め部材300Aが固定されて、第二支持部8と位置決め部材300Aとが一体に移動可能な状態とされている。これにより、第二ユニットCを移動するだけで、第一支持部7と第二支持部8との幅方向Dwの間隔を、位置決め部材300Aによって、暫定設置間隔Sdに合わせることができる。したがって、第一支持部7と第二支持部8との幅方向Dwの間隔を暫定設置間隔Sdに合わせる際に、設置面200上で第一支持部7と第二支持部8の双方に、位置決め部材300Aを固定する手間が省略できる。これにより、設置面200上で作業を低減して、第一支持部7と第二支持部8との位置決め作業を効率的に行うことができる。
【0090】
また、位置決め部材300Aを準備するに際し、設置面200とは異なる他の場所に設定された仮設置面250上で第一ユニットB、第二ユニットC、第三ユニットA、及び第四ユニットDが組み立てられる。その際、仮設置面250上に固定された第一支持部7と第二支持部8との幅方向Dwの間隔を設置間隔Ldとみなせる暫定設置間隔Sdとして、位置決め部材300Aを形成する。つまり、仮設置面250上で相対的な位置が決定された第一支持部7と第二支持部8との幅方向Dwの間隔である暫定設置間隔Sdに基づいて、位置決め部材300Aを形成することができる。このような位置決め部材300Aを用いて設置面200上で第一支持部7と第二支持部8とを固定することで、設置面200上の第一支持部7と第二支持部8との幅方向Dwの間隔を、暫定設置間隔Sdに容易に合わせることができる。つまり、仮設置面250上で決定された第一支持部7と第二支持部8との相対的な位置を、設置面200上で高精度かつ効率的に再現することが可能となる。これにより、設置面200上で、第一支持部7と第二支持部8とを、容易に高い精度で設置することができる。
【0091】
また、第一支持部7に対して位置決め部材300Aの位置決めをするに際し、第一支持部7の第一上縦梁部71や第一下縦梁部73に設定された第一被固定位置P71に、位置決め部材300Aの第一位置確定部317が重ねて配置される。このように、第一被固定位置P71と第一位置確定部317とを重ねるように移動させるだけで、位置決め部材300Aを介して、第一支持部7に対して位置決め部材300Aを容易に位置決めすることができる。
【0092】
また、位置決め部材300Aの第一挿入孔313を、第一支持部7の第一支持孔79と重なる位置に配置した状態で、鉛直方向Dvに連通する第一挿入孔313及び第一支持孔79に、第一ピン350が挿入される。これにより、第一ピン350によって、第一支持部7に対する位置決め部材300Aの幅方向Dw及び軸方向Daの位置決めを同時に行うことができる。つまり、位置決め部材300Aが固定された第二支持部8の第一支持部7に対する幅方向Dw及び軸方向Daの位置決めを第一ピン350によって、同時に行うことができる。このように、第一ピン350を第一挿入孔313及び第一支持孔79に挿入するだけの単純な作業で、第一支持部7に対して、位置決め部材300A及び位置決め部材300Aが固定された第二支持部8を正確な位置に容易に配置することができる。
【0093】
また、第二支持部8に対して位置決め部材300Aの固定する際に、第二支持部8の第一上縦梁部71や第一下縦梁部73に設定された第二被固定位置P81に、位置決め部材300Aの第二位置確定部315が重ねて配置される。このように、第二被固定位置P81と第二位置確定部315とを重ねるように移動させるだけで、第二支持部8に対して位置決め部材300Aを容易に位置決めすることができる。
【0094】
また、位置決め部材300Aの第二挿入孔312を、第二支持部8の第二支持孔88と重なる位置に配置した状態で、鉛直方向Dvに連通する第二挿入孔312及び第二支持孔88に、第二ピン360が挿入される。これにより、第二支持部8に対する位置決め部材300Aの幅方向Dw及び軸方向Daの位置決めを同時に行うことができる。このように、第二ピン360を第二挿入孔312及び第二支持孔88に挿入するだけの単純な作業で、第二支持部8に対して位置決め部材300Aを正確な位置に容易に配置することができる。
【0095】
また、第一ピン350及び第二ピン360がテーパピンとされている。そのため、第一挿入孔313及び第一支持孔79の位置が互いにわずかにずれていても、第一ピン350の挿入性を確保できる。同様に、第二挿入孔312及び第二支持孔88の位置がわずかにずれていても、第二ピン360の挿入性を確保できる。したがって、第一挿入孔313及び第一支持孔79や、第二挿入孔312及び第二支持孔88に、第一ピン350や第二ピン360を安定して挿入することができる。これにより、第一支持部7や第二支持部8に対する位置決め部材300Aを、安定して正確な位置に配置することができる。
【0096】
また、位置決め部材300Aでは、軸方向Daに間隔をあけて配置された複数の第一部材310同士が連結部材320によって連結される。これにより、位置決め部材300Aの剛性を向上させることができる。したがって、位置決め部材300Aが第一支持部7や第二支持部8に対して接触しても、変形してしまい、相対的な位置を決定する機能が損なわれてしまうことを抑制できる。その結果、第一支持部7に対して第二支持部8を安定して高精度に位置決めすることができる。
【0097】
また、仮設置面250に固定された第一支持部7と仮設置面250との鉛直方向Dvにおける第一間隔Sv1、及び仮設置面250に固定された第二支持部8と仮設置面250との鉛直方向Dvにおける第二間隔Sv2が記録されている。そして、記録した第一間隔Sv1を利用して、第一支持部7を設置面200上に固定する工程S35の前に、第一支持部7と設置面200との鉛直方向Dvにおける間隔が調整されている。さらに、記録した第二間隔Sv2を利用して、第二支持部8を設置面200上に固定する工程S49の前に、第二支持部8と設置面200との鉛直方向Dvにおける間隔が調整されている。これにより、設置面200上に設置する第一支持部7及び第二支持部8を、仮設置面250上に固定した状態の第一支持部7及び第二支持部8の鉛直方向Dvの高さに合わせることができる。つまり、仮設置面250上で決定された第一支持部7及び第二支持部8の鉛直方向Dvでの位置を、設置面200上で高精度かつ効率的に再現することが可能となる。これにより、設置面200上で第一支持部7や第二支持部8の鉛直方向Dvの位置を細かく調整する作業を省略して、高い精度で容易に設置することができる。
【0098】
同様に、仮設置面250に固定された第一支持部7と第三支持部6との鉛直方向Dvにおける第三間隔Sv3、及び仮設置面250に固定された第二支持部8と第四支持部9との鉛直方向Dvにおける第四間隔Sv4が記録されている。そして、記録した第三間隔Sv3を利用して、設置面200上の第一支持部7と第三支持部6との鉛直方向Dvにおける間隔が調整されている。さらに、記録した第四間隔Sv4を利用して、設置面200上の第二支持部8と第四支持部9との鉛直方向Dvにおける間隔が調整されている。これにより、設置面200上での第三支持部6及び第四支持部9を、仮設置面250上での第三支持部6及び第四支持部9の鉛直方向Dvの高さに合わせることができる。つまり、仮設置面250上で決定された第三支持部6及び第四支持部9の鉛直方向Dvでの位置を、設置面200上で高精度かつ効率的に再現することが可能となる。これにより、設置面200上で第三支持部6や第四支持部9の鉛直方向Dvの位置を細かく調整する作業を省略して、高い精度で容易に設置することができる。
【0099】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0100】
なお、圧縮機1は、ギアド圧縮機に限定されるものではなく、多段遠心圧縮機のように他のタイプの圧縮機1であってもよい。
【0101】
また、回転駆動機2は、電動モータであることに限定されるものではなく、圧縮機1を駆動させることができればよい。したがって、回転駆動機2は蒸気タービンやガスタービンであってもよい。
【0102】
また、本実施形態の圧縮機モジュール100の構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、圧縮機モジュール100は、第四ユニットDを有しておらず、第一ユニットB、第二ユニットC、及び第三ユニットAのみを有する構造であってもよい。
【0103】
また、第三支持部6上には、圧縮機1及びガス供給機器3のみが固定されていることに限定されるものではない。例えば、第三支持部6上には、他の冷却部4が固定されていてもよい。また、第一支持部7には、第一冷却部41及び第二冷却部42のみが固定されていることに限定されるものではない。第一支持部7には、他の冷却部4を含め三つ以上の冷却部4が固定されていてもよい。同様に、第二支持部8には、第三冷却部43及び第四冷却部44のみが固定されていることに限定されるものではない。第二支持部8には、他の冷却部4を含め三つ以上の冷却部4が固定されていてもよい。
【0104】
また、第一支持部7、第二支持部8、第三支持部6、及び第四支持部9の構造は上述した構造に限定されるものではない。さらに、第一支持部7、第二支持部8、第三支持部6、及び第四支持部9は、それぞれ別の構造であってもよい。
【0105】
また、第一支持部7と第二支持部8とは、互いに離れて配置される構造に限定されるものではない。例えば、第一支持部7と第二支持部8とは、仕口のような接続部材で互いに固定されていてもよい。
【0106】
また、位置決め部材300Aは上記実施形態の構造に限定されるものではない。位置決め部材300Aは、下記の変形例のように種々の構造が適用される。
【0107】
(第一変形例)
例えば、上記実施形態の位置決め部材300Aは、テーパピンである第一ピン350を第一挿入孔313及び第一支持孔79が挿入されることで、第一支持部7に対する第二支持部8の幅方向Dw及び軸方向Daの位置決めを同じ位置で行っている。しかしながら、位置決め部材300Aの構造は、このように一つのピンのように、幅方向Dw及び軸方向Daの位置決めを同じ位置で行う構造に限定されるものではない。
【0108】
例えば、図23に示すように、本開示の第一変形例における位置決め部材300Bでは、幅方向Dw及び軸方向Daの位置決めが別々の位置で行われる。具体的には、位置決め部材300Bでは、第一位置確定部317Aは、第一横接触部370と、第一縦接触部380とを有する。
【0109】
第一横接触部370は、第一支持部7に幅方向Dwから接触可能とされている。第一変形例の第一横接触部370は、第一部材310Aの他端に形成された溝である。第一変形例の第一横接触部370は、鉛直方向Dvから見た際に、第一部材310Aの端面からV字状に幅方向Dwに窪んでいる。
【0110】
第一縦接触部380は、第一支持部7に軸方向Daから接触可能とされている。本実施形態の第一縦接触部380は、軸方向Daにおいて、一対の第一部材310Aの間に配置されている。第一縦接触部380は、連結部材320に接続された板状の部材である。第一縦接触部380は、連結部材320から幅方向Dwに突出するように延びている。
【0111】
さらに、第一支持部7では、第一被固定位置P710は、第一横被固定位置P711と、第一縦被固定位置P712とを有している。第一横被固定位置P711は、第一横接触部370に幅方向Dwから接触することで、第一支持部7に対して位置決め部材300Bを幅方向Dwに移動不能とする。第一変形例の第一横被固定位置P711は、第一下縦梁部73(第一上縦梁部71)に固定されたピン状の部材である。第一横被固定位置P711は、第一下縦梁部73(第一上縦梁部71)の上面から鉛直方向Dvの上方に真っすぐ延びている。
【0112】
第一縦被固定位置P712は、第一縦接触部380に軸方向Daから接触することで、第一支持部7に対して位置決め部材300Bを軸方向Daに移動不能とする。第一変形例の第一縦被固定位置P712は、柱部75である。
【0113】
このような位置決め部材300Bでは、溝である第一横接触部370が、ピン状の部材である第一横被固定位置P711に幅方向Dwから押し当てられる。これにより、位置決め部材300Bは、第一支持部7に対して幅方向Dwで第一支持部7に近づくようには移動できなくなる。また、板状の第一縦接触部380が、柱部75に軸方向Daから押し当てられる。これにより、位置決め部材300Bは、第一支持部7に対して軸方向Daで柱部75に近づくようには移動できなくなる。このようにして、第一変形例でも、第一支持部7に対する第二支持部8の位置決めをする工程S45で、第一支持部7に対する第二支持部8の位置決めを、容易かつ確実に行うことができる。
【0114】
(第二変形例)
また、第一横接触部370及び第一縦接触部380は、上述した第一変形例の構造に限定されるものではない。例えば、図24に示すように、第二変形例における位置決め部材300Cでは、連結部材320Bが第一横接触部370Aとなる。具体的には、幅方向Dwにおいて、第一支持部7を向く連結部材320Bの端面が第一横接触部370Aとなる。この場合、第一横被固定位置P713は、第一下縦梁部73(第一上縦梁部71)となる。
【0115】
このような位置決め部材300Cでは、連結部材320Bの端面が、第一下縦梁部73(第一上縦梁部71)に幅方向Dwから押し当てられる。これにより、位置決め部材300Cは、第一支持部7に対して幅方向Dwで第一支持部7に近づくようには移動できなくなる。このようにして、第二変形例でも、第一支持部7に対する第二支持部8の位置決めをする工程S45で、第一支持部7に対する第二支持部8の位置決めを、容易かつ確実に行うことができる。
【0116】
(第三変形例)
また、図25に示すように、第三変形例における位置決め部材300Dでは、第一横接触部370B及び第一縦接触部380Bは、第一支持部7に対して接触する領域にローラを有している。第三変形例の第一横接触部370Bは、軸方向Daに延びる軸回りに回転自在とされたローラを有している。第一横接触部370Bでは、ローラが柱部75に対して、幅方向Dwから接触可能とされている。第一横接触部370Bは、軸方向Daに間隔を開けて、連結部材320に固定されている。この場合、第一横被固定位置P715は、柱部75となる。
【0117】
また、第三変形例の第一縦接触部380Bは、幅方向Dwに延びる軸回りに回転自在とされたローラを有している。第一縦接触部380Bでは、ローラが柱部75に対して、軸方向Daから接触可能とされている。第一縦接触部380Bは、連結部材320に固定されている。この場合、第一縦被固定位置P716は、柱部75となる。
【0118】
このような位置決め部材300Dでは、第一横接触部370Bのローラが、柱部75に幅方向Dwから押し当てられる。これにより、位置決め部材300Dは、第一支持部7に対して幅方向Dwで柱部75に近づくようには移動できなくなる。また、第一縦接触部380Bのローラが、柱部75に軸方向Daから押し当てられる。これにより、位置決め部材300Dは、第一支持部7に対して軸方向Daで柱部75に近づくようには移動できなくなる。このようにして、第三変形例でも、第一支持部7に対する第二支持部8の位置決めをする工程S45で、第一支持部7に対する第二支持部8の位置決めを、容易かつ確実に行うことができる。
【0119】
また、第一横接触部370B及び第一縦接触部380Bが、ローラを介して柱部75に接触している。これにより、第一横接触部370B及び第一縦接触部380Bが柱部75に接触する際に鉛直方向Dvに移動しても、柱部75に損傷が及ぶことが抑えられる。
【0120】
(第四変形例)
また、位置決め部材300Aは、第一支持部7及び第二支持部8に対して独立した部材であることに限定されるものではない。例えば、図26に示すように、第四変形例の位置決め部材300Eでは、その一部が第二支持部8の一部として形成されている。具体的には、位置決め部材300Eは、第一横接触部370Cと、第一縦接触部380Cとを有する。
【0121】
第四変形例の第一横接触部370Cは、第二支持部8の第一下縦梁部73(第一上縦梁部71)と一体に形成されている。第一横接触部370Cは、第一下縦梁部73(第一上縦梁部71)を幅方向Dwに延長したような構造となっている。また、第一横接触部370Cは、幅方向Dwにおいて第一支持部7に近い第一横接触部370Cの端面に、ゴム系材料等からなる緩衝材318を有している。第一横接触部370Cは、緩衝材318を介して、第一支持部7の第一下縦梁部73(第一上縦梁部71)と接触可能とされている。この場合、第一横被固定位置P717は、第一下縦梁部73(第一上縦梁部71)となる。
【0122】
また、第一縦接触部380Cは、軸方向Daにおいて、第一横接触部370Cと重ならない位置に配置されている。第一縦接触部380Cは、連第一横接触部370Cに接続された板状の部材である。第一縦接触部380Cは、第一横接触部370Cの軸方向Daを向く端面に固定されている。第一縦接触部380Cは、第一横接触部370Cから幅方向Dwに突出するように延びている。第一縦接触部380Cは、軸方向Daから第一下横梁部74(第一上横梁部72)に接触可能とされている。この場合、第一縦被固定位置P718は、第一下横梁部74(第一上横梁部72)である。
【0123】
このように、第一支持部7の第一下縦梁部73(第一上縦梁部71)に、第一横接触部370Cを接触させることによって、第一支持部7に対して位置決め部材300Eが幅方向Dwで第一支持部7に近づくようには移動できなくなる。また、第一支持部7の第一下横梁部74(第一上横梁部72)に、第一縦接触部380Cを接触させることによって、位置決め部材300Eが軸方向Daで第一支持部7に近づくようには移動できなくなる。このようにして、第四変形例でも、第一支持部7に対する第二支持部8の位置決めをする工程S45で、第一支持部7に対する第二支持部8の位置決めを、容易かつ確実に行うことができる。
【0124】
また、第一横接触部370Cが、緩衝材318を介して第一下縦梁部73(第一上縦梁部71)に接触している。これにより、第一横接触部370Cが第一下縦梁部73(第一上縦梁部71)に接触する際に鉛直方向Dvに移動しても、第一下縦梁部73(第一上縦梁部71)に損傷が及ぶことが抑えられる。
【0125】
(第五変形例)
また、上記実施形態の位置決め部材300Aでは、位置決め部材300Aは第一支持部7及び第二支持部8に取り付けられている。しかしながら、位置決め部材300Aの構造は、第一支持部7と第二支持部8との幅方向Dwの間隔を設置間隔Ldに合わせることができれば、どのような構造であってもよい。
【0126】
例えば、図27に示すように、位置決め部材300Aを第三支持部6及び第四支持部9に取り付けて、第一支持部7と第二支持部8との幅方向Dwの間隔を設置間隔Ldに合わせてもよい。つまり、位置決め部材300Aは、第三支持部6及び第四支持部9に配置されてもよい。具体的には、位置決め部材300Aの第一部材310の一端は、第四支持部9の第三縦梁部61に固定される。第一部材310の他端は、第三支持部6の第三縦梁部61に固定される。
【0127】
また、第二支持部8を設置面200に設置する前に、設置面200に設置された第一支持部7に対して第三支持部6を固定する。具体的には、第一ユニットBに対して第三ユニットAを固定する。その後、第二ユニットCに対して第四支持部9を固定する。その際、第二ユニットCに対して、第四ユニットDを直接固定してもよく、第四支持部9を固定した後に、第五冷却部45及び第六冷却部46を固定してもよい。第一ユニットBに対して第三支持部6が固定され、第二ユニットCに対して第四支持部9が固定された状態で第四支持部9に対して位置決め部材300Aが固定される。
【0128】
その後、第二支持部8及び第四支持部9を、クレーン等で吊り下げることで、第一支持部7に対して幅方向Dwに間隔をあけて移動可能な状態で配置する。第二支持部8及び第四支持部9を移動させ、第四支持部9に固定された位置決め部材300Aが第三支持部6に対して固定される。これによって、第三支持部6及び第四支持部9を介して、位置決め部材300Aによって、幅方向Dw及び軸方向Daにおける設置面200上での第一支持部7に対する第二支持部8の位置決めが完了される。
【0129】
このような構成によっても、第一支持部7に対する第二支持部8の位置決めを、容易かつ確実に行うことができる。
【0130】
<付記>
各実施形態に記載の圧縮機モジュール100の組立方法S10、及び圧縮機モジュール100は、例えば以下のように把握される。
【0131】
(1)第1の態様に係る圧縮機モジュール100の組立方法S10は、軸線O回りに回転する回転軸1aを有し、段階的に流体を圧縮可能な圧縮機1と、前記圧縮機1に対してシールガスを供給するガス供給機器3と、前記圧縮機1で圧縮された流体を冷却する複数の冷却部4と、少なくとも二つの冷却部4を鉛直方向Dvの下方から支持し、前記鉛直方向Dvに延びる複数の柱部75と第一方向に延びる複数の梁部71、73によって、直方状に形成された第一支持部7と、前記第一支持部7に対して前記第一方向に間隔をあけて配置され、前記第一支持部7と異なる少なくとも二つの前記冷却部4を前記鉛直方向Dvの下方から支持し、前記鉛直方向Dvに延びる複数の柱部75と前記第一方向に延びる複数の梁部71、73によって、直方状に形成された第二支持部8と、前記第一支持部7の前記鉛直方向Dvの真上に固定され、前記圧縮機1及び前記ガス供給機器3を前記鉛直方向Dvの下方から支持する第三支持部6と、を含む圧縮機モジュール100の組立方法S10であって、前記第一支持部7及び前記第二支持部8が設置面200上に固定された状態での前記第一支持部7と前記第二支持部8との前記第一方向の設置間隔Sdに合わせて形成された位置決め部材300Aを準備する工程S20と、少なくとも二つの前記冷却部4が固定された状態の前記第一支持部7を設置面200上に固定する工程S35と、前記第一支持部7と異なる少なくとも二つの前記冷却部4が固定された状態の前記第二支持部8を、前記第一支持部7に対して前記第一方向に間隔をあけて移動可能な状態で配置する工程S43と、前記第一支持部7と前記第二支持部8との前記第一方向の間隔を、前記位置決め部材300Aによって前記設置間隔Sdに合わせ、前記第一方向及び前記鉛直方向Dvと直交する第二方向と前記第一方向とにおける前記設置面200上での前記第一支持部7に対する前記第二支持部8の位置決めをする工程S45と、前記第二支持部8を前記設置面200上に固定する工程S49と、を含む。
【0132】
この圧縮機モジュール100の組立方法S10では、第一支持部7と第二支持部8との幅方向Dwの設置間隔Ldに合わせて形成された位置決め部材300Aが、事前に準備される。そして、第一支持部7が設置面200上に固定された後に、第一支持部7に対して第一方向に間隔をあけて移動可能な状態で第二支持部8が配置される。その後、第二支持部は、第一支持部7に対する幅方向Dwでの第二支持部8の間隔を、位置決め部材300Aによって、設置間隔に合わせた状態で位置決めされて、設置面200上に固定される。これにより、設置面200上に、第一支持部7と第二支持部8との第一方向の間隔を、設置間隔に高い精度で合わせて固定することができる。したがって、設置面200上で細かな位置調整を行うことなく、位置決め部材300Aによって、第一支持部7と第二支持部8とを、高い精度で容易に設置することができる。その結果、圧縮機モジュール100を効率良く高精度に組み立てることができる。
【0133】
(2)第2の態様に係る圧縮機モジュール100の組立方法S10は、(1)の圧縮機モジュール100の組立方法S10であって、前記第二支持部8が前記第一支持部7に対して移動可能な状態で配置する工程S43の前に、前記第一支持部7と異なる少なくとも二つの前記冷却部4が固定された状態の前記第二支持部8に前記位置決め部材300Aを固定する工程S41をさらに含む。
【0134】
このような構成によれば、第二支持部8を第一支持部7に対して移動可能な状態で配置する前に、第二支持部8に位置決め部材300Aが固定されている。つまり、第二支持部8と位置決め部材300Aとが一体に移動可能な状態とされている。これにより、第二支持部8を移動するだけで、第一支持部7と第二支持部8との第一方向の間隔を、位置決め部材300Aによって、設置間隔に合わせることができる。したがって、第一支持部7と第二支持部8との第一方向の間隔を設置間隔に合わせる際に、設置面200上で第一支持部7と第二支持部8の双方に、位置決め部材300Aを固定する手間が省略できる。これにより、設置面200上で作業を低減して、第一支持部7と第二支持部8との位置決め作業を効率的に行うことができる。
【0135】
(3)第3の態様に係る圧縮機モジュール100の組立方法S10は、(1)又は(2)の圧縮機モジュール100の組立方法S10であって、前記位置決め部材300Aを準備する工程S20は、前記設置面200とは異なる他の場所に設定された仮設置面250上に、前記第一支持部7を固定する工程S21と、前記仮設置面250上での前記第一支持部7に対する前記第二支持部8の位置を決定した後、前記第二支持部8を前記仮設置面250上に固定する工程S22と、前記仮設置面250上に固定された前記第一支持部7と前記第二支持部8との前記第一方向の間隔を前記設置間隔Sdとして前記位置決め部材300Aを形成する工程S25とを含む。
【0136】
このような構成によれば、仮設置面250上に固定された第一支持部7と第二支持部8との幅方向Dwの間隔を設置間隔Sdとして、位置決め部材300Aを形成する。これにつまり、仮設置面250上で相対的な位置が決定された第一支持部7と第二支持部8との第一方向の間隔である設置間隔Sdに基づいて、位置決め部材300Aを形成することができる。このような位置決め部材300Aを用いて設置面200上で第一支持部7と第二支持部8とを固定することで、設置面200上の第一支持部7と第二支持部8との第一方向の間隔を、設置間隔Sdに容易に合わせることができる。つまり、仮設置面250上で決定された第一支持部7と第二支持部8との相対的な位置を、設置面200上で高精度かつ効率的に再現することが可能となる。これにより、設置面200上で、第一支持部7と第二支持部8とを、容易に高い精度で設置することができる。
【0137】
(4)第4の態様に係る圧縮機モジュール100の組立方法S10は、(1)から(3)の何れか一つの圧縮機モジュール100の組立方法S10であって、前記第一支持部7は、前記柱部75及び前記梁部71、73の少なくとも一方に前記位置決め部材300Aが保持される第一被固定位置P71を有し、前記位置決め部材300Aは、前記第一被固定位置P71と重なる位置に配置されることで、前記第一支持部7に対して前記第一方向及び前記第二方向に移動不能とされる第一位置確定部317を有し、前記第一支持部7に対する前記第二支持部8の位置決めをする工程S45では、前記第二支持部8は、前記第一位置確定部317を前記第一被固定位置P71と重ねるように移動される。
【0138】
これにより、第一被固定位置P71と第一位置確定部317とを重ねるように移動させるだけで、位置決め部材300Aを介して、第一支持部7に対して位置決め部材300Aを容易に位置決めすることができる。
【0139】
(5)第5の態様に係る圧縮機モジュール100の組立方法S10は、(4)の圧縮機モジュール100の組立方法S10であって、前記第一支持部7は、前記第一被固定位置P71に形成された第一支持孔79を有し、前記第一位置確定部317は、前記第一支持部7上に配置された場合に前記第一支持孔79と重なる位置に配置され、前記鉛直方向Dvに連通する第一挿入孔313と、前記第一挿入孔313及び前記第一支持孔79に挿入可能な第一ピン350と、を有し、前記第一支持部7に対する前記第二支持部8の位置決めをする工程S45では、前記第一挿入孔313及び前記第一支持孔79の位置が重なった状態で、前記第一ピン350が前記第一挿入孔313及び前記第一支持孔79に挿入される。
【0140】
このような構成によれば、第一ピン350によって、第一支持部7に対する位置決め部材300Aの第一方向及び第二方向の位置決めを同時に行うことができる。このように、第一ピン350を第一挿入孔313及び第一支持孔79に挿入するだけの単純な作業で、第一支持部7に対して、位置決め部材300Aを正確な位置に容易に配置することができる。
【0141】
(6)第6の態様に係る圧縮機モジュール100の組立方法S10は、(5)の圧縮機モジュール100の組立方法S10であって、前記第一ピン350は、前記鉛直方向Dvの上方から下方に向かって外径が漸次縮小するテーパピンである。
【0142】
これにより、第一挿入孔313及び第一支持孔79の位置が互いにわずかにずれていても、第一ピン350の挿入性を確保できる。したがって、第一挿入孔313及び第一支持孔79に、第一ピン350を安定して挿入することができる。これにより、第一支持部7や第二支持部8に対して位置決め部材300Aを、安定して正確な位置に配置することができる。
【0143】
(7)第7の態様に係る圧縮機モジュール100の組立方法S10は、(2)の圧縮機モジュール100の組立方法S10であって、前記第二支持部8は、前記柱部75及び前記梁部71、73の少なくとも一方に前記位置決め部材300Aが保持される第二被固定位置P81を有し、前記位置決め部材300Aは、前記第二被固定位置P81と重なる位置に配置されることで、前記第二支持部8に対して前記幅方向Dw及び前記軸方向Daに移動不能とされる第二位置確定部315を有し、前記第二支持部8は、前記第二被固定位置P81に形成された第二支持孔88を有し、前記第二位置確定部315は、前記第二支持部8上に配置された場合に前記第二支持孔88と重なる位置に配置され、前記鉛直方向Dvに連通する第二挿入孔312と、前記第二挿入孔312及び前記第二支持孔88に挿入可能な第二ピン360と、を有し、前記第二支持部8に前記位置決め部材300Aを固定する工程S41では、前記第二挿入孔312及び前記第二支持孔88の位置が重なった状態で、前記第二ピン360が前記第二挿入孔312及び前記第二支持孔88に挿入された後に、前記第二支持部8に前記位置決め部材300Aが固定される。
【0144】
これにより、第二支持部8に対する位置決め部材300Aの第一方向及び第二方向の位置決めを同時に行うことができる。このように、第二ピン360を第二挿入孔312及び第二支持孔88に挿入するだけの単純な作業で、第二支持部8に対して位置決め部材300Aを正確な位置に容易に配置することができる。
【0145】
(8)第8の態様に係る圧縮機モジュール100の組立方法S10は、(1)から(7)の何れか一つの圧縮機モジュール100の組立方法S10であって、前記位置決め部材300Aは、一端が前記第二支持部8に固定されて前記幅方向Dwに延び、前記軸方向Daに間隔をあけて配置される複数の第一部材310と、複数の前記第一部材310同士を連結する連結部材320をさらに備える。
【0146】
これにより、位置決め部材300Aの剛性を向上させることができる。したがって、位置決め部材300Aが第一支持部7や第二支持部8に対して接触しても、変形してしまい、相対的な位置を決定する機能が損なわれてしまうことを抑制できる。その結果、第一支持部7に対して第二支持部8を安定して高精度に位置決めすることができる。
【0147】
(9)第9の態様に係る圧縮機モジュール100の組立方法S10は、(3)の圧縮機モジュール100の組立方法S10であって、前記仮設置面250に固定された前記第一支持部7と前記仮設置面250との前記鉛直方向Dvにおける第一間隔Sv1、及び前記仮設置面250に固定された前記第二支持部8と前記仮設置面250との前記鉛直方向Dvにおける第二間隔Sv2を記録する工程S26と、前記第一支持部7を前記設置面200上に固定する工程S35の前に、前記第一支持部7と前記設置面200との前記鉛直方向Dvにおける間隔を前記第一間隔Sv1に合わせて調整する工程S33と、前記第二支持部8を前記設置面200上に固定する工程S49の前に、前記第二支持部8と前記設置面200との前記鉛直方向Dvにおける間隔を前記第二間隔Sv2に合わせて調整する工程S47と、をさらに含む。
【0148】
これにより、設置面200上に設置する第一支持部7及び第二支持部8を、仮設置面250上に固定した状態の第一支持部7及び第二支持部8の鉛直方向Dvの高さに合わせることができる。つまり、仮設置面250上で決定された第一支持部7及び第二支持部8の鉛直方向Dvでの位置を、設置面200上で高精度かつ効率的に再現することが可能となる。これにより、設置面200上で第一支持部7や第二支持部8の鉛直方向Dvの位置を細かく調整する作業を省略して、高い精度で容易に設置することができる。
【0149】
(10)第10の態様に係る圧縮機モジュール100は、軸線O回りに回転する回転軸1aを有し、段階的に流体を圧縮可能な圧縮機1と、前記圧縮機1に対してシールガスを供給するガス供給機器3と、前記圧縮機1で圧縮された流体を冷却する複数の冷却部4と、少なくとも二つの冷却部4を鉛直方向Dvの下方から支持し、前記鉛直方向Dvに延びる複数の柱部75と第一方向に延びる複数の梁部71、73によって、直方状に形成された第一支持部7と、前記第一支持部7に対して前記第一方向に間隔をあけて配置され、前記第一支持部7と異なる少なくとも二つの前記冷却部4を前記鉛直方向Dvの下方から支持し、前記鉛直方向Dvに延びる複数の柱部75と前記第一方向に延びる複数の梁部71、73によって、直方状に形成された第二支持部8と、前記第一支持部7の前記鉛直方向Dvの真上に固定され、前記圧縮機1及び前記ガス供給機器3を前記鉛直方向Dvの下方から支持する第三支持部6と、前記第一支持部7及び前記第二支持部8が設置面200上に固定された状態での前記第一支持部7と前記第二支持部8との前記第一方向の設置間隔Sdに合わせて形成され、前記第一方向及び前記鉛直方向Dvと直交する第二方向と前記第一方向とにおける前記第二支持部8と前記第一支持部7との相対的な位置を決定する位置決め部材300Aと、を備える。
【符号の説明】
【0150】
1…圧縮機
1a…回転軸
1b…ギアケーシング
2…回転駆動機
2a…出力軸
3…ガス供給機器
4…冷却部
5…オイルコンソール機器
6…第三支持部
6a…第三枠体
7…第一支持部
7a…第一上枠体
7b…第一下枠体
8…第二支持部
9…第四支持部
10…圧縮部
11…第一圧縮部
12…第二圧縮部
13…第三圧縮部
14…第四圧縮部
15…第五圧縮部
16…第六圧縮部
17…第七圧縮部
18…第八圧縮部
25…駆動支持部
31…配管
40…シェル
41…第一冷却部
42…第二冷却部
43…第三冷却部
44…第四冷却部
45…第五冷却部
46…第六冷却部
49…伸縮継手
61…第三縦梁部
62…第三横梁部
65…台板本体
71…第一上縦梁部(梁部)
72…第一上横梁部
73…第一下縦梁部(梁部)
74…第一下横梁部
75…柱部
78…梁ボルト挿通孔
79…第一支持孔
88…第二支持孔
100…圧縮機モジュール
200…設置面
250…仮設置面
300A~300E…位置決め部材
310、310A…第一部材
311…部材ボルト挿通孔
312…第二挿入孔
313…第一挿入孔
315…第二位置確定部
317、317A…第一位置確定部
318…緩衝材
319…第三位置確定部
320、320B…連結部材
330…ボルト及びナット
350…第一ピン
360…第二ピン
370、370A、370B、370C…第一横接触部
380、380B、380C…第一縦接触部
400…ボルト
401…シム
403…高さ調整ボルト
500…アンカーボルト
A…第三ユニット
B…第一ユニット
C…第二ユニット
D…第四ユニット
Da…軸方向
Dv…鉛直方向
Dw…幅方向
O…軸線
P71、P710…第一被固定位置
P711、P713、P715、P717…第一横被固定位置
P712、P716、P718…第一縦被固定位置
P81…第二被固定位置
S10…圧縮機モジュールの組立方法
S20…位置決め部材を準備する工程
S21…第一支持部を仮設置面上に固定する工程
S22…第二支持部を仮設置面上に固定する工程
S23…第三支持部を第一支持部上に配置する工程
S24…第四支持部を第二支持部上に配置する工程
S25…位置決め部材を形成する工程
S26…寸法を記録する工程
S27…圧縮機モジュールを分解する工程
S30…第一支持部を設置面に設置する工程
S31…第一支持部の位置決めをする工程
S33…第一支持部と設置面との鉛直方向における間隔を第一間隔に合わせて調整する工程
S35…第一支持部を設置面上に固定する工程
S40…第二支持部を設置面に設置する工程
S41…位置決め部材を第二支持部に固定する工程
S43…第二支持部を移動可能な状態で配置する工程
S45…第二支持部の位置決めをする工程
S47…第二支持部と設置面との鉛直方向における間隔を第二間隔に合わせて調整する工程
S49…第二支持部を設置面上に固定する工程
S50…第三支持部を第一支持部上に固定する工程
S60…第四支持部を第二支持部上に固定する工程
Ld…設置間隔
Sd…暫定設置間隔
Sv1…第一間隔
Sv2…第二間隔
Sv3…第三間隔
Sv4…第四間隔
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