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  • 特開-塗布装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121104
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】塗布装置
(51)【国際特許分類】
   A23P 20/15 20160101AFI20240830BHJP
   A21C 15/00 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
A23P20/15
A21C15/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028008
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000103138
【氏名又は名称】エムケー精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】澤田 悠太
【テーマコード(参考)】
4B031
4B048
【Fターム(参考)】
4B031CA14
4B031CB09
4B031CJ19
4B048PE08
4B048PN03
4B048PN23
4B048PN30
(57)【要約】
【課題】作業者にとってメンテナンスのしやすい塗布装置を提供する。
【解決手段】
本発明の一解決手段に係る塗布装置10は、台21と、台21と固定されるシャフト27と、シャフト27が貫通し台21と共に幅方向へ往復移動するテーブル41と、テーブル41の上面に固定されシャフト27が貫通するシャフトカバー29と、を備える塗布装置であって、
台21は、上部にプレート22と、プレート22の下部にシャフトカバー29に被さる筒23と、筒23内にスプリング31と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台と、前記台と固定されるシャフトと、前記シャフトが貫通し前記台と共に幅方向へ往復移動するテーブルと、前記テーブルの上面に固定され前記シャフトが貫通するシャフトカバーと、を備える塗布装置であって、
前記台は、上部にプレートと、前記プレートの下部に前記シャフトカバーに被さる筒と、前記筒内にスプリングと、を備える、
ことを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
前記台は、上下方向に移動し、
前記シャフトカバーは、前記筒と前記シャフトカバーが被さる面にOリングを備える、
ことを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば菓子やホールケーキのスポンジ等にクリーム等を塗布する塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平11-151066号(以下「特許文献1」という)には、ホール状のスポンジケーキにクリームやチョコレートを塗布する装置が記載されている。この塗布装置は、スポンジケーキを回転テーブルに載せ、回転テーブルを回転させる事によってL字型のノズルから吐出されるクリームをケーキの上面と側面に塗布しコーティングしている。
【0003】
スポンジケーキは多孔質である。そのため、スポンジケーキをコーティングする際は、クリームを多量に塗布し孔を埋める必要がある。特許文献1のような塗布装置では、L型ノズルから多量にクリームを吐出し、ケーキ表面を均し、余分なクリームをL型ノズルの内縁で削り落としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-151066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような塗布装置は余分なクリームをL型ノズルで削り落とすためクリームが装置に付着しやすい。また、付着したクリームは、回転部材とスポンジケーキを載せるテーブルとの間から収納穴へ侵入してしまう恐れがある。侵入したクリームが収納穴で固着すると、収納穴内のボールは回転できず、塗布装置のテーブルは回転できなくなってしまう恐れがある。それゆえ、作業者は塗布装置の稼働中、クリームが回転部材とテーブルとの間に侵入する前に装置を止めてクリームをふき取らなければならず、メンテナンスに手間を要する。
【0006】
本発明の一目的は、作業者にとってメンテナンスのしやすい塗布装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一解決手段に係る塗布装置は、台と、台と固定されるシャフトと、シャフトが貫通し台と共に幅方向へ往復移動するテーブルと、テーブルの上面に固定されシャフトが貫通するシャフトカバーとを備え、台は、上部にプレートと、プレートの下部にシャフトカバーに被さる筒と、筒内にスプリングとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一解決手段によれば、作業者にとってメンテナンスのしやすい塗布装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る塗布装置の斜視図である。
図2図1の側面図である。
図3図1のステージ周辺を模式的に示す斜視図である。
図4図3の平面図である。
図5図4のA-A’線の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明における実施形態では、必要な場合に複数のセクションなどに分けて説明するが、原則、それらはお互いに無関係ではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細などの関係にある。このため、全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
また、構成要素の数(個数、数値、量、範囲などを含む)については、特に明示した場合や原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。また、構成要素などの形状に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る塗布装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る塗布装置の斜視図である。図2は塗布装置の側面図ある。なお、図中のx軸方向を塗布装置の左右方向または幅方向、y軸方向を上下方向、z軸方向を前後方向として説明する。
【0013】
塗布装置10は、例えばホール状やドーム状のスポンジケーキ(以下、食品という。)に生クリームやバタークリームなどのクリームやチョコレートなど(以下、塗布物という。)を塗布することができる。本発明の実施形態に係る塗布装置では、塗布物を生クリームなどの粘体を例として説明するが、塗布物は液体や粉体もしくはこれらに固形物が混入するものなども想定する。
【0014】
塗布装置10は架台19と、本体上部18と、キャスタ17を備えている。本体上部18は架台19の上部に設けられ、キャスタ17は架台19の底面に設けられている。
【0015】
また、塗布装置10は、ホッパー12を備えている。ホッパー12は、後述するノズル14から吐出する塗布物を収容する容器であり、容器12aと容器12bを有している。容器12aは、下部の口径より上部の口径の方が大きい円錐台の形状をすることが好ましい。容器12bは、容器12aの外周に設けられ、容器12aに収容する塗布物の温度を一定に保つことができる。具体的に説明すると、例えば塗布物が生クリームなどのとき、容器12bは生クリームを冷却するよう氷や氷水を収容し、塗布物がチョコレートなどのとき、容器12bは、容器12aを適温に保温するよう湯などを収容する容器である。また、容器12bには、氷や氷水(または湯など)を投入しやすいよう容器12bの上部に投入口15が設けられている。さらに、容器12bは、収容する氷や氷水など(または湯など)を排出することができるよう下部に排出口16が設けられている。
【0016】
塗布装置10は、ホッパー12の下部に充填ポンプ13を有している。充填ポンプ13は、例えばロータリ式のポンプである。充填ポンプ13は、充填ポンプ13と連通するホッパー12に収容される塗布物を充填ポンプ13の下部に接続されるノズル14に一定量送り込むことができるものである。なお、本実施形態の充填ポンプ13はロータリ式で説明するが、チューブポンプ式やシリンダ式、ピストン式、スクリュ式などを使用してもよい。
【0017】
また、充填ポンプ13の下部には、ノズル14が備えられている。ノズル14は、食品に塗布物を塗布するためのものである。ノズル14は一端が充填ポンプ13と連通し、他端は塗布物を吐出するよう開口している。ノズル14は食品の形状により交換可能である。例えば食品がホールケーキのような円筒の形状の場合、ケーキの上面と側面とに塗布物を塗布するためL型のノズル14を用いるとよい。食品がドーム型の場合、ドームの曲面に合わせて湾曲した形状のノズル14を用いるとよい。このように、塗布装置10は食品の形状に合わせてノズル14を交換することができる。
【0018】
塗布装置10は、台21を有している。台21は、食品を載置するプレート22を上部に備え、円筒状の筒23を下部に備えている。台21は後述する回転装置20により回転したり、こちらも後述するスライド装置40と昇降装置80により幅方向に往復移動ながら昇降したりすることができる。
【0019】
塗布装置10はセンサ61を有している。センサ61は例えば反射式の光電センサを用いることが好ましい。センサ61は台21に載置される食品を検出するよう本体上部18の前方側に設けられている。センサ61により塗布装置10は、台21に食品が載置され、かつ、台21がノズル14の下部に位置したことを検出することができる。
【0020】
塗布装置10はハンドル71、72を有している。ハンドル71は本体上部18を昇降させるもので、食品の高さに合わせて本体上部18を昇降させノズル14と食品との高さ方向における距離を調節するためのものである。また、ハンドル72は本体上部18を前後に移動させるためのもので、食品の径に合わせてノズル14と食品との水平方向における距離を調節するためのものである。このように、塗布装置10は、ハンドル71、72により本体上部18を上下と前後に移動させノズル14と食品との距離を調節することができる。
【0021】
塗布装置10は、受け容器74を備えている。ノズル14から吐出される塗布物は、ノズル14の縁で余剰分がこそげ落とされる。受け容器74は余分な塗布物を受け止め収容するためのものである。これにより、受け容器74はノズル14から吐出される塗布物が上下と前後に移動する本体上部18と本体下部19との間に侵入することを防ぐためのものである。
【0022】
塗布装置10は、本体上部18にタッチパネル式の操作パネル73を有している。操作パネル73は、ノズル14から吐出される塗布物の吐出量や、台21が回転する速さ、台21が幅方向に移動する速さをなどの調整を行うキー入力部を有している。
【0023】
また、塗布装置10は、台21を回転させ、幅方向に移動させる(食品に塗布物を塗布させる)ことを遠隔で指示するためのスイッチ76を有している。スイッチ76は、本体上部18と一定距離離れて操作することができるよう有線で接続されている。そのため、作業者は、塗布装置10から離れたところで塗布装置10に指示を送ることができる。また、スイッチ76は本体から有線でつなげているため足踏み式のスイッチ76として使用することもできる。ケーキを載置したり取り外すとき、作業者の両手はふさがる。スイッチ76を足踏み式にすることで、作業者は足でスイッチ76を踏めるため、両手が塞がっていても塗布装置10を操作することができる。そのため、作業者にとって作業効率が良い。また、塗布装置10は、スイッチ76を固定するスイッチ掛け77を有している。スイッチ掛け77は、スイッチ76を使用しないとき、スイッチ76を収納するためのものである。尚、スイッチ76は、本体11と有線で接続すると説明したが、これにこだわることなく、スイッチ76は、塗布装置10と無線で接続させることも可能である。
【0024】
また、塗布装置10はガイド75を有している。ガイド75は、食品を台21から取り外すときに、スパチュラを食品と台21との間に差し込む位置を示すためのものである。また、ガイド75は、例えば、波型などのプレートをスパチュラ台75に取付けることで食品の側面に波型などの模様をつけることができる。このスパチュラ台75は、塗布装置10から取り外すことが可能である。
【0025】
図3図1のステージ70周辺を模式的に示す斜視図である。図4図1のステージ70周辺の平面図である。図5図4のA-A’線の断面図である。なお、説明を容易にするため図中の一部を破線で示している。架台19はステージ70を有している。ステージ70は、塗布物を食品に塗布するためのエリアである。ステージ70の上面には、台21および後述するステージ70が幅方向に往復移動するためのスリット42が設けられている。また、ステージ70の上面には、スリット42の周囲を囲むようスリットカバー43が設けられている。スリットカバー43は、ステージ70に取り外し可能に固定され、スリット42内に塗布物や異物などが侵入することを防ぐためのものである。
【0026】
さらに、ステージ70の上面にはスリットカバー43を覆うようにテーブル41が設けられている。後述するスライド装置40によりテーブル41は、ステージ70の上面を左右に往復移動することができる。また、スリットカバー43の長手方向にガイドブロック44が設けられている。ガイドブロック44には、ガイドブロック44とテーブル41とが接触する上面と側面とにローラー45が設けられている。ローラー45はテーブル41をガイドブロック44上で摺動しやすくしている。
【0027】
塗布装置10は、回転装置20を有している。回転装置20は、台21やモータ24、カップリング25、シャフト27を備えている。回転装置20は、モータ24の駆動によりモータ24の駆動軸が回転し、駆動軸に取り付けられる下カップリング25bも回転する。また、下カップリング25bと連結する上カップリング25aも回転する。さらに、上カップリング25aにはシャフト27が接続される。これにより、モータ24の駆動に伴いシャフト27は回転する。また、シャフト27は、上部に複数の凹み26を有している。シャフト27は、筒23の外周からピン33が凹み26に向かって押し込まれると、台21と固定される。固定されることにより台21は、シャフト27の回転と共に回転することができる。このように回転装置20は、モータ24の駆動により台21を回転させることができる。台21が回転することにより台21に載置される食品も回転することができる。それにより塗布装置10は、ノズルから吐出される塗布物を回転する食品の上面と側面に塗布することができる。シャフト27と台21の固定方法は、シャフト27と台21とが固定される方法なら本実施形態にこだわることなく、シャフト27に孔を設けて筒23から孔に向かってピンを挿入させる構成としてもよい。
【0028】
塗布装置10は、スライド装置40を有している。スライド装置40は、台21とテーブル41を幅方向に往復移動(スライド移動)させるためのものである。台21に載置される食品を塗布装置10の左側(図1の右側)へ移動させることで、食品の上面にフルーツなどの盛り付けやクリームなどのデコレーションをすることができる。また、ノズル14の下部に載置される食品を塗布装置10の左側(図面1の右側)へ移動させることで、塗布物が塗布された食品を充填ノズル14と接触させずに取り外すことができる。また、新しい食品を充填ノズル14と接触させずに台21に乗せることができる。
【0029】
スライド装置40について具体的に説明する。スライド装置40は、例えば、モータ53、駆動アーム51、従動アーム52、部材54を備えている。モータ53の駆動軸には駆動アーム51の一端が取り付けられている。駆動アーム51はモータ53の駆動軸に接続され、モータ53が駆動することにより駆動軸を中心に回転する。また、駆動アーム51の他端には従動アーム52の一端が接続され(接続部55)、駆動アーム51の回転により従動アーム52は回転可能に接続されている。そのため、モータ53の駆動により、駆動アーム51の他端が本体11の右方向(図3の左側)へと移動するとき、駆動アーム51と従動アーム52は伸張し、駆動アーム51の他端が本体11の左方向(図3の右側)へと移動するとき、駆動アーム51と従動アーム52は接続部55で屈折する。
【0030】
モータ24の上面にはプレート状の部材54が取り付けられている。従動アーム52の他端は、この部材54に接続されている(接続部56)。また、部材54には、モータ24の駆動軸が通るように孔が設けられている。これにより、駆動アーム51と従動アーム52が伸張するとき、台21はノズルの下部に位置(図3の左側)し、駆動アーム51と従動アーム52が接続部55で屈折するとき、台21は、塗布装置10の左側(図3の右側)に位置する。このように、スライド装置40はモータ53の駆動により駆動アーム51と従動アーム52を接続部55で屈伸させることで、台21をスライド移動させることができる。
【0031】
ここで、部材58は、後述する部材57を介して部材54と接続している。そのため、部材58から順次接続されるシャフト受け28、シャフトカバー29、テーブル41もスライド装置40により幅方向へ移動することができる。具体的に説明すると、部材58には、シャフト受け28が設けられている。シャフト受け28は、遠心力によりシャフト27が揺れ動くことを防ぐためのものである。また、シャフト受け28は、回転するシャフト27が回転しやすいよう(滑りやすいよう)シャフト27とシャフト受け28との間にブッシュなどが備えられている。
【0032】
シャフト受け28には、シャフトカバー29が備えられている。シャフトカバー29は、テーブル41に固定され、後述する昇降装置80によりシャフト受け28がシャフトカバー29内で上下に摺動するよう取付けられている。そのため、シャフト受け28とシャフトカバー29との間にはシャフト受け28が上下に摺動しやすいよう(滑りやすいよう)ブッシュなどが備えられている。このようにシャフト受け28とシャフトカバー29、テーブル41は、部材58と接続する関係にあるため、モータ53の駆動によりテーブル41もスライドすることができる。よって、スライド装置40により、台21とテーブル41はスライド移動することができる。
【0033】
次に昇降装置80について具体的に説明する。昇降装置80は、台21を上下に移動させるためのものである。昇降装置80はレール81、部材57を有している。レール81は、ステージ70背面内側に設けられている。塗布装置10の正面視においてレール81の右端は左端と比べて下方向に低く設けられている。レール81には、レール81を移動するプレート状の部材57が設けられている。この部材57がレール81に設けられることで、部材57は、傾斜するレール81により幅方向に移動しながら昇降することができる。また、部材57の下部(一辺)には部材54が接続されている。また、部材57の上部(他辺)は部材58と接続されている。つまり、部材57が昇降することで台21を昇降させることができる。
【0034】
前述したようにモータ24とカップリング25、シャフト27、台21らはそれぞれ接続されている。そのため、部材57の移動により、これらはスライドしながら昇降する。また、部材58とシャフト受け28も部材57と接続されている。そのため、部材57の移動により部材58とシャフト受け28もスライドしながら昇降する。一方、シャフトカバー29はテーブル41に固定され設けられている。また、シャフトカバー29はシャフト受け28が上下に摺動するように設けられている。そのため、部材57が移動してもシャフトカバー29はテーブル41とともにスライド移動をするが上下移動を行わない。
【0035】
また、台21の筒23は、シャフトカバー29に被さるように設けられている。そのため、シャフト受け28内でシャフト27が摺動するとき、つまり、台21が昇降するとき、筒23はシャフトカバー29の外面を摺動することができる。筒23がシャフトカバー29の上部に被さる構成としたことで、筒23とシャフトカバー29との間に塗布物が侵入することを防いでいる。さらに、シャフトカバー29にはОリング30が設けられている。Оリング30は、筒23とシャフトカバー29との間に塗布物が侵入することをさらに防ぐことができる。このような構成としたことで塗布装置10は、筒23とシャフトカバー29との間に塗布物が侵入することを防ぐことができる。
【0036】
また、台21内にはスプリング31が備えられている。スプリング31は、テーブル41を下方向に押さえつけるためのものである。具体的に説明すると、スプリング31は環の中にシャフト27とシャフト受け28が挿入され、かつ、シャフトカバー29の上部に設けられている。ここで先に記述したようにシャフト27と台21とは固定されているため、スプリング31は、台21の重さにより下方向へ押しつけられる。下方向に押しつけられたスプリング31は、シャフトカバー29を下方向に押しつける。それによりシャフトカバー29は、テーブル41を下方向へ押しつける。これにより、テーブル41がステージ70の上面をスライド移動するとき、テーブル41とステージ70との間に塗布物が侵入することを防いでいる。
【0037】
以上、塗布装置10の構成について説明をしてきた。次に塗布装置10の作用について説明する。なお、台21がノズル14下に位置するときを塗布位置といい、台21が本体11の左側(図1の右側)に位置するときを設置位置という。
【0038】
まず、作業者はホッパー12の容器12aに生クリームなどの塗布物を投入する。このとき、容器12bには氷水などを投入することで生クリームを保冷しておくことができる。
【0039】
次に作業者は、操作パネル73で、ノズル14から吐出される塗布物の量を入力する。このとき、台21が回転する速度と幅方向に移動する速度も入力してもよい。
【0040】
作業者は、台21に食品を載置する。このとき、台21が塗布位置にあるとき、作業者は、操作パネル73の「スライド移動」ボタンを押下する。すると、台21は回転せずに設置位置に移動する。塗布装置10は、回転装置20とスライド装置40とをそれぞれ設ける構成とした。そのため、塗布装置10は台21を回転させたり、幅方向に移動させたりと、それぞれ別個に作動させることができる。台21に食品を載置すると、作業者は再び「スライド移動」ボタンを押下し台21を塗布位置に移動させる。
【0041】
台21が塗布位置に移動すると、作業者は、ハンドル71、72とでノズル14と食品との距離を調節する。ハンドル71、72が塗布装置10の側面に設けられることで、作業者は、食品とノズル14とを側面から見ることができるので、作業者は、食品とノズル14との距離を調節しやすい。
【0042】
ノズル14と食品との距離を調節し終わると、作業者は、スイッチ76を押下する。塗布装置10は、センサ61により、ノズル14の下部に食品が載置されていることを検出する。すると、充填ポンプ13はホッパー12の塗布物を一定量ノズル14へと排出し、ノズル14は、食品に塗布物を塗布する。このとき、回転装置20により、台21は回転する。回転することで、食品の上面と側面に塗布物が塗布される。回転後(塗布後)、台21は、テーブル41と共に設置位置へ移動する。このとき、レール81の傾斜により台21は下降しながら設置位置へと移動する。作業者は、塗布された食品を台21から取り外し別の食品を台21へ載置する。また、このとき作業者は、設置位置で台21を回転させ、食品にフルーツを載せたりデコレーションしたりすることもできる。塗布装置10は、昇降装置80により台21の高さを塗布位置に位置するときよりも設置位置に位置するときの方が低くすることができる。そのため、作業者は食品の上面が見やすくなりフルーツを載せたりする作業がしやすくなる。さらに、塗布装置10はスライド装置40により、塗布した食品を塗布位置から設置位置へと移動させることができる。そのため、作業者はコーティングされた食品を取り外すときノズル14に接触させることなく取り外すことができる。そして、作業者は、別の食品を台21に載置し、再びスイッチ76を押下する。
【0043】
塗布装置10のノズル14から吐出される余分な塗布物は、ノズル14の縁で削り落とされ、受け容器74に入る。しかし、受け止めきれない塗布物は塗布装置10に付着してしまう。ここで、塗布装置10は、筒23をシャフトカバー29の上部に被せ、Оリング30を有する構成としたことで、筒23が上下に摺動しても塗布物がシャフトカバー29と筒23との間に侵入することを防ぐことができる。また、塗布装置10は、スプリング31によりシャフトカバー29を下方向に押しつけ、さらにシャフトカバー29によりテーブル41を下方向に押しつける構成とした。それにより、テーブル41は、シャフトカバー29に押されながらステージ70上を幅方向に移動する。つまり、塗布装置10はテーブル41とステージ70との間に吐出物が侵入することを防ぐことができる。塗布装置10は、このような構成としたことで、塗布物が塗布装置10内に侵入することを防ぐことができる。そのため、作業者は、塗布装置10が稼働中、定期的に装置を止めて塗布物をふき取ることなく作業することができる。つまり、塗布装置10は、作業者にとってメンテナンスがしやすいものである。
【0044】
また、テーブル41はステージ70に押し付けられてスライド移動している。そのため、テーブル41の長手方向の一方または両方にシリコーン素材のプレートを取付けることが好ましいる。プレートを取付けることで、ステージ70に付着する付着物をこそぎ落とすことができる。それにより、作業者にとってさらにメンテナンスのしやすい塗布装置10となる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明してきた。本発明は前記実施例に限定されるものではなく、形状や構成その要旨を逸脱しない範囲で変更可能としている。
【符号の説明】
【0046】
10 塗布装置
20 回転装置
21 台
22 プレート
23 筒
26 凹み
27 シャフト
28 シャフト受け
29 シャフトカバー
30 Oリング
31 スプリング
33 ピン
40 スライド装置
41 テーブル
51 駆動アーム
52 従動アーム
70 ステージ
80 昇降装置
81 レール
図1
図2
図3
図4
図5