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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121120
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】うちわ
(51)【国際特許分類】
   A45B 27/00 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
A45B27/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028034
(22)【出願日】2023-02-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイト掲載開始日:令和4年10月27日 ウェブサイトアドレス :https://twitter.com/amiami_amie/status/1585451216401616896?cxt=HHwWgMCipebe04AsAAAA
(71)【出願人】
【識別番号】596162429
【氏名又は名称】大網株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136674
【弁理士】
【氏名又は名称】居藤 洋之
(72)【発明者】
【氏名】金坂 瑞樹
【テーマコード(参考)】
3B104
【Fターム(参考)】
3B104ZA04
3B104ZC01
3B104ZC03
(57)【要約】
【課題】選択できるデザインのバリエーションを広げることができる、うちわを提供する。
【解決手段】うちわ10は、扇シート12と、扇シート12を保持する枠体14と、枠体14に設けられ、使用者の手で握られる柄16とを備える。扇シート12は、第1シート18と、第2シート20と、これらの間に挟まれるデザインシート22a~22hとを有する。第1シート18および第2シート20は、剛性を有する透明樹脂板であり、これらによってデザインシート22a~22hが挟持される。枠体14は、扇シート12の周縁部12aを挟んで保持する第1枠部28および第2枠部30と、第1枠部28と第2枠部30とを分離可能に結合する結合手段32とを有する。結合手段32は、第1枠部28の外周部28bに設けられる第1篏合部42と、第2枠部30の外周部30bに設けられ、第1篏合部42に篏合される第2篏合部44とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風を送る機能を有する扇シートを保持する枠体を備え、
前記枠体は、前記扇シートの周縁部を挟んで保持する第1枠部および第2枠部と、前記第1枠部と前記第2枠部とを分離可能に結合する結合手段とを有する、うちわ。
【請求項2】
前記第1枠部および前記第2枠部は、前記扇シートの主面に対して直交する方向から前記扇シートの周縁部を挟むように構成される、請求項1に記載のうちわ。
【請求項3】
前記扇シートを備える、請求項2に記載のうちわ。
【請求項4】
前記扇シートは、第1シートと、第2シートと、前記第1シートと前記第2シートの間に挟まれるデザインシートとを有し、
前記第1シートおよび前記第2シートの少なくとも一方の少なくとも一部は、透明材料で構成された透明領域であり、
前記デザインシートは、前記透明領域に重ねて配置される、請求項3に記載のうちわ。
【請求項5】
前記第1シートおよび前記第2シートは、透明材料からなる透明体である、請求項4に記載のうちわ。
【請求項6】
前記第1シートおよび前記第2シートの少なくとも一方は、前記枠体で周縁部が保持されたときに、わずかに撓む程度の剛性を有し、
前記デザインシートは、前記第1シートおよび前記第2シートよりも小さく形成されて、前記枠体で挟持されないように配置される、請求項4に記載のうちわ。
【請求項7】
前記扇シートは、第1シートと、第2シートとを有し、
前記第1シートおよび前記第2シートの一方の少なくとも一部は、透明材料で構成された透明領域であり、
前記第1シートおよび前記第2シートの他方の前記透明領域と重なる部分には、
文字、図形、記号若しくは色彩又はこれらの結合からなるデザインが施されている、請求項3に記載のうちわ。
【請求項8】
前記第1シートおよび前記第2シートは、剛性を有する透明樹脂板である、請求項4または7に記載のうちわ。
【請求項9】
前記結合手段は、前記第1枠部の外周部に設けられる第1篏合部と、前記第2枠部の外周部に設けられ、前記第1篏合部に篏合される第2篏合部とを有する、請求項4または7に記載のうちわ。
【請求項10】
前記枠体に設けられ、使用者の手で握られる柄を備える、請求項4または7に記載のうちわ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扇シートに施されたデザインを容易に変えることができる、うちわに関する。
【背景技術】
【0002】
アイドルのコンサートやアニメキャラクターのイベントなどで用いられる応援うちわは、ファン(使用者)がオリジナルのメッセージを伝える応援グッズの一種である。このような応援うちわには、扇シートに施されたデザインを容易に変えることができるものがあり、下記特許文献1には、その一例が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されたうちわは、2枚のうちわ形成板と、1枚の紙葉とを備えている。2枚のうちわ形成板のそれぞれは、円形状で透明な扇部と、扇部に設けられた柄部とを有しており、一方のうちわ形成板の扇部と、他方のうちわ形成板の扇部とによって、紙葉が挟持されている。紙板を挟持した2つの扇部の下部は、ホックを介して分離可能に接合されている。したがって、ホックを外すことによって、2つの扇部の下部どうしの間に空間を確保でき、当該空間から紙葉を引き出して、これを異なるデザインの紙葉に交換することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3168692号公報
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたうちわでは、紙葉を挟持する扇部を異なるデザインの他の扇部に交換することができないため、選択できるデザインのバリエーションが狭くなっていた。
【発明の概要】
【0006】
本発明は上記問題に対処するためになされたものであり、選択できるデザインのバリエーションを広げることができる、うちわを提供することにある。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るうちわの特徴は、風を送る機能を有する扇シートを保持する枠体を備え、前記枠体は、前記扇シートの周縁部を挟んで保持する第1枠部および第2枠部と、前記第1枠部と前記第2枠部とを分離可能に結合する結合手段とを有することにある。
【0008】
この構成によれば、枠体で保持される扇シートを取り換えることができるので、使用者は、異なるデザインの複数の扇シートから好みの1枚を選択して使用することができ、選択できるデザインのバリエーションを広げることができる。また、扇シートの材料は、枠体の材料と同じである必要がないので、扇シートに使用される材料のバリエーションを広げることができる。
【0009】
本発明に係るうちわの他の特徴は、前記第1枠部および前記第2枠部は、前記扇シートの主面に対して直交する方向から前記扇シートの周縁部を挟むように構成されることにある。
【0010】
この構成によれば、扇シートの周縁部を折り曲げることなく、当該周縁部を第1枠部および第2枠部で挟むことができるので、扇シートの損傷を抑制できる。
【0011】
本発明に係るうちわの他の特徴は、前記扇シートを備えることにある。
【0012】
この構成では、扇シートで風を送ることができる。また、応援うちわとして用いる場合には、扇シートにデザインを施すことによって、アイドルなどにオリジナルのメッセージを伝えることができる。
【0013】
本発明に係るうちわの他の特徴は、前記扇シートは、第1シートと、第2シートと、前記第1シートと前記第2シートの間に挟まれるデザインシートとを有し、前記第1シートおよび前記第2シートの少なくとも一方の少なくとも一部は、透明材料で構成された透明領域であり、前記デザインシートは、前記透明領域に重ねて配置されることにある。
【0014】
この構成によれば、透明領域を通して外部からデザインシートが見えるので、使用者は、異なるデザインの複数のデザインシートから好みの1枚または複数枚を選択することによって、或いは、デザインシートの位置や数を変えることによって、多様なデザインを楽しむことができる。
【0015】
本発明に係るうちわの他の特徴は、前記第1シートおよび前記第2シートは、透明材料からなる透明体であることにある。
【0016】
この構成によれば、製造者は、第1シートおよび第2シートのそれぞれを、透明シートを用いて簡単に作ることができる。また、使用者は、扇シートの表裏両面からデザインシートを見ることができる。
【0017】
本発明に係るうちわの他の特徴は、前記第1シートおよび前記第2シートの少なくとも一方は、前記枠体で周縁部が保持されたときに、わずかに撓む程度の剛性を有し、前記デザインシートは、前記第1シートおよび前記第2シートよりも小さく形成されて、前記枠体で挟持されないように配置されることにある。
【0018】
この構成では、第1シートおよび第2シートの少なくとも一方がわずかに撓むことによって、これらの間の接触圧力を低減することができ、或いは、これらの間に隙間を生じさせることができる。したがって、うちわを振ることによって、デザインシートを移動させることができ、デザインシートの配置のバリエーションを広げることができる。
【0019】
本発明に係るうちわの他の特徴は、前記扇シートは、第1シートと、第2シートとを有し、前記第1シートおよび前記第2シートの一方の少なくとも一部は、透明材料で構成された透明領域であり、前記第1シートおよび前記第2シートの他方の前記透明領域と重なる部分には、文字、図形、記号若しくは色彩又はこれらの結合からなるデザインが施されていることにある。
【0020】
この構成では、第1シートおよび第2シートの一方の透明領域を通して、他方に施されたデザインを見ることができるので、透明領域に別のデザインを施すことによって、2つのデザインを融合させることができる。したがって、使用者は、異なるデザインの複数の第1シートから好みの1枚を選択することによって、或いは、異なるデザインの複数の第2シートから好みの1枚を選択することによって、融合された多様なデザインを楽しむことができる。
【0021】
本発明に係るうちわの他の特徴は、前記第1シートおよび前記第2シートは、剛性を有する透明樹脂板であることにある。
【0022】
この構成によれば、うちわを振った際に受ける空気圧などで扇シートが変形することを抑制できる。
【0023】
本発明に係るうちわの他の特徴は、前記結合手段は、前記第1枠部の外周部に設けられる第1篏合部と、前記第2枠部の外周部に設けられ、前記第1篏合部に篏合される第2篏合部とを有することにある。
【0024】
この構成によれば、第1篏合部と第2篏合部とを嵌め合わせるだけで、第1枠部と第2枠部とを簡単に結合することができる。また、第1篏合部は、第1枠部の外周部に設けられ、第2篏合部は、第2枠部の外周部に設けられるので、第1枠部および第2枠部のそれぞれの外周部を除いた部分で扇シートを挟持できる。つまり、第1篏合部および第2篏合部を避けるための孔や切欠きなどを扇シートに設ける必要がなく、扇シートを簡単に挟持できる。
【0025】
本発明に係るうちわの他の特徴は、前記枠体に設けられ、使用者の手で握られる柄を備えることにある。
【0026】
この構成によれば、使用者は、柄を手で握ることができるので、うちわを振りやすい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】第1実施形態に係るうちわの構成を示す図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図である。
図2】第1実施形態に係るうちわの構成を示す分解斜視図である。
図3】(A)は、第1枠部の構成を示す正面図、(B)は、第2枠部の構成を示す背面図である。
図4】(A)は、第1篏合部の第1篏合片と第2篏合部の第2被篏合片とを篏合した状態を示す断面図、(B)は、第2篏合部の第2篏合片と第1篏合部の第1被篏合片とを篏合した状態を示す断面図である。
図5】第2実施形態に係るうちわの構成を示す分解斜視図である。
図6】第3実施形態に係るうちわの構成を示す分解斜視図である。
図7】第4実施形態に係るうちわの構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係るうちわの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる前後、左右、上下の各方向は、図において矢印で示す各方向と一致する。
【0029】
図1は、第1実施形態に係るうちわ10の構成を示す図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図である。図2は、うちわ10の構成を示す分解斜視図である。図3(A)は、第1枠部28の構成を示す正面図、図3(B)は、第2枠部30の構成を示す背面図である。図4(A)は、第1篏合部42の第1篏合片46と第2篏合部44の第2被篏合片52とを篏合した状態を示す断面図、図4(B)は、第2篏合部44の第2篏合片50と第1篏合部42の第1被篏合片48とを篏合した状態を示す断面図である。なお、本実施形態では、うちわ10を前側から見た図を「正面図」とし、後側から見た図を「背面図」としている。つまり、「正面図」は「前面図」と一致し、「背面図」は「後面図」と一致する。
【0030】
図1(A),(B)に示すうちわ10は、アイドルのコンサートやアニメキャラクターのイベントなどで用いられる応援うちわであり、扇シート12と、扇シート12を保持する枠体14と、枠体14に設けられ、使用者の手で握られる柄16とを備えている。扇シート12には、使用者のオリジナルのデザインX1が施されている。したがって、使用者は、柄16を手で握ってうちわ10を振ることによって、アイドルなどにオリジナルのメッセージを伝えることができる。
【0031】
図2に示すように、扇シート12は、第1シート18と、第2シート20と、第1シート18と第2シート20との間に挟まれる複数のデザインシート22a~22hとを備えている。
【0032】
第1シート18は、透明材料からなる板状の透明体であり、正面視(前面視)で下端縁に直線部分24を有する丸みを持った形状に形成されている。本実施形態の第1シート18は、枠体14で周縁部18aが保持されたときに、わずかに撓む程度の剛性を有する透明樹脂板である。第1シート18を構成する合成樹脂の種類は、特に限定されるものではないが、例えばPP(ポリプロピレン)を使用できる。なお、本実施形態の説明で用いる「透明」の概念には、「半透明」も含まれるものとする。
【0033】
第2シート20は、第1シート18と同様に、透明材料からなる板状の透明体であり、正面視(前面視)で下端縁に直線部分26を有する丸みを持った形状に形成されている。本実施形態の第2シート20は、枠体14で周縁部20aが保持されたときに、わずかに撓む程度の剛性を有する透明樹脂板である。第2シート20を構成する合成樹脂の種類は、特に限定されるものではないが、例えばPP(ポリプロピレン)を使用できる。
【0034】
第2シート20の形状およびサイズは、第1シート18の形状およびサイズと同じに定められている。したがって、第1シート18と第2シート20とを重ね合わせたとき、第1シート18の周縁部18aと第2シート20の周縁部20aとは完全に重なり合う。
【0035】
デザインシート22a~22hのそれぞれは、第1シート18および第2シート20よりも小さく形成されている。使用者がデザインシート22a~22hの動きを許容したいとき、これらは、枠体14で挟持されないように枠体14から中央側へ離れて配置される。本実施形態では、第1シート18および第2シート20が、板状の透明体であるため、デザインシート22a~22hは、それらの位置に関わらず、常に、第1シート18および第2シート20の透明領域に重ねて配置されることになる。
【0036】
図1(A)に示すように、本実施形態のデザインシート22aは、ハート形(大)の外形を有する透明樹脂シートである。デザインシート22b,22cは、円形の外形を有する透明樹脂シートであり、デザインシート22d~22hは、ハート形(小)の外形を有する透明樹脂シートである。デザインシート22aは、他のデザインシート22b~22hよりも大きく形成されており、使用者は、このデザインシート22aにオリジナルのメッセージを記載したり、シールを貼ったりすることができる。なお、デザインシート22a~22hの形状、サイズ、色彩、模様および材質は、特に限定されるものではなく、使用者の好みに応じて自由に選択されてもよい。また、用途などに応じて適宜変更されてもよい。例えば、デザインシート22a~22hには、アニメや動物などのキャラクターのデザインが施されてもよい。
【0037】
図2に示すように、枠体14は、扇シート12の周縁部12aを挟んで保持する第1枠部28および第2枠部30と、第1枠部28と第2枠部30とを分離可能に結合する結合手段32とを有している。
【0038】
第1枠部28は、扇シート12の周縁部12aに沿って環状に形成されている。第1枠部28の下端部の上下方向幅は、他の部分の幅に比べて広くされており、この部分が、柄16の第1柄部54につながる繋ぎ部34となっている。繋ぎ部34の上端縁34aには、波形のデザインが施されている。
【0039】
第2枠部30は、扇シート12の周縁部12aに沿って環状に形成されている。第2枠部30の下端部の上下方向幅は、他の部分の幅に比べて広くされており、この部分が、柄16の第2柄部56につながる繋ぎ部36となっている。繋ぎ部36の上端縁36aには、波形のデザインが施されている。
【0040】
正面視(前面視)における第2枠部30の形状およびサイズは、第1枠部28の形状およびサイズと同じに定められている。したがって、第1枠部28と第2枠部30とを重ね合わせたとき、第1枠部28の内周部28aと第2枠部30の内周部30aとは完全に重なり合い、かつ、第1枠部28の外周部28bと第2枠部30の外周部30bとは完全に重なり合う。
【0041】
図4(A),(B)に示すように、第1枠部28の内周部28aおよび外周部28bは、前側に向けて滑らかに湾曲して形成されている。図3(A)に示すように、第1枠部28の前面28cには、複数の補強リブ38が形成されている。
【0042】
図4(A),(B)に示すように、第2枠部30の内周部30aおよび外周部30bは、後側に向けて滑らかに湾曲して形成されている。図3(B)に示すように、第2枠部30の後面30cには、複数の補強リブ40が形成されている。
【0043】
図1(A)に示すように、枠体14で扇シート12の周縁部12aを挟んだとき、扇シート12の外周縁12bは、枠体14の内周縁14aと外周縁14bとの間に配置される。そして、図2に示す第1枠部28の内周部28aと第2枠部30の内周部30aが、扇シート12の表裏の主面に接触する。つまり、本実施形態の第1枠部28および第2枠部30は、扇シート12の表裏の主面に対して直交する方向から扇シート12の周縁部12aを挟むように構成されている。
【0044】
図4(A),(B)に示すように、結合手段32は、第1枠部28の外周部28bに設けられた第1篏合部42と、第2枠部30の外周部30bに設けられ、第1篏合部42に篏合される第2篏合部44とを有している。
【0045】
図3(A)に示すように、第1篏合部42は、複数の第1篏合片46と複数の第1被篏合片48とを有している。図4(A)に示すように、複数の第1篏合片46のそれぞれは、第2枠部30の外周部30bの内側に挿し込まれる正面視(前面視)で線状(図3(A))の挿込片46aを有している。挿込片46aの外側面には、第2篏合部44の第2被篏合片52(後述)に引掛けられる突起46bが形成されている。
【0046】
図4(B)に示すように、複数の第1被篏合片48のそれぞれは、第1枠部28の外周部28bにおける前端部の内側面から突出するように、正面視(前面視)で線状(図3(A))に形成されている。
【0047】
図3(B)に示すように、第2篏合部44は、複数の第2篏合片50と複数の第2被篏合片52とを有している。図4(B)に示すように、複数の第2篏合片50のそれぞれは、第1枠部28の外周部28bの内側に挿し込まれる背面視(後面視)で線状(図3(B))の挿込片50aを有しており、挿込片50aの外側面には、第1篏合部42の第1被篏合片48に引掛けられる突起50bが形成されている。
【0048】
図4(A)に示すように、複数の第2被篏合片52のそれぞれは、第2枠部30の外周部30bにおける後端部の内側面から突出するように、背面視(後面視)で線状(図3(B))に形成されている。
【0049】
図2に示すように、柄16は、第1枠部28の繋ぎ部34に繋げられた第1柄部54と、第2枠部30の繋ぎ部36に繋げられた第2柄部56とを有している。
【0050】
図3(A)に示すように、第1柄部54は、繋ぎ部34から下方へ延びる帯板状に形成されており、第1柄部54の外周部54aは、前側に向けて滑らかに湾曲して形成されている。第1柄部54の前面54bには、複数の補強リブ58が形成されている。第1柄部54の外周部54aには、第3篏合部60が形成されている。第3篏合部60は、第1篏合部42の第1篏合片46と同じ構成の少なくとも1つの第3篏合片62と、第1篏合部42の第1被篏合片48と同じ構成の少なくとも1つの第3被篏合片64とを有している。
【0051】
図3(B)に示すように、第2柄部56は、繋ぎ部36から下方へ延びる帯板状に形成されており、第2柄部56の外周部56aは、後側に向けて滑らかに湾曲して形成されている。第2柄部56の後面56bには、複数の補強リブ66が形成されている。第2柄部56の外周部56aには、第4篏合部68が形成されている。第4篏合部68は、第2篏合部44の第2篏合片50と同じ構成の少なくとも1つの第4篏合片70と、第2篏合部44の第2被篏合片52と同じ構成の少なくとも1つの第4被篏合片72とを有している。
【0052】
本実施形態では、図3(A)に示す第1枠部28と第1柄部54とが合成樹脂で一体成型され、これらが一体化された1つの部品が第1柄付き枠部74として使用される。また、図3(B)に示す第2枠部30と第2柄部56とが合成樹脂で一体成型され、これらが一体化された1つの部品が第2柄付き枠部76として使用される。
【0053】
(第1実施形態に係るうちわの組立方法)
図2に示すように、うちわ10を組み立てる際には、まず、作業者は、扇シート12、第1柄付き枠部74および第2柄付き枠部76を準備する。扇シート12を準備するとき、作業者は、第1シート18の一方の主面を鉛直上方に向けて配置し、その主面上にデザインシート22a~22hを好みの配置で並べる。その後、デザインシート22a~22hを挟むように、第1シート18に第2シート20を重ね合わせる。
【0054】
続いて、作業者は、第1柄付き枠部74の第1枠部28と、第2柄付き枠部76の第2枠部30とによって、扇シート12の周縁部12aを挟み込む。その後、図3(A)に示す第1柄付き枠部74の第1篏合部42および第3篏合部60と、図3(B)に示す第2柄付き枠部76の第2篏合部44および第4篏合部68とを互いに篏合させる。
【0055】
(第1実施形態に係るうちわの効果)
本実施形態によれば、上記構成により以下の各効果を奏することができる。すなわち、図1(A)に示す枠体14で保持される扇シート12を取り換えることができるので、使用者は、異なるデザインの複数の扇シート12から好みの1枚を選択して使用することができ、選択できるデザインのバリエーションを広げることができる。また、扇シート12の材料は、枠体14の材料と同じである必要がないので、扇シート12に使用される材料のバリエーションを広げることができる。
【0056】
図2に示すように、扇シート12の周縁部12aを折り曲げることなく、第1枠部28と第2枠部30とで周縁部12aを挟むことができるので、扇シート12の損傷を抑制できる。
【0057】
図2に示す第1シート18および第2シート20を通して外部からデザインシート22a~22hが見えるので、使用者は、異なるデザインの複数のデザインシート(図示省略)から好みの1枚または複数枚を選択することによって、或いは、デザインシート22a~22hの位置や数を変えることによって、多様なデザインを楽しむことができる。
【0058】
第1シート18および第2シート20は、透明材料からなる透明体であるため、製造者は、第1シート18および第2シート20を、透明シートを用いて簡単に作ることができる。また、使用者は、扇シート12の表裏両面からデザインシート22a~22hを見ることができる。
【0059】
第1シート18および第2シート20がわずかに撓むことによって、これらの間の接触圧力を低減することができ、或いは、これらの間に隙間を生じさせることができる。したがって、うちわ10を振ることによって、デザインシート22a~22hを移動させることができ、デザインシート22a~22hの配置のバリエーションを広げることができる。
【0060】
第1シート18および第2シート20は、剛性を有する透明樹脂板であるため、うちわ10を振った際に受ける空気圧などで扇シート12が変形することを抑制できる。
【0061】
図4(A),(B)に示すように、第1篏合部42と第2篏合部44とを嵌め合わせるだけで、第1枠部28と第2枠部30とを簡単に結合することができる。また、第1篏合部42は、第1枠部28の外周部28bに設けられ、第2篏合部44は、第2枠部30の外周部30bに設けられるので、第1枠部28および第2枠部30のそれぞれの外周部28b,30bを除いた部分で扇シート12を挟持できる。つまり、第1篏合部42および第2篏合部44を避けるための孔や切欠きなどを扇シート12に設ける必要がなく、扇シート12を簡単に挟持できる。
【0062】
(変形例)
【0063】
なお、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、図2に示す第1シート18および第2シート20が、透明材料からなる板状の透明体であるが、第1シート18および第2シート20の一方は、不透明材料からなる板状の不透明体であってもよい。また、第1シート18および第2シート20の少なくとも一方の一部だけが、透明材料で構成された透明領域であってもよい。
【0064】
上記実施形態では、結合手段32が、第1篏合部42と第2篏合部44とを有しているが、結合手段32の構成は、これに限定されるものではなく、第1枠部28と第2枠部30とを分離可能に結合する他の構成が採用されてもよい。例えば、第1枠部28と第2枠部30とをクリップや粘着テープで結合する構成が採用されてもよいし、突起と孔との篏合構造により結合する構成が採用されてもよい。さらに、第1枠部28および第2枠部30に形成された貫通孔にピンを挿通させて結合する構成が採用されてもよい。
【0065】
上記実施形態では、第1シート18および第2シート20が、剛性を有する透明樹脂板で形成されているが、これらは、コシのない透明なフィルムやシートで形成されてもよい。これらの場合でも、第1シート18および第2シート20の少なくとも一方の少なくとも一部が、透明材料で構成された透明領域であってもよい。
【0066】
上記実施形態では、扇シート12が、第1シート18、第2シート20およびデザインシート22a~22hを用いて三層に構成されているが、扇シート12は、新聞紙などの入手が容易な1枚の材料を用いて一層に構成されてもよいし、板状の2枚の透明体などを用いて二層に構成されてもよい。
【0067】
上記実施形態では、第1シート18および第2シート20が、枠体14で周縁部18a,20aが保持されたときに、わずかに撓む程度の剛性を有しているが、これらの一方だけが、当該剛性を有していてもよい。また、これらの少なくとも一方は、全く撓まない剛性を有していてもよい。
【0068】
上記実施形態では、第1枠部28および第2枠部30は、扇シート12の主面に対して直交する方向から扇シート12の周縁部12aを挟むように構成されているが、これらは、扇シート12の主面に対して平行となる方向から扇シート12の周縁部12aを挟むように構成されてもよい。この場合、第1枠部28および第2枠部30は、互いに入れ子構造となるように構成されてもよく、例えば、第1枠部28の内側に第2枠部30が嵌め合わされるように構成されてもよい。
【0069】
図5は、第2実施形態に係るうちわ80の構成を示す分解斜視図である。図5に示すうちわ80では、第1シート18の右半分が不透明領域となっており、左半分が透明領域となっている。また、第2シート20の右半分が透明領域となっており、左半分が不透明領域となっている。そして、第1シート18と第2シート20とで挟まれる領域の全体に複数のデザインシート82a~82hが分散して配置されている。したがって、使用者は、扇シート12の表裏両面において、異なるデザインを楽しむことができる。
【0070】
図6は、第3実施形態に係るうちわ84の構成を示す分解斜視図である。図6に示すうちわ84では、上記のデザインシート22a~22hが省略されている。つまり、うちわ84では、扇シート86が、第1シート88と、第2シート90とを有しており、第1シート88には、文字、図形、記号若しくは色彩又はこれらの結合からなるデザインX2が施されている。第1シート88は、透明材料および不透明材料のいずれで構成されてもよいが、第2シート90における少なくともデザインX2に対応する部分は、透明材料で構成される。
【0071】
なお、デザインX2は、第2シート90に施されてもよく、その場合、第1シート88における少なくともデザインX2に対応する部分は、透明材料で構成される。つまり、第1シート88および第2シート90の一方の少なくとも一部が、透明材料で構成された透明領域となり、第1シート88および第2シート90の他方の透明領域と重なる部分に、デザインX2が施される。
【0072】
この構成によれば、第1シート88および第2シート90の一方の透明領域を通して、他方に施されたデザインX2を見ることができるので、使用者は、透明領域に別のデザインX3を施すことによって、2つのデザインX2,X3を融合させることができる。例えば、2つのデザインX2,X3の一方をキャラクターのデザインとし、他方をコスチューム、アイテムおよび背景のデザインとすることによって、全体として、装飾されたキャラクターのデザインを表現することができる。
【0073】
また、使用者は、異なるデザインX2の複数の第1シート88から好みの1枚を選択することによって、或いは、異なるデザインX3の複数の第2シート90から好みの1枚を選択することによって、融合された多様なデザインX2,X3を楽しむことができる。
【0074】
図7は、第4実施形態に係るうちわ92の構成を示す正面図である。図7に示すうちわ92では、柄16が省略されるとともに、扇シート12に使用者の指が通される貫通孔94が形成されている。この構成では、使用者は、貫通孔94に指を通すことによって、うちわ92を簡単に持つことができる。また、柄16が存在しないため、嵩張らない。
【符号の説明】
【0075】
X1,X2,X3…デザイン、10,80,84,92…うちわ、12…扇シート、12a…周縁部、12b…外周縁、14…枠体、14a…内周縁、14b…外周縁、16…柄、18…第1シート、18a…周縁部、20…第2シート、20a…周縁部、22a~22h…デザインシート、28…第1枠部、28a…内周部、28b…外周部、28c…前面、30…第2枠部、30a…内周部、30b…外周部、30c…後面、32…結合手段、34,36…繋ぎ部、38,40…補強リブ、42…第1篏合部、44…第2篏合部、46…第1篏合片、46a…挿込片、46b…突起、48…第1被篏合片、50…第2篏合片、50a…挿込片、50b…突起、52…第2被篏合片、54…第1柄部、54a…外周部、54b…前面、56…第2柄部、56a…外周部、56b…後面、58…補強リブ、60…第3篏合部、62…第3篏合片、64…第3被篏合片、66…補強リブ、68…第4篏合部、70…第4篏合片、72…第4被篏合片、74…第1柄付き枠部、76…第2柄付き枠部、82a~82h…デザインシート、86…扇シート、88…第1シート、90…第2シート、94…貫通孔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7