(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121121
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028035
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 勉
(72)【発明者】
【氏名】中島 恵美子
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208CB01
5D208CE07
5D208CG06
(57)【要約】
【課題】演出効果を高めて、カラオケの新たな楽しみ方を利用者に提供する。
【解決手段】カラオケ装置(10)には、携帯端末(15)から所定楽曲の楽曲リストを取得する取得部(22)と、楽曲リストに含まれる所定楽曲を楽曲テーブル(31)から特定する楽曲特定部(23)と、所定楽曲の楽曲属性情報に合う番組識別情報の所定番組を番組テーブル(32)から特定する番組特定部(24)と、所定番組の番組識別情報に基づき所定番組映像を番組映像テーブル(33)から特定する番組映像特定部(26)と、所定番組の番組進行テーブル(34)を参照して、所定楽曲の楽曲識別情報及び所定番組映像の映像識別情報を登録した番組再生リストを生成する生成部(27)と、番組再生リストに基づいて映像識別情報に対応した番組映像データ及び楽曲識別情報に対応した楽曲データを再生する再生部(28)と、が設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲毎に楽曲識別情報、楽曲属性情報、楽曲データが対応付けられた楽曲テーブルと、
番組毎に番組識別情報、番組属性情報が対応付けられた番組テーブルと、
番組映像毎に映像識別情報、番組識別情報、番組映像データが対応付けられた番組映像テーブルと、
番組毎に楽曲データ及び番組映像データの再生順を示した番組進行テーブルと、
利用者の携帯端末から利用者が聴取及び/又は歌唱したことのある所定楽曲の楽曲リストを取得する取得部と、
前記楽曲リストに含まれる所定楽曲を前記楽曲テーブルから特定する楽曲特定部と、
所定楽曲の楽曲属性情報に合う番組属性情報の所定番組を前記番組テーブルから特定する番組特定部と、
所定番組の番組識別情報に基づき所定番組映像を前記番組映像テーブルから特定する番組映像特定部と、
所定番組の前記番組進行テーブルを参照して、所定楽曲の楽曲識別情報及び所定番組映像の映像識別情報を登録した番組再生リストを生成する生成部と、
番組再生リストに基づいて、所定番組映像の映像識別情報に対応した番組映像データ及び所定楽曲の楽曲識別情報に対応した楽曲データを再生する再生部と、を備えていることを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
番組属性情報が実番組を模擬した番組の番組属性情報であり、
番組属性情報には、実番組の放送期間、放送される楽曲のジャンルが含まれ、
楽曲属性情報には、楽曲の発表年、楽曲のジャンルが含まれ、
前記番組特定部は、楽曲属性情報としての楽曲の発表年が番組属性情報としての実番組の放送期間に含まれる所定番組及び/又は楽曲属性情報と番組属性情報の楽曲のジャンルが共通する所定番組を特定することを特徴とする請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
映像識別情報には、映像種別が対応付けられており、
楽曲識別情報には、歌手の性別及びカラオケ演奏された演奏回数が含まれ、
前記番組進行テーブルには、番組再生リストへの番組映像データの登録条件として映像種別が設定され、番組再生リストへの楽曲データの登録条件として歌手の性別又は演奏回数の順位が設定され、
前記生成部は映像種別が一致する所定番組映像の映像識別情報を番組再生リストに登録し、歌手の性別が一致する所定楽曲又は演奏回数の順位が一致する所定楽曲の楽曲識別情報を番組再生リストに登録することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の音楽的嗜好を汲んだ楽曲の再生リストを自動的に生成することで、面識の少ない者同士でもカラオケの盛り上がりをサポート可能な技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のカラオケ装置では、各利用者のデジタルオーディオプレーヤから受信した各プレイリストの中から、少なくとも2つのプレイリストで楽曲名やアーティスト名等の共通の項目を有する楽曲が抽出される。そして、カラオケ装置の楽曲データベースから抽出曲が検索されて、検索された楽曲に基づいて再生リストが生成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、利用者が個人でカラオケを利用する場合、お気に入りの楽曲を黙々と歌うだけでは面白味に欠ける。このため、グループでも個人でもカラオケの盛り上がりをサポートできるような演出が求められている。
【0005】
本発明の目的は、演出効果を高めて、カラオケの新たな楽しみ方を利用者に提供することができるカラオケ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、楽曲毎に楽曲識別情報、楽曲属性情報、楽曲データが対応付けられた楽曲テーブルと、番組毎に番組識別情報、番組属性情報が対応付けられた番組テーブルと、番組映像毎に映像識別情報、番組識別情報、番組映像データが対応付けられた番組映像テーブルと、番組毎に楽曲データ及び番組映像データの再生順を示した番組進行テーブルと、利用者の携帯端末から利用者が聴取及び/又は歌唱したことのある所定楽曲の楽曲リストを取得する取得部と、前記楽曲リストに含まれる所定楽曲を前記楽曲テーブルから特定する楽曲特定部と、所定楽曲の楽曲属性情報に合う番組識別情報の所定番組を前記番組テーブルから特定する番組特定部と、所定番組の番組識別情報に基づき所定番組映像を前記番組映像テーブルから特定する番組映像特定部と、所定番組の前記番組進行テーブルを参照して、所定楽曲の楽曲識別情報及び所定番組映像の映像識別情報を登録した番組再生リストを生成する生成部と、番組再生リストに基づいて、所定番組映像の映像識別情報に対応した番組映像データ及び所定楽曲の楽曲識別情報に対応した楽曲データを再生する再生部と、を備えていることを特徴とするカラオケ装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、番組再生リストに沿って番組映像データと楽曲データが再生されることで、音楽番組の進行途中の歌唱シーンでお気に入りのカラオケ演奏が開始されて利用者が歌唱することができる。音楽番組によって演出効果が高められて、個人の利用者はもちろんグループの利用者にもカラオケの新たな楽しみ方を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態のカラオケシステムの構成図である。
【
図2】本実施形態のカラオケシステムの機能ブロック図である。
【
図3】本実施形態のカラオケ装置の処理動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1及び
図2を参照して、本実施形態のカラオケ装置について説明する。
図1は、本実施形態のカラオケシステムの構成図である。
図2は、本実施形態のカラオケシステムの機能ブロック図である。なお、
図2の機能ブロック図には、説明の便宜上、特定処理を実現するための機能ブロックを図示しているが、カラオケ装置が通常備える構成については備えているものとする。また、携帯端末には符号a-cが付されているが、任意の携帯端末を特定しない場合には符号a-cを省略することもある。
【0010】
図1に示すように、カラオケ装置10には、モニタ11と、スピーカ12と、マイクロフォン13と、リモコン装置14と、が接続されている。モニタ11は、カラオケ装置10からの映像信号等に基づいて、カラオケ演奏に合わせて背景映像と共に歌詞テロップ等を表示する。マイクロフォン13は、利用者の歌唱音声を歌唱音声信号に変換してカラオケ装置10に入力する。スピーカ12は、カラオケ装置10からの演奏音信号及びマイクロフォン13からの歌唱音声信号に基づいて演奏音と共に利用者の歌唱音声を放音する。リモコン装置14は、カラオケ装置10に対する楽曲の予約操作等の各種操作を受け付けている。
【0011】
カラオケ装置10によってカラオケ演奏が開始されると、カラオケ演奏に合わせて歌詞テロップと背景映像がモニタ11に表示される。カラオケ装置10ではカラオケ演奏の演奏音信号とマイクロフォン13から入力された歌唱音声信号がミキサによってミキシングされて、このミキシング信号がアンプによって増幅されてスピーカ12から放音される。このように、利用者がカラオケ演奏に合わせて歌唱すると、スピーカ12から演奏音と共に歌唱音声が放音される。また、カラオケ装置10には、実番組を模擬した番組の進行中にカラオケ歌唱可能なコンテンツである「音楽番組でカラオケ」が搭載されている。
【0012】
利用者U1-U3が所持する携帯端末15a-15cには、カラオケリモコンとして機能させるカラオケアプリケーションと、音楽を聴取するための音楽再生アプリケーションがインストールされている。利用者U1-U3によってカラオケ装置10やリモコン装置14からのペアリング操作によってモニタ画面やリモコン画面に2次元コードが表示される。携帯端末15a-15cのカラオケアプリケーションが起動されて、携帯端末15a-15cのカメラで2次元コードが読み取られることで、携帯端末15a-15cとカラオケ装置10が無線通信にて接続されて利用者U1-U3がカラオケ装置10にログインする。
【0013】
図2に示すように、カラオケ装置10には、「音楽番組でカラオケ」のコンテンツで機能する記憶部21と、取得部22と、楽曲特定部23と、番組特定部24と、受付部25と、番組映像特定部26と、生成部27と、再生部28と、が設けられている。記憶部21には、楽曲テーブル31と、番組テーブル32と、番組映像テーブル33と、番組進行テーブル34と、が記憶されている。楽曲テーブル31では、楽曲毎に楽曲ID(楽曲識別情報)と、楽曲名と、楽曲属性情報と、楽曲データと、が対応付けられている。楽曲属性情報には、楽曲の発表年や楽曲のジャンル等が含まれている。
【0014】
例えば、表1に示すように、楽曲ID「ID****M1」の楽曲属性情報として発表年「1977」、ジャンル「演歌」が設定されている。楽曲ID「ID****M2」の楽曲属性情報として発表年「1982」、ジャンル「洋楽」が設定されている。楽曲ID「ID****M3」の楽曲属性情報として発表年「1991」、ジャンル「J-POP」が設定されている。なお、楽曲データにはカラオケ演奏を実行するための演奏データや歌詞テロップデータ等が含まれている。楽曲テーブル31には楽曲データ自体ではなく、楽曲データのファイル名や格納先を示すパス情報が設定されていてもよい。
【表1】
【0015】
番組テーブル32では、番組毎に番組ID(番組識別情報)と、番組名と、番組属性情報と、が対応付けられている。番組名には実番組を模擬した番組名が設定されている。番組属性情報には実番組の放送期間や放送される楽曲のジャンル等が含まれている。例えば、表2に示すように、番組ID「ID**PG1」の番組名に「赤青歌合戦」、番組属性情報に放送期間「1953~」、ジャンル「歌謡曲、演歌、J-POP等」が設定されている。番組ID「ID**PG2」の番組名に「ヒットチャートUSA」、番組属性情報に放送期間「1980~1989」、ジャンル「洋楽」が設定されている。
【表2】
【0016】
番組映像テーブル33では、番組映像毎に映像ID(映像識別情報)と、番組IDと、番組映像データと、が対応付けられている。本実施形態では、1つの番組に対して1つの番組映像データが対応付けられている。例えば、表3に示すように、映像ID「ID****P1」に番組ID「ID**PG1」、映像ID「ID****P2」に番組ID「ID**PG2」、映像ID「ID****P3」に番組ID「ID**PG3」が対応付けられている。なお、番組映像テーブル33には番組映像データ自体ではなく、番組映像データのファイル名や格納先を示すパス情報が設定されていてもよい。
【表3】
【0017】
番組進行テーブル34には再生対象となるデータ種別が並べられており、番組毎の楽曲データ及び番組映像データの再生順が示されている。例えば、表4に示すように、番組ID「ID**PG2」の番組進行テーブル34では、1番目のデータ種別が番組映像データ、2番目のデータ種別が楽曲データ、3番目のデータ種別が楽曲データ、4番目のデータ種別が楽曲データになっている。番組ID「ID**PG2」の「ヒットチャートUSA」では、オープニング等の番組映像が映し出された後に、カラオケ演奏が順番に開始されることを示している。
【表4】
【0018】
取得部22は、利用者の携帯端末15から利用者が聴取及び/又は歌唱したことのある所定楽曲の楽曲リストを取得する。例えば、利用者U1に携帯端末15aのコンテンツメニューから「音楽番組でカラオケ」が選択されてスタートボタンが押されると、カラオケ装置10の取得部22から利用者U1-U3の携帯端末15a-15cのカラオケアプリケーションに楽曲リストの送信リクエストが送られる。携帯端末15a-15cではカラオケアプリケーションの歌唱履歴内の楽曲IDから楽曲リストが生成され、携帯端末15a-15cからカラオケ装置10に送信レスポンスとして楽曲リストが送られて取得部22に取得される。
【0019】
また例えば、カラオケアプリケーションの歌唱履歴及び音楽再生アプリケーションの再生履歴から楽曲リストが生成されてもよい。この場合、携帯端末15a-15cのカラオケアプリケーションが楽曲リストの送信リクエストを受けると、カラオケアプリケーションによって音楽再生アプリケーションが起動される。そして、携帯端末15a-15cではカラオケアプリケーションの歌唱履歴内の楽曲IDから楽曲リストが生成され、音楽再生アプリケーションの再生履歴内の楽曲名が楽曲リストに追加される。なお、音楽再生アプリケーションの再生履歴だけで楽曲リストが作られてもよい。
【0020】
楽曲特定部23は、楽曲リストに含まれる所定楽曲を楽曲テーブル31から特定する。上記したように、楽曲リストには利用者が歌唱したことがある楽曲IDが含まれるため、楽曲特定部23によって楽曲リストに含まれる楽曲IDが楽曲テーブル31の中から検索される。また、楽曲リストには利用者が聴取したことがある楽曲名が含まれるため、楽曲特定部23によって楽曲リストに含まれる楽曲名の楽曲IDが楽曲テーブル31の中から検索される。このようにして、楽曲リストに含まれる所定楽曲を示す楽曲IDが特定される。本実施形態では、例えば50曲の所定楽曲の楽曲IDが特定される。
【0021】
番組特定部24は、所定楽曲の楽曲属性情報に合う番組属性情報の所定番組を番組テーブル32から特定する。この場合、楽曲属性情報としての楽曲の発表年が番組属性情報としての実番組の放送期間に含まれる所定番組が特定される。例えば、50曲の所定楽曲の楽曲IDに対応付けられた発表年のうち、最も古い発表年と最も新しい発表年から「1982~1988」が取得される。さらに、番組特定部24によって発表年「1982~1988」を含む実番組の放送期間に対応付けられた番組IDが番組テーブル32の中から検索される。
【0022】
このようにして、所定楽曲の発表年に放送されていた番組を模擬した所定番組を示す番組IDが特定される。ここでは、「赤青歌合戦」、「ヒットチャートUSA」、「ザ・ベストファイブ」、「洋楽ベストテン」の番組IDが特定される。利用者U1-U3が歌ったり聴いたりしたことがある楽曲の発表年代の実番組を模擬した番組が特定される。これらの実番組は利用者が視聴していた可能性が高いため、実番組を模擬した番組によって演出効果が高められている。なお、番組テーブル32の実番組の放送期間は、例えば±5年された放送期間が設定されていてもよい。
【0023】
また、番組特定部24によって楽曲属性情報と番組属性情報の楽曲のジャンルが共通する所定番組が特定される。例えば、50曲の所定楽曲のジャンルが「洋楽」の場合、番組特定部24によってジャンル「洋楽」が対応付けられた番組IDが番組テーブル32の中から検索される。このようにして、所定楽曲のジャンルを扱っていた番組を模擬した所定番組を示す番組IDが特定される。ここでは、「ヒットチャートUSA」、「洋楽ベストテン」の番組IDが特定される。利用者U1-U3のお気に入りのジャンルの音楽を中心に扱う実番組を模擬した番組が特定されて演出効果が高められている。なお、所定楽曲のジャンルが複数存在する場合はジャンル別に集計を行い、最多数の楽曲のジャンルや、上位3つの楽曲のジャンルなどと共通する所定番組を特定してもよい。
【0024】
なお、番組特定部24によって所定楽曲の発表年を用いた特定条件及び所定楽曲のジャンルを用いた特定条件のいずれか一方を満たす番組IDが検索(特定)されてもよい。また、番組特定部24によって所定楽曲の発表年を用いた特定条件を満たす番組IDと所定楽曲のジャンルを用いた特定条件を満たす番組IDがAND検索又はOR検索されてもよい。本実施形態では、番組特定部24によって所定楽曲の発表年を用いた特定条件を満たす番組IDと所定楽曲のジャンルを用いた特定条件を満たす番組IDがAND検索される。ここでは、「ヒットチャートUSA」、「洋楽ベストテン」の番組IDが特定される。
【0025】
受付部25は、所定番組の番組IDに対応付けられた番組名と選択番号を、「カラオケアプリケーションを操作して番組を選択してください」というメッセージと共にモニタ11(
図1参照)に表示する。利用者U1に携帯端末15aの画面が操作されて「ヒットチャートUSA」の選択番号「1」が選択されると、携帯端末15aからカラオケ装置10に選択番号を含む選択信号が送信される。カラオケ装置10が選択信号を受信すると、受付部25によって選択番号「1」の番組である「ヒットチャートUSA」の番組ID「ID**PG2」が受け付けられる。
【0026】
番組映像特定部26は、所望の所定番組の番組IDに基づき所定番組映像を番組映像テーブル33から特定する。番組映像特定部26によって所定番組の番組IDに対応付けられた映像IDが番組映像テーブル33の中から検索される。このようにして、所定番組に用いられる所定番組映像を示す映像IDが特定される。ここでは、「ヒットチャートUSA」の番組ID「ID**PG2」に対応付けられた映像ID「ID****P2」の映像IDが特定される。
【0027】
生成部27は、受付部25で受け付けた所定番組の番組進行テーブル34を参照して、所定楽曲の楽曲ID及び所定番組映像の映像IDを登録した番組再生リストを生成する。生成部27によって所定のメモリに番組再生リストが生成され、所定番組の番組進行テーブル34の再生順及びデータ種別に従って所定楽曲の楽曲ID及び所定番組映像の映像IDが番組再生リストに登録される。データ種別が「楽曲データ」の場合には所定楽曲の中からランダムに選んだ楽曲IDが番組再生リストに登録される。データ種別が「番組映像データ」の場合には所定番組映像の映像IDが番組再生リストに登録される。
【0028】
ここでは、「ヒットチャートUSA」の番組ID「ID**PG2」の番組進行テーブル34が参照される。番組ID「ID**PG2」の番組進行テーブル34では、1番目のデータ種別が番組映像データになっており、2番目以降のデータ種別が楽曲データになっている(上記の表4参照)。このため、表5に示すように、生成部27によって番組再生リストの1番目に映像ID「ID****P2」、2番目に楽曲ID「ID****M3」、3番目に楽曲ID「ID****M7」、4番目に楽曲ID「ID****M10」が順次登録される。
【表5】
【0029】
再生部28は、番組再生リストに基づいて、所定番組映像の映像IDに対応した番組映像データ及び所定楽曲の楽曲IDに対応した楽曲データを再生する。再生部28によって番組再生リストの再生順に従って再生処理が実施される。番組再生リスト内の映像IDの再生処理では、再生部28によって番組映像テーブル33の中から映像IDに対応付けられた番組映像データが読み出されて再生される。番組再生リスト内の楽曲IDの再生処理では、再生部28によって楽曲テーブル31の中から楽曲IDに対応付けられた楽曲データが読み出されて再生される。
【0030】
ここでは、番組再生リストの1番目の映像ID「ID****P2」に対応付けられた番組映像データが読み出され、番組映像データが再生されて「ヒットチャートUSA」の番組映像がモニタ11に表示される。例えば、実番組を模擬したオープニング映像が流れ、実番組の司会者の顔や喋り方を模擬したキャラクタの映像が音声と共に表示される。続いて、番組再生リストの2番目の楽曲ID「ID****M3」に対応付けられた楽曲データが読み出され、楽曲データが再生されて楽曲名「△△△△」の演奏が開始されると共に歌詞テロップと背景映像がモニタ11に表示される。
【0031】
なお、カラオケ装置10の各部の処理は、プロセッサを用いてソフトウェアによって実現されてもよいし、集積回路等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。プロセッサを用いる場合には、プロセッサがメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することで各種処理が実施される。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)が使用される。また、メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体によって構成されている。
【0032】
図3を参照して、本実施形態のカラオケ装置の処理動作について説明する。
図3は、本実施形態のカラオケ装置の処理動作の一例を示すフロー図である。なお、ここでは、
図2の符号を適宜使用して説明する。また、以下のフロー図は一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0033】
図3に示すように、「音楽番組でカラオケ」のコンテンツが開始されると、カラオケ装置10の取得部22によって携帯端末15に対して楽曲リストが要求される(ステップS01)。携帯端末15にてカラオケアプリケーションの歌唱履歴や音楽再生アプリケーションの再生履歴等から楽曲リストが生成され、携帯端末15からカラオケ装置10に送られた楽曲リストが取得部22に取得される(ステップS02)。次に、楽曲特定部23によって楽曲リストに含まれる楽曲名や楽曲IDが楽曲テーブル31の中から検索されて所定楽曲を示す楽曲IDが特定される(ステップS03)。
【0034】
次に、番組特定部24によって所定楽曲の楽曲属性情報に応じた特定条件を満たした番組属性情報が番組テーブル32の中から検索されて所定番組を示す番組IDが特定される(ステップS04)。上記したように、特定条件には楽曲属性情報としての楽曲の発表年が番組属性情報としての実番組の放送期間に含まれることや、楽曲属性情報と番組属性情報の楽曲のジャンルが共通することが設定されている。次に、受付部25によってモニタ11に1つ又は複数の所定番組の番組名が表示され、所望の所定番組を示す番組IDの選択が受け付けられる(ステップS05)。
【0035】
次に、番組映像特定部26によって所望の所定番組の番組IDが番組映像テーブル33の中から検索されて所定番組映像を示す映像IDが特定される(ステップS06)。次に、生成部27によって番組再生リストが生成されて、所望の所定番組の番組進行テーブル34に従って番組再生リストに所定番組映像の映像ID及び所定楽曲の楽曲IDが登録される(ステップS07)。そして、再生部28によって番組再生リストの再生順に従って、映像IDに対応した番組映像データが番組映像テーブル33から読み出されて再生され、楽曲IDに対応した楽曲データが楽曲テーブル31から読み出されて再生される(ステップS08)。
【0036】
以上、本実施形態のカラオケ装置10によれば、番組再生リストに沿って番組映像データと楽曲データが再生されることで、音楽番組の進行途中の歌唱シーンでお気に入りのカラオケ演奏が開始されて利用者が歌唱することができる。音楽番組によって演出効果が高められて、個人の利用者はもちろんグループの利用者にもカラオケの新たな楽しみ方を提供することができる。
【0037】
<変形例>
なお、本実施形態の番組映像テーブル33では、1つの番組に対して1つの番組映像データが対応付けられているが、1つの番組に対して複数の番組映像データが対応付けられていてもよい。変形例の番組映像テーブル33では、番組映像毎に映像IDと、番組IDと、映像種別と、番組映像データと、が対応付けられている。映像種別としては、オープニング、エンディング、MC1、MC2等が設定されている。オープニングはオープニング映像であることを示し、エンディングはエンディング映像であることを示し、MC1、MC2は曲紹介の映像であることを示している。
【0038】
例えば、表6に示すように、「赤青歌合戦」の番組ID「ID**PG1」では、映像ID「ID****P1」、「ID****P2」に映像種別「オープニング」、映像ID「ID****P3」-「ID****P5」に映像種別「MC1」、映像ID「ID****P6」、「ID****P7」に映像種別「MC2」が対応付けられている。MC1は男性司会者が青組の歌手の曲紹介をする映像であり、MC2は女性司会者が赤組の歌手の曲紹介をする映像である。「赤青歌合戦」には、映像種別毎に複数の映像パターンが用意されている。
【表6】
【0039】
また、表7に示すように、「ザ・ベストファイブ」の番組ID「ID**PG3」では、映像ID「ID****P1」、「ID****P2」に映像種別「オープニング」、映像ID「ID****P3」-「ID****P5」に映像種別「MC1」、映像ID「ID****P6」、「ID****P7」に映像種別「MC2」が対応付けられている。MC1は男性司会者が1位の楽曲の曲紹介をする映像であり、MC2は男性司会者と女性司会者が2位の楽曲の曲紹介をする映像である。「ザ・ベストファイブ」には、映像種別毎に複数の映像パターンが用意されている。
【表7】
【0040】
本実施形態では、生成部27によって所定楽曲の中からランダムに選んだ楽曲IDが番組再生リストに登録されるが、所定楽曲の中から登録条件を満たす楽曲IDが番組再生リストに登録されてもよい。変形例の楽曲テーブル31の楽曲属性情報には、楽曲の発表年や楽曲のジャンルに加えて、歌手の性別、カラオケ演奏された演奏回数が含まれている。例えば、表8に示すように、楽曲ID「ID****M1」の楽曲属性情報として歌手の性別「女性」、演奏回数「12000」が設定されている。楽曲ID「ID****M2」の楽曲属性情報として歌手の性別「男性」、演奏回数「45000」が設定されている。
【表8】
【0041】
変形例の番組進行テーブル34では、再生順に並んだデータ種別に番組映像データ及び楽曲データの登録条件が対応付けられている。番組ID「ID**PG1」の「赤青歌合戦」の番組進行テーブル34では、番組再生リストへの番組映像データの登録条件として映像種別が設定され、番組再生リストへの楽曲データの登録条件として歌手の性別が設定されている。歌手の性別が登録条件に設定されることで、男性歌手と女性歌手が交互に歌う音楽番組が再現される。表9に示すように、番組進行テーブル34には、オープニング、男性司会者の曲紹介(MC1)、男性歌手の楽曲のカラオケ演奏、女性司会者の曲紹介(MC2)、女性歌手の楽曲のカラオケ演奏の順に番組が進行するようにデータ種別と登録条件が設定されている。
【表9】
【0042】
例えば、番組ID「ID**PG3」の「ザ・ベストファイブ」の番組進行テーブル34では、番組再生リストへの番組映像データの登録条件として映像種別が設定され、番組再生リストへの楽曲データの登録条件として演奏回数の順位が設定されている。演奏回数の順位が登録条件に設定されることで、演奏回数が多い順に1位から5位までの楽曲を歌う音楽番組が再現される。表10に示すように、番組進行テーブル34には、オープニング、5位の楽曲紹介(MC5)、5位の楽曲のカラオケ演奏、4位の楽曲紹介(MC4)、4位の楽曲のカラオケ演奏、3位の楽曲紹介(MC3)の順に番組が進行するようにデータ種別と登録条件が設定されている。
【表10】
【0043】
生成部27は、「赤青歌合戦」の場合には、映像種別が一致する所定番組映像の映像IDを番組再生リストに登録し、歌手の性別が一致する所定楽曲の楽曲IDを番組再生リストに登録する。例えば、表9に示す番組進行テーブル34の1番目にはデータ種別「番組映像データ」、登録条件「オープニング」が設定されている。このため、「赤青歌合戦」で用いられる映像IDの中から映像種別「オープニング」の映像ID「ID****P1」、映像ID「ID****P2」のいずれかがランダムに選択されて番組再生リストの1番目に登録される。
【0044】
生成部27は、「ザ・ベストファイブ」の場合には、映像種別が一致する所定番組映像の映像IDを番組再生リストに登録し、演奏回数の順位が一致する所定楽曲の楽曲IDを番組再生リストに登録する。例えば、表10に示す番組進行テーブル34の3番目にはデータ種別「楽曲データ」、登録条件「5位」が設定されている。このため、50曲の所定楽曲の演奏回数から演奏順位が求められて、50曲の所定楽曲の楽曲IDの中から5番目に演奏回数が多い楽曲ID「ID****M3」が選択されて番組再生リストの3番目に登録される。
【0045】
以上、変形例のカラオケ装置10においては、オープニングやMC等の映像種別を含めて演出効果が高められると共に、男女に分かれて歌唱する音楽番組やランキング形式の音楽番組を再現することができる。
【0046】
なお、上記実施形態において、カラオケ装置に受付部が設けられているが、カラオケ装置に受付部が設けられていなくてもよい。例えば、番組特定部によって1つの番組IDしか特定されないような場合や、番組特定部で特定された複数の番組IDからランダムに選択される場合には、利用者からの番組IDの選択を受け付けずに所望の番組IDが特定されてもよい。
【0047】
なお、上記実施形態において、カラオケ装置にプログラムをインストールすることによって、音楽番組の再現機能が追加されてもよい。このプログラムは記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は特に限定されないが、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
【0048】
また、本実施形態を説明したが、他の実施形態として、上記実施形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
【0049】
また、本発明の技術は上記の実施形態に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方によって実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【符号の説明】
【0050】
10:カラオケ装置
15:携帯端末
22:取得部
23:楽曲特定部
24:番組特定部
26:番組映像特定部
27:生成部
28:再生部
31:楽曲テーブル
32:番組テーブル
33:番組映像テーブル
34:番組進行テーブル