IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-搬送装置 図1
  • 特開-搬送装置 図2
  • 特開-搬送装置 図3
  • 特開-搬送装置 図4
  • 特開-搬送装置 図5
  • 特開-搬送装置 図6
  • 特開-搬送装置 図7
  • 特開-搬送装置 図8
  • 特開-搬送装置 図9
  • 特開-搬送装置 図10
  • 特開-搬送装置 図11
  • 特開-搬送装置 図12
  • 特開-搬送装置 図13
  • 特開-搬送装置 図14
  • 特開-搬送装置 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121150
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/38 20060101AFI20240830BHJP
   B65H 29/70 20060101ALI20240830BHJP
   G07D 11/175 20190101ALI20240830BHJP
【FI】
B65H5/38
B65H29/70
G07D11/175
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028092
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 淳
【テーマコード(参考)】
3E141
3F053
3F101
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141BA06
3E141DA08
3E141FG04
3F053HA03
3F053HB12
3F053LA08
3F053LB04
3F101FA01
3F101FC05
3F101FC11
3F101LA08
3F101LB04
(57)【要約】
【課題】製造コストの増大化を抑制するとともに、シートのエラー誘起部分を矯正してシート詰まりの発生を防止すること。
【解決手段】上下に離隔する態様で設置されるとともに互いに対向する対向面(41S,42S)の相互間が搬送経路21の一部を構成するガイド対40を備え、紙幣1を搬送経路21に沿って搬送する搬送装置20であって、ガイド対40は、対向面の少なくとも一方に他方に向けて突出する態様で形成され、紙幣1の搬送方向に直交する幅方向に沿って互いに離隔して並設された複数のガイドリブ41a,42aを備え、複数のガイドリブ41a,42aのうち少なくとも紙幣1の幅方向の両端部に接触可能なものは、搬送方向下流側に向かうに連れて幅方向の中央部分から漸次離隔する態様で傾斜延在している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に離隔する態様で設置されるとともに互いに対向する対向面の相互間が搬送経路の一部を構成するガイド対を備え、シートを前記搬送経路に沿って搬送する搬送装置であって、
前記ガイド対は、前記対向面の少なくとも一方に他方に向けて突出する態様で形成され、かつ前記シートの搬送方向に直交する幅方向に沿って互いに離隔して並設された複数のガイドリブを備え、
前記複数のガイドリブのうち少なくとも前記シートの幅方向の両端部に接触可能なガイドリブは、搬送方向下流側に向かうに連れて前記幅方向の中央部分から漸次離隔する態様で傾斜延在していることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記複数のガイドリブは、前記幅方向の中央部分を中心にして線対称となる態様で、前記対向面に並設されたことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記複数のガイドリブは、前記ガイド対のそれぞれの対向面に形成されており、
前記ガイド対は、一の対向面における複数のガイドリブが他方の対向面における複数のガイドリブと互い違いとなる態様で形成されたことを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記ガイド対は、少なくとも2つの筒状ローラにて前記シートを挟み込んで搬送する第1ニップ部と、前記第1ニップ部の搬送方向下流側において少なくとも2つの筒状ローラにて前記シートを挟み込んで搬送する第2ニップ部との間に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動釣銭機としての紙幣処理機では、紙幣の搬送方向と直交する幅方向に専用の回転ブラシが配設され、回転ブラシを紙幣の搬送速度よりも高速となるように回転させて紙幣の角折れ部分やカール部分等のエラー誘起部分を捲り上げて矯正することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、一端部にテーパ部が形成され、該一端部が搬送される紙幣に接することにより、エラー誘起部分を矯正する専用の矯正機構を用いることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-61646号公報
【特許文献2】特開2019-18972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1及び特許文献2に提案された技術では、エラー誘起部分を矯正するために専用の部材(ブラシ又は矯正機構)を用いる必要があり、そのような専用の部材を切替機構に用いることは部品点数が増加し、製造コストの増大化を招来する。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、製造コストの増大化を抑制するとともに、シートのエラー誘起部分を矯正してシート詰まりの発生を防止することができる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る搬送装置は、上下に離隔する態様で設置されるとともに互いに対向する対向面の相互間が搬送経路の一部を構成するガイド対を備え、シートを前記搬送経路に沿って搬送する搬送装置であって、前記ガイド対は、前記対向面の少なくとも一方に他方に向けて突出する態様で形成され、かつ前記シートの搬送方向に直交する幅方向に沿って互いに離隔して並設された複数のガイドリブを備え、前記複数のガイドリブのうち少なくとも前記シートの幅方向の両端部に接触可能なガイドリブは、搬送方向下流側に向かうに連れて前記幅方向の中央部分から漸次離隔する態様で傾斜延在していることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記搬送装置において、前記複数のガイドリブは、前記幅方向の中央部分を中心にして線対称となる態様で、前記対向面に並設されたことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記搬送装置において、前記複数のガイドリブは、前記ガイド対のそれぞれの対向面に形成されており、前記ガイド対は、一の対向面における複数のガイドリブが他方の対向面における複数のガイドリブと互い違いとなる態様で形成されたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記搬送装置において、前記ガイド対は、少なくとも2つの筒状ローラにて前記シートを挟み込んで搬送する第1ニップ部と、前記第1ニップ部の搬送方向下流側において少なくとも2つの筒状ローラにて前記シートを挟み込んで搬送する第2ニップ部との間に配置されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ガイド対は、対向面の少なくとも一方に他方に向けて突出する態様で形成され、かつシートの搬送方向に直交する幅方向に沿って互いに離隔して並設された複数のガイドリブを備え、複数のガイドリブのうち少なくともシートの幅方向の両端部に接触可能なガイドリブは、搬送方向下流側に向かうに連れて幅方向の中央部分から漸次離隔する態様で傾斜延在しているので、搬送されるシートにエラー誘起部分が存在する場合、該エラー誘起部分を矯正して搬送方向下流側に案内することができ、エラー誘起部分に起因するシート詰まりの発生を防止することができる。しかも、ガイド対を構成する少なくとも一部のガイドリブの延在方向を変形させただけなので、従来のような専用の部材を必要とせず、部品点数の増大を抑制できる。従って、製造コストの増大化を抑制するとともに、シートのエラー誘起部分を矯正してシート詰まりの発生を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施の形態である搬送装置が適用された紙幣処理機の構成を模式的に示す模式図である。
図2図2は、図1に示したいずれか1つの分岐個所に設置された切替機構を示す斜視図である。
図3図3は、図2に示した第1ニップ部、第2ニップ部及びガイド対を示す側面図である。
図4図4は、図3に示した上側ガイドを示す斜視図である。
図5図5は、図3に示した上側ガイドを示す底面図である。
図6図6は、図3に示した下側ガイドを示す斜視図である。
図7図7は、図3に示した下側ガイドを示す平面図である。
図8図8は、図3に示したガイド対の断面構造を示す斜視図である。
図9図9は、図3に示したガイド対の要部を拡大して示す断面図である。
図10図10は、図3に示したガイド対(上側ガイド)の作用を示す説明図である。
図11図11は、図3に示したガイド対(上側ガイド)の作用を示す説明図である。
図12図12は、図3に示したガイド対(上側ガイド)の作用を示す説明図である。
図13図13は、図3に示したガイド対(上側ガイド)の作用を示す説明図である。
図14図14は、図3等に示したガイド対の変形例を示す説明図である。
図15図15は、図3等に示したガイド対の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る搬送装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態である搬送装置が適用された紙幣処理機の構成を模式的に示す模式図である。ここで例示する紙幣処理機10は、略直方状を成す筐体である紙幣処理機本体10aの前面に、紙幣を投入するための入金口11と、収納された紙幣を釣銭として払い出す出金口12とが形成されている。また紙幣処理機本体10aの前面下部には、引き出し可能な状態で設けられた回収庫13の前面部が露出している。
【0014】
そのような紙幣処理機10は、入金口11から投入された紙幣を本体内に導入する入金部14、紙幣を出金口12に繰り出す出金部15、回収庫13、紙幣の真贋及び金種を鑑別する鑑別部16、金種毎の紙幣を収納する収納庫17を有する。上述した入金部14、出金部15、回収庫13、鑑別部16及び収納庫17は、搬送装置20によって接続される。
【0015】
搬送装置20は、入金部14、出金部15、回収庫13、鑑別部16及び収納庫17を搬送経路21で接続し、該搬送経路21を臨む態様で設置された図示せぬ搬送ローラ等により紙幣を搬送するものである。そのような搬送装置20は、上記搬送経路21において、搬送方向が複数(図示の例では2つ)に分岐される分岐個所23が複数設けられており、それぞれの分岐個所23には、切替機構30が設置されて構成されている。
【0016】
図2は、図1に示したいずれか1つの分岐個所23に設置された切替機構30を示す斜視図である。この図2に示すように、切替機構30は、搬送ガイド31、第1ニップ部32及び第2ニップ部33を備えて構成されている。
【0017】
搬送ガイド31は、前方から略水平姿勢で搬送された紙幣1をそのまま水平姿勢で後方に搬送する第1搬送経路21aと、該紙幣1を湾曲させた姿勢で下方に搬送する第2搬送経路21bとの境界部分の近傍に設置されている。この搬送ガイド31は、従来公知のものであり、前方から搬送された紙幣1を第1搬送経路21aと第2搬送経路21bとのいずれかに択一的に搬送するものである。
【0018】
第1ニップ部32は、搬送ガイド31よりも前方側、すなわち搬送ガイド31よりも紙幣1の搬送方向上流側に設置されており、図2に示すように、上下一対の円筒状の第1ニップローラ32a,32bにより構成されている。
【0019】
この第1ニップ部32は、第1ニップローラ32a,32bにて紙幣1を挟み込んで後方に向けて該紙幣1を搬送するものである。
【0020】
第2ニップ部33は、第1ニップ部32よりも搬送方向下流側、すなわち後方側に設置されており、上下一対の円筒状の第2ニップローラ33a,33bにより構成されている。
【0021】
この第2ニップ部33は、第2ニップローラ33a,33bにて紙幣1を挟み込んで搬送ガイド31に向けて該紙幣1を搬送するものである。
【0022】
そのような第1ニップ部32と第2ニップ部33との間には、図3に示すように、ガイド対40が設けられている。ガイド対40は、上側ガイド41と下側ガイド42とを備えて構成されている。尚、以下においては、紙面に記載の方向に沿ってガイド対40を説明する。ここで紙幣1の搬送方向は、前方から後方に向かう方向であり、搬送方向に直交する紙幣1の幅方向は、左右方向であるものとする。
【0023】
このようなガイド対40は、上側ガイド41と下側ガイド42とが上下に離隔する態様で設置されており、上側ガイド41の下面41Sと下側ガイド42の上面42Sとが互いに対向しつつ相互間が搬送経路21の一部を構成している。つまり、上側ガイド41の下面41Sと下側ガイド42の上面42Sとは、対向面を構成している。
【0024】
図4及び図5は、それぞれ図3に示した上側ガイド41を示すもので、図4は斜視図であり、図5は底面図である。これら図4及び図5に示すように、上側ガイド41の下面41Sには、複数のガイドリブ(以下、上側ガイドリブともいう)41aが形成されている。これら上側ガイドリブ41aは、前後方向が長手方向となる長尺状部材であり、下面41Sの前後方向に亘って下方に突出する態様で形成されている。これら上側ガイドリブ41aは、下端部分が紙幣1に摺接可能である。
【0025】
これら上側ガイドリブ41aは、すべてが傾斜延在しており、左右方向(幅方向)の中央部分(図5中の二点鎖線L1)を中心にして線対称となる態様で並設されている。より詳細に説明すると、幅方向の中央部分より左方側の上側ガイドリブ41aは、先端部分41bから後端部分41cに向けて漸次左方に傾斜する態様で傾斜延在しており、幅方向の中央部分より右方側の上側ガイドリブ41aは、先端部分41bから後端部分41cに向けて漸次右方に傾斜する態様で傾斜延在している。
【0026】
これら上側ガイドリブ41aの紙幣1の搬送方向(前後方向)に対する傾斜角θ1は、同一の大きさとされ、例えば30°以下とされ、好ましくは20°以下、より好ましくは5°~15°程度である。
【0027】
傾斜角θ1が非常に小さいと、後述するエラー誘起部分1aの矯正効果が得られず、傾斜角θ1が30°を超えると、紙幣1に対する搬送抵抗が過大なものとなり、搬送不良を誘起して好ましくない。
【0028】
図6及び図7は、それぞれ図3に示した下側ガイド42を示すもので、図6は斜視図であり、図7は平面図である。これら図6及び図7に示すように、下側ガイド42の上面42Sには、複数のガイドリブ(以下、下側ガイドリブともいう)42aが形成されている。これら下側ガイドリブ42aは、前後方向が長手方向となる長尺状部材であり、上面42Sの前後方向に亘って上方に突出する態様で形成されている。これら下側ガイドリブ42aは、上端部分が紙幣1に摺接可能である。
【0029】
これら下側ガイドリブ42aは、すべてが傾斜延在しており、左右方向(幅方向)の中央部分(図7中の二点鎖線L2)を中心にして線対称となる態様で並設されている。より詳細に説明すると、幅方向の中央部分より左方側の下側ガイドリブ42aは、先端部分42bから後端部分42cに向けて漸次左方に傾斜する態様で傾斜延在しており、幅方向の中央部分より右方側の下側ガイドリブ42aは、先端部分42bから後端部分42cに向けて漸次右方に傾斜する態様で傾斜延在している。
【0030】
これら下側ガイドリブ42aの紙幣1の搬送方向(前後方向)に対する傾斜角θ2は、同一の大きさとされ、例えば30°以下とされ、好ましくは20°以下、より好ましくは5°~15°程度である。
【0031】
傾斜角θ2が非常に小さいと、後述するエラー誘起部分1aの矯正効果が得られず、傾斜角θ2が30°を超えると、紙幣1に対する搬送抵抗が過大なものとなり、搬送不良を誘起して好ましくない。尚、本実施の形態では、傾斜角θ1と傾斜角θ2とは同一の大きさである。
【0032】
そのようなガイド対40は、図8及び図9に示すように、上側ガイドリブ41aと下側ガイドリブ42aとが互い違いとなる態様で形成されており、しかも、上側ガイドリブ41aと下側ガイドリブ42aのとの離間距離Tが、紙幣1の厚みよりも僅かに大きい程度である。
【0033】
以上のような構成を有する搬送装置20を有する紙幣処理機10においては、ガイド対40を構成する上側ガイド41の上側ガイドリブ41a及び下側ガイド42の下側ガイドリブ42aが、搬送方向下流側に向かうに連れて幅方向の中央部分から漸次離隔する態様で傾斜延在しているので、次のような作用を奏する。
【0034】
図10図13に示すように、第1ニップ部32から搬送されてきた紙幣1に角折れ部分等のエラー誘起部分1aがある場合、上側ガイドリブ41aの先端部分41bがエラー誘起部分1aを含む紙幣1の端部に接触することにより、エラー誘起部分1aを捲り上げ、エラー誘起部分1aを矯正して第2ニップ部33に搬送させることができる。
【0035】
尚、ここでは紙幣1のエラー誘起部分1aが紙幣1の角部分が上方に折れ曲がったものであったので、上側ガイドリブ41aで説明したが、紙幣1のエラー誘起部分1aが紙幣1の角部分が下方に折れ曲がったものである場合には、下側ガイドリブ42aが接触することにより、上側ガイドリブ41aと同様に、エラー誘起部分1aを矯正することになる。
【0036】
以上説明したように、本発明の実施の形態である搬送装置20によれば、ガイド対40を構成する上側ガイド41の上側ガイドリブ41a及び下側ガイド42の下側ガイドリブ42aが、搬送方向下流側に向かうに連れて幅方向の中央部分から漸次離隔する態様で傾斜延在しているので、搬送される紙幣1にエラー誘起部分1aが存在する場合、該エラー誘起部分1aを矯正して搬送方向下流側に案内することができ、エラー誘起部分1aに起因する紙幣1の詰まりの発生を防止することができる。しかも、ガイド対40を構成する上側ガイドリブ41a及び下側ガイドリブ42aの延在方向を変形させただけなので、従来のような専用の部材を必要とせず、部品点数の増大を抑制できる。従って、製造コストの増大化を抑制するとともに、紙幣1のエラー誘起部分1aを矯正して紙幣1の詰まりの発生を防止することができる。
【0037】
また上記搬送装置20によれば、ガイド対40を構成する上側ガイドリブ41aと下側ガイドリブ42aとで紙幣1に接触するので、該紙幣1に対して面接触する場合に比して、紙幣1に対する搬送抵抗を低減させることができる。
【0038】
更に上記搬送装置20によれば、ガイド対40は、上側ガイドリブ41aと下側ガイドリブ42aとが互い違いとなる態様で形成されているので、紙幣1からガイドリブ41a,42aに作用する力を低減することができ、搬送される紙幣1の皺を伸ばすことができるとともに、紙幣1に対する搬送抵抗を低減させることができる。
【0039】
また更に上記搬送装置20によれば、ガイド対40が第1ニップ部32と第2ニップ部33との間に設けられ、上下一対の第1ニップローラ32a,32bで紙幣1を挟み込んでガイド対40に搬送するとともに、上下一対の第2ニップローラ33a,33bで紙幣1を挟み込んで搬送ガイド31に搬送するので、搬送される紙幣1の皺伸ばしを行うことができる。
【0040】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0041】
上述した実施の形態では、上側ガイドリブ41a及び下側ガイドリブ42aのすべてが傾斜延在していたが、本発明においては、図14及び図15のような構成を有してもよい。
【0042】
図14及び図15は、それぞれ図3等に示したガイド対40の変形例を示す説明図である。尚、図14及び図15では、上側ガイド41及び下側ガイド42のそれぞれに設けられるガイドリブの配置について説明する。
【0043】
図14に示すように、搬送されるシートの幅方向の中央部分に接するガイドリブ43aは、前後方向(搬送方向)に沿って延在し、シートの幅方向の両端部に接するガイドリブ43aが、先端部分43bから後端部分43cに向かうに連れて幅方向の中央部分より漸次離隔する態様で傾斜延在していてもよい。
【0044】
また図15に示すように、すべてのガイドリブ44aが傾斜延在しており、幅方向の中央部分(図15中の二点鎖線L3)を中心にして線対称となる態様で並設されている。しかも、複数のガイドリブ44aは、先端部分44bから後端部分44cに向かうに連れて幅方向の中央部分より漸次離隔する態様で傾斜延在しており、幅方向の中央部分から離隔するに連れて搬送方向に対する傾斜角が漸次大きくなるように配置されていてもよい。
【0045】
上述した実施の形態では、ガイド対40が分岐個所23の切替機構30を構成していたが、本発明におけるガイド対は、切替機構以外に設けられていてもよい。
【0046】
上述した実施の形態では、紙幣1をシートの一例として説明したが、本発明のシートは、紙幣に限られるものではない。
【符号の説明】
【0047】
1…紙幣、1a…エラー誘起部分、10…紙幣処理機、10a…紙幣処理機本体、20…搬送装置、21…搬送経路、30…切替機構、31…搬送ガイド、32…第1ニップ部、32a,32b…第1ニップローラ、33…第2ニップ部、33a,33b…第2ニップローラ、40…ガイド対、41…上側ガイド、41a…上側ガイドリブ、41S…下面、42…下側ガイド、42a…下側ガイドリブ、42S…上面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15