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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121167
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】漏斗
(51)【国際特許分類】
   B67C 11/02 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
B67C11/02
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028119
(22)【出願日】2023-02-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】522033298
【氏名又は名称】合同会社律歩
(72)【発明者】
【氏名】野本 英男
【テーマコード(参考)】
3E079
【Fターム(参考)】
3E079BB02
3E079BB03
3E079HH00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】容器から別の容器へ移し替える操作において、流体が飛散したり泡立ったりすることなく、効率良く移し替える漏斗を提供する。
【解決手段】漏斗(1)は、頂部に投入口(10)を有すると共に底部に開口を有する本体部(2)と、本体部(2)の底部に接続され、流体を流出させるための流出口(4)を有する脚部(3)とを備え、流出口(4)は、脚部(3)の第1側面に設けられており、脚部(3)の第1側面に対向する第2側面の下端側が延伸方向に湾曲しながら流出口(4)の流出口下端(6)に接続されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を移しかえるための漏斗であって、頂部に投入口を有すると共に底部に開口を有する本体部と、前記本体部の前記底部に接続され、前記流体を流出させるための流出口を有する脚部と、を備え、前記流出口は、前記脚部の第1側面に設けられており、前記脚部の前記第1側面に対向する第2側面の下端側が延伸方向に湾曲しながら前記流出口の流出口下端に接続されていることを特徴とする漏斗。
【請求項2】
前記流出口の前記流出口下端が、前記脚部の前記第1側面の延長面よりも内側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の漏斗。
【請求項3】
前記流出口が設けられた前記脚部の前記第1側面が、ほぼ平坦な面を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の漏斗。
【請求項4】
前記流出口は、前記流出口下端に対向する流出口上端を有し、前記流出口上端に接続された整流板を有することを特徴とする請求項1に記載の漏斗。
【請求項5】
前記整流板が、前記流出口下端にも接続されていることを特徴とする請求項4に記載の漏斗。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漏斗に関するものである。
【背景技術】
【0002】
漏斗(ろうと、ロート)あるいはじょうごは、一般的に、液体や粉体などの流体を、ある容器から別の移し替え先容器へと効率良く移し替える操作に用いる。例えば、一般家庭においては、醤油の一升瓶等から醤油差しへ醤油を移し替えるとき、煮出した麦茶を空きペットボトル容器へ移し替えるとき、或いは、詰め替え用洗剤等をボトルへ移し替えるときなどに漏斗が使用される。
【0003】
一般的には、漏斗の流出口は、脚部の先端において、脚部の延伸方向すなわち下方向に向かって開口しており、漏斗に注がれた流体は、この流出口の開口している方向、すなわち下方向に流出する。また、流出口が、脚部の延伸方向と異なる方向に開口している漏斗も提案されている。例えば、特許文献1には、流出口が脚部の側面に設けられている漏斗が開示されている。特許文献1に記載の漏斗では、流体は、脚部の延伸方向に対して横方向に流出するとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実全昭57-137198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の漏斗では、漏斗の流出口が、脚部の先端において、脚部の延伸方向すなわち下方向に向かって開口しているため、移し替える流体が、流出口より重力に引かれるまま鉛直に流出する。このため、移し替え先容器の底部や流体自身に衝突し、飛散したり泡立ったりすることがあった。流体が泡立つことによって、流体が化学反応や酸化を起こし、流体の品質を低下させる場合があった。また、流体の飛散により、汚れ等が生じたり、不衛生であったりすることがあった。
【0006】
また、特許文献1では、流出口を脚部の側面に設けることで、流体の泡立ちを抑制できることが記載されている。しかし、単純に流出口を横に向けて開口させても、流体の泡立ちを抑制することは困難である。図9に、流出口を脚部の側面に設けた漏斗を用いて、流体を瓶に移し替えるときの流体の流れる様子を概略的に示す。特に、瓶のネックが短い場合は、実際には流体が十分に横向きに流出されないため、流体が移し替え容器の内側壁に沿って流れるようにすることは困難である。また、発明者の知見によれば、下向きには開口していない部分が流体の流れにとっては邪魔板となって、返って流体が飛散しながら流出され、泡立ってしまう場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る漏斗は、流体を移しかえるための漏斗であって、頂部に投入口を有すると共に底部に開口を有する本体部と、前記本体部の前記底部に接続され、前記流体を流出させるための流出口を有する脚部とを備える。前記流出口は、前記脚部の第1側面に設けられており、前記脚部の前記第1側面に対向する第2側面の下端側が延伸方向に湾曲しながら前記流出口の流出口下端に接続されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る漏斗では、流出口は、脚部の第1側面に設けられており、脚部の第1側面に対向する第2側面の下端側が延伸方向に湾曲しながら流出口の流出口下端に接続されているので、流体は飛散することなく整った流れで流出口からほぼ横向きに流出し、流体が移し替え先容器の内側面に沿って流れ落ちるため、流体の泡立ちや飛散を抑制することができる。
【0009】
また、本発明に係る漏斗において、前記流出口の前記流出口下端が、前記脚部の前記第1側面の延長面よりも内側に位置していることを特徴としてもよい。流出口の流出口下端が、脚部の第1側面の延長面よりも内側に位置しているので、移し替え容器の口に抜き差しする際の利便性を従来の漏斗と同様にしつつ、流体の流出方向をほぼ横向きにすることができ、使用後の洗浄も容易であり、なおかつ成形しやすくすることができる。
【0010】
本発明に係る漏斗において、前記流出口が設けられた前記脚部の前記第1側面が、ほぼ平坦な面を有することを特徴としてもよい。流出口が設けられた脚部の第1側面が、ほぼ平坦な面を有しているので、流出口上端もほぼ平坦にすることができるため、流体が流出する形状が整い、流体をより飛散しにくくすることができる。また、流出口が設けられた脚部の第1側面が、ほぼ平坦な面を有し、流出口上端もほぼ平坦になることで、形状が複雑にならず、成形しやすくすることができる。
【0011】
本発明に係る漏斗において、前記流出口は、前記流出口下端に対向する流出口上端を有し、前記流出口上端に接続された整流板を有することを特徴としてもよい。流出口が、流出口下端に対向する流出口上端を有し、流出口上端に接続された整流板を有しているので、流体は流出口上端の形状に沿って流出しやすくなり、流体をさらに飛散しにくくすることができる。
【0012】
本発明に係る漏斗において、前記整流板が、前記流出口下端にも接続されていることを特徴としてもよい。整流板が、流出口下端にも接続されているので、流体が流出口より流出する形状の分散を抑制することができ、流体をさらに飛散しにくくすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の漏斗は、従来の漏斗と同じ使用方法でありながら、流体を移し替え先容器内側壁に沿うように流れを整えて流出させることにより流体の飛散や泡立ちをほとんど生じさせずに移し替えができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、第1の実施形態に係る漏斗の斜視図を概略的に示す図面である。
図2図2は、第1の実施形態に係る漏斗の正面図を概略的に示す図面である。
図3図3は、第1の実施形態に係る漏斗の側面図を概略的に示す図面である。
図4図4は、第1の実施形態に係る漏斗の底面図を概略的に示す図面である。
図5図5は、第1の実施形態に係る漏斗の断面図を概略的に示す図面である。図5(a)は、図2のV-V線に沿って切り取った断面図である。図5(b)は、図5(a)において、漏斗の流出口近傍の拡大断面図を示す図である。
図6図6は、第2の実施形態に係る漏斗の斜視図を概略的に示す図面である。
図7図7は、第3の実施形態に係る漏斗の斜視図を概略的に示す図面である。
図8図8は、第1の実施形態の漏斗を流体の移し替えに用いるときの様子を概略的に示した図面である。
図9図9は、第1の実施形態の漏斗と特許文献1の漏斗とを使用したときの、移し替え先の容器内に流体が流出する様子を、それぞれ概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面と共に本発明に係る漏斗の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、説明中、「上」、「下」等の方向を示す語は、図面に示された状態に基づいた便宜的な語である。
【0016】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る漏斗1について説明する。図1に、第1の実施形態に係る漏斗1の斜視図を概略的に示す。図2図3、及び図4に、第1の実施形態に係る漏斗の正面図、側面図、及び底面図の概略図をそれぞれ示す。
【0017】
図1図4に示すように、漏斗1は、略お椀形状を有している本体部2と、本体部2の底面部に接続され下方向(第1方向)に延伸している脚部3を有することができる。また、本体部2は、上端部に、流体を注ぎ入れるための投入口10を有することができる。また、投入口10の縁に、取手8を設けることができる。また、脚部3は、流体を瓶やペットボトル等の容器の入り口に挿すために、パイプ状形状を有しており、これにより本体部2から脚部3に流体を流すための流路が確保されている。脚部3の下端部には流体を流出させるための流出口4が設けられている。また、第1の実施形態では、本体部2と脚部3とは、一体に形成することができる。
【0018】
また、脚部3は、中空を有するパイプ形状となっており、下側にいくほど徐々に中空の断面積が小さくなるテーパー形状を有することができる。脚部3をテーパー形状とすることにより、流体の流れに勢いをつけて向きを揃えやすくすることができる。また、図8に、第1の実施形態の漏斗を流体の移し替えに用いるときの様子を概略的に示す。脚部3をテーパー形状とすることにより、図8に示すように移し替え先の容器の口に挿しやすくすることができる。
【0019】
図4に示すように、第1の実施形態において、脚部3は、略矩形の断面を有することができる。なお、脚部3は、略矩形の断面を有することに限定されず、流出口4が設けられた第1側面11が、略平坦な形状を有するようにすればよい。
【0020】
また、図3に示すように、流出口4は、脚部3の略平坦な第1側面11の側に形成することができ、同時に流出口4の流出口上端5は、そのまま第1側面11の下端とすることができる。
【0021】
また、第1側面11に対向する第2側面12は、第2側面12が延伸する方向に湾曲する湾曲部7を形成して流出口4の流出口下端6へとつながる形状とすることができる。また、湾曲部7は、流出口4の流出口下端6に近づくにつれて曲率半径が小さくなるように湾曲させることができる。
【0022】
以上のようにして、流出口4が、下方向(第1方向)と交差する方向(第2方向)を向いて開口するように形成することができる。
【0023】
図5に、第1の実施形態に係る漏斗の断面図を概略的に示す。図5(a)は、図2のV-V線に沿って切り取った断面図である。図5(b)は、図5(a)において、漏斗1の流出口近傍の拡大断面図を示す。図5(b)において、流出口4および流出口4の流出口上端5と流出口4の流出口下端6ならびに湾曲部7が、全て、第1側面11の延長面11eと、第2側面12の延長面12eとの間に収まる形状とすることができる。
【0024】
また図5(b)において、流出口4の流出口上端5は、流出口4の流出口下端6に接する流出口下端基準線6eよりも外側に位置させることができる。換言すると、流出口4の流出口下端6が、脚部3の第1側面11の延長面よりも内側に位置しているように構成することができる。
【0025】
以上の第1の実施形態の漏斗を、図8に示すように移し替え容器の口に挿し、流体を移し替える作業を行なったときの、流体の流れについて説明する。漏斗1の投入口10から本体部2に注がれた流体等は、脚部3を通った後、第2側面12が延伸方向に湾曲した湾曲部7に沿って、流れの方向を徐々に変えながら、流出口4に到達し、図9(a)に示すように、流出口4から、漏斗1を挿した移し替え先の容器の内側壁に沿うようにして注がれる。
【0026】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る漏斗201について説明する。図6に、第2の実施形態に係る漏斗201を概略的に示す。図6に示すように、流出口4の流出口上端5に、流出口上端5に接続された下向きの整流板13を設けることができる。下向きの整流板13は、流出口4から流出する流体の流れを整えることができる。なお、流出口4の流出口上端5に、下向きの整流板13を設けている以外は、上記の第1実施形態の漏斗1と同様であるので、説明を省略する。
【0027】
(第3の実施形態)
次に第3の実施形態に係る漏斗301について説明する。図7に、第3の実施形態に係る漏斗301を概略的に示す。図7に示すように、湾曲部7は、図5(b)に示している第2側面12の延伸方向以外にも湾曲形状を有する形状とすることができる。その結果、流出口4の形状が、図7に示すように略半円形状となってもよい。なお、流出口4には、流出口4から流出する流体の流れを整えるため、流出口上端5および流出口下端6の両方に接続する、上下に接続する整流板14を設けることができる。なお、湾曲部7が、第2側面12の延伸方向以外にも湾曲形状を有する形状となっていることと、流出口4に上下に接続する整流板14を設けていること以外は、上記の第1実施形態の漏斗1と同様であるので、説明を省略する。
【0028】
本実施形態の漏斗は、アルミニウム、鉄、銅、ブリキ、ステンレスなどの金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、フッ素樹脂、ABS、ポリ乳酸などの樹脂、陶器、木材、ガラスなどの材料から成ることができる。
【実施例0029】
以下に本発明を、実施例および比較例を挙げて説明するが、この説明が本発明を限定するものではない。
【0030】
[実施例1]
上記の第1の実施形態の漏斗1を、3Dプリンターによって、ポリ乳酸を用いて作成し、実施例1とした。
【0031】
[実施例2]
上記の第2の実施形態の漏斗201を、3Dプリンターによって、ポリ乳酸を用いて作成し、実施例2とした。
【0032】
[実施例3]
上記の第3の実施形態の漏斗301を、3Dプリンターによって、ポリ乳酸を用いて作成し、実施例3とした。
【0033】
[比較例1]
特許文献1の形態の漏斗401を、3Dプリンターによって、ポリ乳酸を用いて作成し、比較例1とした。
【0034】
なお、第1から第4の実施形態において特に規定していない部分は、従来の漏斗として、イノマタ化学株式会社製「ロートペア(大小2個セット)」の小の方(漏斗501)を参考にした。また、第1から第4の実施形態において、移し替え先となる容器として用いた2Lペットボトルの口に、脚部が挿さるように、脚部の横断面の対角の長さが2cmを下回るようにした。
【0035】
[比較例2]
上述した従来の漏斗である漏斗501を用いて比較例2とした。なお、漏斗501の脚部の横断面の直径は2cmを下回っていた。なお、漏斗501を構成する材料はポリプロピレンであった。
【0036】
以上の実施例の特徴と漏斗番号とをまとめて記すと表1のとおりである。
【表1】
【0037】
このようにして作成した漏斗1から漏斗501を用いて、流体の流出角度の測定と、移し替え先容器内での流体の流出状況および泡立ち状態の観察、ならびに移し替え後の麦茶の風味に関する官能試験を実施した。なお、漏斗の材料について、漏斗1から漏斗401を構成する材料はポリ乳酸で、漏斗501を構成する材料はポリプロピレンという違いがあるが、以下に詳述する試験を行なった環境の温度は室温で、十分にポリ乳酸およびポリプロピレンの軟化点未満であったので、試験の結果の違いは漏斗の形状の違いにのみ依存していると言える。
【0038】
[流体の流出角度の測定]
漏斗1から漏斗401のそれぞれについて、正方形のタイルが敷き詰められた壁を背景にして、投入口に水道水を流し入れ、水道水が流出口から流出される流れを写真撮影し、その流れの流出口における接線と、タイルの垂直方向の目地との成す最大の角度を5度単位で測定した。したがって流体が横を向いて流出されるほど、角度は大きくなる。なお漏斗501では当然ながら前記角度が0度となるので、漏斗501について流体の流出角度の測定は実施しなかった。
【0039】
[流出状態の観察]
漏斗1から漏斗401のそれぞれについて、2L空きペットボトルに挿して投入口より水道水を流し入れ、空きペットボトルの外から観察して、水道水が内側壁に当たる範囲と形状を模式的に記録した。なお漏斗501では原理的に跳ね水以外はペットボトル内側壁に当たることがなく、水道水が空きペットボトルの底に衝突するので、漏斗501について流出状態の記録は実施しなかった。
【0040】
[泡立ち状態の観察]
漏斗1から漏斗501のそれぞれについて、1.5Lの空きペットボトルに挿し、麦茶1Lを投入口より連続的に流し入れ、直後の泡の高さを、該空きペットボトルの外から定規を当てて測定した。この移し替え操作は2度ずつ行い、平均をcm単位で評価した。なお、麦茶として、市販の水出し・お湯出し両用の1L用ティーバッグから、ガラス容器にて一晩水出しした麦茶を用いた。また、各移し替えの試行ごとに新しい前記ティーバッグを用いて麦茶を作成した。
【0041】
[移し替え後の麦茶の風味に関する官能試験]
前記、麦茶の泡立ち状態の観察を行なった中から、漏斗201(実施例2)および漏斗501(比較例2)を用いて移し替えた麦茶について、どちらかは知らせずに、2名の被験者(被験者1および被験者2)に飲み比べてもらい、苦味について、苦い/苦くない、のどちらかを判定してもらった。
【0042】
以上の評価結果を表2にまとめた。表2より、漏斗1、漏斗201および漏斗301(実施例1、2および3)は、水道水を移し替え先容器の内側壁に沿わすように流出させることで、水道水をほとんど飛散させずに移し替えることができた。また、漏斗1、漏斗201および漏斗301では、麦茶の泡立ちをほとんど生じさせずに移し替えることができた。さらに、漏斗1、漏斗201および漏斗301の代表としての漏斗201では、麦茶の風味を損なわずに移し替えることができた。よって、漏斗1、漏斗201および漏斗301の、漏斗401(比較例1)および従来の漏斗501(比較例2)に対する進歩性は明らかであることが確認された。
【0043】
なお、表2より、漏斗4(比較例1)では、水道水および麦茶の流出に多少の角度はついたものの、結局水道水および麦茶を流出時に飛散させるために、従来の漏斗501に対する進歩性はなかった。
【0044】
【表2】

【符号の説明】
【0045】
1 漏斗
2 本体部
3 脚部
4 流出口
5 流出口上端
6 流出口下端
6e 流出口下端基準線
7 湾曲部
8 取手
10 投入口
11 第1側面
11e 第1側面の延長面
12 第2側面
12e 第2側面の延長面
13 下向きの整流板
14 上下に接続する整流板
201 第2の実施形態の漏斗
301 第3の実施形態の漏斗
401 特許文献1の形態の漏斗

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を移しかえるための漏斗であって、
頂部に投入口を有すると共に底部に開口を有する本体部と、
前記本体部の前記底部に接続され、前記流体を流出させるための流出口を有する脚部と、を備え、
前記流出口は、前記脚部の第1側面の下端に設けられており、
前記脚部の前記第1側面に対向する第2側面の下端側が延伸方向に湾曲しながら前記流出口の流出口下端に接続されており、
前記流出口の前記流出口下端が、前記脚部の前記第1側面の延長面よりも内側に位置し、
前記流出口の側縁が、直線状の形状を有することを特徴とする漏斗。
【請求項2】
前記脚部の断面形状が矩形であることを特徴とする請求項1に記載の漏斗。
【請求項3】
前記流出口は、前記流出口下端に対向する流出口上端を有し、前記流出口上端に接続された整流板を有することを特徴とする請求項1に記載の漏斗。
【請求項4】
前記整流板が、前記流出口下端にも接続されていることを特徴とする請求項3に記載の漏斗。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を移しかえるための漏斗であって、
頂部に投入口を有すると共に底部に開口を有する本体部と、
前記本体部の前記底部に接続され、前記流体を流出させるための流出口を有する脚部と、を備え、
前記脚部は、平坦な第1側面と、前記第1側面に対向する平坦な第2側面を有し、
前記流出口は、前記脚部の第1側面の下端に設けられており、
直線状の形状を有する前記流出口の側縁が前記第1側面に対して内側に傾斜して延伸し、
前記第2側面の下端側が延伸方向に湾曲しながら延伸し、前記脚部の前記第1側面の延長面よりも内側で前記流出口の流出口下端に直接に接続されていることを特徴とする漏斗。
【請求項2】
前記脚部の断面形状が矩形であることを特徴とする請求項1に記載の漏斗。
【請求項3】
前記流出口は、前記流出口下端に対向する流出口上端を有し、前記流出口上端に接続された整流板を有することを特徴とする請求項1に記載の漏斗。
【請求項4】
前記整流板が、前記流出口下端にも接続されていることを特徴とする請求項3に記載の漏斗。