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特開2024-121180リレー光学系、およびプロジェクター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121180
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】リレー光学系、およびプロジェクター
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/16 20060101AFI20240830BHJP
   G02B 17/08 20060101ALI20240830BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240830BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
G02B13/16
G02B17/08
G03B21/00 E
G03B21/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028141
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】守国 栄時
【テーマコード(参考)】
2H087
2K203
【Fターム(参考)】
2H087KA06
2H087KA07
2H087LA27
2H087NA02
2H087RA32
2H087RA41
2H087RA45
2H087RA48
2H087TA01
2H087TA05
2H087TA06
2K203FA03
2K203FA23
2K203FA34
2K203FA42
2K203GA33
2K203GA36
2K203GB10
2K203GB23
2K203HA04
2K203HA13
2K203HA14
2K203HA75
2K203HB17
2K203MA35
(57)【要約】
【課題】部品点数が少ない、両側テレセントリックで変倍するリレー光学系を提供すること。
【解決手段】リレー光学系は、拡大側結像面と、拡大側結像面を縮小した縮小側結像面とを結ぶ。リレー光学系は、拡大側から縮小側に向かって光線が通過する順に、凹形状の第1反射面、凸形状の第2反射面、および凹形状の第3反射面を有する。拡大側結像面の光軸と縮小側結像面の光軸とは、平行である。拡大側結像面に入射する光線の入射方向は、縮小側結像面に入射する入射方向と反対方向である。第1反射面の曲率半径と第3反射面の曲率半径とは、異なる。第1反射面、第2反射面および第3反射面は、それぞれ、非球面形状を備える。拡大側および縮小側は、それぞれ、テレセントリックである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡大側結像面と、前記拡大側結像面を縮小した縮小側結像面とを結ぶリレー光学系において、
拡大側から縮小側に向かって光線が通過する順に、凹形状の第1反射面、凸形状の第2反射面、および凹形状の第3反射面を有し、
前記拡大側結像面の光軸と前記縮小側結像面の光軸とは、平行であり、
前記拡大側結像面に入射する光線の入射方向は、前記縮小側結像面に入射する入射方向と反対方向であり、
前記第1反射面の曲率半径と前記第3反射面の曲率半径とは、異なり、
前記第1反射面、前記第2反射面および前記第3反射面は、それぞれ、非球面形状を備え、
前記拡大側および前記縮小側は、それぞれ、テレセントリックであることを特徴とするリレー光学系。
【請求項2】
前記第1反射面、前記第2反射面および前記第3反射面は、それぞれ、回転対称面であることを特徴とする請求項1に記載のリレー光学系。
【請求項3】
前記第1反射面、前記第2反射面および前記第3反射面の設計光軸は、それぞれ、一致することを特徴とする請求項2に記載のリレー光学系。
【請求項4】
前記第1反射面および前記第2反射面の間、かつ、前記第2反射面および前記第3反射面の間に配置された第1レンズを有し、
前記第1反射面で反射された光線は、前記第1レンズを透過して、前記第2反射面に到達し、
前記第2反射面で反射された光線は、前記第1レンズを透過して、前記第3反射面に到達することを特徴とする請求項1から3のうち何れか一項に記載のリレー光学系。
【請求項5】
前記第3反射面および前記縮小側結像面の間に配置された第2レンズを有し、
前記第3反射面で反射された光線は、前記第2レンズを透過して、前記縮小側結像面に到達することを特徴とする請求項1から3のうち何れか一項に記載のリレー光学系。
【請求項6】
前記第1反射面および前記第2反射面の間、かつ、前記第2反射面および前記第3反射面の間に配置された第1レンズと、前記第3反射面および前記縮小側結像面の間に配置された第2レンズとを有し、
前記第1反射面で反射された光線は、前記第1レンズを透過して、前記第2反射面に到達し、
前記第2反射面で反射された光線は、前記第1レンズを透過して、前記第3反射面に到達し、
前記第3反射面で反射された光線は、前記第2レンズを透過して、前記縮小側結像面に到達することを特徴とする請求項1から3のうち何れか一項に記載のリレー光学系。
【請求項7】
前記第1レンズと前記第2レンズとは、一体に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のリレー光学系。
【請求項8】
前記第1レンズの曲率半径と前記第2レンズの曲率半径とは、同じであることを特徴とする請求項7に記載のリレー光学系。
【請求項9】
前記第1レンズのレンズ面と前記第2レンズのレンズ面は、それぞれ、回転対称面であることを特徴とする請求項6に記載のリレー光学系。
【請求項10】
前記第1レンズの前記レンズ面および前記第2レンズの前記レンズ面の設計光軸は、それぞれ、一致することを特徴とする請求項9に記載のリレー光学系。
【請求項11】
請求項1に記載されたリレー光学系を備えるプロジェクターにおいて、
光源と、
前記光源から出射された出射光を、青色光を含む第1波長帯の第1色光と前記第1色光よりも長い波長帯の他の色光に分離するとともに、前記出射光の光軸と直交する方向に前記第1色光を反射する第1ダイクロイックミラーを備える分離光学系と、
前記第1ダイクロイックミラーで分離された前記第1色光に対して変調する第1光変調素子と、
前記第1ダイクロイックミラーで分離させた前記他の色光に対して変調する第2光変調素子と、
前記第1ダイクロイックミラーで分離された前記第1色光を前記第1光変調素子に向けて直交する方向に反射する反射ミラーと、
前記第1光変調素子が拡大側結像面に配置され、前記第1光変調素子で変調された前記第1色光の光束幅を縮小側結像面で縮小する前記リレー光学系と、
前記リレー光学系で光束幅が縮小された前記第1色光および前記第2光変調素子で変調された前記他の色光を合成した合成光を出射する色合成プリズムと、
前記色合成プリズムから出射した前記合成光を投写する投写光学系と、
を有し、
前記第1光変調素子の有効面積は、前記第2光変調素子の有効面積より大きいことを特徴とするプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リレー光学系、およびプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
拡大側結像面と、拡大側結像面を変倍した縮小側結像面とを結ぶ光学系は、特許文献1に記載されている。同文献の第1投写光学ユニットは、両側がテレセントリックであり、第1次結像面と、第1次結像面を縮小した物体面とを結ぶ光学系である。第1投写光学ユニットは、正のパワーを有する第1レンズ群、負のパワーを有する第2レンズ群、および正のパワーを有する第3レンズ群を備える。第1レンズ群は、4枚のレンズで構成されている。第2レンズ群は、開口絞りと5枚のレンズで構成されている。第3レンズ群は、3枚のレンズで構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-330410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の光学系では、光学系を構成するレンズ枚数が多いので、光学系を組み立てる際に、各レンズの位置調整が難しい。このため、両側がテレセントリックで変倍する光学系では、光学要素が少ない構成が望まれていた。
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明のリレー光学系は、拡大側結像面と、前記拡大側結像面を縮小した縮小側結像面とを結ぶリレー光学系において、拡大側から縮小側に向かって光線が通過する順に、凹形状の第1反射面、凸形状の第2反射面、および凹形状の第3反射面を有し、前記拡大側結像面の光軸と前記縮小側結像面の光軸とは、平行であり、前記拡大側結像面に入射する光線の入射方向は、前記縮小側結像面に入射する入射方向と反対方向であり、前記第1反射面の曲率半径と前記第3反射面の曲率半径とは、異なり、前記第1反射面、前記第2反射面および前記第3反射面は、それぞれ、非球面形状を備え、前記拡大側および前記縮小側は、それぞれ、テレセントリックであることを特徴とする。
【0006】
本発明のプロジェクターは、上記リレー光学系を備えるプロジェクターにおいて、光源と、前記光源から出射された出射光を、青色光を含む第1波長帯の第1色光と前記第1色光よりも長い波長帯の他の色光に分離するとともに、前記出射光の光軸と直交する方向に前記第1色光を反射する第1ダイクロイックミラーを備える分離光学系と、前記第1ダイクロイックミラーで分離された前記第1色光に対して変調する第1光変調素子と、前記第1ダイクロイックミラーで分離させた前記他の色光に対して変調する第2光変調素子と、前記第1ダイクロイックミラーで分離された前記第1色光を前記第1光変調素子に向けて直交する方向に反射する反射ミラーと、前記第1光変調素子が拡大側結像面に配置され、前記第1光変調素子で変調された前記第1色光の光束幅を縮小側結像面で縮小する前記リレー光学系と、前記リレー光学系で光束幅が縮小された前記第1色光および前記第2光変調素子で変調された前記他の色光を合成した合成光を出射する色合成プリズムと、前記色合成プリズムから出射した前記合成光を投写する投写光学系と、を有し、前記第1光変調素子の有効面積は、前記第2光変調素子の有効面積より大きいことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1のリレー光学系を用いたプロジェクターの要部の概略図である。
図2】実施形態2のリレー光学系の概略図である。
図3】実施形態3のリレー光学系の概略図である。
図4】実施形態4のリレー光学系の概略図である。
図5】実施形態5のリレー光学系の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に図面を参照して、本発明の実施形態に係るリレー光学系およびプロジェクターを説明する。
【0009】
[実施形態1]
図1は、実施形態1のリレー光学系6を用いたプロジェクター100の要部の概略図である。図1に示すように、プロジェクター100は、光源1と、光源1からの出射光を均一化する照明光学系2と、照明光学系2からの出射光を各色光に分離する分離光学系3と、分離光学系3で分離された各色光に対して変調して投写画像を形成する複数の光変調素子7と、反射ミラー11と、複数の光変調素子7のうち1つで変調された色光の光束幅を縮小するリレー光学系6と、光変調素子7で変調された各色光を合成した合成光を出射する色合成プリズム8と、色合成プリズム8から出射した合成光を投写する投写光学系9と、光変調素子7を制御する制御部10とを有する。
【0010】
ここで、以下の説明では、便宜上、互いに直交する3軸をX軸、Y軸、およびZ軸とする。また、分離光学系3の第1光軸Nに沿った方向をX軸方向とする。X軸方向において、照明光学系2からの出射光が出射する方向を第1方向X1とし、その反対方向を第2方向X2とする。Y軸方向において、色合成プリズム8から合成光が出射する方向を第3方向Y1とし、その反対方向を第4方向Y2とする。
【0011】
光源1は、例えば、超高圧水銀ランプ、固体光源等で構成される。本形態では、光源1は、出射光LDとして白色光を出射する。
【0012】
照明光学系2は、マルチレンズ21、偏光ビームスプリッタ22、マルチレンズ23、およびリレーレンズ24を備える。マルチレンズ21は、光源1からの出射光LDを複数に分割する。偏光ビームスプリッタ22は、マルチレンズ21から出射した出射光LDの偏光方向を変換する。マルチレンズ23は、偏光ビームスプリッタ22から出射した出射光LDをリレーレンズ24の近傍に集光させる。リレーレンズ24は、マルチレンズ23から入射した出射光LDを拡大して、分離光学系3に向けて出射する。
【0013】
分離光学系3は、第1方向X1に向かって順に、第1ダイクロイックミラー31、および第2ダイクロイックミラー32を備える。第1ダイクロイックミラー31、および第2ダイクロイックミラー32は、分離光学系3の第1光軸Nに沿って配置されている。照明光学系2からの出射光LDの光軸は、第1光軸Nと一致する。
【0014】
第1ダイクロイックミラー31は、出射光LDを、第1色光LBと他の色光LCとに分離する。第1ダイクロイックミラー31は、第1色光LBを第4方向Y2に反射し、他の色光LCを第1方向X1に向けて透過する。第2ダイクロイックミラー32は、他の色光LCを、第2色光LGと第3色光LRとに分離する。第2ダイクロイックミラー32は、第3色光LRを第3方向Y1に反射し、第2色光LGを第1方向X1に向けて透過する。本形態では、第1色光LBは、青色光を含む第1波長帯である。第2色光LGは、緑色を含む第2波長帯である。第3色光LRは、赤色を含む第3波長帯である。第1波長帯は、例えば、420nm~500nmである。第2波長帯は、例えば、500nm~600nmである。第3波長帯は、例えば、600nm~680nmである。他の色光LCの波長帯は、例えば、500nm~680nmである。
【0015】
ここで、第2ダイクロイックミラー32の第3方向Y1には、第2ダイクロイックミラー32で分離された第3色光LRを第1方向X1に向けて反射する反射ミラー14が配置されている。第2ダイクロイックミラー32の第1方向X1には、第2ダイクロイックミラー32で分離された第2色光LGを第3方向Y1に向けて反射する反射ミラー15が配置されている。第2ダイクロイックミラー32と反射ミラー14との間、および第2ダイクロイックミラー32と反射ミラー15との間には、それぞれ、レンズ12が配置されている。反射ミラー14の第1方向X1および反射ミラー15の第3方向Y1には、それぞれ、レンズ13が配置されている。レンズ12およびレンズ13は、分離光学系3で分離された第2色光LGおよび第3色光LRを光変調素子7の近傍に集光させる。
【0016】
反射ミラー11は、第1ダイクロイックミラー31の第4方向Y2に配置されている。反射ミラー11は、第1ダイクロイックミラー31で分離された第1色光LBを第1方向X1に向けて反射する。ここで、プロジェクター100は、反射ミラー11と第1ダイクロイックミラー31との間に、リレーレンズ19を備える。リレーレンズ19は、第1ダイクロイックミラー31からの第1色光LBが第1光変調素子71に均一に照射するように、第1色光LBの結像位置を調整する。本形態では、リレーレンズ19は、1枚のレンズからなる。なお、リレーレンズ19は、複数のレンズで構成されてもよい。
【0017】
光変調素子7は、液晶パネルである。光変調素子7は、第1色光LBに対して変調する第1光変調素子71と、第2色光LGに対して変調する第3光変調素子72と、第3色光LRに対して変調する第4光変調素子73とを備える。第1光変調素子71、第3光変調素子72および第4光変調素子73は、それぞれ、入射側偏光板75と出射側偏光板76とを備える。なお、第3光変調素子72および第4光変調素子73は、本発明の「第2光変調素子」に相当する。
【0018】
第1光変調素子71は、第1ダイクロイックミラー31の第1方向X1に配置されている。第1光変調素子71の光軸N1は、X軸に沿った方向に延びる。第1光変調素子71の光軸N1は、分離光学系3の第1光軸Nと平行である。
【0019】
第3光変調素子72は、色合成プリズム8の第2面部82と対向する位置に配置されている。第4光変調素子73は、色合成プリズム8の第3面部83と対向する位置に配置されている。
【0020】
第1光変調素子71の有効面積は、第3光変調素子72および第4光変調素子73の有効面積より大きい。ここで、有効面積とは、光変調素子の有効表示領域の面積を示す。本形態では、第1光変調素子71は、有効表示領域の対角寸法が1.03インチの液晶パネルであり、第3光変調素子72および第4光変調素子73は、有効表示領域の対角寸法が0.67インチの液晶パネルである。
【0021】
リレー光学系6は、拡大側結像面60Aと、拡大側結像面60Aを縮小した縮小側結像面60Bとを結ぶ。第1光変調素子71は拡大側結像面60Aに配置され、リレー光学系6は、第1光変調素子71で変調された第1色光LBの光束幅を縮小側結像面60Bで縮小する。すなわち、リレー光学系6は、変倍する光学系である。本形態では、リレー光学系6は、第1光変調素子71で変調された第1色光LBの1.03インチの光束幅を、縮小側結像面60Bで0.67インチの光束幅に縮小する。第1光変調素子71の光軸N1と拡大側結像面60Aの光軸M1とは、一致する。縮小側結像面60Bは、色合成プリズム8の第1面部81と対向する位置に配置されている。縮小側結像面60Bおよび色合成プリズム8の第1面部81の空気換算距離は、第3光変調素子72および色合成プリズム8の第2面部82の空気換算距離と同じである。また、縮小側結像面60Bおよび色合成プリズム8の第1面部81の空気換算距離は、第4光変調素子73および色合成プリズム8の第3面部83の空気換算距離と同じである。
【0022】
ここで、プロジェクター100は、縮小側結像面60Bと第1面部81との間に配置された偏光板5を有する。偏光板5と第1光変調素子71の出射側偏光板76とは、第1色光LBに含まれる偏光成分のうち同一方向の直線偏光成分を透過させる。すなわち、第1光変調素子71の出射側偏光板76が第1色光LBのS偏光を透過させる場合には、偏光板5はS偏光を透過させ、第1光変調素子71の出射側偏光板76が第1色光LBのP偏光を透過させる場合には、偏光板5はP偏光を透過させる。
【0023】
色合成プリズム8は、第1色光LBが入射する第1面部81、第2色光LGが入射する第2面部82、第3色光LRが入射する第3面部83および合成光LEが出射する第4面部84を備える。第1面部81と第3面部83とは、X軸方向で対向する。第2面部82と第4面部とは、Y軸方向で対向する。色合成プリズム8は、リレー光学系6で光束幅が縮小された第1色光LB、第3光変調素子72で変調された第2色光LG、および第4光変調素子73で変調された第3色光LRを合成した合成光LEを、第4面部84から第3方向Y1に出射する。ここで、色合成プリズム8の第1面部81に入射する第1色光LBの光束幅は、色合成プリズム8の第2面部82に入射する第2色光LGおよび色合成プリズム8の第3面部83に入射する第3色光LRの光束幅と同じである。
【0024】
投写光学系9は、色合成プリズム8から出射した合成光LEをスクリーンに投写する。投写光学系9は、複数枚のレンズを備える。制御部10は、ビデオ信号等の外部画像信号に基づいて光変調素子7を動作させる。
【0025】
(リレー光学系の詳細)
図1に示すように、リレー光学系6は、拡大側から縮小側に向かって光線が通過する順に、凹形状の第1反射面61、凸形状の第2反射面62、および凹形状の第3反射面63を有する。第1反射面61および第3反射面63は、一体に形成されている。第1反射面61の曲率半径と第3反射面63の曲率半径とは、異なる。
【0026】
第1反射面61、第2反射面62および第3反射面63は、それぞれ、非球面形状を備える。第1反射面61、第2反射面62および第3反射面63は、それぞれ、回転対称面である。第1反射面61、第2反射面62および第3反射面63の設計光軸Oは、それぞれ、一致する。設計光軸Oは、X軸方向に延びる。
【0027】
リレー光学系6は、第1反射面61および第2反射面62の間、かつ、第2反射面62および第3反射面63の間に配置された第1レンズ64と、第3反射面63および縮小側結像面60Bの間に配置された第2レンズ65とを有する。第1レンズ64と第2レンズ65とは、一体に形成されている。第1レンズ64の曲率半径と第2レンズ65の曲率半径とは、同じである。より具体的には、第1レンズ64の第1方向X1のレンズ面641の曲率半径と、第2レンズ65の第1方向X1のレンズ面651の曲率半径とは、同じである。同様に、第1レンズ64の第2方向X2のレンズ面642の曲率半径と、第2レンズ65の第2方向X2のレンズ面652の曲率半径とは、同じである。
【0028】
第1レンズのレンズ面641,642は、それぞれ、回転対称面である。第2レンズのレンズ面651,652は、それぞれ、回転対称面である。第1レンズのレンズ面641,642および第2レンズのレンズ面651,652の設計光軸Pは、それぞれ、一致する。設計光軸Pは、X軸方向に延びるとともに、設計光軸Oと一致する。
【0029】
第1光変調素子71により変調された第1色光LBは、第1方向X1に向かって進む。第1光変調素子71から第1反射面61に到達した第1色光LBは、第1反射面61により、第2方向X2および第3方向Y1に向かって反射される。第1反射面61で反射された第1色光LBは、第1レンズ64を透過して、第2反射面62に到達する。第2反射面62に到達した第1色光LBは、第2反射面62により、第1方向X1および第3方向Y1に向かって反射される。第2反射面62で反射された第1色光LBは、第1レンズ64を透過して、第3反射面63に到達する。第3反射面63に到達した第1色光LBは、第3反射面63により、第2方向X2に向かって反射される。第3反射面63で反射された第1色光LBは、第2レンズ65を透過して、縮小側結像面60Bに到達する。
【0030】
拡大側結像面60Aの光軸M1と縮小側結像面60Bの光軸M2とは、平行である。拡大側結像面60Aに入射する第1色光LBの入射方向は、第1方向X1である。縮小側結像面60Bから出射する第1色光LBの出射方向は、第2方向X2である。すなわち、拡大側結像面60Aに入射する第1色光LBの入射方向は、縮小側結像面60Bから出射する第1色光LBの出射方向とは反対方向である。
【0031】
拡大側結像面60Aおよび縮小側結像面60Bは、色合成プリズム8の第1面部81に対して同じ側の第1方向X1に位置する。すなわち、第1光変調素子71および縮小側結像面60Bは、色合成プリズム8の第1面部81に対して同じ側の第1方向X1に位置する。
【0032】
リレー光学系6の拡大側および縮小側は、それぞれ、テレセントリックである。リレー光学系6の拡大側がテレセントリックとは、第1反射面61と拡大側結像面60Aとの間を通過する各光束の中心光線が、光軸M1と平行または光軸M1と略平行となっていることをいう。リレー光学系6の縮小側がテレセントリックとは、第2レンズ65と縮小側結像面60Bとの間を通過する各光束の中心光線が、光軸M2と平行または光軸M2と略平行となっていることをいう。本形態では、各光束の中心光線と光軸M1,M2とが成す角度は±5°以内である。
【0033】
リレー光学系6のレンズデータは以下のとおりである。面番号は、拡大側から縮小側に順番に付してある。符号は、拡大側結像面、第1反射面、第1レンズ、第2反射面、第3反射面、第2レンズおよび縮小側結像面の符号である。レンズの面番号に付された「*」は、非球面形状であることを示す。Rは曲率半径である。Dは軸上面間隔である。ndは屈折率である。νdはアッベ数である。Yは有効半径である。R、D、Yの単位はmmである。
【0034】
符号 面番号 R D nd vd モード Y
60A 0 0.00000 115.00 屈折 69.816
61 1 -178.49209 -70.00 反射 84.435
64 2 -183.44420 -11.50 1.458467 67.8 屈折 32.295
3 -21694.45400 -2.00 屈折 26.681
62 *4 -117.32686 2.00 反射 27.000
64 5 -21694.45400 11.50 1.458467 67.8 屈折 19.000
6 -183.44420 70.00 屈折 19.000
63 *7 -144.97227 -70.00 反射 70.000
65 8 -183.44420 -11.50 1.458467 67.8 屈折 57.957
9 -21694.45400 -33.00 屈折 58.000
60B 10 0.00000 0.00 屈折 45.735
【0035】
面番号 1 4 7
コーニック定数 0 2.880608E+01 0
4次の係数 3.919410E-08 2.088599E-06 1.337207E-08
6次の係数 9.070897E-12 1.546748E-09 -4.339381E-12
8次の係数 1.242520E-15 -1.224049E-12 8.161682E-16
10次の係数 -6.127942E-20 6.391380E-16 -4.571229E-20
【0036】
(作用効果)
リレー光学系6は、拡大側結像面60Aと、拡大側結像面60Aを縮小した縮小側結像面60Bとを結ぶ。リレー光学系6は、拡大側から縮小側に向かって光線が通過する順に、凹形状の第1反射面61、凸形状の第2反射面62、および凹形状の第3反射面63を有する。リレー光学系6は、第1反射面61および第2反射面62の間、かつ、第2反射面62および第3反射面63の間に配置された第1レンズ64と、第3反射面63および縮小側結像面60Bの間に配置された第2レンズ65とを有する。リレー光学系6は、拡大側および縮小側は、それぞれ、テレセントリックである。
【0037】
本形態によれば、リレー光学系6は、反射面を有するので、リレー光学系を屈折レンズのみで構成する場合と比較して、部品点数を削減することができる。また、本形態では、部品点数が少ないので、リレー光学系を組み立てる際の光学要素の位置調整が容易である。リレー光学系6は、リレー光学系6の両側がテレセントリックでないものと比較して、リレー光学系6をプロジェクター100に組み込む際の設置精度が厳しくなく、配置が容易である。
【0038】
また、本形態では、拡大側結像面60Aの光軸M1と縮小側結像面60Bの光軸M2とは、平行である。拡大側結像面60Aに入射する光線の入射方向は、縮小側結像面60Bに入射する入射方向と反対方向である。よって、リレー光学系6は、3枚の反射面により、効率よく光路を180°折り曲げることができる。
【0039】
本形態では、第1反射面61の曲率半径と第3反射面63の曲率半径とは、異なる。第1反射面61、第2反射面62および第3反射面63は、それぞれ、非球面形状を備える。よって、第1反射面61の曲率半径と第3反射面63の曲率半径とが異なるので、リレー光学系6を構成する光学部品の点数が少なくても、両側をテレセントリックにさせやすい。また、3つの反射面が、それぞれ、非球面形状を備えるので、リレー光学系6で発生する諸収差を良好に補正することができる。
【0040】
本形態では、第1反射面61、第2反射面62および第3反射面63は、それぞれ、回転対称面である。これにより、反射面の加工が容易となるとともに、反射面の精度が向上する。また、加工が容易となるので、製造コストを抑制することができる。
【0041】
本形態では、第1反射面、第2反射面および第3反射面の設計光軸Pは、それぞれ、一致する。これにより、各反射面の設計光軸Pを基準に、各反射面を組立調整することが容易となるので、各反射面の組立精度が向上する。
【0042】
本形態では、第1反射面61で反射された光線は、第1レンズ64を透過して、第2反射面62に到達する。第2反射面62で反射された光線は、第1レンズを透過して、第3反射面に到達する。これにより、第1反射面61で反射された光線は、第1レンズ64により、光線の広がりや角度をコントロールすることができるので、第1反射面61と第2反射面62との軸上面間隔を小さくすることができる。また、第1レンズ64により、第1反射面61で反射された光線の諸収差を良好に補正することができる。同様に、第2反射面62で反射された光線は、第1レンズ64により、光線の広がりや角度をコントロールすることができるので、第2反射面62と第3反射面63との軸上面間隔を小さくすることができる。また、第1レンズ64により、第2反射面62で反射された光線の諸収差を良好に補正することができる。
【0043】
本形態では、第3反射面63で反射された光線は、第2レンズ65を透過して、縮小側結像面60Bに到達する。これにより、第3反射面63で反射された光線は、第2レンズ65により、光線の広がりや角度をコントロールすることができるので、第3反射面63と縮小側結像面60Bとの軸上面間隔を小さくすることができる。また、第2レンズ65により、第3反射面63で反射された光線の諸収差を良好に補正することができる。
【0044】
本形態では、第1レンズ64と第2レンズ65とは、一体に形成されている。これにより、第1レンズ64および第2レンズ65を1つのレンズとすることができるので、部品点数を削減することができる。また、本形態では、第1レンズ64の曲率半径と第2レンズ65の曲率半径とは、同じである。これにより、第1レンズ64および第2レンズ65を1つのレンズとした場合に、レンズ面の形成が容易となる。
【0045】
本形態では、第1レンズ64のレンズ面と第2レンズ65のレンズ面は、それぞれ、回転対称面である。これにより、各レンズ面の加工が容易となるとともに、各レンズ面の精度が向上する。また、加工が容易となるので、製造コストを抑制することができる。
【0046】
本形態では、第1レンズ64のレンズ面および第2レンズ65のレンズ面の設計光軸Oは、それぞれ、一致する。各レンズの設計光軸Pと各レンズのレンズ面の設計光軸Oは、それぞれ、一致する。よって、各反射面および各レンズを組み立てる際の基準軸が一致するので、各反射面および各レンズを組立調整することが容易となるので、各反射面の組立精度が向上する。
【0047】
本形態のプロジェクター100は、光源1と、光源1から出射された出射光LDを、青色光を含む第1波長帯の第1色光LBと第1色光LBよりも長い波長帯の他の色光LCに分離するとともに、出射光LDの光軸と直交するY軸方向に第1色光LBを反射する第1ダイクロイックミラー31を備える分離光学系3と、第1ダイクロイックミラー31で分離された第1色光LBに対して変調する第1光変調素子71と、第1ダイクロイックミラー31で分離させた他の色光LCに対して変調する第2光変調素子と、第1ダイクロイックミラー31で分離された第1色光LBを第1光変調素子71に向けて直交するX軸方向に反射する反射ミラー11と、第1光変調素子71が拡大側結像面60Aに配置され、第1光変調素子71で変調された第1色光LBの光束幅を縮小側結像面60Bで縮小するリレー光学系6と、リレー光学系6で光束幅が縮小された第1色光LBおよび第2光変調素子で変調された他の色光LCを合成した合成光LDを出射する色合成プリズム8と、色合成プリズム8から出射した合成光LDを投写する投写光学系9と、を有する。第1光変調素子71の有効面積は、第2光変調素子の有効面積より大きい。第1光変調素子71の光軸N1は、拡大側結像面60Aの光軸M1と平行である。第1光変調素子71および縮小側結像面60Bは、第1色光LBが入射する色合成プリズム8の第1面部81に対して同じ側の第1方向X1に位置する。
【0048】
本形態によれば、プロジェクター100は、本形態のリレー光学系6を用いるので、部品点数が少ない低コストを実現したプロジェクター100を提供することができる。
【0049】
本形態によれば、第1光変調素子71の有効面積は、第2光変調素子の有効面積より大きいので、第2光変調素子より、第1光変調素子71に照射される照度を小さくすることができる。これにより、光源1をより明るくした場合であっても、第1光変調素子71の液晶が光により劣化することを抑制することができる。
【0050】
また、リレー光学系6は、第1光変調素子71で変調された第1色光LBの光束幅を縮小側結像面60Bで縮小することができるので、第1光変調素子71の有効面積が、第3光変調素子72の有効面積より大きい場合であっても、色合成プリズム8に入射する各色光の光束幅を同じ大きさにすることができる。
【0051】
また、リレー光学系6は、拡大側結像面60Aに入射した第1色光LBを180°屈曲させて縮小側結像面60Bから第1色光LBを出射するので、リレー光学系6が第1色光LBを屈曲さない場合と比較して、プロジェクター全体をコンパクトにすることができる。
【0052】
[実施形態2]
図2は、実施形態2のリレー光学系6Aの概略図である。図2に示すように、実施形態2のリレー光学系6Aでは、第1レンズ64と第2レンズ65とは、独立の部材としてもよい。なお、実施形態2のリレー光学系6Aは、第1レンズ64と第2レンズ65とが独立の部材である点を除き、実施形態1のリレー光学系6と同じ構成を備えることができる。
【0053】
[実施形態3]
図3は、実施形態3のリレー光学系6Bの概略図である。図3に示すように、実施形態3のリレー光学系6Bは、第2レンズ65を備えずに、第1レンズ64のみを備えていてもよい。なお、実施形態3のリレー光学系6Bは、第2レンズ65を備えていない点を除き、実施形態1のリレー光学系6と同じ構成を備えることができる。
【0054】
[実施形態4]
図4は、実施形態4のリレー光学系6Cの概略図である。図4に示すように、実施形態4のリレー光学系6Cは、第1レンズ64を備えずに、第2レンズ65のみを備えていてもよい。なお、実施形態4のリレー光学系6Cは、第1レンズ64を備えていない点を除き、実施形態1のリレー光学系6と同じ構成を備えることができる。
【0055】
[実施形態5]
図5は、実施形態5のリレー光学系6Dの概略図である。図5に示すように、リレー光学系6Dでは、第1反射面61と第3反射面63とは、独立の部材としてもよい。なお、実施形態5のリレー光学系6Dは、第1反射面61と第3反射面63とが独立の部材である点を除き、実施形態1のリレー光学系6と同じ構成を備えることができる。また、第1反射面61と第3反射面63とを独立の部材とする構成は、実施形態2~4に適用することができる。
【0056】
[他の実施形態]
上記の形態において、第1レンズ64のレンズ面は、非球面形状を備えてもよい。また、第1レンズ64は、自由曲面形状を備えてもよい。このようにすれば、第1レンズ64により、リレー光学系6で発生する諸収差をより補正することができる。
【0057】
上記の形態において、第2レンズ65のレンズ面は、非球面形状を備えてもよい。また、第2レンズ65は、自由曲面形状を備えてもよい。このようにすれば、第2レンズ65により、リレー光学系6で発生する諸収差をより補正することができる。
【0058】
リレー光学系6は、第1レンズ64および第2レンズ65の何れも備えていなくともよい。すなわち、リレー光学系6は、第1反射面61、第2反射面62および第3反射面63のみで構成されてもよい。
【0059】
上記形態のリレー光学系6は、プロジェクターに用いることに限定されない。上記形態のリレー光学系6は、拡大側結像面および拡大側結像面を縮小した縮小側結像面を結ぶ光学系を用いる、露光機やステッパーなどの装置に用いることができる。
【0060】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
【0061】
(付記1)
拡大側結像面と、前記拡大側結像面を縮小した縮小側結像面とを結ぶリレー光学系において、
拡大側から縮小側に向かって光線が通過する順に、凹形状の第1反射面、凸形状の第2反射面、および凹形状の第3反射面を有し、
前記拡大側結像面の光軸と前記縮小側結像面の光軸とは、平行であり、
前記拡大側結像面に入射する光線の入射方向は、前記縮小側結像面に入射する入射方向と反対方向であり、
前記第1反射面の曲率半径と前記第3反射面の曲率半径とは、異なり、
前記第1反射面、前記第2反射面および前記第3反射面は、それぞれ、非球面形状を備え、
前記拡大側および前記縮小側は、それぞれ、テレセントリックであることを特徴とするリレー光学系。
【0062】
これにより、リレー光学系は、反射面を有するので、リレー光学系を屈折レンズのみで構成する場合と比較して、部品点数を削減することができる。リレー光学系は、部品点数が少ないので、リレー光学系を組み立てる際の光学要素の位置調整が容易である。リレー光学系の両側がテレセントリックであるので、リレー光学系の両側がテレセントリックでないものと比較して、リレー光学系を装置に組み込む際の設置精度が厳しくなく、配置が容易である。
【0063】
リレー光学系は、3枚の反射面により、効率よく光路を180°折り曲げることができる。3枚の反射面が、それぞれ、非球面形状を備えるので、リレー光学系で発生する諸収差を良好に補正することができる。
【0064】
(付記2)
前記第1反射面、前記第2反射面および前記第3反射面は、それぞれ、回転対称面であることを特徴とする付記1に記載のリレー光学系。
【0065】
これにより、反射面の加工が容易となるとともに、反射面の精度が向上する。また、加工が容易となるので、製造コストを抑制することができる。
【0066】
(付記3)
前記第1反射面、前記第2反射面および前記第3反射面の設計光軸は、それぞれ、一致することを特徴とする付記2に記載のリレー光学系。
【0067】
これにより、各反射面の設計光軸を基準に、各反射面を組立調整することが容易となるので、各反射面の組立精度が向上する。
【0068】
(付記4)
前記第1反射面および前記第2反射面の間、かつ、前記第2反射面および前記第3反射面の間に配置された第1レンズを有し、
前記第1反射面で反射された光線は、前記第1レンズを透過して、前記第2反射面に到達し、
前記第2反射面で反射された光線は、前記第1レンズを透過して、前記第3反射面に到達することを特徴とする付記1から3のうち何れか一項に記載のリレー光学系。
【0069】
これにより、第1反射面で反射された光線は、第1レンズにより、光線の広がりや角度をコントロールすることができるので、第1反射面と第2反射面との軸上面間隔を小さくすることができる。また、第1レンズにより、第1反射面で反射された光線の諸収差を良好に補正することができる。同様に、第2反射面で反射された光線は、第1レンズにより、光線の広がりや角度をコントロールすることができるので、第2反射面と第3反射面との軸上面間隔を小さくすることができる。また、第1レンズにより、第2反射面で反射された光線の諸収差を良好に補正することができる。
【0070】
(付記5)
前記第3反射面および前記縮小側結像面の間に配置された第2レンズを有し、
前記第3反射面で反射された光線は、前記第2レンズを透過して、前記縮小側結像面に到達することを特徴とする付記1から3のうち何れか一項に記載のリレー光学系。
【0071】
これにより、第3反射面で反射された光線は、第2レンズにより、光線の広がりや角度をコントロールすることができるので、第3反射面と縮小側結像面との軸上面間隔を小さくすることができる。また、第2レンズにより、第3反射面で反射された光線の諸収差を良好に補正することができる。
【0072】
(付記6)
前記第1反射面および前記第2反射面の間、かつ、前記第2反射面および前記第3反射面の間に配置された第1レンズと、前記第3反射面および前記縮小側結像面の間に配置された第2レンズとを有し、
前記第1反射面で反射された光線は、前記第1レンズを透過して、前記第2反射面に到達し、
前記第2反射面で反射された光線は、前記第1レンズを透過して、前記第3反射面に到達し、
前記第3反射面で反射された光線は、前記第2レンズを透過して、前記縮小側結像面に到達することを特徴とする付記1から3のうち何れか一項に記載のリレー光学系。
【0073】
これにより、第1反射面で反射された光線は、第1レンズにより、光線の広がりや角度をコントロールすることができるので、第1反射面と第2反射面との軸上面間隔を小さくすることができる。また、第1レンズにより、第1反射面で反射された光線の諸収差を良好に補正することができる。同様に、第2反射面で反射された光線は、第1レンズにより、光線の広がりや角度をコントロールすることができるので、第2反射面と第3反射面との軸上面間隔を小さくすることができる。また、第1レンズにより、第2反射面で反射された光線の諸収差を良好に補正することができる。さらに、第3反射面で反射された光線は、第2レンズにより、光線の広がりや角度をコントロールすることができるので、第3反射面と縮小側結像面との軸上面間隔を小さくすることができる。また、第2レンズにより、第3反射面で反射された光線の諸収差を良好に補正することができる。
【0074】
(付記7)
前記第1レンズと前記第2レンズとは、一体に形成されていることを特徴とする付記6に記載のリレー光学系。
【0075】
これにより、第1レンズおよび第2レンズを1つのレンズとすることができるので、部品点数を削減することができる。
【0076】
(付記8)
前記第1レンズの曲率半径と前記第2レンズの曲率半径とは、同じであることを特徴とする付記7に記載のリレー光学系。
【0077】
これにより、第1レンズおよび第2レンズを1つのレンズとした場合に、レンズ面の形成が容易となる。
【0078】
(付記9)
前記第1レンズのレンズ面と前記第2レンズのレンズ面は、それぞれ、回転対称面であることを特徴とする付記6から8のうち何れか一項に記載のリレー光学系。
【0079】
これにより、各レンズ面の加工が容易となるとともに、各レンズ面の精度が向上する。また、加工が容易となるので、製造コストを抑制することができる。
【0080】
(付記10)
前記第1レンズの前記レンズ面および前記第2レンズの前記レンズ面の設計光軸は、それぞれ、一致することを特徴とする付記9に記載のリレー光学系。
【0081】
これにより、各レンズ面の設計光軸を基準に、各レンズを組立調整することが容易となるので、各レンズの組立精度が向上する。
【0082】
(付記11)
付記1から10のうち何れか一項に記載されたリレー光学系を備えるプロジェクターにおいて、
光源と、
前記光源から出射された出射光を、青色光を含む第1波長帯の第1色光と前記第1色光よりも長い波長帯の他の色光に分離するとともに、前記出射光の光軸と直交する方向に前記第1色光を反射する第1ダイクロイックミラーを備える分離光学系と、
前記第1ダイクロイックミラーで分離された前記第1色光に対して変調する第1光変調素子と、
前記第1ダイクロイックミラーで分離させた前記他の色光に対して変調する第2光変調素子と、
前記第1ダイクロイックミラーで分離された前記第1色光を前記第1光変調素子に向けて直交する方向に反射する反射ミラーと、
前記第1光変調素子が拡大側結像面に配置され、前記第1光変調素子で変調された前記第1色光の光束幅を縮小側結像面で縮小する前記リレー光学系と、
前記リレー光学系で光束幅が縮小された前記第1色光および前記第2光変調素子で変調された前記他の色光を合成した合成光を出射する色合成プリズムと、
前記色合成プリズムから出射した前記合成光を投写する投写光学系と、
を有し、
前記第1光変調素子の有効面積は、前記第2光変調素子の有効面積より大きいことを特徴とするプロジェクター。
【0083】
これにより、部品点数が少ない低コストを実現したプロジェクターを提供することができる。
【符号の説明】
【0084】
1…光源、2…照明光学系、3…分離光学系、5…偏光板、6・6A・6B・6C・6D…リレー光学系、7…光変調素子、8…色合成プリズム、9…投写光学系、10…制御部、11…反射ミラー、12…レンズ、13…レンズ、14…反射ミラー、15…反射ミラー、19…リレーレンズ、21…マルチレンズ、22…偏光ビームスプリッタ、23…マルチレンズ、24…リレーレンズ、31…第1ダイクロイックミラー、32…第2ダイクロイックミラー、60A…拡大側結像面、60B…縮小側結像面、61…第1反射面、62…第2反射面、63…第3反射面、64…第1レンズ、65…第2レンズ、71…第1光変調素子、72…第3光変調素子、73…第4光変調素子、75…入射側偏光板、76…出射側偏光板、81…第1面部、82…第2面部、83…第3面部、84…第4面部、100…プロジェクター、641…レンズ面、642…レンズ面、651…レンズ面、652…レンズ面、L1~L10…レンズ、LD…出射光、LE…合成光、LB…第1色光、LG…第2色光、LR…第3色光、LC…他の色光、N…第1光軸、M1…拡大側結像面の光軸、M2…縮小側結像面の光軸、O…設計光軸、P…設計光軸。
図1
図2
図3
図4
図5