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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121187
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】排水部材
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/20 20060101AFI20240830BHJP
   E03F 5/10 20060101ALI20240830BHJP
   E04D 13/068 20060101ALN20240830BHJP
【FI】
E03F5/20
E03F5/10 A
E04D13/068 504Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028148
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】後藤 友佑
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063BA01
2D063DA02
2D063DA11
2D063DC01
(57)【要約】
【課題】部分的に取り外し可能でありメンテナンス性が向上した排水部材を提供する。
【解決手段】排水管の端部に配置される排水部材であって、前記排水管の端部に構成される筒状の本体を有し、前記本体に接続され、落とし口を形成する筒部と、前記筒部の上端において、前記筒部の径方向に広がる板状の上フランジ部と、前記上フランジ部の上端において、複数のリブとで構成される、キャップを有し、前記本体に対する前記キャップの相対移動を抑制する固定部と、を有する、排水部材。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水管の端部に配置される排水部材であって、
前記排水管の端部に構成される筒状の本体を有し、
前記本体に接続され、落とし口を形成する筒部と、
前記筒部の上端において、前記筒部の径方向に広がる板状の上フランジ部と、
前記上フランジ部の上端において、複数のリブとで構成される、キャップを有し、
前記本体に対する前記キャップの相対移動を抑制する固定部と、を有する、
排水部材。
【請求項2】
前記本体と前記上フランジ部とを固定する固定部を有する、
請求項1に記載の排水部材。
【請求項3】
前記本体と前記上フランジ部との間に挟まれる板部材を有し、
前記板部材に前記固定部を挿入する穴を有する、
請求項1または請求項2に記載の排水部材。
【請求項4】
前記リブの一部が、
前記上フランジ部の径方向、又は、前記上フランジ部より上方向に可動する固定部を有する、
請求項1に記載の排水部材。
【請求項5】
前記キャップが、前記筒部の軸と交差する方向に可動する固定部である、
請求項1に記載の排水部材。
【請求項6】
前記落とし口を覆う蓋部を有し、
前記キャップの少なくとも一部または前記本体の少なくとも一部と、前記蓋部とを固定する固定部を有する、
請求項1に記載の排水部材。
【請求項7】
前記本体と前記筒部がねじ嵌合により接続され、
前記本体の上端面と前記上フランジ部の間に挟まれる固定部を有する、
請求項1に記載の排水部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、雨水を排水する排水システムとして、例えば特許文献1,2に記載されるように、排水管の端部にサイフォン作用を利用する排水部材を設置した構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-197030号公報
【特許文献2】特開2021-107684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サイフォン式の排水部材では、その上端部に複数の縦リブが設けられているため、メンテナンス時などに排水管内部へのアクセスがしにくい課題があった。一方、排水部材の上側部分が取り外し可能に構成されていれば、排水管内部へのアクセスが容易になる。しかし、部分的に取り外し可能な構成では、上側部分の締結が緩んだり、脱落したりするおそれがあった。例えば、特許文献1記載の構成では、配管にドレンを差し込むだけであるため、使用時にドレンが位置ずれしてしまうことがあった。また、特許文献2記載の構成では、接着剤やねじでドレンを固定するため、溜まったゴミを除去する時など、メンテナンスを実施しにくかった。
【0005】
本発明は、部分的に取り外し可能であり、メンテナンス性が向上した排水部材を提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、排水管の端部に配置される排水部材であって、前記排水管の端部に構成される筒状の本体を有し、前記本体に接続され、落とし口を形成する筒部と、前記筒部の上端において、前記筒部の径方向に広がる板状の上フランジ部と、前記上フランジ部の上端において、複数のリブとで構成される、キャップを有し、前記本体に対する前記キャップの相対移動を抑制する固定部と、を有する、排水部材が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、部分的に取り外し可能でありメンテナンス性が向上した排水部材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態の排水部材を用いた排水構造1を示す模式断面図である。
図2図2は、排水部材30を一部断面で示す側面図である。
図3図3は、キャップの平面図である。
図4図4は、排水部材30の分解断面図である。
図5図5は、第1変形例の排水部材30Aを示す側面図である。
図6図6は、第2変形例の排水部材30Bを示す側面図である。
図7図7は、第3変形例の排水部材30Cを示す側面図である。
図8図8は、第4変形例の排水部材30Dを示す側面図である。
図9図9は、第5変形例の排水部材30Eを示す側面図である。
図10図10は、第6変形例の排水部材30Fを示す側面図である。
図11図11は、第7変形例の排水部材30Gを示す側面図である。
図12図12は、第8変形例の排水部材30Hを示す側面図である。
図13図13は、第9変形例の排水部材30Jを示す側面図である。
図14図14は、第10変形例の排水部材30Kを示す側面図である。
図15図15は、排水部材を雨樋に適用した例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、排水部材の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態の排水部材を用いた排水構造1を示す模式断面図である。
図1に示すように、排水構造1は、金属蓋10と、排水枡部(枡)20と、排水部材30と、排水管80と、集水管100と、を備える。排水構造1は、例えば、橋梁の側溝に沿って複数配置される。橋梁に降った雨水(水)が排水構造1に流れ込み、橋梁外に排水される。本実施形態では、集水管100が排水枡部20に接続されているが、集水管100は、排水枡部20の外で排水管80に接続されていてもよい。
【0010】
金属蓋10は、金属製の複数の孔を有する蓋である。金属蓋10は、排水枡部20に支持されており、金属蓋10を通った雨水が排水枡部20に流れ込む。
排水枡部20は、上枡21と、下枡22と、高さ調整部23と、を有している。下枡22の上端までコンクリート201が設けられ、コンクリート201の上部に舗装202が設けられている。
【0011】
上枡21は、金属製であり、金属蓋10の周囲に配置される枠体である。上枡21の内側に金属蓋10が配置される。
下枡22は、例えば、鋳鉄またはFRP製であり、側壁51と、上枡支持部52と、絞り部53と、接続部54と、を有する。側壁51は、上枡21の周囲を囲む。上枡支持部52は、側壁51の下端から内側に向かって側壁51に対して概ね垂直に形成されている。上枡支持部52に、上枡21が支持される。上枡支持部52に、下枡22に対する上枡21の高さ位置を調整する高さ調整部23が設けられている。
【0012】
絞り部53は、外観が円柱形状であり、上枡支持部52の下方に設けられている。絞り部53は、筒状部53aと、底面(底板)53bを有する。筒状部53aの上端は後述する接続部54によって上枡支持部52と接続されている。底面53bは、筒状部53aの先端である下端を塞ぐ。底面53bには、貫通孔が形成されており、貫通孔に挿通された排水管80が設けられている。底面53bと排水管80の間を止水剤等で埋めてもよい。
【0013】
接続部54は、上枡支持部52と絞り部53とを接続する。接続部54は、上枡支持部52の内側の端から絞り部53の筒状部53aの上端までを接続する。接続部54は、開口部20aに対して垂直な方向の断面積が上枡支持部52から絞り部53に向かって除々に小さくなっている。
【0014】
排水部材30は、排水管80の上端の開口部に設置される。排水部材30は、排水管80に排水される雨水にサイフォン現象の発生を誘発する。
図2は、排水部材30を一部断面で示す側面図である。図3は、キャップの平面図である。図4は、排水部材30の分解断面図である。
【0015】
排水部材30は、硬質塩化ビニル樹脂やポリカーボネート、ABS、AES等の合成樹脂を用いて射出成形によって作製することができる。なお、合成樹脂に限るものではなく、鋳型を用いた鋳鉄製、あるいはステンレス鋼製であってもよい。
【0016】
排水部材30は、図2から図4に示すように、上蓋31と、キャップ33と、本体32と、板部材36と、を有する。すなわち、排水部材30は、それぞれ別部材からなる上蓋31、本体32、キャップ33、および板部材36を組み立てた構成である。キャップ33の上端に上蓋31が組み付けられ、本体32とキャップ33とは、それらの間に板部材36を挟んだ状態で固定される。
【0017】
上蓋31は、板状であり、円盤状に形成されている。本体32およびキャップ33は概略筒状に形成されている。上蓋31と本体32とキャップ33の各々の中心軸は、共通軸上に配置され、鉛直方向に一致している。この共通軸をドレン軸Oとし、ドレン軸O方向に沿う排水部材30の本体32を下側とし、上蓋31側を上側とする。また、排水部材30をドレン軸O方向から視た平面視においてドレン軸Oに直交する方向を径方向とし、ドレン軸O周りに周回する方向を周方向とする。
【0018】
本体32は、図4に示すように、筒状、具体的には円筒状の筒部32aと、筒部32aの軸方向の一端から径方向の外側に延びる板状の下フランジ部32bとを有する。筒部32aの内周部には雌ねじ部32cが形成されている。
【0019】
キャップ33は、落し口34を形成する筒部71と、筒部71の上端から径方向の外側に広がる板状の上フランジ部72と、上フランジ部72の上面から上側へ延びる複数の縦リブ73と、縦リブ73の上端に位置する支持板74と、を有する。筒部71の外周部には、雄ねじ部71aが形成されている。筒部71と上フランジ部72とが連なる内面側の接続部分72aは、テーパー面あるいは曲面に形成されたベルマウス形状に形成されている。
【0020】
落し口34は、雨水を排水する部分であり、落し口34の上端の開口を排水口34aとする。排水口34aは、上フランジ部72の内側ともいえる。排水口34aから上蓋31までの距離は、上フランジ部72から上蓋31までの距離と概ね同じである。ドレン軸Oに沿った方向において排水口34aと上フランジ部72の位置が概ね一致する。
【0021】
複数の縦リブ73は、上フランジ部72の上面72dから上側へ延びている。複数の縦リブ73の上端に、支持板74が固定されている。支持板74は、筒部71の内径と同程度の外径を有する円板状である。支持板74は、複数の縦リブ73同士を周方向に連結している。支持板74の中央部には、支持板74を上下方向に貫通する貫通孔74aが形成されている。
【0022】
複数の縦リブ73は、平面視において径方向に沿って延び、周方向に対して交差する板状である。本実施形態では、縦リブ73は、6つ形成されており、6つの縦リブ73は、ドレン軸Oを中心として等間隔の角度(約60度間隔)で設けられている。縦リブ73の設置数および位置は、これに限られるものではない。隣り合う縦リブ73同士の空隙が、排水部材の流入開口30aを構成する。縦リブ73は、流入開口30aから落し口34に流入する雨水を整流する機能を有する。すなわち、排水部材30は、図1に示すように、排水管80の上端80aに配置され、排水管80に流入する雨水を整流することができる。
【0023】
上蓋31は、キャップ33の上端に位置する支持板74に組み付けられる。本実施形態の場合、上蓋31は、円板状の上蓋本体31aと、上蓋本体31aの下面31cの平面視中央から下側に突出する係合部31dと、上蓋本体31aの上面31bから上側に突出する複数の把持リブ35と、を有する。
【0024】
上蓋31は、係合部31dが、支持板74の貫通孔74aに挿入、固定されることによりキャップ33に固定される。本実施形態の場合、係合部31dと貫通孔74aはスナップフィットにより固定される。具体的には、支持板74の貫通孔74aは、ドレン軸O方向から見て六角形状の孔であり、係合部31dは、貫通孔74aの径方向に対向する2辺に引っ掛け可能な2本の嵌合爪からなる。この固定機構により、上蓋31は、キャップ33に対してドレン軸O回りに回転できない状態で固定される。係合部31dと貫通孔74aとの固定機構はスナップフィットに限られず、例えば圧入により固定してもよい。
【0025】
上蓋31は、鉛直方向の上方から見て落し口34を塞ぐように配置される。また、上蓋31の面積は落し口34の開口面積より大きい。上蓋31の大きさおよび位置は一例であり、例えば上蓋31の面積が落し口34の開口面積より小さい構成も採用し得る。上蓋31の把持リブ35は、周方向に間隔を空けて複数配置されている。把持リブ35は、排水部材30を排水管80に接続する際に作業者によって把持される。
【0026】
キャップ33と本体32は、キャップ33の雄ねじ部71aを、本体32の雌ねじ部32cに螺合させることで、これらが連結されて排水部材30となる。その際に、キャップ33の筒部71を、板部材36の径方向内側に挿入し、キャップ33の上フランジ部72と本体32の下フランジ部32bとにより挟み込むことで、板部材36が固定される。排水部材30は、図1に示すように、本体32の筒部32aが排水管80の受口81に差し込まれることによって、排水管80に装着される。
【0027】
本実施形態の排水部材30は、図2から図4に示すように、本体32と上フランジ部72との間に挟まれる板部材36と、縦リブ73とに引っ掛け可能な固定具60(固定部)を有する。なお、図4では、説明のために、固定具60および板部材36の観察方向を、ドレン軸O回りに90°回転させている。
【0028】
固定具60は、例えば金属板をL形に折り曲げた部品であり、設置状態で排水部材30の径方向に延びる第1板部61と、第1板部61の径方向外側の端部から下側へ延びる第2板部62とを有する。第1板部61には、第1板部61の径方向内側の端面に開口して径方向外側へ延びるスリット61aが形成されている。板部材36には、図3および図4に示すように、板部材36を上下方向に貫通する貫通孔36bが形成されている。貫通孔36bは、板部材36を貫通していなくてもよい。すなわち、板部材36は、固定具60が挿入される凹部、溝部、または貫通孔からなる穴を有する構成とすることができる。
【0029】
固定具60の一方側の端部である第2板部62は、板部材36の上下方向に延びる穴である貫通孔36bに挿入される。固定具60の他方側の端部である第1板部61は、スリット61aに縦リブ73が挿入されることにより、縦リブ73に引っ掛け可能である。これにより、固定具60は、板部材36と縦リブ73とを着け外し可能に接続する。
【0030】
固定具60が板部材36と縦リブ73とを接続することにより、本体32に対してキャップ33がドレン軸O回りに回転するのを抑制できる。すなわち、固定具60によって、本体32に対するキャップ33の相対移動が抑制される。これにより、排水部材30は、使用時において雄ねじ部71aと雌ねじ部32cとの螺合が緩むのを抑制でき、キャップ33が本体32から脱落することも防げる。
【0031】
また、固定具60は、上側に移動させることで第2板部62を板部材36の貫通孔36bから引き抜くことで、キャップ33および板部材36から取り外すことができる。固定具60を取り外すことで、キャップ33を本体32から取り外すことが可能となり、メンテナンス時には、キャップ33を取り外して排水管80の内部へ容易にアクセスできる。
【0032】
固定具60と縦リブ73との係合形態は、スリット61aにより縦リブ73を保持する形態に限られず、固定具60と板部材36との係合形態も、第2板部62を貫通孔36bに挿入する形態に限られない。固定具60によってキャップ33の周方向の移動を抑制できる形態であれば採用可能である。
【0033】
本実施形態の排水部材30は、本体32およびキャップ33よりも径方向外側まで広がる板部材36を備える。板部材36は、排水枡部20内において、絞り部53の上端に位置する。板部材36の外径は、絞り部53の筒状部53aの内径に対してわずかに小さい。板部材36は、排水構造1において、絞り部53内へのごみの流入を抑制するごみ除け部材として機能する。
【0034】
排水管80には、底面53bよりも上方の位置に吸引孔82が配置されている。吸引孔82は、排水管80の側壁を径方向に貫通している。吸引孔82は、絞り部53の内側の雨水を排水管80の内側に案内する水抜き孔である。
【0035】
板部材36が設けられていることで、雨水とともに排水枡部20内に流れ込んだごみ(主に土砂)のうち、吸引孔82が詰まるサイズや形状のごみを板部材36によって雨水から除去できる。よって、板部材36の下方に流れ込んだ雨水が吸引孔82を通過しても、吸引孔82にごみが吸い込まれて吸引孔82がごみで詰まることを防ぐことができる。
【0036】
また、板部材36は、一部または全部が網状であってもよい。網状部分を有する板部材36を用いる場合には、板部材36と排水枡部20の壁との間に隙間を設けない構成とすることもできる。
【0037】
板部材36は、排水部材30の流入開口30aの直下に設置されている。これにより、板部材36によってで雨水から除去されたごみは、排水部材30のサイフォン現象(サイフォン作用)により雨水とともに流入開口30a等を経て排水管80に排出される。
【0038】
絞り部53の筒状部53a内には、集水管100が接続されている。集水管100は、筒状部53a内において吸引孔82よりも上側の位置に開口する。集水管100は、路面下の雨水を絞り部53に流す管である。路面下の雨水を集水管100から絞り部53に流すことにより、例えば、絞り部53に流れた路面下の雨水を吸引孔82から排水管80に流して排出することができる。
【0039】
上記実施形態の排水部材30を、以下の複数の変形例のように一部を変更することが可能である。以下の説明において、上記実施形態と共通の符号を付した部位は、上記実施形態と共通の構成または機能を有する部位である。
【0040】
(第1変形例)
図5は、第1変形例の排水部材30Aを示す側面図である。
第1変形例の排水部材30Aは、上記実施形態の排水部材30に代えて用いることができる。排水部材30Aは、キャップ33と本体32とを、固定具60A(固定部)によって着け外し可能に接続する構成である。
【0041】
固定具60Aは、側面視でU形の固定部61Aと、固定部61Aに対して回動可能な開閉部62Aと、固定部61Aと開閉部62Aとを連結するヒンジ63Aと、を有する。固定部61Aの一方側の端部は、本体32の下フランジ部32bの下面に固着されている。固定部61Aは、下フランジ部32bの外周側を回り込んで下フランジ部32bよりも上側へ延びている。固定部61Aの他方側の端部は、下フランジ部32bの上面よりも上側に位置する。固定部61Aの他方側の端部に、ヒンジ63Aが設けられている。
【0042】
開閉部62Aは、ヒンジ63Aを中心として回転操作可能なレバーである。開閉部62Aは、ヒンジ63Aから径方向に延びている。開閉部62Aは、ヒンジ63Aを中心として、開位置である上側位置と、閉位置である下側位置との間で移動可能である。開閉部62Aは、下側位置に移動したときに、開閉部62Aの先端部によって、キャップ33の上フランジ部72を上側から押さえる。
【0043】
第1変形例の排水部材30Aによれば、固定具60Aを備えることで、本体32に取り付けられたキャップ33を下側へ押さえつけることができる。キャップ33の上側への移動が抑制されるので、キャップ33と本体32とのねじ締結が緩んだり、キャップ33が本体32から脱落したりするのを抑制できる。
【0044】
固定具60Aにおいて、開閉部62Aの閉位置は、上フランジ部72を押さえる下側位置であり、開閉部62Aの開位置は、キャップ33を本体32から取り外す際に、キャップ33の各部と開閉部62Aとが干渉しない位置である。開閉部62Aの回動範囲は、例えば45°程度とすることができる。
固定具60Aは、開閉部62Aを上フランジ部72の上面に押さえつけるバネ部材等を有していてもよい。固定具60Aは、開閉部62Aを下側位置に固定する固定機構を有していてもよい。
【0045】
第1変形例では、固定具60Aは、一方側の端部が下フランジ部32bに固着され、他方側の端部がキャップ33に引っ掛け可能に構成されているが、この構成に限られない。固定具60Aの一方の端部がキャップ33に固着され、他方の端部が本体32に引っ掛け可能に構成されていてもよい。
【0046】
キャップ33の上フランジ部72の上面外周部に、径方向に延びる凹溝が形成され、この凹溝に開閉部62Aが嵌合可能に構成されていてもよい。開閉部62Aを凹溝に嵌め込むことで、本体32に対するキャップ33の相対回転を抑制できるので、キャップ33がさらに緩みにくくなる。
【0047】
(第2変形例)
図6は、第2変形例の排水部材30Bを示す側面図である。
第2変形例の排水部材30Bは、上記実施形態の排水部材30に代えて用いることができる。排水部材30Bは、キャップ33と本体32とを、固定具60B(固定部)により着け外し可能に接続した構成である。
【0048】
固定具60Bは、側面視でL形に屈曲したロックピンであり、棒材または板材を折り曲げて作製可能である。固定具60Bは、鉛直方向に沿って延びる軸部61Bと、軸部61Bの先端から径方向外側に延びる抜け止め部62Bとを有する。図6に示す固定具60Bの形状は一例であり、機能を損なわない範囲で軸部61Bおよび抜け止め部62Bの形状を変更可能である。
【0049】
キャップ33の上フランジ部72および本体32の下フランジ部32bには、上フランジ部72および下フランジ部32bの両方を上下方向に貫通する貫通孔30bが形成されている。貫通孔30bは、上フランジ部72の貫通孔と、下フランジ部32bの貫通孔とが上下方向に連続する構成である。
【0050】
固定具60Bは、貫通孔30bに上側から挿入される。固定具60Bの抜け止め部62Bが上フランジ部72の上面に突き当たることで、固定具60Bの下方向への脱落が防止される。固定具60Bによって、キャップ33と本体32とが着け外し可能に接続される。固定具60Bが、上フランジ部72および下フランジ部32bを上下方向に貫いて配置されることにより、本体32に対するキャップ33の相対回転が抑制される。これにより、キャップ33と本体32とのねじ締結が緩んだり、キャップ33が本体32から脱落したりするのを抑制できる。
【0051】
(第3変形例)
図7は、第3変形例の排水部材30Cを示す側面図である。
第3変形例の排水部材30Cは、上記実施形態の排水部材30に代えて用いることができる。排水部材30Cは、キャップ33と本体32とを、固定具60C(固定部)により着け外し可能に接続した構成である。
【0052】
固定具60Cは、被固定物を弾性力により把持して固定するクリップである。固定具60Cは、側面視U形である。固定具60Cは、2本の把持部61C、62Cと、把持部61C、62Cの端部同士を連結する連結部63Cとを有する。固定具60Cは、キャップ33の上フランジ部72と、本体32の下フランジ部32bとを、上下方向に挟んで固定する。本体32およびキャップ33に取り付けられた固定具60Cの把持部61C、62Cは、径方向に沿って延びる。
【0053】
固定具60Cによって、キャップ33と本体32とが着け外し可能に接続される。固定具60Cが、上フランジ部72および下フランジ部32bを上下方向に挟んで固定することにより、本体32に対するキャップ33の相対回転が抑制される。これにより、キャップ33と本体32とのねじ締結が緩んだり、キャップ33が本体32から脱落したりするのを抑制できる。
【0054】
本変形例では、固定具60Cとして、側面視U形のクリップを例示したが、上フランジ部72と下フランジ部32bとを固定可能であれば、形状は特に限定されない。
【0055】
(第4変形例)
図8は、第4変形例の排水部材30Dを示す側面図である。
第4変形例の排水部材30Dは、上記実施形態の排水部材30に代えて用いることができる。排水部材30Dは、キャップ33と本体32とを、可動縦リブ73Dにより着け外し可能に接続した構成である。すなわち、本実施形態では、縦リブ73の一部である可動縦リブ73Dが、上フランジ部72に対して可動する固定部である。
【0056】
可動縦リブ73Dは、キャップ33に設けられる複数の縦リブ73のうちの一部である。可動縦リブ73Dは、キャップ33から取り外し可能である。可動縦リブ73Dは、キャップ33に対して、径方向に移動可能である。より詳細には、上蓋31、本体32、およびキャップ33のそれぞれに、可動縦リブ73Dが挿入されるスリット31e、32e、72eが形成されている。上蓋31のスリット31eは、上蓋31の外周端に開口し、径方向内側へ延びている。本体32のスリット32eは、下フランジ部32bの外周端に開口し、径方向内側へ延びている。キャップ33のスリット72eは、上フランジ部72の外周端に開口し、径方向内側へ延びている。可動縦リブ73Dは、スリット31e、32e、72eの径方向外側を向く開口部から径方向内側へ挿入される。
【0057】
スリット31e、32e、72eに可動縦リブ73Dが挿入されることにより、可動縦リブ73Dが排水部材30Dに装着される。装着された可動縦リブ73Dは、他の縦リブ73と同様に機能する。
【0058】
可動縦リブ73Dは、キャップ33のスリット72eと、本体32のスリット32eの両方に嵌め込まれる。これにより、キャップ33と本体32とが、可動縦リブ73Dにより着け外し可能に接続される。
可動縦リブ73Dがスリット72e、32e内に配置されることで、本体32に対するキャップ33の相対回転が抑制される。これにより、キャップ33と本体32とのねじ締結が緩んだり、キャップ33が本体32から脱落したりするのを抑制できる。
【0059】
(第5変形例)
図9は、第5変形例の排水部材30Eを示す側面図である。
第5変形例の排水部材30Eは、第4変形例のバリエーションである。排水部材30Eは、上記実施形態の排水部材30に代えて用いることができる。排水部材30Eは、キャップ33と本体32とを、可動縦リブ73Eにより着け外し可能に接続した構成である。すなわち、本実施形態では、縦リブ73の一部である可動縦リブ73Eが、上フランジ部72に対して可動する固定部である。
【0060】
可動縦リブ73Eは、キャップ33に設けられる複数の縦リブ73のうちの一部である。可動縦リブ73Eは、キャップ33から取り外し可能である。可動縦リブ73Eは、キャップ33に対して、上下方向に移動可能である。より詳細には、上蓋31、本体32、およびキャップ33のそれぞれに、可動縦リブ73Eが挿入されるスリット31f、32f、72fが形成されている。上蓋31のスリット31fは、上蓋31を上下方向に貫通し、径方向に延びるスリットである。本体32のスリット32fは、下フランジ部32bの上面に開口し、径方向に延びる凹溝である。キャップ33のスリット72fは、上フランジ部72を上下方向に貫通し、径方向に延びるスリットである。可動縦リブ73Eは、スリット31f、32f、72fに上側から挿入される。最も下側に位置するスリット32fは凹溝であるため、可動縦リブ73Eの下端は本体32に支持される。
【0061】
スリット31f、32f、72fに可動縦リブ73Eが挿入されることにより、可動縦リブ73Eが排水部材30Eに装着される。装着された可動縦リブ73Eは、他の縦リブ73と同様に機能する。
【0062】
可動縦リブ73Eは、キャップ33のスリット72fと、本体32のスリット32fの両方に嵌め込まれる。これにより、キャップ33と本体32とが、可動縦リブ73Eにより着け外し可能に接続される。
可動縦リブ73Eがスリット72f、32f内に配置されることで、本体32に対するキャップ33の相対回転が抑制される。これにより、キャップ33と本体32とのねじ締結が緩んだり、キャップ33が本体32から脱落したりするのを抑制できる。
【0063】
(第6変形例)
図10は、第6変形例の排水部材30Fを示す側面図である。
第6変形例の排水部材30Fは、上記実施形態の排水部材30に代えて用いることができる。排水部材30Fは、キャップ33Fを備える。排水部材30Fは、キャップ33Fと本体32とを着け外し可能に接続した構成である。なお、図10では、上蓋31の図示は省略されている。
【0064】
キャップ33Fは、複数の縦リブ73と、複数の縦リブ73を下側から支持するベース部75と、複数の縦リブ73の上端部を互いに連結する支持板74と、を有する。ベース部75は、水平方向に延びるレール部75aを有する。本体32の下フランジ部32bには、レール部75aに嵌合可能なレール部32gが設けられている。
【0065】
キャップ33Fのレール部75aと、本体32のレール部32gとは、互いに嵌め合わされることでレール機構を構成する。排水部材30Fでは、上記レール機構が設けられていることで、キャップ33Fを本体32に対して水平方向にスライドさせて取り付けることができる。なお、キャップ33Fの本体32に対するスライド方向は、上下方向と交差する方向であればよい。すなわち、本実施形態の排水部材30Fは、キャップ33F自体が、筒部32aの軸と交差する方向に可動可能であり、かつ本体32に装着された状態では、本体32に対する周方向の相対移動を抑制する固定部としても機能する。
【0066】
キャップ33Fが本体32に対してスライド装着されるので、キャップ33Fは、本体32から上側へ抜き取ることはできず、本体32に対するキャップ33の相対移動が抑制される。これにより、使用時にキャップ33Fが本体32から脱落するのを抑制できる。さらに、キャップ33Fが本体32に対して水平方向に相対移動するのを抑制するために、レール部75a、32gからなるレール機構に、スライドロック機構を設けてもよい。
【0067】
(第7変形例)
図11は、第7変形例の排水部材30Gを示す側面図である。
第7変形例の排水部材30Gは、上記実施形態の排水部材30に代えて用いることができる。排水部材30Gは、天板37と、本体32と、天板37と本体32とを着け外し可能に上下方向に連結する複数の連結ピン65と、を有する。すなわち、本実施形態の排水部材30Gは、落とし口を覆う蓋部である天板37と、本体32とを固定する固定部としての連結ピン65を有する。連結ピン65は、リブとしても機能し、連結ピン65は、本体32に接続されるキャップである。
【0068】
天板37は、円板状である。天板37の外径は、本体32の下フランジ部32bの外径とほぼ同等である。天板37の大きさおよび位置は一例であり、天板37の外径が下フランジ部32bの外径より大きい構成、または小さい構成も採用し得る。天板37は、板面を上下方向に向けて配置される。天板37の板面と下フランジ部32bの上面とは、平行またはほぼ平行である。
【0069】
連結ピン65は、例えば真っ直ぐな丸棒である。連結ピン65の下端部は、本体32の下フランジ部32bに固定される。連結ピン65の上端部は、天板37に固定される。連結ピン65は、本体32との接続部および天板37との接続部のうちの少なくとも一方が、着け外し可能に構成されている。
【0070】
この構成によれば、排水部材のメンテナンス時に、天板37を本体32から取り外すことができるので、排水管80の内部へのアクセスが容易になり、メンテナンス性が向上する。
【0071】
(第8変形例)
図12は、第8変形例の排水部材30Hを示す側面図である。
第8変形例の排水部材30Hは、上記実施形態の排水部材30に代えて用いることができる。排水部材30Hは、排水管80に装着されて落し口34を形成する筒部71と、落し口34の径方向に広がる上フランジ部72と、上フランジ部72上に設けられる複数の縦リブ73と、落とし口34を上側から覆う上蓋部77とを有する。
本変形例の排水部材30Hは、筒部71において排水管80に接続可能である。排水部材30Hでは、筒部71が本体に相当し、上フランジ部72と縦リブ73と後述する取付口部91がキャップに相当する。
【0072】
上蓋部77は、縦リブ73に固定される取付口部91と、取付口部91にねじ締結されるねじ蓋部92と、取付口部91とねじ蓋部92との間に配置される固定具93とを有する。すなわち、排水部材30Hは、上蓋部77の少なくとも一部が取り外し可能である。排水部材30は、蓋部であるねじ蓋部92と、キャップの一部である取付口部91とを固定する固定部としての固定具93を有する。
【0073】
取付口部91は、複数の縦リブ73の上端に固定される本体筒部91aと、本体筒部91aの上面から上側へ突出し、外周面に雄ねじ部91cを有する取付筒部91bとを有する。取付筒部91bの外径は、本体筒部91aの外径よりも小さく、鉛直方向の上側から見て、取付筒部91bの外周を囲んで、本体筒部91aの上面91dが配置されている。
【0074】
ねじ蓋部92は、本体筒部91aとほぼ同等の外径を有する天壁92aと、天壁92aの外周端から下側へ延びる蓋筒部92bと、蓋筒部92bの内周面に設けられた雌ねじ部92cと、を有する。雌ねじ部92cを雄ねじ部91cに螺合させることで、ねじ蓋部92が取付口部91に取り付けられる。
【0075】
固定具93は、平面視で円環状の部材である。固定具93は、本体筒部91aの上面91dと、蓋筒部92bの下端面92dとの間に挟まれて固定される。固定具93は、取付口部91に対するねじ蓋部92の相対移動を抑制する緩み止め部材である。固定具93は、例えば、緩み止めワッシャーである。緩み止めワッシャーとしては、バネワッシャー、ノルトロックワッシャー、ゴムワッシャーなどを用いることができる。
【0076】
この構成によれば、排水部材のメンテナンス時に、ねじ蓋部92を取付口部91から取り外すことができるので、排水管80の内部へのアクセスが容易になり、メンテナンス性が向上する。また、固定具93を備えているため、ねじ蓋部92と取付口部91との締結が緩んだり、ねじ蓋部92が脱落したりするのを抑制できる。
【0077】
(第9変形例)
図13は、第9変形例の排水部材30Jを示す側面図である。
第9変形例の排水部材30Jは、上記実施形態の排水部材30に代えて用いることができる。排水部材30Jは、排水管80に装着されて落し口34を形成する筒部71と、落し口34の径方向に広がる上フランジ部72と、上フランジ部72上に設けられる複数の縦リブ73と、縦リブ73の上端部に固定される支持板74と、支持板74に取り付けられて落とし口34を上側から覆う上蓋部78とを有する。
本変形例の排水部材30Jは、筒部71において排水管80に接続可能である。排水部材30Jでは、筒部71が本体に相当し、上フランジ部72と縦リブ73と支持板74とがキャップに相当する。
【0078】
上蓋部78は、上フランジ部72とほぼ同等の外径を有する天板部78aと、平面視で天板部78aの中央部に位置するクリップ78bと、を有する。天板部78aの大きさおよび位置は一例であり、天板部78aの外径が上フランジ部72よりも大きい構成、または小さい構成も採用し得る。クリップ78bは、天板部78aの上面から上側に突出する操作部78cと、天板部78aの下面から下側に突出する把持部78dとを有する。クリップ78bは、操作部78cを操作することにより、把持部78dを開閉することができる。
【0079】
図13に示すように、上蓋部78は、クリップ78bの把持部78dによって、支持板74の一部を把持することにより、縦リブ73に対して固定される。すなわち、本実施形態の排水部材30Jは、蓋部である上蓋部78とキャップの一部である支持板74とを固定する固定部としての把持部78dを有する。
この構成によれば、排水部材のメンテナンス時に、クリップ78bの操作部78cを操作することにより、上蓋部78を取り外すことができるので、排水管80の内部へのアクセスが容易になり、メンテナンス性が向上する。
【0080】
本変形例では、クリップ78bによって支持板74の一部を把持する構成としたが、支持板74を設けず、クリップ78bによって縦リブ73を直接把持する構成としてもよい。
【0081】
(第10変形例)
図14は、第10変形例の排水部材30Kを示す側面図である。
第10変形例の排水部材30Kは、上記実施形態の排水部材30に代えて用いることができる。排水部材30Kは、排水管80に装着されて落し口34を形成する筒部71と、落し口34の径方向に広がる上フランジ部72と、上フランジ部72上に設けられる複数の縦リブ73と、縦リブ73の上端部に固定される支持板74と、支持板74に取り付けられて落とし口34を上側から覆う上蓋部79とを有する。
【0082】
排水部材30Kは、筒部71の外周面に形成される雄ねじ部71aを有する。上蓋部79は、支持板74に固着されていてもよく、着け外し可能に固定される構成でもよい。支持板74を設けずに、上蓋部79が縦リブ73に直接固着されていてもよく、縦リブ73に着け外し可能に固定される構成であってもよい。
【0083】
排水管80の上端80aの内周面側に、雌ねじ部84が形成されている。排水部材30Kは、筒部71の雄ねじ部71aを、排水管80の雌ねじ部84に螺合させることにより、排水管80に装着される。装着に際して、排水部材30Kと排水管80との間には、固定具93が挟み込まれる。固定具93は、例えば緩み止めワッシャーであり、排水部材30Kが排水管80に対して緩むのを抑制する固定部である。
【0084】
排水部材30Kは、排水管80に対して直接ねじ込まれているため、排水管80のメンテナンス時に、排水管80から容易に取り外すことができる。これにより、排水管80の内部へのアクセスが容易になり、メンテナンス性が向上する。
【0085】
上記した実施形態および変形例では、排水部材の用途として、側溝内部の排水管に装着される排水部材を挙げて説明したが、この用途に限られない。例えば、図15に示すように、雨樋1Aの軒樋1Bの内側に設けられてもよい。
【0086】
雨樋1Aは、軒樋101と、軒樋101の底面101aに形成される円形の貫通穴102に取り付けられる排水部材30と、排水部材30に呼び樋103を介して接続された竪樋104と、を有している。呼び樋103は、軒樋101に設けられた排水部材30から流下した雨水を水平に導水する。呼び樋103の一端側が第1エルボ105を介して排水部材30の下端に接続される。呼び樋103の他端側が第2エルボ106を介して竪樋104の上端に接続される。
このような雨樋1Aにおいて、上記実施形態または変形例の排水部材を用いることで、高い排水性を得られるとともに、排水管のメンテナンス性にも優れる構成となる。
【0087】
また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
実施形態の排水部材30、および第1~第3変形例の排水部材30A~30Cは、上蓋31を備えない構成であってもよい。
上記した実施形態および各変形例では、板状の縦リブを備える構成について説明したが、細長い柱状の縦リブを用いてもよい。
上記した実施形態および各変形例において、上蓋の上面または上蓋部の上面に、整流フィンを設けた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0088】
30,30A,30B,30C,30D,30E,30F,30G,30H,30J,30K…排水部材、30b,36b,74a…貫通孔、31…上蓋、31b,72d,91d…上面、31e,31f,32e,32f,61a,72e,72f…スリット、32…本体、32a,71…筒部、32b…下フランジ部、32c,84,92c…雌ねじ部、33,33F…キャップ、34…落し口、36…板部材、37…天板、60,60A,60B,60C,93…固定具、65…連結ピン、71a,91c…雄ねじ部、72…上フランジ部、73…縦リブ、73D、73E…可動縦リブ、75…ベース部、77,78,79…上蓋部、78b…クリップ、78c…操作部、80…排水管、80a…上端、91…取付口部、91b…取付筒部、92…ねじ蓋部
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
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図9
図10
図11
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図15