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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121205
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】磁性部品および電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 30/10 20060101AFI20240830BHJP
   H02M 3/28 20060101ALI20240830BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20240830BHJP
   H01F 27/24 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
H01F30/10 C
H02M3/28 Y
H01F30/10 A
H01F30/10 M
H01F30/10 R
H01F27/28 K
H01F27/24 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028169
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松浦 研
【テーマコード(参考)】
5E043
5H730
【Fターム(参考)】
5E043BA01
5E043BA02
5H730AS01
5H730BB26
5H730BB66
5H730DD04
5H730DD16
5H730EE02
5H730EE03
5H730EE07
5H730EE75
5H730FG05
5H730FG07
5H730ZZ11
5H730ZZ16
(57)【要約】
【課題】複数系統の整流回路に流れる電流をバランスさせることができる磁性部品を得る。
【解決手段】本発明の一実施の形態に係る磁性部品は、磁気コアと、第1の巻線と、複数の第2の巻線とを備える。磁気コアは、第1の境界線および第2の境界線により4つの領域に区分され、4つの領域のそれぞれには2以上の脚部が設けられ、第1の巻線が巻き付けられた2以上の脚部の位置は、第1の境界線および第2の境界線を基準として対称であり、第1の境界線を基準として互いに対称の位置に設けられ、第1の巻線が巻き付けられた2つの脚部では、第1の巻線の巻方向は互いに異なり、第2の境界線を基準として互いに対称の位置に設けられ、第1の巻線が巻き付けられた2つの脚部では、第1の巻線の巻方向は互いに異なり、複数の脚部のうちの複数の第2の巻線が巻き付けられた2以上の脚部の位置は、第1の境界線および第2の境界線を基準として対称である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する2つの基体部と、前記2つの基体部の対向面の面内に配置され、前記2つの基体部を磁気結合させる複数の脚部とを有する磁気コアと、
第1の接続端子および第2の接続端子と、
前記第1の接続端子および前記第2の接続端子を結び、前記複数の脚部のうちの一部または全部に巻き付けられた第1の巻線と、
前記複数の脚部のうちの一部または全部に巻き付けられた複数の第2の巻線と
を備え、
前記磁気コアは、前記対向面の面内における第1の境界線および前記第1の境界線と交差する第2の境界線により4つの領域に区分され、
前記4つの領域のそれぞれには、前記複数の脚部のうちの2以上の脚部が設けられ、
前記複数の脚部のうちの前記第1の巻線が巻き付けられた2以上の脚部の位置は、前記第1の境界線を基準として対称であるとともに、前記第2の境界線を基準として対称であり、
前記第1の境界線を基準として互いに対称の位置に設けられ、前記第1の巻線が巻き付けられた2つの脚部では、前記第1の接続端子から前記第2の接続端子に向かう方向における前記第1の巻線の巻方向は互いに異なり、
前記第2の境界線を基準として互いに対称の位置に設けられ、前記第1の巻線が巻き付けられた2つの脚部では、前記第1の接続端子から前記第2の接続端子に向かう方向における前記第1の巻線の巻方向は互いに異なり、
前記複数の脚部のうちの前記複数の第2の巻線が巻き付けられた2以上の脚部の位置は、前記第1の境界線を基準として対称であるとともに、前記第2の境界線を基準として対称である
磁性部品。
【請求項2】
前記複数の脚部は、第1の脚部、第2の脚部、第3の脚部、第4の脚部、第5の脚部、第6の脚部、第7の脚部、および第8の脚部を含む8つの脚部を有し、
前記第1の脚部、前記第2の脚部、前記第3の脚部、および前記第4の脚部は第1の方向にこの順に並設され、
前記第5の脚部、前記第6の脚部、前記第7の脚部、および前記第8の脚部は前記第1の方向にこの順に並設され、
前記第1の脚部および前記第5の脚部は第2の方向に並設され、
前記第2の脚部および前記第6の脚部は前記第2の方向に並設され、
前記第3の脚部および前記第7の脚部は前記第2の方向に並設され、
前記第4の脚部および前記第8の脚部は前記第2の方向に並設され、
前記第1の境界線は、前記第1の脚部、前記第2の脚部、前記第5の脚部、および前記第6の脚部と、前記第3の脚部、前記第4の脚部、前記第7の脚部、および前記第8の脚部との間に設けられ、
前記第2の境界線は、前記第1の脚部、前記第2の脚部、前記第3の脚部、および前記第4の脚部と、前記第5の脚部、前記第6の脚部、前記第7の脚部、および前記第8の脚部との間に設けられた
請求項1に記載の磁性部品。
【請求項3】
前記第1の巻線は、前記第1の接続端子から前記第2の接続端子に向かう方向において、前記第1の脚部、前記第2の脚部、前記第7の脚部、および前記第8の脚部に第1の巻方向に巻き付けられ、前記第3の脚部、前記第4の脚部、前記第5の脚部、および前記第6の脚部に第2の巻方向に巻き付けられた
請求項2に記載の磁性部品。
【請求項4】
前記複数の第2の巻線は、前記第1の脚部、前記第4の脚部、前記第5の脚部、および前記第8の脚部に巻き付けられた
請求項3に記載の磁性部品。
【請求項5】
前記複数の第2の巻線は、前記第2の脚部、前記第3の脚部、前記第6の脚部、および前記第7の脚部に巻き付けられた
請求項3に記載の磁性部品。
【請求項6】
前記第1の巻線は、前記第1の接続端子から前記第2の接続端子に向かう方向において、前記第1の脚部、前記第3の脚部、前記第6の脚部、および前記第8の脚部に第1の巻方向に巻き付けられ、前記第2の脚部、前記第4の脚部、前記第5の脚部、および前記第7の脚部に第2の巻方向に巻き付けられた
請求項2に記載の磁性部品。
【請求項7】
前記複数の第2の巻線は、前記第1の脚部、前記第4の脚部、前記第5の脚部、および前記第8の脚部に巻き付けられた
請求項6に記載の磁性部品。
【請求項8】
前記複数の第2の巻線は、前記第2の脚部、前記第3の脚部、前記第6の脚部、および前記第7の脚部に巻き付けられた
請求項6に記載の磁性部品。
【請求項9】
前記第1の巻線は、前記第1の接続端子から前記第2の接続端子に向かう方向において、前記第1の脚部および前記第8の脚部に第1の巻方向に巻き付けられ、前記第4の脚部および前記第5の脚部に第2の巻方向に巻き付けられ、
前記複数の第2の巻線は、前記8つの脚部に巻き付けられた
請求項2に記載の磁性部品。
【請求項10】
前記第1の巻線は、前記第1の接続端子から前記第2の接続端子に向かう方向において、前記第2の脚部および前記第7の脚部に第1の巻方向に巻き付けられ、前記第3の脚部および前記第6の脚部に第2の巻方向に巻き付けられ、
前記複数の第2の巻線は、前記8つの脚部に巻き付けられた
請求項2に記載の磁性部品。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の磁性部品と、
前記磁性部品の前記第1の巻線に接続され、1または複数のスイッチング素子を有するスイッチング回路と、
前記磁性部品の前記複数の第2の巻線に接続された整流回路と、
前記整流回路に接続された平滑回路と
を備えた電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性部品、および磁性部品を備えた電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力変換装置には、共振コイルおよびトランスを用いて構成された共振コンバータがある。電力変換装置では、部品コストや実装コストの低減、装置の小型化が望まれている。例えば、特許文献1には、例えば、共振コイルおよびトランスを複合化した磁性部品が開示されている。この特許文献1に記載の電力変換装置では、低い出力電圧を得るため、2次側回路は4系統の整流回路を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-153091
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように2次側回路が複数系統の整流回路を有する場合、これらの複数系統の整流回路に流れる電流をバランスさせることが望まれる。
【0005】
複数系統の整流回路に流れる電流をバランスさせることができる磁性部品および電力変換装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施の形態に係る磁性部品は、磁気コアと、第1の接続端子および第2の接続端子と、第1の巻線と、複数の第2の巻線とを備えている。磁気コアは、互いに対向する2つの基体部と、2つの基体部の対向面の面内に配置され、2つの基体部を磁気結合させる複数の脚部とを有する。第1の巻線は、第1の接続端子および第2の接続端子を結び、複数の脚部のうちの一部または全部に巻き付けられたものである。複数の第2の巻線は、複数の脚部のうちの一部または全部に巻き付けられたものである。磁気コアは、対向面の面内における第1の境界線および第1の境界線と交差する第2の境界線により4つの領域に区分される。4つの領域のそれぞれには、複数の脚部のうちの2以上の脚部が設けられる。複数の脚部のうちの第1の巻線が巻き付けられた2以上の脚部の位置は、第1の境界線を基準として対称であるとともに、第2の境界線を基準として対称である。第1の境界線を基準として互いに対称の位置に設けられ、第1の巻線が巻き付けられた2つの脚部では、第1の接続端子から第2の接続端子に向かう方向における第1の巻線の巻方向は互いに異なる。第2の境界線を基準として互いに対称の位置に設けられ、第1の巻線が巻き付けられた2つの脚部では、第1の接続端子から第2の接続端子に向かう方向における第1の巻線の巻方向は互いに異なる。複数の脚部のうちの複数の第2の巻線が巻き付けられた2以上の脚部の位置は、第1の境界線を基準として対称であるとともに、第2の境界線を基準として対称である。
【0007】
本発明の一実施の形態に係る電力変換装置は、上記磁性部品と、スイッチング回路と、整流回路と、平滑回路とを備えている。スイッチング回路は、磁性部品の前記第1の巻線に接続され、1または複数のスイッチング素子を有するものである。整流回路は、磁性部品の複数の第2の巻線に接続されたものである。平滑回路は、整流回路に接続されたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施の形態に係る磁性部品および電力変換装置によれば、複数系統の整流回路に流れる電流をバランスさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の一構成例を表す回路図である。
図2図2は、図1に示したトランスの一構成例を表す説明図である。
図3図3は、図2に示したトランスにおける巻線の一構成例を表す説明図である。
図4図4は、図1に示したゲート信号の一波形例を表すタイミング波形図である。
図5A図5Aは、図1に示した電力変換装置における一動作状態を表す説明図である。
図5B図5Bは、図1に示した電力変換装置における他の動作状態を表す説明図である。
図6A図6Aは、図3に示した脚部における磁束の一例を表す説明図である。
図6B図6Bは、図3に示した脚部における磁束の他の例を表す説明図である。
図7図7は、第1の実施の形態の変形例に係るトランスの一構成例を表す説明図である。
図8図8は、図7に示したトランスにおける巻線の一構成例を表す説明図である。
図9A図9Aは、図8に示した脚部における磁束の一例を表す説明図である。
図9B図9Bは、図8に示した脚部における磁束の他の例を表す説明図である。
図10図10は、第1の実施の形態の他の変形例に係るトランスにおける巻線の一構成例を表す説明図である。
図11A図11Aは、図10に示した脚部における磁束の一例を表す説明図である。
図11B図11Bは、図10に示した脚部における磁束の他の例を表す説明図である。
図12図12は、第1の実施の形態の他の変形例に係るトランスにおける巻線の一構成例を表す説明図である。
図13A図13Aは、図12に示した脚部における磁束の一例を表す説明図である。
図13B図13Bは、図12に示した脚部における磁束の他の例を表す説明図である。
図14図14は、第1の実施の形態の他の変形例に係る電力変換装置の一構成例を表す回路図である。
図15図15は、図14に示したトランスにおける巻線の一構成例を表す説明図である。
図16A図16Aは、図15に示した脚部における磁束の一例を表す説明図である。
図16B図16Bは、図15に示した脚部における磁束の他の例を表す説明図である。
図17図17は、第1の実施の形態の他の変形例に係るトランスにおける巻線の一構成例を表す説明図である。
図18A図18Aは、図17に示した脚部における磁束の一例を表す説明図である。
図18B図18Bは、図17に示した脚部における磁束の他の例を表す説明図である。
図19図19は、第2の実施の形態に係る電力変換装置の要部の一構成例を表す回路図である。
図20図20は、図19に示したトランスの一構成例を表す説明図である。
図21図21は、図20に示したトランスにおける巻線の一構成例を表す説明図である。
図22A図22Aは、図21に示した脚部における磁束の一例を表す説明図である。
図22B図22Bは、図21に示した脚部における磁束の他の例を表す説明図である。
図23図23は、第2の実施の形態の変形例に係るトランスの一構成例を表す説明図である。
図24図24は、図23に示したトランスにおける巻線の一構成例を表す説明図である。
図25A図25Aは、図24に示した脚部における磁束の一例を表す説明図である。
図25B図25Bは、図24に示した脚部における磁束の他の例を表す説明図である。
図26図26は、第2の実施の形態の他の変形例に係るトランスの一構成例を表す説明図である。
図27図27は、図26に示したトランスにおける巻線の一構成例を表す説明図である。
図28A図28Aは、図27に示した脚部における磁束の一例を表す説明図である。
図28B図28Bは、図27に示した脚部における磁束の他の例を表す説明図である。
図29図29は、第2の実施の形態の他の変形例に係るトランスにおける巻線の一構成例を表す説明図である。
図30A図30Aは、図29に示した脚部における磁束の一例を表す説明図である。
図30B図30Bは、図29に示した脚部における磁束の他の例を表す説明図である。
図31図31は、第2の実施の形態の他の変形例に係るトランスにおける巻線の一構成例を表す説明図である。
図32A図32Aは、図31に示した脚部における磁束の一例を表す説明図である。
図32B図32Bは、図31に示した脚部における磁束の他の例を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(8つの脚部を有する磁気コアを含む磁性部品を用いた例)
2.第2の実施の形態(12個の脚部を有する磁気コアを含む磁性部品を用いた例)
【0011】
<第1の実施の形態>
[構成例]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る磁性部品を備えた電力変換装置1の一構成例を表すものである。この電力変換装置1は、直流電力を変圧するLLC共振コンバータである。電力変換装置1は、端子T11,T12と、端子T21,T22とを備えている。端子T11,T12は直流電源PDCに接続され、端子T21,T22は負荷LDに接続される。電力変換装置1は、直流電源PDCから供給された直流電力を変換し、変換された直流電力を負荷LDに供給するように構成される。
【0012】
電力変換装置1は、キャパシタ11と、スイッチング回路12と、キャパシタ15と、トランス20と、4つの整流回路16(整流回路16A,16B,16C,16D)と、平滑回路17とを備えている。キャパシタ11、スイッチング回路12、およびキャパシタ15は、電力変換装置1の1次側回路を構成し、4つの整流回路16および平滑回路17は、電力変換装置1の2次側回路を構成する。
【0013】
キャパシタ11の一端は、端子T11に導かれた電圧線L11に接続され、他端は、端子T12に導かれた基準電圧線L12に接続される。
【0014】
スイッチング回路12は、直流電源PDCから供給された直流電圧を交流電圧に変換するように構成される。スイッチング回路12は、トランジスタ13,14を有している。トランジスタ13,14のそれぞれは、この例では、N型のFET(Field Effect Transistor)である。トランジスタ13のドレインは電圧線L11に接続され、ゲートには図示しない制御部からゲート信号G1が供給され、ソースはトランジスタ14のドレインおよびキャパシタ15の一端に接続される。トランジスタ14のドレインはトランジスタ13のソースおよびキャパシタ15の一端に接続され、ゲートには図示しない制御部からゲート信号G2が供給され、ソースは基準電圧線L12に接続される。なお、スイッチング回路12は、この構成に限定されるものではなく、1または複数のスイッチング素子を有する様々な回路を用いることができる。
【0015】
キャパシタ15は、LLC共振コンバータにおける共振キャパシタであり、一端はトランジスタ13のソースおよびトランジスタ14のドレインに接続され、他端はトランス20に接続される。
【0016】
トランス20は、1次側回路と2次側回路とを直流的に絶縁するとともに交流的に接続し、1次側回路から供給された交流電圧を、トランス20の変成比Rで変換し、変換された交流電圧を2次側回路に供給するように構成される。トランス20は、接続端子T1,T2,T3A,T4A,T5A,T3B,T4B,T5B,T3C,T4C,T5C,T3D,T4D,T5Dと、巻線21と、巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23Dとを有している。
【0017】
接続端子T1はキャパシタ15の他端に接続され、接続端子T2は基準電圧線L12に接続される。接続端子T3A,T5Aは、整流回路16Aを介して、端子T22に導かれる基準電圧線L22に接続され、接続端子T4Aは、端子T21に導かれる電圧線L21に接続される。接続端子T3B,T5Bは、整流回路16Bを介して基準電圧線L22に接続され、接続端子T4Bは電圧線L21に接続される。接続端子T3C,T5Cは、整流回路16Cを介して基準電圧線L22に接続され、接続端子T4Cは電圧線L21に接続される。接続端子T3D,T5Dは、整流回路16Dを介して基準電圧線L22に接続され、接続端子T4Dは電圧線L21に接続される。
【0018】
巻線21の一端は接続端子T1に接続され、他端は接続端子T2に接続される。巻線21は、巻線21A,21Bを含んでいる。巻線21Aは、共振コイルであり、巻線21Bは、トランス20の1次巻線である。巻線21A,21Bは、この順に直列に接続される。巻線21Aは接続端子T1に接続され、巻線21Bは接続端子T2に接続される。
【0019】
巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23Dは、トランス20の2次巻線である。巻線22Aの一端は接続端子T3Aに接続され、他端は接続端子T4Aに接続される。巻線23Aの一端は接続端子T4Aに接続され、他端は接続端子T5Aに接続される。巻線22Bの一端は接続端子T3Bに接続され、他端は接続端子T4Bに接続される。巻線23Bの一端は接続端子T4Bに接続され、他端は接続端子T5Bに接続される。巻線22Cの一端は接続端子T3Cに接続され、他端は接続端子T4Cに接続される。巻線23Cの一端は接続端子T4Cに接続され、他端は接続端子T5Cに接続される。巻線22Dの一端は接続端子T3Dに接続され、他端は接続端子T4Dに接続される。巻線23Dの一端は接続端子T4Dに接続され、他端は接続端子T5Dに接続される。
【0020】
整流回路16Aは、トランス20の巻線22A,23Aから出力された交流電圧を整流するように構成される。整流回路16Aは、ダイオードD1,D2を有している。ダイオードD1は、基準電圧線L22上に設けられ、アノードはダイオードD2のアノードおよび平滑回路17に接続され、カソードはトランス20の接続端子T3Aに接続される。ダイオードD2は、基準電圧線L22上に設けられ、アノードはダイオードD1のアノードおよび平滑回路17に接続され、カソードはトランス20の接続端子T5Aに接続される。なお、この例では、ダイオードを設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、ダイオードの代わりにトランジスタを設け、いわゆる同期整流を行うように構成してもよい。
【0021】
同様に、整流回路16Bは、トランス20の巻線22B,23Bから出力された交流電圧を整流するように構成される。整流回路16Cは、トランス20の巻線22C,23Cから出力された交流電圧を整流するように構成される。整流回路16Dは、トランス20の巻線22D,23Dから出力された交流電圧を整流するように構成される。整流回路16B~16Dの回路構成は、整流回路16Aの回路構成と同様である。
【0022】
平滑回路17は、整流回路16Aにより整流された電圧を平滑化するように構成される。平滑回路17は、キャパシタ18を有している。キャパシタ18の一端は、電圧線L21に接続され、他端は基準電圧線L22に接続される。なお、この例では、平滑回路17はキャパシタ18を有するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、さらに、キャパシタ18の一端とトランス20との間に設けられた、例えばチョークコイルなどのインダクタを有するようにしてよい。
【0023】
(トランス20)
図2は、トランス20の一構成例を表すものである。図2には、I-I矢視方向のトランス20の断面図、およびII-II矢視方向のトランス20の断面図をも描いている。トランス20は、この例では、プレーナトランスである。トランス20は、磁気コア100と、基板200とを有している。
【0024】
磁気コア100は、基体部101,102と、8つの脚部111~118とを有している。基体部101,102は、Z方向において互いに対向するように配置される。基体部101,102は、XY平面において、X方向に長い略矩形形状を有する。脚部111~118は、この例では、基体部102における基体部101に対向する面に設けられ、2つの基体部101,102を磁気結合させるように設けられる。基体部102と8つの脚部111~118とは、一体として形成される。脚部111,112,113,114は、X方向においてこの順に並設され、脚部115,116,117,118は、X方向においてこの順に並設される。脚部111,115はY方向に並設され、脚部112,116はY方向に並設され、脚部113,117はY方向に並設され、脚部114,118はY方向に並設される。この例では、XY平面において、脚部111,114,115,118の断面積は、脚部112,113,116,117の断面積よりも大きい。また、この例では、Z方向において、脚部111~118の高さは互いに等しい。基体部101と、脚部111~118のそれぞれとの間には、ギャップGが設けられる。このギャップGは、例えば、エアギャップであってもよいし、スペーサギャップであってもよい。また、例えば、非磁性のシート部材を挿入することにより、このギャップGを形成してもよい。
【0025】
磁気コア100は、XY平面において、4つの領域901~904に区分される。領域901,902は、境界線911を挟んでX方向に並び、領域903,904は、境界線911を挟んでY方向に並ぶ。領域901,903は、境界線912を挟んでY方向に並び、領域902,904は、境界線912を挟んでY方向に並ぶ。脚部111,112は、領域901に設けられ、脚部113,114は、領域902に設けられ、脚部115,116は、領域903に設けられ、脚部117,118は、領域904に設けられる。脚部111~118の位置は、境界線911を基準として対称であり、境界線912を基準として対称である。
【0026】
基板200は、コイルパターンが形成された多層基板である。基板200には、磁気コア100における脚部111~118に対応する位置に貫通穴が設けられており、基板200は、磁気コア100における基体部101,102の間に挟まれるようになっている。この基板200には、巻線21、および巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23Dが設けられている。
【0027】
図3は、基板200における巻線の一構成例を表すものであり、図3(A)はトランス20の巻線21が設けられた配線層LA1を示し、図3(B)は、トランス20の巻線22A,22B,22C,22Dが設けられた配線層LA2を示し、図3(C)は、トランス20の巻線23A,23B,23C,23Dが設けられた配線層LA3を示す。
【0028】
巻線21は、図3(A)に示したように、配線層LA1において、8つの脚部111~118に巻き付けられる。具体的には、巻線21は、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向において、脚部111,112,117,118に時計回りに1回巻き付けられ、脚部113,114,115,116に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線21のうちの、脚部112,113,116,117に巻き付けられた部分は巻線21Aに対応し、脚部111,114,116,118に巻き付けられた部分は巻線21Bに対応する。すなわち、後述するように、脚部112,113,116,117には、巻線21のみが巻き付けられ、巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23Dは巻き付けられていないので、巻線21のうちの脚部112,113,116,117に巻き付けられた部分は、トランス20の1次巻線としてではなく、共振コイルとして機能する。なお、図示を省略しているが、巻線21の交差部分では、巻線21は、例えばビアおよび他の配線層に設けられた配線を介して部分的に迂回するように構成される。
【0029】
巻線21が巻き付けられた脚部111~118の位置は、境界線911を基準として対称である。具体的には、脚部111および脚部114の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部112および脚部113の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部115および脚部118の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部116および脚部117の位置は、境界線911を基準として互いに対称である。
【0030】
境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部111,114では、脚部111における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部114における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部112,113では、脚部112における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部113における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部115,118では、脚部115における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部118における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部116,117では、脚部116における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部117における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。
【0031】
また、巻線21が巻き付けられた脚部111~118の位置は、境界線912を基準として対称である。具体的には、脚部111および脚部115の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部112および脚部116の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部113および脚部117の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部114および脚部118の位置は、境界線912を基準として互いに対称である。
【0032】
境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部111,115では、脚部111における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部115における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部112,116では、脚部112における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部116における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部113,117では、脚部113における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部117における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部114,118では、脚部114における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部118における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。
【0033】
巻線22A,22B,22C,22Dは、図3(B)に示したように、配線層LA2において、脚部111,114,115,118にそれぞれ巻き付けられる。具体的には、巻線22Aは、接続端子T3Aから接続端子T4Aに向かう方向において、脚部111に時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Bは、接続端子T3Bから接続端子T4Bに向かう方向において、脚部114に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Cは、接続端子T3Cから接続端子T4Cに向かう方向において、脚部115に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Dは、接続端子T3Dから接続端子T4Dに向かう方向において、脚部118に時計回りに1回巻き付けられる。
【0034】
巻線23A,23B,23C,23Dは、図3(C)に示したように、配線層LA3において、脚部111,114,115,118にそれぞれ巻き付けられる。具体的には、巻線23Aは、接続端子T5Aから接続端子T4Aに向かう方向において、脚部111に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Bは、接続端子T5Bから接続端子T4Bに向かう方向において、脚部114に時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Cは、接続端子T5Cから接続端子T4Cに向かう方向において、脚部115に時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Dは、接続端子T5Dから接続端子T4Dに向かう方向において、脚部118に反時計回りに1回巻き付けられる。
【0035】
巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23Dが巻き付けられた脚部111,114,115,118の位置は、境界線911を基準として対称である。具体的には、脚部111および脚部114の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部115および脚部118の位置は、境界線911を基準として互いに対称である。
【0036】
また、巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23Dが巻き付けられた脚部111,114,115,118の位置は、境界線912を基準として対称である。具体的には、脚部111および脚部115の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部114および脚部118の位置は、境界線912を基準として互いに対称である。
【0037】
このように、脚部112,113,116,117には、共振コイルである巻線21Aが巻き付けられ、脚部111,114,115,118には、トランス20の1次巻線である巻線21B、および2次巻線である巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23Dが巻き付けられる。共振コイルの特性は、例えば、脚部112,113,116,117への巻線の巻き付け回数や、基体部101と脚部112,113,116,117との間のギャップGにより設定される。トランスの特性は、例えば、脚部111,114,115,118への巻線の巻き付け回数や、基体部101と脚部111,114,115,118との間のギャップGにより設定される。
【0038】
ここで、トランス20は、本開示の一実施の形態における「磁性部品」の一具体例に対応する。磁気コア100は、本開示の一実施の形態における「磁気コア」の一具体例に対応する。基体部101,102は、本開示の一実施の形態における「2つの基体部」の一具体例に対応する。脚部111~118は、本開示の一実施の形態における「複数の脚部」の一具体例に対応する。脚部111は、本開示の一実施の形態における「第1の脚部」の一具体例に対応する。脚部112は、本開示の一実施の形態における「第2の脚部」の一具体例に対応する。脚部113は、本開示の一実施の形態における「第3の脚部」の一具体例に対応する。脚部114は、本開示の一実施の形態における「第4の脚部」の一具体例に対応する。脚部115は、本開示の一実施の形態における「第5の脚部」の一具体例に対応する。脚部116は、本開示の一実施の形態における「第6の脚部」の一具体例に対応する。脚部117は、本開示の一実施の形態における「第7の脚部」の一具体例に対応する。脚部118は、本開示の一実施の形態における「第8の脚部」の一具体例に対応する。境界線911は、本開示の一実施の形態における「第1の境界線」の一具体例に対応する。境界線912は、本開示の一実施の形態における「第2の境界線」の一具体例に対応する。領域901,902,903,904は、本開示の一実施の形態における「4つの領域」の一具体例に対応する。巻線21は、本開示の一実施の形態における「第1の巻線」の一具体例に対応する。巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23Dは、本開示の一実施の形態における「複数の第2の巻線」の一具体例に対応する。接続端子T1は、本開示の一実施の形態における「第1の接続端子」の一具体例に対応する。接続端子T2は、本開示の一実施の形態における「第2の接続端子」の一具体例に対応する。スイッチング回路12は、本開示の一実施の形態における「スイッチング回路」の一具体例に対応する。トランジスタ13,14は、本開示の一実施の形態における「複数のスイッチング素子」の一具体例に対応する。整流回路16A~16Dは、本開示の一実施の形態における「整流回路」の一具体例に対応する。平滑回路17は、本開示の一実施の形態における「平滑回路」の一具体例に対応する。
【0039】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の電力変換装置1の動作および作用について説明する。
【0040】
(全体動作概要)
まず、図1を参照して、電力変換装置1の全体動作概要を説明する。スイッチング回路12は、トランジスタ13,14がスイッチング動作を行うことにより、直流電源PDCから供給された直流電圧に基づいて交流電圧を生成する。トランス20は、この交流電圧を変成比Rにより変換する。整流回路16Aは、トランス20の巻線22A,23Aから出力された交流電圧を整流し、整流回路16Bは、トランス20の巻線22B,23Bから出力された交流電圧を整流し、整流回路16Cは、トランス20の巻線22C,23Cから出力された交流電圧を整流し、整流回路16Dは、トランス20の巻線22D,23Dから出力された交流電圧を整流する。平滑回路17は、整流回路16A,16B,16C,16Dにより整流された電圧を平滑化する。
【0041】
(詳細動作)
図4は、電力変換装置1におけるゲート信号G1,G2の波形例を表すものである。図5Aは、電力変換装置1における一動作状態を表すものであり、図5Bは、電力変換装置1における他の一動作状態を表すものである。図5A,5Bでは、トランジスタ13,14を、その動作状態(オン状態もしくはオフ状態)を表すシンボルで示している。図6A,6Bは、磁気コア100の脚部111~118における磁束の向きを表すものである。
【0042】
電力変換装置1では、図4に示したように、タイミングt0において、ゲート信号G2が高レベルから低レベルに遷移する。これにより、トランジスタ13,14はともにオフ状態になる。タイミングt0~t1の期間(いわゆるデッドタイム)は、トランジスタ13,14の両方がオフ状態である。
【0043】
タイミングt1において、ゲート信号G1が低レベルから高レベルに遷移する。これにより、トランジスタ13がオン状態になる。タイミングt1~t2の期間において、トランジスタ13はオン状態を維持し、トランジスタ14はオフ状態を維持する。
【0044】
このタイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでは、図5Aに示したように、1次側回路に、トランジスタ13、キャパシタ15、接続端子T1、巻線21、接続端子T2の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T1から接続端子T2に向かって電流I1が流れることにより、トランス20では、図6A(A)に示したように、脚部111~118において磁束が生じる。脚部111,112,117,118のそれぞれにおける巻線21の巻方向と、脚部113,114,115,116のそれぞれにおける巻線21の巻方向とは、互いに異なるので、脚部111,112,117,118における磁束の方向は、Z方向と反対の方向であり、脚部113,114,115,116における磁束の方向は、Z方向である。その結果、2次側回路では、図5A,6A(C)に示したように、巻線23A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD2、接続端子T5Aの順に電流I2が流れる。巻線23Bに係る2次側回路、巻線23Cに係る2次側回路、巻線23Dに係る2次側回路についても同様である。
【0045】
そして、図4に示したように、タイミングt2において、ゲート信号G1が高レベルから低レベルに遷移する。これにより、トランジスタ13がオフ状態になる。タイミングt2~t3の期間(いわゆるデッドタイム)は、トランジスタ13,14の両方がオフ状態である。
【0046】
次に、タイミングt3において、ゲート信号G2が低レベルから高レベルに遷移する。これにより、トランジスタ14がオン状態になる。タイミングt3~t4の期間において、トランジスタ13はオフ状態を維持し、トランジスタ14はオン状態を維持する。
【0047】
このタイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでは、図5Bに示したように、1次側回路に、キャパシタ15、トランジスタ14、接続端子T2、巻線21、接続端子T1の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T2から接続端子T1に向かって電流I1が流れることにより、トランス20では、図6B(A)に示したように、脚部111~118において磁束が生じる。脚部111,112,117,118のそれぞれにおける巻線21の巻方向と、脚部113,114,115,116のそれぞれにおける巻線21の巻方向とは、互いに異なるので、脚部111,112,117,118における磁束の方向は、Z方向であり、脚部113,114,115,116における磁束の方向は、Z方向と反対の方向である。その結果、2次側回路では、図5B,6B(B)に示したように、巻線22A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD1、接続端子T3Aの順に電流I2が流れる。巻線22Bに係る2次側回路、巻線22Cに係る2次側回路、巻線22Dに係る2次側回路についても同様である。
【0048】
そして、タイミングt4において、ゲート信号G2が高レベルから低レベルに遷移する。これにより、トランジスタ14がオフ状態になる。タイミングt4~t5の期間(いわゆるデッドタイム)は、トランジスタ13,14の両方がオフ状態である。
【0049】
タイミングt5において、ゲート信号G1が低レベルから高レベルに遷移する。これにより、トランジスタ13がオン状態になる。
【0050】
電力変換装置1は、このような動作を繰り返すことにより、直流電源PDCから供給された直流電力を変圧して出力する。電力変換装置1は、例えばPFM(Pulse Frequency Modulation)を用いてトランジスタ13,14の動作を制御することにより、出力電圧が一定になるように制御する。なお、これに限定されるものではなく、電力変換装置1は、PWM(Pulse Width modulation)を用いてトランジスタ13,14の動作を制御することにより、出力電圧が一定になるように制御してもよい。
【0051】
このように、トランス20では、互いに対向する2つの基体部101,102と、2つの基体部101,102の対向面の面内に配置され、2つの基体部101,102を磁気結合させる複数の脚部111~118とを有する磁気コア100と、第1の接続端子(接続端子T1)および第2の接続端子(接続端子T2)と、第1の接続端子(接続端子T1)および第2の接続端子(接続端子T2)を結び、複数の脚部111~118の全部に巻き付けられた第1の巻線(巻線21)と、複数の脚部111~118のうちの一部に巻き付けられた複数の第2の巻線(巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23D)とを備えるようにした。磁気コア100は、対向面の面内における第1の境界線(境界線911)および第1の境界線(境界線911)と交差する第2の境界線(境界線912)により4つの領域(領域901~904)に区分され、4つの領域のそれぞれには、複数の脚部111~118のうちの2つの脚部が設けられるようにした。複数の脚部111~118のうちの第1の巻線(巻線21)が巻き付けられた2以上の脚部の位置は、第1の境界線(境界線911)を基準として対称であるとともに、第2の境界線(境界線912)を基準として対称であるようにした。第1の境界線(境界線911)を基準として互いに対称の位置に設けられ、第1の巻線(巻線21)が巻き付けられた2つの脚部では、第1の接続端子(接続端子T1)から第2の接続端子(接続端子T2)に向かう方向における第1の巻線(巻線21)の巻方向は互いに異なるようにした。第2の境界線(境界線912)を基準として互いに対称の位置に設けられ、第1の巻線(巻線21)が巻き付けられた2つの脚部では、第1の接続端子(接続端子T1)から第2の接続端子(接続端子T2)に向かう方向における第1の巻線(巻線21)の巻方向は互いに異なるようにした。複数の脚部111~118のうちの複数の第2の巻線(巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23D)が巻き付けられた複数の脚部の位置は、第1の境界線(境界線911)を基準として対称であるとともに、第2の境界線(境界線912)を基準として対称であるようにした。これにより、巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23Dが巻き付けられた4つの脚部111,114,115,118における磁束の大きさをほぼ同じすることができるので、4系統の整流回路16A~16Dに流れる電流をバランスさせることができる。
【0052】
すなわち、例えば特許文献1に記載の技術では、トランスが有する5つの脚部のうち、2次巻線が巻かれた4つの脚部は、対称ではないので、これらの脚部における磁束の大きさがほぼ同じにならない。よって、4系統の整流回路に流れる電流がバランスせず、電流が互いに異なってしまう。
【0053】
一方、本実施の形態では、対称性を考慮して、複数の脚部111~118を配置するとともに、対称性を考慮して、これらの複数の脚部111~118に巻線を巻き付けるようにした。これにより、巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23Dが巻き付けられた4つの脚部111,114,115,118における磁束の大きさをほぼ同じすることができるので、4系統の整流回路16A~16Dに流れる電流をバランスさせることができる。
【0054】
また、トランス20では、複数の脚部は、第1の脚部(脚部111)、第2の脚部(脚部112)、第3の脚部(脚部113)、第4の脚部(脚部114)、第5の脚部(脚部115)、第6の脚部(脚部116)、第7の脚部(脚部117)、および第8の脚部(脚部118)を含む8つの脚部を有するようにした。第1の脚部(脚部111)、第2の脚部(脚部112)、第3の脚部(脚部113)、および第4の脚部(脚部114)はX方向にこの順に並設され、第5の脚部(脚部115)、第6の脚部(脚部116)、第7の脚部(脚部117)、および第8の脚部(脚部118)は、X方向にこの順に並設されるようにした。第1の脚部(脚部111)および第5の脚部(脚部115)はY方向に並設され、第2の脚部(脚部112)および第6の脚部(脚部116)はY方向に並設され、第3の脚部(脚部113)および第7の脚部(脚部117)はY方向に並設され、第4の脚部(脚部114)および第8の脚部(脚部118)はY方向に並設されるようにした。第1の境界線(境界線911)は、第1の脚部(脚部111)、第2の脚部(脚部112)、第5の脚部(脚部115)、および第6の脚部(脚部116)と、第3の脚部(脚部113)、第4の脚部(脚部114)、第7の脚部(脚部117)、および第8の脚部(脚部118)との間に設けられるようにした。第2の境界線(境界線912)は、第1の脚部(脚部111)、第2の脚部(脚部112)、第3の脚部(脚部113)、および第4の脚部(脚部114)と、第5の脚部(脚部115)、第6の脚部(脚部116)、第7の脚部(脚部117)、および第8の脚部(脚部118)との間に設けられるようにした。この例では、第1の巻線(巻線21)は、第1の接続端子(接続端子T1)から第2の接続端子(接続端子T2)に向かう方向において、第1の脚部(脚部111)、第2の脚部(脚部112)、第7の脚部(脚部117)、および第8の脚部(脚部118)に第1の巻方向に巻き付けられ、第3の脚部(脚部113)、第4の脚部(脚部114)、第5の脚部(脚部115)、および第6の脚部(脚部116)に第2の巻方向に巻き付けられるようにした。これにより、4系統の整流回路16A~16Dに流れる電流をバランスさせることができる。また、トランス20では、8つの脚部111~118を設けるようにしたので、脚部の数がより少ない場合に比べて、基体部101,102における磁束が分散されるので、基体部101,102を薄くすることができるため、トランス20を薄くすることができる。
【0055】
[効果]
以上のように本実施の形態では、互いに対向する2つの基体部と、2つの基体部の対向面の面内に配置され、2つの基体部を磁気結合させる複数の脚部とを有する磁気コアと、第1の接続端子および第2の接続端子と、第1の接続端子および第2の接続端子を結び、複数の脚部の全部に巻き付けられた第1の巻線と、複数の脚部のうちの一部に巻き付けられた複数の第2の巻線とを備えるようにした。磁気コアは、対向面の面内における第1の境界線および第1の境界線と交差する第2の境界線により4つの領域に区分され、4つの領域のそれぞれには、複数の脚部のうちの2つの脚部が設けられるようにした。複数の脚部のうちの第1の巻線が巻き付けられた2以上の脚部の位置は、第1の境界線を基準として対称であるとともに、第2の境界線を基準として対称であるようにした。第1の境界線を基準として互いに対称の位置に設けられ、第1の巻線が巻き付けられた2つの脚部では、第1の接続端子から第2の接続端子に向かう方向における第1の巻線の巻方向は互いに異なるようにした。第2の境界線を基準として互いに対称の位置に設けられ、第1の巻線が巻き付けられた2つの脚部では、第1の接続端子から第2の接続端子に向かう方向における第1の巻線の巻方向は互いに異なるようにした。複数の脚部のうちの複数の第2の巻線が巻き付けられた複数の脚部の位置は、第1の境界線を基準として対称であるとともに、第2の境界線を基準として対称であるようにした。これにより、4系統の整流回路に流れる電流をバランスさせることができる。
【0056】
本実施の形態では、複数の脚部は、第1の脚部、第2の脚部、第3の脚部、第4の脚部、第5の脚部、第6の脚部、第7の脚部、および第8の脚部を含む8つの脚部を有するようにした。第1の脚部、第2の脚部、第3の脚部、および第4の脚部はX方向にこの順に並設され、第5の脚部、第6の脚部、第7の脚部、および第8の脚部は、X方向にこの順に並設されるようにした。第1の脚部および第5の脚部はY方向に並設され、第2の脚部および第6の脚部はY方向に並設され、第3の脚部および第7の脚部はY方向に並設され、第4の脚部および第8の脚部はY方向に並設されるようにした。第1の境界線は、第1の脚部、第2の脚部、第5の脚部、および第6の脚部と、第3の脚部、第4の脚部、第7の脚部、および第8の脚部との間に設けられるようにした。第2の境界線は、第1の脚部、第2の脚部、第3の脚部、および第4の脚部と、第5の脚部、第6の脚部、第7の脚部、および第8の脚部との間に設けられるようにした。この例では、第1の巻線は、第1の接続端子から第2の接続端子に向かう方向において、第1の脚部、第2の脚部、第7の脚部、および第8の脚部に第1の巻方向に巻き付けられ、第3の脚部、第4の脚部、第5の脚部、および第6の脚部に第2の巻方向に巻き付けられるようにした。これにより、4系統の整流回路に流れる電流をバランスさせることができる。
【0057】
[変形例1-1]
上記実施の形態では、図3に示したように、巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23Dが巻き付けられた脚部111,114,115,118を、8つの脚部のうちの、X方向における外側に配置したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23Dが巻き付けられた脚部を、8つの脚部のうちの、X方向における内側に配置してもよい。以下に、本変形例に係るトランス20Aについて詳細に説明する。
【0058】
図7は、トランス20Aの一構成例を表すものである。このトランス20Aは、磁気コア100Aと、基板200Aとを有している。
【0059】
磁気コア100Aは、8つの脚部121~128を有している。脚部121,122,123,124は、X方向においてこの順に並設され、脚部125,126,127,128は、X方向においてこの順に並設される。脚部121,125はY方向に並設され、脚部122,126はY方向に並設され、脚部123,127はY方向に並設され、脚部124,128はY方向に並設される。この例では、XY平面において、脚部122,123,126,127の断面積は、脚部121,124,125,128の断面積よりも大きい。脚部121,122は、領域901に設けられ、脚部123,124は、領域902に設けられ、脚部125,126は、領域903に設けられ、脚部127,128は、領域904に設けられる。
【0060】
図8は、基板200Aにおける巻線の一構成例を表すものであり、図8(A)はトランス20Aの巻線21が設けられた配線層LA1を示し、図8(B)は、トランス20Aの巻線22A,22B,22C,22Dが設けられた配線層LA2を示し、図8(C)は、トランス20Aの巻線23A,23B,23C,23Dが設けられた配線層LA3を示す。
【0061】
巻線21は、図8(A)に示したように、配線層LA1において、8つの脚部121~128に巻き付けられる。具体的には、巻線21は、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向において、脚部121,122,127,128に時計回りに1回巻き付けられ、脚部123,124,125,126に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線21のうちの、脚部121,124,125,128に巻き付けられた部分は巻線21Aに対応し、脚部122,123,126,127に巻き付けられた部分は巻線21Bに対応する。すなわち、後述するように、脚部121,124,125,128には、巻線21のみが巻き付けられ、巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23Dは巻き付けられていないので、巻線21のうちの脚部121,124,125,128に巻き付けられた部分は、トランス20Aの1次巻線としてではなく、共振コイルとして機能する。
【0062】
巻線21が巻き付けられた脚部121~128の位置は、境界線911を基準として対称である。具体的には、脚部121および脚部124の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部122および脚部123の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部125および脚部128の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部126および脚部127の位置は、境界線911を基準として互いに対称である。
【0063】
境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部121,124では、脚部121における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部124における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部122,123では、脚部122における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部123における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部125,128では、脚部125における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部128における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部126,127では、脚部126における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部127における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。
【0064】
また、巻線21が巻き付けられた脚部121~128の位置は、境界線912を基準として対称である。具体的には、脚部121および脚部125の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部122および脚部126の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部123および脚部127の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部124および脚部128の位置は、境界線912を基準として互いに対称である。
【0065】
境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部121,125では、脚部121における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部125における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部122,126では、脚部122における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部126における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部123,127では、脚部123における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部127における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部124,128では、脚部124における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部128における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる
【0066】
巻線22A,22B,22C,22Dは、図8(B)に示したように、配線層LA2において、脚部122,123,126,127にそれぞれ巻き付けられる。具体的には、巻線22Aは、接続端子T3Aから接続端子T4Aに向かう方向において、脚部122に時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Bは、接続端子T3Bから接続端子T4Bに向かう方向において、脚部123に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Cは、接続端子T3Cから接続端子T4Cに向かう方向において、脚部126に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Dは、接続端子T3Dから接続端子T4Dに向かう方向において、脚部127に時計回りに1回巻き付けられる。
【0067】
巻線23A,23B,23C,23Dは、図8(C)に示したように、配線層LA3において、脚部122,123,126,127にそれぞれ巻き付けられる。具体的には、巻線23Aは、接続端子T5Aから接続端子T4Aに向かう方向において、脚部122に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Bは、接続端子T5Bから接続端子T4Bに向かう方向において、脚部123に時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Cは、接続端子T5Cから接続端子T4Cに向かう方向において、脚部126に時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Dは、接続端子T5Dから接続端子T4Dに向かう方向において、脚部127に反時計回りに1回巻き付けられる。
【0068】
巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23Dが巻き付けられた脚部122,123,126,127の位置は、境界線911を基準として対称であるとともに、境界線912を基準として対称である。
【0069】
このトランス20Aを備えた電力変換装置1では、上記実施の形態の場合(図4,5A,5B)と同様に、ゲート信号G1,G2に基づいて動作する。
【0070】
図9A,9Bは、脚部121~128における磁束の向きを表すものである。図9Aは、図4に示したタイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示し、図9Bは、図4に示したタイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示す。
【0071】
タイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでは、図5Aに示したように、1次側回路に、トランジスタ13、キャパシタ15、接続端子T1、巻線21、接続端子T2の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T1から接続端子T2に向かって電流I1が流れることにより、トランス20Aでは、図9A(A)に示したように、脚部121~128において磁束が生じる。脚部121,122,127,128における磁束の方向は、Z方向と反対の方向であり、脚部123,124,125,126における磁束の方向は、Z方向である。その結果、2次側回路では、図5A,9A(C)に示したように、巻線23A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD2、接続端子T5Aの順に電流I2が流れる。巻線23Bに係る2次側回路、巻線23Cに係る2次側回路、巻線23Dに係る2次側回路についても同様である。
【0072】
タイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでは、図5Bに示したように、1次側回路に、キャパシタ15、トランジスタ14、接続端子T2、巻線21、接続端子T1の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T2から接続端子T1に向かって電流I1が流れることにより、トランス20Aでは、図9B(A)に示したように、脚部121~128において磁束が生じる。脚部121,122,127,128における磁束の方向は、Z方向であり、脚部123,124,125,126における磁束の方向は、Z方向と反対の方向である。その結果、2次側回路では、図5B,9B(B)に示したように、巻線22A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD1、接続端子T3Aの順に電流I2が流れる。巻線22Bに係る2次側回路、巻線22Cに係る2次側回路、巻線22Dに係る2次側回路についても同様である。
【0073】
[変形例1-2]
上記実施の形態では、図3に示したように、境界線911,912により区切られた4つの領域のそれぞれにおける2つの脚部に、巻線21を同じ巻方向で巻き付けたが、これに限定されるものではない。これに代えて、4つの領域のそれぞれにおける2つの脚部に、巻線21を互いに異なる巻方向で巻き付けてもよい。以下に、いくつか例を挙げて本変形例について詳細に説明する。
【0074】
まず、図2,3に示したトランス20に本変形例を適用したトランス20Bについて、詳細に説明する。
【0075】
図10は、トランス20Bにおける巻線の一構成例を表すものであり、図10(A)はトランス20Bの巻線21が設けられた配線層LA1を示し、図10(B)は、トランス20Bの巻線22A,22B,22C,22Dが設けられた配線層LA2を示し、図10(C)は、トランス20Bの巻線23A,23B,23C,23Dが設けられた配線層LA3を示す。
【0076】
巻線21は、図10(A)に示したように、配線層LA1において、8つの脚部111~118に巻き付けられる。具体的には、巻線21は、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向において、脚部111,113,116,118に時計回りに1回巻き付けられ、脚部112,114,115,117に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線21のうちの、脚部112,113,116,117に巻き付けられた部分は巻線21Aに対応し、脚部111,114,116,118に巻き付けられた部分は巻線21Bに対応する。
【0077】
巻線21が巻き付けられた脚部111~118の位置は、境界線911を基準として対称である。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部111,114では、脚部111における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部114における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部112,113では、脚部112における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部113における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部115,118では、脚部115における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部118における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部116,117では、脚部116における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部117における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。
【0078】
同様に、巻線21が巻き付けられた脚部111~118の位置は、境界線912を基準として対称である。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部111,115では、脚部111における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部115における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部112,116では、脚部112における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部116における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部113,117では、脚部113における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部117における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部114,118では、脚部114における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部118における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。
【0079】
巻線22A,22B,22C,22Dおよび巻線23A,23B,23C,23Dについては、上記実施の形態の場合(図3(B),(C))と同様である。
【0080】
このトランス20Bを備えた電力変換装置1では、上記実施の形態の場合(図4,5A,5B)と同様に、ゲート信号G1,G2に基づいて動作する。
【0081】
図11A,11Bは、脚部111~118における磁束の向きを表すものである。図11Aは、図4に示したタイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示し、図11Bは、図4に示したタイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示す。
【0082】
タイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでは、図5Aに示したように、1次側回路に、トランジスタ13、キャパシタ15、接続端子T1、巻線21、接続端子T2の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T1から接続端子T2に向かって電流I1が流れることにより、トランス20Bでは、図11A(A)に示したように、脚部111~118において磁束が生じる。脚部111,113,116,118における磁束の方向は、Z方向と反対の方向であり、脚部112,114,115,117における磁束の方向は、Z方向である。その結果、2次側回路では、図5A,11A(C)に示したように、巻線23A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD2、接続端子T5Aの順に電流I2が流れる。巻線23Bに係る2次側回路、巻線23Cに係る2次側回路、巻線23Dに係る2次側回路についても同様である。
【0083】
タイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでは、図5Bに示したように、1次側回路に、キャパシタ15、トランジスタ14、接続端子T2、巻線21、接続端子T1の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T2から接続端子T1に向かって電流I1が流れることにより、トランス20Bでは、図11B(A)に示したように、脚部111~118において磁束が生じる。脚部111,113,116,118における磁束の方向は、Z方向であり、脚部112,114,115,117における磁束の方向は、Z方向と反対の方向である。その結果、2次側回路では、図5B,11B(B)に示したように、巻線22A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD1、接続端子T3Aの順に電流I2が流れる。巻線22Bに係る2次側回路、巻線22Cに係る2次側回路、巻線22Dに係る2次側回路についても同様である。
【0084】
次に、図7,8に示したトランス20Aに本変形例を適用したトランス20Cについて、詳細に説明する。
【0085】
図12は、トランス20Cにおける巻線の一構成例を表すものであり、図12(A)はトランス20Cの巻線21が設けられた配線層LA1を示し、図12(B)は、トランス20Cの巻線22A,22B,22C,22Dが設けられた配線層LA2を示し、図12(C)は、トランス20Cの巻線23A,23B,23C,23Dが設けられた配線層LA3を示す。
【0086】
巻線21は、図12(A)に示したように、配線層LA1において、8つの脚部121~128に巻き付けられる。具体的には、巻線21は、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向において、脚部121,123,126,128に反時計回りに1回巻き付けられ、脚部122,124,125,127に時計回りに1回巻き付けられる。巻線21のうちの、脚部121,124,125,128に巻き付けられた部分は巻線21Aに対応し、脚部122,123,126,127に巻き付けられた部分は巻線21Bに対応する。
【0087】
巻線21が巻き付けられた脚部121~128の位置は、境界線911を基準として対称である。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部121,124では、脚部121における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部124における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部122,123では、脚部122における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部123における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部125,128では、脚部125における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部128における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部126,127では、脚部126における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部127における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。
【0088】
同様に、巻線21が巻き付けられた脚部121~128の位置は、境界線912を基準として対称である。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部121,125では、脚部121における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部125における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部122,126では、脚部122における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部126における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部123,127では、脚部123における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部127における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部124,128では、脚部124における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部128における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。
【0089】
巻線22A,22B,22C,22Dおよび巻線23A,23B,23C,23Dについては、トランス20Aの場合(図8(B),(C))と同様である。
【0090】
このトランス20Cを備えた電力変換装置1では、上記実施の形態の場合(図4,5A,5B)と同様に、ゲート信号G1,G2に基づいて動作する。
【0091】
図13A,13Bは、脚部121~128における磁束の向きを表すものである。図13Aは、図4に示したタイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示し、図13Bは、図4に示したタイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示す。
【0092】
タイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでは、図5Aに示したように、1次側回路に、トランジスタ13、キャパシタ15、接続端子T1、巻線21、接続端子T2の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T1から接続端子T2に向かって電流I1が流れることにより、トランス20Cでは、図13A(A)に示したように、脚部121~128において磁束が生じる。脚部121,123,126,128における磁束の方向は、Z方向であり、脚部122,124,125,127における磁束の方向は、Z方向と反対の方向である。その結果、2次側回路では、図5A,13A(C)に示したように、巻線23A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD2、接続端子T5Aの順に電流I2が流れる。巻線23Bに係る2次側回路、巻線23Cに係る2次側回路、巻線23Dに係る2次側回路についても同様である。
【0093】
タイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでは、図5Bに示したように、1次側回路に、キャパシタ15、トランジスタ14、接続端子T2、巻線21、接続端子T1の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T2から接続端子T1に向かって電流I1が流れることにより、トランス20Cでは、図13B(A)に示したように、脚部121~128において磁束が生じる。脚部121,123,126,128における磁束の方向は、Z方向と反対の方向であり、脚部122,124,125,127における磁束の方向は、Z方向である。その結果、2次側回路では、図5B,13B(B)に示したように、巻線22A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD1、接続端子T3Aの順に電流I2が流れる。巻線22Bに係る2次側回路、巻線22Cに係る2次側回路、巻線22Dに係る2次側回路についても同様である。
【0094】
[変形例1-3]
上記実施の形態では、図1に示したように、トランス20の1次側に共振コイルである巻線21Aを設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、トランスの2次側に共振コイルを設けてもよい。以下に、いくつか例を挙げて本変形例について詳細に説明する。
【0095】
図14は、本変形例に係る電力変換装置1Dの一構成例を表すものである。電力変換装置1Dは、トランス20Dを備えている。トランス20Dは、巻線21と、巻線22A,23A,24A,25A,22B,23B,24B,25B,22C,23C,24C,25C,22D,23D,24D,25Dとを有している。
【0096】
巻線21の一端は接続端子T1に接続され、他端は接続端子T2に接続される。巻線21は、トランス20Dの1次巻線である。
【0097】
巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23Dは、トランス20の2次巻線である。巻線24A,25A,24B,25B,24C,25C,24D
,25Dは、共振コイルである。巻線22Aおよび巻線24Aは直列に接続され、巻線23Aおよび巻線25Aは直列に接続される。同様に、巻線22Bおよび巻線24Bは直列に接続され、巻線23Bおよび巻線25Bは直列に接続される。巻線22Cおよび巻線24Cは直列に接続され、巻線23Cおよび巻線25Cは直列に接続される。巻線22Dおよび巻線24Dは直列に接続され、巻線23Dおよび巻線25Dは直列に接続される。
【0098】
図15は、トランス20Dにおける巻線の一構成例を表すものであり、図15(A)はトランス20Dの巻線21が設けられた配線層LA1を示し、図20(B)は、トランス20Dの巻線22A,24A,22B,24B,22C,24C,22D,24Dが設けられた配線層LA2を示し、図3(C)は、トランス20Dの巻線23A,25A,23B,25B,23C,25C,23D,25Dが設けられた配線層LA3を示す。
【0099】
巻線21は、図15(A)に示したように、配線層LA1において、4つの脚部111,114,115,118に巻き付けられる。具体的には、巻線21は、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向において、脚部111,118に時計回りに1回巻き付けられ、脚部114,115に反時計回りに1回巻き付けられる。
【0100】
巻線21が巻き付けられた脚部111,114,115,118の位置は、境界線911を基準として対称である。具体的には、脚部111および脚部114の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部115および脚部118の位置は、境界線911を基準として互いに対称である。
【0101】
境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部111,114では、脚部111における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部114における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部115,118では、脚部115における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部118における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。
【0102】
また、巻線21が巻き付けられた脚部111,114,115,118の位置は、境界線912を基準として対称である。具体的には、脚部111および脚部115の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部114および脚部118の位置は、境界線912を基準として互いに対称である。
【0103】
境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部111,115では、脚部111における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部115における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部114,118では、脚部114における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部118における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。
【0104】
巻線22A,24A,22B,24B,22C,24C,22D,24Dは、図15(B)に示したように、配線層LA2において、脚部111~118に巻き付けられる。具体的には、巻線22A,24Aは、接続端子T3Aから接続端子T4Aに向かう方向において、脚部111,112に時計回りに1回巻き付けられる。脚部111に巻き付けられた部分は巻線22Aに対応し、脚部112に巻き付けられた部分は巻線24Aに対応する。巻線22B,24Bは、接続端子T3Bから接続端子T4Bに向かう方向において、脚部113,114に反時計回りに1回巻き付けられる。脚部114に巻き付けられた部分は巻線22Bに対応し、脚部113に巻き付けられた部分は巻線24Bに対応する。巻線22C,24Cは、接続端子T3Cから接続端子T4Cに向かう方向において、脚部115,116に反時計回りに1回巻き付けられる。脚部115に巻き付けられた部分は巻線22Cに対応し、脚部116に巻き付けられた部分は巻線24Cに対応する。巻線22D,24Dは、接続端子T3Dから接続端子T4Dに向かう方向において、脚部117,118に時計回りに1回巻き付けられる。脚部118に巻き付けられた部分は巻線22Dに対応し、脚部117に巻き付けられた部分は巻線24Dに対応する。
【0105】
巻線23A,25A,23B,25B,23C,25C,23D,25Dは、図15(C)に示したように、配線層LA3において、脚部111~118に巻き付けられる。具体的には、巻線23A,25Aは、接続端子T5Aから接続端子T4Aに向かう方向において、脚部111,112に反時計回りに1回巻き付けられる。脚部111に巻き付けられた部分は巻線23Aに対応し、脚部112に巻き付けられた部分は巻線25Aに対応する。巻線23B,25Bは、接続端子T5Bから接続端子T4Bに向かう方向において、脚部113,114に時計回りに1回巻き付けられる。脚部114に巻き付けられた部分は巻線23Bに対応し、脚部113に巻き付けられた部分は巻線25Bに対応する。巻線23C,25Cは、接続端子T5Cから接続端子T4Cに向かう方向において、脚部115,116に時計回りに1回巻き付けられる。脚部115に巻き付けられた部分は巻線23Cに対応し、脚部116に巻き付けられた部分は巻線25Cに対応する。巻線23D,25Dは、接続端子T5Dから接続端子T4Dに向かう方向において、脚部117,118に反時計回りに1回巻き付けられる。脚部118に巻き付けられた部分は巻線23Dに対応し、脚部117に巻き付けられた部分は巻線25Dに対応する。
【0106】
巻線22A,23A,24A,25A,22B,23B,24B,25B,22C,23C,24C,25C,22D,23D,24D,25Dが巻き付けられた脚部111~118の位置は、境界線911を基準として対称である。具体的には、脚部111および脚部114の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部112および脚部113の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部115および脚部118の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部116および脚部117の位置は、境界線911を基準として互いに対称である。
【0107】
また、巻線22A,23A,24A,25A,22B,23B,24B,25B,22C,23C,24C,25C,22D,23D,24D,25Dが巻き付けられた脚部111~118の位置は、境界線912を基準として対称である。具体的には、脚部111および脚部115の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部112および脚部116の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部113および脚部117の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部114および脚部118の位置は、境界線912を基準として互いに対称である。
【0108】
このトランス20Dを備えた電力変換装置1Dでは、上記実施の形態の場合(図4,5A,5B)と同様に、ゲート信号G1,G2に基づいて動作する。
【0109】
図16A,16Bは、脚部111~118における磁束の向きを表すものである。図16Aは、図4に示したタイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示し、図16Bは、図4に示したタイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示す。
【0110】
タイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでは、図5Aに示したように、1次側回路に、トランジスタ13、キャパシタ15、接続端子T1、巻線21、接続端子T2の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T1から接続端子T2に向かって電流I1が流れることにより、トランス20Dでは、図16A(A)に示したように、脚部111~118において磁束が生じる。脚部111,112,117,118における磁束の方向は、Z方向と反対の方向であり、脚部113,114,115,116における磁束の方向は、Z方向である。その結果、2次側回路では、図16A(C)に示したように、巻線23A,25A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD2、接続端子T5Aの順に電流I2が流れる。巻線23B,25Bに係る2次側回路、巻線23C,25Cに係る2次側回路、巻線23D,25Dに係る2次側回路についても同様である。
【0111】
タイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでは、図5Bに示したように、1次側回路に、キャパシタ15、トランジスタ14、接続端子T2、巻線21、接続端子T1の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T2から接続端子T1に向かって電流I1が流れることにより、トランス20Dでは、図16(A)に示したように、脚部111~118において磁束が生じる。脚部111,112,117,118における磁束の方向は、Z方向であり、脚部113,114,115,116における磁束の方向は、Z方向と反対の方向である。その結果、2次側回路では、図16(B)に示したように、巻線22A,24A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD1、接続端子T3Aの順に電流I2が流れる。巻線22B,24Bに係る2次側回路、巻線22C,24Cに係る2次側回路、巻線22D,24Dに係る2次側回路についても同様である。
【0112】
次に、図7,8に示したトランス20Aに本変形例を適用したトランス20Eについて、詳細に説明する。
【0113】
図17は、トランス20Eにおける巻線の一構成例を表すものであり、図17(A)はトランス20Eの巻線21が設けられた配線層LA1を示し、図17(B)は、トランス20Eの巻線22A,24A,22B,24B,22C,24C,22D,24Dが設けられた配線層LA2を示し、図17(C)は、トランス20Eの巻線23A,25A,23B,25B,23C,25C,23D,25Dが設けられた配線層LA3を示す。
【0114】
巻線21は、図17(A)に示したように、配線層LA1において、4つの脚部122,123,126,127に巻き付けられる。具体的には、巻線21は、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向において、脚部122,127に時計回りに1回巻き付けられ、脚部123,126に反時計回りに1回巻き付けられる。
【0115】
巻線21が巻き付けられた脚部122,123,126,127の位置は、境界線911を基準として対称である。具体的には、脚部122および脚部123の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部126および脚部127の位置は、境界線911を基準として互いに対称である。
【0116】
境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部122,123では、脚部122における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部123における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部126,127では、脚部126における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部127における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。
【0117】
また、巻線21が巻き付けられた脚部122,123,126,127の位置は、境界線912を基準として対称である。具体的には、脚部122および脚部126の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部123および脚部127の位置は、境界線912を基準として互いに対称である。
【0118】
境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部122,126では、脚部122における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部126における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部123,127では、脚部123における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部127における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。
【0119】
巻線22A,24A,22B,24B,22C,24C,22D,24Dは、図17(B)に示したように、配線層LA2において、脚部121~128に巻き付けられる。具体的には、巻線22A,24Aは、接続端子T3Aから接続端子T4Aに向かう方向において、脚部121,122に時計回りに1回巻き付けられる。脚部122に巻き付けられた部分は巻線22Aに対応し、脚部121に巻き付けられた部分は巻線24Aに対応する。巻線22B,24Bは、接続端子T3Bから接続端子T4Bに向かう方向において、脚部123,124に反時計回りに1回巻き付けられる。脚部123に巻き付けられた部分は巻線22Bに対応し、脚部124に巻き付けられた部分は巻線24Bに対応する。巻線22C,24Cは、接続端子T3Cから接続端子T4Cに向かう方向において、脚部125,126に反時計回りに1回巻き付けられる。脚部126に巻き付けられた部分は巻線22Cに対応し、脚部125に巻き付けられた部分は巻線24Cに対応する。巻線22D,24Dは、接続端子T3Dから接続端子T4Dに向かう方向において、脚部127,128に時計回りに1回巻き付けられる。脚部127に巻き付けられた部分は巻線22Dに対応し、脚部128に巻き付けられた部分は巻線24Dに対応する。
【0120】
巻線23A,25A,23B,25B,23C,25C,23D,25Dは、図17(C)に示したように、配線層LA3において、脚部121~128に巻き付けられる。具体的には、巻線23A,25Aは、接続端子T5Aから接続端子T4Aに向かう方向において、脚部121,122に反時計回りに1回巻き付けられる。脚部122に巻き付けられた部分は巻線23Aに対応し、脚部121に巻き付けられた部分は巻線25Aに対応する。巻線23B,25Bは、接続端子T5Bから接続端子T4Bに向かう方向において、脚部123,124に時計回りに1回巻き付けられる。脚部123に巻き付けられた部分は巻線23Bに対応し、脚部124に巻き付けられた部分は巻線25Bに対応する。巻線23C,25Cは、接続端子T5Cから接続端子T4Cに向かう方向において、脚部125,126に時計回りに1回巻き付けられる。脚部126に巻き付けられた部分は巻線23Cに対応し、脚部125に巻き付けられた部分は巻線25Cに対応する。巻線23D,25Dは、接続端子T5Dから接続端子T4Dに向かう方向において、脚部127,128に反時計回りに1回巻き付けられる。脚部127に巻き付けられた部分は巻線23Dに対応し、脚部128に巻き付けられた部分は巻線25Dに対応する。
【0121】
巻線22A,23A,24A,25A,22B,23B,24B,25B,22C,23C,24C,25C,22D,23D,24D,25Dが巻き付けられた脚部121~128の位置は、境界線911を基準として対称である。具体的には、脚部121および脚部124の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部122および脚部123の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部125および脚部128の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部126および脚部127の位置は、境界線911を基準として互いに対称である。
【0122】
また、巻線22A,23A,24A,25A,22B,23B,24B,25B,22C,23C,24C,25C,22D,23D,24D,25Dが巻き付けられた脚部121~128の位置は、境界線912を基準として対称である。具体的には、脚部121および脚部125の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部122および脚部126の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部123および脚部127の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部124および脚部128の位置は、境界線912を基準として互いに対称である。
【0123】
このトランス20Eを備えた電力変換装置1Dでは、上記実施の形態の場合(図4,5A,5B)と同様に、ゲート信号G1,G2に基づいて動作する。
【0124】
図18A,18Bは、脚部121~128における磁束の向きを表すものである。図18Aは、図4に示したタイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示し、図18Bは、図4に示したタイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示す。
【0125】
タイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでは、図5Aに示したように、1次側回路に、トランジスタ13、キャパシタ15、接続端子T1、巻線21、接続端子T2の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T1から接続端子T2に向かって電流I1が流れることにより、トランス20Eでは、図18(A)に示したように、脚部121~128において磁束が生じる。脚部121,122,127,128における磁束の方向は、Z方向と反対の方向であり、脚部123,124,125,126における磁束の方向は、Z方向である。その結果、2次側回路では、図18A(C)に示したように、巻線23A,25A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD2、接続端子T5Aの順に電流I2が流れる。巻線23B,25Bに係る2次側回路、巻線23C,25Cに係る2次側回路、巻線23D,25Dに係る2次側回路についても同様である。
【0126】
タイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでは、図5Bに示したように、1次側回路に、キャパシタ15、トランジスタ14、接続端子T2、巻線21、接続端子T1の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T2から接続端子T1に向かって電流I1が流れることにより、トランス20Eでは、図18(A)に示したように、脚部121~128において磁束が生じる。脚部121,122,127,128における磁束の方向は、Z方向であり、脚部123,124,125,126における磁束の方向は、Z方向と反対の方向である。その結果、2次側回路では、図18(B)に示したように、巻線22A,24A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD1、接続端子T3Aの順に電流I2が流れる。巻線22B,24Bに係る2次側回路、巻線22C,24Cに係る2次側回路、巻線22D,24Dに係る2次側回路についても同様である。
【0127】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る電力変換装置2について説明する。本実施の形態は、トランスにおける脚部の数が、第1の実施の形態の場合と異なるものである。なお、上記第1の実施の形態に係る電力変換装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0128】
図19は、電力変換装置2の一構成例の要部を表すものである。電力変換装置2は、上記第1の実施の形態に係る電力変換装置1(図1)と同様に、キャパシタ11と、スイッチング回路12と、キャパシタ15と、トランス40と、8つの整流回路16(整流回路16A,16B,16C,16D,16E,16F,16G,16H)と、平滑回路17とを備えている。この図19には、キャパシタ15、トランス40、8つの整流回路16、および平滑回路17を描いている。
【0129】
トランス40は、接続端子T1,T2,T3A,T4A,T5A,T3B,T4B,T5B,T3C,T4C,T5C,T3D,T4D,T5D,T3E,T4E,T5E,T3F,T4F,T5F,T3G,T4G,T5G,T3H,T4H,T5Hと、巻線21と、巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23D,22E,23E,22F,23F,22G,23G,22H,23Hとを有している。
【0130】
巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23D,22E,23E,22F,23F,22G,23G,22H,23Hは、トランス40の2次巻線である。巻線22Aの一端は接続端子T3Aに接続され、他端は接続端子T4Aに接続される。巻線23Aの一端は接続端子T4Aに接続され、他端は接続端子T5Aに接続される。巻線22Bの一端は接続端子T3Bに接続され、他端は接続端子T4Bに接続される。巻線23Bの一端は接続端子T4Bに接続され、他端は接続端子T5Bに接続される。巻線22Cの一端は接続端子T3Cに接続され、他端は接続端子T4Cに接続される。巻線23Cの一端は接続端子T4Cに接続され、他端は接続端子T5Cに接続される。巻線22Dの一端は接続端子T3Dに接続され、他端は接続端子T4Dに接続される。巻線23Dの一端は接続端子T4Dに接続され、他端は接続端子T5Dに接続される。巻線22Eの一端は接続端子T3Eに接続され、他端は接続端子T4Eに接続される。巻線23Eの一端は接続端子T4Eに接続され、他端は接続端子T5Eに接続される。巻線22Fの一端は接続端子T3Fに接続され、他端は接続端子T4Fに接続される。巻線23Fの一端は接続端子T4Fに接続され、他端は接続端子T5Fに接続される。巻線22Gの一端は接続端子T3Gに接続され、他端は接続端子T4Gに接続される。巻線23Gの一端は接続端子T4Gに接続され、他端は接続端子T5Gに接続される。巻線22Hの一端は接続端子T3Hに接続され、他端は接続端子T4Hに接続される。巻線23Hの一端は接続端子T4Hに接続され、他端は接続端子T5Hに接続される
【0131】
整流回路16Aは、トランス40の巻線22A,23Aから出力された交流電圧を整流するように構成される。整流回路16Bは、トランス40の巻線22B,23Bから出力された交流電圧を整流するように構成される。整流回路16Cは、トランス40の巻線22C,23Cから出力された交流電圧を整流するように構成される。整流回路16Dは、トランス40の巻線22D,23Dから出力された交流電圧を整流するように構成される。整流回路16Eは、トランス40の巻線22E,23Eから出力された交流電圧を整流するように構成される。整流回路16Fは、トランス40の巻線22F,23Fから出力された交流電圧を整流するように構成される。整流回路16Gは、トランス40の巻線22G,23Gから出力された交流電圧を整流するように構成される。整流回路16Hは、トランス40の巻線22H,23Hから出力された交流電圧を整流するように構成される。
【0132】
図20は、トランス40の一構成例を表すものである。トランス40は、磁気コア300と、基板400とを有している。
【0133】
磁気コア300は、基体部301,302と、12個の脚部311~322とを有している。基体部301,302は、Z方向において互いに対向するように配置される。基体部301,302は、XY平面において、X方向に長い略矩形形状を有する。脚部311~322は、この例では、基体部302における基体部301に対向する面に設けられ、2つの基体部301,302を磁気結合させるように設けられる。基体部302と12個の脚部311~322とは、一体として形成される。脚部311,312,313,314,315,316は、X方向においてこの順に並設され、脚部317,318,319,320,321,322は、X方向においてこの順に並設される。脚部311,317はY方向に並設され、脚部312,318はY方向に並設され、脚部313,319はY方向に並設され、脚部314,320はY方向に並設され、脚部315,321はY方向に並設され、脚部316,322はY方向に並設される。この例では、XY平面において、脚部311,312,315,316,317,318,321,322の断面積は、脚部313,314,319,320の断面積よりも大きい。また、この例では、Z方向において、脚部311~322の高さは互いに等しい。基体部301と、脚部311~322のそれぞれとの間には、ギャップGが設けられる。脚部311,312,313は、領域901に設けられ、脚部314,315,316は、領域902に設けられ、脚部317,318,319は、領域903に設けられ、脚部320,321,322は、領域904に設けられる。脚部311~322の位置は、境界線911を基準として対称であり、境界線912を基準として対称である。
【0134】
基板400には、巻線21、および巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23D,22E,23E,22F,23F,22G,23G,22H,23Hが設けられている。
【0135】
図21は、基板400における巻線の一構成例を表すものであり、図21(A)はトランス40の巻線21が設けられた配線層LA1を示し、図21(B)は、トランス40の巻線22A,22B,22C,22D,22E,22F,22G,22Hが設けられた配線層LA2を示し、図21(C)は、トランス40の巻線23A,23B,23C,23D,23E,23F,23G,23Hが設けられた配線層LA3を示す。
【0136】
巻線21は、図21(A)に示したように、配線層LA1において、12個の脚部311~322に巻き付けられる。具体的には、巻線21は、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向において、脚部311,312,313,320,321,322に時計回りに1回巻き付けられ、脚部314,315,316,317,318,319に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線21のうちの、脚部311,312,315,316,317,318,321,322に巻き付けられた部分は巻線21Aに対応し、脚部313,314,319,320に巻き付けられた部分は巻線21Bに対応する。すなわち、後述するように、脚部313,314,319,320には、巻線21のみが巻き付けられ、巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23D,22E,23E,22F,23F,22G,23G,22H,23Hは巻き付けられていないので、巻線21のうちの脚部313,314,319,320に巻き付けられた部分は、トランス40の1次巻線としてではなく、共振コイルとして機能する。
【0137】
巻線21が巻き付けられた脚部311~322の位置は、境界線911を基準として対称である。具体的には、脚部311および脚部316の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部312および脚部315の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部313および脚部314の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部317および脚部322の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部318および脚部321の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部319および脚部320の位置は、境界線911を基準として互いに対称である。
【0138】
境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部311,316では、脚部311における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部316における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部312,315では、脚部312における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部315における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部313,314では、脚部313における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部314における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部317,322では、脚部317における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部322における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部318,321では、脚部318における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部321における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部319,320では、脚部319における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部320における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。
【0139】
また、巻線21が巻き付けられた脚部311~322の位置は、境界線912を基準として対称である。具体的には、脚部311および脚部317の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部312および脚部318の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部313および脚部319の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部314および脚部320の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部315および脚部321の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部316および脚部322の位置は、境界線912を基準として互いに対称である。
【0140】
境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部311,317では、脚部311における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部317における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部312,318では、脚部312における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部318における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部313,319では、脚部313における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部319における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部314,320では、脚部314における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部320における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部315,321では、脚部315における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部321における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部316,322では、脚部316における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部322における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。
【0141】
巻線22A,22B,22C,22D,22E,22F,22G,22Hは、図21(B)に示したように、配線層LA2において、脚部311,312,315,316,317,318,321,322にそれぞれ巻き付けられる。具体的には、巻線22Aは、接続端子T3Aから接続端子T4Aに向かう方向において、脚部311に時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Bは、接続端子T3Bから接続端子T4Bに向かう方向において、脚部312に時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Cは、接続端子T3Cから接続端子T4Cに向かう方向において、脚部315に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Dは、接続端子T3Dから接続端子T4Dに向かう方向において、脚部316に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Eは、接続端子T3Eから接続端子T4Eに向かう方向において、脚部317に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Fは、接続端子T3Fから接続端子T4Fに向かう方向において、脚部318に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Gは、接続端子T3Gから接続端子T4Gに向かう方向において、脚部321に時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Hは、接続端子T3Hから接続端子T4Hに向かう方向において、脚部322に時計回りに1回巻き付けられる。
【0142】
巻線23A,23B,23C,23D,23E,23F,23G,23Hは、図21(C)に示したように、配線層LA3において、脚部311,312,315,316,317,318,321,322にそれぞれ巻き付けられる。具体的には、巻線23Aは、接続端子T5Aから接続端子T4Aに向かう方向において、脚部311に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Bは、接続端子T5Bから接続端子T4Bに向かう方向において、脚部312に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Cは、接続端子T5Cから接続端子T4Cに向かう方向において、脚部315に時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Dは、接続端子T5Dから接続端子T4Dに向かう方向において、脚部316に時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Eは、接続端子T5Eから接続端子T4Eに向かう方向において、脚部317に時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Fは、接続端子T5Fから接続端子T4Fに向かう方向において、脚部318に時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Gは、接続端子T5Gから接続端子T4Gに向かう方向において、脚部321に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Hは、接続端子T5Hから接続端子T4Hに向かう方向において、脚部322に反時計回りに1回巻き付けられる。
【0143】
巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23D,22E,23E,22F,23F,22G,23G,22H,23Hが巻き付けられた脚部311,312,315,316,317,318,321,322の位置は、境界線911を基準として対称である。具体的には、脚部311および脚部316の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部312および脚部315の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部317および脚部322の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部318および脚部321の位置は、境界線911を基準として互いに対称である。
【0144】
また、巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23D,22E,23E,22F,23F,22G,23G,22H,23Hが巻き付けられた脚部311,312,315,316,317,318,321,322の位置は、境界線912を基準として対称である。具体的には、脚部311および脚部317の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部312および脚部318の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部315および脚部321の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部316および脚部322の位置は、境界線912を基準として互いに対称である。
【0145】
ここで、トランス40は、本開示の一実施の形態における「磁性部品」の一具体例に対応する。磁気コア300は、本開示の一実施の形態における「磁気コア」の一具体例に対応する。基体部301,302は、本開示の一実施の形態における「2つの基体部」の一具体例に対応する。脚部311~322は、本開示の一実施の形態における「複数の脚部」の一具体例に対応する。巻線21は、本開示の一実施の形態における「第1の巻線」の一具体例に対応する。巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23D,22E,23E,22F,23F,22G,23G,22H,23Hは、本開示の一実施の形態における「複数の第2の巻線」の一具体例に対応する。整流回路16A~16Hは、本開示の一実施の形態における「整流回路」の一具体例に対応する。
【0146】
このトランス4を備えた電力変換装置2では、上記第1の実施の形態の場合(図4,5A,5B)と同様に、ゲート信号G1,G2に基づいて動作する。
【0147】
図22A,22Bは、脚部311~322における磁束の向きを表すものである。図22Aは、図4に示したタイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示し、図22Bは、図4に示したタイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示す。
【0148】
タイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでは、上記第1の実施の形態の場合(図5A)と同様に、1次側回路に、トランジスタ13、キャパシタ15、接続端子T1、巻線21、接続端子T2の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T1から接続端子T2に向かって電流I1が流れることにより、トランス40では、図22A(A)に示したように、脚部311~322において磁束が生じる。脚部311,312,313,320,321,322における磁束の方向は、Z方向と反対の方向であり、脚部314,315,316,317,318,319における磁束の方向は、Z方向である。その結果、2次側回路では、図5A,22A(C)に示したように、巻線23A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD2、接続端子T5Aの順に電流I2が流れる。巻線23Bに係る2次側回路、巻線23Cに係る2次側回路、巻線23Dに係る2次側回路、巻線23Eに係る2次側回路、巻線23Fに係る2次側回路、巻線23Gに係る2次側回路、巻線23Hに係る2次側回路についても同様である。
【0149】
タイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでは、上記第1の実施の形態の場合(図5B)と同様に、1次側回路に、キャパシタ15、トランジスタ14、接続端子T2、巻線21、接続端子T1の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T2から接続端子T1に向かって電流I1が流れることにより、トランス40では、図22B(A)に示したように、脚部311~322において磁束が生じる。脚部311,312,313,320,321,322における磁束の方向は、Z方向であり、脚部314,315,316,317,318,319における磁束の方向は、Z方向と反対の方向である。その結果、2次側回路では、図5B,22B(B)に示したように、巻線22A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD1、接続端子T3Aの順に電流I2が流れる。巻線23Bに係る2次側回路、巻線23Cに係る2次側回路、巻線23Dに係る2次側回路、巻線23Eに係る2次側回路、巻線23Fに係る2次側回路、巻線23Gに係る2次側回路、巻線23Hに係る2次側回路についても同様である。
【0150】
このように、トランス40では、互いに対向する2つの基体部301,302と、2つの基体部301,302の対向面の面内に配置され、2つの基体部301,302を磁気結合させる複数の脚部311~322とを有する磁気コア300と、第1の接続端子(接続端子T1)および第2の接続端子(接続端子T2)と、第1の接続端子(接続端子T1)および第2の接続端子(接続端子T2)を結び、複数の脚部311~322の全部に巻き付けられた第1の巻線(巻線21)と、複数の脚部311~322のうちの一部に巻き付けられた複数の第2の巻線(巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23D,22E,23E,22F,23F,22G,23G,22H,23H)とを備えるようにした。磁気コア300は、対向面の面内における第1の境界線(境界線911)および第1の境界線(境界線911)と交差する第2の境界線(境界線912)により4つの領域(領域901~904)に区分され、4つの領域のそれぞれには、複数の脚部311~322のうちの3つの脚部が設けられるようにした。複数の脚部311~322のうちの第1の巻線(巻線21)が巻き付けられた2以上の脚部の位置は、第1の境界線(境界線911)を基準として対称であるとともに、第2の境界線(境界線912)を基準として対称であるようにした。第1の境界線(境界線911)を基準として互いに対称の位置に設けられ、第1の巻線(巻線21)が巻き付けられた2つの脚部では、第1の接続端子(接続端子T1)から第2の接続端子(接続端子T2)に向かう方向における第1の巻線(巻線21)の巻方向は互いに異なるようにした。第2の境界線(境界線912)を基準として互いに対称の位置に設けられ、第1の巻線(巻線21)が巻き付けられた2つの脚部では、第1の接続端子(接続端子T1)から第2の接続端子(接続端子T2)に向かう方向における第1の巻線(巻線21)の巻方向は互いに異なるようにした。複数の脚部311~322のうちの複数の第2の巻線(巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23D,22E,23E,22F,23F,22G,23G,22H,23H)が巻き付けられた複数の脚部の位置は、第1の境界線(境界線911)を基準として対称であるとともに、第2の境界線(境界線912)を基準として対称であるようにした。これにより、巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23D,22E,23E,22F,23F,22G,23G,22H,23Hが巻き付けられた8つの脚部311,312,315,316,317,318,321,322における磁束の大きさをほぼ同じすることができるので、8系統の整流回路16A~16Hに流れる電流をバランスさせることができる。
【0151】
以上のように本実施の形態では、互いに対向する2つの基体部と、2つの基体部の対向面の面内に配置され、2つの基体部を磁気結合させる複数の脚部とを有する磁気コアと、第1の接続端子および第2の接続端子と、第1の接続端子および第2の接続端子を結び、複数の脚部の全部に巻き付けられた第1の巻線と、複数の脚部のうちの一部に巻き付けられた複数の第2の巻線とを備えるようにした。磁気コアは、対向面の面内における第1の境界線および第1の境界線と交差する第2の境界線により4つの領域に区分され、4つの領域のそれぞれには、複数の脚部のうちの3つの脚部が設けられるようにした。複数の脚部のうちの第1の巻線が巻き付けられた2以上の脚部の位置は、第1の境界線を基準として対称であるとともに、第2の境界線を基準として対称であるようにした。第1の境界線を基準として互いに対称の位置に設けられ、第1の巻線が巻き付けられた2つの脚部では、第1の接続端子から第2の接続端子に向かう方向における第1の巻線の巻方向は互いに異なるようにした。第2の境界線を基準として互いに対称の位置に設けられ、第1の巻線が巻き付けられた2つの脚部では、第1の接続端子から第2の接続端子に向かう方向における第1の巻線の巻方向は互いに異なるようにした。複数の脚部のうちの複数の第2の巻線が巻き付けられた複数の脚部の位置は、第1の境界線を基準として対称であるとともに、第2の境界線を基準として対称であるようにした。これにより、4系統の整流回路に流れる電流をバランスさせることができる。
【0152】
[変形例2-1]
上記実施の形態では、巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23D,22E,23E,22F,23F,22G,23G,22H,23Hが巻き付けられた脚部311,312,315,316,317,318,321,322を、図21に示したように配置したが、これに限定されるものではない。以下に、いくつか例を挙げて、本変形例について詳細に説明する。
【0153】
図23は、本変形例に係るトランス40Aの一構成例を表すものである。このトランス40Aは、磁気コア300Aと、基板400Aとを有している。
【0154】
磁気コア300Aは、12個の脚部331~342を有している。脚部331,332,333,334,335,336は、X方向においてこの順に並設され、脚部337,338,339,340,341,342は、X方向においてこの順に並設される。脚部331,337はY方向に並設され、脚部332,338はY方向に並設され、脚部333,339はY方向に並設され、脚部334,340はY方向に並設され、脚部335,341はY方向に並設され、脚部336,342はY方向に並設される。この例では、XY平面において、脚部331,333,334,336,337,339,340,342の断面積は、脚部332,335,338,341の断面積よりも大きい。脚部331,332,333は、領域901に設けられ、脚部334,335,336は、領域902に設けられ、脚部337,338,339は、領域903に設けられ、脚部340,341,342は、領域904に設けられる。脚部331~342の位置は、境界線911を基準として対称であり、境界線912を基準として対称である。
【0155】
図24は、基板400Aにおける巻線の一構成例を表すものであり、図24(A)はトランス40Aの巻線21が設けられた配線層LA1を示し、図24(B)は、トランス40Aの巻線22A,22B,22C,22D,22E,22F,22G,22Hが設けられた配線層LA2を示し、図24(C)は、トランス40Aの巻線23A,23B,23C,23D,23E,23F,23G,23Hが設けられた配線層LA3を示す。
【0156】
巻線21は、図24(A)に示したように、配線層LA1において、12個の脚部331~342に巻き付けられる。具体的には、巻線21は、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向において、脚部331,332,333,340,341,342に時計回りに1回巻き付けられ、脚部334,335,336,337,338,339に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線21のうちの、脚部331,333,334,336,337,339,340,342に巻き付けられた部分は巻線21Aに対応し、脚部332,335,338,341に巻き付けられた部分は巻線21Bに対応する。すなわち、後述するように、脚部332,335,338,341には、巻線21のみが巻き付けられ、巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23D,22E,23E,22F,23F,22G,23G,22H,23Hは巻き付けられていないので、巻線21のうちの脚部332,335,338,341に巻き付けられた部分は、トランス40の1次巻線としてではなく、共振コイルとして機能する。
【0157】
巻線21が巻き付けられた脚部331~342の位置は、境界線911を基準として対称である。具体的には、脚部331および脚部336の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部332および脚部335の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部333および脚部334の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部337および脚部342の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部338および脚部341の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部339および脚部340の位置は、境界線911を基準として互いに対称である。
【0158】
境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部331,336では、脚部331における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部336における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部332,335では、脚部332における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部335における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部333,334では、脚部333における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部334における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部337,342では、脚部337における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部342における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部338,341では、脚部338における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部341における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部339,340では、脚部339における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部340における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる
【0159】
また、巻線21が巻き付けられた脚部331~342の位置は、境界線912を基準として対称である。具体的には、脚部331および脚部337の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部332および脚部338の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部333および脚部339の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部334および脚部340の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部335および脚部341の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部336および脚部342の位置は、境界線912を基準として互いに対称である。
【0160】
境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部331,337では、脚部331における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部337における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部332,338では、脚部332における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部338における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部333,339では、脚部333における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部339における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部334,340では、脚部334における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部340における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部335,341では、脚部335における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部341における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部336,342では、脚部336における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部342における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる
【0161】
巻線22A,22B,22C,22D,22E,22F,22G,22Hは、図24(B)に示したように、配線層LA2において、脚部331,333,334,336,337,339,340,342にそれぞれ巻き付けられる。具体的には、巻線22Aは、接続端子T3Aから接続端子T4Aに向かう方向において、脚部331に時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Bは、接続端子T3Bから接続端子T4Bに向かう方向において、脚部333に時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Cは、接続端子T3Cから接続端子T4Cに向かう方向において、脚部334に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Dは、接続端子T3Dから接続端子T4Dに向かう方向において、脚部336に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Eは、接続端子T3Eから接続端子T4Eに向かう方向において、脚部337に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Fは、接続端子T3Fから接続端子T4Fに向かう方向において、脚部339に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Gは、接続端子T3Gから接続端子T4Gに向かう方向において、脚部340に時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Hは、接続端子T3Hから接続端子T4Hに向かう方向において、脚部342に時計回りに1回巻き付けられる。
【0162】
巻線23A,23B,23C,23D,23E,23F,23G,23Hは、図24(C)に示したように、配線層LA3において、脚部331,333,334,336,337,339,340,342にそれぞれ巻き付けられる。具体的には、巻線23Aは、接続端子T5Aから接続端子T4Aに向かう方向において、脚部331に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Bは、接続端子T5Bから接続端子T4Bに向かう方向において、脚部333に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Cは、接続端子T5Cから接続端子T4Cに向かう方向において、脚部334に時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Dは、接続端子T5Dから接続端子T4Dに向かう方向において、脚部336に時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Eは、接続端子T5Eから接続端子T4Eに向かう方向において、脚部337に時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Fは、接続端子T5Fから接続端子T4Fに向かう方向において、脚部339に時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Gは、接続端子T5Gから接続端子T4Gに向かう方向において、脚部340に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Hは、接続端子T5Hから接続端子T4Hに向かう方向において、脚部342に反時計回りに1回巻き付けられる。
【0163】
巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23D,22E,23E,22F,23F,22G,23G,22H,23Hが巻き付けられた脚部331,333,334,336,337,339,340,342の位置は、境界線911を基準として対称であるとともに、境界線912を基準として対称である。
【0164】
このトランス40Aを備えた電力変換装置2では、上記第1の実施の形態の場合(図4,5A,5B)と同様に、ゲート信号G1,G2に基づいて動作する。
【0165】
図25A,25Bは、脚部331~342における磁束の向きを表すものである。図25Aは、図4に示したタイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示し、図25Bは、図4に示したタイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示す。
【0166】
タイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでは、上記第1の実施の形態の場合(図5A)と同様に、1次側回路に、トランジスタ13、キャパシタ15、接続端子T1、巻線21、接続端子T2の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T1から接続端子T2に向かって電流I1が流れることにより、トランス40Aでは、図25A(A)に示したように、脚部331~342において磁束が生じる。脚部331,332,333,340,341,342における磁束の方向は、Z方向と反対の方向であり、脚部334,335,336,337,338,339における磁束の方向は、Z方向である。その結果、2次側回路では、図5A,25A(C)に示したように、巻線23A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD2、接続端子T5Aの順に電流I2が流れる。巻線23Bに係る2次側回路、巻線23Cに係る2次側回路、巻線23Dに係る2次側回路、巻線23Eに係る2次側回路、巻線23Fに係る2次側回路、巻線23Gに係る2次側回路、巻線23Hに係る2次側回路についても同様である。
【0167】
タイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでは、上記第1の実施の形態の場合(図5B)と同様に、1次側回路に、キャパシタ15、トランジスタ14、接続端子T2、巻線21、接続端子T1の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T2から接続端子T1に向かって電流I1が流れることにより、トランス40Aでは、図25B(A)に示したように、脚部331~342において磁束が生じる。脚部331,332,333,340,341,342における磁束の方向は、Z方向であり、脚部334,335,336,337,338,339における磁束の方向は、Z方向と反対の方向である。その結果、2次側回路では、図5B,25B(B)に示したように、巻線22A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD1、接続端子T3Aの順に電流I2が流れる。巻線23Bに係る2次側回路、巻線23Cに係る2次側回路、巻線23Dに係る2次側回路、巻線23Eに係る2次側回路、巻線23Fに係る2次側回路、巻線23Gに係る2次側回路、巻線23Hに係る2次側回路についても同様である。
【0168】
図26は、本変形例に係る他のトランス40Bの一構成例を表すものである。このトランス40Bは、磁気コア300Bと、基板400Bとを有している。
【0169】
磁気コア300Bは、12個の脚部351~362を有している。脚部351,352,353,354,355,356は、X方向においてこの順に並設され、脚部357,358,359,360,361,362は、X方向においてこの順に並設される。脚部351,357はY方向に並設され、脚部352,358はY方向に並設され、脚部353,359はY方向に並設され、脚部354,360はY方向に並設され、脚部355,361はY方向に並設され、脚部356,362はY方向に並設される。この例では、XY平面において、脚部352,353,354,355,358,359,360,361の断面積は、脚部351,356,357,362の断面積よりも大きい。脚部351,352,353は、領域901に設けられ、脚部354,355,356は、領域902に設けられ、脚部357,358,359は、領域903に設けられ、脚部360,361,362は、領域904に設けられる。脚部351~362の位置は、境界線911を基準として対称であり、境界線912を基準として対称である。
【0170】
図27は、基板400Bにおける巻線の一構成例を表すものであり、図27(A)はトランス40Bの巻線21が設けられた配線層LA1を示し、図27(B)は、トランス40Bの巻線22A,22B,22C,22D,22E,22F,22G,22Hが設けられた配線層LA2を示し、図27(C)は、トランス40Aの巻線23A,23B,23C,23D,23E,23F,23G,23Hが設けられた配線層LA3を示す。
【0171】
巻線21は、図27(A)に示したように、配線層LA1において、12個の脚部351~352に巻き付けられる。具体的には、巻線21は、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向において、脚部351,352,353,360,361,362に時計回りに1回巻き付けられ、脚部354,355,356,357,358,359に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線21のうちの、脚部352,353,354,355,358,359,360,361に巻き付けられた部分は巻線21Aに対応し、脚部351,356,357,362に巻き付けられた部分は巻線21Bに対応する。すなわち、後述するように、脚部351,356,357,362には、巻線21のみが巻き付けられ、巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23D,22E,23E,22F,23F,22G,23G,22H,23Hは巻き付けられていないので、巻線21のうちの脚部351,356,357,362に巻き付けられた部分は、トランス40の1次巻線としてではなく、共振コイルとして機能する。
【0172】
巻線21が巻き付けられた脚部351~362の位置は、境界線911を基準として対称である。具体的には、脚部351および脚部356の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部352および脚部355の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部353および脚部354の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部357および脚部362の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部358および脚部361の位置は、境界線911を基準として互いに対称であり、脚部359および脚部360の位置は、境界線911を基準として互いに対称である。
【0173】
境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部351,356では、脚部351における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部356における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部352,355では、脚部352における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部355における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部353,354では、脚部353における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部354における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部357,362では、脚部357における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部362における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部358,361では、脚部358における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部361における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部359,360では、脚部339における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部340における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる
【0174】
また、巻線21が巻き付けられた脚部351~362の位置は、境界線912を基準として対称である。具体的には、脚部351および脚部357の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部352および脚部358の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部353および脚部359の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部354および脚部360の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部355および脚部361の位置は、境界線912を基準として互いに対称であり、脚部356および脚部362の位置は、境界線912を基準として互いに対称である。
【0175】
境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部351,357では、脚部351における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部357における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部352,358では、脚部352における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部358における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部353,359では、脚部353における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部359における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部354,360では、脚部354における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部360における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部355,361では、脚部355における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部361における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部356,362では、脚部356における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部362における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる
【0176】
巻線22A,22B,22C,22D,22E,22F,22G,22Hは、図27(B)に示したように、配線層LA2において、脚部352,353,354,355,358,359,360,361にそれぞれ巻き付けられる。具体的には、巻線22Aは、接続端子T3Aから接続端子T4Aに向かう方向において、脚部352に時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Bは、接続端子T3Bから接続端子T4Bに向かう方向において、脚部353に時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Cは、接続端子T3Cから接続端子T4Cに向かう方向において、脚部354に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Dは、接続端子T3Dから接続端子T4Dに向かう方向において、脚部355に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Eは、接続端子T3Eから接続端子T4Eに向かう方向において、脚部358に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Fは、接続端子T3Fから接続端子T4Fに向かう方向において、脚部359に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Gは、接続端子T3Gから接続端子T4Gに向かう方向において、脚部360に時計回りに1回巻き付けられる。巻線22Hは、接続端子T3Hから接続端子T4Hに向かう方向において、脚部361に時計回りに1回巻き付けられる。
【0177】
巻線23A,23B,23C,23D,23E,23F,23G,23Hは、図27(C)に示したように、配線層LA3において、脚部352,353,354,355,358,359,360,361にそれぞれ巻き付けられる。具体的には、巻線23Aは、接続端子T5Aから接続端子T4Aに向かう方向において、脚部352に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Bは、接続端子T5Bから接続端子T4Bに向かう方向において、脚部353に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Cは、接続端子T5Cから接続端子T4Cに向かう方向において、脚部354に時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Dは、接続端子T5Dから接続端子T4Dに向かう方向において、脚部355に時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Eは、接続端子T5Eから接続端子T4Eに向かう方向において、脚部358に時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Fは、接続端子T5Fから接続端子T4Fに向かう方向において、脚部359に時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Gは、接続端子T5Gから接続端子T4Gに向かう方向において、脚部360に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線23Hは、接続端子T5Hから接続端子T4Hに向かう方向において、脚部361に反時計回りに1回巻き付けられる。
【0178】
巻線22A,23A,22B,23B,22C,23C,22D,23D,22E,23E,22F,23F,22G,23G,22H,23Hが巻き付けられた脚部352,353,354,355,358,359,360,361の位置は、境界線911を基準として対称であるとともに、境界線912を基準として対称である。
【0179】
このトランス40Bを備えた電力変換装置2では、上記第1の実施の形態の場合(図4,5A,5B)と同様に、ゲート信号G1,G2に基づいて動作する。
【0180】
図28A,28Bは、脚部351~362における磁束の向きを表すものである。図28Aは、図4に示したタイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示し、図28Bは、図4に示したタイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示す。
【0181】
タイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでは、上記第1の実施の形態の場合(図5A)と同様に、1次側回路に、トランジスタ13、キャパシタ15、接続端子T1、巻線21、接続端子T2の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T1から接続端子T2に向かって電流I1が流れることにより、トランス40Bでは、図28A(A)に示したように、脚部351~362において磁束が生じる。脚部351,352,353,360,361,362における磁束の方向は、Z方向と反対の方向であり、脚部354,355,356,357,358,359における磁束の方向は、Z方向である。その結果、2次側回路では、図5A,28A(C)に示したように、巻線23A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD2、接続端子T5Aの順に電流I2が流れる。巻線23Bに係る2次側回路、巻線23Cに係る2次側回路、巻線23Dに係る2次側回路、巻線23Eに係る2次側回路、巻線23Fに係る2次側回路、巻線23Gに係る2次側回路、巻線23Hに係る2次側回路についても同様である。
【0182】
タイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでは、上記第1の実施の形態の場合(図5B)と同様に、1次側回路に、キャパシタ15、トランジスタ14、接続端子T2、巻線21、接続端子T1の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T2から接続端子T1に向かって電流I1が流れることにより、トランス40Bでは、図28B(A)に示したように、脚部351~362において磁束が生じる。脚部351,352,353,360,361,362における磁束の方向は、Z方向であり、脚部354,355,356,357,358,359における磁束の方向は、Z方向と反対の方向である。その結果、2次側回路では、図5B,28B(B)に示したように、巻線22A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD1、接続端子T3Aの順に電流I2が流れる。巻線23Bに係る2次側回路、巻線23Cに係る2次側回路、巻線23Dに係る2次側回路、巻線23Eに係る2次側回路、巻線23Fに係る2次側回路、巻線23Gに係る2次側回路、巻線23Hに係る2次側回路についても同様である。
【0183】
[変形例2-2]
上記実施の形態では、図3に示したように、境界線911,912により区切られた4つの領域のそれぞれにおける2つの脚部に、巻線21を同じ巻方向で巻き付けたが、これに限定されるものではない。以下に、いくつか例を挙げて本変形例について詳細に説明する。
【0184】
まず、図20,21に示したトランス40に本変形例を適用したトランス40Cについて、詳細に説明する。
【0185】
図29は、トランス40Cにおける巻線の一構成例を表すものであり、図29(A)はトランス40Cの巻線21が設けられた配線層LA1を示し、図29(B)は、トランス40Cの巻線22A,22B,22C,22D,22E,22F,22G,22Hが設けられた配線層LA2を示し、図29(C)は、トランス40Cの巻線22A,22B,22C,22D,22E,22F,22G,22Hが設けられた配線層LA3を示す。
【0186】
巻線21は、図29(A)に示したように、配線層LA1において、12個の脚部311~322に巻き付けられる。具体的には、巻線21は、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向において、脚部311,313,315,318,320,322に時計回りに1回巻き付けられ、脚部312,314,316,317,319,321に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線21のうちの、脚部311,312,315,316,317,318,321,322に巻き付けられた部分は巻線21Aに対応し、脚部313,314,319,320に巻き付けられた部分は巻線21Bに対応する。
【0187】
巻線21が巻き付けられた脚部311~122の位置は、境界線911を基準として対称である。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部311,316では、脚部311における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部316における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部312,315では、脚部312における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部315における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部313,314では、脚部313における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部314における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部317,322では、脚部317における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部322における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部318,321では、脚部318における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部321における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部319,320では、脚部319における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部320における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。
【0188】
同様に、巻線21が巻き付けられた脚部311~322の位置は、境界線912を基準として対称である。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部311,317では、脚部311における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部317における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部312,318では、脚部312における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部318における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部313,319では、脚部313における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部319における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部314,320では、脚部314における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部320における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部315,321では、脚部315における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部321における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部316,322では、脚部316における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部322における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。
【0189】
巻線22A,22B,22C,22D,22E,22F,22G,22Hおよび巻線23A,23B,23C,23D,23E,23F,23G,23Hについては、上記第2の実施の形態の場合(図21(B),(C))と同様である。
【0190】
このトランス40Cを備えた電力変換装置2では、上記第1の実施の形態の場合(図4,5A,5B)と同様に、ゲート信号G1,G2に基づいて動作する。
【0191】
図30A,30Bは、脚部311~322における磁束の向きを表すものである。図30Aは、図4に示したタイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示し、図30Bは、図4に示したタイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示す。
【0192】
タイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでは、上記第1の実施の形態の場合(図5A)と同様に、1次側回路に、トランジスタ13、キャパシタ15、接続端子T1、巻線21、接続端子T2の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T1から接続端子T2に向かって電流I1が流れることにより、トランス40Cでは、図30A(A)に示したように、脚部311~322において磁束が生じる。脚部311,313,315,317,319,321における磁束の方向は、Z方向と反対の方向であり、脚部312,314,316,318,320,322における磁束の方向は、Z方向である。その結果、2次側回路では、図5A,30A(C)に示したように、巻線23A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD2、接続端子T5Aの順に電流I2が流れる。巻線23Bに係る2次側回路、巻線23Cに係る2次側回路、巻線23Dに係る2次側回路、巻線23Eに係る2次側回路、巻線23Fに係る2次側回路、巻線23Gに係る2次側回路、巻線23Hに係る2次側回路についても同様である。
【0193】
タイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでは、上記第1の実施の形態の場合(図5B)と同様に、1次側回路に、キャパシタ15、トランジスタ14、接続端子T2、巻線21、接続端子T1の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T2から接続端子T1に向かって電流I1が流れることにより、トランス40Cでは、図30B(A)に示したように、脚部311~322において磁束が生じる。脚部311,313,315,317,319,321における磁束の方向は、Z方向であり、脚部312,314,316,318,320,322における磁束の方向は、Z方向と反対の方向である。その結果、2次側回路では、図5B,30B(B)に示したように、巻線22A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD1、接続端子T3Aの順に電流I2が流れる。巻線23Bに係る2次側回路、巻線23Cに係る2次側回路、巻線23Dに係る2次側回路、巻線23Eに係る2次側回路、巻線23Fに係る2次側回路、巻線23Gに係る2次側回路、巻線23Hに係る2次側回路についても同様である。
【0194】
次に、図26,27に示したトランス40Bに本変形例を適用したトランス40Dについて、詳細に説明する。
【0195】
図31は、トランス40Dにおける巻線の一構成例を表すものであり、図31(A)はトランス40Dの巻線21が設けられた配線層LA1を示し、図31(B)は、トランス40Dの巻線22A,22B,22C,22D,22E,22F,22G,22Hが設けられた配線層LA2を示し、図31(C)は、トランス40Dの巻線23A,23B,23C,23D,23E,23F,23G,23Hが設けられた配線層LA3を示す。
【0196】
巻線21は、図31(A)に示したように、配線層LA1において、12個の脚部351~352に巻き付けられる。具体的には、巻線21は、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向において、脚部351,353,355,358,360,362に時計回りに1回巻き付けられ、脚部352,354,356,357,359,361に反時計回りに1回巻き付けられる。巻線21のうちの、脚部352,353,354,355,358,359,360,361に巻き付けられた部分は巻線21Aに対応し、脚部351,356,357,362に巻き付けられた部分は巻線21Bに対応する。
【0197】
巻線21が巻き付けられた脚部351~362の位置は、境界線911を基準として対称である。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部351,356では、脚部351における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部356における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部352,355では、脚部352における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部355における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部353,354では、脚部353における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部354における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部357,362では、脚部357における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部362における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部358,361では、脚部358における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部361における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線911を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部359,360では、脚部359における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部360における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。
【0198】
同様に、巻線21が巻き付けられた脚部351~362の位置は、境界線912を基準として対称である。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた、巻線21が巻き付けられた2つの脚部では、接続端子T1から接続端子T2に向かう方向における巻線21の巻方向は互いに異なる。具体的には、境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部351,357では、脚部351における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部357における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部352,358では、脚部352における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部358における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部353,359では、脚部353における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部359における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部354,360では、脚部354における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部128における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部355,361では、脚部355における巻線21の巻方向は時計回りであり、脚部361における巻線21の巻方向は反時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。境界線912を基準として互いに対称の位置に設けられた脚部356,362では、脚部356における巻線21の巻方向は反時計回りであり、脚部362における巻線21の巻方向は時計回りであるので、これらの巻方向は互いに異なる。
【0199】
巻線22A,22B,22C,22Dおよび巻線23A,23B,23C,23Dについては、トランス40Bの場合(図27(B),(C))と同様である。
【0200】
このトランス40Dを備えた電力変換装置2では、上記第1の実施の形態の場合(図4,5A,5B)と同様に、ゲート信号G1,G2に基づいて動作する。
【0201】
図32A,32Bは、脚部351~362における磁束の向きを表すものである。図32Aは、図4に示したタイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示し、図32Bは、図4に示したタイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでの磁束の向きを示す。
【0202】
タイミングt1~t2の期間におけるあるタイミングでは、上記第1の実施の形態の場合(図5A)と同様に、1次側回路に、トランジスタ13、キャパシタ15、接続端子T1、巻線21、接続端子T2の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T1から接続端子T2に向かって電流I1が流れることにより、トランス40Dでは、図32A(A)に示したように、脚部351~362において磁束が生じる。脚部351,353,355,357,359,361における磁束の方向は、Z方向と反対の方向であり、脚部352,354,356,358,360,362における磁束の方向は、Z方向である。その結果、2次側回路では、図5A,32A(C)に示したように、巻線23A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD2、接続端子T5Aの順に電流I2が流れる。巻線23Bに係る2次側回路、巻線23Cに係る2次側回路、巻線23Dに係る2次側回路、巻線23Eに係る2次側回路、巻線23Fに係る2次側回路、巻線23Gに係る2次側回路、巻線23Hに係る2次側回路についても同様である。
【0203】
タイミングt3~t4の期間におけるあるタイミングでは、上記第1の実施の形態の場合(図5B)と同様に、1次側回路に、キャパシタ15、トランジスタ14、接続端子T2、巻線21、接続端子T1の順に電流I1が流れる。このように、巻線21において、接続端子T2から接続端子T1に向かって電流I1が流れることにより、トランス40Dでは、図32B(A)に示したように、脚部351~362において磁束が生じる。脚部351,353,355,357,359,361における磁束の方向は、Z方向であり、脚部312,314,316,318,320,322における磁束の方向は、Z方向と反対の方向である。その結果、2次側回路では、図5B,32B(B)に示したように、巻線22A、接続端子T4A、キャパシタ18および負荷LD、ダイオードD1、接続端子T3Aの順に電流I2が流れる。巻線23Bに係る2次側回路、巻線23Cに係る2次側回路、巻線23Dに係る2次側回路、巻線23Eに係る2次側回路、巻線23Fに係る2次側回路、巻線23Gに係る2次側回路、巻線23Hに係る2次側回路についても同様である。
【0204】
[変形例2-3]
上記実施の形態では、図1に示したように、トランス20の1次側に共振コイルである巻線21Aを設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、上記第1の実施の形態の変形例1-3のように、トランスの2次側に共振コイルを設けてもよい。
【0205】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0206】
例えば、上記実施の形態では、例えば、8個の脚部111~118を有するトランス20や、12個の脚部311~322を有するトランス40を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、領域901~904のそれぞれに複数の脚部を有する様々なトランスに適用することができる。
【0207】
例えば、上記実施の形態では、図1に示したように、スイッチング回路12を設けたが、これに限定されるものではない。スイッチング回路12は、ハーフブリッジ型の回路でもよいし、フルブリッジ型のスイッチング回路12であってもよい。また、図1に示したように、ダイオードD1,D2を用いて整流回路16を構成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、トランジスタを設け、同期整流を行うようにしてもよい。
【0208】
例えば、上記実施の形態では、多層基板の配線層を用いて巻線を構成したが、これに限定されるものではなく、ワイヤを用いて巻線を構成してもよい。
【0209】
本明細書中に記載された効果はあくまで例示であり、本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されない。よって、本開示に関して、他の効果が得られてもよい。
【符号の説明】
【0210】
1,1D,2…電力変換装置、11…キャパシタ、12…スイッチング回路、13,14…トランジスタ、15…キャパシタ、16,16A,16B,16C,16D,16E,16F,16G,16H…整流回路、17…平滑回路、18…キャパシタ、20,20A,20B,20C,20D,20E,40,40A,40B,40C,40D…トランス、21,21A,21B,22A,22B,22C,22D,22E,22F,22G,22H,23A,23B,23C,23D,23E,23F,23G,23H,24A,24B,24C,24D,25A,25B,25C,25D…巻線、100,100A,300,300A,300B…磁気コア、101,102,301,302…基体部、111~118,121~128,311~322,331~342,351~362…脚部、200,200A,400,400A,400B…基板、901~904…領域、911,912…境界線、G…ギャップ、G1,G2…ゲート信号、LA1~LA3…配線層、T1,T2,T3A,T3B,T3C,T3D,T3E,T3F,T3G,T3H,T4A,T4B,T4C,T4D,T4E,T4F,T4G,T4H,T5A,T5B,T5C,T5D,T5E,T5F,T5G,T5H…接続端子、T11,T12,T21,T22…端子。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16A
図16B
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22A
図22B
図23
図24
図25A
図25B
図26
図27
図28A
図28B
図29
図30A
図30B
図31
図32A
図32B