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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012123
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】単木炭素吸収源の動的計量方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20240118BHJP
   G16Y 10/10 20200101ALI20240118BHJP
【FI】
A01G7/00 603
G16Y10/10
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023110265
(22)【出願日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】202210822181.0
(32)【優先日】2022-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522417786
【氏名又は名称】四川省林業和草原調査規劃院(四川省林業和草原生態環境監測中心)
(71)【出願人】
【識別番号】523159845
【氏名又は名称】四川様地時空科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】高飛
(72)【発明者】
【氏名】朱志芳
(72)【発明者】
【氏名】李娜娜
(57)【要約】      (修正有)
【課題】単木炭素吸収源に対して計量と取引を実施する場合、測定コストが高く、測定エラーが生じやすく、測定漏れ、品質検査及び連続監視の作業量を大幅に削減させる単木炭素吸収源の動的計量方法を提供する。
【解決手段】単木炭素吸収源の動的計量方法で、以下のステップを含む。1単木調査とデバイス配置。2単木データの自動的収集。3単木炭素吸収源の算出:ステップ2で収集したデータを用い、単木樹高、材積、バイオマス及び炭素貯蔵量を算出。4単木状態変化を検出し、監視状態に変化が生じた場合、ステップ6を実行し、変化が生じていない場合、ステップ5を実行する。5単木炭素吸収源を連続的に監視:所定の監視頻度でステップ2の収集を続け、ステップ3で同時にデータ記憶を行う。6単木監視状態を検証する。監視を持続する場合、ステップ1を実行し、単木自体の状態に変化が生じたか又は監視を持続しない場合、プロセスを終了する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単木炭素吸収源の動的計量方法であって、その特徴は以下のステップを含む。
(1)単木調査とデバイス配置をする。まず、対象単木に対して毎木調査を行って、調査因子を記入し、通信中継装置及び単木胸径を測定するための樹径測定センサを配置し、データ収集端末と樹径測定センサを通信可能に接続し、樹径測定センサと通信中継装置を通信可能に接続する。
(2)単木データを自動的に収集して、調査データを通信中継装置に伝送して入力する。
(3)単木炭素吸収源を算出する。ステップ(2)で収集したデータを用いて、単木樹高、材積、バイオマス及び炭素貯蔵量を算出する。
(3.1)本区域の現在の樹種の樹高グラフを用いて、胸径を独立変数、樹高を従属変数として、対象単木の高さを算出する。
(3.2)対象単木のバイオマスを算出し、アロメトリック方程式法を用いる場合、ステップ(3.3)を実行し、バイオマス拡散係数法を用いる場合、ステップ(3.5)を実行する。
(3.3)アロメトリック方程式を用いて、胸径と樹高を独立変数、バイオマスを従属変数としてバイオマスを算出する。計算式は以下の通りである。
【数1】
ここで、Wは対象単木のバイオマスであり、Hは対象単木の樹高であり、Dは対象単木の直径であり、
は係数である。
(3.4)本区域の二変数材積式を用いて、胸径と樹高を独立変数、材積を従属変数として対象単木の材積を算出する。計算式は以下の通りである。
【数2】
ここで、Vは対象単木の蓄積であり、Hは対象単木の樹高であり、Dは対象単木の直径であり、
は係数である。
(3.5)バイオマス拡散係数法を用いて、材積を独立変数、バイオマスを従属変数として、テーブルを調べて木材密度、根-シュート比、バイオマス拡散係数の3つのデフォルトデータを取得してバイオマスを算出する。計算式は以下の通りである。
【数3】
ここで、WDは対象単木の木材密度であり、BEFは対象単木の樹幹バイオマスを地上バイオマスに変換したバイオマス拡散係数で、無次元数であり、Rは対象単木の根-シュート比である。
(3.6)林木バイオマスの炭素含有量を利用して林木バイオマスを炭素貯蔵量に換算し、炭素貯蔵量を二酸化炭素当量に変換し、計算式は以下の通りである。
【数4】
ここで、Cは対象単木の炭素貯蔵量であり、CFは対象単木の炭素含有量である。
(4)単木状態変化を検出し、単木監視状態に変化が生じた場合、ステップ(6)を実行し、変化が生じていない場合、ステップ(5)を実行する。
(5)単木炭素吸収源を連続的に監視する。設定された監視周波数に従ってステップ(2)で収集されたデータを受信し続けてステップ(3)を実行するとともに、データを記憶する。
(6)単木監視状態を検証する。単木状態を現場で検証し、デバイスの原因で単木監視状態に変化が生じたか、または単木自体の状態に変化が生じたかを現場で判定し、デバイスの原因であって監視を持続する場合、ステップ(1)を実行し、単木自体の状態に変化が生じたか又は監視を持続しない場合、プロセスを終了する。
【請求項2】
請求項1に記載の単木炭素吸収源の動的計量方法の特徴は、前記ステップ(5)の具体的なステップは以下の通りである。
(5.1)通信中継装置は設定されたウェイクアップ時刻に基づいて定期的に起動する。
(5.2)通信中継装置はサーバー側のネットワークサーバーにアクセスして、次回のウェイクアップ時刻とウェイクアップ時間長さを取得する。
(5.3)樹径測定センサは設定されたウェイクアップ時刻に基づいて定期的に起動する。
(5.4)樹径測定センサは対象単木の胸径測定値を測定して取得する。
(5.5)樹径測定センサは、通信中継装置に接続されて、対象単木の胸径、傾斜角及び電池容量情報を伝送する。
(5.6)樹径測定センサは、通信中継装置とクロック同期化を行い、次回のウェイクアップ時刻とウェイクアップ時間長さを取得した後、スリープ状態に入る。
(5.7)通信中継装置は、樹径測定センサによるデータを受信して記憶し、前回の測定データとの差を算出する。
(5.8)通信中継装置は、樹径差に基づいて、炭素貯蔵量変化量を算出してデータを格納する。
(5.9)通信中継装置は、自体のセンサデータを記憶する。
(5.10)通信中継装置は、記憶情報を通信受信装置に返信し、集約してサーバー側のネットワークサーバーに入力する。
(5.11)サーバー側において、サーバーがネットワークサーバーから取得したデータについて計算して、各単木炭素吸収源の変化量を集約して、可視化表示する。
(5.12)サーバー側において、通信中継装置と樹径測定センサのウェイクアップ時刻とウェイクアップ時間長さを設定する。
【請求項3】
請求項2に記載の単木炭素吸収源の動的計量方法の特徴は、前記ステップ(4)において、通信中継装置がデータ測定センサによる測定データを受信できなかった場合、単木監視状態に変化が生じたと判定する。
【請求項4】
請求項2に記載の単木炭素吸収源の動的計量方法の特徴は、ステップ(6)の具体的なステップは以下の通りである。
(6.1)対象単木の周囲に到達して、調査情報とナンバープレートに従って対象単木を探し、対象単木を見つけた場合、ステップ(6.2)を実行し、対象単木を見つけていない場合、データ収集端末に単木監視状態が変化する原因を入力し、プロセスを終了する。
(6.2)通信ゲートウェイを見つけて起動させ、通信ゲートウェイを見つけていないか又は起動が失敗した場合、データ収集端末にデバイスが原因であることを入力し、ステップ(1)とステップ(2)を実行し、通信ゲートウェイの状態が正常である場合、ステップ(6.3)を実行する。
(6.3)対象単木を探し、データ収集端末にデバイスが原因であることを入力し、新しい樹径測定センサを対象単木樹幹に取り付け、ステップ(2)を実行する。
【請求項5】
請求項2に記載の単木炭素吸収源の動的計量方法の特徴は、前記データ収集端末及びサーバー側にはデータ収集アプリケーションシステム及び単木炭素吸収源動的計量システムが配備されており、前記データ収集アプリケーションシステムは、サーバー側情報を取得し、調査現場で通信中継装置及び樹径測定センサと接続して、データの収集、入力及び計算を行うとともに、通信中継装置及びデータ測定センサに対する設定管理を行うものであり、前記単木炭素吸収源動的計量システムは、管理者がデータ収集端末で取得された単木調査データに対して集約、統計、可視化分析を行うとともに、すべての単木調査装置のパラメータ設定及び運行状態を管理するものである。
【請求項6】
請求項5に記載の単木炭素吸収源の動的計量方法の特徴は、前記単木炭素吸収源動的計量システムが以下を含む。
ユーザログインモジュール:単木炭素吸収源動的計量システムにログインするために用いられる。
単木地図表示・閲覧・クエリモジュール:地図操作に基づくインタラクティブモードを提供し、パンニング、ズームイン、ズームアウト、レイヤー表示、単木属性情報クエリ、単木座標特定を含む地図操作機能を提供するために用いられる。
調査フォーム・デフォルトデータ設定モジュール:現場樹木調査属性表、樹高グラフ、二変数材積式、及びデフォルトデータを設定するために用いられる。
通信中継装置デバイス・状態管理モジュール:通信中継装置のデバイス番号、デバイスタイプ、座標位置、標準地の番号情報をクエリして、通信中継装置の運行状態、電池容量、自体のセンサの測定データをチェックし、通信中継装置の監視頻度、ウェイクアップ時刻とウェイクアップ時間長さを設定するために用いられる。
樹径測定センサデバイス・状態管理モジュール:樹径測定センサのデバイス番号、単木番号情報をクエリして、樹径測定センサの運行状態、電池容量、自体センサの測定データをチェックし、樹径測定センサのウェイクアップ時刻とウェイクアップ時間長さを設定するために用いられる。
単木炭素貯蔵量集約計算モジュール:各通信中継装置によって受信装置を介して返信された樹径測定センサデータを集約して、樹高グラフ、二変数材積式、及びデフォルトデータを用いて、単木炭素貯蔵量を算出するために用いられる。
素貯蔵量変化量分析モジュール:集約して算出した単木データを統計して、測定・設置・調査の精度を分析して、区域別、タイプ別に炭素吸収源数量、質量、構造及び分布を出力し、監視周期前後の各監視対象の状況、生産量の増加、消費量及びその動的変化を比較するために用いられる。
炭素吸収源計量結果可視化表示モジュール:3次元地図、可視化チャート、時系列軸を用いて監視データを表示し、監視成果の動的変化を視覚的に反映するために用いられる。
【請求項7】
請求項6に記載の単木炭素吸収源の動的計量方法の特徴は、前記データ収集アプリケーションシステムは以下を含む。
ユーザログインモジュール:データ収集アプリケーションシステムにログインするために用いられる。
地図操作・測位・ナビゲーション・トラック・撮像モジュール:地図操作に基づくインタラクティブモードを提供し、パンニング、ズームイン、ズームアウト、レイヤー表示、測位、ナビゲーション、トラック収集、撮像を含む地図操作機能を提供するために用いられる。
調査フォーム及びデフォルトデータダウンロードモジュール:現場樹木調査属性表、樹高グラフ、二変数材積式、及びデフォルトデータをダウンロードして更新するために用いられる。単木現場調査因子入力モジュール:プロジェクトオーナー基本情報、プロジェクト責任者と連絡者、プロジェクト基本情報、プロジェクト林地基本情報、林地技術データ情報を入力するために用いられる。
移動通信信号テストモジュール:現場移動信号タイプ、移動信号強弱、及び通信受信端と通信することで信号伝送の成功率をテストするために用いられる。
通信中継装置接続・テスト・配置モジュール:データ収集端末を通信中継装置に接続して、データ収集頻度を設定し、通信中継装置と樹径測定センサの起動時刻及び起動にかかる時間を決定するために用いられる。
樹径測定センサ接続・データ入力モジュール:データ収集端末を樹径測定センサに接続し、正しく接続したと判定したうえで、調査された樹木の樹種、森林権証明書番号、林地面積情報を入力するために用いられる。
樹径測定センサ・通信中継装置のデータ伝送モジュール:調査した樹木情報の入力を完了した後、樹径測定センサと通信中継装置とのバックグラウンド通信イベントをトリガーし、樹径測定センサは無線通信モジュールを介してデバイス番号、樹木樹種、森林権証明書番号、林地面積情報を通信中継装置に伝送して記憶するために用いられる。
単木炭素吸収源計量モジュール:樹木調査データを取得した後、樹高グラフ、二変数材積式、及びデフォルトデータを用いて炭素貯蔵量を算出するに用いられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノのインターネットのデータ収集、計算、処理の技術分野に属し、具体的には、単木炭素吸収源の動的計量方法に関する。
【背景技術】
【0002】
科学的かつ合理的で操作しやすい炭素吸収源計量方法学は、炭素吸収源の監視可能、報告可能、検証可能を実現する基礎である。単株樹木に基づく炭素吸収源計量方法は、公衆が炭普恵スキームに参与するハードルを下げるのに役立ち、公衆、小規模・零細企業が省エネ・炭素削減行動に参加することを促進して指導する。現在、貴州省は『貴州省単木炭素吸収源プロジェクト方法学』を発表し、貴州省単株炭素吸収源プラットフォームを構築して炭素吸収源取引を展開しており、広西省柳州市は『柳州市単木炭素吸収源量計量方法学』を発表し、炭素吸収源の精密な生態貧困扶助プロジェクトを展開し、炭素吸収源取引プラットフォームを構築している。しかし、実際の測定及び監視が困難なため、貴州省では、単木炭素吸収源はいずれも1本当たり3元で、発表した方法学による計算は行われておらず、柳州市では、林木の胸径を人工的に測定する必要がある。
【0003】
単木炭素吸収源に対して計量と取引を実施する場合、以下の欠点がある。
【0004】
測定コストが高く、測定エラーが生じやすい。単木炭素吸収源の計量は、現地測定、写真撮影、看板掛け、登録、計算の流れを完了しなければ炭素吸収源を取得できず、専門調査員による実地測定が必要であり、測定ミス、データ入力や操作のミスのため、データの不正確さを招きやすい。
【0005】
現地に行かずにデータを作成する場合がある。林業調査の品質検査コントロールは抜き取り検査を主としているため、ある調査員はまぐれの心理で、指定された樹木の位置に達していない場所で現地調査を開始したり、室内で完全にデータを作成したりする。
【0006】
品質検査の作業量が多い。検査員は元の調査方法に基づき、木ごとの検査及び計算をやり直す必要があり、品質検査の作業量が多い。品質検査の作業は調査の流れを繰り返して、立木について検尺と計算を行って、品質検査の作業も同様で、作業のコストが高く、内容が重複している。
【0007】
監視の時効性が悪く、データは静的データである。現地調査は作業量が多く、費用が高いため、一回の実施はコストが高く、監視の時効性が悪く、樹木生長の動態を正確に把握することができず、一方、林木の炭素吸収源は林木の生長と密接に関連し、動的に変化している。
【0008】
樹木の変化を適時に発見することができない。再度現地調査をした場合にのみ、樹木が存在するかどうか、および大きな変化が発生しているかどうかを発見することができ、このため、監視計画を適時に調整することができない。
【0009】
以上から、単木炭素吸収源の計量過程における測定エラー、再測定、データ捏造を減少させ、測定漏れ、データ記録及び計算エラーの確率を低下させ、品質検査及び連続監視の作業量を大幅に削減させ、単木炭素吸収源を持続的かつ正確に監視し、監視の適時性を大幅に向上させることを実現する単木炭素吸収源の動的計量方法を提供することが急務である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、単木炭素吸収源計量における測定エラー、再測定、データ捏造を減少させ、測定漏れ、データ記録及び計算エラーの確率を低下させ、品質検査及び連続監視の作業量を大幅に削減させ、単木炭素吸収源を持続的かつ正確に監視し、監視の適時性を大幅に向上させることを実現する単木炭素吸収源の動的計量方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的は、以下の技術方案によって達成される。単木炭素吸収源の動的計量方法であり、以下のステップを含む:
(1)単木調査及びデバイス配置をする。
(2)単木データを自動的に収集する。
(3)単木炭素吸収源を算出する:ステップ(2)で収集したデータを用いて、単木の高さ、材積、バイオマス及び炭素貯蔵量を算出する。
(4)単木状態変化を検出し、単木監視状態に変化が生じた場合、ステップ(6)を実行し、そうでない場合、ステップ(5)を実行する。
(5)単木炭素吸収源を連続的に監視する:設定された監視周波数に従ってステップ(2)で収集されたデータを受信し続け、テップ(3)を実行するとともに、データ記憶を行う。
(6)単木監視状態を検証する:単木状態を現場で検証し、デバイスが原因で単木監視状態に変化が生じたか、単木自体の状態に変化が生じたかを現場で判定し、デバイスが原因であって監視を持続する場合、ステップ(1)を実行し、単木自体の状態に変化が生じたか又は監視を持続しない場合、プロセスを終了する。
【0012】
更なる技術的解決手段として、前記ステップ(1)において、まず、対象単木に対して毎木調査を行って、調査因子を記入し、そして通信中継装置及び樹径を測定するための樹径測定センサを配置し、データ収集端末と樹径測定センサを通信可能に接続し、樹径測定センサと通信中継装置を通信可能に接続し、前記ステップ(2)では、調査データを通信中継装置に転送して入力する。
【0013】
更なる技術的解決手段として、前記ステップ(5)の具体的なステップは以下の通りである:(5.1)通信中継装置は設定されたウェイクアップ時刻に従って定期的に起動する。
(5.2)通信中継装置はサーバー側のネットワークサーバーにアクセスして、次回のウェイクアップ時刻とウェイクアップ時間長さを取得する。
(5.3)樹径測定センサは設定されたウェイクアップ時刻に基づいて定期的に起動する。
(5.4)樹径測定センサは対象単木の胸径測定値を測定して取得する。
(5.5)樹径測定センサは、通信中継装置に接続されて、対象単木胸径、傾斜角及び電池容量情報を伝送する。
(5.6)樹径測定センサは、通信中継装置とクロック同期化を行い、次回のウェイクアップ時刻とウェイクアップ時間長さを取得した後、スリープ状態に入る。
(5.7)通信中継装置は、樹径測定センサによるデータを受信して記憶し、前回の測定データとの差を算出する。
(5.8)通信中継装置は、樹径差に基づいて、炭素貯蔵量変化量を算出してデータを格納する。
(5.9)通信中継装置は、自体のセンサデータを記憶する。
(5.10)通信中継装置は、記憶情報を通信受信装置に返信し、集約してサーバー側のネットワークサーバーに入力する。
(5.11)サーバー側において、サーバーがネットワークサーバーから取得したデータについて計算して、各単木炭素吸収源の変化量を集約して、可視化を表示する。
(5.12)サーバー側において、通信中継装置及び樹径測定センサのウェイクアップ時刻とウェイクアップ時間長さを設定する。
【0014】
更なる技術的解決手段として、前記ステップ(3)の具体的なステップは以下の通りである。
(3.1)本区域の現在の樹種の樹高グラフを用いて、胸径を独立変数、樹高を従属変数として、対象単木の高さを算出する。
(3.2)対象単木のバイオマスを算出し、アロメトリック方程式法を用いる場合、ステップ(3.3)を実行し、バイオマス拡散係数法を用いる場合、ステップ(3.5)を実行する。
(3.3)アロメトリック方程式を用いて、胸径と樹高を独立変数、バイオマスを従属変数として、計算式は以下の通りである。
【数1】
ここで、Wは対象単木のバイオマスであり、Hは対象単木の樹高であり、Dは対象単木の直径であり、
は係数である。
(3.4)本区域の二変数材積式を用いて、胸径と樹高を独立変数、材積を従属変数として、対象単木の材積を算出する。計算式は次のとおりである。
【数2】
ここで、Vは対象単木の蓄積であり、Hは対象単木の樹高であり、Dは対象単木の直径であり、
は係数である。
(3.5)バイオマス拡散係数法を用いて、材積を独立変数、バイオマスを従属変数として、テーブルを調べて木材密度、根-シュート比、バイオマス拡散係数の3つのデフォルトデータを取得して算出する。計算式は以下の通りである。
【数3】
ここで、WDは対象単木の木材密度であり、BEFは対象単木の樹幹バイオマスを地上バイオマスに変換したバイオマス拡散係数で、無次元数であり、Rは対象単木の根-シュート比である。
(3.6)林木バイオマスの炭素含有量を利用して林木バイオマスを炭素貯蔵量に換算し、炭素貯蔵量を二酸化炭素当量に変換し、計算式は以下の通りである。
【数4】
ここで、Cは対象単木の炭素貯蔵量であり、CFは対象単木の炭素含有量である。
【0015】
更なる技術的解決手段として、前記ステップ(4)において、通信中継装置がデータ測定センサによる測定データを受信できなかった場合、単木監視状態に変化が生じたと判定する。
【0016】
更なる技術的解決手段として、前記ステップ(6)の具体的なステップは以下の通りである。
(6.1)対象単木の周囲に到達して、調査情報及びナンバープレートに基づいて対象単木を探し、対象単木を見つけた場合、ステップ(6.2)を実行し、対象単木を見つけていない場合、データ収集端末に単木監視状態が変化する原因を入力し、プロセスを終了する。
(6.2)通信ゲートウェイを見つけて起動させ、通信ゲートウェイを見つけていないか又は起動が失敗した場合、データ収集端末にデバイスが原因であることを入力し、ステップ(1)及びステップ(2)を実行し、通信ゲートウェイの状態が正常である場合、ステップ(6.3)を実行する。
(6.3)対象単木を探し、データ収集端末にデバイスが原因であることを入力し、新しい樹径測定センサを対象単木樹幹に取り付け、ステップ(2)を実行する。
【0017】
更なる技術方案として、前記データ収集端末及びサーバー側にはデータ収集アプリケーションシステムと単木炭素吸収源動的計量システムが配備されており、前記データ収集アプリケーションシステムは、サーバー側情報を取得し、調査現場で通信中継装置と樹径測定センサを接続してデータ収集、入力と計算を行い、通信中継装置とデータ測定センサに対する設定管理を行うものである。前記単木炭素吸収源動的計量システムは、管理者がデータ収集端末で取得された単木調査データをまとめ、統計し、可視化分析し、すべての単木調査装置のパラメータ設定と運行状態を管理するために用いられる
【0018】
更なる技術的解決手段として、前記単木炭素吸収源動的計量システムは以下を含む。
ユーザログインモジュール:単木炭素吸収源動的計量システムにログインするために用いられる。
単木地図表示・閲覧・クエリモジュール:地図操作に基づくインタラクティブモードを提供し、パンニング、ズームイン、ズームアウト、レイヤー表示、単木属性情報クエリ、単木座標位置決めを含む地図操作機能を提供するために用いられる。
調査フォーム・デフォルトデータ設定モジュール:現場樹木調査属性表、樹高グラフ、二変数材積式テーブル、及びデフォルトデータを構成するために用いられる。
通信中継装置デバイス・状態管理モジュール:通信中継装置のデバイス番号、デバイスタイプ、座標位置、標準地の番号情報をクエリして、通信中継装置の運行状態、電池容量、自体のセンサの測定データをチェックし、通信中継装置の監視頻度、ウェイクアップ時刻とウェイクアップ時間長さを設定するために用いられる。
樹径測定センサデバイス・状態管理モジュール:樹径測定センサのデバイス番号、単木番号情報をクエリして、樹径測定センサの運行状態、電池容量、自体のセンサ測定データをチェックし、樹径測定センサのウェイクアップ時刻とウェイクアップ時間長さを設定するために用いられる。
単木炭素貯蔵量集約計算モジュール:各通信中継装置によって受信装置を介して返信された樹径測定センサデータを集約して、樹高グラフ、二変数材積式、及びデフォルトデータを用いて、単木炭素貯蔵量を算出するために用いられる。
炭素貯蔵量変化量分析モジュール:集約して算出した単木データを統計して、測定・設置・調査の精度を分析して、区域別、タイプ別に炭素吸収源数量、質量、構造及び分布を出力し、監視周期前後の各監視対象の状況、生産量の増加、消費量及びその動的変化を比較するために用いられる。
炭素吸収源計量結果可視化表示モジュール:三次元地図、可視化チャート、時系列軸を用いてモニタリングデータを表示し、監視成果の動的変化を視覚的に反映するために用いられる。
【0019】
更なる技術的解決手段として、前記データ収集アプリケーションシステムは以下を含む。
ユーザログインモジュール:データ収集アプリケーションシステムにログインするために用いられる。
地図操作・測位・ナビゲーション・トラック・撮像モジュール:地図操作に基づくインタラクティブモードを提供し、パンニング、ズームイン、ズームアウト、レイヤー表示、測位、ナビゲーション、トラック収集、撮像を含む地図操作機能を提供するために用いられる。
調査フォーム及びデフォルトデータダウンロードモジュール:現場樹木調査属性表、樹高グラフ、二変数材積式、及びデフォルトデータをダウンロードして更新するために用いられる。 単木現場調査因子入力モジュール:プロジェクトオーナー基本情報、プロジェクト責任者と連絡者、プロジェクト基本情報、プロジェクト林地基本情報、林地技術データ情報を入力するために用いられる。
移動通信信号テストモジュール:現場移動信号タイプ、及び移動信号の強弱、及び通信受信端との通信試験信号の伝送の成功率を測定するために使用される。通信中継装置接続・テスト・配置モジュール:データ収集端末を用いて通信中継装置に接続して、データ収集頻度を設定し、通信中継装置と樹径測定センサの起動時刻と起動にかかる時間を決定するために用いられる。樹径測定センサ接続・データ入力モジュール:データ収集端末を用いて樹径測定センサに接続し、接続が正しいことを確認した後、調査した樹木の樹種、森林権証明書番号、林地面積情報を入力するために用いられる。
樹径測定センサと通信中継装置のデータ伝送モジュール:調査した樹木情報の入力を完了した後、樹径測定センサと通信中継装置とのバックグラウンド通信イベントをトリガーし、樹径測定センサによって無線通信モジュールを介してデバイス番号、樹木樹種、森林権証明書番号、林地面積情報を通信中継装置に伝送して記憶するために用いられる。
単木炭素吸収源計量モジュール:ユーザが樹木調査データを取得した後、樹高グラフ、二変数材積式、及びデフォルトデータを用いて炭素貯蔵量を算出するために使用される。計算内容は、胸径、樹高、材積、バイオマス、炭素貯蔵量を含む。
【発明の効果】
【0020】
従来技術と比べて、本発明の技術的解決手段は以下の利点を備える。
測定エラー、再測定を回避し、測定ミスを生成しにくいこと:木ごと調査を行う際に、樹径を樹径測定センサで自動的に測定し、測定者がデータを読み取ることを必要としないため、測定エラーを回避し、そして、すでに測定された立木に樹径測定センサが結合されているため、再測定の発生を減少させ、しかも、樹径測定センサは測定済み立木と未測定立木がマークされているので、測定漏れの可能性を大幅に低減させる。
データ記録と計算エラーの確率を減らすこと:連続監視には、自動データ収集を採用しているので、データ入力は不要であり、計算はソフトウェアの多重実行を通じて、データ記録と計算エラーの確率を減らす。
データ捏造を減少させること:林木のデータについては、すべてサーバー側のネットワークサーバーに接続して伝送する必要があり、しかも、通信中継装置の中にはGPSや北斗RNSSモジュールがサンプルプロットの測位を行うことにより、調査員が指定された対象単木の位置に到達しなければ調査を開始できないことを確保し、さらに、すべてのデバイスでは、結合をしてからデータを取得することができるので、データ捏造を低減させる。
品質検査の作業量を大幅に削減させること:品質検査担当者は、対象単木に到達した後、サンプル木にデバイスが結合されているか否か、及び樹種が正しいか否かを検査するだけで、毎木調査作業を行う必要がなくなり、品質検査の作業量が大幅に削減される。
連続監視の作業量を大幅に削減させること:本発明では、連続監視の場合、現地に到達する必要がことなく、対象単木の炭素貯蔵量及び炭素貯蔵量の変化量データを安定して得ることができ、サーバー側で計算と展示を直接に行うので、連続監視の作業量を大幅に削減させる。
胸径の連続監視の正確性が高いこと:樹径測定センサは常に固定位置に結合されるため、測定するたびに同じ位置であり、測定位置の不一致や周尺の回りの測定誤差が発生しない。
監視の時効性が大幅に向上すること:本発明における監視頻度は任務の必要性と電池容量に基づいて共同で決定決定される。低消費電力設計を採用して、1日に1回の測定をし、1週に1回の回送作業を行うため、作業が10年間まで続けることができ、使用寿命が大幅に延長され、樹木成長の動態と炭素吸収源の変化量を正確かつ詳細に把握することができる。
サンプルプロットの変化を適時に発見すること:サンプルプロットが経営活動或いは自然災害によって変化が発生した場合、データ返信の状況を通じて、対象単木の変化情況及び変化時間を発見することができて、変化の状況に応じて監視方案を適時に調整することができる。
【0021】
本発明の一部を構成する図面は本発明をさらなる理解するために提供され、本発明の概略的な実施例及びその説明は本発明を解釈するために使用され、本発明を不当な限定を構成するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る単木炭素吸収源の動的計量方法の流れ概略図である。
図2】本発明の実施形態に係る単木調査及びデバイス配置をする操作の流れ図である。
図3】本発明の実施形態に係る単木データを自動的に収集する流れ概略図である。
図4】本発明の実施形態に係る単木炭素吸収源を算出する的流れ概略図である。
図5】本発明の実施形態に係る単木炭素吸収源を連続的に監視する流れ概略図である。
図6】本発明の実施形態に係る単木監視状態を検証する流れ概略図である。
図7】本発明の実施形態に係る単木炭素吸収源動的計量システムの構造ブロック図である。
図8】本発明の実施形態に係るデータ収集アプリケーションシステムの構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、添付図面を参照して以下で詳細に説明されるが、この部分の説明は、例示的及び説明的なものにすぎず、本発明の特許範囲にいかなる制限作用があるものではない。さらに、当業者は、本明細書の説明に基づいて、本明細書の実施例及び各異なる実施例の中の特徴をそれぞれ組み合わせることができる。
【0024】
本発明の実施例は以下の通りである。図1に示すように、単木炭素吸収源の動的計量方法は、以下のステップを含む。
【0025】
(1)単木調査及びデバイス配置をする。まず、対象単木に対して毎木調査を行って、調査因子を記入し、通信中継装置及び樹径を測定するための樹径測定センサを配置し、データ収集端末と樹径測定センサを通信接続し、樹径測定センサと通信中継装置を通信接続する。具体的なステップは、図2に示す通りである。
(1.1)データ収集端末を起動させて、インターネットに接続し、現場単木調査属性表、樹高グラフ、二変数材積式、及びデフォルトデータをサーバー側からダウンロードして更新する。デフォルトデータは、木材密度、バイオマス拡散係数、根-シュート比、炭素含有量を含むが、これらに限定されない。
(1.2)対象単木に到達して、現場の単木調査属性表の記入を完了し、対象単木の写真を撮影し、樹木の根元にナンバープレートを釘で打ち付ける。
(1.3)接続可能な通信中継装置があるか否かを判断し、通信中継装置がない場合、ステップ(1.4)を実行し、通信中継装置がある場合、ステップ(1.7)を実行する。
(1.4)データ収集端末を起動させてローカル信号タイプをテストし、現場通信状況及び対象単木分布状況に応じて通信中継装置のタイプを選択する。2/3/4/5Gモバイル事業者信号があれば、モバイル通信中継装置を選択し、モバイル事業者信号がなければ、北斗通信中継装置を選択する。
(1.5)対象単木が位置する林地の中央位置に1本の木を選択してアルミニウム合金ブラケットを配置して、通信中継装置を固定し信号テストを行い、成功後、通信中継装置をオン状態に維持する。
(1.6)データ収集端末を通信中継装置に接続して、データ収集頻度を設定し、通信中継装置及び樹径測定センサの起動時刻及び起動にかかる時間を決定する。
(1.7)対象単木の胸径測定位置を選択して、樹径測定センサを対象単木の樹幹に固定する。
【0026】
(2)単木データを自動的に収集して、調査データを通信中継装置に伝送して入力する。具体的には、ステップは図3に示す通りである。
(2.1)樹径測定センサの起動ボタンを押して、インジケータランプが赤色に点灯し、データ収集端末を使用して樹径測定センサに接続し、接続される樹径測定センサの番号と樹径測定センサのケースのレベルの番号が一致することを保証する。
(2.2)樹径測定センサのケーブル出口からケーブルを引き出し、対象単木を1周してから取外し防止引出線固定口に引き込む。
(2.3)データ測定センサは通信中継装置に自動的に接続され、接続が成功すると、インジケータランプが緑色に点灯し、データ収集端末において対象単木の胸径についての測定数値があるか否かを調べて、測定数値がない場合、樹径測定センサの起動ボタンを押して、起動状態でロープを再び引いて取り付けるようにする。
(2.4)樹径測定センサは通信中継装置と通信し、対象単木の調査情報、傾斜角、炭素貯蔵量、及び電池容量情報を通信センタ装置に伝送して入力し、集約して記憶する。
(2.5)樹径測定センサは通信中継装置とクロック同期化を行い、樹径測定センサの起動時刻及び起動にかかる時間を取得する。
(2.6)データ測定センサは、接続無しの状態では、所定時間おきにスリープ状態に自動的に入り、インジケータランプが消灯する。
(2.7)データ収集端末において、通信中継装置端によって算出された対象単木の実測調査結果を表示して、対象単木の胸径を算出する。対象単木の胸径は、樹径測定センサによって、直接に測定算出される。計算式は以下の通りである。
【数5】
ここで、Cは、樹径測定センサのケーブル長さであり、Dは、対象単木の胸径である。
【0027】
(3)単木炭素吸収源を算出する。ステップ(2)で収集したデータを用いて、単木の樹高、材積、バイオマス及び炭素貯蔵量を算出する。
具体的なステップは、図4に示す通りである。
(3.1)本区域の現在の樹種の樹高グラフを用いて、胸径を独立変数とし、樹高を従属変数として対象単木の高さ算出する。計算式は以下の通りである。
【数6】
ここで、Hは対象単木の樹高であり、Dは対象単木の胸径であり、
は係数である。
(3.2)対象単木のバイオマスを算出し、アロメトリック方程式法を用いる場合、ステップ(3.3)を実行し、バイオマス拡散係数法を用いる場合、ステップ(3.5)を実行する。
(3.3)アロメトリック方程式を用いて、胸径と樹高を独立変数、バイオマスを従属変数として、バイオマスを算出する。計算式は以下の通りである。
【数7】
ここで、Wは対象単木のバイオマスであり、Hは対象単木の樹高であり、Dは対象単木の直径であり、
は係数である。
(3.4)本区域の二変数材積式を用いて、胸径と樹高を独立変数、材積を従属変数として、対象単木の材積を算出する。計算式は以下の通りである。
【数8】
ここで、Vは対象単木の蓄積であり、Hは対象単木の樹高であり、Dは対象単木の直径であり、
は係数である。
(3.5)バイオマス拡散係数法を用いて、材積を独立変数、バイオマスを従属変数として、テーブルを調べて木材密度、根-シュート比、バイオマス拡散係数の3つのデフォルトデータを取得して算出する。計算式は以下の通りである。
【数9】
ここで、WDは対象単木の木材密度であり、BEFは対象単木の樹幹バイオマスを地上バイオマスに変換したバイオマス拡散係数で、無次元数であり、Rは対象単木の根-シュート比である。
(3.6)林木バイオマスの炭素含有量を利用して林木バイオマスを炭素貯蔵量に換算し、そして、炭素貯蔵量を二酸化炭素当量に変換する。計算式は以下の通りである。
【数10】
ここで、Cは対象単木の炭素貯蔵量であり、CFは対象単木の炭素含有量である。
【0028】
(4)単木状態変化を検出し、単木監視状態に変化が生じた場合、ステップ(6)を実行し、変化が生じていない場合、ステップ(5)を実行する。
【0029】
(5)単木炭素吸収源を連続的に監視する。ステップ(2)で収集したデータを設定された監視頻度で持続して受信しステップ(3)を実行するとともに、データを記憶する。前記ステップ(5)は、図5に示すように、具体的には、以下の通りである。
(5.1)通信中継装置は設定されたウェイクアップ時刻に基づいて定期的に起動する。通常、通信中継起動時刻は樹径測定センサの起動時刻よりも早い。
(5.2)通信中継装置は、衛星/移動通信基地局を介して、サーバー側のネットワークサーバーにアクセスし、次回のウェイクアップ時刻とウェイクアップ時間長さを取得する。
(5.3)樹径測定センサは設定されたウェイクアップ時刻に基づいて定期的に起動する。
(5.4)樹径測定センサは対象単木の胸径測定値を測定して取得する。
(5.5)樹径測定センサは、通信中継装置に接続されて、対象単木胸径、傾斜角及び電池容量情報を伝送する。
(5.6)樹径測定センサは、通信中継装置とクロック同期化を行い、次回のウェイクアップ時刻とウェイクアップ時間長さを取得した後、スリープ状態に入る。
(5.7)通信中継装置は、樹径測定センサによるデータを受信して記憶し、前回の測定データとの差を算出し、樹径測定センサの番号の順番に従って差の結果を返信する。樹径測定センサが測定値を取得していない場合は、差は9999に設定される。
(5.8)通信中継装置は、樹径差に基づいて、炭素貯蔵量変化量を算出してデータを格納する。計算式は以下の通りである。
【数11】
ここで、
は測定された樹木の炭素貯蔵量変化量であり、
は測定される樹木のt時刻での炭素貯蔵量であり、
は測定される樹木のt時刻での炭素貯蔵量である。
(5.9)通信中継装置は、自体のセンサデータを記憶するとともに、通信中継装置の製品番号及び各センサデータを返信する。通信中継装置自体のセンサには、温度センサ、湿度センサ、傾斜角センサが含まれるが、これらに限定されるものではないが、測定された単株木環境因子のモニタリングを実現する。
(5.10)通信中継装置は、衛星/移動通信基地局を通じて、記憶情報を通信受信装置に返送し、集約してサーバー側のネットワークサーバーに伝送する。衛星を通じて返送された情報は、北斗指揮マシンに返送し、集約してネットワークサーバーに伝送し、移動通信基地局を通じて返送された情報は、通信サーバーに返送し、集約してネットワークサーバーに伝送する。
(5.11)サーバー側において、サーバーがネットワークサーバーから取得したデータについて計算して、各単木炭素吸収源の変化量を集約して、可視化表示する。
(5.12)サーバー側において、通信中継装置と樹径測定センサはウェイクアップ時刻とウェイクアップ時間長さを設定する。
【0030】
(6)単木監視状態を検証する。単木状態を現場で検証し、デバイスの原因で単木監視状態に変化が生じたか、単木自体の状態に変化が生じたかを現場で判定し、デバイスの原因であって監視を持続する場合、ステップ(1)を実行し、単木自体の状態に変化が生じたか又は監視を持続しない場合、プロセスを終了する。
図6に示すように、前記ステップ(6)は、具体的なステップは以下の通りである。
(6.1)対象単木の周囲に到達して、調査情報及びナンバープレートに従って対象単木を探し、対象単木を見つかれば、ステップ(6.2)を実行し、対象単木を見つかれなければ、データ収集端末に単木監視状態が変化する原因を入力し、プロセスを終了する。
(6.2)通信ゲートウェイを見つけて起動させ、通信ゲートウェイを見つけていないか又は起動が失敗した場合、データ収集端末にデバイスの原因であることを入力し、ステップ(1)とステップ(2)を実行し、通信ゲートウェイの状態が正常である場合、ステップ(6.3)を実行する。
(6.3)対象単木を探し、データ収集端末にデバイスの原因であることを入力し、新しい樹径測定センサを対象単木樹幹に取り付け、ステップ(2)を実行する。
上記の実施例に基づいて、本発明の別の実施例では、前記ステップ(4)において、通信中継装置がデータ測定センサによる測定データを受信できなかった場合、単木監視状態に変化が生じたと判定する。
【0031】
上記の実施例に基づいて、本発明の別の実施例では、前記データ収集端末とサーバー側にはデータ収集アプリケーションシステムと単木炭素吸収源動的計量システムが配備されており、前記データ収集アプリケーションシステムは、サーバー側情報を取得し、調査現場で通信中継装置と樹径測定センサを接続して、データの収集、入力と計算を行い、通信中継装置とデータ測定センサに対する設定管理を行うものである。前記単木炭素吸収源動的計量システムは、管理者が分析データ収集端末で取得された単木調査データに対して集約、統計、可視化分析を行うとともに、すべての単木調査装置のパラメータ設定と運行状態を管理するものである。
【0032】
上記の実施例に基づいて、本発明の別の実施例では、図7に示すように、前記単木炭素吸収源動的計量システムは以下を含む。
【0033】
ユーザログインモジュールは、ユーザが、アイデンティティを認証して、単木炭素吸収源動的計量システムにログインすることに用いられる。
【0034】
単木地図表示・閲覧・クエリモジュールは、ユーザが、地図操作に基づくインタラクティブモードを提供し、パンニング、ズームアウト、ズームイン、階層表示などの基本的な地図操作機能、及び単木属性情報のクエリ、単木座標特定などの高度な地図操作機能を提供することに用いられる。
【0035】
調査フォーム・デフォルトデータ設定モジュールは、ユーザが、現場樹木調査属性表、樹高グラフ、二変数材積式、及びデフォルトデータを設定することに用いられる。デフォルトデータは、木材密度、バイオマス拡散係数、根-シュート比、炭素含有量を含むが、これらに限定されない。
【0036】
通信中継装置デバイス・状態管理モジュールは、ユーザが、通信中継装置のデバイス番号、デバイスタイプ、座標位置、標準地の番号情報をクエリして、通信中継装置の運行状態、電池容量、自体のセンサの測定データをチェックし、通信中継装置の監視頻度、ウェイクアップ時刻とウェイクアップ時間長さを設定することに用いられる。
【0037】
樹径測定センサデバイス・状態管理モジュールは、ユーザが、樹径測定センサのデバイス番号、単木番号情報をクエリして、樹径測定センサの運行状態、電池容量、自体センサの測定データをチェックし、樹径測定センサのウェイクアップ時刻とウェイクアップ時間長さを設定することに用いられる。
【0038】
単木炭素貯蔵量集約計算モジュールは、ユーザが、各通信中継装置によって受信装置を介して返信された樹径測定センサデータを集約して、樹高グラフ、二変数材積式、及びデフォルトデータを用いて、単木炭素貯蔵量を算出することに用いられる。計算内容は、胸径、樹高、材積、バイオマス、炭素貯蔵量を含む。
【0039】
炭素貯蔵量変化量分析モジュールは、ユーザが、集約して算出した単木データを統計して、測定・設置・調査の精度を分析して、区域、タイプ別に炭素吸収源数量、質量、構造及び分布を出力し、監視周期前後の各監視対象の状況、生産量の増加、消費量及びその動的変化を比較することに用いられる。
【0040】
炭素吸収源計量結果可視化表示モジュールは、ユーザが、3次元地図、可視化チャート、時系列軸などを用いて監視データを表示し、監視成果の動的変化を視覚的に反映することに用いられる。
【0041】
上記の実施例に基づいて、本発明の別の実施例では、図8に示すように、前記データ収集アプリケーションシステムは以下を含む。
【0042】
ユーザログインモジュールは、ユーザが、アイデンティティを認証して、データ収集アプリケーションシステムにログインすることに用いられる。
【0043】
地図操作・測位・ナビゲーション・トラック・撮像モジュールは、ユーザが、地図操作に基づくインタラクティブモードを提供し、パンニング、ズームアウト、ズームイン、階層表示などの基本的な地図操作機能、及び測位、ナビゲーション、トラック収集、撮像などの高級地図操作機能を提供することに用いられる。
【0044】
調査フォーム及びデフォルトデータダウンロードモジュールは、ユーザが、現場樹木調査属性表、樹高グラフ、二変数材積式、及びデフォルトデータをダウンロードして更新することに用いられる。デフォルトデータは、木材密度、バイオマス拡散係数、根-シュート比、炭素含有量を含むが、これらに限定されない。
【0045】
単木現場調査因子入力モジュールは、ユーザが、プロジェクトオーナー基本情報、プロジェクト責任者と連絡者、プロジェクト基本情報、プロジェクト林地基本情報、林地技術データなどの情報を入力することに用いられる。
【0046】
移動通信信号テストモジュールは、ユーザが、現場移動信号タイプ、及び移動信号強弱、及び通信受信端と通信することで信号伝送の成功率をテストすることに用いられる。2/3/4/5G移動事業者信号があれば、移動通信中継装置を選択することにユーザに提示し、移動事業者信号がなければ、北斗通信中継装置を選択することにユーザに提示する。
【0047】
通信中継装置接続・テスト・配置モジュールは、ユーザが、データ収集端末を通信中継装置に接続して、データ収集頻度を設定し、通信中継装置及び樹径測定センサの起動時刻と起動にかかる時間を決定することに用いられる。モジュールは、ユーザが設定したデータ収集頻度と電池容量に基づいて、理論監視時間の長さを推定することができる。
【0048】
樹径測定センサ接続・データ入力モジュールは、ユーザが、データ収集端末を用いて樹径測定センサに接続し、接続が正しいことを確認した後調査した樹木の樹種、森林権証明書番号、林地面積情報を入力することに用いられる。
【0049】
樹径測定センサと通信中継装置のデータ伝送モジュールは、ユーザが、調査した樹木情報の入力を完了した後、樹径測定センサと通信中継装置とのバックグラウンド通信イベントをトリガーし、樹径測定センサは、無線通信モジュールを介して、デバイス番号、樹木樹種、森林権証明書番号、林地面積情報を通信中継装置に伝送して記憶することに用いられる。
【0050】
単木炭素吸収源計量モジュールは、ユーザが、樹木調査データを取得した後、樹高グラフ、二変数材積式、及びデフォルトデータを用いて炭素貯蔵量を算出することに用いられる。計算内容は、胸径、樹高、材積、バイオマス、炭素貯蔵量を含む。
【0051】
なお、上記は本発明の好適な実施形態に過ぎず、本技術分野の一般技術者にとっては、本発明の原理を逸脱することなく、いくつかの改良及び修飾を行うことができ、これらの改良及び修飾も本発明の特許範囲内のものとして見なされるべきであることを指摘すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】