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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121231
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】遠心圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/58 20060101AFI20240830BHJP
   F04D 29/42 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
F04D29/58 P
F04D29/58 S
F04D29/42 J
F04D29/42 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028204
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】平野 貴之
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA12
3H130AA13
3H130AB07
3H130AB27
3H130AB47
3H130AB69
3H130AC01
3H130AC13
3H130BA97A
3H130BA97G
3H130CA26
3H130DB01Z
3H130DB02Z
3H130DB06Z
3H130DB13Z
3H130DD01Z
3H130EA07A
3H130EA07D
3H130EA07E
3H130EB01A
3H130EB02A
3H130ED02A
3H130ED02D
3H130ED02E
(57)【要約】
【課題】遠心圧縮機の小型化を図ること。
【解決手段】ハウジング11は、冷却水通路71を流れる冷却水によって冷却されているため、第1凹部61の内側を流れる空気が複数の冷却フィン62を介してハウジング11に効率良く放熱される。その結果、流体通路60を流れる空気が効率良く冷却される。したがって、モータ20が、流体通路60から供給される空気によって効率良く冷却される。よって、従来技術のように、インタークーラを用いずに、第2インペラの回転によって圧縮された空気の一部を利用してモータ20が冷却される。また、第1凹部61の開口を閉塞するために、既存の構成である樹脂53を利用している。したがって、第1凹部61の開口を閉塞するための閉塞部材を別途設ける必要が無い。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、
流体を圧縮するために前記回転軸と一体的に回転するインペラと、
筒状のステータを有するとともに前記回転軸を回転させるモータと、
前記インペラを収容するインペラ室、及び前記モータを収容するモータ室を区画するハウジングと、を備え、
前記ハウジングは、
前記モータを冷却するために前記ハウジングを冷却する冷却水が流れる冷却水通路と、
前記モータを冷却するために前記インペラの回転によって圧縮された流体の一部が流れる流体通路と、を有し、
前記ステータは、
ステータコアと、
前記ステータコアに巻回されるコイルの一部分であるとともに前記ステータコアの端面から突出するコイルエンドと、
前記コイルエンドをモールドする樹脂と、を有し、
前記コイルから生じる熱が前記コイルエンドから前記樹脂を介して前記ハウジングに放熱される遠心圧縮機であって、
前記ハウジングにおける前記モータ室側の面には、前記流体通路の一部を構成する第1凹部が形成されており、
前記第1凹部の底面には、冷却フィンが複数突出しており、
前記樹脂は、前記第1凹部の開口を閉塞することにより前記第1凹部と共に前記流体通路の一部を区画し、
前記第1凹部の内側を流れる流体は、前記複数の冷却フィンを介して前記ハウジングに放熱されることを特徴とする遠心圧縮機。
【請求項2】
前記ハウジングは、
前記モータ室を区画する第1壁と、
前記第1壁の外面に連結される第2壁と、を有し、
前記第1凹部は、前記第1壁における前記モータ室側の面に形成されており、
前記第2壁における前記第1壁側の面には、前記第1壁と共に前記冷却水通路の一部を構成する第2凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項3】
前記第1壁及び前記第2壁は、前記インペラ室と前記モータ室とを仕切るとともに前記回転軸が挿通される挿通孔が形成されている仕切壁を構成しており、
前記第1凹部及び前記第2凹部は、前記挿通孔の周囲で前記回転軸の周方向に延びていることを特徴とする請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項4】
前記回転軸を回転可能に支持する軸受を備え、
前記第1壁には、前記挿通孔の一部を形成する第1孔が形成されており、
前記第2壁には、前記挿通孔の一部を形成する第2孔が形成されており、
前記軸受は、前記第1孔と前記回転軸との間に配置されるとともに前記回転軸をラジアル方向で支持するラジアル軸受を含み、
前記第1凹部を通過した流体の少なくとも一部は、前記第1孔を流れることを特徴とする請求項3に記載の遠心圧縮機。
【請求項5】
前記回転軸の外周面から突出するスラストカラーを備え、
前記第1壁と前記第2壁との間には、前記第1孔と前記第2孔とを連通するとともに前記スラストカラーを収容する収容室が区画されており、
前記軸受は、前記収容室内に配置されるとともに前記スラストカラーを介して前記回転軸をスラスト方向で支持するスラスト軸受を含み、
前記第1凹部を通過した流体の一部は、前記収容室内にも流れることを特徴とする請求項4に記載の遠心圧縮機。
【請求項6】
前記流体通路は、前記収容室内を通過した流体を、前記第1孔及び前記モータ室を経由せずに前記ハウジングの外部へ排出する排出通路を有していることを特徴とする請求項5に記載の遠心圧縮機。
【請求項7】
前記流体通路は、前記第1凹部と前記モータ室とを連通する連通孔を有し、
前記第1凹部を通過した流体の少なくとも一部は、前記連通孔を介して前記モータ室に流れることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心圧縮機は、回転軸と、インペラと、モータと、ハウジングと、を備えている。インペラは、流体を圧縮するために回転軸と一体的に回転する。モータは、回転軸を回転させる。モータは、筒状のステータを有している。ハウジングは、インペラ室、及びモータ室を区画する。インペラ室は、インペラを収容する。モータ室は、モータを収容する。ステータは、ステータコアと、ステータコアに巻回されるコイルの一部分であるコイルエンドと、を有している。コイルエンドは、ステータコアの端面から突出している。また、ステータは、コイルエンドをモールドする樹脂を有している場合がある。そして、コイルから生じる熱がコイルエンドから樹脂を介してハウジングに放熱されるようになっている。
【0003】
ところで、このような遠心圧縮機においては、遠心圧縮機の耐久性の向上を図るために、モータを冷却することが望まれている。そこで、ハウジングは、冷却水通路と、流体通路と、を有している場合がある。冷却水通路には、モータを冷却するためにハウジングを冷却する冷却水が流れている。流体通路には、モータを冷却するためにインペラの回転によって圧縮された流体の一部が流れる。
【0004】
モータから生じる熱は、ハウジングに放熱される。このとき、冷却水通路を流れる冷却水によってハウジングが冷却されているため、モータから生じる熱は、ハウジングに効率良く放熱される。その結果、モータが効率良く冷却される。
【0005】
一方で、流体通路を流れる流体は、モータを冷却するために、インペラの回転によって圧縮された後の流体の温度よりも低い温度の状態で、モータに供給される必要がある。そこで、例えば特許文献1に開示されているように、インペラの回転によって圧縮された後の流体をインタークーラによって冷却した後、流体通路を介してモータに供給することが知られている。これにより、モータが、流体通路から供給される流体によって冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-7026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このように、インタークーラを用いて、インペラの回転によって圧縮された後の流体を冷却する構成では、インタークーラを設ける分だけ、遠心圧縮機の体格が大型化してしまう。したがって、インタークーラを用いずに、インペラの回転によって圧縮された流体の一部を利用してモータを冷却することにより、遠心圧縮機の体格の小型化を図ることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する遠心圧縮機は、回転軸と、流体を圧縮するために前記回転軸と一体的に回転するインペラと、筒状のステータを有するとともに前記回転軸を回転させるモータと、前記インペラを収容するインペラ室、及び前記モータを収容するモータ室を区画するハウジングと、を備え、前記ハウジングは、前記モータを冷却するために前記ハウジングを冷却する冷却水が流れる冷却水通路と、前記モータを冷却するために前記インペラの回転によって圧縮された流体の一部が流れる流体通路と、を有し、前記ステータは、ステータコアと、前記ステータコアに巻回されるコイルの一部分であるとともに前記ステータコアの端面から突出するコイルエンドと、前記コイルエンドをモールドする樹脂と、を有し、前記コイルから生じる熱が前記コイルエンドから前記樹脂を介して前記ハウジングに放熱される遠心圧縮機であって、前記ハウジングにおける前記モータ室側の面には、前記流体通路の一部を構成する第1凹部が形成されており、前記第1凹部の底面には、冷却フィンが複数突出しており、前記樹脂は、前記第1凹部の開口を閉塞することにより前記第1凹部と共に前記流体通路の一部を区画し、前記第1凹部の内側を流れる流体は、前記複数の冷却フィンを介して前記ハウジングに放熱される。
【0009】
これによれば、ハウジングは、冷却水通路を流れる冷却水によって冷却されているため、第1凹部の内側を流れる流体が複数の冷却フィンを介してハウジングに効率良く放熱される。その結果、流体通路を流れる流体が効率良く冷却される。したがって、モータが、流体通路から供給される流体によって効率良く冷却される。よって、従来技術のように、インタークーラを用いずに、インペラの回転によって圧縮された流体の一部を利用してモータを冷却することができる。
【0010】
また、第1凹部の開口を閉塞するために、既存の構成である樹脂を利用している。したがって、第1凹部の開口を閉塞するための閉塞部材を別途設ける必要が無いため、その分、遠心圧縮機の小型化を図ることができる。以上により、遠心圧縮機の小型化を図ることができる。
【0011】
上記遠心圧縮機において、前記ハウジングは、前記モータ室を区画する第1壁と、前記第1壁の外面に連結される第2壁と、を有し、前記第1凹部は、前記第1壁における前記モータ室側の面に形成されており、前記第2壁における前記第1壁側の面には、前記第1壁と共に前記冷却水通路の一部を構成する第2凹部が形成されているとよい。
【0012】
これによれば、第2凹部は、第1壁と共に冷却水通路の一部を構成しているため、第2凹部の内側を流れる冷却水によって第1壁が冷却される。したがって、第1凹部の内側を流れる流体が、複数の冷却フィンを介して第1壁に効率良く放熱される。その結果、流体通路を流れる流体が効率良く冷却される。したがって、モータが、流体通路から供給される流体によって効率良く冷却される。よって、従来技術のように、インタークーラを用いずに、インペラの回転によって圧縮された流体の一部を利用してモータを冷却することができる。
【0013】
上記遠心圧縮機において、前記第1壁及び前記第2壁は、前記インペラ室と前記モータ室とを仕切るとともに前記回転軸が挿通される挿通孔が形成されている仕切壁を構成しており、前記第1凹部及び前記第2凹部は、前記挿通孔の周囲で前記回転軸の周方向に延びているとよい。
【0014】
これによれば、第1凹部及び第2凹部が、挿通孔の周囲で回転軸の周方向に延びているため、例えば、第1凹部及び第2凹部が回転軸の軸方向に延びている場合に比べて、遠心圧縮機における回転軸の軸方向の体格の小型化を図ることができる。
【0015】
上記遠心圧縮機において、前記回転軸を回転可能に支持する軸受を備え、前記第1壁には、前記挿通孔の一部を形成する第1孔が形成されており、前記第2壁には、前記挿通孔の一部を形成する第2孔が形成されており、前記軸受は、前記第1孔と前記回転軸との間に配置されるとともに前記回転軸をラジアル方向で支持するラジアル軸受を含み、前記第1凹部を通過した流体の少なくとも一部は、前記第1孔を流れるとよい。これによれば、第1凹部を通過した流体の少なくとも一部が、第1孔を流れることにより、ラジアル軸受を冷却することができる。
【0016】
上記遠心圧縮機において、前記回転軸の外周面から突出するスラストカラーを備え、前記第1壁と前記第2壁との間には、前記第1孔と前記第2孔とを連通するとともに前記スラストカラーを収容する収容室が区画されており、前記軸受は、前記収容室内に配置されるとともに前記スラストカラーを介して前記回転軸をスラスト方向で支持するスラスト軸受を含み、前記第1凹部を通過した流体の一部は、前記収容室内にも流れるとよい。これによれば、第1凹部を通過した流体の一部が、収容室内にも流れることにより、ラジアル軸受に加えて、スラスト軸受も冷却することができる。
【0017】
上記遠心圧縮機において、前記流体通路は、前記収容室内を通過した流体を、前記第1孔及び前記モータ室を経由せずに前記ハウジングの外部へ排出する排出通路を有しているとよい。これによれば、例えば、スラスト軸受を冷却して暖まっている流体によって、ラジアル軸受及びモータを暖めてしまうといった問題を回避することができる。
【0018】
上記遠心圧縮機において、前記流体通路は、前記第1凹部と前記モータ室とを連通する連通孔を有し、前記第1凹部を通過した流体の少なくとも一部は、前記連通孔を介して前記モータ室に流れるとよい。これによれば、第1凹部を通過した流体の少なくとも一部が、連通孔を介してモータ室に流れることにより、モータを効率良く冷却することができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、遠心圧縮機の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態における遠心圧縮機の断面図である。
図2】遠心圧縮機の一部分を拡大して示す断面図である。
図3図2における3-3線断面図である。
図4図2における4-4線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、遠心圧縮機を具体化した一実施形態を図1図4にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態の遠心圧縮機は、燃料電池車に搭載されている。遠心圧縮機は、燃料電池スタックに供給される流体としての空気を圧縮する。
【0022】
<遠心圧縮機10の基本構成>
図1に示すように、遠心圧縮機10は、ハウジング11を備えている。ハウジング11は、金属材料製である。ハウジング11は、例えば、アルミニウム製である。ハウジング11は、モータハウジング12、第1コンプレッサハウジング13、第2コンプレッサハウジング14、第1プレート15、及び第2プレート16を有している。
【0023】
モータハウジング12は、端壁12aと、周壁12bと、を有している。端壁12aは、板状である。周壁12bは、端壁12aの外周部から筒状に延びている。周壁12bには、ウォータジャケット17が設けられている。ウォータジャケット17は、環状である。ウォータジャケット17には、図示しない冷却水回路からの冷却水が流れている。ウォータジャケット17を流れる冷却水は、モータハウジング12を冷却している。
【0024】
第1プレート15は、モータハウジング12の周壁12bの開口側の端部に連結されている。第1プレート15は、モータハウジング12の周壁12bの開口を閉塞している。そして、モータハウジング12及び第1プレート15によってモータ室18が区画されている。したがって、ハウジング11は、モータ室18を有している。ハウジング11は、モータ室18を区画する。
【0025】
遠心圧縮機10は、モータ20を備えている。モータ20は、モータ室18に収容されている。したがって、モータ室18は、モータ20を収容する。モータハウジング12は、モータ20を取り囲んでいる。
【0026】
第1プレート15には、第1孔15hが形成されている。第1孔15hは、第1プレート15の中央部を貫通している。第1孔15hは、円孔状である。第1孔15hの第1端は、モータ室18に連通している。第1孔15hの第2端は、第1プレート15におけるモータハウジング12とは反対側の端面に開口している。
【0027】
第2プレート16は、第1プレート15におけるモータハウジング12とは反対側の端面に連結されている。第2プレート16は、第2プレート16の厚み方向が第1プレート15の厚み方向に一致した状態で、第1プレート15に取り付けられている。
【0028】
図2に示すように、第2プレート16は、室形成凹部21を有している。室形成凹部21は、第2プレート16における第1プレート15側の端面の中央部に形成されている。室形成凹部21は、円孔状である。室形成凹部21の軸線と第1孔15hの軸線とは一致している。室形成凹部21の開口は、第1プレート15によって閉塞されている。そして、室形成凹部21と第1プレート15とによって、収容室22が区画されている。したがって、第1プレート15と第2プレート16との間には、収容室22が区画されている。収容室22は、第1孔15hに連通している。
【0029】
第2プレート16には、第2孔16hが形成されている。第2孔16hは、第2プレート16の中央部を貫通している。第2孔16hは、円孔状である。第2孔16hの軸線は、室形成凹部21の軸線、及び第1孔15hの軸線と一致している。第2孔16hは、収容室22に連通している。したがって、収容室22は、第1孔15hと第2孔16hとを連通する。第1孔15h及び第2孔16hは、第1挿通孔23を形成している。したがって、第1プレート15には、第1挿通孔23の一部を形成する第1孔15hが形成されている。第2プレート16には、第1挿通孔23の一部を形成する第2孔16hが形成されている。
【0030】
図1に示すように、モータハウジング12の端壁12aには、第2挿通孔24が形成されている。第2挿通孔24は、モータハウジング12の端壁12aの中央部を貫通している。第2挿通孔24は、円孔状である。第2挿通孔24の第1端は、モータ室18に連通している。第2挿通孔24の第2端は、モータハウジング12の端壁12aの外面に開口している。
【0031】
第1コンプレッサハウジング13は、空気が吸入される円孔状の第1吸入口27を有する筒状である。第1コンプレッサハウジング13は、第1吸入口27の軸線が、第2孔16hの軸線と一致した状態で、第2プレート16における第1プレート15とは反対側の端面に連結されている。第1吸入口27は、第1コンプレッサハウジング13における第2プレート16とは反対側の端面に開口している。ハウジング11は、第1吸入口27を区画する。第1吸入口27には、図示しないエアクリーナによって清浄化された空気が流れる。
【0032】
遠心圧縮機10は、第1インペラ室28、第1吐出室29、及び第1ディフューザ流路30を備えている。第1インペラ室28、第1吐出室29、及び第1ディフューザ流路30は、第1コンプレッサハウジング13と第2プレート16との間に形成されている。したがって、ハウジング11は、第1インペラ室28を有している。ハウジング11は、第1インペラ室28を区画する。第1吸入口27は、第1インペラ室28に空気を吸入する。
【0033】
第1プレート15及び第2プレート16は、第1インペラ室28とモータ室18とを仕切る仕切壁を構成している。したがって、ハウジング11は、第1インペラ室28とモータ室18とを仕切る仕切壁を有している。第1プレート15は、モータ室18を区画する第1壁である。第2プレート16は、第1プレート15の外面に連結される第2壁である。
【0034】
第1インペラ室28は、第1吸入口27に連通している。第1吐出室29は、第1インペラ室28の周囲で第1吸入口27の軸線周りに延びている。第1ディフューザ流路30は、第1インペラ室28と第1吐出室29とを連通している。第1インペラ室28は、第2孔16hに連通している。
【0035】
遠心圧縮機10は、第1吐出通路31を有している。第1吐出通路31の第1端は、第1吐出室29に連通している。第1吐出通路31の第2端は、第1コンプレッサハウジング13の外周面に開口している。
【0036】
第2コンプレッサハウジング14は、空気が吸入される円孔状の第2吸入口32を有する筒状である。第2コンプレッサハウジング14は、第2吸入口32の軸線が、第2挿通孔24の軸線と一致した状態で、モータハウジング12の端壁12aの外面に連結されている。第2吸入口32は、第2コンプレッサハウジング14におけるモータハウジング12とは反対側の端面に開口している。ハウジング11は、第2吸入口32を区画する。
【0037】
遠心圧縮機10は、第2インペラ室33、第2吐出室34、及び第2ディフューザ流路35を備えている。第2インペラ室33、第2吐出室34、及び第2ディフューザ流路35は、第2コンプレッサハウジング14とモータハウジング12の端壁12aとの間に形成されている。したがって、ハウジング11は、第2インペラ室33を有している。ハウジング11は、第2インペラ室33を区画する。第2吸入口32は、第2インペラ室33に空気を吸入する。
【0038】
モータハウジング12の端壁12aは、第2インペラ室33とモータ室18とを仕切る仕切壁を構成している。したがって、ハウジング11は、第2インペラ室33とモータ室18とを仕切る仕切壁を有している。第2インペラ室33は、第2吸入口32に連通している。第2吐出室34は、第2インペラ室33の周囲で第2吸入口32の軸線周りに延びている。第2ディフューザ流路35は、第2インペラ室33と第2吐出室34とを連通している。第2インペラ室33は、第2挿通孔24に連通している。
【0039】
遠心圧縮機10は、第2吐出通路36を有している。第2吐出通路36の第1端は、第2吐出室34に連通している。第2吐出通路36の第2端は、第2コンプレッサハウジング14の外周面に開口している。第2吐出通路36には、供給配管37が接続されている。供給配管37は、燃料電池スタック38に接続されている。供給配管37の第1端は、第2吐出通路36に接続されている。供給配管37の第2端は、燃料電池スタック38に接続されている。第2吐出室34は、第2吐出通路36及び供給配管37を介して燃料電池スタック38に接続されている。
【0040】
遠心圧縮機10は、接続配管39を備えている。接続配管39の第1端は、第1吐出通路31に連通している。接続配管39の第2端は、第2吸入口32に連通している。接続配管39内には、第1吐出室29から第1吐出通路31に吐出された空気が流れる。そして、接続配管39内を通過した空気は、第2吸入口32を介して第2インペラ室33に吸入される。
【0041】
遠心圧縮機10は、回転体40を備えている。回転体40は、回転軸41、第1インペラ42、第2インペラ43、及びスラストカラー44を含む。したがって、遠心圧縮機10は、回転軸41と、インペラである第1インペラ42及び第2インペラ43と、スラストカラー44と、を備えている。回転軸41は、ハウジング11内に収容されている。
【0042】
第1インペラ42は、第1インペラ室28に収容されている。したがって、第1インペラ室28は、第1インペラ42を収容するインペラ室である。第2インペラ43は、第2インペラ室33に収容されている。したがって、第2インペラ室33は、第2インペラ43を収容するインペラ室である。
【0043】
回転軸41は、モータハウジング12の軸線に沿って延びた状態で、モータ室18を横切っている。回転軸41の軸方向は、モータハウジング12の軸方向に一致している。回転軸41の第1端部は、モータ室18から第1孔15h、収容室22、及び第2孔16hを通過して、第1インペラ室28内に突出している。したがって、第1挿通孔23は、回転軸41が挿通される挿通孔である。このように、第1プレート15及び第2プレート16は、第1インペラ室28とモータ室18とを仕切るとともに回転軸41が挿通される第1挿通孔23が形成されている仕切壁を構成している。
【0044】
回転軸41の第2端部は、モータ室18から第2挿通孔24を通過して、第2インペラ室33内に突出している。したがって、第2挿通孔24は、回転軸41が挿通される挿通孔である。このように、モータハウジング12の端壁12aは、第2インペラ室33とモータ室18とを仕切るとともに回転軸41が挿通される第2挿通孔24が形成されている仕切壁を構成している。
【0045】
回転軸41の第1端には、第1インペラ42が連結されている。第1インペラ42は、第1インペラ室28に吸入された空気を圧縮するために回転軸41と一体的に回転する。回転軸41の第2端には、第2インペラ43が連結されている。第2インペラ43は、第2インペラ室33に吸入された空気を圧縮するために回転軸41と一体的に回転する。第2インペラ43は、第1インペラ42の回転によって圧縮された後の空気を圧縮するために回転する。
【0046】
スラストカラー44は、回転軸41の外周面から環状に突出している。スラストカラー44は、円板状である。スラストカラー44は、回転軸41の外周面から径方向外側へ環状に突出した状態で、回転軸41の外周面に固定されている。スラストカラー44は、回転軸41とは別体である。スラストカラー44は、収容室22内に配置されている。したがって、収容室22は、スラストカラー44を収容する。スラストカラー44は、回転軸41と一体的に回転する。
【0047】
遠心圧縮機10は、第1シール部材45を備えている。第1シール部材45は、第2孔16hと回転軸41との間に設けられている。第1シール部材45は、第1インペラ室28から第1挿通孔23を介したモータ室18に向かう空気の洩れを抑制する。第1シール部材45は、例えば、シールリングである。
【0048】
遠心圧縮機10は、第2シール部材46を備えている。第2シール部材46は、第2挿通孔24と回転軸41との間に設けられている。第2シール部材46は、第2インペラ室33から第2挿通孔24を介したモータ室18に向かう空気の洩れを抑制する。第2シール部材46は、例えば、シールリングである。
【0049】
モータ20は、筒状のロータ47と、筒状のステータ48と、を有している。ロータ47は、回転軸41に固定されている。ステータ48は、ハウジング11に固定されている。ロータ47は、ステータ48の径方向内側に配置されている。ロータ47は、回転軸41と一体的に回転する。ロータ47は、回転軸41に固定された円筒状のロータコア49と、ロータコア49に設けられた図示しない複数の永久磁石と、を有している。ステータ48は、ロータ47を取り囲んでいる。ステータ48は、円筒状のステータコア50と、コイル51と、を有している。ステータコア50は、モータハウジング12の内周面に固定されている。コイル51は、ステータコア50に巻回されている。
【0050】
回転軸41は、図示しないバッテリからコイル51に電流が流れることによって、ロータ47と一体的に回転する。したがって、モータ20は、回転軸41を回転させる。モータ20は、回転軸41の軸方向において、第1インペラ42と第2インペラ43との間に配置されている。
【0051】
ステータ48は、コイルエンド52を有している。コイルエンド52は、コイル51の一部分であるとともにステータコア50の両端面からそれぞれ突出している。なお、以下の説明では、ステータコア50における第1プレート15側に位置するコイルエンド52を、「第1コイルエンド52a」と記載する。また、ステータコア50におけるモータハウジング12の端壁12a側に位置するコイルエンド52を、「第2コイルエンド52b」と記載する。
【0052】
ステータ48は、樹脂53を有している。樹脂53は、ステータコア50及びコイルエンド52を被覆している。樹脂53は、コイルエンド52をモールドする。樹脂53は、第1樹脂部53a、第2樹脂部53b、及び第3樹脂部53cを有している。第1樹脂部53aは、第1コイルエンド52aを覆う筒状である。第2樹脂部53bは、第2コイルエンド52bを覆う筒状である。第3樹脂部53cは、ステータコア50の内周面を覆う筒状である。第3樹脂部53cは、第1樹脂部53aと第2樹脂部53bとを接続している。
【0053】
第1樹脂部53aは、モータハウジング12の周壁12bの内周面、及び第1プレート15におけるモータ室18側の面に熱的に結合されている。第2樹脂部53bは、モータハウジング12の周壁12bの内周面、及びモータハウジング12の端壁12aの内面に熱的に結合されている。そして、コイル51から生じる熱は、第1コイルエンド52aから第1樹脂部53aを介してモータハウジング12の周壁12b及び第1プレート15に放熱される。また、コイル51から生じる熱は、第2コイルエンド52bから第2樹脂部53bを介してモータハウジング12の周壁12b及び端壁12aに放熱される。したがって、コイル51から生じる熱はコイルエンド52から樹脂53を介してハウジング11に放熱される。
【0054】
遠心圧縮機10は、ラジアル軸受としての第1ラジアル軸受54を備えている。第1ラジアル軸受54は円筒状である。第1ラジアル軸受54は、空気軸受である。第1ラジアル軸受54は、第1孔15hと回転軸41との間に配置されている。第1ラジアル軸受54は、回転軸41におけるモータ20よりも回転軸41の第1端部寄りに位置する部位を回転可能に支持する軸受である。
【0055】
遠心圧縮機10は、ラジアル軸受としての第2ラジアル軸受55を備えている。第2ラジアル軸受55は円筒状である。第2ラジアル軸受55は、空気軸受である。第2ラジアル軸受55は、第2挿通孔24と回転軸41との間に配置されている。第2ラジアル軸受55は、回転軸41におけるモータ20よりも回転軸41の第2端部寄りに位置する部位を回転可能に支持する軸受である。第2ラジアル軸受55は、第2シール部材46よりもモータ室18寄りに位置している。
【0056】
第1ラジアル軸受54及び第2ラジアル軸受55は、モータ20を回転軸41の軸方向で挟んだ両側の位置で回転軸41をラジアル方向で回転可能に支持する。なお、「ラジアル方向」とは、回転軸41の軸方向に対して直交する方向である。
【0057】
遠心圧縮機10は、スラスト軸受56を備えている。スラスト軸受56は、収容室22内に配置されている。したがって、収容室22は、スラスト軸受56を収容する。スラスト軸受56は、スラストカラー44を介して回転軸41をスラスト方向で回転可能に支持する軸受である。なお、「スラスト方向」とは、回転軸41の回転軸線方向に対して平行な方向である。このように、遠心圧縮機10は、回転軸41を回転可能に支持する軸受を備えている。軸受は、ラジアル軸受である第1ラジアル軸受54及び第2ラジアル軸受55と、スラスト軸受56と、を含む。
【0058】
第1吸入口27を介して第1インペラ室28に吸入された空気は、第1インペラ42の回転によって加速されながら、第1ディフューザ流路30に送り込まれて、第1ディフューザ流路30を通過することにより昇圧される。そして、第1ディフューザ流路30を通過した空気は、第1吐出室29に吐出される。第1吐出室29に吐出された空気は、第1吐出通路31に吐出される。第1吐出通路31に吐出された空気は、接続配管39及び第2吸入口32を介して第2インペラ室33に吸入される。第2インペラ室33に吸入された空気は、第2インペラ43の回転によって加速されながら、第2ディフューザ流路35に送り込まれて、第2ディフューザ流路35を通過することにより昇圧される。そして、第2ディフューザ流路35を通過した空気は、第2吐出室34に吐出される。第2吐出室34に吐出された空気は、第2吐出通路36に吐出される。第2吐出通路36に吐出された空気は、供給配管37を介して燃料電池スタック38に供給される。したがって、遠心圧縮機10は、燃料電池スタック38に対して空気を供給する。燃料電池スタック38に供給された空気に含まれる酸素は、燃料電池スタック38の発電に寄与する。
【0059】
<流体通路60>
図2及び図3に示すように、遠心圧縮機10は、第1凹部61を備えている。第1凹部61は、第1プレート15におけるモータ室18側の面に形成されている。したがって、ハウジング11におけるモータ室18側の面には、第1凹部61が形成されている。第1凹部61は、第1挿通孔23の周囲で回転軸41の周方向に延びている。第1凹部61は、円環状である。
【0060】
第1凹部61の底面には、冷却フィン62が複数突出している。複数の冷却フィン62は、円環状である。複数の冷却フィン62は、第1凹部61の軸線を中心とした同心円上に配置されている。第1凹部61の底面からの各冷却フィン62の突出高さは、第1プレート15におけるモータ室18側の面よりも低い。
【0061】
図2に示すように、第1樹脂部53aは、第1凹部61の開口を閉塞している。したがって、樹脂53は、第1凹部61の開口を閉塞している。そして、第1凹部61と樹脂53とによって環状通路63が区画されている。なお、第1樹脂部53aと第1プレート15におけるモータ室18側の面との間には、放熱シート64が介在されている。放熱シート64は、例えば、ゴム製である。放熱シート64は、第1樹脂部53aと第1プレート15におけるモータ室18側の面との間で弾性変形することにより、第1樹脂部53aの寸法公差を吸収している。
【0062】
第1プレート15には、流体導入通路65が形成されている。流体導入通路65の第1端は、第1プレート15の外周面に開口している。流体導入通路65の第2端は、第1凹部61の内側に連通している。したがって、流体導入通路65の第2端は、環状通路63に連通している。
【0063】
第1プレート15には、第1供給通路66が形成されている。第1供給通路66の第1端は、第1凹部61の内側に連通している。したがって、第1供給通路66の第1端は、環状通路63に連通している。第1供給通路66の第2端は、第1孔15hに連通している。したがって、第1供給通路66は、第1凹部61と第1挿通孔23とを連通する。
【0064】
第1プレート15には、第2供給通路67が形成されている。第2供給通路67の第1端は、第1供給通路66に連通している。したがって、第2供給通路67の第1端は、第1供給通路66を介して第1凹部61に連通している。第2供給通路67の第2端は、収容室22に連通している。
【0065】
第1プレート15には、連通孔68が形成されている。連通孔68の第1端は、第1供給通路66に連通している。したがって、連通孔68は、第1供給通路66を介して第1凹部61に連通している。連通孔68の第2端は、モータ室18に連通している。したがって、連通孔68は、第1凹部61とモータ室18とを連通する。
【0066】
第2プレート16には、排出通路69が形成されている。排出通路69の第1端は、収容室22に連通している。排出通路69の第2端は、第2プレート16の外周面に開口している。排出通路69は、収容室22とハウジング11の外部とを連通している。
【0067】
図1に示すように、モータハウジング12の端壁12aには、流体排出通路70が形成されている。流体排出通路70の第1端は、第2挿通孔24における第2ラジアル軸受55と第2シール部材46との間の部分に連通している。流体排出通路70の第2端は、端壁12aの外周面に開口している。流体排出通路70は、第2挿通孔24とハウジング11の外部とを連通している。
【0068】
流体導入通路65の第1端には、分岐配管57が接続されている。分岐配管57は、供給配管37の途中から分岐されている。分岐配管57の第1端は、供給配管37に接続されている。分岐配管57の第2端は、流体導入通路65の第1端に接続されている。
【0069】
供給配管37を流れる空気の一部は、分岐配管57に流れ込む。分岐配管57に流れ込んだ空気は、流体導入通路65を介して環状通路63に導入される。環状通路63に導入された空気は、環状通路63を通過して第1供給通路66に流れ込む。
【0070】
第1供給通路66に流れ込んだ空気の一部は、第1孔15hに流れ込む。第1孔15hに流れ込んだ空気は、第1孔15hを介してモータ室18に流れる。したがって、第1凹部61を通過した空気の一部は、第1孔15hを流れる。
【0071】
また、第1供給通路66に流れ込んだ空気の一部は、第2供給通路67に流れ込む。第2供給通路67に流れ込んだ空気は、収容室22内に導入される。したがって、第1凹部61を通過した空気の一部は、収容室22内にも流れる。収容室22内に導入された空気は、収容室22内を通過して排出通路69に流れ込むとともに、排出通路69を介してハウジング11の外部へ排出される。したがって、排出通路69は、収容室22内を通過した空気を、第1孔15h及びモータ室18を経由せずにハウジング11の外部へ排出する。
【0072】
第1供給通路66に流れ込んだ空気の一部は、連通孔68を介してモータ室18に流れる。したがって、第1凹部61を通過した空気の一部は、連通孔68を介してモータ室18に流れる。
【0073】
モータ室18に流れ込んだ空気は、モータ室18から第2挿通孔24に流れ込む。そして、第2挿通孔24に流れ込んだ空気は、第2挿通孔24から流体排出通路70を介してハウジング11の外部へ排出される。
【0074】
このように、ハウジング11は、第2インペラ43の回転によって圧縮された空気の一部が流れる流体通路60を有している。流体導入通路65、環状通路63、第1供給通路66、第2供給通路67、収容室22、排出通路69、連通孔68、第1孔15h、モータ室18、第2挿通孔24、及び流体排出通路70は、流体通路60を構成している。したがって、第1凹部61は、流体通路60の一部を構成する。樹脂53は、第1凹部61の開口を閉塞することにより第1凹部61と共に流体通路60の一部を区画する。流体通路60は、排出通路69を有している。流体通路60は、連通孔68を有している。
【0075】
<冷却水通路71>
図2及び図4に示すように、遠心圧縮機10は、第2凹部72を備えている。第2凹部72は、第2プレート16における第1プレート15側の面に形成されている。したがって、第2プレート16における第1プレート15側の面には、第2凹部72が形成されている。第2凹部72は、第1挿通孔23の周囲で回転軸41の周方向に延びている。
【0076】
図4に示すように、第2凹部72は、正面視すると、C字状である。したがって、第2凹部72は、非環状である。第2凹部72は、第1挿通孔23の周囲で回転軸41の周方向に略一周延びている。第2凹部72の周方向の第1端部と第2凹部72の周方向の第2端部とは、第1挿通孔23の軸線を径方向で横切る直線L1を挟んで隣り合っている。
【0077】
図2に示すように、第1プレート15は、第2凹部72の開口を閉塞している。そして、第2凹部72と第1プレート15とによって非環状通路73が区画されている。
図4に示すように、遠心圧縮機10は、冷却水導入通路74と、冷却水還流通路75と、を備えている。冷却水導入通路74は、第1通路孔74aと、第2通路孔74bと、を有している。第1通路孔74aは、モータハウジング12の周壁12b、第1プレート15、及び第2プレート16の内部を回転軸41の軸方向に貫通している。第2通路孔74bは、第2プレート16に形成されている。
【0078】
第1通路孔74aの第1端は、ウォータジャケット17に連通している。第1通路孔74aの第2端は、第2通路孔74bに連通している。第2通路孔74bの第1端は、第2プレート16の外周面に開口している。第2通路孔74bの第2端は、第2凹部72の第1端部に連通している。したがって、冷却水導入通路74は、ウォータジャケット17と非環状通路73の第1端部とを連通する。なお、第2通路孔74bの第1端は、第1封止部材74cによって封止されている。
【0079】
冷却水還流通路75は、第3通路孔75aと、第4通路孔75bと、を有している。第3通路孔75aは、第2プレート16に形成されている。第4通路孔75bは、モータハウジング12の周壁12b、第1プレート15、及び第2プレート16の内部を回転軸41の軸方向に貫通している。第3通路孔75aの第1端は、第2凹部72の第2端部に連通している。第3通路孔75aの第2端は、第2プレート16の外周面に開口している。第4通路孔75bの第1端は、第3通路孔75aに連通している。第4通路孔75bの第2端は、ウォータジャケット17に連通している。したがって、冷却水還流通路75は、非環状通路73の第2端部とウォータジャケット17とを連通する。なお、第3通路孔75aの第2端は、第2封止部材75cによって封止されている。
【0080】
ウォータジャケット17を流れる冷却水は、冷却水導入通路74を介して非環状通路73の第1端部に流れ込む。非環状通路73に流れ込んだ冷却水は、非環状通路73の第1端部から第2端部に向けて流れる。そして、非環状通路73を流れる冷却水は、非環状通路73の第2端部から冷却水還流通路75を介してウォータジャケット17に還流される。
【0081】
このように、ハウジング11は、ハウジング11を冷却する冷却水が流れる冷却水通路71を有している。ウォータジャケット17、冷却水導入通路74、非環状通路73、及び冷却水還流通路75は、冷却水通路71を構成している。したがって、第2凹部72は、第1プレート15と共に冷却水通路71の一部を構成する。
【0082】
図2に示すように、第1プレート15における第2プレート16側の面には、冷却水フィン76が複数突出している。複数の冷却水フィン76は、第2凹部72の内側に入り込んでいる。各冷却水フィン76の先端は、第2凹部72の底面から離間している。図4に示すように、複数の冷却水フィン76は、正面視すると、C字状である。複数の冷却水フィン76は、第2凹部72に沿って延びている。
【0083】
[実施形態の作用]
次に、本実施形態の作用について説明する。
スラスト軸受56は、収容室22を通過する空気によって冷却される。第1ラジアル軸受54は、第1挿通孔23の第1孔15hを通過する空気によって冷却される。モータ20は、モータ室18を通過する空気によって冷却される。第2ラジアル軸受55は、第2挿通孔24を通過する空気によって冷却される。このように、遠心圧縮機10においては、第2インペラ43によって圧縮された空気の一部をハウジング11内へ導入することにより、スラスト軸受56、第1ラジアル軸受54、第2ラジアル軸受55、及びモータ20を冷却する。
【0084】
ハウジング11は、冷却水通路71を流れる冷却水によって冷却されているため、第1凹部61の内側を流れる空気が複数の冷却フィン62を介してハウジング11に効率良く放熱される。具体的には、第2凹部72は、第1プレート15と共に冷却水通路71の一部を構成している。第1プレート15の熱は、複数の冷却水フィン76を介して第2凹部72の内側を流れる冷却水に放熱される。このため、第2凹部72の内側を流れる冷却水によって第1プレート15が冷却されている。したがって、第1凹部61の内側を流れる空気が、複数の冷却フィン62を介して第1プレート15に効率良く放熱されている。その結果、流体通路60を流れる空気が効率良く冷却されている。したがって、モータ20、第1ラジアル軸受54、第2ラジアル軸受55、及びスラスト軸受56が、流体通路60から供給される空気によって効率良く冷却されている。
【0085】
このように、冷却水通路71には、モータ20、第1ラジアル軸受54、第2ラジアル軸受55、及びスラスト軸受56を冷却するためにハウジング11を冷却する冷却水が流れている。そして、流体通路60には、モータ20、第1ラジアル軸受54、第2ラジアル軸受55、及びスラスト軸受56を冷却するために第2インペラ43の回転によって圧縮された空気の一部が流れている。
【0086】
[実施形態の効果]
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)ハウジング11は、冷却水通路71を流れる冷却水によって冷却されているため、第1凹部61の内側を流れる空気が複数の冷却フィン62を介してハウジング11に効率良く放熱される。その結果、流体通路60を流れる空気が効率良く冷却される。したがって、モータ20、第1ラジアル軸受54、第2ラジアル軸受55、及びスラスト軸受56が、流体通路60から供給される空気によって効率良く冷却される。よって、従来技術のように、インタークーラを用いずに、第2インペラ43の回転によって圧縮された空気の一部を利用してモータ20、第1ラジアル軸受54、第2ラジアル軸受55、及びスラスト軸受56を冷却することができる。
【0087】
また、第1凹部61の開口を閉塞するために、既存の構成である樹脂53を利用している。したがって、第1凹部61の開口を閉塞するための閉塞部材を別途設ける必要が無いため、その分、遠心圧縮機10の小型化を図ることができる。以上により、遠心圧縮機10の小型化を図ることができる。
【0088】
(2)第2凹部72は、第1プレート15と共に冷却水通路71の一部を構成しているため、第2凹部72の内側を流れる冷却水によって第1プレート15が冷却される。したがって、第1凹部61の内側を流れる空気が、複数の冷却フィン62を介して第1プレート15に効率良く放熱される。その結果、流体通路60を流れる空気が効率良く冷却される。したがって、モータ20、第1ラジアル軸受54、第2ラジアル軸受55、及びスラスト軸受56が、流体通路60から供給される空気によって効率良く冷却される。よって、従来技術のように、インタークーラを用いずに、第2インペラ43の回転によって圧縮された空気の一部を利用してモータ20、第1ラジアル軸受54、第2ラジアル軸受55、及びスラスト軸受56を冷却することができる。
【0089】
(3)第1凹部61及び第2凹部72が、第1挿通孔23の周囲で回転軸41の周方向に延びている。このため、例えば、第1凹部61及び第2凹部72が回転軸41の軸方向に延びている場合に比べて、遠心圧縮機10における回転軸41の軸方向の体格の小型化を図ることができる。
【0090】
(4)第1凹部61を通過した空気が、第1孔15hを流れることにより、第1ラジアル軸受54を冷却することができる。
(5)第1凹部61を通過した空気の一部が、収容室22内にも流れることにより、第1ラジアル軸受54に加えて、スラスト軸受56も冷却することができる。
【0091】
(6)流体通路60は、収容室22内を通過した空気を、第1孔15h及びモータ室18を経由せずにハウジング11の外部へ排出する排出通路69を有している。これによれば、例えば、スラスト軸受56を冷却して暖まっている空気によって、第1ラジアル軸受54及びモータ20を暖めてしまうといった問題を回避することができる。
【0092】
(7)第1凹部61を通過した空気が、連通孔68を介してモータ室18に流れることにより、モータ20を効率良く冷却することができる。
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0093】
○ 実施形態において、第2プレート16に第2凹部72が形成されていなくてもよい。そして、例えば、第1プレート15の内部に冷却水通路71の一部が形成されていてもよい。要は、第1凹部61の内側を流れる空気が、複数の冷却フィン62を介してハウジング11に放熱される構成であればよい。
【0094】
○ 実施形態において、第1凹部61及び第2凹部72が回転軸41の軸方向に延びていてもよい。例えば、モータハウジング12の周壁12bの内周面に第1凹部61が形成されており、モータハウジング12の周壁12bを取り囲む筒状のハウジング部材に第2凹部が形成されている構成であってもよい。この場合、モータハウジング12の周壁12bが第1壁であるとともに、モータハウジング12の周壁12bを取り囲む筒状のハウジング部材が第2壁である。
【0095】
○ 実施形態において、第1凹部61及び第2凹部72が、第2挿通孔24の周囲で回転軸41の周方向に延びていてもよい。
○ 実施形態において、流体通路60は、第2供給通路67及び連通孔68を有していない構成であってもよい。この場合は、第1凹部61を通過した全ての空気は、第1孔15hを流れる。要は、第1凹部61を通過した空気の少なくとも一部が、第1孔15hを流れる構成であればよい。
【0096】
○ 実施形態において、流体通路60は、第2供給通路67を有していない構成であってもよい。要は、遠心圧縮機10は、第1凹部61を通過した空気の一部が、収容室22内に流れない構成であってもよい。
【0097】
○ 実施形態において、流体通路60は、排出通路69を有していない構成であってもよい。この場合、収容室22内を通過した空気は、第1孔15h及びモータ室18を経由する。
【0098】
○ 実施形態において、流体通路60は、連通孔68を有していない構成であってもよい。
○ 実施形態において、流体通路60は、第2供給通路67を有していない構成であってもよい。さらに、第1供給通路66が第1孔15hに連通していなくてもよい。さらに、流体排出通路70がモータ室18とハウジング11の外部とを連通していてもよい。流体排出通路70は、モータ室18内の空気をハウジング11の外部へ排出する。この場合、第1凹部61を通過した全ての空気は、連通孔68を介してモータ室18に流れるとともに流体排出通路70を介してハウジング11の外部へ排出される。要は、第1凹部61を通過した空気の少なくとも一部が、連通孔68を介してモータ室18に流れる構成であればよい。この場合、流体通路60を流れる空気は、モータ20のみを冷却する。要は、流体通路60は、モータ20を冷却するために第2インペラ43の回転によって圧縮された空気の一部が流れる構成であればよい。そして、冷却水通路71は、モータ20を冷却するためにハウジング11を冷却する冷却水が流れる構成であればよい。
【0099】
○ 実施形態において、各冷却フィン62は、円環状でなくてもよく、例えば、円柱状であってもよい。要は、各冷却フィン62の形状は特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、各冷却水フィン76は、正面視すると、C字状であったが、これに限らず、例えば、円柱状であってもよい。要は、各冷却水フィン76の形状は特に限定されるものではない。
【0100】
○ 実施形態において、第1プレート15における第2プレート16側の面に、各冷却水フィン76が突出していなくてもよい。
○ 実施形態において、第1樹脂部53aと第1プレート15との間に放熱シート64が介在されていなくてもよい。
【0101】
○ 実施形態において、遠心圧縮機10は、第2インペラ43を備えていない構成であってもよい。この場合、流体通路60には、第1インペラ42の回転によって圧縮された空気の一部が流れる。
【0102】
○ 実施形態において、遠心圧縮機10は、第2インペラ43に代えて、タービンホイールを備えている構成であってもよい。この場合、流体通路60には、第1インペラ42の回転によって圧縮された空気の一部が流れる。
【0103】
○ 実施形態において、遠心圧縮機10は、燃料電池車に搭載されていなくてもよい。要は、遠心圧縮機10は、車両に搭載されるものに限定されるものではない。
○ 実施形態において、遠心圧縮機10は、燃料電池スタック38に供給される空気を圧縮するために用いられるものに限らない。要は、遠心圧縮機10は、流体を圧縮するものであればよい。
【符号の説明】
【0104】
10…遠心圧縮機、11…ハウジング、12a…端壁(仕切壁)、15…第1壁である第1プレート(仕切壁)、15h…第1孔、16…第2壁である第2プレート(仕切壁)、16h…第2孔、18…モータ室、20…モータ、22…収容室、23…第1挿通孔(挿通孔)、26…第2挿通孔(挿通孔)、28…第1インペラ室(インペラ室)、33…第2インペラ室(インペラ室)、41…回転軸、42…第1インペラ(インペラ)、43…第2インペラ(インペラ)、44…スラストカラー、48…ステータ、50…ステータコア、51…コイル、52…コイルエンド、53…樹脂、54…ラジアル軸受としての第1ラジアル軸受(軸受)、55…ラジアル軸受としての第2ラジアル軸受(軸受)、56…スラスト軸受(軸受)、60…流体通路、61…第1凹部、62…冷却フィン、68…連通孔、69…排出通路、71…冷却水通路、72…第2凹部。
図1
図2
図3
図4