(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121293
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】配送支援装置、配送支援システムおよび配送支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20240830BHJP
【FI】
G06Q50/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028315
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】森重 睦生
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】荷物の再配送の削減に寄与しうる技術を提供する。
【解決手段】配送支援装置14は、或る荷物収納装置の収納区画から他の荷物収納装置の収納区画への荷物の配送を支援する。配送支援装置14は、荷送り人から配送先の荷物収納装置に関する情報を受信する受信部72と、配送先の荷物収納装置に、空いている収納区画の予約を要求する予約部76と、を備える
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
或る荷物収納装置の収納区画から他の荷物収納装置の収納区画への荷物の配送を支援する配送支援装置であって、
荷送り人から配送先の荷物収納装置に関する情報を受信する受信部と、
前記配送先の荷物収納装置に、空いている収納区画の予約を要求する予約部と、
を備える配送支援装置。
【請求項2】
収納区画の予約が取れた場合に配送業者に集配依頼を送信する集配依頼部を備える請求項1に記載の配送支援装置。
【請求項3】
前記集配依頼部は、配送元の荷物収納装置の収納区画に荷物が収納されていることが当該荷物収納装置の荷物検出部によって検出されたことを条件として、配送業者に前記集配依頼を送信する請求項2に記載の配送支援装置。
【請求項4】
前記受信部は、収納区画の予約が取れた後に、集荷指示を受信し、
前記受信部が集荷指示を受信した場合に配送業者に集配依頼を送信する集配依頼部と、
を備える請求項1に記載の配送支援装置。
【請求項5】
収納区画の予約が取れてから所定時間以内に前記集荷指示を受信しない場合、前記予約部は、収納区画の予約をキャンセルする請求項4に記載の配送支援装置。
【請求項6】
各荷物収納装置の収納区画の空き状況を記憶する空き状況記憶部を備え、
前記予約部は、前記配送先の荷物収納装置の収納区画に空きがある場合にその予約を要求する請求項1から5のいずれかに記載の配送支援装置。
【請求項7】
前記予約部は、前記配送先の荷物収納装置の収納区画に空きがない場合、所定の上限時間および上限回数のいずれかを限度として、予約待ちする請求項6に記載の配送支援装置。
【請求項8】
前記予約部は、収納区画の予約が取れない場合、所定の上限時間および上限回数のいずれかを限度として、繰り返し予約を要求する請求項1から5のいずれかに記載の配送支援装置。
【請求項9】
或る荷物収納装置の収納区画から他の荷物収納装置の収納区画への荷物の配送を支援する配送支援システムであって、
荷送り人から配送先の荷物収納装置に関する情報を受信する受信部と、
前記配送先の荷物収納装置に、空いている収納区画の予約を要求する予約部と、
を備える配送支援システム。
【請求項10】
或る荷物収納装置の収納区画から他の荷物収納装置の収納区画への荷物の配送を支援する配送支援方法であって、
荷送り人から配送先の荷物収納装置に関する情報を受信し、
前記配送先の荷物収納装置に、空いている収納区画の予約を要求する、
配送支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配送支援装置、配送支援システムおよび配送支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
配送されたあるいは配送する荷物を一時的に収納するための荷物収納装置が知られている。荷物収納装置の普及は、社会問題にもなっている再配送の削減に少なからず貢献している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配送先の建物に荷物収納装置が設置されていても、配送業者による荷物の配送時に荷物収納装置に空きがなければ再配送になりうる。再配送は、当然ながら、配送業者に負担がかかる。また、荷受け人にとっても、再配送の依頼をする必要があり、負担がかかる。
【0005】
本開示の目的の1つは、荷物の再配送の削減に寄与しうる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の配送支援装置は、或る荷物収納装置の収納区画から他の荷物収納装置の収納区画への荷物の配送を支援する配送支援装置であって、荷送り人から配送先の荷物収納装置に関する情報を受信する受信部と、配送先の荷物収納装置に、空いている収納区画の予約を要求する予約部と、を備える。
【0007】
本開示の配送支援システムは、或る荷物収納装置の収納区画から他の荷物収納装置の収納区画への荷物の配送を支援する配送支援システムであって、荷送り人から配送先の荷物収納装置に関する情報を受信する受信部と、配送先の荷物収納装置に、空いている収納区画の予約を要求する予約部と、を備える。
【0008】
本開示の配送支援方法は、或る荷物収納装置の収納区画から他の荷物収納装置の収納区画への荷物の配送を支援する配送支援方法であって、荷送り人から配送先の荷物収納装置に関する情報を受信し、配送先の荷物収納装置に、空いている収納区画の予約を要求する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】
図1の利用者端末の機能および構成を示すブロック図である。
【
図3】
図2の表示制御部が表示部に表示する配送情報入力画面の一例を示す図である。
【
図4】
図1の配送支援装置の機能および構成を示すブロック図である。
【
図5】
図4の荷物収納装置情報記憶部の一例を示すデータ構造図である。
【
図6】
図4の利用者情報記憶部の一例を示すデータ構造図である。
【
図7】
図4の配送情報記憶部の一例を示すデータ構造図である。
【
図8】
図4の予約情報記憶部の一例を示すデータ構造図である。
【
図9】
図4の空き状況記憶部の一例を示すデータ構造図である。
【
図10】
図1の配送支援システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、好適な実施の形態について図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0011】
(実施形態の概要)実施の形態を詳述する前に概要を説明する。本実施の形態は、配送支援装置に関する。この配送支援装置は、或る荷物収納装置から他の荷物収納装置への荷物の配送を支援する。荷送り人は、自宅等の荷物収納装置に配送する荷物を収納し、配送支援装置に配送先(厳密には配送予定先)の荷物収納装置に関する情報を送る。配送支援装置は、配送先の荷物収納装置の収納区画に空きがある場合、空いている収納区画を1つ予約(すなわち施錠して確保)する。
【0012】
空いている収納区画とは、荷物が収納されておらず、かつ、予約もされていない収納区画である。空いている収納区画は、施錠されていない収納区画と捉えることもできる。
【0013】
配送支援装置は、収納区画の予約が取れると、配送業者装置に集配依頼を送信する。配送業者の配送員は、集配依頼に基づいて、配送元の荷物を集荷し、配送先の荷物収納装置の予約した収納区画に配送する。
【0014】
この実施の形態によれば、荷送り人は、集荷場所までわざわざ荷物を持って行かなくて済む。また、確実に配送できるので再配送とならため、配送業者が再配送する手間も荷受け人が再配送を依頼する手間も生じない。さらに、完全非対面で配送が完結するため、例えば互いのソーシャルディスタンスを確保できるというメリットも得られる。
【0015】
(実施の形態)
図1を参照する。配送支援システム1は、複数の荷物収納装置10と、複数の利用者端末12と、配送支援装置14と、配送業者装置16と、少なくとも1つの配送員端末18と、を備える。これらの各装置は、インターネットなどのネットワークを介して、適宜相互に接続される。
【0016】
配送支援装置14は、特に限定されないが、荷物収納装置10を製造する荷物収納装置メーカが管理する情報処理装置である。ここでの「荷物収納装置メーカが管理する」には、荷物収納装置メーカが直接的に管理する場合だけでなく、荷物収納装置メーカから委託された企業が管理する場合も含まれる。
【0017】
配送支援装置14を構成する物理的な装置(筐体)の数に制限はなく、配送支援装置14は単一の装置として実現されてもよいし、複数の装置の連携により実現されてもよい。
【0018】
配送支援装置14は、或る利用者が通常利用する或る荷物収納装置10の収納区画20から、他の利用者が通常利用する他の荷物収納装置10の収納区画20への荷物の配送を支援する。配送支援装置14の1つの重要な役割は、配送先の荷物収納装置10の収納区画20を予約することであり、この役割において配送支援装置14は、荷送り人から配送先の荷物収納装置10に関する情報を受信し、その荷物収納装置10に空いている収納区画20の予約を要求し、予約が取れたら配送業者装置に集配依頼を送信する。
【0019】
配送業者装置16は、荷物を配送する配送業者が管理する情報処理装置である。ここでの「配送業者が管理する」には、配送業者が直接的に管理する場合だけでなく、配送業者から委託された企業が管理する場合も含まれる。配送業者装置16の1つの重要な役割は、配送支援装置14から集配依頼を受信し、その集配依頼に係る荷物の集荷および配送を配送員に指示することである。
【0020】
利用者端末12は、荷物収納装置10の利用者が所持する情報処理端末であって、配送支援装置14による配送支援を受けるための情報処理端末である。利用者端末12は、例えば、スマートフォン、タブレット端末である。
【0021】
配送員端末18は、配送業者の配送員が所持する情報処理端末である。配送員端末18は、例えば、専用端末、スマートフォン、タブレット端末である。
【0022】
複数の荷物収納装置10はそれぞれ、例えば住居などの建物に設置される。住居は、典型的には戸建ての住居であるが、アパートやマンションなどの集合住居であってもよい。また、建物には、オフィス、商業施設、公共施設などの非住居用の建物も広く含まれる。
【0023】
荷物収納装置10は、例えば利用者の不在時などに、配送されたあるいは配送する荷物を一時的に収納するための装置である。荷物収納装置10は、少なくとも1つ、好ましくは複数の、荷物を収納するための互いに独立に施錠可能な収納区画20を有する。
【0024】
荷物収納装置10は、制御装置22を備える。制御装置22は、荷物収納装置10を統括的に制御する。制御装置22は、収納区画20の空き状況を管理している。具体的には、制御装置22は、収納区画20の空き状況を示す情報(以下、「空き状況情報」という)を記憶し、空き状況が変化するたびに空き状況情報を更新する。空き状況情報は、収納区画20が空いているか否かを示す情報であればよく、荷物収納装置10全体としての空きの有無であってもよいし、収納区画20ごとの空き状況(空いているか否か)であってもよいし、空いている収納区画20の数であってもよいし、その他の情報であってもよい。
【0025】
荷物収納装置10は、収納区画20を解錠するための解錠コードを入力するための入力部24を備える。解錠コードは、例えば、暗証番号またはバーコードである。バーコードは、例えば、一次元コード、またはQRコード(登録商標)などの二次元コードである。入力部24は、例えば、解錠コードとしての暗証番号を入力するためのテンキー、解錠コードとしてのバーコードを読み取るためのリーダ、あるいはテンキーおよびリーダの両方を含みうる。
【0026】
複数の荷物収納装置10のそれぞれには、荷物収納装置IDが割り当てられている。荷物収納装置IDは、荷物収納装置10を一意に識別可能なIDである。荷物収納装置IDは、例えば、数字やアルファベットで構成される。
図1では、荷物収納装置IDは1~Nの自然数で構成されている。荷物収納装置IDは、荷物収納装置10が設置された建物の住所と紐づけられる。なお、荷物収納装置IDは、住所自体であってもよい。
【0027】
複数の荷物収納装置10のそれぞれにおいて、少なくとも1つの収納区画20のそれぞれには、収納区画IDが割り当てられている。収納区画IDは、各荷物収納装置10において、収納区画20を一意に識別可能なIDである。
図1では、収納区画IDは、アルファベットで構成されている。
【0028】
荷物収納装置10は、例えば収納区画20ごとに、収納区画20に荷物(物体)が収納されているか否かを検出するための荷物検出部26を備えてもよい。荷物検出部26の構成は特に限定されず、例えば、物体検知センサ(すなわち光電センサ)を含んで構成されてもよいし、カメラを含んで構成されてもよいし、重量センサを含んで構成されてもよいし、その他の構成であってもよい。
【0029】
荷送り人(利用者)は、配送する荷物を荷物収納装置10の空いている収納区画20に収納して施錠する。荷送り人は、利用者端末12を介して、配送情報を配送支援装置14に送信する。配送情報には、例えば、荷送り人の利用者ID、配送元の荷物収納装置10の荷物収納装置ID、配送元の荷物収納装置10における配送する荷物が収納された収納区画20の収納区画ID、その収納区画を解錠する解錠コード、配送先の荷物収納装置10に関する情報が含まれる。
【0030】
配送支援装置14は、配送情報に係る配送先の荷物収納装置10の収納区画20に空きがない場合、その旨を荷送り人に通知する。この場合、荷送り人は、例えば、しばらく経ってから、再度、配送情報を配送支援装置14に送信してもよい。
【0031】
配送支援装置14は、配送情報に係る配送先の荷物収納装置10の収納区画20に空きがある場合、その予約を当該荷物収納装置10に要求する。配送先の荷物収納装置10は、空いている収納区画を1つ予約(すなわち施錠して確保)し、予約情報を配送支援装置14に送信する。予約情報には、例えば、予約した収納区画20の収納区画IDとその収納区画を解錠するための解錠コードとが含まれる。
【0032】
配送支援装置14は、配送先の荷物収納装置10の収納区画20の予約が取れた場合、集配情報を含む集配依頼を配送業者装置16に送信する。集配情報には、例えば、配送元の住所、収納区画IDおよび解錠コードと、配送先の住所、収納区画IDおよび解錠コードと、支払い情報と、が含まれる。支払い情報は、例えば、配送支援装置14が利用者と紐づけてあらかじめ記憶している。支払い情報は、クレジットカード番号や口座情報などである。
【0033】
配送業者装置16は、配送員端末18に集配を指示する。配送員は、集配情報に含まれる解錠コードで荷送り人の荷物収納装置10を解錠して荷物を集荷し、荷物を配送先まで運び、集配情報に含まれる解錠コードで配送先の荷物収納装置10の予約した収納区画20を解錠して荷物を収納する。配送員は、配送員端末18を介して、配送業者装置16に配送の完了を報告する。配送業者装置16は、集配情報に含まれる支払い方法により、配送料金を請求する。なお、配送支援装置14が配送料金を請求し、配送業者に支払ってもよい。この場合は、配送支援装置14から配送業者装置16への支払い情報の送信は不要となる。
【0034】
図2を参照する。
図2に示す各ブロックは、ハードウエア構成としてはCPU(Central Processing Unit)やメモリをはじめとする素子や回路で実現され、ソフトウエア構成としてはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
図4の各ブロックについても同様である。
【0035】
利用者端末12は、通信部30と、表示部32と、入力部34と、制御部36と、記憶部38と、を備える。制御部36は、各種のデータ処理を実行する。記憶部38は、制御部36により参照され、および/または、更新されるデータを記憶する。記憶部38は、メモリやストレージにより実現される。通信部30は、種々の通信プロトコルにしたがって外部装置と通信する。制御部36は、通信部30を介して配送支援装置14とデータを送受信する。表示部32は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置である。表示部32は、制御部36から提供される画面を表示する。入力部34は、物理キー、タッチパネルなどのユーザインタフェースである。入力部34は、利用者の操作を受け付け、操作内容を制御部36へ入力する。表示部32と入力部34は一体化されたタッチパネルディスプレイで構成されてもよい。
【0036】
制御部36は、表示制御部40と、送信部42と、を含む。なお、制御部36の構成要素は、本実施の形態において注目する構成要素のみを示している。
【0037】
表示制御部40および送信部42の機能は、特に限定されないが本実施の形態では、配送支援システム1の利用者向けのアプリケーションプログラム(以下、「配送支援App」ともいう)のモジュールとして実装される。利用者端末12は、配送支援Appを、デジタルコンテンツの配信サービスを提供するインターネット上のサイトからダウンロードしてもよい。また例えば、配送支援Appが記録媒体に格納され、その記録媒体から記憶部38にインストールされてもよい。利用者端末12のプロセッサ(CPU、GPU等)は、記憶部38にインストールされた配送支援Appをメインメモリへ読み出して実行することにより、制御部36の各ブロックの機能を発揮してもよい。
【0038】
表示制御部40は、表示部32の画面表示を制御する。表示制御部40は、例えば、配送情報(一部)を入力するための配送情報入力画面50(後述)を表示部32に表示させる。送信部42は、配送情報を配送支援装置14に送信する。
【0039】
図3を参照する。配送情報入力画面50は、荷送り人表示領域51と、配送元表示領域52と、配送先入力領域54と、荷物情報入力領域56と、解錠コード入力領域57と、送信ボタン58と、を含む。
【0040】
配送元表示領域52には、荷送り人が通常利用する荷物収納装置10の荷物収納装置IDが表示される。通常利用する荷物収納装置10の荷物収納装置IDは、あらかじめ記憶部38に記憶しておけばよい。また、配送元表示領域52には、配送する荷物が収納された収納区画20の収納区画IDを入力する。
【0041】
配送先入力領域54には、配送先の荷物収納装置10に関する情報を入力する。配送先の荷物収納装置10に関する情報は、配送先の荷物収納装置10を特定可能な情報である。この例では、配送先入力領域43には、配送先の荷物収納装置10に関する情報として、荷物収納装置IDまたは住所を入力できる。荷物情報入力領域56には、配送される荷物に関する情報を入力する。この例では、荷物に関する情報として、品名、サイズ、重量を入力可能である。
【0042】
解錠コード入力領域57には、配送する荷物を収納した配送元の荷物収納装置10の収納区画20を解錠する解錠コードを入力する。つまり、この例では、あらかじめ荷物を荷物収納装置10の収納区画20に収納して施錠し、その施錠時に設定(入力)された解錠コードを解錠コード入力領域57に入力する。
【0043】
送信ボタン58が選択されると、送信部42が、配送情報入力画面50に入力された配送情報を、配送支援装置14に送信する。配送支援装置14は、配送情報を受信すると、配送情報記憶部68(
図4参照)に登録する。配送先入力領域43に入力された荷物収納装置IDが存在ない荷物収納装置IDであった場合、その旨を示すエラーが配送情報入力画面50に表示されてもよい。
【0044】
変形例として、送信ボタン58が選択されると、解錠コード入力領域57に入力された解錠コードで収納区画20が自動で施錠されるとともに、送信部42が配送情報を配送支援装置14に送信してもよい。さらなる変形例として、送信ボタン58が選択されると、自動設定された解錠コードで収納区画20が自動で施錠されるとともに、送信部42が当該自動設定された解錠コードを含む配送情報を配送支援装置14に送信してもよい。この場合、配送情報入力画面50は解錠コード入力領域57を有しなくてもよい。
【0045】
図4を参照する。配送支援装置14は、通信部60と、制御部62と、記憶部64と、を備える。制御部62は、各種のデータ処理を実行する。記憶部64は、制御部62により参照され、および/または、更新されるデータを記憶する。記憶部64は、メモリやストレージにより実現される。通信部60は、種々の通信プロトコルにしたがって外部装置と通信する。制御部62は、通信部60を介して利用者端末12、複数の荷物収納装置10および配送業者装置16とデータを送受信する。
【0046】
記憶部64は、荷物収納装置情報記憶部66と、利用者情報記憶部67と、配送情報記憶部68と、空き状況記憶部69と、予約情報記憶部70と、を含む。
【0047】
図5を参照する。荷物収納装置情報記憶部66は、複数の荷物収納装置10に関する情報を記憶する。具体的には、荷物収納装置情報記憶部66は、荷物収納装置IDと、荷物収納装置10が設置された建物の住所と、荷物収納装置10の管理者氏名と、管理者連絡先(例えば電話番号、メールアドレスなど)と、を対応付けて記憶する。
【0048】
図6を参照する。利用者情報記憶部67は、荷物収納装置10ひいては配送支援システム1を利用する複数の利用者に関する情報を記憶する。具体的には、利用者情報記憶部67は、利用者を一意に識別可能なIDである利用者IDと、利用者の氏名と、利用者の連絡先と、利用者が通常利用する荷物収納装置10の荷物収納装置IDと、配送に係る料金の支払い情報(例えばクレジットカード番号、講座情報など)と、を対応づけて記憶する。
【0049】
図7を参照する。配送情報記憶部68は、荷送り人の利用者端末12から送信された配送情報、言い換えると配送情報入力画面50の各情報項目を記憶する。具体的には、配送情報記憶部68は、配送を一意に識別する配送IDと、荷送り人の利用者IDと、配送元の荷物収納装置10の荷物収納装置IDと、配送元の荷物収納装置10における配送する荷物が収納された収納区画20の収納区画IDと、その収納区画を解錠する解錠コードと、配送先の荷物収納装置10の荷物収納装置IDと、を対応付けて記憶する。
【0050】
図8を参照する。予約情報記憶部70は、配送先の荷物収納装置10から送信された予約情報を記憶する。具体的には、予約情報記憶部70は、予約を一意に識別する予約IDと、対応する配送IDと、予約した収納区画20の収納区画IDと、その収納区画20を解錠するための解錠コードと、を対応付けて記憶する。
【0051】
図9を参照する。空き状況記憶部69は、複数の荷物収納装置10のそれぞれの空き状況情報を記憶する。具体的には、空き状況記憶部69は、荷物収納装置IDと、空き状況情報と、を対応付けて記憶する。
【0052】
図4に戻る。制御部62は、受信部72と、空き状況管理部74と、予約部76と、集配依頼部78と、通知部79と、を含む。
【0053】
受信部72は、荷送り人の利用者端末12から送信された配送情報を受信する。受信部72は、受信した配送情報を、配送情報記憶部68に登録する。
【0054】
空き状況管理部74は、定期または不定期に、複数の荷物収納装置10のそれぞれから収納区画20の空き状況情報を受信し、空き状況記憶部69に登録する。複数の荷物収納装置10はそれぞれ、収納区画20の空き状況が変化した場合に、空き状況情報を配送支援装置14に送信してもよい。複数の荷物収納装置10はそれぞれ、所定の周期で定期的に、空き状況情報を配送支援装置14に送信してもよい。あるいは空き状況管理部74が、例えば所定の周期で定期的に、複数の荷物収納装置10のそれぞれに空き状況を問い合わせ、複数の荷物収納装置10はそれぞれ、空き状況の問い合わせがあった場合に、空き状況情報を配送支援装置14に送信してもよい。
【0055】
予約部76は、受信部72が配送情報を受信すると、空き状況記憶部69に記憶される空き状況情報に基づいて、配送情報に係る発送先の荷物収納装置10の収納区画20に空きがあるか否かを特定する。
【0056】
予約部76は、配送先の荷物収納装置10に収納区画20の空きがあると特定した場合、その予約を要求する。予約の要求を受け付けた荷物収納装置10は、空いている収納区画20を1つ予約(すなわち施錠)し、予約情報を配送支援装置14に送信する。予約情報には、予約した収納区画20の収納区画IDと、その収納区画20を解錠するための解錠コードとが含まれる。
【0057】
予約部76は、空きがないと特定した場合、その旨を荷送り人に通知する。予約部76はさらに、空きがないことを荷受け人に通知してもよい。これにより、荷受け人が荷物を取り出すなどして収納区画20に空きができることが期待される。また、予約部76はさらに、所定の上限時間および上限回数を限度として、予約待ちをしてもよい。この場合、予約部76は、例えば、所定の周期で空き状況記憶部69を参照し、配送先の荷物収納装置10の収納区画20が空き次第、その予約を要求してもよい。これにより、予約が取れない場合の荷送り人の負担を低減できる。
【0058】
変形例として、予約部76は、発送先の荷物収納装置10の収納区画20に空きがあるか否かを特定せずに、予約を要求してもよい。予約の要求を受け付けた荷物収納装置10は、収納区画20に空きがある場合は、空いている収納区画20を1つ予約(すなわち施錠)して予約情報を配送支援装置に送信し、収納区画20に空きがない場合は、その旨を示す情報を配送支援装置14に送信する。予約部76は、空きがなくて予約が取れなかった場合、その旨を荷送り人に通知する。予約部76は、空きがないことを荷受け人に通知してもよい。予約部76はさらに、所定の上限時間および上限回数のいずれかを限度として、例えば所定の周期(例えば5分周期)で、予約の要求をリトライしてもよい。この変形例の場合、配送支援装置14は、複数の荷物収納装置10についての空き状況情報を管理しなくてもよい。つまり、配送支援装置14は、空き状況管理部74および空き状況記憶部69を備えなくてもよい。
【0059】
集配依頼部78は、収納区画20の予約が取れた場合、配送情報記憶部68および予約情報記憶部70を参照して、配送業者装置16に集配依頼、すなわち荷物の集荷および配送の依頼を送信する。集配依頼には、例えば、配送元の住所、収納区画IDおよび解錠コードと、配送先の住所、収納区画IDおよび解錠コードと、支払い情報と、が含まれる。支払い情報は、特に限定されないが、例えば荷送り人の支払い情報であってもよい。集配依頼には、荷物情報やその他の情報が含まれてもよい。
【0060】
なお、配送業者装置16が荷物収納装置IDからその荷物収納装置10が設置された建物の住所を特定可能な場合、集配依頼には、発送元の住所および発送先の住所の代わりに、発送元の荷物収納装置IDおよび発送先の荷物収納装置IDが含めてもよい。
【0061】
荷物収納装置10が荷物検出部26を備える場合、集配依頼部78は、配送元の荷物収納装置10に荷物が収納されていることが荷物検出部26によって検出されたことを条件として、配送業者装置16に集配依頼を送信してもよい。これにより、配送員が荷物を集荷に行ったのに荷物収納装置10に荷物が入っていなかったという無駄足を回避できる。なお、荷物検出部26による検出結果は、集配依頼部78が問い合わせることによって荷物収納装置10から配送支援装置14に送信されてもよいし、所定の周期で定期的に送信されてもよい。集配依頼部78は、配送元の荷物収納装置10に荷物が収納されていない場合、荷物を収納するように荷送り人に通知してもよい。
【0062】
通知部79は、集配依頼部78が配送業者装置16に集配依頼を送信すると、荷送り人の情報、荷物情報、お届け予定(予想)日を荷受け人に通知する。通知部79は、配送が完了すると、具体的には配送業者装置16から配送の完了が報告されると、荷受け人にその旨を通知する。これにより荷受け人は、荷物が配送されたことを知ることができる。通知部79は、荷物の集荷が完了した場合に、荷送り人にその旨を通知してもよい。これにより、荷送り人は、荷物収納装置10の収納区画20の空きが1つ増えたことを把握できる。通知部79による通知方法は特に限定されず、電子メール、SMS(Short Message Service)、音声案内、その他の方法であってもよい。なお、これらの通知は、通知部79の代わりに、配送業者装置16が行ってもよい。
【0063】
以上が配送支援システム1の基本構成である。続いてその動作を説明する。
【0064】
図10を参照する。荷送り人は、配送する荷物を荷物収納装置10の空いている収納区画20に収納して施錠した上で、利用者端末12において配送情報入力画面50に配送情報を入力し、配送情報を配送支援装置14に送信する(S10)。配送支援装置14は、配送情報に基づく配送先の荷物収納装置10の収納区画20に空きがあるか否かを特定する(S12)。
【0065】
配送支援装置14は、空きがないと特定した場合(S12のN)、その旨を荷送り人に通知する(S14)。配送支援装置14は、空きがあると特定した場合(S12のY)、収納区画20の予約を要求する(S16)。予約を要求された配送先の荷物収納装置10は、空いている収納区画20を1つ予約し(S18)、予約情報を配送支援装置14に送信する(S20)。配送支援装置14は、予約が取れたら、配送業者装置16に集配依頼を送信する(S22)。また、配送支援装置14は、荷受け人にお届け予定日などの配送予定情報を通知する(S24)。この通知は、配送業者装置16が行ってもよい。
【0066】
配送業者装置16は、配送員端末18に集配指示を送信する(S26)。配送員は、配送員端末18が受信した集配指示に基づいて、配送元の荷物収納装置10から荷物を集荷し、配送先の荷物収納装置10の予約した収納区画20に荷物を収納する(S28)。配送員は、配送員端末18を介して、配送業者装置16に配送の完了を報告する(S30)。配送業者装置16は、配送支援装置14に配送の完了を報告する(S32)。配送支援装置14は、荷受け人に配送の完了を通知する(S34)。この通知は、配送業者が行ってもよい。
【0067】
本実施の形態によれば、配送先の予約が取れたら配送支援装置14から配送業者装置16に集配依頼されるため、再配送になることはなく、荷物を確実に配送できる。したがって、本実施の形態によれば、配送業者が再配送する手間も荷受け人が再配送を依頼する手間も生じない。
【0068】
本実施の形態によれば、完全非対面で配送が完結する。これにより、例えば互いのソーシャルディスタンスを確保できる。
【0069】
本実施の形態によれば、荷物収納装置10の収納区画20に荷物が収納されたことが当該荷物収納装置10の荷物検出部26によって検出されていることを条件として、配送支援装置14から配送業者装置16に集配依頼されるため、荷物の入れ忘れを抑止できる。
【0070】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について説明する。
【0071】
(変形例1)実施の形態とは異なり、配送先の荷物収納装置10の収納区画20の予約が取れた後に、配送する荷物を配送元の荷物収納装置10に収納してもよい。この場合、荷送り人は、配送先の荷物収納装置10の収納区画20の予約が取れてから、配送する荷物を配送元の荷物収納装置10の収納区画20に収納して施錠する。荷送り人は、図示しない集荷指示画面に解錠コードを入力し、当該解錠コードを含む集荷指示を配送支援装置14に送信する。この場合、配送情報入力画面50の解錠コード入力領域57は不要である。配送支援装置14の集配依頼部78は、実施の形態とは異なり、集荷指示を受信した場合に、配送業者装置16に集配依頼を送信する。本変形例によれば、荷物を荷物収納装置10に収納したのに、予約が取れなかったために荷物を一旦部屋の中に持ち帰るといった手間が生じるのを避けられる。予約部76は、配送先の荷物収納装置10の収納区画20の予約が取れてから所定時間(例えば30分)以内に集配依頼部78が集荷指示を受信しない(すなわち集荷指示が送信されてこない)場合、収納区画20の予約をキャンセルしてもよい。これにより、配送の準備が整っていないのに前もって予約したり、配送する荷物がないのにいたずらで予約されたりして、配送先の荷物収納装置10の有効な利用が妨げられるのを抑止できる。
【0072】
(変形例2)実施の形態とは異なり、配送支援装置14は、配送業者が管理する情報処理装置であってもよい。この場合、配送支援装置14および配送業者装置16は、特に限定されないが、単一の装置として実現されてもよい。本変形例では、荷送り人から配送支援装置14への配送情報の送信は、配送業者への集配依頼の送信と捉えることができる。また、配送支援装置14の集配依頼部78は不要となり得る。
【0073】
以上の実施の形態および変形例は例示である。これらを抽象化した技術的思想は、実施の形態および変形例の内容に限定的に解釈されるべきではない。実施の形態および変形例の内容は、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施の形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施の形態」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が当然に許容される。
【符号の説明】
【0074】
1 配送支援システム、 14 配送支援装置、 72 受信部、 76 予約部、 78 集配依頼部。