(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121314
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】ダイヤフラムポンプ
(51)【国際特許分類】
F04B 43/02 20060101AFI20240830BHJP
F04B 45/04 20060101ALI20240830BHJP
F04B 53/10 20060101ALI20240830BHJP
F04B 39/10 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
F04B43/02 D
F04B45/04 D
F04B53/10 F
F04B39/10 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028348
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【弁理士】
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(72)【発明者】
【氏名】森谷 圭一
(72)【発明者】
【氏名】向 紘史
【テーマコード(参考)】
3H003
3H071
3H077
【Fターム(参考)】
3H003AA04
3H003CC07
3H003CE06
3H071AA01
3H071BB01
3H071CC35
3H071CC41
3H071CC44
3H071DD12
3H077AA01
3H077CC02
3H077CC09
3H077CC17
3H077DD02
3H077DD12
3H077EE21
3H077EE25
3H077EE32
3H077FF12
(57)【要約】
【課題】簡便に吸入弁の固着を解消できるダイヤフラムポンプを提供する。
【解決手段】ダイヤフラムポンプは、第1方向に互いに離間して配置される第1吸入弁24A及び第2吸入弁24Bと、第1方向に交差する第2方向に沿って移動可能な固着解消ピン90と、を備える。第1吸入弁24Aと第2吸入弁24Bとは、第1方向に沿って互いに離れる方向に移動したときに開状態となる。固着解消ピン90が第2方向に沿って移動されたときに、第1吸入弁24Aと第2吸入弁24Bとは、第1吸入弁24Aと第2吸入弁24Bとの間に挿通される固着解消ピン90によって第1方向に沿って互いに離れる方向に押圧される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が流通する吸入流路(20)と、
前記吸入流路(20)に接続され、第1方向に互いに離間して配置される第1吸入弁(24A)及び第2吸入弁(24B)と、
前記吸入流路(20)に接続され、前記第1方向に交差する第2方向に沿って延在する保持空間(SP)と、
前記保持空間(SP)内に配置され、前記第1吸入弁(24A)と前記第2吸入弁(24B)との間に先端が挿通されるように前記第2方向に沿って移動可能な固着解消部材(90)と、を備え、
前記第1吸入弁(24A)と前記第2吸入弁(24B)とは、前記第1方向に沿って互いに離れる方向に移動したときに開状態となり、
前記固着解消部材(90)が前記第2方向に沿って移動されたときに、前記第1吸入弁(24A)と前記第2吸入弁(24B)とは、前記第1吸入弁(24A)と前記第2吸入弁(24B)との間に挿通される前記固着解消部材(90)によって前記第1方向に沿って互いに離れる方向に押圧される、ダイヤフラムポンプ。
【請求項2】
前記第1吸入弁(24A)は、前記第1方向に沿って前記第2吸入弁(24B)に向かって延びる第1弁棒(24cA)を有し、
前記第2吸入弁(24B)は、前記第1方向に沿って前記第1吸入弁(24A)に向かって延びる第2弁棒(24cB)を有する、請求項1に記載のダイヤフラムポンプ。
【請求項3】
前記固着解消部材(90)の先端の幅は、前記第1方向における前記第1弁棒(24cA)と前記第2弁棒(24cB)との間の距離よりも小さく、
前記固着解消部材(90)は、前記先端よりも基端側において、前記第1方向における前記第1弁棒(24cA)と前記第2弁棒(24cB)との間の距離よりも大きい直径を有する、請求項2に記載のダイヤフラムポンプ。
【請求項4】
前記第1弁棒(24cA)及び前記第2弁棒(24cB)の先端は、半球状を呈している、請求項2に記載のダイヤフラムポンプ。
【請求項5】
前記第1弁棒(24cA)が挿通され、前記第1吸入弁(24A)が前記第1方向に移動するときに、前記第1弁棒(24cA)の前記第1方向における移動をガイドするガイド孔(43b)、をさらに備える、請求項2に記載のダイヤフラムポンプ。
【請求項6】
前記ガイド孔(43b)は、前記第2方向に沿った短径と、前記第1方向及び前記第2方向の両方に交差する第3方向に沿った前記短径よりも長い長径とを有する、請求項5に記載のダイヤフラムポンプ。
【請求項7】
前記保持空間(SP)には、前記固着解消部材(90)の前記第2方向における移動範囲を規制する規制部材(19)が設けられている、請求項1~6のいずれか一項に記載のダイヤフラムポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ダイヤフラムポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ダイヤフラムポンプを開示する。このダイヤフラムポンプは、収容室が設けられたポンプ本体と、ポンプ本体に覆設されたポンプカバーと、ポンプカバーと組み合わされることによりキャビティを形成するダイヤフラムと、プッシュロッドがダイヤフラムに接続された駆動機構と、駆動機構によって動作するダイヤフラムに応じて開閉する吸入弁と、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ダイヤフラムポンプでは、例えば、長期保管後にポンプを使用する場合に、吸入弁が弁座(Oリング)に固着することにより、吸入工程が適切に行われないことがある。
【0005】
本開示は、簡便に吸入弁の固着を解消できるダイヤフラムポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一例のダイヤフラムポンプは、液体が流通する吸入流路(20)と、吸入流路(20)に接続され、第1方向に互いに離間して配置される第1吸入弁(24A)及び第2吸入弁(24B)と、吸入流路(20)に接続され、第1方向に交差する第2方向に沿って延在する保持空間(SP)と、保持空間(SP)内に配置され、第1吸入弁(24A)と第2吸入弁(24B)との間に先端が挿通されるように第2方向に沿って移動可能な固着解消部材(90)と、を備える。第1吸入弁(24A)と第2吸入弁(24B)とは、第1方向に沿って互いに離れる方向に移動したときに開状態となる。固着解消部材(90)が第2方向に沿って移動されたときに、第1吸入弁(24A)と第2吸入弁(24B)とは、第1吸入弁(24A)と第2吸入弁(24B)との間に挿通される固着解消部材(90)によって第1方向に沿って互いに離れる方向に押圧される。
【0007】
上記のダイヤフラムポンプでは、第2方向に沿って移動する固着解消部材(90)が、第1吸入弁(24A)と第2吸入弁(24B)とを第1方向に沿って互いに離れる方向に押圧することにより、第1吸入弁(24A)と第2吸入弁(24B)とが開状態になる方向に移動することになる。すなわち、吸入弁の固着が解消される。
【0008】
一例の第1吸入弁(24A)は、第1方向に沿って第2吸入弁(24B)に向かって延びる第1弁棒(24cA)を有し得る。第2吸入弁(24B)は、第1方向に沿って第1吸入弁(24A)に向かって延びる第2弁棒(24cB)を有し得る。この構成では、互いに向かい合うように延在する第1弁棒(24cA)と第2弁棒(24cB)との間に挿通される固着解消部材(90)によって、第1弁棒(24cA)及び第2弁棒(24cB)が互いに離れる方向に押圧される。
【0009】
一例の固着解消部材(90)の先端の幅は、第1方向における第1弁棒(24cA)と第2弁棒(24cB)との間の距離よりも小さく、固着解消部材(90)は、先端よりも基端側において、第1方向における第1弁棒(24cA)と第2弁棒(24cB)との間の距離よりも大きい直径を有し得る。この構成では、第1弁棒(24cA)と第2弁棒(24cB)との間に固着解消部材(90)を挿通しやすい。
【0010】
一例の第1弁棒(24cA)及び第2弁棒(24cB)の先端は、半球状を呈していてよい。この構成では、第1弁棒(24cA)と第2弁棒(24cB)との間に固着解消部材(90)を挿通しやすい。
【0011】
一例のダイヤフラムポンプは、第1弁棒(24cA)が挿通され、第1吸入弁(24A)が第1方向に移動するときに第1弁棒(24cA)の第1方向における移動をガイドするガイド孔(43b)、をさらに備え得る。この構成では、第1弁棒(24cA)が固着解消部材(90)によって押圧されたときに、第1吸入弁(24A)が第1方向に移動しやすい。
【0012】
一例のガイド孔(43b)は、第2方向に沿った短径と、第1方向及び第2方向の両方に交差する第3方向に沿った短径よりも長い長径とを有し得る。この構成では、第1吸入弁(24A)が第2方向にぶれることが抑制される。さらに、第3方向におけるガイド孔(43b)の縁部と第1弁棒(24cA)との接触が抑制される。
【0013】
一例の保持空間(SP)には、固着解消部材(90)の第2方向における移動範囲を規制する規制部材(19)が設けられていてよい。この構成では、固着抑制部材(90)が必要以上に移動することが抑制される。例えば、固着解消部材(90)の脱落等が抑制され得る。
【発明の効果】
【0014】
このように本開示によれば、簡便に吸入弁の固着を解消できるダイヤフラムポンプを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】一例のダイヤフラムポンプの分解斜視図である。
【
図4】一例のダイヤフラムポンプのポンプ本体を示す正面図である。
【
図8】
図4のVIII-VIII線に沿った断面図である。
【
図9】固着解消ピンの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、一例のダイヤフラムポンプについて、添付図面を参照しながら説明する。便宜上、同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図面には、参照のためにX方向(第3方向)、Y方向(第1方向)、Z方向(第2方向)を示すXYZ直交座標系が示されている。
【0017】
図1は、一例のダイヤフラムポンプの斜視図である。
図2は、一例のダイヤフラムポンプの分解斜視図である。
図3は、一例のポンプ本体の部分断面斜視図である。
図4は、一例のダイヤフラムポンプのポンプ本体を示す正面図である。
図5は、
図4のV-V線に沿った断面図である。
図6は、
図4のVI-VI線に沿った断面図である。
図7は、
図6の要部拡大図である。
図8は、
図4のVIII-VIII線に沿った断面図である。ダイヤフラムポンプ1は、駆動装置3とポンプ本体5とを含む。駆動装置3は、ポンプ本体5を動作させるための回転出力軸3a(
図5参照)を有する。一例の駆動装置3は、バッテリから入力される電力によって動作可能なモータを有しており、当該モータによって回転出力軸3aを回転させる。
【0018】
ポンプ本体5は、ハウジング10と、一対のダイヤフラム50と、カバー70と、固着解消ピン90と、を有する。ハウジング10は、ボルト等の締結部材によって駆動装置に接続されている。ハウジング10と駆動装置3とが接続されている状態では、駆動装置3の回転出力軸3aはハウジング10の内側空間Sに挿入されている。
【0019】
一例のハウジング10は、内側空間SをZ方向に仕切る仕切壁10a(
図6参照)を有している。すなわち、ハウジング10は、Z方向において駆動装置3に近い位置に画成される第1空間S1と、Z方向において駆動装置3から遠い位置に画成される第2空間S2と、を有する。第1空間S1は往復動部材11を収容している。なお、ハウジング10において、Y方向に交差する面(Y方向に臨む面)は開放されていてよい。
【0020】
図5に示すように、往復動部材11は、第1空間S1内において、Y方向に往復動可能な状態に配置されている。往復動部材11は、Z方向から見たときに内周面11aと外周面11bとを有する。内周面11aによって囲まれた領域には、ベアリング13が配置されている。ベアリング13の中心には、中心からずれた位置に駆動装置3の回転出力軸3aが固定された偏心カム15が配置されている。回転出力軸3aが回転すると、偏心カム15の作用によりベアリング13が楕円を描くように移動し、このベアリング13の移動に伴って往復動部材11がY方向に沿って往復動する。
【0021】
第2空間S2には、液体(水、薬液等)の流路が画成されている。液体の流路は、吸入流路20と吐出流路30とを含む(
図3参照)。吸入流路20と吐出流路30とは、X方向に沿った同一の軸線を中心として設けられていてもよい。一例の吸入流路20は、X方向に交差する一方の側面10bから突出するように設けられた筒状部21を含む。筒状部21は、カバー体22によって覆われていてもよい。例えば、カバー体22は、筒状部21よりも一回り大きい筒状をなしており、筒状部21の外側面とカバー体22の内側面とに形成されたネジ溝によって、カバー体22が筒状部21に固定されてもよい。カバー体22は、吸入流路20に連通する吸入口22aを有している。
【0022】
一例の吐出流路30は、筒状部31を含む。筒状部31は、X方向において吸入口22aが設けられる側面10bに対向する側面10cから突出している。筒状部31は、カバー体32によって覆われていてもよい。例えば、カバー体32は、筒状部31よりも一回り大きい筒状をなしており、筒状部31の外側面とカバー体32の内側面とに形成されたネジ溝によって、カバー体32が筒状部31に固定されてもよい。カバー体32は、吐出流路30に連通する吐出口32aを有している。
【0023】
吸入流路20には、吸入弁が接続されている。
図7に示すように、吸入流路20には、第1吸入弁24Aと第2吸入弁24Bとが接続されている。第1吸入弁24A及び第2吸入弁24Bの総称を吸入弁24とする。第1吸入弁24A及び第2吸入弁24Bは、第1弁座25A及び第2弁座25Bにそれぞれ収容されている。第1弁座25A及び第2弁座25Bの総称を弁座25とする。
【0024】
第1弁座25Aは、吸入流路20からY方向の一方側に延びて、Y方向に交差するハウジング10の側面10dに開口する開口部26Aに配置されている。第2弁座25Bは、吸入流路20からY方向の他方側に延びて、Y方向に交差するハウジング10の側面10eに開口する開口部26Bに配置されている。側面10dと側面10eとはY方向において互いに対向する。開口部26Aと開口部26Bとは、Y方向に沿った同一の軸線を中心軸とする円柱状の空間を画成していてよい。開口部26Aと開口部26Bとの総称を開口部26とする。
【0025】
一例の弁座25は、筒状をなす筒状部25aと、筒状部25aの軸方向の一端に形成される第1鍔部25bと、第1鍔部25bよりも軸方向の他端側に形成される第2鍔部25cと、を有する。第1鍔部25bは、筒状部25aの外周面から外方に向かって突出する環状部分である。第2鍔部25cは筒状部25aの内周面から内方に向かって突出する環状部分である。第1弁座25Aは、その第1鍔部25bがハウジング10の側面10dに沿うように、開口部26Aに配置されている。第2弁座25Bは、その第1鍔部25bがハウジング10の側面10eに沿うように、開口部26Bに配置されている。ハウジング10と第1鍔部25bとの間は封止部材(後述するダイヤフラムの一部)によって封止されている。
【0026】
吸入弁24は、円柱状の本体部24aと、突起部24bと、弁棒24cとを有する。本体部24aは、第2鍔部25cの内側に配置され得る。本体部24aの軸方向の一端には、その外周面から外方に突出する円環状の鍔部24a1が形成されている。吸入弁24は、鍔部24a1が第2鍔部25cよりもハウジング10の外側に位置するように配置されている。鍔部24a1は、Y方向において弁座25の第2鍔部25cに対面していてよい。鍔部24a1と第2鍔部25cとの間には封止部材としてのOリング27が設けられている。突起部24bは、本体部24aのうちの鍔部24a1が設けられている側の端面に形成されている。突起部24bは、本体部24aから軸方向に沿って突出しており、本体部24aよりも小さい径を有する円柱状を呈している。突起部24bは、後述するカバー70に設けられた突起部72aと協働して圧縮コイルバネ28を保持している。吸入弁24が圧縮コイルバネ28に付勢されることによって、吸入弁24の鍔部24a1と弁座25の第2鍔部25cとの間がOリング27によって封止される。弁棒24cは、本体部24aのうちの突起部24bが設けられる端面に対向する端面に形成されている。弁棒24cは、本体部24aから軸方向に沿って突出しており、本体部24aよりも小さい径を有する円柱状を呈している。弁棒24cの先端は半球状を呈している。
【0027】
吐出流路30には、吐出弁が接続されている。
図8に示すように、吐出流路30には、第1吐出弁34Aと第2吐出弁34Bとが接続されている。第1吐出弁34A及び第2吐出弁34Bの総称を吐出弁34とする。第1吐出弁34A及び第2吐出弁34Bは、第1弁座35A及び第2弁座35Bにそれぞれ収容されている。第1弁座35A及び第2弁座35Bの総称を弁座35とする。
【0028】
第1弁座35Aは、吐出流路30に接続されて側面10dに開口する開口部36Aに配置されている。第2弁座35Bは、吐出流路30に接続されて側面10eに開口する開口部36Bに配置されている。開口部36Aと開口部36Bとは、Y方向に沿った同一の軸線を中心軸とする円柱状の空間を画成していてよい。開口部36Aと開口部36Bとの総称を開口部36とする。
【0029】
一例の弁座35は、筒状をなす筒状部35aと、筒状部35aの軸方向の一端に形成される第1鍔部35bと、第1鍔部35bよりも軸方向の他端側に形成される第2鍔部35cと、を有する。第1鍔部35bは、筒状部35aの外周面から外方に向かって突出する環状部分である。第2鍔部35cは筒状部35aの内周面から内方に向かって突出する環状部分である。第1弁座35Aは、その第1鍔部35bがハウジング10の側面10dに沿うように、開口部36Aに配置されている。第2弁座35Bは、その第1鍔部35bがハウジング10の側面10eに沿うように、開口部36Bに配置されている。ハウジング10と第1鍔部35bとの間は封止部材(後述するダイヤフラム50の一部)によって封止されている。
【0030】
吐出弁34は、円柱状の本体部34aと、突起部34bとを有する。本体部34aは、第2鍔部35cの内側に配置され得る。本体部34a軸方向の一端には、その外周面から外方に突出する円環状の鍔部34a1が形成されている。吐出弁34は、鍔部34a1が第2鍔部35cよりもハウジング10の内側に位置するように配置されている。鍔部34a1は、Y方向において弁座35の第2鍔部35cに対面していてよい。鍔部34a1と第2鍔部35cとの間には封止部材としてのOリング37が設けられている。突起部34bは、本体部34aのうちの鍔部34a1が設けられている側の端面に形成されている。突起部34bは、本体部34aから軸方向に沿って突出しており、本体部34aよりも小さい径を有する円柱状を呈している。突起部34bは、吐出流路30から開口部36A,36Bにそれぞれ突出した筒状部30aと協働して圧縮コイルバネ38を保持している。筒状部30aの内側空間は吐出流路30に接続されている。吐出弁34が圧縮コイルバネ38に付勢されることによって、吐出弁34の鍔部34a1と弁座35の第2鍔部35cとの間がOリング37によって封止される。
【0031】
図示例の液体の流路は、吸入流路20と吐出流路30とを接続する連絡流路40(
図3、8参照)を有している。連絡流路40は、X方向に沿って形成されている。吸入流路20には、吸入流路20側から連絡流路40を閉鎖する安全弁41が配置されている。例えば、安全弁41は、連絡流路40の直径よりも大きい直径を有する球状体であってよい。安全弁41は、圧縮コイルバネ42によって連絡流路40に向かって付勢されている。図示例では、吸入流路20内に配置されたバネ押さえ部材43によって圧縮コイルバネ42が保持されている。
【0032】
バネ押さえ部材43は、吸入流路20の内周面に沿った外周面を有する略筒状を有する。バネ押さえ部材43の先端は、直径の小さい小径部となっており、圧縮コイルバネ42を保持するための環状の溝を有していてもよい。バネ押さえ部材43の基端は、カバー体22に当接している。すなわち、バネ押さえ部材43は、カバー体22によってX方向の位置が規制されている。
【0033】
また、バネ押さえ部材43は、吸入流路20と開口部26A,26Bとを連通する一対の開口43aを有する(
図7参照)。一例の開口43aは、筒状をなすバネ押さえ部材43の周壁をZ方向に沿って貫通する。一対の開口43aは、Z方向において互いに対向している。また、バネ押さえ部材43は、吸入弁24に設けられた弁棒24cをガイドする一対のガイド孔43bを有する。一対のガイド孔43bは、筒状をなすバネ押さえ部材43の周壁をY方向に沿って貫通する。一対のガイド孔43bは、Y方向において互いに対向している。一対のガイド孔43bには、第1吸入弁24Aの弁棒24c(第1弁棒24cA)と第2吸入弁24Bの弁棒24c(第2弁棒24cB)とがそれぞれ挿通されている。
【0034】
なお、Y方向から見たとき、ガイド孔43bのZ方向のサイズは、X方向のサイズよりも小さい。例えば、ガイド孔43bは、Z方向に沿った短径と、短径よりも長いX方向に沿った長径と、を有する楕円形状を呈していてもよい。例えば、長径の長さは、短径の長さの1~1.3倍程度の長さであってもよい。
【0035】
図5、6に示すように、ダイヤフラムは、ハウジング10の第1空間S1をY方向から被覆する。図示例では、第1ダイヤフラム50Aと第2ダイヤフラム50Bとが第1空間S1を挟んで対面している。第1ダイヤフラム50A及び第2ダイヤフラム50Bの総称をダイヤフラム50とする。ダイヤフラム50は、Y方向から見て、ハウジング10の周縁に沿って形成される周縁部51と、周縁部51に接続されて第1空間S1を被覆する可動部52と、を含む。可動部52は、往復動部材11に接続されており、往復動部材11の動作に従ってY方向に移動可能となっている。一例において、往復動部材11はY方向に突出する突起11cを有しており、可動部52は突起11cに接続可能な凹部52aを有している。
【0036】
可動部52の周縁の位置は、Y方向から見て、第1空間S1の周縁の位置に対応している。ダイヤフラム50は、第1空間S1の周縁及び第2空間S2の周縁を封止している。上述のとおり、ダイヤフラム50の一部は、弁座25の第1鍔部25bとハウジング10との間、及び、弁座35の第1鍔部35bとハウジング10との間、をそれぞれ封止している。一例のダイヤフラム50は、可撓性を有する材料によって形成されている。
【0037】
カバーは、ハウジング10のY方向に臨む面を被覆している(
図6参照)。図示例では、ハウジング10の側面10dを被覆する第1カバー70Aと側面10eを被覆する第2カバー70Bとが、ハウジング10に対してボルト等の複数の締結部材7によって固定されている。第1カバー70A及び第2カバー70Bの総称をカバー70とする。カバー70の周縁とハウジング10の周縁との間は、ダイヤフラム50によって封止されている。図示例では、第1ダイヤフラム50Aが固定されている側面10dが第1カバー70Aによって被覆され、第2ダイヤフラム50Bが固定されている側面10eが第2カバー70Bによって被覆されている。
【0038】
図6,8に示すように、カバー70は、ダイヤフラム50の可動部52に対面する第1領域71と、第1領域71に接続されて第2空間S2に対面するように延びる第2領域72及び第3領域73とを含む。第2領域72は、吸入弁24が配置される開口部26に対面しており、第3領域73は、吐出弁34が配置される開口部36に対面している。第2領域72には、上述の突起部72aが形成されている。第1領域71、第2領域72及び第3領域73は、ハウジング10及びダイヤフラム50との間にポンプ室79が形成されるように、ハウジング10側からY方向の外側に向かって凹んでいる。ポンプ室79のうち、第2領域72が面する空間と第3領域73が面する空間とは、第1領域71とダイヤフラム50との間の空間を介して互いに接続されている。すなわち、第2領域72が面する空間から第3領域73が面する空間に液体が移動する場合、液体は第1領域71が面する空間を経由する。第1カバー70Aによって形成されるポンプ室を第1ポンプ室79Aと呼び、第2カバー70Bによって形成されるポンプ室を第2ポンプ室79Bと呼ぶ。
【0039】
固着解消ピン90(固着解消部材)は、固着により吸入弁24が動作しなくなった場合に使用され得る。
図6に示すように、一例の固着解消ピン90は、ハウジング10に設けられた筒状部18の内側に配置されている。筒状部18は、円柱状を呈しており、吸入流路20に連通された円柱状の空間SP(保持空間)を画成している。図示例の筒状部18は、ハウジング10のZ方向に交差する側面10fからZ方向に沿って突出している。なお、側面10fは、駆動装置3が設けられる側面に対向している。筒状部18の中心軸線L1は、第1吸入弁24Aと第2吸入弁24Bとに共通する中心軸線L2と交差している(
図7参照)。図示例では、Z方向に沿って形成される筒状部18の中心軸線L1と、第1吸入弁24A及び第2吸入弁24Bに共通するY方向に沿って形成される中心軸線L2とのX方向における位置が互いに一致している。
【0040】
固着解消ピン90は、使用者によって把持される把持部91と、把持部91に接続されたピン本体92とを含む。一例の把持部91は、XY平面に沿って延在する棒状を呈している。把持部91の表面には、使用者によって把持をサポートするための凹部が形成されていてもよい。一例のピン本体92は、把持部91の中央に接続され、一様な径を有する棒状部95と、棒状部95の先端に形成された先端部96とを含む。棒状部95の軸方向の中央にはOリング97が配置された円環状の溝95aが形成されている。溝95aに配置されたOリング97は、棒状部95と筒状部18との間を封止している。ピン本体92は、第1吸入弁24Aと第2吸入弁24Bとの間に先端が挿通されるように、Z方向に沿って筒状部18内を移動可能に構成されている。
【0041】
棒状部95の直径は、筒状部18の内径と実質的に同じか僅かに小さい。また、棒状部95の直径は、弁座25に対して閉状態となっている場合における、第1吸入弁24Aの弁棒24cの先端と第2吸入弁24Bの弁棒24cの先端との間の距離よりも大きい。棒状部95は、バネ押さえ部材43の開口43aを通過可能であってよい。先端部96は、先端に向かって直径が小さくなるように形成されている。最も先端の位置において、先端部96の直径は、弁座25に対して閉状態となっている場合における、第1吸入弁24Aの弁棒24cの先端と第2吸入弁24Bの弁棒24cの先端との間の距離よりも小さい。一例において、先端部96は円錐状を呈していてもよい。
【0042】
棒状部95が筒状部18の内側に配置されている状態で、固着解消ピン90はZ方向に沿って移動可能である。すなわち、使用者が把持部91をZ方向に移動させた場合、Oリング97が筒状部18の内周面と摺動することにより、固着解消ピン90はZ方向に沿って移動し得る。
【0043】
筒状部18には、固着解消ピン90のZ方向における移動範囲を規制する規制部材19が設けられていてよい。一例において、棒状部95の外周面には、Z方向に延在する溝95bが設けられている。規制部材19は、筒状部18の内周面から内方に向かって突出している。規制部材19の先端は棒状部95の溝95b内に位置している。固着解消ピン90がZ方向において筒状部18から抜ける向きに移動された場合、規制部材19が溝95bの先端部96に近い端部に当接する。固着解消ピン90がZ方向において筒状部18に押し込まれる向きに移動された場合、規制部材19が溝95bの先端部96から遠い端部に当接する。一例において、規制部材19は筒状部18に形成されたボルト孔18aに締結されたボルトであってもよい。この場合、ボルトの先端は、溝95b内に位置していればよく、溝95bの底部に当接している必要はない。すなわち、固着解消ピン90を移動させる場合に、ボルトを緩める必要はない。
【0044】
上記の構成を有するダイヤフラムポンプ1の動作について説明する。なお、第1ポンプ室79Aと第2ポンプ室79Bとは、同様の動作原理によって交互に吸入と吐出とを繰り返すため、ここでは第1ポンプ室79Aに注目して説明する。ます、吸入口22aから液体が供給されている状態で、駆動装置3が動作される。駆動装置3の動作により、回転出力軸3aが回転し、往復動部材11がY方向に往復動する。往復動部材11の動作に伴い、ダイヤフラム50が変形することにより、ポンプ室79内の容積が増減する。まず、往復動部材11が第2カバー70Bに近付くことにより、第2ポンプ室79Bの容積が減少し、第1ポンプ室79Aの容積が増加する。すなわち、第2ポンプ室79B内が正圧となり、第1ポンプ室79A内が負圧となる。これにより、第1ポンプ室79Aに接続された吸入弁24が開状態となり、吐出弁34が閉状態となるため、第1ポンプ室79A内に吸入流路20から液体が流入される(吸入工程)。続いて、往復動部材11が第1カバー70Aに近付くことにより、第1ポンプ室79Aの容積が減少し、第2ポンプ室79Bの容積が増加する。すなわち、第1ポンプ室79A内が正圧となり、第2ポンプ室79B内が負圧となる。これにより、第1ポンプ室79Aに接続された吸入弁24が閉状態となり、吐出弁34が開状態となるため、第1ポンプ室79A内の液体が吐出弁34から吐出される(吐出工程)。往復動部材11の動作に応じて、第1ポンプ室79Aと第2ポンプ室79Bとで交互に吸入及び吐出が繰り返されることにより、ダイヤフラムポンプ1が動作する。
【0045】
ダイヤフラムポンプ1では、例えば、ポンプの長期保管後に使用する場合に、吸入弁24がOリング27を介して弁座25に固着し得る。この場合、吸入弁24が開状態とならず、吸入工程が適切に行われないことがある。このような場合に、使用者は、固着解消ピン90を操作することにより、固着を解消することができる。
図9に示すように、使用者が固着解消ピン90を吸入流路20に向かって筒状部18の奥側に押し込むことにより、棒状部95の先端部96が第1吸入弁24Aの第1弁棒24cAと第2吸入弁24Bの第2弁棒24cBとの間に挿通される。第1弁棒24cAと第2弁棒24cBとの間の距離よりも棒状部95の直径が大きいため、固着解消ピン90は、Y方向における第1弁棒24cAと第2弁棒24cBとの間隔を押し広げることができる。固着解消ピン90によって、吸入弁24が弁座25から離れる方向に押圧されることにより、吸入弁24が弁座25から離間するように移動される(すなわち、固着が解消される)。固着が解消された後、使用者は固着解消ピン90を引き上げることにより、吸入弁24に対する固着解消ピン90の当接を解除することができる。
【0046】
以上説明のとおり、一例のダイヤフラムポンプ1は、液体が流通する吸入流路20と、吸入流路20に接続され、Y方向に互いに離間して配置される第1吸入弁24A及び第2吸入弁24Bと、吸入流路20に接続され、Y方向に交差するZ方向に沿って延在する保持空間SPと、保持空間SP内に配置され、第1吸入弁24Aと第2吸入弁24Bとの間に先端が挿通されるようにZ方向に沿って移動可能な固着解消ピン90と、を備える。第1吸入弁24Aと第2吸入弁24Bとは、Y方向に沿って互いに離れる方向に移動したときに開状態となる。固着解消ピン90がZ方向に沿って移動されたときに、第1吸入弁24Aと第2吸入弁24Bとは、第1吸入弁24Aと第2吸入弁24Bとの間に挿通される固着解消ピン90によってY方向に沿って互いに離れる方向に押圧される。
【0047】
上記のダイヤフラムポンプ1では、Z方向に沿って移動する固着解消ピン90が、第1吸入弁24Aと第2吸入弁24BとをY方向に沿って互いに離れる方向に押圧することにより、第1吸入弁24Aと第2吸入弁24Bとが開状態になる方向に移動することで、吸入弁24の固着が解消される。
【0048】
一例の第1吸入弁24Aは、Y方向に沿って第2吸入弁24Bに向かって延びる第1弁棒24cAを有し得る。第2吸入弁24Bは、Y方向に沿って第1吸入弁24Aに向かって延びる第2弁棒24cBを有し得る。この構成では、互いに向かい合うように延在する第1弁棒24cAと第2弁棒24cBとの間に挿通される固着解消ピン90によって、第1弁棒24cA及び第2弁棒24cBが互いに離れる方向に押圧される。第1吸入弁24Aと第2吸入弁24Bとにおいて本体部24a同士の間の距離が大きい場合であっても、弁棒24cが設けられることにより、固着解消ピン90によって、第1吸入弁24A及び第2吸入弁24Bの固着を同時に解消することができる。
【0049】
一例の固着解消ピン90の先端の幅は、Y方向における第1弁棒24cAと第2弁棒24cBとの間の距離よりも小さく、固着解消ピン90は、先端よりも基端側において、Y方向における第1弁棒24cAと第2弁棒24cBとの間の距離よりも大きい直径を有し得る。この構成では、第1弁棒24cAと第2弁棒24cBとの間に固着解消ピン90を挿通しやすい。
【0050】
一例の第1弁棒24cA及び第2弁棒24cBの先端は、半球状を呈していてよい。この構成では、弁棒24cの先端に対して固着解消ピン90が滑らかに接触し得るため、第1弁棒24cAと第2弁棒24cBとの間に固着解消ピン90を挿通しやすい。
【0051】
一例のダイヤフラムポンプ1は、第1弁棒24cAが挿通され、第1吸入弁24AがY方向に移動するときに第1弁棒24cAのY方向における移動をガイドするガイド孔43b、をさらに備え得る。この構成では、第1弁棒24cAが固着解消ピン90によって押圧されたときに、第1吸入弁24AをY方向に容易に移動させることができる。
【0052】
一例のガイド孔43bは、Z方向に沿った短径と、Y方向及びZ方向の両方に交差するX方向に沿った短径よりも長い長径とを有し得る。この構成では、第1吸入弁24AがZ方向にぶれることが抑制される。さらに、X方向におけるガイド孔43bの縁部と第1弁棒24cAとの接触が抑制される。
【0053】
一例の保持空間SPには、固着解消ピン90のZ方向における移動範囲を規制する規制部材19が設けられていてよい。この構成では、固着解消ピン90がZ方向に必要以上に移動することが抑制される。例えば、固着解消ピン90の脱落等が抑制され得る。
【0054】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示の具体的形態は上記の例に限定されない。
【0055】
例えば、第1吸入弁と第2吸入弁とが同一軸線上で対向配置されている例を示したが、第1吸入弁と第2吸入弁とは、固着解消ピン90の軸線方向から見て、同一軸線上に配置されていればよい。すなわち、第1吸入弁と第2吸入弁とは、固着解消ピン90の軸線方向において互いにずれていてもよい。
【0056】
弁棒の先端の形状が半球状である例を示したが、弁棒の先端の形状はこれに限定されない。例えば、弁棒の先端は、XZ平面に沿った平面状であってもよいし、他の形状であってもよい。
【0057】
ガイド孔がY方向から見て楕円形である例を示したが、ガイド孔は正円形であってもよい。また、ガイド孔は、対向する一対の円弧と対向する一対の直線とによって規定されるトラック形状であってもよい。
【0058】
本開示の技術は、以下のように示され得る。
[1]
液体が流通する吸入流路(20)と、
前記吸入流路(20)に接続され、第1方向に互いに離間して配置される第1吸入弁(24A)及び第2吸入弁(24B)と、
前記吸入流路(20)に接続され、前記第1方向に交差する第2方向に沿って延在する保持空間(SP)と、
前記保持空間(SP)内に配置され、前記第1吸入弁(24A)と前記第2吸入弁(24B)との間に先端が挿通されるように前記第2方向に沿って移動可能な固着解消部材(90)と、を備え、
前記第1吸入弁(24A)と前記第2吸入弁(24B)とは、前記第1方向に沿って互いに離れる方向に移動したときに開状態となり、
前記固着解消部材(90)が前記第2方向に沿って移動されたときに、前記第1吸入弁(24A)と前記第2吸入弁(24B)とは、前記第1吸入弁(24A)と前記第2吸入弁(24B)との間に挿通される前記固着解消部材(90)によって前記第1方向に沿って互いに離れる方向に押圧される、ダイヤフラムポンプ。
[2]
前記第1吸入弁(24A)は、前記第1方向に沿って前記第2吸入弁(24B)に向かって延びる第1弁棒(24cA)を有し、
前記第2吸入弁(24B)は、前記第1方向に沿って前記第1吸入弁(24A)に向かって延びる第2弁棒(24cB)を有する、[1]に記載のダイヤフラムポンプ。
[3]
前記固着解消部材(90)の先端の幅は、前記第1方向における前記第1弁棒(24cA)と前記第2弁棒(24cB)との間の距離よりも小さく、
前記固着解消部材(90)は、前記先端よりも基端側において、前記第1方向における前記第1弁棒(24cA)と前記第2弁棒(24cB)との間の距離よりも大きい直径を有する、[2]に記載のダイヤフラムポンプ。
[4]
前記第1弁棒(24cA)及び前記第2弁棒(24cB)の先端は、半球状を呈している、[2]又は[3]に記載のダイヤフラムポンプ。
[5]
前記第1弁棒(24cA)が挿通され、前記第1吸入弁(24A)が前記第1方向に移動するときに、前記第1弁棒(24cA)の前記第1方向における移動をガイドするガイド孔(43b)、をさらに備える、[2]~[4]のいずれかに記載のダイヤフラムポンプ。
[6]
前記ガイド孔(43b)は、前記第2方向に沿った短径と、前記第1方向及び前記第2方向の両方に交差する第3方向に沿った前記短径よりも長い長径とを有する、[5]に記載のダイヤフラムポンプ。
[7]
前記保持空間(SP)には、前記固着解消部材(90)の前記第2方向における移動範囲を規制する規制部材(19)が設けられている、[1]~[6]のいずれかに記載のダイヤフラムポンプ。
【符号の説明】
【0059】
1…ダイヤフラムポンプ、20…吸入流路、24A…第1吸入弁、24B…第2吸入弁、90…固着解消ピン(固着解消部材)、SP…保持空間。