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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121319
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】アトピー性皮膚炎改善剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/702 20060101AFI20240830BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240830BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240830BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240830BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20240830BHJP
   A61K 35/744 20150101ALI20240830BHJP
   A61K 35/747 20150101ALI20240830BHJP
【FI】
A61K31/702
A61K45/00
A61P43/00 121
A61P17/00
A61P37/08
A61K35/744
A61K35/747
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028358
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】509258038
【氏名又は名称】アスパック企業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092842
【弁理士】
【氏名又は名称】島野 美伊智
(74)【代理人】
【識別番号】100166578
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 芳光
(72)【発明者】
【氏名】朝比奈 学之
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C087
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084AA22
4C084NA14
4C084ZA89
4C084ZB13
4C084ZC61
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA01
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA89
4C086ZB13
4C086ZC61
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC56
4C087BC57
4C087NA14
4C087ZA89
4C087ZB13
4C087ZC61
(57)【要約】
【課題】 ステロイド又は分子標的薬と併用され、ステロイド又は分子標的薬の使用量を低減させ、且つ、所望の治療を施すことを可能にするアトピー性皮膚炎改善剤を提供すること。
【解決手段】 ステロイド剤又は分子標的薬が使用されている状態で併用され、ケストースを有効成分とすることを特徴とするものであり、そのようなアトピー性皮膚炎改善剤を使用することにより、ステロイド剤又は分子標的薬が使用料を低減させることができ、それでも所期のアトピー性皮膚炎改善効果を維持することができる。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステロイド剤又は分子標的薬が使用されている状態で併用され、ケストースを有効成分とすることを特徴とするアトピー性皮膚炎改善剤。
【請求項2】
ステロイド剤又は分子標的薬が使用されている状態で併用され、乳酸菌を有効成分とすることを特徴とするアトピー性皮膚炎改善剤。
【請求項3】
ステロイド剤又は分子標的薬が使用されている状態で併用され、ケストースと乳酸菌を有効成分とすることを特徴とするアトピー性皮膚炎改善剤。
【請求項4】
請求項2記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、
上記乳酸菌はラクトバチルスパラカゼイであることを特徴とするアトピー性皮膚炎改善剤。
【請求項5】
請求項3に記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、
上記乳酸菌はラクトバチルスプランタラムであることを特徴とするアトピー性皮膚炎改善剤。
【請求項6】
請求項3記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、
上記乳酸菌はラクトバチルスパラカゼイであることを特徴とするアトピー性皮膚炎改善剤。
【請求項7】
請求項3に記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、
上記乳酸菌はラクトバチルスプランタラムであることを特徴とするアトピー性皮膚炎改善剤。
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れかに記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、
愛玩動物用であることを特徴とするアトピー性皮膚炎改善剤。
【請求項9】
請求項8記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、
犬用であることを特徴とするアトピー性皮膚炎改善剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アトピー性皮膚炎改善剤に係り、特に、ステロイド又は分子標的薬を使用している状態で併用され、ステロイド又は分子標的薬の使用量を低減させ、且つ、所望の改善効果を得ることができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
犬アトピー性皮膚炎(CAD)は、環境及び食物アレルゲンを含む様々な病因に関連した皮膚疾患である。この種の皮膚疾患について記述したものとして、例えば、非特許文献1、非特許文献2、等がある。犬アトピー性皮膚炎(CAD)の臨床的特徴としては、痒み、発赤、落屑など、顕著な皮膚疾患に認められる徴候があり、生活の質(QOL:Quality of Life)を劇的に低下させることがある。
【0003】
治療ガイドラインによると、犬アトピー性皮膚炎(CAD)の治療としてステロイド剤や場合によっては免疫抑制剤の投与が行われている。この種の治療に関して記述したものとして、例えば、非特許文献3、非特許文献4、等がある。
【0004】
ステロイドとは副腎から作られる副腎皮質ホルモンの1つである。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用があり、様々な疾患の治療に使われる。ステロイドは大きくは糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドに分類され、犬アトピー性皮膚炎(CAD)をはじめとした炎症性疾患の治療には、主として糖質コルチコイドであるプレドニゾロンが広く用いられている。
【0005】
一方、このようなステロイドに関しては、免疫力の低下、高血糖や糖尿病、皮膚の硬質化、筋力低下、白内障の進行、動脈硬化、カルシウム吸収阻害、消化器系の粘膜層減少、等、様々な副作用を及ぼすことが報告されている。
【0006】
このような問題から、より副作用が軽減された分子標的薬と呼ばれる製剤の開発も進んでいる。例えば、犬アトピー性皮膚炎(CAD)の治療にて使用されるオクラシチニブは、体内の痒みに関係するサイトカインであるヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害して痒みと炎症を制御する薬効があり、犬アトピー性皮膚炎(CAD)の治療に用いられる。
しかしながら、このような分子標的薬はアトピー性体質を本質的に改善するものではなく、使用を中断するとまた症状が再発するといった問題点が存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Saridomichelakis MN, Olivry T (2016) An update on the treatment of canine atopic dermatitis. Vet J. 2016 Jan;207:29-37. doi: 10.1016/j.tvjl.2015.09.016.
【非特許文献2】Olivry T, DeBoer DJ, Favrot C, Jackson HA, Mueller RS, Nuttall T, Prelaud P (2010) International Task Force on Canine Atopic Dermatitis. Treatment of canine atopic dermatitis: 2010 clinical practice guidelines from the International Task Force on Canine Atopic Dermatitis. Vet Dermatol. 21(3):233-48.
【非特許文献3】Saridomichelakis MN, Olivry T (2016) An update on the treatment of canine atopic dermatitis. Vet J. 2016 Jan;207:29-37. doi: 10.1016/j.tvjl.2015.09.016.
【非特許文献4】Olivry T, DeBoer DJ, Favrot C, Jackson HA, Mueller RS, Nuttall T, Prelaud P (2010) International Task Force on Canine Atopic Dermatitis. Treatment of canine atopic dermatitis: 2010 clinical practice guidelines from the International Task Force on Canine Atopic Dermatitis. Vet Dermatol. 21(3):233-48.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
まず、ステロイドの場合には様々な副作用が懸念されるという問題があった。又、分子標的薬の場合には犬アトピー性皮膚炎(CAD)を本質的に治療するようなものではないという問題があった。
【0009】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、ステロイド又は分子標的薬と併用され、ステロイド又は分子標的薬の使用量を低減させ、且つ、所望の治療を施すことを可能にするアトピー性皮膚炎改善剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1によるアトピー性皮膚炎改善剤は、ステロイド剤又は分子標的薬が使用されている状態で併用され、ケストースを有効成分とすることを特徴とするものである。
又、請求項2によるアトピー性皮膚炎改善剤は、ステロイド剤又は分子標的薬が使用されている状態で併用され、乳酸菌を有効成分とすることを特徴とするものである。
又、請求項3によるアトピー性皮膚炎改善剤は、ステロイド剤又は分子標的薬が使用されている状態で併用され、ケストースと乳酸菌を有効成分とすることを特徴とするものである。
又、請求項4によるアトピー性皮膚炎改善剤は、請求項2記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、上記乳酸菌はラクトバチルスパラカゼイであることを特徴とするものである。
又、請求項5によるアトピー性皮膚炎改善剤は、請求項3に記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、上記乳酸菌はラクトバチルスプランタラムであることを特徴とするものである。
又、請求項6によるアトピー性皮膚炎改善剤は、請求項3記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、上記乳酸菌はラクトバチルスパラカゼイであることを特徴とするものである。
又、請求項7によるアトピー性皮膚炎改善剤は、請求項3に記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、上記乳酸菌はラクトバチルスプランタラムであることを特徴とするものである。
又、請求項8によるアトピー性皮膚炎改善剤は、請求項1~請求項7の何れかに記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、愛玩動物用であることを特徴とするものである。
又、請求項9によるアトピー性皮膚炎改善剤は、請求項8記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、犬用であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
以上述べたように本願発明の請求項1によるアトピー性皮膚炎改善剤によると、ステロイド剤又は分子標的薬が使用されている状態で併用され、ケストースを有効成分とするものであり、そのようなアトピー性皮膚炎改善剤を使用することにより、ステロイド剤又は分子標的薬が使用料を低減させることができ、それでも所期のアトピー性皮膚炎改善効果を維持することができる。
又、請求項2によるアトピー性皮膚炎改善剤によると、ステロイド剤又は分子標的薬が使用されている状態で併用され、乳酸菌を有効成分とするものであり、そのようなアトピー性皮膚炎改善剤を使用することにより、ステロイド剤又は分子標的薬が使用料を低減させることができ、それでも所期のアトピー性皮膚炎改善効果を維持することができる。
又、請求項3によるアトピー性皮膚炎改善剤によると、ステロイド剤又は分子標的薬が使用されている状態で併用され、ケストースと乳酸菌を有効成分とするものであり、そのようなアトピー性皮膚炎改善剤を使用することにより、ステロイド剤又は分子標的薬が使用料を低減させることができ、それでも所期のアトピー性皮膚炎改善効果を維持することができる。
又、請求項4によるアトピー性皮膚炎改善剤によると、請求項2記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、上記乳酸菌はラクトバチルスパラカゼイであるので、そのようなアトピー性皮膚炎改善剤を使用することにより、ステロイド剤又は分子標的薬が使用料を低減させることができ、それでも所期のアトピー性皮膚炎改善効果を維持することができる。
又、請求項5によるアトピー性皮膚炎改善剤によると、請求項3に記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、上記乳酸菌はラクトバチルスプランタラムであるので、そのようなアトピー性皮膚炎改善剤を使用することにより、ステロイド剤又は分子標的薬が使用料を低減させることができ、それでも所期のアトピー性皮膚炎改善効果を維持することができる。
又、請求項6によるアトピー性皮膚炎改善剤によると、請求項3記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、上記乳酸菌はラクトバチルスパラカゼイであるので、そのようなアトピー性皮膚炎改善剤を使用することにより、ステロイド剤又は分子標的薬が使用料を低減させることができ、それでも所期のアトピー性皮膚炎改善効果を維持することができる。
又、請求項7によるアトピー性皮膚炎改善剤によると、請求項3に記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、上記乳酸菌はラクトバチルスプランタラムであるので、そのようなアトピー性皮膚炎改善剤を使用することにより、ステロイド剤又は分子標的薬が使用料を低減させることができ、それでも所期のアトピー性皮膚炎改善効果を維持することができる。
又、請求項8によるアトピー性皮膚炎改善剤によると、請求項1~請求項7の何れかに記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、愛玩動物用であり、そのようなアトピー性皮膚炎改善剤を使用することにより、ステロイド剤又は分子標的薬が使用料を低減させることができ、それでも所期のアトピー性皮膚炎改善効果を維持することができる。
又、請求項9によるアトピー性皮膚炎改善剤は、請求項8記載のアトピー性皮膚炎改善剤において、犬用であり、そのようなアトピー性皮膚炎改善剤を使用することにより、ステロイド剤又は分子標的薬が使用料を低減させることができ、それでも所期のアトピー性皮膚炎改善効果を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本願発明を実施するための形態を説明する。
【0013】
本実施の形態の場合には、ステロイドを使用している状態でケストースを併用する(実施例1)、ステロイドを使用している状態でラクトバチルスパラカゼイを併用する(実施例2)、ステロイドを使用してる状態でラクトバチルスプランタラムを併用する(実施例3)、ステロイドを使用している状態でケストースとラクトバチルスパラカゼイを併用する(実施例4)、ステロイドを使用している状態でケストースとラクトバチルスプランタラムを併用する(実施例5)、アボキルを使用している状態でケストースを併用する(実施例6)、アボキルを使用している状態でラクトバチルスパラカゼイを併用する(実施例7)、アボキルを使用している状態でラクトバチルスプランタラムを併用する(実施例8)、アボキルを使用している状態でケストースとラクトバチルスパラカゼイを併用する(実施例9)、アボキルを使用している状態でケストースとラクトバチルスプランタラムを併用する(実施例10)、を確認した。
【0014】
ケストースとは、ブドウ糖と2分子の果糖からなる3糖のいわゆる「プレバイオティクス」と称されるもので、大腸内の特定の細菌の増殖及び活性を選択的に変化させることにより、宿主に有利な影響を与え、宿主の健康を改善する難消化性初期品成分である。ケストースに関しては既にアトピー性皮膚炎の改善効果等アレルギー症状の改善効果が報告されている。
【0015】
ラクトバチルスパラカゼイは乳酸菌であり(乳酸菌1)、ラクトバチルスプランタラムも乳酸菌である(乳酸菌2)。これらラクトバチルスパラカゼイとラクトバチルスプランタラムは共に発酵食品より分離された乳酸菌であり、下記に記す16SリボソーマルプロテインをコードとするDNA配列により特定される。ラクトバチルスパラカゼイに関してはアトピー性皮膚炎の改善効果が報告されている。又、これらラクトバチルスパラカゼイとラクトバチルスプランタラムはいわゆる「プロバイオティクス」と称されるものであって、腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える微生物である。
【0016】
上記乳酸菌1(ラクトバチルスパラカゼイ)、乳酸菌2(ラクトバチルスプランタラム)のDNA配列は次の通りである。
乳酸菌1
ORIGIN
1 gatgaacgct ggcggcgtgc ctaatacatg caagtcgaac gagttctcgt tgatgatcgg
61 tgcttgcacc gagattcaac atggaacgag tggcggacgg gtgagtaaca cgtgggtaac
121 ctgcccttaa gtgggggata acatttggaa acagatgcta ataccgcata gatccaagaa
181 ccgcatggtt cttggctgaa agatggcgta agctatcgct tttggatgga cccgcggcgt
241 attagctagt tggtgaggta atggctcacc aaggcgatga tacgtagccg aactgagagg
301 ttgatcggcc acattgggac tgagacacgg cccaaactcc tacgggaggc agcagtaggg
361 aatcttccac aatggacgca agtctgatgg agcaacgccg cgtgagtgaa gaaggctttc
421 gggtcgtaaa actctgttgt tggagaagaa tggtcggcag agtaactgtt gtcggcgtga
481 cggtatccaa ccagaaagcc acggctaact acgtgccagc agccgcggta atacgtaggt
541 ggcaagcgtt atccggattt attgggcgta aagcgagcgc aggcggtttt ttaagtctga
601 tgtgaaagcc ctcggcttaa ccgaggaagc gcatcggaaa ctgggaaact tgagtgcaga
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721 tggcgaaggc ggctgtctgg tctgtaactg acgctgaggc tcgaaagcat gggtagcgaa
781 caggattaga taccctggta gtccatgccg taaacgatga atgctaggtg ttggagggtt
841 tccgcccttc agtgccgcag ctaacgcatt aagcattccg cctggggagt acgaccgcaa
901 ggttgaaact caaaggaatt gacgggggcc cgcacaagcg gtggagcatg tggtttaatt
961 cgaagcaacg cgaagaacct taccaggtct tgacatcttt tgatcacctg agagatcagg
1021 tttccccttc gggggcaaaa tgacaggtgg tgcatggttg tcgtcagctc gtgtcgtgag
1081 atgttgggtt aagtcccgca acgagcgcaa cccttatgac tagttgccag catttagttg
1141 ggcactctag taagactgcc ggtgacaaac cggaggaagg tggggatgac gtcaaatcat
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1261 accgcgaggt caagctaatc tcttaaagcc attctcagtt cggactgtag gctgcaactc
1321 gcctacacga agtcggaatc gctagtaatc gcggatcagc acgccgcggt gaatacgttc
1381 ccgggccttg tacacaccgc ccgtcacacc atgagagttt gtaacacccg aagccggtgg
1441 cgtaaccctt ttagggagcg agccgtctaa ggtgggacaa atgattaggg tgaagtcgta
1501 acaaggtagc cgtaggagaa cc

乳酸菌2
GAGTTTGATCCTGGCTCAG
GACGAACGCTGGCGGCGTGCCTAATACATGCAAGTCGAACGAACTCTGGTATTGATTGGTGCTTGCATCATGATTTACATTTGAGTGAGTGGCGAACTGGTGAGTAACACGTGGGAAACCTGCCCAGAAGCGGGGGATAACACCTGGAAACAGATGCTAATACCGCATAACAACTTGGACCGCATGGTCCGAGTTTGAAAGATGGCTTCGGCTATCACTTTTGGATGGTCCCGCGGCGTATTAGCTAGATGGTGRGGTAACGGCTCACCATGGCAATGATACGTAGCCGACCTGAGAGGGTAATCGGCCACATTGGGACTGAGACACGGCCCAAACTCCTACGGGAGGCAGCAGTAGGGAATCTTCCACAATGGACGAAAGTCTGATGGAGCAACGCCGCGTGAGTGAAGAAGGGTTTCGGCTCGTAAAACTCTGTTGTTAAAGAAGAACATATCTGAGAGTAACTGTTCAGGTATTGACGGTATTTAACCAGAAAGCCACGGCTAACTACGTGC
CAGCAGCCGCGGTAATAC
【0017】
これらのプロバイオティクスに関しても、アトピー性皮膚炎の改善効果が報告されている。
【0018】
尚、プレバイオティクス、プロバイオティクスの何れに関しても、アトピー性皮膚炎の治療に使用されるステロイド又は分子標的薬と併用された場合、ステロイド又は分子標的薬の使用量がどの程度低減されるかについては報告されていない。
【0019】
以下、実施例(実施例1~実施例10)に関して順次説明する。
【実施例0020】
Favrot[tt1] らが記載した診断基準(参考文献1)を満たし犬アトピー性皮膚炎(CAD)と診断され、90日以上連続してプレドニゾロン(ニプロ株式会社製のNP)又はオクラシチニブを有効成分とするアポキル(ゾエティス・ジャパン株式会社製のアポキル錠)を単独投与し、改善効果が見られない犬を対象として試験を実施した。
試験期間中のプレドニゾロン又はアポキルの投与間隔は、症状に応じて、毎日、隔日、3日に1回とした。2週間ごとに症状を評価し,臨床所見の改善がみられた場合,プレドニゾロン の投与間隔を延長した。具体的には、毎日投与から隔日投与への変更である。その後、症状が悪化した場合は、元の投与間隔に戻した。3日に1回の投与で改善がみられた場合、プレドニゾロンの使用は中止した。試験期間中、プレドニゾロンの単回投与量(0.3~0.7mg/kg/日)は変更されなかった。
参考文献1:Favrot C, Steffan J, Seewald W, Picco F (2010) A prospective study on the clinical features of chronic canine atopic dermatitis and its diagnosis. Vet Dermatol 21:23-31.
【0021】
ケストースは物産フードサイエンス社製の「ケストース95」を使用し、ラクトバチルスパラカゼイ、ラクトバチルスプランタラムについてはアスパック企業株式会社製の「ラクトバチルスパラカゼイFM-01」、「ラクトバチルスプランタラムFM-08」を使用した。又、ケストースに関しては錠剤(ケストース400mg/錠)として1日1錠投与し、ラクトバチルスパラカゼイ、ラクトバチルスプランタラムに関しては、それぞれカプセル(2×1010colony-forming units/カプセル)にて、1日1カプセルを投与した。
【0022】
犬アトピー性皮膚炎(CAD)の症状は、犬アトピー性皮膚炎病変指数(CADLI)(参考文献[tt2] 2)を用いて評価した。CADLIスコアは、ケストース、乳酸菌、シンバイオティクス(オリゴ糖と乳酸菌を同時に使用した場合の総称)投与前と投与後に同じ獣医師が評価した。又、シンバイオティクス投与前の90日間のプレドニゾロンの総使用量を90日間の投与期間中の総使用量と比較した。
参考文献2:Plant JD, Gortel K, Kovalik M, Polissar NL, Neradilek MB (2012) Development and validation of the Canine Atopic Dermatitis Lesion Index, a scale for the rapid scoring of lesion severity in canine atopic dermatitis. Vet Dermatol 23:515-e103.
【実施例0023】
実施例1の結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
実施例1のケース1は、犬種はフレンチブルドッグで3歳の去勢雄である。プレドニゾロンを使用されている状態でケストースを併用した。当初のスコアが40であるのに対して90日後のスコアは1である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が200mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は120mgであり、その低減率は60.0%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用は停止に至った。
【0026】
ケース2は、犬種はトイプードルで3歳の避妊雌である。プレドニゾロンを使用されている状態でケストースを併用した。当初のスコアが25であるのに対して90日後のスコアは16である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が170mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は100mgであり、その低減率は58.8%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用停止には至らなかった。
【0027】
ケース3は、犬種がイタリアングレイハウンドで4歳の避妊雌である。プレドニゾロンを使用されている状態でケストースを併用した。当初のスコアが10であるのに対して90日後のスコアは6である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が90mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は60mgであり、その低減率は66.7%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用停止には至らなかった。
【0028】
ケース4は、犬種がラブラドールレトリーバで3歳の避妊雌である。プレドニゾロンを使用されている状態でケストースを併用した。当初のスコアが30であるのに対して90日後のスコアは0である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が400mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は240mgであり、その低減率は60.0%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用停止には至らなかった。
【0029】
ケース5は、犬種はトイプードルで3歳の未去勢雄である。プレドニゾロンを使用されている状態でケストースを併用した。当初のスコアが20であるのに対して90日後のスコアは15である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が90mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は55mgであり、その低減率は61.1%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用停止には至らなかった。
【実施例0030】
実施例2の結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
実施例2のケース1は、犬種はヨークシャテリアで9歳の未去勢雄である。プレドニゾロンを使用されている状態でラクトバチルスパラカゼイを併用した。当初のスコアが30であるのに対して90日後のスコアは25である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が100mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は75mgであり、その低減率は75.0%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用の停止には至らなかった。
【0033】
ケース2は、犬種は雑種で3歳の未去勢雄である。プレドニゾロンを使用されている状態でラクトバチルスパラカゼイを併用した。当初のスコアが35であるのに対して90日後のスコアは30である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が112mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は55mgであり、その低減率は49.1%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用は停止に至った。
【0034】
ケース3は、犬種がフレンチブルドッグで7歳の未去勢雄である。プレドニゾロンを使用されている状態でラクトバチルスパラカゼイを併用した。当初のスコアが45であるのに対して90日後のスコアは38である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が100mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は60mgであり、その低減率は60.0%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用停止には至らなかった。
【0035】
ケース4は、犬種がフレンチブルドッグで4歳の未去勢雄である。プレドニゾロンを使用されている状態でラクトバチルスパラカゼイを併用した。当初のスコアが38であるのに対して90日後のスコアは30である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が150mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は80mgであり、その低減率は53.3%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用停止には至らなかった。
【実施例0036】
実施例3の結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
実施例3のケース1は、犬種は柴で4歳の去勢雄である。プレドニゾロンを使用されている状態でラクトバチルスプランタラムを併用した。当初のスコアが20であるのに対して90日後のスコアは12である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が200mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は95mgであり、その低減率は47.5%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用の停止には至らなかった。
【0039】
ケース2は、犬種は雑種で3歳の去勢雄である。プレドニゾロンを使用されている状態でラクトバチルスプランタラムを併用した。当初のスコアが22であるのに対して90日後のスコアは12である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が110mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は75mgであり、その低減率は68.2%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用停止には至らなかった。
【0040】
ケース3は、犬種がシーズーで6歳の去勢雄である。プレドニゾロンを使用されている状態でラクトバチルスプランタラムを併用した。当初のスコアが36であるのに対して90日後のスコアは12である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が80mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は40mgであり、その低減率は50.0%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用停止に至った。
【0041】
ケース4は、犬種が柴で4歳の避妊雌である。プレドニゾロンを使用されている状態でラクトバチルスプランタラムを併用した。当初のスコアが20であるのに対して90日後のスコアは2である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が240mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は100mgであり、その低減率は41.7%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用停止には至らなかった。
【0042】
ケース5は、犬種が柴で2歳の避妊雌である。プレドニゾロンを使用されている状態でラクトバチルスプランタラムを併用した。当初のスコアが42であるのに対して90日後のスコアは30である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が130mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は78mgであり、その低減率は60.0%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用停止には至らなかった。
【実施例0043】
実施例4の結果を表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】
実施例4のケース1は、犬種はフレンチブルドッグで3歳の去勢雄である。プレドニゾロンを使用されている状態でケストースとラクトバチルスパラカゼイを併用した。当初のスコアが33であるのに対して90日後のスコアは20である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が150mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は80mgであり、その低減率は53.3%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用の停止には至らなかった。
【0046】
ケース2は、犬種は雑種で4歳の未去勢雄である。プレドニゾロンを使用されている状態でケストースとラクトバチルスパラカゼイを併用した。当初のスコアが22であるのに対して90日後のスコアは10である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が240mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は100mgであり、その低減率は41.7%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用は停止に至った。
【0047】
ケース3は、犬種がフレンチブルドッグで3歳の去勢雄である。プレドニゾロンを使用されている状態でケストースとラクトバチルスパラカゼイを併用した。当初のスコアが18であるのに対して90日後のスコアは9である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が350mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は200mgであり、その低減率は57.1%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用は停止に至った。
【0048】
ケース4は、犬種がトイプードルで3歳の去勢雄である。プレドニゾロンを使用されている状態でケストースとラクトバチルスパラカゼイを併用した。当初のスコアが40であるのに対して90日後のスコアは25である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が200mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は80mgであり、その低減率は40.0%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用停止には至らなかった。
【0049】
ケース5は、犬種がトイプードルで5歳の去勢雄である。プレドニゾロンを使用されている状態でケストースとラクトバチルスパラカゼイを併用した。当初のスコアが24であるのに対して90日後のスコアは18である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が150mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は70mgであり、その低減率は46.7%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用は停止至った。
【実施例0050】
実施例5の結果を表5に示す。
【0051】
【表5】
【0052】
実施例5のケース1は、犬種はパグで2歳の避妊雌である。プレドニゾロンを使用されている状態でケストースとラクトバチルスプランタラムを併用した。当初のスコアが22であるのに対して90日後のスコアは10である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が250mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は120mgであり、その低減率は48.0%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用は停止に至った。
【0053】
ケース2は、犬種はラブラドールレトリーバで4歳の避妊雌である。プレドニゾロンを使用されている状態でケストースとラクトバチルスプランタラムを併用した。当初のスコアが30であるのに対して90日後のスコアは18である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が480mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は200mgであり、その低減率は41.7%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用は停止に至った。
【0054】
ケース3は、犬種が柴で2歳の避妊雌である。プレドニゾロンを使用されている状態でケストースとラクトバチルスプランタラムを併用した。当初のスコアが45であるのに対して90日後のスコアは20である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が420mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は180mgであり、その低減率は42.9%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用は停止に至った。
【0055】
ケース4は、犬種がチワワで3歳の未去勢雄である。プレドニゾロンを使用されている状態でケストースとラクトバチルスプランタラムを併用した。当初のスコアが45であるのに対して90日後のスコアは18である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が120mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は40mgであり、その低減率は33.3%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用は停止に至った。
【0056】
ケース5は、犬種がトイプードルで3歳の避妊雌である。プレドニゾロンを使用されている状態でケストースとラクトバチルスプランタラムを併用した。当初のスコアが15であるのに対して90日後のスコアは8である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が230mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は120mgであり、その低減率は52.2%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用は停止には至らなかった。
【0057】
ケース6は、犬種がトイプードルで1歳の避妊雌である。プレドニゾロンを使用されている状態でケストースとラクトバチルスプランタラムを併用した。当初のスコアが26であるのに対して90日後のスコアは10である。前半の90日のプレドニゾロンの使用量が180mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は40mgであり、その低減率は22.2%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用は停止には至らなかった。
【実施例0058】
実施例6の結果を表6に示す。
【0059】
【表6】
【0060】
実施例6のケース1は、犬種はチワワで6歳の避妊雌である。アボキルを使用されている状態でケストースを併用した。当初のスコアが36であるのに対して90日後のスコアは18である。前半の90日のアボキルの使用量が112mgであるのに対して後半90日のアボキルの使用量は60mgであり、その低減率は53.6%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でアボキルの使用停止には至らなかった。
【0061】
ケース2は、犬種はウェルシュコーギーで6歳の避妊雌である。アボキルを使用されている状態でケストースを併用した。当初のスコアが20であるのに対して90日後のスコアは8である。前半の90日のアボキルの使用量が500mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は150mgであり、その低減率は30.0%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用は停止に至った。
【0062】
ケース3は、犬種が柴で1歳の未去勢雄である。アボキルを使用されている状態でケストースを併用した。当初のスコアが40であるのに対して90日後のスコアは36である。前半の90日のアボキルの使用量が450mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は150mgであり、その低減率は33.3%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用停止には至らなかった。
【0063】
ケース4は、犬種がボーダーコリーで2歳の未去勢雄である。アボキルを使用されている状態でケストースを併用した。当初のスコアが45であるのに対して90日後のスコアは18である。前半の90日のアボキルの使用量が480mgであるのに対して後半90日のアボキルの使用量は200mgであり、その低減率は41.7%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用停止には至らなかった。
【実施例0064】
実施例7の結果を表7に示す。
【0065】
【表7】
【0066】
実施例7のケース1は、犬種はチワワで6歳の避妊雌である。アボキルを使用されている状態でラクトバチルスパラカゼイを併用した。当初のスコアが36であるのに対して90日後のスコアは18である。前半の90日のアボキルの使用量が112mgであるのに対して後半90日のアボキルの使用量は80mgであり、その低減率は71.4%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用の停止には至らなかった。
【0067】
ケース2は、犬種はウェルシュコーギーで6歳の避妊雌である。アボキルを使用されている状態でラクトバチルスパラカゼイを併用した。当初のスコアが20であるのに対して90日後のスコアは8である。前半の90日のアボキルの使用量が500mgであるのに対して後半90日のアボキルの使用量は150mgであり、その低減率は30.0%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用停止には至らなかった。
【0068】
ケース3は、犬種が柴で1歳の未去勢雄である。アボキルを使用されている状態でラクトバチルスパラカゼイを併用した。当初のスコアが40であるのに対して90日後のスコアは36である。前半の90日のアボキルの使用量が450mgであるのに対して後半90日のプレドニゾロンの使用量は240mgであり、その低減率は53.3%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でアボキルの使用は停止に至った。
【0069】
ケース4は、犬種がボーダーコリーで2歳の未去勢雄である。アボキルを使用されている状態でラクトバチルスパラカゼイを併用した。当初のスコアが45であるのに対して90日後のスコアは18である。前半の90日のアボキルの使用量が480mgであるのに対して後半90日のアボキルの使用量は250mgであり、その低減率は52.1%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用停止には至らなかった。
【実施例0070】
実施例8の結果を表8に示す。
【0071】
【表8】
【0072】
実施例8のケース1は、犬種は柴で3歳の未去勢雄である。アボキルを使用されている状態でラクトバチルスプランタラムを併用した。当初のスコアが38であるのに対して90日後のスコアは24である。前半の90日のアボキルの使用量が472mgであるのに対して後半90日のアボキルの使用量は250mgであり、その低減率は53.0%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用の停止には至らなかった。
【0073】
ケース2は、犬種はフレンチブルドッグで5歳の未去勢雄である。アボキルを使用されている状態でラクトバチルスプランタラムを併用した。当初のスコアが32であるのに対して90日後のスコアは24である。前半の90日のアボキルの使用量が350mgであるのに対して後半90日のアボキルの使用量は150mgであり、その低減率は42.9%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でアボキルの使用は停止に至った。
【0074】
ケース3は、犬種が柴で5歳の避妊雌である。アボキルを使用されている状態でラクトバチルスプランタラムを併用した。当初のスコアが28であるのに対して90日後のスコアは18である。前半の90日のアボキルの使用量が300mgであるのに対して後半90日のアボキルの使用量は200mgであり、その低減率は66.7%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でアボキルの使用停止には至らなかった。
【実施例0075】
実施例9の結果を表9に示す。
【0076】
【表9】
【0077】
実施例9のケース1は、犬種は雑種で5歳の避妊雌である。アボキルを使用されている状態でケストースとラクトバチルスパラカゼイを併用した。当初のスコアが18であるのに対して90日後のスコアは10である。前半の90日のアボキルの使用量が350mgであるのに対して後半90日のアボキルの使用量は50mgであり、その低減率は14.3%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でアボキルの使用は停止に至った。
【0078】
ケース2は、犬種はシーズーで7歳の避妊雌である。アボキルを使用されている状態でケストースとラクトバチルスパラカゼイを併用した。当初のスコアが18であるのに対して90日後のスコアは10である。前半の90日のアボキルの使用量が220mgであるのに対して後半90日のアボキルの使用量は120mgであり、その低減率は54.5%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用は停止に至った。
【0079】
ケース3は、犬種が柴で6歳の避妊雌である。アボキルを使用されている状態でケストースとラクトバチルスパラカゼイを併用した。当初のスコアが20であるのに対して90日後のスコアは12である。前半の90日のアボキルの使用量が350mgであるのに対して後半90日のアボキルの使用量は200mgであり、その低減率は57.1%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用停止には至らなかった。
【実施例0080】
実施例10の結果を表10に示す。
【0081】
【表10】
【0082】
実施例10のケース1は、犬種は雑種で2歳の去勢雄である。アボキルを使用されている状態でケストースとラクトバチルスプランタラムを併用した。当初のスコアが30であるのに対して90日後のスコアは12である。前半の90日のアボキルの使用量が300mgであるのに対して後半90日のアボキルの使用量は120mgであり、その低減率は40.0%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用は停止に至った。
【0083】
ケース2は、犬種は雑種で1歳の避妊雌である。アボキルを使用されている状態でケストースとラクトバチルスプランタラムを併用した。当初のスコアが18であるのに対して90日後のスコアは10である。前半の90日のアボキルの使用量が260mgであるのに対して後半90日のアボキルの使用量は80mgであり、その低減率は30.8%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でアボキルの使用停止には至らなかった。
【0084】
ケース3は、犬種がシーズーで5歳の避妊雌である。アボキルを使用されている状態でケストースとラクトバチルスプランタラムを併用した。当初のスコアが28であるのに対して90日後のスコアは14である。前半の90日のアボキルの使用量が160mgであるのに対して後半90日のアボキルの使用量は80mgであり、その低減率は50.0%である。又、3ヶ月~6ヵ月の範囲でプレドニゾロンの使用は停止に至った。
【0085】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、ステロイド、分子標的薬の使用料を軽減させることができ、それでも所期の治療効果を得ることができる。
まず、実施例1によると、プレドニゾロンとケストースを併用することにより、プレドニゾロンの使用量を低減させることができ、それでも、所期の治療効果を得ることができる。
次に、実施例2によると、プレドニゾロンと乳酸菌1を併用することにより、プレドニゾロンの使用量を低減させることができ、それでも、所期の治療効果を得ることができる。
次に、実施例3によると、プレドニゾロンと乳酸菌2を併用することにより、プレドニゾロンの使用量を低減させることができ、それでも、所期の治療効果を得ることができる。
次に、実施例4によると、プレドニゾロンとケストースと乳酸菌1を併用することにより、プレドニゾロンの使用量を低減させることができ、それでも、所期の治療効果を得ることができる。
次に、実施例5によると、プレドニゾロンとケストースと乳酸菌2を併用することにより、プレドニゾロンの使用量を低減させることができ、それでも、所期の治療効果を得ることができる。
次に、実施例6によると、アポキルとケストースを併用することにより、アポキルの使用量を低減させることができ、それでも、所期の治療効果を得ることができる。
次に、実施例7によると、アポキルと乳酸菌1を併用することにより、アポキルの使用量を低減させることができ、それでも、所期の治療効果を得ることができる。
次に、実施例8によると、アポキルと乳酸菌2を併用することにより、アポキルの使用量を低減させることができ、それでも、所期の治療効果を得ることができる。
次に、実施例9によると、アポキルとケストースと乳酸菌1を併用することにより、アポキルの使用量を低減させることができ、それでも、所期の治療効果を得ることができる。
次に、実施例10によると、アポキルとケストースと乳酸菌2を併用することにより、アポキルの使用量を低減させることができ、それでも、所期の治療効果を得ることができる。
【0086】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。
前記実施の形態では犬を例に挙げて説明したが、その他の愛玩動物や人間にも適用可能である。
又、乳酸菌としてはラクトバチルスパラカゼイ、ラクトバチルスプランタラム以外にも想定される。
その他、説明した内容はあくまで一例である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、アトピー性皮膚炎改善剤に係り、特に、ステロイド又は分子標的薬を使用している状態で併用され、ステロイド又は分子標的薬の使用量を低減させ、且つ、所望の改善効果を得ることができるように工夫したものに関し、例えば、犬等の愛玩動物のアトピー性皮膚炎の改善に好適である。