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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121381
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240830BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240830BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
G03G21/16 180
B41J29/00 B
B41J29/00 S
G03G21/16 109
G03G15/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028453
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】石塚 大輔
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 郷
【テーマコード(参考)】
2C061
2H171
2H200
【Fターム(参考)】
2C061AQ06
2C061AS02
2C061BB33
2C061BB35
2C061CD07
2C061CF03
2C061CF06
2C061CP05
2H171FA01
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA05
2H171FA10
2H171FA15
2H171GA06
2H171GA09
2H171HA02
2H171HA24
2H171JA03
2H171JA08
2H171JA15
2H171KA05
2H171KA13
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA26
2H171MA02
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA21
2H171QB03
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC05
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H200FA09
2H200GA23
2H200GA34
2H200GA44
2H200HA12
2H200JA02
2H200JB06
2H200JB10
2H200LA03
2H200LA06
2H200LA24
2H200LA34
(57)【要約】
【課題】無端ベルトの電荷を逃がす構成と、収容部に対してベルトユニットを着脱するためのガイド構成と、に係る部品点数を削減しつつ、画像形成装置が落下したときに、収容部に対してベルトユニットを着脱するためのガイド構成に係る部品が破損することを抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】装置本体9は、ベルトユニット6が装着位置にあるときにガイド凸部77に当接する電極96Eと、ベルトユニット6が収容部9Aに対して着脱されるときにガイド凸部77を案内可能であり、ベルトユニット6が装着位置にあるときにガイド凸部77から離隔した位置にあるガイドレール97と、ベルトユニット6が装着位置にあるときに第1フレーム61に第3方向から当接する第1位置決め面91と、ベルトユニット6が装着位置にあるときに第1フレーム61に第1方向から当接する第2位置決め面92とを有する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収容部を有するとともに、前記収容部を開放する開口を有する装置本体と、
前記開口を通過して第1方向に移動することにより前記収容部に対して着脱されるベルトユニットと、
を備えた画像形成装置であって、
前記ベルトユニットは、前記第1方向と直交する第2方向に延びる駆動ローラと、
従動ローラと、
前記駆動ローラと前記従動ローラとの間で張架された無端ベルトと、
前記第2方向の一方において前記駆動ローラ及び前記従動ローラを回転可能に支持する第1フレームと、
前記第2方向の他方において前記駆動ローラ及び前記従動ローラを回転可能に支持する第2フレームと、
前記駆動ローラにおける前記第2方向の前記一方の端部に外挿されて前記第1フレームに保持される軸受本体と、前記第2フレームから離隔するように前記軸受本体から突出するガイド凸部と、を一体に有する導電性樹脂製の軸受と、
を有し、
前記装置本体は、前記ベルトユニットが前記収容部に装着された装着位置にあるときに前記ガイド凸部に当接する電極と、
前記ベルトユニットが前記収容部に対して着脱されるときに前記ガイド凸部を案内可能であり、前記ベルトユニットが前記装着位置にあるときに前記ガイド凸部から離隔した位置にあるガイドレールと、
前記ベルトユニットが前記装着位置にあるときに、前記第1フレームに前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向から当接する第1位置決め面と、
前記ベルトユニットが前記装着位置にあるときに、前記第1フレームに対して前記第1方向における前記開口とは反対側から当接可能な第2位置決め面と、
を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ガイド凸部の外形は、少なくとも前記ガイドレールと当接可能な範囲において前記駆動ローラの駆動軸心と平行な形状を有している請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ガイド凸部の前記外形は、半円筒面を有している請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1フレームにおける前記駆動ローラ側の端部には、前記第1位置決め面に当接する被位置決め部が設けられ、
前記第1位置決め面は、前記ガイドレールよりも前記開口から離隔した位置に配置されている請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記軸受は、前記軸受本体における前記第2方向の前記他方の端部から前記第2方向の前記一方に向かって凹み、前記駆動ローラにおける前記第2方向の前記一方の前記端部を支持する軸穴を有し、
前記軸穴は有底穴であって、前記駆動ローラの駆動軸心方向に沿って見て、長穴形状である請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記軸穴は、前記無端ベルトにテンションを掛ける方向である前記第1方向に長い請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ガイド凸部は、前記第1フレームよりも前記第2方向の前記一方に突出し、
前記ガイドレールは、前記第1フレームよりも前記第2方向の前記一方に位置している請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の画像形成装置の一例が開示されている。この画像形成装置は、装置本体及びベルトユニットを備えている。
【0003】
装置本体は、ハウジングの内部に収容部を有するとともに、収容部を開放する開口を有している。ベルトユニットは、開口を通過して前後方向に移動することにより収容部に対して着脱される。
【0004】
ベルトユニットは、駆動ローラ、従動ローラ、無端ベルト、右側枠及び左側枠を有している。無端ベルトは、駆動ローラと従動ローラとの間で張架されている。右側枠は、右方において駆動ローラ及び従動ローラを回転可能に支持している。右側枠は、右方に突出する揺動軸部を有している。左側枠は、左方において駆動ローラ及び従動ローラを回転可能に支持している。
【0005】
装置本体は、右方のフレーム部材の下側の側壁に設けられた揺動支持部を有している。ユーザがベルトユニットの前端を持ち、前端よりも後端が下がり気味の姿勢となったベルトユニットを開口を経由して収容部に装着すると、揺動支持部は、右側枠の揺動軸部に上下方向及び前後方向から当接して右側枠を位置決めする。
【0006】
また、特許文献2に従来の画像形成装置の別の一例が開示されている。この画像形成装置において、ベルトユニットは、特許文献1に係るベルトユニットの左側枠と同じ側にあるフレームに設けられた電気配線部及び第2端子部を有している。装置本体は、メインフレームに設けられた端子部を有している。
【0007】
メインフレーム側の端子部は、ベルトユニットが装置本体の収容部に装着された装着位置にあるときに、ベルトユニット側の第2端子部に当接して無端ベルトの電荷を逃がす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011-170022号公報
【特許文献2】特開2011-237566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記従来の画像形成装置では、無端ベルトの電荷を逃がす構成と、収容部に対してベルトユニットを着脱するためのガイド構成と、が必要であり、小型化の観点からも部品点数の削減が求められている。しかしながら、むやみに部品点数を削減すると、画像形成装置が落下したときに、収容部に対してベルトユニットを着脱するためのガイド構成に係る部品同士が衝突し易くなり、それらの部品が破損し易くなるおそれがある。
【0010】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、無端ベルトの電荷を逃がす構成と、収容部に対してベルトユニットを着脱するためのガイド構成と、に係る部品点数を削減しつつ、画像形成装置が落下したときに、収容部に対してベルトユニットを着脱するためのガイド構成に係る部品が破損することを抑制できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の画像形成装置は、内部に収容部を有するとともに、前記収容部を開放する開口を有する装置本体と、
前記開口を通過して第1方向に移動することにより前記収容部に対して着脱されるベルトユニットと、
を備えた画像形成装置であって、
前記ベルトユニットは、前記第1方向と直交する第2方向に延びる駆動ローラと、
従動ローラと、
前記駆動ローラと前記従動ローラとの間で張架された無端ベルトと、
前記第2方向の一方において前記駆動ローラ及び前記従動ローラを回転可能に支持する第1フレームと、
前記第2方向の他方において前記駆動ローラ及び前記従動ローラを回転可能に支持する第2フレームと、
前記駆動ローラにおける前記第2方向の前記一方の端部に外挿されて前記第1フレームに保持される軸受本体と、前記第2フレームから離隔するように前記軸受本体から突出するガイド凸部と、を一体に有する導電性樹脂製の軸受と、
を有し、
前記装置本体は、前記ベルトユニットが前記収容部に装着された装着位置にあるときに前記ガイド凸部に当接する電極と、
前記ベルトユニットが前記収容部に対して着脱されるときに前記ガイド凸部を案内可能であり、前記ベルトユニットが前記装着位置にあるときに前記ガイド凸部から離隔した位置にあるガイドレールと、
前記ベルトユニットが前記装着位置にあるときに、前記第1フレームに前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向から当接する第1位置決め面と、
前記ベルトユニットが前記装着位置にあるときに、前記第1フレームに対して前記第1方向における前記開口とは反対側から当接可能な第2位置決め面と、
を有していることを特徴とする。
【0012】
本発明の画像形成装置において、軸受本体とガイド凸部とを一体に有する導電性樹脂製の軸受は、無端ベルトの電荷を電極(アース電極)を介して装置本体側に逃がす構成と、収容部に対してベルトユニットを着脱するためにガイドレールに案内されるガイド構成と、に係る部品を兼ねている。
【0013】
また、この画像形成装置において、ベルトユニットが装着位置にあるときに、ガイドレールがガイド凸部から離隔し、第1位置決め面が第1フレームに当接して、第1フレームを第3方向において位置決めし、第2位置決め面が第1フレームを第1方向において装着位置から開口とは反対側に移動しないように規制する。この構成により、画像形成装置が落下したときに、装置本体から第1フレームに衝撃が伝わり易い一方、第1フレームと比較して強度の弱い軸受のガイド凸部に衝撃が伝わり難いので、ガイド凸部の破損を抑制できる。
【0014】
したがって、本発明の画像形成装置は、無端ベルトの電荷を逃がす構成と、収容部に対してベルトユニットを着脱するためのガイド構成と、に係る部品点数を削減しつつ、画像形成装置が落下したときに、収容部に対してベルトユニットを着脱するためのガイド構成に係る部品が破損することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施例の画像形成装置の模式断面図であって、プロセスユニットの着脱動作を説明する図である。
図2図2は、図1と同様の模式断面図であって、ベルトユニットの着脱動作を説明する図である。
図3図3は、左右のサイドフレームと、装着位置にあるベルトユニットと、を示す上面図である。
図4図4は、ベルトユニットの上面図である。
図5図5は、ベルトユニットの部分斜視図である。
図6図6は、ベルトユニットの第1フレーム、軸受、駆動ローラ等を示す部分分解斜視図である。
図7図7は、ベルトユニットの第1フレーム、軸受、駆動ローラ等を示す部分分解斜視図である。
図8図8は、図7の矢視Z方向から見た第1フレーム及び軸受を示す部分側面図である。
図9図9は、右方のサイドフレームと、装着位置にあるベルトユニットと、を示す部分斜視図である。
図10図10は、右方のサイドフレームを示す部分斜視図である。
図11図11は、図10の要部を拡大した部分斜視図である。
図12図12は、右方のサイドフレームのガイドレール、第1位置決め面及び第2位置決め面と、装着位置にあるベルトユニットのガイド凸部及び被位置決め部との相対位置関係を説明する図である。
図13図13は、ガイドレールに案内されるガイド凸部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した実施例について図面を参照しつつ説明する。
【0017】
(実施例)
図1に示すように、実施例の画像形成装置1は、本発明の画像形成装置の具体的態様の一例である。画像形成装置1は、電子写真方式によりシートSHに複数色の画像を形成するカラープリンタである。
【0018】
<画像形成装置の概略構成>
画像形成装置1は、略箱状体である装置本体9と、装置本体9に収容された画像形成部3、シートトレイ9C、給送部20及び排出ローラ対29と、を備えている。
【0019】
シートトレイ9Cは、画像形成部3よりも下方に位置している。シートトレイ9Cは、画像が形成される前のシートSHを積層状態で収容している。シートSHは、用紙、OHPシート等である。
【0020】
装置本体9の上面には、排出トレイ9Tが形成されている。排出トレイ9Tは、画像形成を終えたシートSHを支持する。
【0021】
装置本体9は、開口9H及びフロントカバー9Fを有している。開口9Hは、装置本体9の前面の上部分において開口している。フロントカバー9Fは、下端側を揺動中心軸としており、起立した状態で開口9Hを閉鎖している。フロントカバー9Fは、図1に二点鎖線で示すように、前端が前方かつ下方に移動するように揺動して前向きに略水平に突出する状態になる。
【0022】
装置本体9の左右方向は、前後方向及び上下方向に直交する方向である。装置本体9の開口9H及びフロントカバー9Fに向かった場合に左に来る側が左方である。図2以降の各図に示す前後方向、上下方向及び左右方向は、図1に対応させて表示する。
【0023】
前後方向は、本発明の「第1方向」の一例である。左右方向は、本発明の「第1方向と直交する第2方向」の一例である。右方は、本発明の「第2方向の一方」の一例である。左方は、本発明の「第2方向の他方」の一例である。上下方向は、本発明の「第1方向及び第2方向に直交する第3方向」の一例である。
【0024】
図1に示すように、給送部20は、画像形成部3よりも前方に位置している。給送部20は、給送経路P1に沿って配置された給送ローラ21、分離ローラ22、分離パッド22A、第1搬送ローラ対23及び第2搬送ローラ対24を有している。
【0025】
給送経路P1は、シートトレイ9Cの前端部から前向きかつ上向きに進んだ後にUターンし、後向きに進んで画像形成部3に至る経路である。
【0026】
給送ローラ21は、シートトレイ9Cに収容されたシートSHを給送経路P1に送り出す。分離ローラ22及び分離パッド22Aは、給送ローラ21が送り出したシートSHが複数枚重なっている場合に1枚ずつに分離する。
【0027】
第1搬送ローラ対23及び第2搬送ローラ対24は、分離ローラ22及び分離パッド22Aによって1枚ずつに分離されたシートSHをニップして画像形成部3に向けて搬送する。
【0028】
画像形成部3は、直接転写型のカラー電子写真方式である。画像形成部3は、プロセスカートリッジ4、ベルトユニット6、スキャナ部8及び定着器7を有している。
【0029】
プロセスカートリッジ4は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーに対応し、前後方向に直列する4つのカートリッジの集合体である。プロセスカートリッジ4は、各色のトナーにそれぞれ対応する4個の感光体5や、現像ローラ、帯電器及びトナー収容部等を有している。感光体5の回転軸心は、左右方向に延びている。
【0030】
ベルトユニット6は、プロセスカートリッジ4よりも下方に位置している。ベルトユニット6は、駆動ローラ65、従動ローラ66、無端ベルト60及び4個の転写ローラ64を有している。
【0031】
駆動ローラ65は、最も後方に位置する感光体5よりも後方かつ下方の位置で、左右方向に延びている。従動ローラ66は、駆動ローラ65から前方に離隔している。従動ローラ66は、最も前方に位置する感光体5よりも前方かつ下方の位置で、左右方向に延びている。
【0032】
無端ベルト60はポリイミド樹脂等で構成され、駆動ローラ65と従動ローラ66との間で張架されている。従動ローラ66が圧縮コイルバネ66Sによって前向きに付勢されることにより、無端ベルト60に前後方向のテンションが掛けられる。無端ベルト60における駆動ローラ65の上端と従動ローラ66の上端との間で前後方向に延びる部分は、各感光体5に下から対向している。
【0033】
4個の転写ローラ64は、無端ベルト60の内側で4個の感光体5に一対一で対応するように配置されている。各転写ローラ64に転写電圧が印加されることにより、無端ベルト33も帯電する。
【0034】
スキャナ部8は、レーザ光源、ポリゴンミラー、fθレンズ及び反射鏡等を有している。スキャナ部8は、上方からレーザビームをプロセスカートリッジ4内の各感光体5に照射する。
【0035】
プロセスカートリッジ4において、各感光体5の表面は、その回転に伴って、帯電器により一様に正帯電された後、スキャナ部8から照射されるレーザビームの高速走査により露光される。これにより、各感光体5の表面には、シートSHに形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
【0036】
次に、トナー収容部からトナーが静電潜像に対応して各感光体5の表面に供給され、トナー像が形成される。そして、シートSHがプロセスカートリッジ4とベルトユニット6との間を通過する際、シートSHの上を向く面が感光体5と対面する。各感光体5の表面上に担持されたトナー像は、シートSHの上を向く面に転写される。
【0037】
定着器7は、プロセスカートリッジ4よりも後方に位置している。定着器7は、加熱ローラ7Aと加圧ローラ7Bとによって、シートSHを挟んで搬送しながら加熱及び加圧し、シートSH上にトナー像を熱定着させる。
【0038】
排出ローラ対29は、排出経路P2の下流端に配置されている。排出経路P2は、定着器7を通過したシートSHを上方に導き、かつ画像が形成された面が下を向くようにUターンさせて排出トレイ9Tに排出する経路である。排出ローラ対29は、排出経路P2に沿って搬送されるシートSHをニップして排出トレイ9Tに排出する。
【0039】
<プロセスカートリッジ及びベルトユニットの着脱動作>
図1及び図2に示すように、装置本体9は、プロセスカートリッジ4及びベルトユニット6を収容する収容部9Aを内部に有している。
【0040】
収容部9Aは、シートトレイ9Cよりも上方に位置し、給送部20よりも後方に位置し、スキャナ部8によりも下方に位置し、定着器7よりも前方に位置している。
【0041】
図3に示すように、装置本体9は、右方のサイドフレーム90と、左方のサイドフレーム98と、を有している。右方のサイドフレーム90は、装置本体9の右側面側に位置し、前後方向及び上下方向に延びる樹脂製部材である。左方のサイドフレーム98は、装置本体9の左側面側に位置し、前後方向及び上下方向に延びる樹脂製部材である。
【0042】
収容部9Aは、右方のサイドフレーム90と、左方のサイドフレーム98と、の間に位置している。
【0043】
図1及び図3に示すベルトユニット6の位置は、ベルトユニット6が収容部9Aに装着された装着位置である。図1に示すように、ベルトユニット6は、プロセスカートリッジ4よりも下方において収容部9Aに装着されている。
【0044】
フロントカバー9Fが図1に二点鎖線で示すように前向きに突出する状態になることにより、開口9Hが収容部9Aを開放する。
【0045】
プロセスカートリッジ4は、開口9Hが収容部9Aを開放する状態で、収容部9Aに装着された位置からユーザによって前向きに引き出され、開口9Hを通過して装置本体9よりも前方に移動することにより、収容部9Aから取り外される。
【0046】
その一方、プロセスカートリッジ4は、開口9Hが収容部9Aを開放する状態で、装置本体9よりも前方の位置からユーザによって開口9Hを通過するように後向きに押し込まれることにより、収容部9Aに装着される。
【0047】
図2に示すように、ベルトユニット6も、開口9Hを通過して前後方向に移動することにより収容部9Aに対して着脱される。ベルトユニット6の前端には、取っ手63Aが設けられている。取手63Aは、ベルトユニット6を収容部9Aに対して着脱するときにユーザによって把持される。
【0048】
ただし、ベルトユニット6を装着位置から取り外す場合、ユーザは、ベルトユニット6の取手63Aを持ち上げる動作を行い、次に、前端よりも後端が下がり気味の姿勢となったベルトユニット6を前向きに上り傾斜する方向に引き出す動作を行う。
【0049】
その一方、ベルトユニット6を装着位置に装着する場合、ユーザは、装置本体9よりも前方の位置にあるベルトユニット6の取っ手63Aを持ち、前端よりも後端が下がり気味の姿勢となったベルトユニット6を開口9Hを通過するように後向きに下り傾斜する方向に押し込む動作を行い、次に、ベルトユニット6の後端が収容部9Aの奥に到達したときにベルトユニット6の取っ手63Aを押し下げてベルトユニット6を水平にする動作を行う。
【0050】
<ベルトユニットの具体的構成>
図4に示すように、ベルトユニット6は、第1フレーム61及び第2フレーム62を有している。
【0051】
第1フレーム61は、無端ベルト60よりも右方に位置して前後方向に延びる樹脂製部材である。第2フレーム62は、無端ベルト60よりも左方に位置して前後方向に延びる樹脂製部材である。
【0052】
図5に示すように、第1フレーム61と第2フレーム62とは、左右方向に延びる連結フレーム63によって連結されている。
【0053】
従動ローラ66は、従動ローラ本体66A及び従動軸66Bを有している。従動ローラ本体66Aは、無端ベルト60が巻き掛けられる円筒面を有している。従動軸66Bは、従動ローラ本体66Aと一体回転する鋼製丸棒である。
【0054】
第1フレーム61の前端部は、無端ベルト60よりも右方において、従動ローラ66の従動軸66Bの右端を回転可能に支持している。また、第1フレーム61は、無端ベルト60よりも右方において、各転写ローラ64の回転軸の右端を回転可能に支持している。
【0055】
図示は省略するが、第2フレーム62の前端部は、無端ベルト60よりも左方において、従動ローラ66の従動軸66Bの左端を回転可能に支持している。また、第2フレーム62は、無端ベルト60よりも左方において、各転写ローラ64の回転軸の左端を回転可能に支持している。
【0056】
図5に示すように、第1フレーム61の右側面には、各転写ローラ64に転写電圧を印加するための4個の電極64Eが前後方向に並んで配置されている。
【0057】
図5図7に示すように、駆動ローラ65は、駆動ローラ本体65A及び駆動軸65Bを有している。駆動ローラ本体65Aは導電性樹脂製であり、無端ベルト60が巻き掛けられる円筒面を有している。駆動軸65Bは、左右方向に延びる駆動軸心X65周りに駆動ローラ本体65Aと一体回転する鋼製丸棒である。
【0058】
駆動軸65Bの右端は、駆動ローラ本体65Aよりも右方に突出している。駆動軸65Bの右端は、本発明の「駆動ローラにおける第2方向の一方の端部」の一例である。図4に示すように、駆動軸65Bの左端は、駆動ローラ本体65Aよりも左方に突出している。
【0059】
第2フレーム62の後端部は、無端ベルト60よりも左方において、駆動ローラ65の駆動軸65Bの左端を回転可能に支持している。駆動軸65Bの左端には、駆動ギヤ65Gが固定されている。
【0060】
図3に示すように、ベルトユニット6が装着位置にあるときに、駆動ギヤ65Gは、左方のサイドフレーム98に支持された図示しない駆動力伝達機構と連結する。図示しない駆動源から駆動力が駆動力伝達機構を経由して駆動ギヤ65Gに伝達されることにより、駆動ローラ65が回転し、無端ベルト60が循環する。
【0061】
図6及び図7に示すように、ベルトユニット6は、軸受70を有している。軸受70は、導電性及び自己潤滑性を有する樹脂製である。軸受70は、軸受本体71、ガイド凸部77、軸穴75、フランジ部76及び係合部78を一体に有している。
【0062】
軸受本体71は、左右方向に延びる軸体である。ガイド凸部77は、軸受本体71の右端に接続し、左右方向に延びる軸体である。ガイド凸部77の右端部は、右方に向かって先細る略円錐台形状である。
【0063】
軸受本体71の外形と、ガイド凸部77の右端部以外の外形と、は、円筒面を前後2分割してなる2つの半円筒面を有し、2つの半円筒面同士を前後方向に短い距離だけ離隔させ、双方の上下の端縁同士を上下一対の平面で接続した形状を有している。軸受本体71の外形には、前側にあたる部分を一部凹ませて、左右方向に延びるリブ形状を形成している。
【0064】
つまり、軸受本体71の外形と、ガイド凸部77の右端部以外の外形と、は、断面略小判形状である。ガイド凸部77の右端部以外の外形は、駆動ローラ65の駆動軸心X65と平行な形状を有している。
【0065】
図7及び図8に示すように、軸穴75は、軸受本体71の左端から右方に向かって凹む有底穴である。図示は省略するが、軸穴75の底は、ガイド凸部77の右端部の内部に位置している。軸受本体71の左端は、本発明の「軸受本体における第2方向の他方の端部」の一例である。
【0066】
軸穴75は、駆動ローラ65の駆動軸心X65方向、すなわち左右方向に沿って見て、長穴形状である。軸穴75は、無端ベルト60にテンションを掛ける方向である前後方向に長い。
【0067】
軸穴75の内周面は、駆動軸65Bの直径よりも僅かに大きい内径を有する円筒面を前後2分割してなる2つの半円筒面を有し、2つの半円筒面同士を前後方向に短い距離だけ離隔させ、双方の上下の端縁同士を上下一対の平面で接続した形状である。
【0068】
図6及び図7に示すように、フランジ部76は、軸受本体71の右端と、ガイド凸部77の左端との接続部分からフランジ状に突出し、拡径するにつれて左方にずれるように傾斜している。
【0069】
係合部78は、フランジ部76の外周縁の前端に接続して左方に向かって延び、その左端に係合爪が形成されている。
【0070】
第1フレーム61における駆動ローラ65側の端部、すなわち第1フレーム61の後端部には、軸受保持部67が設けられている。
【0071】
図6図8に示すように、軸受保持部67は、軸受保持穴67H及び係合穴67Cを有している。軸受保持穴67Hは、第1フレーム61の後端部を左右方向において貫通しており、左右方向に沿って見て長穴形状である。係合穴67Cは、軸受保持穴67Hから前方に離隔した位置で第1フレーム61の後端部を左右方向において貫通する矩形穴である。
【0072】
図8に示すように、軸受保持穴67Hは、上下一対の平坦面67H1、67H2と、前方の平坦面67H3と、を有している。
【0073】
軸受本体71は、軸受保持穴67Hに左向きに嵌入することにより、第1フレーム61に保持される。この際、軸穴75が駆動ローラ65における駆動軸65Bの右端に外挿されて駆動軸65Bの右端を支持する。また、係合部78の係合爪が係合穴67Cを通過して係合穴67Cの左開口縁に係合することで、軸受本体71は、第1フレーム61に対して抜け止めされる。
【0074】
なお、軸穴75は内周面に導電性グリスが塗布された状態で駆動ローラ65における駆動軸65Bの右端に外挿されるが、この際、軸穴75が長穴形状であることにより、軸穴75から空気を逃がし易くなる。
【0075】
軸受保持穴67Hに嵌入した軸受本体71は、軸受保持穴67Hの平坦面67H1、67H2に挟まれることで、上下方向において第1フレーム61に対して位置決めされる。また、軸受本体71は、無端ベルト60に掛けられたテンションにより、駆動ローラ65の駆動軸65Bと共に、左右方向に延びるリブ形状が前向きに付勢されて軸受保持穴67Hの平坦面67H3に押圧されることで、前後方向において第1フレーム61に対して位置決めされる。
【0076】
こうして、第1フレーム61の後端部は、図5に示すように、無端ベルト60よりも右方において駆動ローラ65における駆動軸65Bの右端を回転可能に支持している。
【0077】
ガイド凸部77は、第2フレーム62から離隔するように軸受本体71から右方に突出している。ガイド凸部77は、第1フレーム61よりも右方に突出している。
【0078】
図6図8に示すように、第1フレーム61の後端部には、被位置決め部68が設けられている。被位置決め部68は、第1被位置決め面68A及び第2被位置決め面68Bを有している。
【0079】
第1被位置決め面68Aは、第1フレーム61の後端部における軸受70よりも下方に位置し、前後方向に水平に延びる下向きの平坦面である。
【0080】
第2被位置決め面68Bは、第1フレーム61の後端部における軸受70よりも後方に位置し、上下方向に鉛直に延びる後向きの平坦面である。
【0081】
第1被位置決め面68Aの前端と、第2被位置決め面68Bの下端とは、円弧面によって接続されている。
【0082】
図5に示すように、第1フレーム61における前後方向の中間部には、前後方向被位置決め部69Rが設けられている。前後方向被位置決め部69Rの下部分は、下向きに先細っている。
【0083】
図4に示すように、第2フレーム62における前後方向の中間部には、前後方向被位置決め部69Lが設けられている。前後方向被位置決め部69Lは、第1フレーム61の前後方向被位置決め部69Rと勝手違いの同一構成である。
【0084】
<前後方向位置決め部>
図3に示すように、装置本体9は、右方のサイドフレーム90に設けられた前後方向位置決め部99Rと、左方のサイドフレーム98に設けられた前後方向位置決め部99Lと、を有している。
【0085】
図9及び図10に示すように、前後方向位置決め部99Rは、右方のサイドフレーム90の下部分における前後方向の中間部に位置している。図3に示すように、前後方向位置決め部99Lは、前後方向位置決め部99Rと勝手違いの同一構成であり、右方のサイドフレーム98の下部分における前後方向の中間部に位置している。
【0086】
ベルトユニット6が装着位置にあるときに、前後方向位置決め部99R、99Lが前後方向被位置決め部69R、69Lを前後方向において挟持することにより、ベルトユニット6の第1フレーム61及び第2フレーム62が前後方向において装置本体9に対して位置決めされる。
【0087】
なお、本実施例では、ベルトユニット6が装着位置にあるときに第1フレーム61の前端部を上下方向において装置本体9に対して位置決めする構成についての説明を省略する。また、本実施例では、ベルトユニット6が装着位置にあるときに第2フレーム61の前端部及び後端部を上下方向において装置本体9に対して位置決めする構成についての説明も省略する。
【0088】
<ガイドレール、第1位置決め面及び第2位置決め面>
図10~及び図13に示すように、装置本体9は、右方のサイドフレーム90に設けられたガイドレール97、第1位置決め面91及び第2位置決め面92を有している。
【0089】
図9に示すように、ガイドレール97は、第1フレーム61よりも右方に位置している。ガイドレール97は、前後方向に延びる上向きの平坦面97Aを有している。平坦面97Aは、ベルトユニット6が装着位置にあるときに、ベルトユニット6における無端ベルト60の上面と略同じ高さに位置している。
【0090】
ガイドレール97の平坦面97Aの後端は、ベルトユニット6が装着位置にあるときに、軸受70のガイド凸部77から前方に離隔している。
【0091】
図11に示すように、ガイドレール97は、平坦面97Aの後端よりも後方において、逃げ部97Dを有している。逃げ部97Dは、平坦面97Aよりも一段低く凹んで前後方向に延びている。図12に示すように、逃げ部97Dの底面は、ベルトユニット6が装着位置にあるときに軸受70のガイド凸部77から下方に離隔している。
【0092】
図9及び図11に示すように、第1位置決め面91は、ガイドレール97の平坦面97Aよりも開口9Hから後方に離隔した位置、かつガイドレール97よりも左方の位置に配置されている。第1位置決め面91は、前後方向に水平に延びる上向きの平坦面である。第1位置決め面91の後端は、ガイドレール97の逃げ部97Dよりも後方に位置している。
【0093】
第2位置決め面92は、第1位置決め面91よりも上方に位置し、前方を向く平坦面である。第2位置決め面92は、ガイドレール97の逃げ部97Dよりも開口9Hから後方に離隔した位置、かつガイドレール97よりも左方の位置に配置されている。
【0094】
図13に示すように、ガイドレール97は、ベルトユニット6が前端よりも後端が下がり気味の姿勢で収容部9Aに対して着脱されるときに、平坦面97Aによってガイド凸部77を案内可能である。この際、軸受70が自己潤滑性を有する樹脂製であることにより、ガイド凸部77が平坦面97A上を円滑に摺動できる。
【0095】
ガイド凸部77の外形は、後方の半円筒面を有することにより、少なくともガイドレール97と当接可能な範囲において、駆動ローラ65の駆動軸心X65と平行な形状を有している。
【0096】
図12に示すように、ガイドレール97は、ベルトユニット6が装着位置にあるとき、及び、ベルトユニット6が装着位置の近傍で移動するときに、逃げ部97Dによってガイド凸部77から離隔した位置にある。
【0097】
第1位置決め面91は、ベルトユニット6が装着位置にあるときに、第1フレーム61の後端部に設けられた被位置決め部68の第1被位置決め面68Aに上下方向から、より詳しくは下方から当接する。
【0098】
これにより、第1位置決め面91は、第1フレーム61の後端部を上下方向において装置本体9に対して位置決めする。
【0099】
第2位置決め面92は、ベルトユニット6が装着位置にあるときに、第1フレーム61の最後端である被位置決め部68の第2被位置決め面68Bに対して、前後方向における開口9Hとは反対側から、すなわち後方から当接可能である。
【0100】
これにより、第2位置決め面92は、ユーザがベルトユニット6を装着位置から取り外すためにベルトユニット6の取っ手63Aを持ち上げる動作を行って、前後方向被位置決め部69Rが前後方向位置決め部99Rから上方に離隔したときに、第2被位置決め面68Bに当接することで、第1フレーム61の後端部を前後方向において装着位置から開口9Hとは反対側に移動しないように規制する。
【0101】
また、第2位置決め面92は、ユーザがベルトユニット6を装着位置に装着するために前端よりも後端が下がり気味の姿勢となったベルトユニット6を収容部9Aの奥まで押し込むときに、第2被位置決め面68Bに当接することで、第1フレーム61の後端部を前後方向において装着位置から開口9Hとは反対側に移動しないように規制する。これにより、ユーザがベルトユニット6の取っ手63Aを押し下げるだけで、前後方向被位置決め部69Rを前後方向位置決め部99Rに挟持させることができる。
【0102】
<電極>
図10及び図11に示すように、装置本体9は、右方のサイドフレーム90に設けられた電極96E及び4個の電極96Fを有している。
【0103】
電極96Eは、右方のサイドフレーム90におけるガイドレール97の逃げ部97Dよりも右方かつ上方に位置して左方を向く面の後端部から左方に突出している。電極96Eは、図示しない付勢ばねによって左向きに付勢されている。電極96Eは、ガイド凸部77における略円錐台形状の右端部に摺接することで右向きに退避可能である。
【0104】
4個の電極96Fは、右方のサイドフレーム90におけるガイドレール97の平坦面97Aよりも左方かつ下方に位置して左方を向く側面に位置し、前後方向に並んで配置されている。
【0105】
図9に示すように、ベルトユニット6が装着位置にあるときに、電極96Eは、軸受70のガイド凸部77の右端面に接触する。図示は省略するが、4個の電極96Fは、第1フレーム61の右側面に配置された4個の電極64Eに一対一で接触する。これにより、各電極96F及び各電極64Eを経由して、各転写ローラ64に転写電圧を印加可能となり、無端ベルト60の電荷を駆動ローラ65及び軸受70を経由して電極96Eに逃がすことが可能となる。
【0106】
<作用効果>
実施例の画像形成装置1において、図5に示すように、軸受本体71とガイド凸部77とを一体に有する導電性樹脂製の軸受70は、図9に示すように、無端ベルト60の電荷を電極96Eを介して装置本体9側に逃がす構成と、図13に示すように、収容部9Aに対してベルトユニット6を着脱するためにガイドレール97の平坦面97Aに案内されるガイド構成と、に係る部品を兼ねている。
【0107】
また、この画像形成装置1において、図12に示すように、ベルトユニット6が装着位置にあるときに、ガイドレール97は、逃げ部97Dによってガイド凸部77から離隔する。第1位置決め面91は、第1フレーム61の後端部に設けられた被位置決め部68の第1被位置決め面68Aに当接して、第1フレーム61の後端部を上下方向において位置決めする。第2位置決め面92は、被位置決め部68の第2被位置決め面68Bに後方から対向して、第1フレーム61の後端部を前後方向において装着位置から開口9Hとは反対側に移動しないように規制する。
【0108】
この構成により、画像形成装置1が落下したときに、装置本体9の右方のサイドフレーム90から第1フレーム61に衝撃が伝わり易い一方、第1フレーム61と比較して強度の弱い軸受70のガイド凸部77に衝撃が伝わり難いので、ガイド凸部77の破損を抑制できる。
【0109】
したがって、実施例の画像形成装置1は、無端ベルト60の電荷を逃がす構成と、収容部9Aに対してベルトユニット6を着脱するためのガイド構成と、に係る部品点数を削減しつつ、画像形成装置1が落下したときに、収容部9Aに対してベルトユニット6を着脱するためのガイド構成に係る部品が破損することを抑制できる。
【0110】
また、この画像形成装置1において、図13に示すように、ガイド凸部77の外形は、後方の半円筒面を有することにより、少なくともガイドレール97と当接可能な範囲において駆動ローラ65の駆動軸心X65と平行な形状を有している。この構成により、ガイド凸部77がガイドレール97上を移動するときに左右方向にずれることを抑制できるので、ベルトユニット6を収容部9Aに対して着脱し易くなる。
【0111】
さらに、この画像形成装置1は、ガイド凸部77の外形が半円筒面を有する構成により、ベルトユニット6が装着位置に接近する途中、又は装着位置から離隔する途中において、ガイド凸部77のガイドレール97に対する接触角度が変化しても、ガイド凸部77がガイドレール97上を円滑に移動できる。
【0112】
また、この画像形成装置1において、図12に示すように、第1フレーム61の後端部には、第1位置決め面91に当接する被位置決め部68が設けられている。そして、第1位置決め面91は、ガイドレール97の平坦面97Aよりも開口9Hから後方に離隔した位置に配置されている。この構成により、第1位置決め面91は、収容部9Aにおける開口9Hから最も離隔した位置で第1フレーム61の被位置決め部68を上下方向において装置本体9に対して位置決めするので、第1位置決め面91に対する被位置決め部68のがたつきを抑制できる。
【0113】
さらに、この画像形成装置1において、図8に示すように、軸受70の軸穴75は有底穴であって、駆動ローラ65の駆動軸心X65方向に沿って見て、長穴形状である。この構成により、駆動軸65Bの右端を軸穴75に組み付けるときに、双方の間に確保される隙間により、組み付け易くなるとともに軸穴75から空気を逃がし易くなる。
【0114】
また、この画像形成装置1において、軸穴75は、無端ベルト60にテンションを掛ける方向である前後方向に長い。この構成により、駆動軸65Bの右端は、無端ベルト60に掛かるテンションによって軸穴75における前方の内周面に片寄せされるので、位置ずれし難い。
【0115】
さらに、この画像形成装置1において、図9に示すように、ガイド凸部77は、第1フレーム61よりも右方に突出し、ガイドレール97の平坦面97A及び逃げ部97Dは、第1フレーム61よりも右方に位置している。この構成により、ガイドレール97が第1フレーム61に干渉し難くなり、開口9Hを経由してベルトユニット6を着脱する際に第1フレーム61がガイドレール97の平坦面97Aに接触せず、ガイド凸部77のみがガイドレール97の平坦面97Aに接触し易いので、ベルトユニット6の着脱を円滑に実施できる。
【0116】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0117】
実施例では、軸受本体71の外形と、ガイド凸部77の右端部以外の外形と、が断面小判形状であるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、軸受本体及びガイド凸部の少なくとも一方は、断面円形状であってもよい。
【0118】
実施例では、軸穴75が長穴形状であるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、軸穴は丸穴であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は例えば、画像形成装置、又は、画像形成機能及び画像読取機能を備えた複合機等に利用可能である。
【符号の説明】
【0120】
1…画像形成装置、9A…収容部、9H…開口、9…装置本体
6…ベルトユニット、65…駆動ローラ、66…従動ローラ
60…無端ベルト、61…第1フレーム、62…第2フレーム
71…軸受本体、77…ガイド凸部、70…軸受
96E…電極、97…ガイドレール
91…第1位置決め面、92…第2位置決め面
X65…駆動ローラの駆動軸心、68…被位置決め部、75…軸穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13