(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121390
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】患者情報処理方法、患者情報処理装置、及び患者情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G16H 80/00 20180101AFI20240830BHJP
G16H 10/00 20180101ALI20240830BHJP
【FI】
G16H80/00
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028468
(22)【出願日】2023-02-27
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】596165589
【氏名又は名称】学校法人 聖マリアンナ医科大学
(71)【出願人】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤谷 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】吉田 徹
(72)【発明者】
【氏名】福原 到
(72)【発明者】
【氏名】大浦 光宏
(72)【発明者】
【氏名】川村 修平
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】医療従事者が患者の容態を総合的に判断することを支援する患者情報処理方法、患者情報処理装置、及び患者情報処理システムを提供する。
【解決手段】患者情報処理方法は、プロセッサにより実行され、患者の複数のバイタルデータを取得するステップ(S1)と、前記患者に行われている処置の内容および時間を示す情報を取得するステップ(S1)と、前記複数のバイタルデータ及び前記複数のバイタルデータに関連付けられた指標のうちの少なくとも一方を示す情報と、前記処置の内容および時間を示す情報とを表示部に表示させるステップ(S7)と、を含む。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサによって実行される患者情報処理方法であって、
患者の複数のバイタルデータを取得するステップと、
前記患者に行われている処置の内容および時間を示す情報を取得するステップと、
前記複数のバイタルデータ及び前記複数のバイタルデータに関連付けられた指標のうちの少なくとも一方を示す情報と、前記処置の内容および時間を示す情報とを表示部に表示させるステップと、
を含む、患者情報処理方法。
【請求項2】
前記処置の内容及び/又は時間に応じて、前記処置の内容及び時間を示す情報の視覚的態様を設定するステップをさらに含む、
請求項1に記載の患者情報処理方法。
【請求項3】
前記複数のバイタルデータの各々の値と前記複数のバイタルデータの各々に設定された閾値との間の比較に応じて、前記複数のバイタルデータを示す情報の視覚的態様を設定するステップ
をさらに含む、
請求項1又は2に記載の患者情報処理方法。
【請求項4】
前記患者の入院時間を示す情報を取得するステップと、
前記患者の入院時間を示す情報をさらに表示するステップと、
をさらに含む、
請求項1又は2に記載の患者情報処理方法。
【請求項5】
前記入院時間と前記入院時間に設定された閾値との間の比較に応じて、前記患者の入院時間を示す情報の視覚的態様を設定するステップをさらに含む、
請求項4に記載の患者情報処理方法。
【請求項6】
前記複数のバイタルデータは、特定の処置に関連する第1バイタルデータを含み、
前記第1バイタルデータを示す情報の視覚的態様を設定するステップは、
前記特定の処置が前記患者に行われている場合に、前記第1バイタルデータに設定された第1閾値を変更するステップと、
前記第1バイタルデータの値と前記変更された第1閾値との間の比較に応じて、前記第1バイタルデータを示す情報の視覚的態様を設定するステップと、
を含む、
請求項3に記載の患者情報処理方法。
【請求項7】
少なくとも前記複数のバイタルデータに基づいて前記患者の容態を示すバイタルスコアを算出するステップをさらに含み、
前記複数のバイタルデータに関連付けられた指標は、前記バイタルスコアである、
請求項1又は2に記載の患者情報処理方法。
【請求項8】
前記バイタルスコアを算出するステップは、
前記複数のバイタルデータの各々と前記複数のバイタルデータの各々に設定された基準範囲との間の比較に応じて、前記複数のバイタルデータの各々のサブスコアを算出するステップと、
前記算出された各サブスコアに基づいて、前記バイタルスコアを算出するステップと、
を含み、
前記複数のバイタルデータは、特定の処置に関連する第1バイタルデータを含み、
前記第1バイタルデータの第1サブスコアを算出するステップは、
前記特定の処置が前記患者に行われている場合に、前記第1バイタルデータに設定された第1基準範囲を変更するステップと、
前記第1バイタルデータの値と前記変更された第1基準範囲との間の比較に応じて、前記第1サブスコアを算出するステップと、
を含む、
請求項7に記載の患者情報処理方法。
【請求項9】
前記バイタルスコアを算出するステップは、
前記複数のバイタルデータの各々と前記複数のバイタルデータの各々に設定された基準範囲との間の比較に基づいて、前記複数のバイタルデータの各々のサブスコアを算出するステップと、
前記患者に行われている処置に関連する情報に基づいて、前記処置に関連するサブスコアを算出するステップと、
少なくとも前記複数のバイタルデータの各々のサブスコアと、前記処置に関連するサブスコアとに基づいて、前記バイタルスコアを算出するステップと、
を含む、
請求項7に記載の患者情報処理方法。
【請求項10】
前記バイタルスコアを算出するステップは、
前記患者の入院時間を示す情報に基づいて、前記入院時間に関連するサブスコアを算出するステップと、
前記複数のバイタルデータの各々のサブスコアと、前記処置に関連するサブスコアと、前記入院時間に関連するサブスコアに基づいて、前記バイタルスコアを算出するステップと、
を含む、
請求項9に記載の患者情報処理方法。
【請求項11】
前記患者に行われている処置の内容および時間を示す情報は、前記患者に接続されている医療機器の種類及び接続時間を示す情報を含む、
請求項1又は2に記載の患者情報処理方法。
【請求項12】
プロセッサによって実行される患者情報処理方法であって、
患者の複数のバイタルデータを取得するステップと、
前記患者に行われている処置に関する情報および前記患者の入院時間を示す情報のうちの少なくとも一方に基づいて、前記患者に対する医療従事者の介入の度合を示す介入情報を算出するステップと、
前記複数のバイタルデータ及び前記複数のバイタルデータに関連付けられた指標のうちの少なくとも一方を示す情報と、前記介入情報とを表示部に表示させるステップと、
を含む、患者情報処理方法。
【請求項13】
前記処置に関する情報は、前記処置の内容を示す情報と前記処置の時間を示す情報のうちの少なくとも一つを含む、
請求項12に記載の患者情報処理方法。
【請求項14】
前記処置に関する情報は、前記患者に接続された医療機器の種類を示す情報を含む、
請求項13に記載の患者情報処理方法。
【請求項15】
請求項1又は12に記載の患者情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載されたプログラムが記憶されたコンピュータ読取可能媒体。
【請求項17】
プロセッサと、
コンピュータ可読命令を記憶するメモリと、を備えた患者情報処理装置であって、
前記コンピュータ可読命令が前記プロセッサによって実行されると、前記患者情報処理装置は、
患者の複数のバイタルデータを取得し、
前記患者に行われている処置の内容および時間を示す情報を取得し、
前記複数のバイタルデータ及び前記複数のバイタルデータに関連付けられた指標のうちの少なくとも一方を示す情報と、前記処置の内容および時間を示す情報とを出力する、
患者情報処理装置。
【請求項18】
プロセッサと、
コンピュータ可読命令を記憶するメモリと、を備えた患者情報処理装置であって、
前記コンピュータ可読命令が前記プロセッサによって実行されると、前記患者情報処理装置は、
患者の複数のバイタルデータを取得し、
前記患者に行われている処置に関する情報および前記患者の入院時間を示す情報のうちの少なくとも一方に基づいて、前記患者に対する医療従事者の介入の度合を示す介入情報を算出し、
前記複数のバイタルデータ及び前記複数のバイタルデータに関連付けられた指標のうちの少なくとも一方を示す情報と、前記介入情報とを出力する、
患者情報処理装置。
【請求項19】
サーバと、前記サーバに通信可能に接続された表示端末とを備えた患者情報処理システムであって、
前記患者情報処理システムは、
患者の複数のバイタルデータを取得し、
前記患者に行われている処置の内容および時間を示す情報を取得し、
前記複数のバイタルデータ及び前記複数のバイタルデータに関連付けられた指標のうちの少なくとも一方を示す情報と、前記処置の内容および時間を示す情報とを表示部に表示させる、
患者情報処理システム。
【請求項20】
サーバと、前記サーバに通信可能に接続された表示端末とを備えた患者情報処理システムであって、
前記患者情報処理システムは、
患者の複数のバイタルデータを取得し、
前記患者に行われている処置に関する情報および前記患者の入院時間を示す情報のうちの少なくとも一方に基づいて、前記患者に対する医療従事者の介入の度合を示す介入情報を算出し、
前記複数のバイタルデータ及び前記複数のバイタルデータに関連付けられた指標のうちの少なくとも一方を示す情報と、前記介入情報とを表示部に表示させる、
患者情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、患者情報処理方法、患者情報処理装置、及び患者情報処理システムに関する。さらに、本開示は、当該患者情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及び当該プログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
世界では新型コロナウィルス感染症(COVID-19)によるパンデミックが依然として猛威をふるっており、特定医療機関では新型コロナウィルスに感染した患者の爆発的な増大に伴って重症患者の管理が非常に重要な要素となってきている。特に、医療現場では、患者のバイタルデータや患者の容態を示すバイタルスコア(例えば、(National Early Warning Score)NEWS等)が重症患者の管理に有効的に活用されている。
【0003】
特許文献1では、患者のバイタルデータに基づいてバイタルスコアを患者毎に算出した上で、複数の患者情報を含む患者情報一覧画面を表示する患者情報処理システムが開示されている。医療従事者は、患者情報一覧画面に表示された各患者のバイタルスコアやバイタルデータを確認することで、各患者の容態を把握することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、集中治療室で処置を受けている重症患者の容態をより総合的に判断するためには、患者のバイタルデータ、バイタルスコア、身体所見、画像データ等とは異なる判断指標も活用できることが好ましい。例えば、患者に対する医療従事者の介入の度合いを示す情報が患者情報一覧画面上に表示されることで、医療従事者は、患者の容態を総合的に判断することが可能となる。このように、医療従事者が患者の容態を総合的に判断することを支援するための医療ツールについて更に検討の余地がある。
【0006】
本開示は、医療従事者が患者の容態を総合的に判断することを支援する患者情報処理方法、患者情報処理装置、及び患者情報処理システムを提供することを目的とする。また、本開示は、当該患者情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及び当該プログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る患者情報処理方法は、プロセッサによって実行され、
患者の複数のバイタルデータを取得するステップと、
前記患者に行われている処置の内容および時間を示す情報を取得するステップと、
前記複数のバイタルデータ及び前記複数のバイタルデータに関連付けられた指標のうちの少なくとも一方を示す情報と、前記処置の内容および時間を示す情報とを表示部に表示させるステップと、
を含む。
【0008】
上記方法によれば、医療従事者は、複数のバイタルデータ及びこれらに関連付けられた指標のうちの少なくとも一方と、患者に行われている処置の内容及び時間とを視認することで、患者の容態を総合的に判断することが可能となる。
【0009】
本開示の別の一態様に係る患者情報処理方法は、プロセッサによって実行され、
患者の複数のバイタルデータを取得するステップと、
前記患者に行われている処置に関する情報および前記患者の入院時間を示す情報のうちの少なくとも一方に基づいて、前記患者に対する医療従事者の介入の度合を示す介入情報を算出するステップと、
前記複数のバイタルデータ及び前記複数のバイタルデータに関連付けられた指標のうちの少なくとも一方を示す情報と、前記介入情報とを表示部に表示させるステップと、
を含む。
【0010】
上記方法によれば、医療従事者は、複数のバイタルデータとこれらに関連付けられた指標のうちの少なくとも一方と、介入情報とを視認することで、患者の容態を総合的に判断することが可能となる。
【0011】
また、上記の患者情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラム及び当該プログラムが記憶されたコンピュータ読取可読媒体が提供されてもよい。
【0012】
本開示の一態様に係る患者情報処理装置は、
プロセッサと、
コンピュータ可読命令を記憶するメモリと、を備える。
前記コンピュータ可読命令が前記プロセッサによって実行されると、前記患者情報処理装置は、
患者の複数のバイタルデータを取得し、
前記患者に行われている処置の内容および時間を示す情報を取得し、
前記複数のバイタルデータ及び前記複数のバイタルデータに関連付けられた指標のうちの少なくとも一方を示す情報と、前記処置の内容および時間を示す情報とを出力する。
【0013】
上記構成によれば、医療従事者は、複数のバイタルデータ及びこれらに関連付けられた指標のうちの少なくとも一方と、患者に行われている処置の内容及び時間とを視認することで、患者の容態を総合的に判断することが可能となる。このように、医療従事者が患者の容態を総合的に判断することを支援する患者情報処理装置を提供することができる。
【0014】
本開示の別の一態様に係る患者情報処理装置は、
プロセッサと、
コンピュータ可読命令を記憶するメモリと、を備える。
前記コンピュータ可読命令が前記プロセッサによって実行されると、前記患者情報処理装置は、
患者の複数のバイタルデータを取得し、
前記患者に行われている処置に関する情報および前記患者の入院時間を示す情報のうちの少なくとも一方に基づいて、前記患者に対する医療従事者の介入の度合を示す介入情報を算出し、
前記複数のバイタルデータ及び前記複数のバイタルデータに関連付けられた指標のうちの少なくとも一方を示す情報と、前記介入情報とを出力する。
【0015】
上記構成によれば、医療従事者は、複数のバイタルデータ及びこれらに関連付けられた指標のうちの少なくとも一方と、介入情報とを視認することで、患者の容態を総合的に判断することが可能となる。このように、医療従事者が患者の容態を総合的に判断することを支援する患者情報処理装置を提供することができる。
【0016】
本開示の一態様に係る患者情報処理システムは、サーバと、前記サーバに通信可能に接続された表示端末とを備える。
前記患者情報処理システムは、
患者の複数のバイタルデータを取得し、
前記患者に行われている処置の内容および時間を示す情報を取得し、
前記複数のバイタルデータ及び前記複数のバイタルデータに関連付けられた指標のうちの少なくとも一方を示す情報と、前記処置の内容および時間を示す情報とを表示部に表示させる、
患者情報処理システム。
【0017】
上記構成によれば、医療従事者が患者の容態を総合的に判断することを支援する患者情報処理システムを提供することができる。
【0018】
本開示の別の一態様に係る患者情報処理システムは、サーバと、前記サーバに通信可能に接続された表示端末とを備える。
前記患者情報処理システムは、
患者の複数のバイタルデータを取得し、
前記患者に行われている処置に関する情報および前記患者の入院時間を示す情報のうちの少なくとも一方に基づいて、前記患者に対する医療従事者の介入の度合を示す介入情報を算出し、
前記複数のバイタルデータ及び前記複数のバイタルデータに関連付けられた指標のうちの少なくとも一方を示す情報と、前記介入情報とを表示部に表示させる、
患者情報処理システム。
【0019】
上記構成によれば、医療従事者が患者の容態を総合的に判断することを支援する患者情報処理システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、医療従事者が患者の容態を総合的に判断することを支援する患者情報処理方法、患者情報処理装置、及び患者情報処理システムを提供することができる。また、本開示によれば、当該患者情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及び当該プログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示の実施形態(以下、本実施形態という。)に係る患者情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】院内情報データベースに含まれる各種テーブルの一例を示す図である。
【
図5】NEWSスコアの算出方法の一例を説明するための図である。
【
図6】表示端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図7】本開示の第1実施形態に係る患者情報処理方法を説明するためのシーケンス図である。
【
図8】第1実施形態に係る患者情報一覧画面の一例を示す図である。
【
図9】第1実施形態の変形例に係る患者情報一覧画面の一例を示す図である。
【
図10】本開示の第2実施形態に係る患者情報処理方法を説明するためのシーケンス図である。
【
図11】第2実施形態に係る患者情報テーブルの一例を示す図である。
【
図12】第2実施形態に係る患者情報一覧画面の一例を示す図である。
【
図13】本開示の第3実施形態に係る患者情報処理方法を説明するためのシーケンス図である。
【
図14】第3実施形態に係る患者情報テーブルの一例を示す図である。
【
図15】第3実施形態に係る患者情報一覧画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。最初に、
図1を参照して本実施形態に係る患者情報処理システム1について以下に説明する。
図1は、本実施形態に係る患者情報処理システム1(以下、処理システム1という。)の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、処理システム1は、サーバ2と、複数のベッドサイドモニタ6と、表示端末3とを備える。サーバ2は、通信ネットワーク5を介して、複数のベッドサイドモニタ6及び表示端末3に通信可能に接続されている。
【0023】
通信ネットワーク5は、例えば、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)により構成された院内ネットワークであってもよい。また、通信ネットワーク5は、院内ネットワークとインターネットによって構成されていてもよい。この場合、サーバ2は、院内ネットワーク内に設置されたサーバであってもよいし、院内ネットワーク外に設置された外部サーバ(例えば、クラウドサーバ)であってもよい。
【0024】
サーバ2は、院内情報データベース4を備えている。院内情報データベース4は、例えば、記憶装置21(
図2参照)内に構築されている。尚、院内情報データベース4は、サーバ2に通信可能に接続された別のデータベースサーバ内に構築されてもよい。
【0025】
次に、
図2を参照してサーバ2のハードウェア構成について以下に説明する。
図2は、サーバ2のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0026】
図2に示すように、サーバ2は、制御部20と、記憶装置21と、通信部22と、入力操作部23と、表示部24とを備える。これらの構成要素はバス25を介して互いに通信可能に接続されている。
【0027】
制御部20は、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、コンピュータ可読命令(プログラム)を記憶するように構成されている。例えば、メモリは、各種プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)やプロセッサにより実行される各種プログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成される。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)のうちの少なくとも一つにより構成される。CPUは、複数のCPUコアによって構成されてもよい。GPUは、複数のGPUコアによって構成されてもよい。プロセッサは、記憶装置21又はROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されてもよい。特に、プロセッサがサーバ2の一連の処理(例えば、
図7等参照)を実行する患者情報処理プログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で当該プログラムを実行することで、制御部20が
図7に示す一連の処理を実行する。患者情報処理プログラムの詳細については後述する。
【0028】
記憶装置21は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置(ストレージ)であって、プログラムや各種データを格納するように構成されている。記憶装置21には、患者情報処理プログラムが組み込まれてもよい。また、記憶装置21には、院内情報データベース4が記憶されている。
【0029】
通信部22は、サーバ2を通信ネットワーク5に接続するように構成されている。具体的には、通信部22は、通信ネットワーク5上に配置された各装置と通信するための各種有線接続端子を含んでもよい。また、通信部22は、各装置と無線通信するための無線通信モジュールを含んでもよい。入力操作部23は、例えば、表示部24上に重ねて配置されたタッチパネル、マウス、及び/又はキーボード等である。入力操作部23は、操作者の入力操作を受け付けると共に、操作者の入力操作に対応した操作信号を生成するように構成されている。表示部24は、例えば、液晶パネル又は有機ELパネルによって構成されている。
【0030】
次に、
図3を参照して記憶装置21内に構築された院内情報データベース4について以下に説明する。
図3に示すように、院内情報データベース4には、患者情報テーブル41と、医療従事者情報テーブル42が含まれている。
【0031】
図4は、患者情報テーブル41の一例を示す図である。
図4に示すように、患者情報テーブル41は、患者の属性情報と、患者のNEWSスコアを示す情報と、患者のバイタルデータを示す情報と、酸素投与の有無を示す情報と、患者の意識の有無を示す情報を含む。さらに、患者情報テーブル41は、患者に接続されている医療機器に関連する情報と、患者の入院日数を示す情報と、患者に与えられた投薬を示す情報とを含む。患者情報テーブル41に含まれるこれらの情報は所定の時間間隔で更新されてもよい。
【0032】
患者の属性情報は、患者名と、ベッド所在と、年齢と、性別を示す情報を含む。患者のバイタルデータを示す情報は、呼吸数(RR)と、酸素飽和度(SpO2)と、体温と、収縮期血圧(Sys)と、心拍数(HR)を示す情報を含む。
【0033】
本実施形態の説明では、患者の容態を示すバイタルスコアの一例としてNEWSスコアが算出されている。例えば、
図5に示すように、サーバ2は、各バイタルデータと、酸素投与の有無と、患者の意識の有無とに基づいてNEWSスコアを算出している。具体的には、サーバ2は、複数のバイタルデータの各々と当該複数のバイタルデータの各々に設定された基準範囲との間の比較に応じて、複数のバイタルデータの各々のサブスコアを算出する。
【0034】
例えば、呼吸数(RR)が12~20回/minの場合では、呼吸数に関連するサブスコアは0点となる。呼吸数が9~11回/minの場合では、呼吸数に関連するサブスコアは1点となる。呼吸数が21~24回/minの場合では、呼吸数に関連するサブスコアは2点となる。呼吸数が8回/min以下または25回以上/minの場合では、呼吸数に関連するサブスコアは3点となる。
【0035】
さらに、サーバ2は、酸素投与に関連するサブスコアおよび患者の意識に関連するサブスコアを算出する。例えば、酸素投与がされている場合には、酸素投与に関連するサブスコアは2点となる。その一方で、酸素投与がされていない場合には、酸素投与に関連するサブスコアは0点となる。また、患者の意識がない場合には、患者の意識に関連するサブスコアは3点となる。その一方で、患者の意識がある場合には、患者の意識に関連するサブスコアは0点となる。
【0036】
このように、サーバ2は、各算出されたサブスコアを合計することで患者のNEWSスコアを算出する。例えば、
図4に示すように、患者Aの呼吸数(RR)は10回/minであるため、呼吸数に関連するサブスコアは1点となる。患者Aの酸素飽和度(SpO2)は98%であるため、酸素飽和度に関連するサブスコアは0点となる。患者Aの体温は35.9℃であるため、体温に関連するサブスコアは1点となる。患者Aの収縮期血圧(Sys)は96mmHgであるため、収縮期血圧に関連するサブスコアは2点となる。患者Aの心拍数(HR)は35回/minであるため、心拍数に関連するサブスコアは3点となる。患者Aに酸素投与がされているため、酸素投与に関連するサブスコアは3点となる。患者Aには意識がないため、患者の意識に関連するサブスコアは3点となる。このように、患者AのNEWSスコアは、各サブスコアを合計することで13点(=1+0+1+2+3+3+3)となる。
【0037】
尚、本実施形態において、バイタルスコア(複数のバイタルデータに関連付けられた指標の一例)はNEWSスコアに限定されるものではない。例えば、バイタルスコアの他の一例としてSOFA、qSOFA、APACHE2、BSAS、NIHSS等が採用されてもよい。また、本実施形態では、NEWSスコアを算出するために患者のバイタルデータとして呼吸数、酸素飽和度、体温、収縮期血圧、心拍数が取得されているが、採用されるバイタルスコアの種類に応じて、患者のバイタルデータの種類が変更されてもよい。
【0038】
また、患者情報テーブル41に含まれる各バイタルデータは、所定の時間間隔で更新される。各患者のこれらのバイタルデータは、
図1に示すように、複数のベッドサイドモニタ6(生体情報モニタの一例)から通信ネットワーク5を介してサーバ2に所定の時間間隔で送信される。複数のベッドサイドモニタ6の各々は、患者A~Zのうちの一人に接続されている。各ベッドサイドモニタ6は、患者の呼吸数や心拍数等のバイタルデータを測定するための複数のバイタルセンサを備えている。複数のバイタルセンサは、例えば、呼吸センサ、SpO2センサ、体温センサ、血圧センサ、心電図センサ等を含んでもよい。
【0039】
患者に接続されている医療機器に関連する情報は、医療機器の種類を示す情報と、医療機器の接続日数を示す情報とを含む。患者に体外式膜型人工肺(ECMO)が接続されている場合には、患者に接続されている医療機器の種類を示す情報としてECMOを示す情報が入力される。患者に人工呼吸器が接続されている場合には、患者に接続されている医療機器の種類を示す情報として呼吸器を示す情報が入力される。尚、患者に接続されている医療機器はECMOや人工呼吸器に限定されるものではなく、CO2センサやペースメーカ等の医療機器であってもよい。また、患者に接続されているECMOの日数が14日である場合、医療機器の接続日数を示す情報として14日が入力される。本実施形態において、医療機器の種類を示す情報は、患者に行われている処置の内容を示す情報の一例である。同様に、医療機器の接続日数を示す情報は、患者に行われている処置の時間を示す情報の一例である。
【0040】
患者の入院日数(入院時間)を示す情報は、患者の入院日と現在日との間の差分によってサーバ2によって算出されてもよい。このように、患者の入院日数を示す情報は、毎日更新されるものである。尚、患者の入院日数は、時分単位を含めた形式で表現されてもよい。例えば、患者Aが2022年4月1日5時に入院した場合に、2022年4月1日17時30分時点では患者Aの入院日数は、0日12時間30分として出力されてもよい。
【0041】
患者に与えられた投薬を示す情報は、投薬の種類を示す情報を含む。例えば、患者に昇圧剤が投与されている場合には、投薬を示す情報として昇圧剤が入力される。また、投薬を示す情報は、投薬の種類を示す情報に加えて、投薬の回数又は日数を示す情報を含んでもよい。本実施形態において、投薬の種類を示す情報は、患者に行われている処置の内容を示す情報の一例である。同様に、投薬の回数又は日数を示す情報は、患者に行われている処置の時間を示す情報の一例である。
【0042】
酸素投与の有無を示す情報、患者の意識の有無を示す情報、医療機器に関連する情報、患者の入院日を示す情報、投薬に関連する情報のそれぞれは、サーバ2の入力操作部23を通じてサーバ2に直接入力されてもよい。または、サーバ2は、通信ネットワーク5上に配置された電子カルテサーバ(図示せず)からこれらの情報を所定の時間間隔で受信してもよい。
【0043】
また、
図3に示す医療従事者情報テーブル42には、各医療従事者の属性を示す情報(名前、所属する診療科、職種、経験年数等)が含まれている。
【0044】
次に、
図6を参照して表示端末3のハードウェア構成について以下に説明する。
図6は、表示端末3のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6に示すように、表示端末3は、制御部30と、記憶装置31と、通信部32と、入力操作部33と、表示部34とを備える。これらの構成要素はバス35を介して互いに通信可能に接続されている。表示端末3は、医療従事者によって管理される表示端末であって、後述する患者情報一覧画面(
図8等参照)を表示可能な機能(例えば、WEBブラウザ)を有する端末であれば、その種類は特に限定されるものではない。表示端末3は、生体情報モニタ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、スマートフォン、タブレット、医療従事者の身体(例えば、腕や頭等)に装着されるウェアラブルデバイス(例えば、ARグラスやヘッドマウントディスプレイ等)であってもよい。
【0045】
制御部30は、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、コンピュータ可読命令(プログラム)を記憶するように構成されている。例えば、メモリは、ROMやRAM等から構成される。プロセッサは、例えば、CPU、MPU及びGPUのうちの少なくとも一つにより構成される。プロセッサは、記憶装置31又はROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されてもよい。記憶装置31は、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ等の記憶装置であって、プログラムや各種データを格納するように構成されている。
【0046】
通信部32は、表示端末3を通信ネットワーク5に接続するように構成されている。具体的には、通信部32は、通信ネットワーク5上に配置された各装置と通信するための各種有線接続端子を含んでもよい。また、通信部32は、各装置と無線通信するための無線通信モジュールを含んでもよい。入力操作部33は、例えば、表示部34上に重ねて配置されたタッチパネル、マウス、及び/又はキーボード等である。例えば、入力操作部33に対する医療従事者AAの入力操作に応じて、医療従事者AAの入力操作を示す入力操作信号が入力操作部33から制御部30に送信される。その後、制御部30は、当該受信した入力操作信号に応じて所定の処理を実行する。表示部34は、例えば、液晶パネル又は有機ELパネルによって構成されている。表示部34の表示画面上には後述する患者情報一覧画面(
図11参照)が表示される。尚、表示端末3がヘッドマウントディスプレイである場合、仮想空間(メタバース)内に患者情報一覧画面が配置されてもよい。
【0047】
(第1実施形態)
次に、
図7及び
図8を参照して本開示の第1実施形態に係る患者情報処理方法について以下に説明する。
図7は、第1実施形態に係る患者情報処理方法を説明するためのシーケンス図である。
図8は、第1実施形態に係る患者情報一覧画面100を示す図である。
図7に示すように、第1実施形態に係る患者情報処理方法は、サーバ2と表示端末3との協働により実行される。また、以降の説明では、医療従事者AAが表示端末3を通じてサーバ2にアクセスするものとする。
【0048】
ステップS1では、サーバ2は、各患者A~Zの患者情報を受信する。この点において、サーバ2は、各患者A~Zの複数のバイタルデータ(呼吸数、酸素飽和度、体温、収縮期血圧、心拍数)を患者A~Zに接続された複数のベッドサイドモニタ6から通信ネットワーク5を介して受信する。上記したように、サーバ2は、所定の時間間隔(例えば、1日ごと)で患者A~Zのバイタルデータをベッドサイドモニタ6から通信ネットワーク5を介して取得してもよい。さらに、サーバ2は、各患者A~Zの患者情報として、酸素投与の有無を示す情報、患者の意識の有無を示す情報、患者に接続された医療機器に関連する情報、患者の入院日を示す情報、投薬に関連する情報を取得する。上記したように、これらの情報は、サーバ2の入力操作部23を通じてサーバ2に直接入力されてもよいし、通信ネットワーク5上に配置された電子カルテサーバから受信されてもよい。
【0049】
次に、ステップS2において、サーバ2は、各患者A~Zの複数のバイタルデータと、各患者A~Zの酸素投与の有無と、各患者A~Zの意識の有無とに基づいて、各患者A~ZのNEWSスコアを算出する。上記したように、サーバ2は、各バイタルデータのサブスコアと、酸素投与に関連するサブスコアと、意識の有無に関連するサブスコアとを合計することで、患者のNEWSスコアを算出することができる。
【0050】
ステップS3において、サーバ2は、
図4に示す患者情報テーブル41を更新する。特に、サーバ2は、各患者のバイタルデータを示す情報と、NEWSスコアを示す情報と、入院日数を示す情報と、酸素投与の有無を示す情報と、患者の意識の有無を示す情報と、医療機器に関連する情報と、投薬に関連する情報とを更新することで患者情報テーブル41を更新する。
【0051】
ステップS4において、サーバ2は、患者情報一覧画面100上に表示される各患者A~Zの患者情報(バイタルデータ等)およびNEWSスコアの視覚的態様を決定する。具体的には、サーバ2は、バイタルデータのサブスコアに基づいて、各患者A~Zのバイタルデータ(呼吸数、酸素飽和度、体温、収縮期血圧、心拍数)の視覚的態様(表示色)を決定する。例えば、バイタルデータのサブスコアが0点の場合には、サーバ2は、当該バイタルデータの表示色を無色(デフォルトの表示色)に設定する。バイタルデータのサブスコアが1点又は2点の場合には、サーバ2は、当該バイタルデータの表示色を黄色に設定する。バイタルデータのサブスコアが3点の場合には、サーバ2は、当該バイタルデータの表示色を赤色に設定する。
【0052】
尚、バイタルデータの表示色とは、バイタルデータの数値が表示される領域の背景色であってもよいし、バイタルデータの数値の文字色であってもよい。また、患者情報一覧画面100上に表示される各種情報の視覚的態様は、各種情報の表示色に限定されるものではない。
【0053】
図8に示す患者情報一覧画面100では、患者Aの呼吸数(RR)は10回/minであるため、呼吸数に関連するサブスコアは1点となる。このため、患者Aの呼吸数の表示色は、黄色に設定される。患者Aの酸素飽和度(SpO2)は98%であるため、酸素飽和度に関連するサブスコアは0点となる。このため、患者Aの酸素飽和度の表示色は、無色に設定される。患者Aの体温は35.9℃であるため、体温に関連するサブスコアは1点となる。このため、患者Aの体温の表示色は、黄色に設定される。患者Aの収縮期血圧(Sys)は96mmHgであるため、収縮期血圧に関連するサブスコアは2点となる。このため、患者Aの収縮期血圧の表示色は、黄色に設定される。患者Aの心拍数(HR)は35回/minであるため、心拍数に関連するサブスコアは3点となる。このため、患者Aの心拍数の表示色は、赤色に設定される。
【0054】
また、サーバ2は、患者に酸素が投与されている場合には、酸素投与の有無を示す情報の表示色を黄色に設定する。その一方で、サーバ2は、患者に酸素が投与されていない場合には、酸素投与の有無を示す情報の表示色を無色に設定する。本例では、患者Aに酸素投与がされているため、患者Aの酸素投与の有無を示す情報の表示色が黄色に設定される。
【0055】
また、サーバ2は、患者に意識がない場合には、患者の意識の有無を示す情報の表示色を赤色に設定する。その一方で、サーバ2は、患者に意識がある場合には、患者の意識の有無を示す情報の表示色を無色に設定する。本例では、患者Aには意識がないため、患者Aの意識の有無を示す情報の表示色が赤色に設定される。
【0056】
また、サーバ2は、患者に接続されている医療機器が存在しない場合には、医療機器の種類を示す情報の表示色を無色に設定する。サーバ2は、患者に接続されている医療機器がECMOの場合には、医療機器の種類及び接続日数を示す情報の表示色を赤色に設定する。サーバ2は、患者に接続されている医療機器が人工呼吸器の場合には、医療機器の種類及び接続日数を示す情報の表示色を黄色に設定する。本例では、患者AにはECMOが接続されているため、医療機器の種類及び接続日数を示す情報の表示色が赤色に設定される。
【0057】
また、サーバ2は、患者の入院日数が20日未満の場合には、患者の入院日数を示す情報の表示色を無色に設定する。サーバ2は、患者の入院日数が20日以上50日以下の場合には、患者の入院日数を示す情報の表示色を黄色に設定する。サーバ2は、患者の入院日数が51日以上の場合には、患者の入院日数を示す情報の表示色を赤色に設定する。本例では、患者Aの入院日数が14日であるため、患者Aの入院日数を示す情報の表示色が無色に設定される。
【0058】
また、サーバ2は、患者に投与された投薬が存在しない場合には、投薬の種類を示す情報の表示色を無色に設定する。サーバ2は、患者に投与された投薬が点滴である場合には、投薬の種類を示す情報の表示色を黄色に設定する。サーバ2は、患者に投与された投薬が昇圧剤又は降圧剤である場合には、投薬の種類を示す情報の表示色を赤色に設定する。本例では、患者Aに投与された投薬が存在しないため、投薬の種類を示す情報の表示色が無色に設定される。
【0059】
また、サーバ2は、NEWSスコアの値に応じてNEWSスコアを示す情報の表示色を設定する。例えば、NEWSスコアが5点未満である場合に、NEWSスコアを示す情報の表示色が無色に設定されてもよい。NEWSスコアが5点以上7点以下である場合に、NEWSスコアを示す情報の表示色が黄色に設定されてもよい。NEWSスコアが8点以上である場合に、NEWSスコアを示す情報の表示色が赤色に設定されてもよい。本例では、患者AのNEWSスコアは13点であるため、患者AのNEWSスコアを示す情報の表示色が赤色に設定される。
【0060】
このように、患者情報一覧画面100上に表示される各患者A~Zの患者情報およびNEWSスコアの視覚的態様が決定される。尚、本実施形態の説明では、表示色として赤色、黄色、無色(デフォルトの表示色)の三種類が使用されているが、表示色の種類は特に限定されるものではない。また、各バイタルデータの表示色はサブスコアの値に応じて決定されているが、サブスコア以外の閾値に応じて各バイタルデータの表示色が決定されてもよい。この点において、サーバ2は、各バイタルデータの値と各バイタルデータに設定された所定の閾値との間の比較に応じて、各バイタルデータの情報の視覚的態様を設定することが可能となる。
【0061】
次に、ステップS5において、表示端末3は、サーバ2にアクセスするためのログイン情報を通信ネットワーク5を介してサーバ2に送信する。具体的には、表示端末3は、医療従事者AAのログインID及びパスワードを示すログイン情報をサーバ2に送信する。尚、医療従事者AAの認証はログイン認証に限定されるものではない。
【0062】
ステップS6において、サーバ2が医療従事者AAのログイン情報を認証した後に、複数の患者情報が表示される患者情報一覧画面100を表示するためのデータを表示端末3に送信する。ここで、患者情報一覧画面100を表示するためのデータは、患者情報一覧画面100を表示端末3のWEBブラウザ上で表示するためのコード(HTML、CSS、JavaScript、JSONデータ(又はXMLデータ)等)であってもよいし、患者情報一覧画面100を示す画像データであってもよい。
【0063】
ステップS7において、表示端末3は、サーバ2から受信した患者情報一覧画面100を表示するためのデータに基づいて、表示部34の表示画面上に患者情報一覧画面100(
図8参照)を表示する。例えば、表示端末3に搭載されたWEBブラウザは、患者情報一覧画面100を表示するためのコード(HTML、CSS、JavaScript、JSONデータ(又はXMLデータ)等)を解釈することで、患者情報一覧画面100をレンダリングしてもよい。
【0064】
本実施形態によれば、医療従事者は、患者情報一覧画面100上に表示される複数のバイタルデータと、NEWSスコアと、患者の入院日数を示す情報と、患者に行われている処置に関連する情報(即ち、医療機器及び投薬に関連する情報)とを視認することで、各患者の容態を総合的に判断することが可能となる。特に、医療従事者は、バイタルデータやNEWSスコアとは異なる指標である患者の入院日数を確認することで、患者の入院日数の観点から患者の状況(医療従事者の介入度合)を把握することが可能となる。また、医療従事者は、医療機器及び投薬に関連する情報を確認することで、患者の総合的な状況を把握することが可能となる。例えば、新型コロナウィルスに感染している患者がECMOに接続されている場合には、医療従事者は、患者がECMOに接続されている状況を鑑みて、患者のバイタルデータやNEWSスコアから患者の現在の容態を的確且つ総合的に把握することが可能となる。
【0065】
また、本実施形態によれば、各バイタルデータのサブスコアと各バイタルデータに設定されたサブスコアの閾値との間の比較に応じて、各バイタルデータを示す情報の表示色が設定されている。このように、医療従事者は、患者情報一覧画面100上に表示された各バイタルデータを示す情報の表示色を視認することで、バイタルデータの観点から各患者の容態を直感的に把握することが可能となる。また、NEWSスコアとNEWSスコアに設定された閾値との間の比較に応じて、NEWSスコアを示す情報の表示色が設定されている。このように、医療従事者は、患者情報一覧画面100上に表示されたNEWSスコアを示す情報の表示色を視認することで、NEWSスコアの観点から各患者の容態を直感的に把握することが可能となる。
【0066】
また、本実施形態によれば、医療従事者は、患者情報一覧画面100上に表示された医療機器及び投薬に関連する情報の表示色を視認することで、医療機器及び投薬の観点から各患者の状況(特に、医療従事者の介入度合)を直感的に把握することが可能となる。同様に、医療従事者は、患者情報一覧画面100上に表示された患者の入院日数を示す情報の表示色を視認することで、患者の入院日数の観点から各患者の状況(特に、医療従事者の介入度合)を直感的に把握することが可能となる。
【0067】
尚、本実施形態では、患者に接続された特定の医療機器に応じてバイタルデータを示す情報の表示色が変更されてもよい。この点において、患者にECMOが装着されている場合では、ECMOの装着に関連付けられたバイタルデータである呼吸数を示す情報の表示色が変更されてもよい。より具体的には、患者にECMOが装着されているときには、呼吸数に関連するサブスコアが0点以上2点以下の場合に、呼吸数を示す情報の表示色が黄色に設定されてもよい。また、呼吸数に関連するサブスコアが3点の場合に、呼吸数を示す情報の表示色が赤色に設定されてもよい。かかる場合では、
図9に示す患者情報一覧画面100上において、ECMOが接続された患者Cの呼吸数を示す情報の表示色が黄色に設定される(
図9の領域L1を参照)。
【0068】
つまり、本来であれば患者Cの呼吸数に関連するサブスコアは0点であるため、
図8に示す患者情報一覧画面100上では患者Cの呼吸数を示す情報の表示色は無色に設定されている。その一方で、患者CはECMOに接続されているため、
図9に示す患者情報一覧画面100上において患者Cの呼吸数を示す情報の表示色が無色から黄色に変更される。このように、呼吸数を示す情報の表示色は、ECMOの装着の有無(特定の処置の有無)により影響を受けてもよい。
【0069】
上記の説明では、呼吸数に関連するサブスコアの閾値範囲が変更されることでECMOが装着された患者の呼吸数を示す情報の表示色が変更されている。即ち、呼吸数に関連するサブスコアが0点以上2点以下の場合に、呼吸数を示す情報の表示色が黄色に設定されている。その一方で、呼吸数に関連するサブスコアの算出方法を変更することで呼吸数を示す情報の表示色が変更されてもよい。
【0070】
例えば、
図5に示すNEWSスコアの算出方法では、呼吸数が9~11回/minの場合に呼吸数に関連するサブスコアが1点に設定されている。一方、患者にECMOが装着されている場合には、当該患者の呼吸数が9~15回/minであれば呼吸数に関連するサブスコアが1点に設定されてもよい。この場合、
図9に示すように、ECMOが装着された患者Cの呼吸数は15回/minであるため、患者Cの呼吸数に関連するサブスコアは1点に設定される。さらに、バイタルデータのサブスコアが1点又は2点の場合には当該バイタルデータの表示色が黄色に設定されることから、患者Cの呼吸数を示す情報の表示色は黄色に設定される。このように、呼吸数に関連するサブスコアの算出に使用される基準範囲が変更されることで、呼吸数を示す情報の表示色が変更されてもよい。
【0071】
このように、ECMOが装着された患者の呼吸数を示す情報の表示色が無色から黄色に変更されているため、医療従事者は、より現実に即した患者の容態を直感的に把握することが可能となる。
【0072】
尚、
図7に示す各処理の順番は一例であって、各処理の順番は特に限定されるものではない。特に、ステップS4の処理はサーバ2ではなく表示端末3側によって実行されてもよい。この場合、ステップS4の処理が表示端末3によって実行される前にサーバ2に記憶された患者情報テーブル41が表示端末3に送信されてもよい。また、本実施形態では、患者情報一覧画面100が表示端末3に表示されているが、患者情報一覧画面100はサーバ2の表示部24に表示されてもよい。この場合、医療従事者AAが表示端末3ではなくサーバ2を操作することで、サーバ2の表示部24に患者情報一覧画面100が表示される。
【0073】
(第2実施形態)
次に、
図10及び
図12を主に参照して本開示の第2実施形態に係る患者情報処理方法について以下に説明する。
図10は、第2実施形態に係る患者情報処理方法を説明するためのシーケンス図である。
図11は、第2実施形態に係る患者情報テーブル41aの一例を示す図である。
図12は、第2実施形態に係る患者情報一覧画面100aの一例を示す図である。
図10に示すように、第2実施形態に係る患者情報処理方法も同様にサーバ2と表示端末3との協働により実行される。
【0074】
ステップS10では、サーバ2は、各患者A~Zの患者情報を受信する。この点において、サーバ2は、各患者A~Zの複数のバイタルデータ(呼吸数、酸素飽和度、体温、収縮期血圧、心拍数)を患者A~Zに接続された複数のベッドサイドモニタ6から通信ネットワーク5を介して受信する。
【0075】
次に、ステップS11において、サーバ2は、各患者A~Zの複数のバイタルデータと、各患者A~Zの酸素投与の有無と、各患者A~Zの意識の有無とに基づいて、各患者A~ZのNEWSスコアを算出する。
【0076】
ステップS12において、サーバ2は、各患者A~Zの介入スコア(介入情報の一例)を算出する。ここで、介入スコアとは、患者に対する医療従事者(医療機関)の介入の度合を示す介入指標である。サーバ2は、患者情報テーブル41aに含まれる医療機器に関連する情報と、患者の入院日数を示す情報と、投薬に関連する情報とに基づいて、各患者A~Zの介入スコアを算出する。より具体的には、サーバ2は、以下の表1に示すサブスコア表に基づいて、医療機器に関連するサブスコアと、患者の入院日数に関連するサブスコアと、投薬に関連するサブスコアのそれぞれを算出した上で、これらの3つのサブスコアを合計することで介入スコアを算出してもよい。
表1:サブスコア表
【表1】
【0077】
サブスコア表に示すように、医療機器に関連するサブスコアは、医療機器の種類と医療機器の接続日数に応じて決定される。例えば、患者に人工呼吸器が接続されており、人工呼吸器の接続日数が5日以上である場合に、医療機器に関連するサブスコアは3点となる。また、患者にECMOが接続されており、ECMOの接続日数が2日である場合に、医療機器に関連するサブスコアは3点となる。
【0078】
また、患者の入院日数に関連するサブスコアは、入院日数に応じて決定される。例えば、患者の入院日数が15日である場合に、入院日数に関連するサブスコアは2点となる。さらに、投薬に関連するサブスコアは、投薬の種類に応じて決定される。例えば、患者に点滴が投与されている場合には、投薬に関連するサブスコアは1点となる。
【0079】
例えば、
図11に示すように、患者AにはECMOが接続されており、ECMOの接続日数が1日であるため、医療機器に関連するサブスコアは3点となる。また、患者Aの入院日数は14日であるため、入院日数に関連するサブスコアは2点となる。患者Aには投薬が投与されていないため、投薬に関連するサブスコアは0点となる。このように、患者Aの介入スコアは5点(=3+2+0)に設定される。
【0080】
以上より、サーバ2は、サブスコア表を参照することで、医療機器に関連する情報と、患者の入院日数を示す情報と、投薬に関連する情報とに基づいて、各患者A~Zの介入スコアを算出する。
【0081】
尚、表1に示すサブスコア表は単なる一例であって、他の手法に応じて各患者の介入スコアが算出されてもよい。例えば、サーバ2は、医療機器の種類と入院日数の2つの情報に基づいて各患者の介入スコアを算出してもよい。この場合には、医療機器の接続日数および投薬の種類は介入スコアに影響を及ぼさない。また、サーバ2は、医療機器の種類、投薬の種類、および患者の入院日数のうちの2つの情報に基づいて各患者の介入スコアを算出してもよい。さらに、サーバ2は、医療機器の種類、投薬の種類、患者の入院日数のうちのいずれか一つに基づいて各患者の介入スコアを算出してもよい。
【0082】
ステップS13において、サーバ2は、
図11に示す患者情報テーブル41aを更新する。特に、サーバ2は、各患者A~Zのバイタルデータを示す情報と、NEWSスコアを示す情報と、入院日数を示す情報と、酸素投与の有無を示す情報と、患者の意識の有無を示す情報と、医療機器に関連する情報と、投薬に関連する情報と、介入スコアを示す情報とを更新することで患者情報テーブル41aを更新する。
【0083】
ステップS14において、サーバ2は、患者情報一覧画面100上に表示される各患者A~Zの患者情報(バイタルデータ等)と、NEWSスコアと、介入スコアの視覚的態様を決定する。具体的には、サーバ2は、バイタルデータのサブスコアに基づいて、各患者A~Zのバイタルデータ(呼吸数、酸素飽和度、体温、収縮期血圧、心拍数)の視覚的態様(表示色)を決定する。例えば、バイタルデータのサブスコアが0点の場合には、サーバ2は、当該バイタルデータの表示色を無色(デフォルトの表示色)に設定する。バイタルデータのサブスコアが1又は2の場合には、サーバ2は、当該バイタルデータの表示色を黄色に設定する。バイタルデータのサブスコアが3の場合には、サーバ2は、当該バイタルデータの表示色を赤色に設定する。
【0084】
第1実施形態で既に説明したように、サーバ2は、酸素投与の有無を示す情報と、患者の意識の有無を示す情報と、医療機器に関連する情報と、患者の入院日数を示す情報と、投薬の種類を示す情報との表示色をそれぞれ決定する。また、サーバ2は、NEWSスコアの値に応じてNEWSスコアを示す情報の表示色を決定する。
【0085】
さらに、サーバ2は、介入スコアの値に応じて介入スコアを示す情報の表示色を決定する。例えば、介入スコアが3点未満である場合に、介入スコアを示す情報の表示色が無色に設定されてもよい。介入スコアが3点以上5点以下である場合に、介入スコアを示す情報の表示色が黄色に設定されてもよい。介入スコアが6点以上である場合に、介入スコアを示す情報の表示色が赤色に設定されてもよい。本例では、患者Aの介入スコアは5点であるため、患者Aの介入スコアを示す情報の表示色が黄色に設定される。
【0086】
次に、ステップS15において、表示端末3は、サーバ2にアクセスするためのログイン情報を通信ネットワーク5を介してサーバ2に送信する。具体的には、表示端末3は、医療従事者AAのログインID及びパスワードを示すログイン情報をサーバ2に送信する。
【0087】
ステップS16において、サーバ2が医療従事者AAのログイン情報を認証した後に、複数の患者情報が表示される患者情報一覧画面100aを表示するためのデータを表示端末3に送信する。ここで、患者情報一覧画面100aを表示するためのデータは、患者情報一覧画面100aを表示端末3のWEBブラウザ上で表示するためのコードであってもよいし、患者情報一覧画面100aを示す画像データであってもよい。
【0088】
ステップS17において、表示端末3は、サーバ2から受信した患者情報一覧画面100aを表示するためのデータに基づいて、表示部34の表示画面上に患者情報一覧画面100a(
図12参照)を表示する。
図12に示す患者情報一覧画面100aは、患者の介入スコアを示す情報が表示されている点で、
図8に示す患者情報一覧画面100とは相違する。
【0089】
本実施形態によれば、医療従事者は、患者情報一覧画面100a上に表示される複数のバイタルデータと、NEWSスコアと、介入スコアとを視認することで、各患者の容態を総合的に判断することが可能となる。特に、医療従事者は、介入スコアを確認することで、医療従事者の介入度合を把握することが可能となる。このように、医療従事者は、医療従事者の介入度合を踏まえた上で各患者の総合的な容態を判断することが可能となる。
【0090】
また、本実施形態によれば、所定の閾値に応じて、各患者の患者情報、NEWSスコア及び介入スコアの表示色がそれぞれ設定されているので、医療従事者は、患者情報一覧画面100a上に表示されたこれらの情報の表示色を視認することで、各患者の容態を直感的に把握することが可能となる。
【0091】
(第3実施形態)
次に、
図13及び
図15を主に参照して本開示の第3実施形態に係る患者情報処理方法について以下に説明する。
図13は、第3実施形態に係る患者情報処理方法を説明するためのシーケンス図である。
図14は、第3実施形態に係る患者情報テーブル41bの一例を示す図である。
図15は、第3実施形態に係る患者情報一覧画面100bの一例を示す図である。
図13に示すように、第3実施形態に係る患者情報処理方法も同様にサーバ2と表示端末3との協働により実行される。
【0092】
ステップS20では、サーバ2は、各患者A~Zの患者情報を受信する。この点において、サーバ2は、各患者A~Zの複数のバイタルデータ(呼吸数、酸素飽和度、体温、収縮期血圧、心拍数)を患者A~Zに接続された複数のベッドサイドモニタ6から通信ネットワーク5を介して受信する。
【0093】
次に、ステップS21において、サーバ2は、各患者A~Zの複数のバイタルデータと、各患者A~Zの酸素投与の有無と、各患者A~Zの意識の有無とに基づいて、各患者A~ZのNEWSスコアを算出する。
【0094】
ステップS22において、サーバ2は、各患者A~Zの介入スコアを算出する。サーバ2は、患者情報テーブル41bに含まれる医療機器に関連する情報と、患者の入院日数を示す情報と、投薬に関連する情報とに基づいて、各患者A~Zの介入スコアを算出する。介入スコアの具体的な算出方法は、第2実施形態で既に説明されているため、ここでの説明は割愛する。
【0095】
ステップS23において、サーバ2は、各患者A~ZのMEWS(Modified NEWS)スコアを算出する。ここで、MEWSスコア(バイタルスコアの一例)は、NEWSスコアと介入スコアとに基づいて算出される指標である。より具体的には、サーバ2は、NEWSスコアと介入スコアとを合計することでMEWSスコアを算出する。つまり、MEWSスコアは、NEWSスコアを構成する各サブスコア(即ち、各バイタルデータのサブスコア)と介入スコアを構成する各サブスコア(即ち、医療機器に関連するサブスコアと、患者の入院日数に関連するサブスコアと、投薬に関連するサブスコア)との合計値でもある。このように、MEWSスコアは、患者の容態を示すNEWSスコアの成分と医療従事者の介入度合を示す介入スコアの成分を含むため、患者の容態を総合的に示す指標として活用可能となる。
【0096】
例えば、
図14に示すように、患者AのNEWSスコアは13点であると共に、患者Aの介入スコアは5点であるため、患者AのMEWSスコアは18点(=13+5)となる。
【0097】
ステップS24において、サーバ2は、
図14に示す患者情報テーブル41bを更新する。特に、サーバ2は、各患者A~Zのバイタルデータを示す情報と、NEWSスコアを示す情報と、入院日数を示す情報と、酸素投与の有無を示す情報と、患者の意識の有無を示す情報と、医療機器に関連する情報と、投薬に関連する情報と、介入スコアを示す情報と、MEWSスコアを示す情報とを更新することで患者情報テーブル41bを更新する。
【0098】
ステップS25おいて、サーバ2は、患者情報一覧画面100b上に表示される各患者A~Zの患者情報(バイタルデータ等)と、MEWSスコアの視覚的態様を決定する。第1実施形態で既に説明したように、サーバ2は、各バイタルデータを示す情報と、酸素投与の有無を示す情報と、患者の意識の有無を示す情報と、医療機器に関連する情報と、患者の入院日数を示す情報と、投薬の種類を示す情報との表示色をそれぞれ決定する。
【0099】
サーバ2は、MEWSスコアの値に応じてMEWSスコアを示す情報の表示色を決定する。例えば、MEWSスコアが5点未満である場合に、MEWSスコアを示す情報の表示色が無色(デフォルトの表示色)に設定されてもよい。MEWSスコアが6点以上10点以下である場合に、MEWSスコアを示す情報の表示色が黄色に設定されてもよい。MEWSスコアが11点以上である場合に、MEWSスコアを示す情報の表示色が赤色に設定されてもよい。本例では、患者AのMEWSスコアは18点であるため、患者AのMEWSスコアを示す情報の表示色が赤色に設定される。
【0100】
次に、ステップS26において、表示端末3は、サーバ2にアクセスするためのログイン情報を通信ネットワーク5を介してサーバ2に送信する。具体的には、表示端末3は、医療従事者AAのログインID及びパスワードを示すログイン情報をサーバ2に送信する。
【0101】
ステップS27において、サーバ2が医療従事者AAのログイン情報を認証した後に、複数の患者情報が表示される患者情報一覧画面100bを表示するためのデータを表示端末3に送信する。ここで、患者情報一覧画面100bを表示するためのデータは、患者情報一覧画面100bを表示端末3のWEBブラウザ上で表示するためのコードであってもよいし、患者情報一覧画面100bを示す画像データであってもよい。
【0102】
ステップS28において、表示端末3は、サーバ2から受信した患者情報一覧画面100bを表示するためのデータに基づいて、表示部34の表示画面上に患者情報一覧画面100b(
図15参照)を表示する。
図15に示す患者情報一覧画面100bは、患者のMEWSスコア示す情報が表示されている点で、
図8に示す患者情報一覧画面100及び
図12に示す患者情報一覧画面100aとは相違する。
【0103】
本実施形態によれば、医療従事者は、複数のバイタルデータと、MEWSスコアとを視認することで、各患者の容態を総合的に判断することが可能となる。特に、医療従事者は、MEWSスコアを確認することで、医療従事者の介入度合を踏まえた上で各患者の総合的な容態を判断することが可能となる。
【0104】
また、本実施形態に係る患者情報処理方法をソフトウェアによって実現するためには、患者情報処理プログラムがサーバ2及び/又は表示端末3の記憶装置及び/又はROMに予め組み込まれていてもよい。または、患者情報処理プログラムは、磁気ディスク(例えば、HDD、フロッピーディスク)、光ディスク(例えば、CD-ROM,DVD-ROM、Blu-ray(登録商標)ディスク)、光磁気ディスク(例えば、MO)、フラッシュメモリ(例えば、SDカード、USBメモリ、SSD)等のコンピュータ読取可能な記憶媒体に格納されていてもよい。この場合、記憶媒体に格納された患者情報処理プログラムが記憶装置に組み込まれてもよい。さらに、記憶装置に組み込まれた当該プログラムがRAM上にロードされた上で、プロセッサがRAM上にロードされた当該プログラムを実行してもよい。このように、本実施形態に係る患者情報処理方法がサーバ2及び/又は表示端末3によって実行される。また、患者情報処理プログラムは、通信ネットワーク上の外部コンピュータからダウンロードされてもよい。この場合も同様に、ダウンロードされた当該プログラムが記憶装置に組み込まれてもよい。
【0105】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではない。本実施形態は一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0106】
1:患者情報処理システム(処理システム)
2:サーバ
3:表示端末
4:院内情報データベース
5:通信ネットワーク
6:ベッドサイドモニタ
20:制御部
21:記憶装置
22:通信部
23:入力操作部
24:表示部
30:制御部
31:記憶装置
32:通信部
33:入力操作部
34:表示部
41,41a,41b:患者情報テーブル
42:医療従事者情報テーブル
100,100a,100b:患者情報一覧画面