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特開2024-121406ガラス成形体及び光学素子の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121406
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】ガラス成形体及び光学素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 19/00 20060101AFI20240830BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
C03B19/00 Z
G02B3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028495
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100166408
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦陽
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 陽祐
(57)【要約】
【課題】略直方体形状又は略立方体形状をなし、所定の熱的特性を持ち、比較的大型であるガラス成形体、及び、そのようなガラス成形体を用いた光学素子の製造方法を提供する。
【解決手段】第1の態様のガラス成形体は、最小辺の長さが25mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有し、液相温度における粘度が5.0dPa・s以下、液相温度とガラス転移温度の差が500℃以上であるガラスにより構成される、ことを特徴とする。第2の態様のガラス成形体は、最小辺の長さが50mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有し、液相温度における粘度が1000dPa・s以下であるガラスにより構成される、ことを特徴とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最小辺の長さが25mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有し、
液相温度における粘度が5.0dPa・s以下、液相温度とガラス転移温度の差が500℃以上であるガラスにより構成される、
ことを特徴とするガラス成形体。
【請求項2】
最小辺の長さが50mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有し、
液相温度における粘度が1000dPa・s以下であるガラスにより構成される、
ことを特徴とするガラス成形体。
【請求項3】
最小辺の長さが50mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のガラス成形体。
【請求項4】
液相温度における粘度が5.0dPa・s以下、液相温度とガラス転移温度の差が500℃以上であるガラスにより構成される、
ことを特徴とする請求項2に記載のガラス成形体。
【請求項5】
日本光学硝子工業会規格JOGIS11-1975に従って測定した脈理が1~3級であるガラスにより構成される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガラス成形体。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載のガラス成形体を成形、及び/又は、加工して光学素子を作製する、
ことを特徴とする光学素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス成形体及び光学素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス原料を加熱、熔融させて鋳型に流し込むことで、光学ガラスであるガラス成形体を成形する技術が知られている。例えば、特許文献1-5には、略直方体形状の板状ガラス(Eバーやガラスストリップ材と呼ばれる)を成形する技術が記載されている。特許文献6-8には、略円柱形状のガラス(丸い棒状ガラス)を成形する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-292274号公報
【特許文献2】特開2005-213109号公報
【特許文献3】特開2012-001389号公報
【特許文献4】特開2012-001390号公報
【特許文献5】特開2012-001391号公報
【特許文献6】特開2005-089275号公報
【特許文献7】特開2006-052109号公報
【特許文献8】特開2006-256938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1-8は、略直方体形状又は略立方体形状をなし、所定の熱的特性を持ち、比較的大型であるガラス成形体を提供するという観点、及び、そのようなガラス成形体を用いた光学素子の製造方法を提供するという観点において、改良の余地がある。
【0005】
本発明は、以上の問題意識に基づいてなされたものであり、略直方体形状又は略立方体形状をなし、所定の熱的特性を持ち、比較的大型であるガラス成形体、及び、そのようなガラス成形体を用いた光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態のガラス成形体は、第1の態様では、最小辺の長さが25mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有し、液相温度における粘度が5.0dPa・s以下、液相温度とガラス転移温度の差が500℃以上であるガラスにより構成される、ことを特徴とする。
【0007】
第1の態様のガラス成形体は、最小辺の長さが50mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有してもよい。
【0008】
本実施形態のガラス成形体は、第2の態様では、最小辺の長さが50mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有し、液相温度における粘度が1000dPa・s以下であるガラスにより構成される、ことを特徴とする。
【0009】
第2の態様のガラス成形体は、液相温度における粘度が5.0dPa・s以下、液相温度とガラス転移温度の差が500℃以上であるガラスにより構成されてもよい。
【0010】
第1、第2の態様のガラス成形体は、日本光学硝子工業会規格JOGIS11-1975に従って測定した脈理が1~3級であるガラスにより構成されてもよい。
【0011】
本実施形態の光学素子の製造方法は、第1、第2の態様のガラス成形体を成形、及び/又は、加工して光学素子を作製することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、略直方体形状又は略立方体形状をなし、所定の熱的特性を持ち、比較的大型であるガラス成形体、及び、そのようなガラス成形体を用いた光学素子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】カメラモジュールの製造工程を示す模式図である。
図2】光学ガラスの示差熱分析のグラフである。
図3】本実施形態のガラス成形体の第1の製造方法を示す図である。
図4】本実施形態のガラス成形体の第2の製造方法を示す図である。
図5】本実施形態のガラス成形体の実施例を示す図である。
図6】本実施形態のガラス成形体を利用したフィルタの特性の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
従来から行われている光学ガラスレンズの製造方法の1つは、まず、脈理のない板状ガラスを成形した後、それを切断し、切断したガラスピースをプレス成形及び研磨して、光学ガラスレンズを得る方法である。しかし、この方法ではガラスピースを得る段階で、多くのガラスを破棄するという課題がある。このようなガラス廃棄を低減する方法として、例えば、板状ではなく、円柱形状の光学ガラスを成形してから切断する方法が挙げられる(例えば上述した特許文献6-8)。
【0015】
近年、ゴーグル型ディスプレイに使用する導光板など薄板状の素子にも光学ガラスが使用されている。このような導光板などの薄板状のガラス素子は、その一辺の長さが少なくとも人の瞳の間隔よりも長いことが求められることがあり、比較的大きいサイズのガラス素子が必要である。
【0016】
このような薄板状の光学ガラス素子の量産においては、半導体素子の製造ラインのように、光学ガラスからなる円盤状のウエハをダイシングなどにより1枚以上の素子に加工するが、そのウエハは、半導体素子の製造の場合のインゴットに相当する円柱ガラスをスライスして作るか、ガラスシートからくり抜いて作製する。そのため、ウエハに相当する光学ガラスは、一辺の長さが大きい、所定の面積を有する薄板ガラスであることが求められる。
【0017】
また、多数のレンズ等の光学素子を効率よく製造する方法としては、図1のように、ガラス成形体を薄くスライスした円盤状薄板ガラスを作製し、精密プレス成形の型101、102によりプレスし、プレス成形品201を製造し、多数のレンズを作り、それを重ねて切断することにより、多数のレンズを備えた光学素子401を作製する方法がある。
【0018】
このように多くの光学ガラス素子は、比較的面積の大きい円盤状のガラスからガラス部材を取り出すことが効率面、また廃棄ガラスの低減のために好ましい。そのため、大きい円盤状ガラスを複数取り出せる断面積の比較的大きい円柱形状のガラスの製造が望まれる。
【0019】
しかし、従来の円柱形状の光学ガラスの場合、ガラス断面積の大きさが不十分であり、より大きい直径のガラス成形体が好ましい。また、従来の板状ガラスの場合、導光板用の光学ガラス素子を得るための適した形状とは言えない。つまり、従来技術では、光学素子を製造するために有用なガラス成形体及びその製造方法を提供するという観点で、改良の余地がある。
【0020】
次に、特許文献1-8を含む従来技術において、略直方体形状又は略立方体形状をなし、所定の熱的特性を持ち、比較的大型であるガラス成形体を提供することが困難である理由について説明する。例えば、特許文献1-8は、均質なガラス成形体という観点では一定の成果を得ることができる。しかし、近年需要が高まっている特定の熱的特性を持つ大型のガラス成形体の作製において、次の問題がある。
【0021】
液相温度における粘度が低すぎるため、粘度勾配が緩やかなガラスでは内部のガラスが固まり難く、脈理が入りやすくなる。ガラス成形体の厚みが増すほどにその傾向は顕著となり、内部脈理の抑制が困難となる。また、徐冷時にガラスの内部と外部で温度差が生じ、徐冷炉から出た際に応力により割れが生じるおそれがある。この問題は、とりわけ、熔融ガラスを鋳型に流し込み、比較的大型の略直方体形状又は略立方体形状をなすガラス成形体(例えば、最小辺の長さが25mm以上、より好ましくは50mm以上)を成形する時に顕著に現れる。
【0022】
本発明者は、上記の問題点を重要な技術課題として捉え、略直方体形状又は略立方体形状をなし、所定の熱的特性を持ち、比較的大型であるガラス成形体を提供するべく、本発明を完成するに至った。
【0023】
本実施形態のガラス成形体は、第1の態様では、最小辺の長さが25mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有し、第2の態様では、最小辺の長さが50mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有する。例えば、本実施形態のガラス成形体は、幅150mm、長さ120mm、高さ25mmの直方体形状、あるいは、幅80mm、長さ80mm、高さ87mmの直方体形状を有することができる。ここで、「略直方体形状又は略立方体形状」は、ガラス成形体が厳密な意味での直方体形状又は立方体形状である必要はなく、幅方向、長さ方向、高さ方向の各辺がなす角度が90°から僅かにずれていてもよいことを意味している(例えば89°~91°など)。すなわち、本実施形態のガラス成形体の断面形状は、長方形又は正方形の場合の他、長方形又は正方形から僅かに角度がずれた台形や平行四辺形、その他の四角形であってもよい(そのような断面形状を有する四角柱であってもよい)。また略直方体形状、略立方体形状の辺や角部に相当する部分が丸みを帯びていてもよい。なお、本実施形態のガラス成形体の側面に垂直な断面の面積は、幅方向と長さ方向の寸法(サイズ)を乗じた値で規定される。略直方体形状又は略立方体形状を有するガラス成形体は、そのまま使用することもできるし、側面を研削や研磨などにより加工して円柱形状のガラス(光学素子)を作製することもできる。
【0024】
本実施形態のガラス成形体は、液相温度を有している。本実施形態のガラス成形体は、第1の態様では、液相温度における粘度が5.0dPa・s以下であるガラスにより構成され、第2の態様では、液相温度における粘度が1000dPa・s以下であるガラスにより構成される。
【0025】
液相温度とは、ある温度に一定時間保持した場合に、ガラス熔融液から結晶固化物が生成しない最低温度とする。液相温度は、非晶質相と結晶相の境目の温度と言うこともできる。液相温度よりも高い温度では結晶化が進まず、また結晶を含んでいても液相温度よりも高い温度では結晶が溶けて消失する。液相温度より低い温度では結晶化が進む。結晶化が進むとガラスの均質性が失われ、光学ガラスとしての品質が大幅に低下してしまう。本実施形態のガラス成形体は、液相温度における粘度が1000dPa・sを超える高粘性領域でも結晶固形物が析出しないような極めて安定なガラスは除外される。本実施形態のガラス成形体は、液相温度における粘度が1000dPa・s以下、より好ましくは5.0dPa・s以下であるような、成形する温度付近(熔融ガラスを成形する温度付近)において低い粘性のガラスを対象としている。
【0026】
本実施形態のガラス成形体は、第1、第2の態様の少なくとも一方において、液相温度とガラス転移温度の差が500℃以上であるガラスにより構成される。より好ましくは、本実施形態のガラス成形体は、第1、第2の態様の少なくとも一方において、液相温度とガラス転移温度の差が520℃以上であるガラスにより構成される。ガラス転移温度(転移点)Tgは、JIS R 3103-3 第3部:熱膨張法による転移温度測定方法により求める。液相温度は、例えば、次のようにして求める。対象となるガラスからなる体積が10cmのガラス試料を白金製坩堝内に入れ、所定の熔解温度に設定したガラス熔解炉内で20分保持してガラス試料を十分に熔融して熔融状態とした後、白金製坩堝をガラス熔解炉から取り出し、ガラス試料の温度が500℃以下になるまで白金製坩堝内でガラス試料を放置し冷却する。その後、上記白金製坩堝を温度T[℃]に設定したガラス熔解炉内に入れて2時間保持し、炉外に取り出した後、直ちに(例えば8秒以内に)ガラス試料が入った白金製坩堝を室温の耐火物(レンガ等)の上に置き、ガラス試料を室温まで冷却する。ここでの室温は、例えば、-10℃~80℃の範囲の温度である。その後、ガラス試料の表面および内部を目視で観察し、結晶の有無を確認する。上記の温度Tを所定の保持温度の範囲内において10℃刻みで変化させて、上記実験を繰り返し行い、ガラス試料の表面および内部に結晶が認められない最も低い温度を液相温度LTとする。液相温度における粘度は、例えば回転粘度計も用いて、液相温度、液相温度よりも50℃高い温度、液相温度よりも100℃高い温度、液相温度よりも150℃高い温度、ガラス転移温度Tgの各温度における粘度を測定し、5点のデータから近似曲線を導き、この近似曲線から算出する。ガラス成形温度の下限は自重でガラスが変形する温度であり、自重で変形する温度とは実質的に屈伏点Tsである。屈伏点Tsとは、熱膨張曲線において、見掛け上、膨張が停止する温度である。屈伏点Tsは、例えばJIS R 3103-3 第3部:熱膨張法による転移温度測定方法により求める。結晶化温度とは、一般的な光学ガラスの示差熱分析のグラフを示す図2において、吸熱ピークの極大であるTcの部分の温度である。また、図2に示すTxは、ガラスを昇温していったときに結晶化が始まる温度である。
【0027】
本実施形態のガラス成形体は、第1、第2の態様のいずれであっても、日本光学硝子工業会規格JOGIS11-1975に従って測定した脈理が1~3級であるガラスにより構成されることが好ましい。一般的に、液相温度における粘度が1000dPa・s以下、さらには5.0dPa・s以下であるようなガラス(粘性の低いガラス)は、ガラス熔融状態から大きな断面積を有するガラス成形体を直接製造することが難しい。これは粘性が低いガラスを成形すると、ガラスのキャスト後(熔融ガラスを成形型に鋳込んだ後)、ガラス表面の低い温度のガラス部分(先に温度が低下した表面付近のガラス)が、依然として高温であるガラスの内部に侵入してしまい、それによりガラスが不均一になりやすいためと考えられている。
【0028】
これに対して、本実施形態のガラス成形体は、脈理が1~3級の立体ガラスを加熱により変形させて成形するため、液相温度における粘度が1000dPa・s以下、さらには5.0dPa・s以下であるようなガラス(粘性の低いガラス)であっても、大きい断面積のガラス成形体を得ることが可能である。ここで立体ガラスは、型の内部に配置可能な形状を有する固化したガラスであり、好ましくは表面が平面および/または凸形状の曲面であるガラスである。なお、ガラス成形体を形成する際、ガラスは粘度が高い状態で成形するため、新たな脈理が発生しにくく、そのため大きい断面積のガラス成形体であっても、脈理が1~3級のガラス成形体を得ることができる。ここで脈理とは、屈折率等の光学的な特性の不均質となっている部分を意味する。本実施形態のガラス成形体は、脈理が1級または2級のガラス成形体であることが好ましく、脈理が1級のガラス成形体であることがより好ましい。
【0029】
このように、本実施形態のガラス成形体は、第1の態様では、最小辺の長さが25mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有し、液相温度における粘度が5.0dPa・s以下、液相温度とガラス転移温度の差が500℃以上であるガラスにより構成される、ことを特徴とする。また、第2の態様では、最小辺の長さが50mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有し、液相温度における粘度が1000dPa・s以下であるガラスにより構成される、ことを特徴とする。第1、第2の態様のいずれであっても、略直方体形状又は略立方体形状をなし、所定の熱的特性を持ち、比較的大型であるガラス成形体を実現することが可能である。また、第1、第2の態様のガラス成形体を成形、及び/又は、加工して光学素子を作製することが可能になる。
【0030】
図3を参照して、本実施形態のガラス成形体の第1の製造方法について説明する。第1の製造方法は、立体ガラスからガラス成形体を製造する方法であって、下記の工程(1)~(4)を具備している。また、付加的・代替的な工程(5)、(6)を具備していてもよい。
(1)立体ガラスを、型の底部に接するように型に配置する工程。
(2)立体ガラスを型とともに加熱して、立体ガラスの温度を、立体ガラスが自重で変形する温度以上、結晶化温度未満である成形温度まで上昇させ、成形温度を維持する工程。
(3)成形温度により立体ガラスが変形し、型の内部形状に対応した形状を有するガラス成形体を形成する工程。
(4)冷却後、型から取り出すことにより、ガラス成形体を得る工程。
(5)立体ガラスを支持する工程。
(6)立体ガラスを支持した状態で、立体ガラスを型とともに、加熱炉の中に入れる工程。
【0031】
まず、図3(a)に示すように、立体ガラス1を、凹部を有する型3の内部の底面32に配置する。立体ガラス1は、図3に示すような断面が矩形の直方体ガラスに、加えて、円柱形状やその他の形状のガラスであってもよい。このように立体ガラスは、表面が平面および/または凸形状の曲面であることが好ましい。立体ガラスの内部に空洞が存在したり、表面に開口径よりも深い凹部がある立体ガラスを使用したりすると、立体ガラスの表面(空洞を囲むガラス内部の面を含む)がガラス成形体の内部に残存して、ガラス成形体の光学的均質性が低下してしまう。したがって、空洞がある立体ガラスや表面に開口径よりも深い凹部がある立体ガラスの使用は好ましくない。立体ガラス1はガラスとして固体である。配置方法は、立体ガラス1の長辺を型3の底面32に対して、垂直に配置する。立体ガラス1の断面積は、型3の内部形状31の断面積(底面32に対して平行な面における内部形状の面積)よりも小さくする。底面32に接するように配置する必要があるからである。
【0032】
型3は、ガラス成形体21の形状に対応した内部形状31を有する。すなわち内部形状31とは、型3の凹部の形状である。型3の内部形状31は、本実施形態のガラス成形体の形状、すなわち、最小辺の長さが25mm以上である略直方体形状若しくは略立方体形状、又は、最小辺の長さが50mm以上である略直方体形状若しくは略立方体形状に対応して設定されている。ガラスが型3からあふれ出ないようにするため、型3の内部形状31の体積(型の容積)は、立体ガラス1及びガラス成形体21の体積よりも大きくする。型3の材料は、耐火性であれば特に限定されず、セラミック、珪素土などが挙げられる。
【0033】
材料である立体ガラス1の断面積が小さく、かつ、ガラス成形体21の体積の大きい場合は、立体ガラス1の長辺は断面に対して、非常に長くする必要がある。その場合は、図3のように、支持具5を使って、倒れないように立体ガラス1を押さえることができる。図3では、立体ガラス1を上部から支持する支持具5を用いているが、支持する方法は特に限定されるものではなく、横からクランプする方法などを用いてもよい。
【0034】
次に、図3(b)に示すように、立体ガラス1及び型3(必要に応じて支持具5)を加熱炉4の中に配置し、立体ガラス1を成形温度まで加熱できるように設定する。成形温度は、立体ガラス1が自重で変形する温度以上、結晶化温度未満である。立体ガラス1が自重で変形する温度未満の温度であると、ガラスが変形しにくく、立体ガラス1を所定の形状に変形することができない。また、結晶化温度以上であると、ガラスが低粘度で熔融状態になってしまい、脈理が発生する場合がある。第1の製造方法では、ガラスを低粘度の熔融状態にしない。ガラスを低粘度の熔融状態にしてしまうと、不安定なガラスであると、その後の冷却段階でガラス結晶化点を通過することにより、ガラス中又はガラス表面に結晶が発生してしまう。第1の製造方法は、結晶が発生しやすい不安定なガラスであっても、結晶を発生せず、最小辺の長さが25mm以上である略直方体形状若しくは略立方体形状、又は、最小辺の長さが50mm以上である略直方体形状若しくは略立方体形状のガラス成形体を製造することができるものである。
【0035】
ここで、成形温度の下限は自重でガラスが変形する温度である。自重で変形する温度とは実質的に屈伏点Tsである。屈伏点Tsとは、熱膨張曲線において、見掛け上、膨張が停止する温度である。屈伏点Tsは、例えばJIS R 3103-3 第3部:熱膨張法による転移温度測定方法により求める。なお、この膨張の停止は、ガラスの本質的な熱膨張特性を示すものではなく、ガラス試料に加わる荷重とガラス試料の自重とによる変形で生じたものである。第1の製造方法において、好ましい成形温度の下限は、屈伏点を超える温度である。また第1の製造方法において、結晶化温度とは、光学ガラスの示差熱分析のグラフを示す図2において、吸熱ピークの極大であるTcの部分の温度である。
【0036】
加熱炉4は室温の状態で、立体ガラス1を挿入してもよいし、ある程度温度を上げてから挿入し、加熱してもよいし、あらかじめ、加熱炉4を所望の温度に上げておいて、その中に立体ガラス1を挿入してもよい。
【0037】
加熱炉4の中に立体ガラス1を挿入し、立体ガラス1が成形温度付近に達すると、ガラスが軟化する。図3(c)、(d)に示すように、軟化したガラスは、自重により型3内に広がり、最終的に型3の内部形状31に形成される。その後、冷却により、型3の内部形状31に対応する形状を有する固化したガラス成形体21が得られる。ガラス成形体21は、最小辺の長さが25mm以上である略直方体形状若しくは略立方体形状、又は、最小辺の長さが50mm以上である略直方体形状若しくは略立方体形状を有している。
【0038】
冷却速度は、得られるガラス成形体21が割れないように徐冷することが好ましいが、特に限定されるものではなく、ガラス成形体21のガラス組成や形状に応じて、適宜決定することができる。
【0039】
図4を参照して、本実施形態のガラス成形体の第2の製造方法について説明する。第2の製造方法は、立体ガラスからガラス成形体を製造する方法であって、下記の工程(1’)~(5’)を具備している。また、付加的・代替的な工程(6’)を具備していてもよい。
(1’)立体ガラスを、基台に配置する工程。
(2’)配置された立体ガラスに開口している端部から筒をかぶせ、端部を基台に接するように筒を配置する工程。
(3’)筒をかぶせた状態で立体ガラスを加熱して、立体ガラスの温度を、立体ガラスが自重で変形する温度以上、結晶化温度未満である成形温度まで上昇させ、成形温度を維持する工程。
(4’)成形温度により立体ガラスが変形し、筒の内部形状に対応した形状を有するガラス成形体を形成する工程。
(5’)冷却後、筒から取り出すことにより、ガラス成形体を得る工程。
(6’)立体ガラスに筒をかぶせた状態で、基台及び筒とともに、加熱炉の中に入れて、加熱炉内の立体ガラスの温度を、立体ガラスが自重で変形する温度以上、結晶化温度未満である成形温度まで上昇させ、成形温度を維持する工程。
【0040】
第2の製造方法は、図4で示すように、第1の製造方法よりもガラス成形体の一方の端部から他方の端部までの長さが端面の外径よりも長い(細長い)ガラス成形体を得る場合に有効である。第1の製造方法と異なるところは、型ではなく、皿6のような基台を使うことができる。なお、基台は、皿6である必要はなく、耐火性の板でもよいし、第1の製造方法のような型3を利用してもよい。なお、第2の製造方法では皿6の底面61を基台として用いている。また、基台として皿6を使用することにより、ガラスが筒7から漏れたときに、装置以外を汚すことがない。
【0041】
第2の製造方法では、図4(a)に示すように、立体ガラス1を皿6の底面61の上に配置したあと、図4(b)に示すように、立体ガラス1にかぶせるように、筒7を皿6に配置する。第2の製造方法では、筒7の開口している端部から、皿6に垂直に立っている立体ガラス1にかぶせ、筒7も皿6に垂直に立たせる。筒7の長さは、立体ガラス1の長辺の長さよりも長い方が好ましいが、ガラス成形体22の製造に影響がないのであれば、立体ガラス1の長辺の長さよりも、短くてもよい。必要により、筒7が倒れないように支持体により支持してもよい。
【0042】
第2の製造方法で得られるガラス成形体22の形状は、筒7の内部形状に対応したものとなるため、筒7は、内部形状が所望のガラス成形体が得られる筒7を選択する。つまり、筒7の内部形状は、本実施形態のガラス成形体の形状、すなわち、最小辺の長さが25mm以上である略直方体形状若しくは略立方体形状、又は、最小辺の長さが50mm以上である略直方体形状若しくは略立方体形状に対応して設定されている。筒7の材料は、耐火性であれば特に限定されるものではなく、セラミック、珪藻土などが挙げられる。
【0043】
次に、立体ガラス1、皿6、そして、筒7を加熱炉4の中に配置し、立体ガラス1を成形温度まで加熱できるように設定する。このとき、筒7の皿6の底面に対して垂直に配置されていれば、立体ガラス1は筒7の内部で筒7に倒れかかってもよい。成形温度や加熱炉4の温度設定は、第1の製造方法と同様であるため、省略する。
【0044】
加熱炉4の中に立体ガラス1を挿入し、立体ガラス1が成形温度付近に達すると、ガラスが軟化する。図4(c)、(d)に示すように、軟化したガラスは、自重により筒7の下方の内部に広がり、最終的に筒7の内部形状に形成される。その後、冷却により、筒7の内部形状に対応する形状を有する固化したガラスが得られる。ガラス成形体22は、最小辺の長さが25mm以上である略直方体形状若しくは略立方体形状、又は、最小辺の長さが50mm以上である略直方体形状若しくは略立方体形状を有している。冷却速度は、第1の製造方法と同様に、適宜設定できる。
【0045】
なお、第1、第2の製造方法は、いずれも自重で立体ガラス1を変形させたが、これに限定されるものではなく、プレス装置等で上からガラスを加圧したり、立体ガラス1の上に重りを載せてガラスに荷重を加えたりして、成形させてもよい。
【0046】
本実施形態のガラス成形体の用途には自由度があり、種々の設計変更が可能であるが、ここでは一例として、レンズ素材としての用途およびスライス母材としての用途を挙げて説明する。用途の説明に際しては、最小辺の長さが25mm以上、さらには50mm以上の略直方体形状又は略立方体形状をなし、所定の熱的特性を持ち、比較的大型であるという、本実施形態のガラス成形体の構成及び作用効果と連動する利点についても付け加える。
【0047】
レンズ素材としては、従来よりも厚肉で大きなレンズを得ることができる。例えば、略直方体形状の板状ガラスにおいて、厚さ25mm以上を実現することができるので、リヒートプレス成形によって大型のレンズを作製するときにレンズのサイズに対応した大型のリヒートプレス成形用ガラス素材をガラス成形体から作ることができる。
【0048】
スライス母材としては、フィルタガラス等の用途で四角いガラスをスライスする際の生産性を向上させ、且つ材料損失を抑えることが可能となる。現状ではこうしたガラスの最大厚みは35mm程度であり、厚さ35mm程度のガラスを貼り合わせてワイヤー切断でスライスする工程が取られている。この様な工程ではガラスを貼り合わせる工程により生産性が低下し、また接合部は製品として利用できないため材料損失も大きくなる。本実施形態のガラス成形体では、例えば、最小辺の長さが50mm以上の略直方体形状又は略立方体形状といった、従来よりも十分に大きい厚み(長さ)を持つ材料を成形することで、こうした問題点(技術課題)を改善することができる。
【0049】
続いて、図5を参照して、本実施形態のガラス成形体のガラス成形体の具体的実施例について説明する。上述した第1の製造方法(図3)及び/又は第2の製造方法(図4)による製造装置を準備して、図5に示す熱的特性・素材形状を持つガラス素材(立体ガラス1)を成形することで、10種類からなる板状のガラス1~10(ガラス成形体21、22)を得た。その際、ガラス原料を調合し、ガラス状態に応じて900~1450℃で熔融し、すなわち、1300~1450℃の範囲でガラス原料を加熱、熔融した。ガラス1については、ガラス成形体の成形条件を同一として寸法だけを異ならせたガラス1-1、1-2、1-3を得た。ガラス2については、ガラス成形体の成形条件を同一として寸法だけを異ならせたガラス2-1、2-2を得た。ガラス1(ガラス1-1~1-3)の屈折率ndは1.85136であり、アッベ数vdは40.07であった。また、ガラス1~10は、いずれも、日本光学硝子工業会規格JOGIS11-1975に従って測定した脈理が1級であるガラスによって構成される。
【0050】
図5において、ガラス1(ガラス1-3)及びガラス8は、第1、第2の態様のガラス成形体に対応しており、ガラス1(ガラス1-1、1-2)は、第1の態様のガラス成形体に対応しており、ガラス2(ガラス2-1、2-2)~7、9、10は、第2の態様のガラス成形体に対応している。図5において、LT[℃]は液相温度を示し、Tg[℃]はガラス転移温度を示し、LT-Tg[℃]は液相温度とガラス転移温度の差を示し、粘度[dPa・s]は液相温度における粘度(dPa・s)を示している。図5において、「素材形状」は、ガラス成形を行う前の「立体ガラス1」の寸法(サイズ)を示しており、「成形形状」は、ガラス成形を行った後の「ガラス成形体21、22」の寸法(サイズ)を示している。
【0051】
ここで、ガラス転移温度(転移点)Tgは、JIS R 3103-3 第3部:熱膨張法による転移温度測定方法により求める。液相温度は次のようにして求める。図5に示す各ガラスからなる体積が10cmのガラス試料を白金製坩堝内に入れ、所定の熔解温度に設定したガラス熔解炉内で20分保持してガラス試料を十分に熔融して熔融状態とした後、白金製坩堝をガラス熔解炉から取り出し、ガラス試料の温度が500℃以下になるまで白金製坩堝内でガラス試料を放置し冷却する。その後、上記白金製坩堝を温度T[℃]に設定したガラス熔解炉内に入れて2時間保持し、炉外に取り出した後、直ちに(例えば8秒以内に)ガラス試料が入った白金製坩堝を室温の耐火物(レンガ等)の上に置き、ガラス試料を室温まで冷却する。ここでの室温は、-10℃~80℃の範囲の温度である。その後、ガラス試料の表面および内部を目視で観察し、結晶の有無を確認する。上記の温度Tを所定の保持温度の範囲内において10℃刻みで変化させて、上記実験を繰り返し行い、ガラス試料の表面および内部に結晶が認められない最も低い温度を液相温度LTとする。液相温度における粘度は、例えば回転粘度計も用いて、液相温度、液相温度よりも50℃高い温度、液相温度よりも100℃高い温度、液相温度よりも150℃高い温度、ガラス転移温度Tgの各温度における粘度を測定し、5点のデータから近似曲線を導き、この近似曲線から算出する。屈伏点Ts、結晶化温度の測定方法は前述のとおりである。
【0052】
ガラス1(ガラス1-1、1-2)は、最小辺の長さが25mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有し、液相温度における粘度が5.0dPa・s以下、液相温度とガラス転移温度の差が500℃以上であるガラスにより構成されること、という第1の態様のガラス成形体の構成要件を具備している。ガラス1(ガラス1-1、1-2)は、脈理や結晶の析出は認められず、均質であった。冷却時の破損もおきなかった。
【0053】
ガラス1(ガラス1-3)及びガラス8は、最小辺の長さが25mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有し、液相温度における粘度が5.0dPa・s以下、液相温度とガラス転移温度の差が500℃以上であるガラスにより構成されること、という第1の態様のガラス成形体の構成要件、並びに、最小辺の長さが50mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有し、液相温度における粘度が1000dPa・s以下であるガラスにより構成されること、という第2の態様のガラス成形体の構成要件を具備している。ガラス1(ガラス1-3)及びガラス8は、脈理や結晶の析出は認められず、均質であった。冷却時の破損もおきなかった。
【0054】
ガラス2(ガラス2-1、2-2)~7、9、10は、最小辺の長さが50mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有し、液相温度における粘度が1000dPa・s以下であるガラスにより構成されること、という第2の態様のガラス成形体の構成要件を具備している。ガラス2(ガラス2-1、2-2)~7、9、10は、脈理や結晶の析出は認められず、均質であった。冷却時の破損もおきなかった。
【0055】
また、図5のガラス1-10の比較例として、上述した特許文献1-8の技術により、ガラス成形体の製造を試みたが、例えば、厚さ15mm以上、且つ、幅150mm以上のガラス成形体を製造することはできなかった。
【0056】
例えば、ガラス1(ガラス1-1~1-3)及びガラス8は、最小辺の長さが25mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有し、液相温度における粘度が5.0dPa・s以下、液相温度とガラス転移温度の差が500℃以上であるガラスにより構成される、第1の態様のガラス成形体である。ガラス1(ガラス1-1~1-3)及びガラス8は、例えば、精密プレス成形用の低融点光学ガラスとして好適である。
【0057】
このようにして作製したガラス成形体(第1、第2の態様のガラス成形体)をスライスして、薄板形状に加工し、表面を研磨して、ガラス基板とする。このガラス基板から画像表示装置の導光板を作製することもできる。ガラス基板の主表面上に得ようとする導光板の数に対応して、導光板に光を入射、出射するための回折格子を形成する。その後、ガラス基板を切断し、複数の導光板に分離して一度に多数の導光板を得ることができる。
【0058】
ガラス成形体(第1、第2の態様のガラス成形体)を加熱、軟化してプレス成形し、研削、研磨して大型のレンズを作製することもできる。
【0059】
さらに、低融点光学ガラスからなるガラス成形体(第1、第2の態様のガラス成形体)を加工してプリフォームを作製し、このプリフォームを精密プレス成形して非球面レンズを得ることもできる。
【0060】
このように、本実施形態のガラス成形体(第1、第2の態様のガラス成形体)を成形、及び/又は、加工して光学素子を作製することができる。
【0061】
例えば、ガラス1(1-3)、ガラス2(ガラス2-1、2-2)~7、9、10は、最小辺の長さが50mm以上である略直方体形状又は略立方体形状を有し、液相温度における粘度が1000dPa・s以下であるガラスにより構成される、第2の態様のガラス成形体である。ガラス1(1-3)、ガラス2(ガラス2-1、2-2)~7、9、10は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)などの半導体撮像素子の色補正フィルタ材料として好適な近赤外線吸収ガラスとして好適である。
【0062】
図6は、本実施形態のガラス成形体を利用した色補正フィルタの特性の一例を示す図である。図6に示すように、特定波長の光を選択的に透過、吸収するフィルタであり、映像機器やディスプレイ等に利用される。なお、図6は厚さ0.21mmのフィルタに関する透過率曲線であり、横軸がフィルタに入射する光の波長、縦軸が各波長における透過率である。
【符号の説明】
【0063】
1 立体ガラス
21、22 ガラス成形体
3 型
31 型内部
32 底面
4 加熱炉
5 支持体
6 皿
7 筒
図1
図2
図3
図4
図5
図6