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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121410
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】マンコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B66B 29/06 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
B66B29/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028507
(22)【出願日】2023-02-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 清秀
(72)【発明者】
【氏名】田中 大樹
(72)【発明者】
【氏名】森脇 史郎
(72)【発明者】
【氏名】田畑 大輝
(72)【発明者】
【氏名】中村 雅昭
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321AA04
3F321EA11
3F321EB02
3F321EC01
3F321EC07
3F321GA31
(57)【要約】
【課題】 コムプレートの異常判定を適切に行うことができるマンコンベヤを提供する。
【解決手段】 マンコンベヤは、乗降部の床の端部を構成するコムプレートと、コムプレートを支持し、コムプレートを変位可能に接続する構造体と、コムプレートの幅方向の第1端部が構造体に対して変位することを検出する第1検出部と、コムプレートの幅方向の第2端部が構造体に対して変位することを検出する第2検出部と、第1検出部及び第2検出部の両方がコムプレートの変位を検出した場合に、コムプレートが異常であると判定する処理部と、を備える。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗降部の床の端部を構成するコムプレートと、
前記コムプレートを支持し、前記コムプレートを変位可能に接続する構造体と、
前記コムプレートの幅方向の第1端部が前記構造体に対して変位することを検出する第1検出部と、
前記コムプレートの幅方向の第2端部が前記構造体に対して変位することを検出する第2検出部と、
前記第1検出部及び前記第2検出部の両方が前記コムプレートの変位を検出した場合に、前記コムプレートが異常であると判定する処理部と、を備える、マンコンベヤ。
【請求項2】
前記処理部は、前記第1検出部及び前記第2検出部の両方が前記コムプレートの変位を検出した状態が、第1設定時間だけ継続した場合に、前記コムプレートが異常であると判定する、請求項1に記載のマンコンベア。
【請求項3】
前記処理部は、前記第1検出部及び前記第2検出部のうち一方が前記コムプレートの変位を検出した状態が、前記第1設定時間よりも長い第2設定時間だけ継続した場合にも、前記コムプレートが異常であると判定する、請求項2に記載のマンコンベヤ。
【請求項4】
前記コムプレートは、前記構造体に対して前後方向に変位可能となるように、前記構造体に接続され、
前記マンコンベヤは、前記コムプレートに前後方向の弾性復元力を加える弾性部を備え、
前記第1検出部は、前記コムプレートの幅方向の第1端部が前記構造体に対して前後方向に変位することを検出し、
前記第2検出部は、前記コムプレートの幅方向の第2端部が前記構造体に対して前後方向に変位することを検出する、請求項1~3の何れか1項に記載のマンコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、マンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤは、コムプレートと、コムプレートを変位可能に接続する構造体と、コムプレートが構造体に対して変位することを検出する検出部と、検出部が構造体に対するコムプレートの変位を検出した場合に、コムプレートが異常であると判定する処理部とを備えている(例えば、特許文献1)。ところで、特許文献1に係るマンコンベヤにおいては、検出部が、構造体に対するコムプレートの変位を誤検出した場合に、処理部は、コムプレートが異常であると誤判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/029813号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、コムプレートの異常判定を適切に行うことができるマンコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
マンコンベヤは、乗降部の床の端部を構成するコムプレートと、前記コムプレートを支持し、前記コムプレートを変位可能に接続する構造体と、前記コムプレートの幅方向の第1端部が前記構造体に対して変位することを検出する第1検出部と、前記コムプレートの幅方向の第2端部が前記構造体に対して変位することを検出する第2検出部と、前記第1検出部及び前記第2検出部の両方が前記コムプレートの変位を検出した場合に、前記コムプレートが異常であると判定する処理部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態に係るマンコンベヤの概要図
図2】同実施形態に係るマンコンベヤの平面図
図3】同実施形態に係るマンコンベヤの要部平面図
図4】同実施形態に係るマンコンベヤの要部平面図であって、コムプレートの変位を示す図((a)変位前を示す図、(b)変位後を示す図)
図5】同実施形態に係るマンコンベヤの制御ブロック図
図6】同実施形態に係るマンコンベヤの制御フロー図
【発明を実施するための形態】
【0007】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0008】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0009】
以下、マンコンベヤにおける一実施形態について、図1図6を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、マンコンベヤの構成等の理解を助けるために例示するものであり、マンコンベヤの構成を限定するものではない。
【0010】
図1に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、躯体に設置される構造体2と、人を搬送する搬送部3と、搬送部3を第1方向D1で挟むように配置される一対(図1においては、一つのみ図示している)の欄干部4と、搬送部3及び欄干部4を駆動させる駆動部5と、装置全体を制御する処理部6とを備えていてもよい。
【0011】
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である幅方向(「第1横方向」ともいう)D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、幅方向D1と直交する前後方向(「第2横方向」ともいう)D2であり、第3方向D3は、幅方向D1及び前後方向D2と直交する鉛直方向であって、上下方向D3である。
【0012】
本実施形態に係るマンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0013】
搬送部3は、例えば、本実施形態のように、駆動部5に駆動されることによって回転して走行する無端環状の走行部3aと、走行部3aに接続されることによって走行部3aと共に走行し、人が乗る踏面を有する複数のステップ3bとを備えていてもよい。特に限定されないが、走行部3aは、例えば、ローラチェーンとしてもよい。
【0014】
また、例えば、走行部3aは、幅方向D1に離れて一対設けられ、複数のステップ3bは、一対の走行部3a,3aの間に配置されていてもよい。そして、ステップ3bは、それぞれの走行部3aに対して幅方向D1を軸にして回転可能に接続されていてもよい。
【0015】
駆動部5は、例えば、本実施形態のように、ステップ3bが反転するように走行部3aが巻き掛けられて且つ幅方向D1を軸にして回転する一対の回転部5a,5aと、回転部5aを回転させる駆動源5bと、駆動源5bの駆動を回転部5aに伝達する伝達部5cとを備えていてもよい。特に限定されないが、回転部5aは、例えば、スプロケットとしてもよく、また、駆動源5bは、例えば、モータとしてもよく、また、伝達部5cは、例えば、ベルトやチェーンとしてもよい。
【0016】
欄干部4は、例えば、回転して走行する無端環状の手摺ベルト4aと、手摺ベルト4aを支持する欄干本体部4bと、欄干本体部4bの下部を覆うカバー部4cとを備えていてもよい。なお、例えば、手摺ベルト4aが駆動部5の駆動によって走行し、手摺ベルト4aの走行は、ステップ3bの走行と同期してもよい。
【0017】
構造体2は、例えば、複数の枠材で構成されるトラス構造又はケタ構造としてもよい。そして、構造体2は、例えば、本実施形態のように、前後方向D2のそれぞれの端部に配置される機械室2a,2bを備えていてもよい。
【0018】
図1及び図2に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、機械室2a,2bを上方から覆うように構造体2に接続されることによって、構造体2に支持される床プレート7及びコムプレート8を備えていてもよい。これにより、床プレート7及びコムプレート8は、人がステップ3bに乗り降りするために、搬送部3の前後方向D2の各端部に配置される乗降部1a,1bの床を構成している。
【0019】
図2図4に示すように、コムプレート8は、例えば、床プレート7よりも、前後方向D2の内側に配置されていてもよい。これにより、コムプレート8は、乗降部1a,1bの床の前後方向D2における端部を構成している。また、コムプレート8は、例えば、本実施形態のように、プレート部8aと、プレート部8aの前後方向D2の端部に連結され、ステップ3bの踏面と噛み合うコム部(櫛部)8bとを備えていてもよい。
【0020】
構造体2は、例えば、本実施形態のように、コムプレート8を前後方向D2へ案内可能に接続する接続部2cを備えていてもよい。なお、特に限定されないが、接続部2cは、例えば、本実施形態のように、コムプレート8の幅方向D1の端部を上下方向D3で挟む第1案内部2dと、コムプレート8を幅方向D1で挟む第2案内部2eとを備えていてもい。これにより、接続部2cがコムプレート8を前後方向D2へ案内するため、コムプレート8は、構造体2に対して前後方向D2へ変位できる。
【0021】
また、マンコンベヤ1は、例えば、本実施形態のように、コムプレート8に前後方向D2の弾性復元力を加える弾性部9を備えていてもよい。なお、弾性部9の弾性復元力がコムプレート8に加えられるための構造、具体的には、構造体2、コムプレート8及び弾性部9の構造は、特に限定されない。
【0022】
例えば、本実施形態のように、弾性部9は、前後方向D2に弾性変形する弦巻バネであり、コムプレート8は、プレート部8aに固定されて前後方向D2へ延びる柱体8cと、柱体8cに固定され、弾性部9の第1端を保持する第1保持部8dとを備えており、構造体2は、弾性部9の第2端を保持する第2保持部2fを備えている、という構成でもよい。また、例えば、本実施形態のように、コムプレート8が基準位置に位置するように、構造体2及びコムプレート8は、互いに係合する係合部2g,8eを備えていてもよい。
【0023】
これにより、コムプレート8に外力が加えられていない場合は、弾性部9がコムプレート8に弾性復元力を加え、且つ、係合部2g,8eが係合するため、コムプレート8は、基準位置に位置する(図3及び図4(a)参照)。一方で、例えば、異物がステップ3bとコムプレート8との間に侵入して食い込むことによって、弾性部9の弾性復元力よりも大きな外力が、コムプレート8に加えられた場合には、コムプレート8は、構造体2に対して前後方向D2に変位する(図4(b)参照)。
【0024】
そこで、マンコンベヤ1は、例えば、本実施形態のように、第1のコムプレート8が構造体2に対して変位することを検出する第1検出ユニット11と、第2のコムプレート8が構造体2に対して変位することを検出する第2検出ユニット12とを備えていてもよい。なお、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られず、例えば、第1検出ユニット11及び第2検出ユニット12のうち、何れか一方のみを備えている、という構成でもよい。
【0025】
検出ユニット11,12は、例えば、本実施形態のように、コムプレート8の幅方向D1の第1端部が構造体2に対して前後方向D2に変位することを検出する第1検出部13と、コムプレート8の幅方向D1の第2端部が構造体2に対して前後方向D2に変位することを検出する第2検出部14とを備えていてもよい。なお、検出部13,14は、例えば、本実施形態のように、構造体2に固定されていてもよい。
【0026】
検出部13,14は、例えば、本実施形態のように、コムプレート8の係合部8eに接触することによって、コムプレート8が構造体2に対して変位したことを検出する、という構成でもよい。なお、検出部13,14の構成は、特に限定されない。検出部13,14は、接触式センサに限られず、例えば、非接触式センサ(例えば、光電センサ等)であってもよい。
【0027】
図5に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、各種情報が入力される入力部15と、各種情報が出力される出力部16とを備えていてもよい。特に限定されないが、入力部15は、例えば、スイッチ(押しボタンスイッチ、セレクトスイッチ等)、タッチパネル等としてもよく、また、出力部16は、例えば、情報を表示する表示部(例えば、電光掲示板、表示灯)、情報を音で発する発音部(例えば、ブザー、スピーカ)、外部(例えば、中央監視盤等)へ信号を出力する信号出力部等としてもよい。
【0028】
処理部6は、例えば、本実施形態のように、各部11~15から各情報を取得する取得部6aと、各情報を記憶する記憶部6bと、各情報を演算する演算部6cと、各部5,16を制御する制御部6dとを備えていてもよい。
【0029】
なお、処理部6は、例えば、CPU及びMPU等のプロセッサ(例えば、演算部6c、制御部6d)、ROM及びRAM等のメモリ(例えば、取得部6a、記憶部6b)、各種インターフェイス(例えば、取得部6a)等を備えるコンピュータとしてもよい。これにより、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行し、ソフトウェア及びハードウェアが協働することによって、処理部6の各部6a~6dが実現される。
【0030】
また、処理部6は、例えば、一つの装置で構成されていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置で構成されていてもよい。具体的には、処理部6の各部6a~6dは、例えば、一つの装置に備えられていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置に分散して備えられていてもよい。
【0031】
本実施形態に係るマンコンベヤ1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るコムプレート8の異常検出制御について、図6を参照しながら説明する。なお、以下の制御は、コムプレート8の異常検出制御の理解を助けるために例示するものであり、コムプレート8の異常検出制御を限定するものではない。
【0032】
図6に示すように、第1検出部13がコムプレート8の変位を検出し(S1の「Y」)、且つ、第2検出部14がコムプレート8の変位を検出した場合に(S2の「Y」)、処理部6は、両方変位検出状態であると判定する。また、第1検出部13及び第2検出部14のうち、一方のみが、コムプレート8の変位を検出した場合に(S1の「Y」且つS2の「N」、又は、S1の「N」且つS2の「Y」)、処理部6は、一方変位検出状態であると判定する。
【0033】
ところで、検出部13,14がコムプレート8の変位を誤検出する(例えば、センサがオフからオンになる)場合がある。なお、誤検出は、さまざまな要因で起こり得る。特に限定されないが、例えば、人がコムプレート8に勢いよく飛び降りることによって、構造体2やコムプレート8が振動したり、検出部13,14の内部が振動したりする場合に、誤検出が起こり得る。
【0034】
そして、第1検出部13及び第2検出部14が同時に誤検出し、且つ、その状態を継続する可能性は、非常に低いと考えられる。そこで、両方変位検出状態が第1設定時間だけ継続した場合に(S6の「Y」)、処理部6は、コムプレート8が異常であると判定する(S8)。これにより、コムプレート8の異常を確実に検出することができるため、コムプレート8の異常判定を適切に行うことができる。
【0035】
また、例えば、検出部13,14の誤検出は、短い時間であることが多い。一方で、例えば、コムプレート8の幅方向D1の端部に、外力が加えられた場合に、第1検出部13及び第2検出部14のうち一方のみが、コムプレート8の変位を検出する可能性があり、そして、当該検出は、一定の時間だけ(例えば、恒久的に)継続する。
【0036】
そこで、一方変位検出状態が第2設定時間だけ継続した場合に(S9の「Y」)、処理部6は、コムプレート8が異常であると判定する(S8)。これにより、第1検出部13及び第2検出部14のうち一方が、コムプレート8の変位を正確に検出した場合に、コムプレート8の異常を確実に検出することができる。したがって、コムプレート8の異常判定を適切に行うことができる。
【0037】
なお、検出部13,14の誤検出によって両方変位検出状態を維持する時間は、検出部13,14の誤検出によって一方変位検出状態を維持する時間よりも、短いと考えられる。そこで、例えば、本実施形態のように、第1設定時間は、第2設定時間よりも、短いことが好ましい。
【0038】
特に限定されないが、第1設定時間は、例えば、10ms以上としてもよく、また、例えば、20ms以上としてもよい。また、特に限定されないが、第1設定時間は、例えば、50ms以下としてもよく、また、例えば、40ms以下としてもよい。
【0039】
特に限定されないが、第2設定時間は、例えば、60ms以上としてもよく、また、例えば、80ms以上としてもよい。また、特に限定されないが、第2設定時間は、例えば、150ms以下としてもよく、また、例えば、120ms以下としてもよい。
【0040】
特に限定されないが、第2設定時間は、例えば、第1設定時間の150%以上としてもよく、また、例えば、200%以上としてもよい。また、特に限定されないが、第2設定時間は、例えば、第1設定時間の500%以下としてもよく、また、例えば、400%以下としてもよい。
【0041】
そして、コムプレート8が異常と判定された場合には(S8)は、処理部6は、異常出力を行う(S11)。異常出力の内容は、特に限定されないが、例えば、処理部6は、駆動部5の駆動を停止させて、ステップ3bの走行を停止させてもよく、また、例えば、処理部6は、出力部16に異常である情報を出力(例えば、表示、発音、信号出力等)させてもよい。そして、処理部6は、これらの異常出力の内容のうち、複数の内容を行ってもよい。
【0042】
また、両方変位検出状態が第1設定時間だけ継続した場合に(S6の「Y」)、処理部6が行う異常出力(S11)の内容は、一方変位検出状態が第2設定時間だけ継続した場合に(S9の「Y」)、処理部6が行う異常出力(S11)の内容と、同じでもよく、また、異なっていてもよい。
【0043】
特に限定されないが、例えば、両方変位検出状態が第1設定時間だけ継続した場合に(S6の「Y」)、処理部6は、駆動部5の駆動を停止させ、且つ、異常である情報を出力部16に出力させる一方で、一方変位検出状態が第2設定時間だけ継続した場合に(S9の「Y」)、処理部6は、駆動部5の駆動を停止させずに、異常である情報を出力部16に出力させる、という構成でもよい。
【0044】
[1]
以上より、マンコンベヤ1は、本実施形態のように、乗降部1a,1bの床の端部を構成するコムプレート8と、前記コムプレート8を支持し、前記コムプレート8を変位可能に接続する構造体2と、前記コムプレート8の幅方向D1の第1端部が前記構造体2に対して変位することを検出する第1検出部13と、前記コムプレート8の幅方向D1の第2端部が前記構造体2に対して変位することを検出する第2検出部14と、前記第1検出部13及び前記第2検出部14の両方が前記コムプレート8の変位を検出した場合に、前記コムプレート8が異常であると判定する処理部6と、を備える、という構成が好ましい。
【0045】
斯かる構成によれば、第1検出部13及び第2検出部14の両方が、コムプレート8の変位を検出した場合に、処理部6は、コムプレート8が異常であると判定する。これにより、コムプレート8の異常判定を適切に行うことができる。
【0046】
[2]
また、上記[1]のマンコンベヤ1においては、本実施形態のように、前記処理部6は、前記第1検出部13及び前記第2検出部14の両方が前記コムプレート8の変位を検出した状態が、第1設定時間だけ継続した場合に、前記コムプレート8が異常であると判定する、という構成が好ましい。
【0047】
斯かる構成によれば、第1検出部13及び第2検出部14の両方がコムプレート8の変位を検出した状態が、第1設定時間だけ継続した場合に、処理部6は、コムプレート8が異常であると判定する。これにより、コムプレート8の異常判定をさらに適切に行うことができる。
【0048】
[3]
また、上記[2]のマンコンベヤ1においては、本実施形態のように、前記処理部6は、前記第1検出部13及び前記第2検出部14のうち一方が前記コムプレート8の変位を検出した状態が、前記第1設定時間よりも長い第2設定時間だけ継続した場合にも、前記コムプレート8が異常であると判定する、という構成が好ましい。
【0049】
斯かる構成によれば、第1検出部13及び第2検出部14のうち一方がコムプレート8の変位を検出した状態が、第1設定時間よりも長い第2設定時間だけ継続した場合にも、処理部6は、コムプレート8が異常であると判定する。これにより、コムプレート8の異常判定をさらに適切に行うことができる。
【0050】
[4]
また、上記[1]~[3]の何れか一つのマンコンベヤ1においては、本実施形態のように、前記コムプレート8は、前記構造体2に対して前後方向D2に変位可能となるように、前記構造体2に接続され、前記マンコンベヤ1は、前記コムプレート8に前後方向D2の弾性復元力を加える弾性部9を備え、前記第1検出部13は、前記コムプレート8の幅方向D1の第1端部が前記構造体2に対して前後方向D2に変位することを検出し、前記第2検出部14は、前記コムプレート8の幅方向D1の第2端部が前記構造体2に対して前後方向D2に変位することを検出する、という構成が好ましい。
【0051】
斯かる構成によれば、コムプレート8は、構造体2に対して前後方向D2に変位可能となるように、構造体2に接続されており、弾性部9は、コムプレート8に前後方向D2の弾性復元力を加えている。そして、コムプレート8の幅方向D1の第1端部が構造体2に対して前後方向D2に変位することは、第1検出部13によって検出され、コムプレート8の幅方向D1の第2端部が構造体2に対して前後方向D2に変位することは、第2検出部14によって検出される。
【0052】
なお、マンコンベヤ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0053】
(A)上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第1検出部13及び第2検出部14の両方がコムプレート8の変位を検出した状態が、第1設定時間だけ継続した場合に、処理部6は、コムプレート8が異常であると判定する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第1検出部13及び第2検出部14の両方がコムプレート8の変位を検出した場合に、処理部6は、直ちに、コムプレート8が異常であると判定する、という構成でもよい。
【0054】
(B)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第1検出部13及び第2検出部14のうち一方がコムプレート8の変位を検出した状態が、第2設定時間だけ継続した場合に、処理部6は、コムプレート8が異常であると判定する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第1検出部13及び第2検出部14のうち一方がコムプレート8の変位を検出した状態では、当該状態が継続した場合でも、処理部6は、コムプレート8が異常であると判定しない、という構成でもよい。
【0055】
(C)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、コムプレート8は、構造体2に対して前後方向D2に変位可能となるように、構造体2に接続され、検出部13,14は、コムプレート8の端部が構造体2に対して前後方向D2に変位することを検出する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、コムプレート8は、構造体2に対して幅方向D1を軸にして回転可能となるように、構造体2に接続され、検出部13,14は、コムプレート8の端部が構造体2に対して上下方向D3に変位することを検出する、という構成でもよい。
【0056】
(D)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、一方変位検出状態が第2設定時間だけ継続した場合に(S9の「Y」)、処理部6は、コムプレート8が異常であると判定する(S8)、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、両方変位検出状態及び一方変位検出状態が切り替わり、両方変位検出状態及び一方変位検出状態が連続して第2設定時間だけ継続した場合に、処理部6は、コムプレート8が異常であると判定する、という構成でもよい。
【0057】
なお、本明細書において、「第1検出部及び第2検出部のうち一方がコムプレートの変位を検出した状態が、第2設定時間だけ継続した場合」とは、「第1検出部がコムプレートの変位を検出した状態が、第2設定時間だけ継続した場合」と、「第2検出部がコムプレートの変位を検出した状態が、第2設定時間だけ継続した場合」とを少なくとも含んでいる。
【0058】
(E)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示したシステム、方法、プログラム、及び装置における動作、手順、工程、及び段階等の各処理の実行順序は、前の処理の出力を後の処理で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0059】
1…マンコンベヤ、1a,1b…乗降部、2…構造体、2a,2b…機械室、2c…接続部、2d…第1案内部、2e…第2案内部、2f…第2保持部、2g…係合部、3…搬送部、3a…走行部、3b…ステップ、4…欄干部、4a…手摺ベルト、4b…欄干本体部、4c…カバー部、5…駆動部、5a…回転部、5b…駆動源、5c…伝達部、6…処理部、6a…取得部、6b…記憶部、6c…演算部、6d…制御部、7…床プレート、8…コムプレート、8a…プレート部、8b…コム部、8c…柱体、8d…第1保持部、8e…係合部、9…弾性部、11…第1検出ユニット、12…第2検出ユニット、13…第1検出部、14…第2検出部、15…入力部、16…出力部、D1…幅方向(第1横方向)、D2…前後方向(第2横方向)、D3…上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-10-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗降部の床の端部を構成するコムプレートと、
前記コムプレートを支持し、前記コムプレートを前後方向に変位可能に接続する構造体と、
前記コムプレートの幅方向の第1端部が前記構造体に対して前後方向の一方側に変位することを検出する第1検出部と、
前記コムプレートの幅方向の第2端部が前記構造体に対して前後方向の前記一方側に変位することを検出する第2検出部と、
前記第1検出部及び前記第2検出部の両方が前記コムプレートの変位を検出した場合に、前記コムプレートが異常であると判定する処理部と、を備える、マンコンベヤ。
【請求項2】
前記コムプレートは、
プレート部と、
前記プレート部の前後方向の端部に連結され、ステップの踏面と噛み合うコム部と、を備え、
前記第1検出部は、前記プレート部の幅方向の第1端部が前記構造体に対して前後方向の前記一方側に変位することを検出し、
前記第2検出部は、前記プレート部の幅方向の第2端部が前記構造体に対して前後方向の前記一方側に変位することを検出する、請求項1に記載のマンコンベヤ。
【請求項3】
乗降部の床の端部を構成するコムプレートと、
前記コムプレートを支持し、前記コムプレートを変位可能に接続する構造体と、
前記コムプレートの幅方向の第1端部が前記構造体に対して変位することを検出する第1検出部と、
前記コムプレートの幅方向の第2端部が前記構造体に対して変位することを検出する第2検出部と、
前記第1検出部及び前記第2検出部の両方が前記コムプレートの変位を検出した場合に、前記コムプレートが異常であると判定する処理部と、を備える、マンコンベヤであって、
前記処理部は、前記第1検出部及び前記第2検出部の両方が前記コムプレートの変位を検出した状態が、第1設定時間だけ継続した場合に、前記コムプレートが異常であると判定する、マンコンベア。
【請求項4】
前記処理部は、前記第1検出部及び前記第2検出部のうち一方が前記コムプレートの変位を検出した状態が、前記第1設定時間よりも長い第2設定時間だけ継続した場合にも、前記コムプレートが異常であると判定する、請求項に記載のマンコンベヤ。