(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121416
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置、ナビゲーション装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20240830BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/0969
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028518
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小岩 智太郎
(72)【発明者】
【氏名】唯岡 丈人
(72)【発明者】
【氏名】武田 佑太
(72)【発明者】
【氏名】秋元 ベニヤミン
(72)【発明者】
【氏名】大谷 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】前野 晃輝
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB02
2F129BB22
2F129BB26
2F129CC35
2F129DD53
2F129EE02
2F129EE43
2F129EE52
2F129EE57
2F129EE95
2F129FF02
2F129FF17
2F129FF18
2F129FF20
2F129FF72
2F129HH12
5H181AA05
5H181BB04
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL06
5H181MC04
5H181MC16
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】危険箇所に関する情報を的確に通知することができるナビゲーション装置、ナビゲーション装置の制御方法、及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本開示に係るナビゲーション装置は、各種のセンサが計測した計測値を取得する取得部と、取得部が取得した計測値に基づいて、マイクロモビリティが走行した箇所のうち、危険箇所を判定する判定部と、判定部が危険箇所と判定した場所に関する情報を示す危険箇所情報をサーバ装置に登録させる登録部と、複数のマイクロモビリティからサーバ装置に登録された危険箇所情報をサーバ装置から受信する受信部と、マイクロモビリティと危険箇所が所定の距離の範囲になった場合に、危険箇所情報をマイクロモビリティの運転者に通知する通知部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種のセンサが計測した計測値を取得する取得部と、
前記取得部が取得した計測値に基づいて、マイクロモビリティが走行した箇所のうち、衝撃検知から所定時間内に、ハンドルを握る圧力の変化か運転者の運転姿勢の変化の少なくともどちらかが生じ、一時停止した場所を危険箇所と判定する判定部と、
前記判定部が危険箇所と判定した場所に関する情報を示す危険箇所情報をサーバ装置に登録させる登録部と、
複数のマイクロモビリティからサーバ装置に登録された前記危険箇所情報をサーバ装置から受信する受信部と、
前記マイクロモビリティと前記危険箇所が所定の距離の範囲になった場合に、前記危険箇所情報を前記マイクロモビリティの運転者に通知する通知部と、
を備えるナビゲーション装置。
【請求項2】
前記登録部は、前記危険箇所情報をマイクロモビリティの種別に関する情報を含んだ情報として前記サーバ装置に登録させる、
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記通知部は、前記危険箇所情報の通知の際に、通知対象のマイクロモビリティの種別に基づいて、通知する前記危険箇所情報を選択して、前記マイクロモビリティの運転者に通知する、
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
各種のセンサが計測した計測値を取得するステップと、
取得した計測値に基づいて、マイクロモビリティが走行した場所のうち、衝撃検知から所定時間内に、ハンドルを握る圧力の変化か運転者の運転姿勢の変化の少なくともどちらかが生じ、一時停止した場所を危険箇所と判定するステップと、
危険箇所と判定した場所に関する情報を示す危険箇所情報をサーバ装置に登録させるステップと、
複数のマイクロモビリティからサーバ装置に登録された前記危険箇所情報をサーバ装置から受信するステップと、
前記マイクロモビリティと前記危険箇所が所定の距離の範囲になった場合に、前記危険箇所情報を前記マイクロモビリティの運転者に通知するステップと、
を含む、ナビゲーション装置の制御方法。
【請求項5】
各種のセンサが計測した計測値を取得するステップと、
取得した計測値に基づいて、マイクロモビリティが走行した場所のうち、衝撃検知から所定時間内に、ハンドルを握る圧力の変化か運転者の運転姿勢の変化の少なくともどちらかが生じ、一時停止した場所を危険箇所と判定するステップと、
危険箇所と判定した場所に関する情報を示す危険箇所情報をサーバ装置に登録させるステップと、
複数のマイクロモビリティからサーバ装置に登録された前記危険箇所情報をサーバ装置から受信するステップと、
前記マイクロモビリティと前記危険箇所が所定の距離の範囲になった場合に、前記危険箇所情報を前記マイクロモビリティの運転者に通知するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ナビゲーション装置、ナビゲーション装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電動自転車、電動キックボード等のマイクロモビリティは、モータによる動力、もしくは動力補助によって走行するため、路面状況によっては大きな事故を起こす可能性がある。特に、レンタルによるマイクロモビリティの一時使用は、利用者がマイクロモビリティの特性に十分に慣れないうちに走行するため、事故の確率が高いと考えられる。電動キックボードについては車輪の直径が小さいことなどから、走行中のリスクが比較的に高いと考えられる。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、過去に危険な運転操作を行った箇所を危険箇所として記憶手段に記憶して、目的地までの経路中に危険箇所が存在する場合、所定の処理を行うカーナビゲーションシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1に記載のカーナビゲーションシステムは、マイクロモビリティにとっての危険箇所を記憶するものではなかった。また、運転者の判断に基づいて危険箇所を登録することができず、危険箇所の登録において柔軟性に欠ける点があった。
【0006】
本開示は上記課題を鑑み、危険箇所に関する情報を的確に通知することができるナビゲーション装置、ナビゲーション装置の制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るナビゲーション装置は、各種のセンサが計測した計測値を取得する取得部と、前記取得部が取得した計測値に基づいて、マイクロモビリティが走行した箇所のうち、衝撃検知から所定時間内に、ハンドルを握る圧力の変化か運転者の運転姿勢の変化の少なくともどちらかが生じ、一時停止した場所を危険箇所と判定する判定部と、前記判定部が危険箇所と判定した場所に関する情報を示す危険箇所情報をサーバ装置に登録させる登録部と、複数のマイクロモビリティからサーバ装置に登録された前記危険箇所情報をサーバ装置から受信する受信部と、前記マイクロモビリティと前記危険箇所が所定の距離の範囲になった場合に、前記危険箇所情報を前記マイクロモビリティの運転者に通知する通知部と、を備える。
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るナビゲーション装置の制御方法は、各種のセンサが計測した計測値を取得するステップと、取得した計測値に基づいて、マイクロモビリティが走行した場所のうち、衝撃検知から所定時間内に、ハンドルを握る圧力の変化か運転者の運転姿勢の変化の少なくともどちらかが生じ、一時停止した場所を危険箇所と判定するステップと、危険箇所と判定した場所に関する情報を示す危険箇所情報をサーバ装置に登録させるステップと、複数のマイクロモビリティからサーバ装置に登録された前記危険箇所情報をサーバ装置から受信するステップと、前記マイクロモビリティと前記危険箇所が所定の距離の範囲になった場合に、前記危険箇所情報を前記マイクロモビリティの運転者に通知するステップと、を含む。
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るプログラムは、各種のセンサが計測した計測値を取得するステップと、取得した計測値に基づいて、マイクロモビリティが走行した場所のうち、衝撃検知から所定時間内に、ハンドルを握る圧力の変化か運転者の運転姿勢の変化の少なくともどちらかが生じ、一時停止した場所を危険箇所と判定するステップと、危険箇所と判定した場所に関する情報を示す危険箇所情報をサーバ装置に登録させるステップと、複数のマイクロモビリティからサーバ装置に登録された前記危険箇所情報をサーバ装置から受信するステップと、前記マイクロモビリティと前記危険箇所が所定の距離の範囲になった場合に、前記危険箇所情報を前記マイクロモビリティの運転者に通知するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、危険箇所に関する情報を的確に通知することができるナビゲーション装置、ナビゲーション装置の制御方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示に係るナビゲーション装置の利用場面の一例を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、本開示に係るナビゲーションシステムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示に係るナビゲーション装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示に係るナビゲーション装置の危険箇所情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本開示に係るナビゲーション装置の通知部の危険箇所情報の通知態様の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本開示に係るサーバ装置の構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、本開示に係るナビゲーション装置の制御方法のフローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本開示が限定されるものではない。
【0013】
(ナビゲーション装置の概要)
まず、本開示に係るナビゲーション装置100の概要について、
図1を用いて説明する。
図1は、本開示に係るナビゲーション装置の利用場面の一例を模式的に示す図である。
図1に示すように、本開示に係るナビゲーション装置100は、例えば、マイクロモビリティMに搭載されて、運転者Uの運転を支援する情報処理装置である。
図1に示すように、ナビゲーション装置100は、各種の情報を表示する表示部170を備えて、表示部170に表示された地図上に運転経路を示すことによる経路案内や、渋滞情報などの各種の情報を運転者に対して伝達する。
【0014】
なお、マイクロモビリティMは、例えば、モータにより駆動力を得て走行する小型移動装置である。マイクロモビリティMは、例えば、電動キックボードや、ペダル付き原動機付自転車、シニアカー、セグウェイ(登録商標)、電動アシスト自転車、立ち乗り式電動スクーター、歩行領域電気自動車、電動車椅子などであってよい。また、マイクロモビリティMは、道路交通法に規定される特定原動機付自転車に該当するものであってもよい。
【0015】
(ナビゲーションシステムの構成)
次に、本開示に係るナビゲーションシステム1の構成について、
図2を用いて説明する。
図2は、本開示に係るナビゲーションシステムの構成例を示す図である。
図2に示すように、本開示に係るナビゲーションシステム1は、ナビゲーション装置100(100A,100B,100C)と、サーバ装置200と、ネットワークNを備える。なお、
図2には、ナビゲーションシステム1が、三つのナビゲーション装置100を備える旨が示されているが、ナビゲーションシステム1は、これ以上の数のナビゲーション装置100を備えてもよい。以下、これらの構成について順を追って、簡単に説明する。
【0016】
ナビゲーション装置100は、例えば、マイクロモビリティMに搭載されて、運転者の運転を支援する情報処理装置である。ナビゲーション装置100については、上述して簡単に説明したことから、ここでの説明はこの程度に留め、ナビゲーション装置100の詳細な説明については後述する。
【0017】
サーバ装置200は、各種の情報を提供する情報処理装置である。サーバ装置200は、他の装置からの要求に基づいて、例えば、危険箇所に関する情報などを提供してよい。サーバ装置200は、例えば、PC(Personal Computer)、WS(Work Station)、サーバの機能を備えるコンピュータなどにより実現されてよい。
【0018】
ネットワークNは、ナビゲーション装置100とサーバ装置200を無線により相互に通信可能に接続する。ネットワークNは、IEEE802.11に規定される無線LAN(Local Area Network)や、第4世代移動通信システム(4G)、第5世代移動通信システム(5G)などにより実現されてよい。
【0019】
ナビゲーション装置100と、サーバ装置200と、ネットワークNは、ネットワークNを介して相互に情報のやり取りを行うことにより、一つのシステムとして機能し、上述したようにナビゲーションシステム1を構成する。
【0020】
(ナビゲーション装置の構成)
次に、ナビゲーション装置100の構成について、
図3を用いて説明する。
図3は、本開示に係るナビゲーション装置の構成例を示す図である。
図3に示すように、本開示に係るナビゲーション装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、センサ部140と、GNSS受信部150と、音出力部160と、表示部170を備える。以下、これらの構成について順を追って説明する。
【0021】
通信部110は、ナビゲーション装置100の内部と外部を相互に通信可能に接続し、ナビゲーション装置100の内部と外部との間で相互に情報を送受信する。通信部110は、例えば、無線LAN(Local Area Network)カード、CAN(Controller Area Network)インターフェイスデバイス、Bluetooth(登録商標)モジュール、Wi-Fi(登録商標)モジュール、アンテナ等によって実現されてよい。そして、通信部110は、例えば、ネットワークNと無線で接続され、サーバ装置200との間で相互に情報の送受信を行ってもよい。
【0022】
記憶部120は、各種の情報を記憶する記憶装置である。記憶部120は、主記憶装置と補助記憶装置とを備える。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。また、補助記憶装置は、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)、光ディスク等によって実現されてよい。
【0023】
図3に示すように、記憶部120は、地図情報記憶部121と、危険箇所情報記憶部122を備える。
【0024】
地図情報記憶部121は、例えば経路案内に用いるための各種の地図情報を記憶する。地図情報記憶部121が記憶する地図情報は、緑地や河川、道路の位置、道路の曲率半径、道路の車線数、道路の道幅、鉄道、都道府県等の区画の情報などが含まれ、緯度、及び経度に基づいて、所定のメッシュ状に区切られた情報であってよい。地図情報記憶部121には、緯度、及び経度に基づいて、所定のメッシュ状に区切れていることから、緯度と、経度と、メッシュの寸法を指定することにより、所定の位置の地図情報を読み出すことができる。
【0025】
危険箇所情報記憶部122は、危険箇所に関する情報を記憶する。ここで、
図4を用いて、危険箇所情報記憶部122が記憶する情報の一例を説明する。
図4は、本開示に係るナビゲーション装置の危険箇所情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0026】
図4に示す例において、危険箇所情報記憶部122は、「危険箇所ID」、「マイクロモビリティID」、「マイクロモビリティ種別」、「危険箇所位置情報」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0027】
「危険箇所ID」は、危険箇所を識別する識別子であり、文字列や番号などによって表される。「マイクロモビリティID」は、「危険箇所ID」によって識別される危険箇所の登録を受け付けたマイクロモビリティを識別する識別子であり、文字列や番号などによって表される。「マイクロモビリティ種別」は、「マイクロモビリティID」によって識別されるマイクロモビリティの種別、言い換えるとタイプを示す情報である。「危険箇所位置情報」は、「危険箇所ID」によって識別される危険箇所の位置を示す情報であり、例えば、緯度、及び経度を含む情報である。
【0028】
すなわち、
図4においては、危険箇所ID「DSID#1」により識別される危険箇所を、マイクロモビリティID「MID#1」により識別されるマイクロモビリティ種別「MTYP#1」が示す種別のマイクロモビリティから受け付けて、当該の危険箇所の位置情報が危険箇所位置情報「DSLC#1」として記憶されていることを示している。
【0029】
なお、危険箇所情報記憶部122に記憶される情報は、「危険箇所ID」、「マイクロモビリティID」、「マイクロモビリティ種別」、「危険箇所位置情報」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の危険箇所に関係する情報が記憶されてよい。
【0030】
例えば、マイクロモビリティの走行が予想される車道、および歩道の危険個所をあらかじめ記憶しておいてもよい。具体的には、マンホールや、地下ケーブルアクセスのために道路上に設置された金属製蓋、横断歩道の歩道と車道の境目の段差などを危険箇所として記憶してよい。また、天候によって危険度が上がる危険箇所としては、道路上に砂がたまりやすい箇所や、大雨時の浸水ハザードマップに指定されている箇所などをあらかじめ記憶しておいてよい。また、マイクロモビリティが関係した過去の交通事故発生個所を危険箇所として記憶しておいてよい。さらに、小型原動機付自転車に課せられる交通法規(例えば、右折時は右折レーンを使用しないといけない)が適用される場所を要注意箇所として記憶しておいてもよい。
【0031】
制御部130は、ナビゲーション装置100を司り、制御するコントローラである。制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部120に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0032】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、受付部132と、判定部133と、登録部134と、受信部135と、通知部136と、ルート探索部137を備える。制御部130は、記憶部120からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、これらの機能を実現して、これらの処理を実行する。なお、制御部130は、電子回路によって実現されてもよい。また、制御部130は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、複数のCPUで、これらの処理を並列に実行してもよい。以下、これらの構成について順に説明する。
【0033】
取得部131は、各種のセンサが計測した計測値を取得する。例えば、取得部131は、センサ部140が加速度センサである場合であれば、加速度センサが計測した三軸の加速度を取得する。また、取得部131は、センサ部140がジャイロセンサである場合であれば、ジャイロセンサが計測した三軸の角速度を取得する。また、取得部131は、センサ部140が感圧センサである場合であれば、感圧センサが計測した感圧圧力値を取得する。また、取得部131は、センサ部140が接触センサである場合であれば、接触センサが計測した接触圧力値を取得する。例えばハンドル、着座する座席、立位で運転する際に足を置く部分に感圧センサや接触センサを実装することができる。
【0034】
なお、取得部131は、センサ部140から計測値を取得することに限定されず、例えば、通信部110を介して、アンチロックブレーキシステム(ABS:Anti-lock Braking System)に備えられた加速度センサから加速度の計測値を取得してもよい。また、取得部131は、通信部110を介して、ECU(Electronic Control Unit)からマイクロモビリティの速度計測値や、車輪速度計測値を取得してもよい。
【0035】
受付部132は、運転者から各種の操作を受け付ける。例えば、受付部132は、運転者から目的地の入力を受け付ける。また、受付部132は、運転者から複数提案された走行ルートのうちの運転者が選択する走行ルートの指定を受け付けてもよい。また、受付部132は、運転者から危険箇所に関する情報の入力や、危険箇所の位置の指定を受け付けてもよい。また、受付部132は、運転者から危険箇所情報の受信の要求を受け付けてもよい。また、受付部132は、後述して説明する表示部170に表示されたコンテンツに対する操作を受け付けてもよい。
【0036】
判定部133は、取得部131が取得した計測値に基づいて、マイクロモビリティが走行した箇所のうち、危険箇所を判定する。以下に判定部133の具体的な処理について説明する。
【0037】
例えば、判定部133は、衝撃検知の前にハンドルを握る圧力と、運転者の運転姿勢の変化が生じ、衝撃検知の後に所定時間内に一時停止や、一時停止の後に迂回走行になった場所を危険箇所と判定してよい。この場合、運転者の目視確認により危険箇所の可能性があると判断した場合に、衝撃を受ける前に転倒防止等のために身構える行動が予測されることに基づく。また、所定時間内とは、衝撃検知後の1分以内を想定するが、限定されない。なお、判定部133は、加速度に所定の閾値以上の変化があった場合に、衝撃が検知されたと判定してよい。この場合の、閾値は任意に設定してよく、例えば、50m/s2などの値に設定してよい。また、判定部133は、感圧センサの感圧計測値に基づいてハンドルを握る圧力の変化を検知し、さらに運転者の乗車位置に設けられた感圧センサの感圧計測値に基づいて運転者の姿勢の変化を検知する。そして、判定部133は、衝撃が検知された後に、GNSS受信部150から取得した位置情報を参照して、マイクロモビリティが一時停止、又は一時停止の後に迂回走行になったか否を判定する。そして、判定部133は、マイクロモビリティが一時停止、又は一時停止の後に迂回走行となった箇所を危険箇所として判定する。
【0038】
また、判定部133は、取得部131が取得した加速度センサの計測値に基づいてマイクロモビリティMの急減速や、スリップ、転倒を検出して、これらが検出された位置を危険箇所として判定してよい。例えば、加速度センサの計測値において、所定の閾値(例えば、0.3G(2.9m/s2))以上の減速度が検出された場合に、急減速を検出してよい。また、マイクロモビリティMの車速の計測値と、車輪の速度の差や、ABSの作動情報に基づいて、スリップを検出してよい。また、加速度センサが所定の閾値以上の衝撃があった場合、又はジャイロセンサの角速度の計測値が所定の閾値以上となった場合に、マイクロモビリティMの転倒を検出してよい。判定部133は、急減速や、スリップ、転倒を検出された位置を危険箇所として判定する。なお、判定部133が危険箇所と判定する際、必ずしも衝撃検知の前にハンドルを握る圧力の変化や運転者の姿勢変化が生じていなくとも、取得部131が取得した計測値に基づいて、衝撃検知から所定時間内にハンドルを握る圧力の変化か運転者の運転姿勢の変化の少なくともどちらかが生じ、一時停止か、一時停止の後に迂回走行になった場所を危険箇所と判定してもよい。なお、ハンドルを握る圧力の変化と運転者の運転姿勢の変化の検知は衝撃検知と同じタイミングであってもよい。
【0039】
登録部134は、判定部133が危険箇所と判定した場所に関する情報を示す危険箇所情報をサーバ装置200に登録させる。例えば、登録部134は、危険箇所の位置情報に対して、少なくともマイクロモビリティIDを紐付けて、判定部133が危険箇所と判定した場所に関する情報としてサーバ装置200に送信して、サーバ装置200に危険箇所情報を登録させてよい。すなわち、登録部134は、後述して説明するサーバ装置200の危険箇所情報記憶部221に、危険箇所の位置情報と、マイクロモビリティIDを含む危険箇所情報を記憶させるといえる。
【0040】
登録部134は、危険箇所情報をマイクロモビリティMの種別に関する情報を含んだ情報としてサーバ装置200に登録させてもよい。すなわち、登録部134は、判定部133が危険箇所と判定した場所に関する情報として、危険箇所の位置情報に対して、マイクロモビリティIDに加えて、マイクロモビリティMの種別に関する情報をさらに加えた情報を、サーバ装置200に送信して、サーバ装置200に危険箇所情報として登録させてよい。すなわち、登録部134は、サーバ装置200の危険箇所情報記憶部221に、危険箇所の位置情報と、マイクロモビリティIDと、マイクロモビリティMの種別を含む危険箇所情報を記憶させるといえる。
【0041】
受信部135は、複数のマイクロモビリティMからサーバ装置200に登録された危険箇所情報をサーバ装置200から受信する。例えば、受信部135は、定期的にサーバ装置200に危険箇所情報の受信要求を送信して、受信要求を受け付けたサーバ装置200からネットワークNを介して送信された危険箇所情報を受信してよい。また、受信部135は、受付部132が運転者から危険箇所情報の受信の要求を受け付けた場合に、サーバ装置200に危険箇所情報の受信要求を送信して、受信要求を受け付けたサーバ装置200からネットワークNを介して送信された危険箇所情報を受信してよい。なお、受信部135は、サーバ装置200から危険箇所情報を受信したら、受信した危険箇所情報を危険箇所情報記憶部122に記憶する。すなわち、受信部135は、サーバ装置200から危険箇所情報を受信するたびに、危険箇所情報記憶部122に記憶されている危険箇所情報を更新するといえる。
【0042】
通知部136は、危険箇所がマイクロモビリティMの走行ルート上に位置し、かつ危険箇所から所定の距離の範囲になった場合に、危険箇所情報をマイクロモビリティMの運転者に通知する。例えば、通知部136は、後述して説明するルート探索部137が探索した走行ルートに危険箇所が存在するか否かを、危険箇所情報記憶部122に記憶された危険箇所情報を参照することによって把握する。通知部136は、マイクロモビリティMの走行ルートに危険箇所が存在した場合、マイクロモビリティMの現在の位置情報と、危険箇所の位置情報を照らし合わせて、マイクロモビリティMが危険箇所から所定の距離の範囲(例えば、300m以内)に位置するか否かを判定する。そして、通知部136は、マイクロモビリティMが危険箇所から所定の距離の範囲に位置する場合、運転者に危険箇所情報を通知する。なお、マイクロモビリティMが経路案内によらない走行下で、危険箇所から所定の距離の範囲になった場合に、危険箇所情報を通知してもよい。
【0043】
ここで、通知部136が運転者に危険箇所情報を通知する態様について、
図5を用いて説明する。
図5は、本開示に係るナビゲーション装置の通知部の危険箇所情報の通知態様の一例を示す図である。
図5に示すように、通知部136は、後述して説明する表示部170に「前方に危険箇所が存在します。注意して走行して下さい。」といったメッセージを表示させることによって、運転者に危険箇所情報を通知してよい。また、通知部136は、表示部170に前述したメッセージを表示させることに加えて、後述して説明する音出力部160に表示部170に表示させた前述したメッセージを音声として出力させてよい。
【0044】
また、通知部136は、危険箇所情報の通知の際に、通知対象のマイクロモビリティMの種別に基づいて、通知する危険箇所情報を選択して、マイクロモビリティMの運転者に通知してもよい。例えば、マイクロモビリティMの種別が、電動キックボードである場合であれば、通知部136は、危険箇所情報記憶部122に記憶された危険箇所情報のうち、マイクロモビリティMの種別が電動キックボードに該当する危険箇所情報を通知する危険箇所情報として選択する。そして、通知部136は、電動キックボードであるマイクロモビリティMの運転者に音出力部160や表示部170を用いて危険箇所情報を通知する。
【0045】
また、通知部136は、マイクロモビリティMの走行中に走行車線位置、走行方向、速度を危険箇所情報記憶部122に登録されている要注意箇所と照らし合わせて、適時運転者に通知してもよい。例えば、通知部136は、マイクロモビリティMの位置情報、及び速度と、地図情報記憶部121に記憶された地図情報とを照らし合わせて、走行車線位置、走行方向を把握して、マイクロモビリティMが右折しようとしているか否かを判定して、右折時は右折レーンを使用しないといけない旨を示す要注意箇所に関する情報を、運転者に通知してもよい。
【0046】
ルート探索部137は、目的地までの走行ルートを探索する。例えば、ルート探索部137は、GNSS受信部150が計測した現在のマイクロモビリティMの位置情報と、受付部132が受け付けた目的地の位置情報に基づいて、地図情報記憶部121を参照して、ダイクストラ法などを用いて、現在地から目的地に至るまでの走行ルートを探索して、走行ルートを提案してよい。
【0047】
センサ部140は、各種の計測値を計測するセンサである。センサ部140は、例えば、加速度センサであってよい。加速度センサは、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)により可動電極と固定電極を作り、可動電極が動くことによる静電容量の変化と加速度の関係を用いて加速度を計測する静電容量式の加速度センサであってよい。
【0048】
センサ部140は、ジャイロセンサであってもよい。ジャイロセンサは、可動電極に一方向に振動する一次振動を発生させておき、可動電極に回転が加わると振動方向と90°の方向にコリオリの力が働くことにより二次振動が発生し、静電容量の変化が生じるため、これを検出する静電容量型MEMSジャイロセンサであってよい。なお、静電容量の変化と可動電極の振動位相とにより角速度を求めることができる。なお、上述した加速度センサと、ジャイロセンサは、三軸ジャイロセンサと、三軸加速度センサと、三軸磁気センサを一体の装置として組み合わせた9DoF(Degree of Freedom)の慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)であってもよい。
【0049】
センサ部140は、感圧センサであってもよい。感圧センサは、マイクロモビリティMに加えられた圧力を計測する。感圧センサは、例えば、抵抗膜圧式圧力センサにより実現されてよい。抵抗膜圧式圧力センサは、導電性感圧インク層と下部電極を、それらの間にスペーサーを挟んで対面させた構成の圧力センサであり、導電性感圧インク層が圧力によって押し縮められると、下部電極と導電性感圧インク層の表面の導電粒子との接触面積が大きくなり、抵抗値が変化することから、この抵抗値の変化を検出して圧力を測定する。
【0050】
センサ部140は、接触センサであってもよい。接触センサは、マイクロモビリティMに対する接触を検知する。接触センサは、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O3)などの圧電セラミックス素子に圧力が加わった際の圧電セラミックス素子の静電容量の変化を検出することにより、物体の接触を検知する静電容量検出型の接触センサにより実現されてよい。
【0051】
GNSS受信部150は、ナビゲーション装置100の位置を示す位置情報を計測する。GNSS受信部150は、GNSS受信機を備え、GPS(Global Positioning System)衛星、欧州のGalileo衛星、ロシアのGLONASS(Global Navigation Satellite System)衛星、中国のBeiDou衛星などから送信される電波を受信する。GNSS受信機は、複数のGPS衛星などから送信される電波を受信し、電波を受信した時刻と、GPS衛星などが電波を発信した時刻との差を用いて、GPS衛星などからナビゲーション装置100までの距離を算出することによって、ナビゲーション装置100の現在位置(例えば、緯度、及び経度)を計測する。
【0052】
音出力部160は、制御指令にしたがって音を出力する。音出力部160は、スピーカーであってよく、スピーカーは電気信号をダイヤフラムにより音に変換する。すなわち、スピーカーは、音出力部160から電気信号により与えられる制御指令に基づいて、ダイヤフラムを所定の振幅、振動数によって振動させることにより、ダイヤフラムに接している空気を振動させて音を出力する。音出力部160は、例えば、通知部136の制御にしたがって表示部180に表示されるメッセージを音声として出力してよい。
【0053】
表示部170は、運転者に向けて各種の情報を表示する。表示部170は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等によって実現されてよい。
【0054】
また、表示部170は、運転者に向けて各種の情報を表示すると同時に、タッチパネルによって操作を受け付けてもよい。タッチパネルは、抵抗膜方式や静電容量方式などの様々な方式のものを用いてよい。抵抗膜方式は、抵抗を持つ金属薄膜によって透明電極を構成し、対向する二枚の抵抗膜の内の一枚に対して電圧をかけておき、操作した位置に応じた電圧を検知することで接触位置を検出する方式である。静電容量方式は、指先と導電膜との間での静電容量の変化を捉えて接触位置を検出する方式である。
【0055】
(サーバ装置の構成)
次に、本開示に係るサーバ装置200の構成について、
図6を用いて説明する。
図6は、本開示に係るサーバ装置の構成例を示す図である。
図6に示すように、本開示に係るサーバ装置200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230を備える。以下、これらの構成について順を追って説明する。
【0056】
通信部210は、例えば、NIC、無線LANカード等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、ナビゲーション装置100との間で各種の情報の送受信を行う。
【0057】
記憶部220は、各種の情報を記憶する記憶装置である。記憶部220は、主記憶装置と補助記憶装置とを備える。主記憶装置は、例えばRAM、ROM、フラッシュメモリ等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。また、補助記憶装置は、例えばハードディスクやSSD、光ディスク等によって実現されてよい。
【0058】
図6に示すように、記憶部220は、危険箇所情報記憶部221を備える。危険箇所情報記憶部221に記憶される情報の項目は、ナビゲーション装置100の危険箇所情報記憶部122に記憶される情報の項目と同じであるが、危険箇所情報記憶部221には、複数のナビゲーション装置100から登録された危険箇所情報が集約して記憶されている。危険箇所情報記憶部221に記憶される情報の項目は、ナビゲーション装置100の危険箇所情報記憶部122に記憶される情報の項目と同じであるから説明を省略する。
【0059】
制御部230は、例えば、CPUやMPU等によって、サーバ装置200に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0060】
図6に示すように、制御部230は、受付部231と、通知部232と、を有する。
【0061】
受付部231は、外部の装置から情報の提供に関する要求を受け付ける。例えば、受付部231は、ナビゲーション装置100から、危険箇所情報の提供要求を受け付ける。この場合の提供要求には、ナビゲーション装置100を識別するナビゲーション装置IDや、必要とする危険箇所情報の種類に関する情報などが含まれていてよい。
【0062】
通知部232は、受付部231が受け付けた提供要求に基づいて、ナビゲーション装置100に危険箇所情報を通知する。すなわち、通知部232は、受付部231が受け付けた提供要求に基づいて、提供要求が示す必要な危険箇所情報を、危険箇所情報記憶部221から読み出して、通信部210を介して、読み出した危険箇所情報をナビゲーション装置100に送信することによって通知する。
【0063】
(ナビゲーション装置の制御方法、及びプログラム)
次に、
図7を用いて、本開示に係るナビゲーション装置の制御方法について説明する。
図7は、本開示に係るナビゲーション装置の制御方法のフローを示すフローチャートである。以下に、
図7に示すフローチャートに沿って、本開示に係るナビゲーション装置の制御方法を説明する。
【0064】
まず、ナビゲーション装置100は、各種のセンサが計測した計測値を取得する(ステップS101)。次に、ナビゲーション装置100は、計測値に基づいて、マイクロモビリティMが走行した箇所のうち、危険箇所を判定する(ステップS102)。次に、ナビゲーション装置100は、危険箇所と判定した場所に関する情報を示す危険箇所情報をサーバ装置200に登録させる(ステップS103)。次に、ナビゲーション装置100は、危険箇所情報をサーバ装置200から受信する(ステップS104)。次に、ナビゲーション装置100は、走行ルートに危険箇所があるか否かを判定する(ステップS105)。走行ルートに危険箇所がある場合(ステップS105:Yes)、ナビゲーション装置100は、マイクロモビリティMが危険箇所から所定の距離の範囲に存在するか否かを判定する(ステップS106)。マイクロモビリティMが危険箇所から所定の距離の範囲に存在する場合(ステップS106:Yes)、ナビゲーション装置100は、危険箇所情報をマイクロモビリティMの運転者に通知する(ステップS107)。
【0065】
なお、ステップS105において、走行ルートに危険箇所がない場合(ステップS105:No)、ナビゲーション装置100は、ステップS101に戻って、以降の処理を実行する。また、ステップS106において、マイクロモビリティMが危険箇所から所定の距離の範囲に存在しない場合(ステップS106:No)、ナビゲーション装置100は、ステップS101に戻って、以降の処理を実行する。
【0066】
また、上述したステップS101からS103の危険箇所情報の収集に関する処理と、ステップS104からS107の危険箇所情報の通知に関する処理は、ナビゲーション装置100によって並行して実行されてもよい。すなわち、ナビゲーション装置100は、マイクロモビリティMの走行中に危険箇所情報の収集に伴って、走行ルートに存在する危険箇所から所定の距離に位置すると危険箇所情報を運転者Uに通知する。
【0067】
これによれば、マイクロモビリティMに特有の危険箇所を、複数のマイクロモビリティMから集約して、マイクロモビリティMに特有の危険箇所情報を運転者に通知することができる。したがって、危険箇所に関する情報を的確に通知することができるナビゲーション装置100、ナビゲーション装置の制御方法、及びプログラムを提供することができる。
【0068】
(構成と効果)
本開示に係るナビゲーション装置100は、各種のセンサが計測した計測値を取得する取得部131と、取得部131が取得した計測値に基づいて、マイクロモビリティMが走行した箇所のうち、衝撃検知から所定時間内に、ハンドルを握る圧力の変化か運転者の運転姿勢の変化の少なくともどちらかが生じ、一時停止した場所を危険箇所と判定する判定部133と、判定部133が危険箇所と判定した場所に関する情報を示す危険箇所情報をサーバ装置200に登録させる登録部134と、複数のマイクロモビリティMからサーバ装置200に登録された危険箇所情報をサーバ装置200から受信する受信部135と、マイクロモビリティMと危険箇所が所定の距離の範囲になった場合に、危険箇所情報をマイクロモビリティMの運転者に通知する通知部136と、を備える。
【0069】
この構成によれば、マイクロモビリティMに特有の危険箇所を、複数のマイクロモビリティMから集約して、マイクロモビリティMに特有の危険箇所情報を運転者に通知することができる。したがって、危険箇所に関する情報を的確に通知することができるナビゲーション装置100を提供することができる。
【0070】
本開示に係るナビゲーション装置100の登録部134は、危険箇所情報をマイクロモビリティMの種別に関する情報を含んだ情報としてサーバ装置200に登録させる。
【0071】
この構成によれば、マイクロモビリティMの種別によって、危険度が異なると考えられる危険箇所情報に対して、マイクロモビリティMの種別に関する情報を加えて登録させることができる。そのため、危険箇所に関する情報を的確に通知することができるナビゲーション装置100を提供することができる。
【0072】
本開示に係るナビゲーション装置100の通知部136は、危険箇所情報の通知の際に、通知対象のマイクロモビリティMの種別に基づいて、通知する危険箇所情報を選択して、マイクロモビリティMの運転者に通知する。
【0073】
この構成によれば、マイクロモビリティMの種別に応じて、的確な危険箇所情報を運転者に通知することができる。したがって、危険箇所に関する情報を的確に通知することができるナビゲーション装置100を提供することができる。
【0074】
本開示に係るナビゲーション装置の制御方法は、各種のセンサが計測した計測値を取得するステップと、取得した計測値に基づいて、マイクロモビリティMが走行した場所のうち、衝撃検知から所定時間内に、ハンドルを握る圧力の変化か運転者の運転姿勢の変化の少なくともどちらかが生じ、一時停止した場所を危険箇所と判定するステップと、危険箇所と判定した場所に関する情報を示す危険箇所情報をサーバ装置200に登録させるステップと、複数のマイクロモビリティMからサーバ装置200に登録された危険箇所情報をサーバ装置200から受信するステップと、マイクロモビリティMと危険箇所が所定の距離の範囲になった場合に、危険箇所情報をマイクロモビリティMの運転者に通知するステップと、を含む。
【0075】
この構成によれば、マイクロモビリティMに特有の危険箇所を、複数のマイクロモビリティMから集約して、マイクロモビリティMに特有の危険箇所情報を運転者に通知することができる。したがって、危険箇所に関する情報を的確に通知することができるナビゲーション装置の制御方法を提供することができる。
【0076】
本開示に係るプログラムは、各種のセンサが計測した計測値を取得するステップと、取得した計測値に基づいて、マイクロモビリティMが走行した場所のうち、衝撃検知から所定時間内に、ハンドルを握る圧力の変化か運転者の運転姿勢の変化の少なくともどちらかが生じ、一時停止した場所を危険箇所と判定するステップと、危険箇所と判定した場所に関する情報を示す危険箇所情報をサーバ装置200に登録させるステップと、複数のマイクロモビリティMからサーバ装置200に登録された危険箇所情報をサーバ装置200から受信するステップと、マイクロモビリティMと危険箇所が所定の距離の範囲になった場合に、危険箇所情報をマイクロモビリティMの運転者に通知するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0077】
この構成によれば、マイクロモビリティMに特有の危険箇所を、複数のマイクロモビリティMから集約して、マイクロモビリティMに特有の危険箇所情報を運転者に通知することができる。したがって、危険箇所に関する情報を的確に通知することができるプログラムを提供することができる。
【0078】
以上、本開示の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0079】
1 ナビゲーションシステム
100 ナビゲーション装置
110 通信部
120 記憶部
121 地図情報記憶部
122 危険箇所情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 受付部
133 判定部
134 登録部
135 受信部
136 通知部
137 ルート探索部
140 センサ部
150 GNSS受信部
160 音出力部
170 表示部
200 サーバ装置
210 通信部
220 記憶部
221 危険箇所情報記憶部
230 制御部
231 受付部
232 通知部
M マイクロモビリティ
U 運転者
N ネットワーク