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  • 特開-コネクタ接続構造及びコネクタ 図1
  • 特開-コネクタ接続構造及びコネクタ 図2
  • 特開-コネクタ接続構造及びコネクタ 図3
  • 特開-コネクタ接続構造及びコネクタ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121422
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】コネクタ接続構造及びコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 24/76 20110101AFI20240830BHJP
【FI】
H01R24/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028525
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】阿達 康城
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勝則
(72)【発明者】
【氏名】浜田 良
(72)【発明者】
【氏名】井上 広道
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 賢志
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA21
5E223AB01
5E223AB10
5E223BA01
5E223BA08
5E223BB12
5E223CA21
5E223CC15
5E223CD02
5E223EA03
(57)【要約】
【課題】コネクタが接続されるユニットの搭載性を向上させることのできるコネクタ接続構造を提供すること。
【解決手段】コネクタ1と、当該コネクタ1が接続されるユニットとにより構築されるコネクタ接続構造では、ユニットが、コネクタとの接続面であるコネクタ接続面上に複数のユニット側分割コネクタ部を備えると共に、コネクタ1が、複数のユニット側分割コネクタ部にそれぞれ接続される複数のコネクタ側分割コネクタ部8をコネクタ接続面に対応するユニット接続面7上に備えている。コネクタ1は、ユニット接続面7に隣接して当該ユニット接続面7と平行に形成された配策層空間10を内部に備えると共に、配策層空間10内で配策された複数の配策材11を備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタと、当該コネクタが接続されるユニットとにより構築されるコネクタ接続構造であって、
前記ユニットが、前記コネクタとの接続面であるコネクタ接続面上に複数のユニット側分割コネクタ部を備えており、
前記コネクタが、複数の前記ユニット側分割コネクタ部にそれぞれ接続される複数のコネクタ側分割コネクタ部を、前記コネクタ接続面に対応するユニット接続面上に備えており、
前記コネクタが、前記ユニット接続面に隣接して当該ユニット接続面と平行に形成された配策層空間を内部に備えると共に、前記配策層空間内で配策された複数の配策材を備えている、コネクタ接続構造。
【請求項2】
前記配策材は、その一端が前記コネクタ側分割コネクタ部の端子に接続され、その他端が前記ユニット接続面に対して垂直な前記コネクタの側面から外部に導出されている、請求項1に記載のコネクタ接続構造。
【請求項3】
ユニットに接続されるコネクタであって、
前記ユニットとの接続面であるユニット接続面上に複数のコネクタ側分割コネクタ部を備えており、かつ、
前記ユニット接続面に隣接して当該ユニット接続面と平行に形成された配策層空間を内部に備えると共に、前記配策層空間内で配策された複数の配策材を備えている、コネクタ。
【請求項4】
前記配策材は、その一端が前記コネクタ側分割コネクタ部の端子に接続され、その他端が前記ユニット接続面に対して垂直な前記コネクタの側面から外部に導出されている、請求項3に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ構造及びコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス機器の進化に伴い、当該機器のECU等の電子機器ユニットに接続される配線の数は増加傾向にある。従って、電子機器ユニットに設けられるコネクタ及びこのコネクタに接続される外部コネクタも大型化する傾向にある。コネクタの大型化によりユニットの側面への外部コネクタの接続が困難になる場合が多い。大型化された外部コネクタから導出されるハーネスも太くなるので取り回しが難しいということもその要因である。そこで、外部コネクタをユニットに対して側方から、即ち水平に接続するのではなく、垂直に接続することが検討される。下記特許文献1は、製品ではなく試験時に用いるものではあるが、複数のコネクタを垂直に一括接続することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-100635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ユニットに対して太いハーネスを有する外部コネクタを垂直に接続すると、ユニットの搭載に際してユニットに対して垂直方向のスペースが必要になり、ユニットの搭載がよくない。
【0005】
本発明の目的は、コネクタが接続されるユニットの搭載性を向上させることのできるコネクタ接続構造と、このコネクタ接続構造に適したコネクタとを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の態様に係るコネクタ接続構造は、コネクタと、当該コネクタが接続されるユニットとにより構築されており、前記ユニットが、前記コネクタとの接続面であるコネクタ接続面上に複数のユニット側分割コネクタ部を備えており、前記コネクタが、複数の前記ユニット側分割コネクタ部にそれぞれ接続される複数のコネクタ側分割コネクタ部を、前記コネクタ接続面に対応するユニット接続面上に備えており、前記コネクタが、前記ユニット接続面に隣接して当該ユニット接続面と平行に形成された配策層空間を内部に備えると共に、前記配策層空間内で配策された複数の配策材を備えている。
【0007】
発明の態様に係るコネクタは、ユニットに接続されるコネクタであり、前記ユニットとの接続面であるユニット接続面上に複数のコネクタ側分割コネクタ部を備えており、かつ、前記ユニット接続面に隣接して当該ユニット接続面と平行に形成された配策層空間を内部に備えると共に、前記配策層空間内で配策された複数の配策材を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コネクタが接続されるユニットの搭載性を向上させることのできるコネクタ接続構造及びコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るコネクタ接続構造を示す分解斜視図である。
図2】上記コネクタ接続構造におけるコネクタと当該コネクタが接続される機器とを示す斜視図である。
図3】上記コネクタの接続面を示す斜視図である。
図4】上記コネクタと上記機器とが接続された状態の上記コネクタ接続構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて実施形態に係るコネクタ接続構造について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は実際の比率と異なる場合がある。また、下記の説明における「上下左右」については説明のための図中の上下左右であり、コネクタ接続構造やそれを構成するコネクタ及びユニットを設置する向きを限定するものではない。
【0011】
図1図4に示されるように、本実施形態のコネクタ接続構造は、コネクタ1と、当該コネクタ1が接続されるユニット2とにより構築されている。本実施形態のユニット2は、車両に搭載される電子機器ユニット、より具体的にはエンジンECU(Electronic Control Unit)であり、車両に搭載された内燃機関を制御する。ユニット2は、そのケースの内部にプリント基板(PCB:Printed Circuit Board)を備えており、基板上には半導体チップ、抵抗、コンデンサ等の複数の部品が実装されている。
【0012】
ユニット2は、平たいケースを有しており、そのケースのコネクタ1との接続面であるコネクタ接続面3上に複数のユニット側分割コネクタ部4を備えている。コネクタ接続面3は、ケースの表面のうち面積の広い面であり、複数のユニット側分割コネクタ部4を設けやすい。また、このようにコネクタ接続面3上に複数のユニット側分割コネクタ部4を設けることで、ユニット2の高さを抑えることもできる。本実施形態の場合、三つのユニット側分割コネクタ部4がコネクタ接続面3上に形成されている。
【0013】
コネクタ接続面3に対して垂直な方向がコネクタ1との接続方向である。各ユニット側分割コネクタ部4には、複数のオス型端子5が立設されている。オス型端子5は、内部の基板上の部品と電気的に接続されている。コネクタ接続面3上でのユニット側分割コネクタ部4の配置自由度が高いので、ユニット2内部での部品とオス型端子5との間の配線距離を短くできる。
【0014】
一方、コネクタ1は、樹脂製のハウジング6を有しており、図示されていないが、本実施形態ではハウジング6の上面パネルは取り外しが可能である。ユニット2の上述したコネクタ接続面3と対向するハウジング6のユニット接続面7上には、ユニット側分割コネクタ部4と対応する複数のコネクタ側分割コネクタ部8が形成されている。本実施形態では、コネクタ1の外形とユニット2の外形とは同じにされており、両者の外形を合わせることで、複数組のユニット側分割コネクタ部4及びコネクタ側分割コネクタ部8の位置合わせ、即ち、両者の接続を容易に行える。
【0015】
ユニット2と同様に、コネクタ1も平たいハウジング6を有しており、その面積の広いユニット接続面7上への複数のユニット側分割コネクタ部4の配置自由度は高く、かつ、コネクタ1の高さを抑えることができる。各コネクタ側分割コネクタ部8には、複数のメス型端子9が設けられており、メス型端子9のハウジング6の内部に突出されている。コネクタ1がユニット2に接続されると、メス型端子9はユニット2のオス型端子5と電気的に接続される。なお、本実施形態では、コネクタ1側がメス型端子9でユニット2側がオス型端子5であったが、コネクタ1側がオス型端子でユニット2側がメス型端子でももちろんよい。また、オス型端子とメス型端子との対となっていれば、ユニット側分割コネクタ部4及びコネクタ側分割コネクタ部8の全ての組で同じ構成でなくてもよい。
【0016】
ハウジングの内部には、ユニット接続面7に隣接して当該ユニット接続面7と平行に配策層空間10が形成されている。メス型端子9は、配策層空間10内に突出されており、本実施形態では、その端部は圧接端子として形成されている。圧接端子にはその先端縁で開放されたスリットが形成されており、被覆電線をスリットに圧入すると、被覆のみが切られて内部の導電線がスリットの内部に圧入されて圧接端子と電気的に接続される。
【0017】
メス型端子9の配策層空間10内の端部は、配策材11に電気的に接続される。複数の配策材11のそれぞれは、配策層空間10内において、配策層空間内で独立して配策されている。配策材11は、単芯線、撚り線、角線など導通が取れるものであれば何でもよく、FPC(Flexible Printed Circuits)を配策材11として利用してもよい。ただし、配策材11同士は配策層空間10内で交差するので、被覆線であることが好ましい。いくつかの配策材11の他端は、ハウジング6の側面から導出されており、外部接続先との接続用の外部コネクタ12内の接続端子に接続されている。
【0018】
残りの配策材11の他端は、配策層空間10内で他のメス型端子9に接続されている。他のメス型端子9は、同一のコネクタ側分割コネクタ部8のメス型端子9でもよいし、他のコネクタ側分割コネクタ部8のメス型端子9でもよい。このような接続とすると、コネクタ1をユニット2に接続すると、ユニット2内の部品同士を接続することができる。この接続は、コネクタ1をユニット2から外すと切断状態となる。また、配策材11の一端と他端との間でさらに他のメス型端子9の圧接端子に接続されてもよい。
【0019】
上述したように、配策材11は、それぞれ配策層空間10内で独立して自由に配策され得る。配策材11は交差させることも可能であるため、それらの配策自由度は高い。本実施形態のようにメス型端子9の端部を圧接端子としている場合は、配策材11を接続し直し易いので配策経路の変更も容易に行うことができる。なお、配策された配策材11は、ホットボンドや結束バンドなどでハウジング6の内面に固定されてもよい。
【0020】
本実施形態のコネクタ1のハウジング6は高さの低い平たい箱形状を有しており、ハウジング6から導出された配策材11は外部接続先ごとにピッグテール状に設けられた外部コネクタ12にまとめられている。このとき、配策材11はユニット接続面7に対して垂直な側面から導出されている。本実施形態のようにユニット2が車載されるエンジンECUであると外部接続先が複数であることが多いが、配策材11の配策自由度が高いので外部接続先の位置に応じて複数の外部コネクタ12の位置を複数にしてかつ最適化することも容易である。
【0021】
また、配策材11を上述した側面から導出することで、コネクタ1の高さを抑えることができる。さらに、配策層空間10内での配策材11の配策自由度が高いので、ユニット2の内部での配線経路は簡素化することができる。即ち、ユニット2内では、できるだけ最短距離でユニット側分割コネクタ部4のオス型端子5に接続すればよく、ユニット2内の配線経路を簡素化できる。このため、コネクタ1の上述した構造は、ユニット2の小型化にも寄与する。従って、コネクタ1が接続されたユニット2全体の高さも抑えることができる。ユニット2が車室内空間に搭載されるような場合は、車室内空間の拡大にも寄与できる。
【0022】
なお、本実施形態のメス型端子9の一端は圧接端子とされたが、これに限定されない。コネクタ側分割コネクタ部8の(メス型)端子9が導電性材により形成されていれば、その配策層空間10内の端部は、単純な棒状やタブ状の形状でもよく、その際の配策材11の電気的接続も圧接ではなくはんだ付けなどでもよい。配策材11としてFPCを用いる場合なども、配策材11としてのFPCと(メス型)端子9との接続ははんだ付けで行い得る。
【0023】
また、配策層空間10に配策された配策材11は、外部接続先に接続されたワイヤハーネスから外部コネクタ12を介してユニット2に入力される振動を吸収する。このため、ワイヤハーネスからの振動がユニット2に入力されにくくなり、ユニット2の耐久性及び接続信頼性が向上する。
【0024】
なお、本実施形態では、複数組のユニット側分割コネクタ部4及びコネクタ側分割コネクタ部8がそれぞれ独立したコネクタとして形成されるのではなく、統合された一つのコネクタ1としてまとめられている。このため、コネクタ1をユニット2に接続するだけで、多数の配線を一括して接続することができる。このとき、複数組のユニット側分割コネクタ部4及びコネクタ側分割コネクタ部8があるためコネクタ1のユニット2への接続力が大きくなるが、コネクタ1をユニット2にボルト締結する構造とすれば、ボルトを締結することで両者を確実に接続することができる。両者の外形を合わせることで複数組のユニット側分割コネクタ部4及びコネクタ側分割コネクタ部8の位置合わせが可能であることを既に説明した。しかし、この構造であれば、両者の外形が異なっていても両者のボルト孔の位置を合わせることで複数組のユニット側分割コネクタ部4及びコネクタ側分割コネクタ部8の位置合わせを容易に行うことができる。
【0025】
このように、上記実施形態によれば、コネクタ1とユニット2とにより構築されるコネクタ接続構造において、コネクタ1がそのユニット接続面7上に複数のコネクタ側分割コネクタ部8を備えている。加えて、ユニット2がそのコネクタ接続面3上に複数のユニット側分割コネクタ部4を備えている。電気的接続部を一つにまとめずに、複数組のコネクタ側分割コネクタ部8及びユニット側分割コネクタ部4に分割したので、ユニット2の内部での配線経路を簡素化でき(基板上の配線パターンの削減等)、ユニット2の小型化を実現できる。
【0026】
また、このユニット2の内部で配線経路を簡素化しても、コネクタ1側で配策層空間10内部での配策材11の配策自由度の向上により対処されるため問題とならない。そして、配策層空間10内部での配策材11の配策自由度の向上によって、コネクタ1も小型化できる。さらに、配策材11は、配策層空間10内で交差させるなどして独立して自由に配策することができるので、配策経路長も短くでき、この点からも、コネクタ1を小型化できる。
【0027】
これらのコネクタ1及びユニット2の小型化に加えて、コネクタ1からの配策材11の導出方向をコネクタ1及びユニット2の接続方向に対して直角な方向にできるため、コネクタ1及びユニット2の接続方向の高さを抑えることができる。この結果、コネクタ1及びユニット2、即ち、コネクタ接続構造の搭載性が向上する。
【0028】
また、上記実施形態によれば、複数組のユニット側分割コネクタ部4及びコネクタ側分割コネクタ部8の多数の配線を一括して接続することができる。さらに、配策層空間10に配策された配策材11が外部から入力される振動を吸収するので、ユニット2の耐久性及び接続信頼性が向上する。
【0029】
また、上記実施形態によれば、コネクタ接続構造(コネクタ1)では、配策材11の一端がコネクタ側分割コネクタ部8の(メス型)端子9に接続され、他端がユニット接続面7に対して垂直な側面から外部に導出されている。これにより、コネクタ1の高さを抑えてコネクタ1及びユニット2の設置自由度を向上できる。また、コネクタ1及びユニット2が車室内に搭載されるような場合は、車室内空間の拡大にも寄与できる。
【0030】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、メス型端子9と配策材11との電気接続として圧接端子やはんだ付けを説明したが、これらの接続は溶接(例えばレーザ溶接)で行うことも可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 コネクタ
2 ユニット
3 コネクタ接続面
4 ユニット側分割コネクタ部
7 ユニット接続面
8 コネクタ側分割コネクタ部
9 (コネクタ側分割コネクタ部のメス型)端子
10 配策層空間
11 配策材
図1
図2
図3
図4