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特開2024-121449状態監視装置、状態監視システム、状態監視方法および状態監視方法のプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121449
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】状態監視装置、状態監視システム、状態監視方法および状態監視方法のプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028568
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 廉
【テーマコード(参考)】
5G064
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AC08
5G064AC10
5G064CA12
5G064CB06
5G064CB16
(57)【要約】
【課題】正確な状態に関するデータを得て機器などの監視を行うことができる状態監視装置などを得る。
【解決手段】通信線600で接続された複数のモジュール300における状態を監視する状態監視装置であって、それぞれのモジュール300に対する電力の供給状態を示す供給状態データを生成する電力供給制御部200と、それぞれのモジュール300における障害の有無を示す障害データおよび電力供給制御部200による供給状態データに基づいて、モジュール300の状態を判定する状態判定部110を有する状態監視部100とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信線で接続された複数の機器における状態を監視する状態監視装置であって、
それぞれの前記機器に対する電力の供給状態を示す供給状態データを生成する電力供給制御部と、
それぞれの前記機器における障害の有無を示す障害データおよび前記電力供給制御部による前記供給状態データに基づいて、前記機器の状態を判定する状態判定部を有する状態監視部と
を備える状態監視装置。
【請求項2】
前記状態監視部は、
前記障害データおよび前記供給状態データの組み合わせパターンと前記機器の状態を示す状態データとを関連付けた判定パターンデータを記録する判定パターン記録部を有し、
前記状態判定部は、前記判定パターンデータに基づいて、前記機器の状態を判定する請求項1に記載の状態監視装置。
【請求項3】
前記状態監視部は、前記状態判定部が判定した複数の状態データを集約する集約部と、
前記集約部が集約した状態データを含む信号を送信する通信部とを有する請求項1または請求項2に記載の状態監視装置。
【請求項4】
前記機器を監視する監視項目が複数設定され、
それぞれの前記監視項目における障害の有無が前記障害データとなる請求項1または請求項2に記載の状態監視装置。
【請求項5】
前記通信線により接続された前記機器間の、それぞれの前記機器における前記障害データおよび前記供給状態データを組み合わせた前記組み合わせパターンによる前記判定パターンデータが生成される請求項2に記載の状態監視装置。
【請求項6】
通信線で接続された複数の機器と、
請求項1または請求項2に記載の状態監視装置と
を備える状態監視システム。
【請求項7】
複数の機器における状態を監視する状態監視方法であって、
それぞれの前記機器に対する電力の供給状態を示す供給状態データを生成して電力信号を送る生成工程と、
それぞれの前記機器における障害の有無を示す障害データおよび前記電力信号における前記供給状態データに基づいて、前記機器の状態を判定する状態判定工程と
を有する状態監視方法。
【請求項8】
複数の機器における状態を監視する状態監視方法のプログラムであって、
それぞれの前記機器に対する電力の供給状態を示す供給状態データを生成する生成工程と、
それぞれの前記機器が示す障害の有無を示す障害データおよび前記供給状態データに基づいて、前記機器の状態を判定する状態判定工程と
をコンピュータに実行させる状態監視方法のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、状態監視装置、状態監視システム、状態監視方法および状態監視方法のプログラムに関するものである。特に、電源線および信号線で接続された機器などにおいて、障害などの状態を監視するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば、機器、装置、部品または素子などのモジュールと障害監視装置とが信号線で接続され、モジュールに発生する障害による異常を監視する障害監視装置がある(たとえば、特許文献1参照)。障害監視装置は、監視用の信号線における信号の電圧などの状態から、モジュールにおける障害の有無に関する障害情報のデータを得る。そして、障害監視装置は、モジュールから得た障害情報のデータを集約し、障害データを含む信号を上位機器に送る。特許文献1において、モジュールに障害が発生したことを示す障害情報は、モジュールの位置に関するデータである。したがって、ある位置に配置されたモジュールからの障害情報により得られるデータは、「障害なし」または位置に関する情報を含む「障害あり」の2状態のいずれかで表されるデータとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-070210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特に、電力供給により動作する機器などをモジュールとして監視する装置について考える。このとき、たとえば、モジュールに電力が供給されず、非動作状態のときに、信号線が「障害なし」のデータを含む信号状態と同じ状態になるものとする。モジュールが非動作状態のときには、障害の有無が不明であるのに、装置は、障害が発生していないものとして「障害なし」と判定することになる。
【0005】
特許文献1の装置は、各モジュールの動作状態または非動作状態を監視するものではない。したがって、特許文献1の装置は、モジュールにおける動作状態または非動作状態を考慮せずに、各モジュールにおける障害の有無について判定することになる。
【0006】
たとえば、複数のモジュールが通信線で接続され、通信を行う構成の機器群を監視対象とする場合、非動作状態のモジュールAは、「障害なし」と判定されることになる。一方、モジュールAと通信線で接続された動作状態にある他のモジュールは、非動作状態のモジュールAと通信を行うことができない。このため、他のモジュールは、正常に動作していても、「障害あり」のデータを含む信号を送ることになる。このように、障害監視装置が得るモジュールの障害に係るデータが、モジュールの状態とは異なる可能性があった。
【0007】
そこで、正確な状態に関するデータを得て機器などの監視を行うことができる状態監視装置などの実現が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る状態監視装置は、通信線で接続された複数の機器における状態を監視する状態監視装置であって、それぞれの機器に対する電力の供給状態を示す供給状態データを生成する電力供給制御部と、それぞれの機器における障害の有無を示す障害データおよび電力供給制御部による供給状態データに基づいて、機器の状態を判定する状態判定部を有する状態監視部とを備えるものである。
【0009】
また、本開示に係る状態監視システムは、通信線で接続された複数の機器と、上記の状態監視装置とを備えるものである。
【0010】
また、本開示に係る状態監視方法は、複数の機器における状態を監視する状態監視方法であって、それぞれの機器に対する電力の供給状態を示す供給状態データを生成して電力信号を送る生成工程と、それぞれの機器における障害の有無を示す障害データおよび電力信号における供給状態データに基づいて、機器の状態を判定する状態判定工程とを有するものである。
【0011】
また、本開示に係る状態監視方法のプログラムは、複数の機器における状態を監視する状態監視方法のプログラムであって、それぞれの機器に対する電力の供給状態を示す供給状態データを生成する生成工程と、それぞれの機器が示す障害の有無を示す障害データおよび供給状態データに基づいて、機器の状態を判定する状態判定工程とをコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0012】
本開示の状態監視装置などによれば、各機器における障害データおよび電力供給制御装置からの供給状態データに基づいて、各機器の障害について起こり得る組み合わせパターンにおいて、機器の状態を判定することができる。このため、機器の動作または非動作を含めた機器の正確な状態を把握し、監視を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係る状態監視装置を中心とする状態監視システムの構成を示す図である。
図2】実施の形態1に係る状態監視システムの状態監視装置における障害判定に係る処理の一例を説明する図である。
図3】実施の形態1に係る判定パターン記録部120に記録されたモジュール300Aに係る判定パターンデータの一例を示す図である。
図4】実施の形態1に係る判定パターン記録部120に記録されたモジュール300Bおよびモジュール300Cに係る判定パターンデータの一例を示す図(その1)である。
図5】実施の形態1に係る判定パターン記録部120に記録されたモジュール300Bおよびモジュール300Cに係る判定パターンデータの一例を示す図(その2)である。
図6】実施の形態1に係る判定パターン記録部120に記録されたモジュール300Bおよびモジュール300Cに係る判定パターンデータの一例を示す図(その3)である。
図7】実施の形態1に係る判定パターン記録部120に記録されたモジュール300Bおよびモジュール300Cに係る判定パターンデータの一例を示す図(その4)である。
図8】実施の形態1に係る状態監視システムと従来のシステムとにおける判定の違いについて説明する図(その1)である。
図9】実施の形態1に係る状態監視システムと従来のシステムとにおける判定の違いについて説明する図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態に係る状態監視装置などについて、図面などを参照しながら説明する。各図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。また、図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。そして、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。特に構成要素の組み合わせは、各実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、他の実施の形態に記載した構成要素を別の実施の形態に適用することができる。また、添字で区別などしている複数の同種の機器などについて、特に区別したり、特定したりする必要がない場合には、添字などを省略して記載する場合がある。
【0015】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る状態監視装置を中心とする状態監視システムの構成を示す図である。実施の形態1における状態監視システムは、状態監視部100、電力供給制御部200およびモジュール300(モジュール300A~モジュール300C)を備える。実施の形態1におけるシステムでは、状態監視部100および電力供給制御部200が状態監視装置となる。そして、モジュール300は、実施の形態1における状態監視装置の監視対象となる。
【0016】
モジュール300は、たとえば、電力の供給を受けて、センシング、信号またはデータの処理などを行う機器などである。モジュール300は、物理的に独立している機器または装置などである。たとえば、通信線または信号線などで接続されるコンピュータ、ソナーにおいて音波などを受波する受波器アレイまたは受光素子、またそれらの信号を受信し、処理する機器などがモジュール300となる。
【0017】
モジュール300は、電源線400(電源線400A~電源線400C)を介して、後述する電力供給制御部200からの電力供給を受けて動作する。ここで、モジュール300は、電力が供給されると動作状態となり、電力が供給されないと非動作状態となるものとする。モジュール300Bとモジュール300Cとは、通信線600で接続されており、各種信号の送受信(通信)を行うことができる。ここでは、モジュール300Bがモジュール300Cに対して信号を送るものとして説明する。
【0018】
また、モジュール300は、監視用信号線500(監視用信号線500A~監視用信号線500C)を介して、状態監視部100と接続される。モジュール300は、内部において監視を行う項目となる複数の監視項目における障害の有無を示す障害データを含む障害信号を送る。ここで、障害データは、それぞれの監視項目について、「障害あり」または「障害なし」で表されるデータとなる。
【0019】
状態監視装置を構成する電力供給制御部200は、各モジュール300に対する電源(図示せず)からの電力供給を制御する装置である。電力供給制御部200は、各モジュール300に対応するスイッチ210(スイッチ210A~スイッチ210C)を有し、スイッチ210を切り換えて、モジュール300への電力供給を制御する。また、電力供給制御部200は、各モジュール300への電力供給状態を示す供給状態データを生成し、電力信号線700を介して、供給状態データを含む電力信号を状態監視部100に送る生成工程を行う。ここで、電力供給制御部200は、各スイッチ210におけるON(入)またはOFF(切)の状態を供給状態データとする。ここで、実施の形態1における電力供給制御部200は、スイッチ210を有するものとして説明するが、たとえば、ONからOFFに移行してモジュール300への電力を遮断するブレーカーを有する構成としてもよい。
【0020】
状態監視装置を構成する状態監視部100は、各モジュール300からの障害データおよび電力供給制御部200からの供給状態データに基づいて、各モジュール300における正常などの状態を判定し、状態データを生成する。ここでは、モジュール300の状態を示す状態データとして、「正常動作中」、「異常発生」および「電源オフ」があるものとする。また、状態監視部100は、生成した状態データを集約し、集約した状態データを含む集約信号を、上位機器800に送る。状態監視部100は、さらに、状態判定部110、判定パターン記録部120、集約部130および通信部140を有する。
【0021】
判定パターン記録部120は、各モジュール300に関する障害データと供給状態データとの組み合わせ毎に、モジュール300における状態を規定した判定パターンを示す判定パターンデータを記録する。
【0022】
また、実施の形態1における状態判定部110は、各モジュール300からの障害データおよび電力供給制御部200からの供給状態データに基づき、各モジュール300における状態を判定する状態判定工程を行い、状態データを生成する。このとき、状態判定部110は、判定パターン記録部120に記録された判定パターンデータを用いて、判定を行う。ここで、図1などでは示していないが、状態監視部100は、電力供給制御部200を介して電力が供給されて、動作を行う。
【0023】
ここで、状態判定部110は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などの制御演算処理装置を有するマイクロコンピュータなどで構成されているものとする。そして、状態判定部110が、プログラムに基づいて処理を実行し、処理を実現する。また、判定パターン記録部120は、データを一時的に記憶できるランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性記憶装置(図示せず)およびデータを長期的に記憶できるフラッシュメモリなどの不揮発性の補助記憶装置(図示せず)を有する。
【0024】
集約部130は、状態判定部110が生成した各モジュール300の状態データを集約する処理を行う。通信部140は、集約した状態データを含む集約信号を上位機器800に送る。実施の形態1では、上位機器800は、システム外部の機器であるものとする。
【0025】
図2は、実施の形態1に係る状態監視システムの状態監視部100における障害判定に係る処理の一例を説明する図である。まず、モジュール300Aに係る状態判定について説明する。図2に示すように、モジュール300Aは、電力供給制御部200からの電力供給を受け、正常な状態で動作を行っているものとする。このとき、モジュール300Aは、「障害なし」の障害データを含む障害信号を、監視用信号線500Aを介して、状態監視部100に送る。また、電力供給制御部200は、スイッチ210AがON状態であることを示す供給状態データを含む電力信号を、電力信号線700を介して、状態監視部100に送る。
【0026】
図3は、実施の形態1に係る判定パターン記録部120に記録されたモジュール300Aに係る判定パターンデータの一例を示す図である。モジュール300Aに関しては、障害データが2パターン(「障害あり」または「障害なし」)および供給状態データが2パターン(「ON状態」または「OFF状態」)ある。このため、判定パターンの組み合わせは、2×2=4パターンある。
【0027】
「障害なし」および「ON状態」のパターン[1]の場合は、状態判定部110は、「正常動作中」の判定を行い、判定データを生成する。また、「障害なし」および「OFF状態」のパターン[2]の場合は、状態判定部110は、「電源OFF」の判定を行い、判定データを生成する。一方、「障害あり」および「ON状態」のパターン[3]の場合は、状態判定部110は、「異常発生」の判定を行い、判定データを生成する。そして、「障害あり」および「OFF状態」のパターン[4]の場合は、状態判定部110は、「信号異常」の判定を行い、判定データを生成する。「信号異常」とは、モジュール300Aの状態として、本来起こりえない状態であり、たとえば、監視用信号線500などの障害信号において、信号異常などが発生している可能性がある状態である。
【0028】
図2に示す例の場合、モジュール300Aは、障害データが「障害なし」および供給状態データが「ON状態」の組み合わせである。対応する判定パターンは、「正常動作中」となる。したがって、状態判定部110は、モジュール300Aが「正常動作中」である旨の判定データを生成する処理を行う。
【0029】
次に、モジュール300Bおよびモジュール300Cに係る状態判定について説明する。図2に示すように、モジュール300Bおよびモジュール300Cは、電力供給制御部200からの電力供給を受けている。ここで、モジュール300Cは、正常に処理動作を行っているが、モジュール300Bは、障害が発生しているものとする。
【0030】
このとき、モジュール300Bは、「障害なし」の障害データを含む障害信号を、監視用信号線500Bを介して、状態監視部100に送る。また、モジュール300Cは、「障害あり」の障害データを含む障害信号を、監視用信号線500Cを介して、状態監視部100に送る。そして、電力供給制御部200は、スイッチ210Bおよびスイッチ210CがON状態であることを示す供給状態データを含む電力信号を、電力信号線700を介して、状態監視部100に送る。
【0031】
図4は、実施の形態1に係る判定パターン記録部120に記録されたモジュール300Bおよびモジュール300Cに係る判定パターンデータの一例を示す図(その1)である。モジュール300Bおよびモジュール300Cに関して、障害データがそれぞれ2パターン(「障害あり」または「障害なし」)および供給状態データがそれぞれ2パターン(「ON状態」または「OFF状態」)ある。このため、判定パターンの組み合わせは、2×2×2×2=16パターンある。モジュール300の数および通信線600の接続関係が複雑化するほど、組み合わせパターンが増え、判定パターンが増加する。
【0032】
図4は、モジュール300Bおよびモジュール300Cがともに「障害なし」の場合について示している。モジュール300Bおよびモジュール300Cが、ともに「ON状態」のパターン[1]の場合は、状態判定部110は、モジュール300Bおよびモジュール300Cが「正常動作中」の判定を行い、判定データを生成する。また、モジュール300Bが「ON状態」およびモジュール300Cが「OFF状態」のパターン[2]の場合は、状態判定部110は、モジュール300Bが「正常動作中」およびモジュール300Cが「電源OFF」の判定を行い、判定データを生成する。さらに、モジュール300Bが「OFF状態」およびモジュール300Cが「ON状態」のパターン[3]の場合は、状態判定部110は、「信号異常」の判定を行い、判定データを生成する。そして、モジュール300Bおよびモジュール300Cが、ともに「OFF状態」のパターン[4]の場合は、状態判定部110は、「信号異常」の判定を行い、判定データを生成する。そして、モジュール300Bおよびモジュール300Cが、ともに「OFF状態」のパターン[4]の場合は、状態判定部110は、モジュール300Bおよびモジュール300Cが「電源OFF」の判定を行い、判定データを生成する。
【0033】
図5は、実施の形態1に係る判定パターン記録部120に記録されたモジュール300Bおよびモジュール300Cに係る判定パターンデータの一例を示す図(その2)である。図5は、モジュール300Bが「障害なし」およびモジュール300Cが「障害あり」の場合について示している。
【0034】
図2における例は、判定パターンのうち、パターン[5]に該当する。モジュール300Bおよびモジュール300Cが、ともに「ON状態」のパターン[5]の場合は、「障害あり」とされた監視項目によって、モジュール300Bおよびモジュール300Cの状態は、実際にはさらに3つの場合に分けることができる。状態判定部110は、モジュール300Cからの障害データに基づき、(1)~(3)から該当するモジュール300Bおよびモジュール300Cに関する状態データを生成する処理を行う。
【0035】
モジュール300Cについて、
(1)モジュール300Bとの通信に関わる監視項目だけが「障害あり」の場合
モジュール300B:異常発生
モジュール300C:正常動作中
(2)モジュール300Bとの通信に関わる監視項目以外にも「障害あり」の場合
モジュール300B:異常発生
モジュール300C:異常発生
(3)モジュール300Bとの通信に関わる監視項目に「障害あり」がない場合
モジュール300B:正常動作中
モジュール300C:異常発生
【0036】
また、モジュール300Bが「ON状態」およびモジュール300Cが「OFF状態」のパターン[6]の場合は、状態判定部110は、「信号異常」の判定を行い、判定データを生成する。
【0037】
さらに、モジュール300Bが「OFF状態」およびモジュール300Cが「ON状態」のパターン[7]の場合は、「障害あり」とされた監視項目によって、モジュール300Bおよびモジュール300Cの状態は、さらに3つの場合に分けることができる。状態判定部110は、モジュール300Cからの障害データに基づき、(4)~(6)から該当するモジュール300Bおよびモジュール300Cに関する状態データを生成する処理を行う。
【0038】
モジュール300Cについて、
(4)モジュール300Bとの通信に関わる監視項目だけが「障害あり」の場合
モジュール300B:電源OFF
モジュール300C:正常動作中
(5)モジュール300Bとの通信に関わる監視項目以外にも「障害あり」の場合
モジュール300B:電源OFF
モジュール300C:異常発生
(6)モジュール300Bとの通信に関わる監視項目に「障害あり」がない場合
信号異常
【0039】
そして、モジュール300Bおよびモジュール300Cが、ともに「OFF状態」のパターン[8]の場合は、状態判定部110は、「信号異常」の判定を行い、判定データを生成する。
【0040】
図6は、実施の形態1に係る判定パターン記録部120に記録されたモジュール300Bおよびモジュール300Cに係る判定パターンデータの一例を示す図(その3)である。図6は、モジュール300Bが「障害あり」およびモジュール300Cが「障害なし」の場合について示している。モジュール300Bおよびモジュール300Cが、ともに「ON状態」のパターン[9]の場合は、状態判定部110は、モジュール300Bが「異常発生」およびモジュール300Cが「正常動作中」の判定を行い、判定データを生成する。また、モジュール300Bが「ON状態」およびモジュール300Cが「OFF状態」のパターン[10]の場合は、状態判定部110は、モジュール300Bが「異常発生」およびモジュール300Cは「電源OFF」の判定を行い、判定データを生成する。さらに、モジュール300Bが「OFF状態」およびモジュール300Cが「ON状態」のパターン[11]の場合は、状態判定部110は、「信号異常」の判定を行い、判定データを生成する。そして、モジュール300Bおよびモジュール300Cが、ともに「OFF状態」のパターン[12]の場合は、状態判定部110は、「信号異常」の判定を行い、判定データを生成する。
【0041】
図7は、実施の形態1に係る判定パターン記録部120に記録されたモジュール300Bおよびモジュール300Cに係る判定パターンデータの一例を示す図(その4)である。図7は、モジュール300Bおよびモジュール300Cが、ともに「障害あり」の場合について示している。
【0042】
モジュール300Bおよびモジュール300Cが、ともに「ON状態」のパターン[13]の場合は、「障害あり」とされた監視項目によって、モジュール300Bおよびモジュール300Cの状態は、さらに3つの場合に分けることができる。状態判定部110は、モジュール300Cからの障害データに基づき、(7)~(9)から該当するモジュール300Bおよびモジュール300Cに関する状態データを生成する処理を行う。
【0043】
モジュール300Cについて、
(7)モジュール300Bとの通信に関わる監視項目だけが「障害あり」の場合
モジュール300B:異常発生
モジュール300C:正常動作中
(8)モジュール300Bとの通信に関わる監視項目以外にも「障害あり」の場合
モジュール300B:異常発生
モジュール300C:異常発生
(9)モジュール300Bとの通信に関わる監視項目に「障害あり」がない場合
モジュール300B:異常発生
モジュール300C:異常発生
【0044】
また、モジュール300Bが「ON状態」およびモジュール300Cが「OFF状態」のパターン[14]の場合は、状態判定部110は、「信号異常」の判定を行い、判定データを生成する。さらに、モジュール300Bが「OFF状態」およびモジュール300Cが「ON状態」のパターン[15]の場合は、状態判定部110は、「信号異常」の判定を行い、判定データを生成する。そして、モジュール300Bおよびモジュール300Cが、ともに「OFF状態」のパターン[16]の場合は、状態判定部110は、「信号異常」の判定を行い、判定データを生成する。
【0045】
図8は、実施の形態1に係る状態監視システムと従来のシステムとにおける判定の違いについて説明する図(その1)である。図8は、モジュール300Aに対する判定の比較を示す表である。図8の比較[1]は、図3におけるパターン[1]およびパターン[2]をまとめたものである。また、図8の比較[2]は、図3におけるパターン[3]およびパターン[4]をまとめたものである。
【0046】
図9は、実施の形態1に係る状態監視システムと従来のシステムとにおける判定の違いについて説明する図(その2)である。図9は、モジュール300Bおよびモジュール300Cに対する判定の比較を示す表である。図9の比較[1]は、図4におけるパターン[1]~パターン[4]をまとめたものである。また、図9の比較[2]は、図5におけるパターン[5]~パターン[8]をまとめたものである。同様に、図9の比較[3]は、図6におけるパターン[9]~パターン[12]をまとめたものである。そして、図9の比較[4]は、図7におけるパターン[13]~パターン[16]をまとめたものである。
【0047】
図8および図9に示すように、実施の形態1に係る状態監視システムでは、状態監視部100は、各モジュール300の障害データ、供給状態データおよび判定パターンデータに基づき、各モジュール300の状態を判定することができる。これにより、たとえば、実施の形態1に係る状態監視システムは、障害について起こり得るすべての組み合わせパターンにおいて、モジュール300の状態を判定することができる。このため、従来のシステムよりも、より正確にモジュール300の状態を判定することができる。
【0048】
実施の形態2.
前述した実施の形態1では、3つのモジュール300の監視について説明したが、これに限定するものではない。各モジュール300の動作または非動作の状態を示す供給状態データと各モジュール300の障害データとを組み合わせることで、モジュール300の数および通信線600の接続形態などに関係なく、モジュール300の状態を、より正確に判定することができる。
【0049】
また、前述した実施の形態1において、状態監視部100は、モジュール300の状態判定処理および状態の集約処理を行ったが、これに限定するものではない。たとえば、状態判定処理を行う装置と集約処理を行う装置とが分離されていてもよい。このとき、障害信号と電力信号の集約処理を行ってから、状態判定処理を行うようにしてもよい。たとえば、障害データおよび供給状態データの集約処理を行い、上位機器800などが状態監視システムの一部となって、状態監視装置として、状態判定処理を行うようにしてもよい。
【0050】
また、実施の形態1においては、電力供給制御部200が供給状態データを生成し、状態監視部100に電力信号を送るものとして説明したが、これに限定するものではない。状態監視部100が、電力供給制御部200からの信号に基づき、供給状態データの生成を行ってもよい。
【符号の説明】
【0051】
100 状態監視部
110 状態判定部
120 判定パターン記録部
130 集約部
140 通信部
200 電力供給制御部
210,210A,210B,210C スイッチ
300,300A,300B,300C モジュール
400,400A,400B,400C 電源線
500,500A,500B,500C 監視用信号線
600 通信線
700 電力信号線
800 上位機器
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
図9