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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121456
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240830BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240830BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
H04N1/00 002A
H04N1/00 127A
G03G21/00 386
G03G21/00 396
G03G21/00 510
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028575
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100107216
【弁理士】
【氏名又は名称】伊與田 幸穂
(72)【発明者】
【氏名】宮森 慎也
(72)【発明者】
【氏名】杉 伸介
(72)【発明者】
【氏名】大木 友也
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕樹
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061CQ30
2C061CQ34
2H270KA55
2H270KA59
2H270KA61
2H270KA62
2H270LA20
2H270LA22
2H270LB01
2H270LD03
2H270QA43
2H270QB08
2H270QB09
2H270RB03
2H270RB09
2H270RB10
2H270RC03
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB05
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC55
5C062AC61
5C062AE15
(57)【要約】
【課題】各診断項目に対して一つの不具合個所を示す場合に比べ、ユーザの対処方法の選択肢を広げる。
【解決手段】プロセッサ11aを備える情報処理システム200であり、プロセッサ11aは、記録媒体に形成された画像についての複数の診断項目の中からユーザが選択した診断項目である選択診断項目の情報を取得し、選択診断項目に対応付けられた複数の不具合個所の候補が表示される画面を生成する、情報処理システム200である。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備える情報処理システムであり、
前記プロセッサは、
記録媒体に形成された画像についての複数の診断項目の中からユーザが選択した診断項目である選択診断項目の情報を取得し、
前記選択診断項目に対応付けられた複数の不具合個所の候補が表示される画面を生成する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記複数の不具合個所の候補は、前記画面において、前記画像の画質を改善するために行う処置の優先順位を示す並びで表示される、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記優先順位を示す並びは、前記画像と前記記録媒体に当該画像を形成した際の印刷条件とを基に行う故障個所診断の結果を示す値を用いて行われる、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記結果を示す値は、当該値に対応する前記不具合個所の候補について、処置方法の記載を含む手順書に導く情報を案内する領域を前記画面に表示するかどうかの判定に用いられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記結果を示す値は、前記画面において当該値に応じて色分けして表示される、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記結果を示す値は、前記画面において、図形又は文字の表示態様を定めるのに用いられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記結果を示す値は、当該値に対応する前記不具合個所の候補についてユーザの操作により表示するかユーザの操作なしで表示するかを判定するのに用いられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記選択診断項目がユーザにより選択される画面における前記複数の診断項目は、前記画像の画質についての不具合の原因である可能性が高い順位を示す並びで表示される、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記可能性が高い順位を示す並びは、前記画像と前記記録媒体に当該画像を形成した際の印刷条件とを基に行う画質診断の結果を示す値を用いて行われる、
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
情報処理装置に、
記録媒体に形成された画像についての複数の診断項目の中からユーザが選択した診断項目である選択診断項目の情報を取得する機能と、
前記選択診断項目に対応付けられた複数の不具合個所の候補が表示される画面を生成する機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、システム部品およびモジュール式アドオン部品の階層表示をグラフィック表示し、そしてシステムに接続されたモジュール式部品を検知し、また、各接続されたモジュール式部品の電気的コントロール・トポロジーと故障状態を動的に要請しかつ受け取り、さらに、各接続されたモジュール式部品の電気的コントロール・トポロジーと故障状態をグラフィック表示で動的に統合する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-275406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、画像の画質診断についての結果である診断結果であって複数の診断項目の各々について一つの不具合個所を示す場合、診断結果に対してユーザが行う対処方法が限定されてしまう。
本発明の目的は、各診断項目に対して一つの不具合個所を示す場合に比べ、ユーザの対処方法の選択肢を広げることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備える情報処理システムであり、前記プロセッサは、記録媒体に形成された画像についての複数の診断項目の中からユーザが選択した診断項目である選択診断項目の情報を取得し、前記選択診断項目に対応付けられた複数の不具合個所の候補が表示される画面を生成する、情報処理システムである。
請求項2に記載の発明は、前記複数の不具合個所の候補は、前記画面において、前記画像の画質を改善するために行う処置の優先順位を示す並びで表示される、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載の発明は、前記優先順位を示す並びは、前記画像と前記記録媒体に当該画像を形成した際の印刷条件とを基に行う故障個所診断の結果を示す値を用いて行われる、ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載の発明は、前記結果を示す値は、当該値に対応する前記不具合個所の候補について、処置方法の記載を含む手順書に導く情報を案内する領域を前記画面に表示するかどうかの判定に用いられる、ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載の発明は、前記結果を示す値は、前記画面において当該値に応じて色分けして表示される、ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載の発明は、前記結果を示す値は、前記画面において、図形又は文字の表示態様を定めるのに用いられる、ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載の発明は、前記結果を示す値は、当該値に対応する前記不具合個所の候補についてユーザの操作により表示するかユーザの操作なしで表示するかを判定するのに用いられる、ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載の発明は、前記選択診断項目がユーザにより選択される画面における前記複数の診断項目は、前記画像の画質についての不具合の原因である可能性が高い順位を示す並びで表示される、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載の発明は、前記可能性が高い順位を示す並びは、前記画像と前記記録媒体に当該画像を形成した際の印刷条件とを基に行う画質診断の結果を示す値を用いて行われる、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理システムである。
請求項10に記載の発明は、情報処理装置に、記録媒体に形成された画像についての複数の診断項目の中からユーザが選択した診断項目である選択診断項目の情報を取得する機能と、前記選択診断項目に対応付けられた複数の不具合個所の候補が表示される画面を生成する機能と、を実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、各診断項目に対して一つの不具合個所を示す場合に比べ、ユーザの対処方法の選択肢を広げることができる。
請求項2の発明によれば、複数の不具合箇所の候補は、画面において、画像の画質を改善するために行う処置の優先順位を示す並びで表示される構成を採用しない場合に比べて、画像の画質を改善するために行う処置の選択をユーザが容易に行うことができる。
請求項3の発明によれば、優先順位を示す並びは、画像と記録媒体に画像を形成した際の印刷条件とを基に行う故障個所診断の結果を示す値を用いて行われる構成を採用しない場合に比べて、より適切な対処方法の選択肢を提供することができる。
請求項4の発明によれば、結果を示す値は、値に対応する不具合個所の候補について、処置方法の記載を含む手順書に導く情報を案内する領域を画面に表示するかどうかの判定に用いられる構成を採用しない場合に比べて、ユーザが対処方法を選択する際の誤操作を防止することができる。
請求項5の発明によれば、結果を示す値は、画面において値に応じて色分けして表示される構成を採用しない場合に比べて、ユーザが対処方法を選択する際の画面の視認性を向上させることができる。
請求項6の発明によれば、結果を示す値は、画面において、図形又は文字の表示態様を定めるのに用いられる構成を採用しない場合に比べて、ユーザが対処方法を選択する際の画面の視認性を向上させることができる。
請求項7の発明によれば、結果を示す値は、値に対応する不具合個所の候補についてユーザの操作により表示するかユーザの操作なしで表示するかを判定するのに用いられる構成を採用しない場合に比べて、ユーザが対処方法を選択する際の誤操作を防止することができる。
請求項8の発明によれば、選択診断項目がユーザにより選択される画面における複数の診断項目は、画像の画質についての不具合の原因である可能性が高い順位を示す並びで表示される構成を採用しない場合に比べて、選択診断項目がユーザにより選択される画面における選択をユーザが容易に行うことができる。
請求項9の発明によれば、可能性が高い順位を示す並びは、画像と記録媒体に画像を形成した際の印刷条件とを基に行う画質診断の結果を示す値を用いて行われる構成を採用しない場合に比べて、選択診断項目がユーザにより選択される画面における選択をユーザが容易に行うことができる。
請求項10の発明によれば、各診断項目に対して一つの不具合個所を示す場合に比べ、ユーザの対処方法の選択肢を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】診断システムの一例を示した図である。
図2】サーバ装置、画像形成装置に設けられた情報処理部のハードウェアの構成例を示した図である。
図3】画像形成装置を説明する図である。
図4】第1の実施の形態に係るサーバ装置のCPUの機能構成を説明するブロック図である。
図5】解析対象であるチャート用紙の例を説明する図であり、(a)はチャート用紙CP1、(b)はチャート用紙CP2、(c)はチャート用紙CP3、(d)はチャート用紙CP4を示す。
図6】解析対象であるチャート用紙の各々についての診断項目を説明する診断項目表である。
図7】サーバ装置における処理手順例を説明するフローチャートである。
図8】第1具体例を説明する図であり、(a)は図6の診断項目表の一部を抜粋した表であり、(b)は、診断結果を示す生成画面を生成する診断項目を説明する表である。
図9】第1具体例を説明する図であり、(a)は、各解析結果を示す図であり、(b)は、ユーザ端末の表示装置に表示される生成画面を説明する図である。
図10】第2具体例を説明する図であり、(a)は、図6の診断項目表の一部を抜粋した表であり、(b)は、診断結果を示す生成画面を生成する診断項目を説明する表である。
図11】第3具体例を説明する図であり、(a)は、図6の診断項目表の一部を抜粋した表であり、(b)は、診断結果を表示するための診断項目を説明する表である。
図12】第4具体例における診断項目表である。
図13】第4具体例を説明する図であり、(a)は診断結果を示す生成画面を生成する診断項目を説明する表であり、(b)はユーザ端末の表示装置に表示される生成画面を説明する図である。
図14】第5具体例を説明する図であり、(a)は、各解析結果を示す図であり、(b)は、ユーザ端末の表示装置に表示される生成画面を説明する図である。
図15】第2の実施の形態に係るサーバ装置のCPUの機能構成を説明するブロック図である。
図16】第1生成画面を説明する図である。
図17】第1画面遷移例の場合の第2生成画面を説明する図である。
図18】第1画面遷移例の場合の第3生成画面を説明する図である。
図19】第2画面遷移例の場合の第2生成画面を説明する図である。
図20】第2画面遷移例の場合の第3生成画面を説明する図である。
図21】第2生成画面の変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、診断システム1の一例を示した図である。
本実施形態の診断システム1では、複数台の画像形成装置100と、この複数台の画像形成装置100の各々に対して通信回線190を介して接続されるサーバ装置200とが設けられている。本実施形態では、情報処理システムの一例としてのこのサーバ装置200において、画像形成装置100の各々の診断が行われる。
さらに、本実施形態の診断システム1には、サーバ装置200に接続され、ユーザから操作を受け付けるユーザ端末300が設けられている。
なお、図1では、複数台の画像形成装置100のうちの2台の画像形成装置100を表示している。
【0009】
ユーザ端末300には、表示装置310が設けられている。ユーザ端末300は、コンピュータにより実現される。ユーザ端末300の形態としては、例えば、PC(Personal Computer)や、スマートフォンや、タブレット端末が挙げられる。
画像形成装置100には、記録媒体の一例である用紙への画像の形成を行う画像形成手段の一例としての画像形成部100Aが設けられている。
画像形成部100Aによる用紙への画像の形成は、例えば、インクジェット方式や電子写真方式が用いられて行われる。なお、画像形成部100Aによる用紙への画像の形成は、インクジェット方式や電子写真方式に限らず、他の方式を用いて行ってもよい。
画像形成装置100には、さらに、情報処理部100Bが設けられている。情報処理部100Bは、画像形成装置100について行われる各種の処理を実行する。
【0010】
図2は、サーバ装置200、画像形成装置100に設けられた情報処理部100Bのハードウェアの構成例を示した図である。サーバ装置200、画像形成装置100に設けられた情報処理部100Bは、コンピュータにより実現される。
サーバ装置200、情報処理部100Bの各々は、プログラムに従ってデジタル演算処理を実行する演算処理部11と、情報を記憶する2次記憶部12とを有する。
2次記憶部12は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ、磁気テープ等、既存の情報記憶装置により実現される。
【0011】
演算処理部11には、プロセッサの一例としてのCPU11aが設けられている。
また、演算処理部11には、CPU11aの作業用メモリ等として用いられるRAM11b、CPU11aにより実行されるプログラム等が格納されるROM11cが設けられている。
また、演算処理部11には、書き換え可能に構成され電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できる不揮発性メモリ11d、演算処理部11に接続される通信部等の各部を制御するインターフェース部11eが設けられている。
【0012】
不揮発性メモリ11dは、例えば、電池によりバックアップされたSRAMやフラッシュメモリ等で構成される。2次記憶部12には、ファイル等が記憶される他、演算処理部11により実行されるプログラムが記憶される。
本実施形態では、演算処理部11が、ROM11cや2次記憶部12に記憶されたプログラムを読み込むことによって、各処理が実行される。
【0013】
CPU11aによって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、サーバ装置200、情報処理部100Bへ提供しうる。また、CPU11aによって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、サーバ装置200、情報処理部100Bへ提供してもよい。
【0014】
本明細書において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0015】
以下で説明する処理のうち、画像形成装置100が行う処理は、画像形成装置100に設けられたプロセッサの一例としてのCPU11aが行う。
また、以下で説明する処理のうち、サーバ装置200が行う処理は、サーバ装置200に設けられたプロセッサの一例としてのCPU11aが行う。
また、以下で説明する処理では、画像形成装置100の診断についての処理を、情報処理システムの一例としてのサーバ装置200が行う。画像形成装置100についての診断についての処理を行う情報処理システムは、1台のサーバ装置200などの一台の装置により実現してもよいし、複数台の装置により実現してもよい。
【0016】
図3は、画像形成装置100を説明する図である。
本実施形態では、上記の通り、画像形成装置100には、記録媒体の一例である用紙Pへの画像の形成を行う画像形成部100Aが設けられている。
本実施形態では、用紙Pが画像形成部100Aを通過する際、用紙Pの一方の面が画像形成部100Aを向いた状態で、用紙Pがこの画像形成部100Aを通過する。
【0017】
また、画像形成装置100には、用紙Pなどの記録媒体に形成された画像を読み取る画像読み取り手段の一例としての画像読み取り装置130が設けられている。
この画像読み取り装置130は、用紙Pの搬送機能を有するいわゆるスキャナである。画像読み取り装置130には、用紙Pに照射される光を出射する光源や、この用紙Pからの反射光を受光するCCDなどの受光部を備える。本実施形態では、この受光部にて受光された反射光に基づき、後述する読み取り画像データが生成される。
画像読み取り装置130には、画像の読み取り位置が予め設定されており、画像読み取り装置130は、順に搬送される用紙Pのうちのこの読み取り位置に位置する部分の画像の読み取りを行う。
また、画像形成装置100は、サーバ装置200(図1参照)へ情報を送信する情報送信機能を有する。
【0018】
図3に示す例では、画像形成装置100の上部に、画像読み取り装置130が設けられている。画像読み取り装置130は、ユーザによってセットされた用紙(不図示)の読み取りを順に行う。この用紙は、画像形成装置100による画像の形成が行われた用紙に限らず、他の画像形成装置による画像の形成が行われた用紙の場合もある。
なお、画像読み取り装置130の設置態様は、図3に示す態様に限らず、画像読み取り装置130は、画像形成装置100の内部に且つ用紙Pの搬送経路上に設けてもよい。
この場合は、画像形成部100Aにより画像が形成された用紙Pが、この画像読み取り装置130を順に通過し、この通過の際に、用紙Pの各々の画像が順に読み取られる。
【0019】
また、本実施形態では、画像読み取り装置130に、用紙の反転機構が設けられており、画像の読み取り位置に対し、表裏を反転させた後の用紙の供給を行えるようになっている。
これにより、本実施形態では、一方の面に形成された画像が読み取られた用紙を、反転させて、再度、読み取り位置へ供給可能となっており、これにより、用紙の表面および裏面の画像の読み取りを行える。
また、その他に、用紙の画像の読み取りにあたり、板状のガラスなどにより構成される原稿台(不図示)の上にこの用紙が置かれるようにし、原稿台の上に置かれた用紙の読み取りが行われるようにしてもよい。
【0020】
さらに、画像形成装置100の各々には、ユーザから操作を受け付ける操作受付部132が設けられている。この操作受付部132は、いわゆるタッチパネルにより構成されている。操作受付部132では、ユーザへの情報の表示が行われるとともに、ユーザが行う操作を受け付ける。
なお、ユーザへの情報の表示と、ユーザの操作の受け付けを、本実施形態のように、1つの操作受付部132で行うのに限らず、操作受付部と情報表示部とを個別に設けてもよい。
【0021】
本実施形態では、画像形成装置100(図1参照)の診断が行われる際には、まず、画像形成部100Aを動作させて、用紙へのチャート画像61の形成を行う。これにより、符号1Aに示すように、診断用画像の一例であるチャート画像61が形成された用紙であるチャート用紙CPが生成される。
チャート画像61は、画像形成装置100の診断に用いられる画像であり、本実施形態では、この診断に用いられるチャート画像61が形成された用紙であるチャート用紙CPが生成される。
【0022】
チャート用紙CPが生成されると、図1の符号1Bで示すように、このチャート用紙CPが、画像読み取り装置130に設置される。そして、画像読み取り装置130が用いられて、チャート画像61が形成されたこのチャート用紙CPの読み取りが行われる。
これにより、チャート用紙CPを読み取ることにより得られた読み取り画像データが生成される。
そして、本実施形態では、この読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信されて、サーバ装置200に格納される。サーバ装置200は、この読み取り画像データを基に、画像形成装置100の診断を行う。
そして、本実施形態では、画像形成装置100の保守を行う保守者など、本実施形態の診断システム1を使用するユーザが、サーバ装置200にアクセスし、このサーバ装置200による診断の結果を参照する。
【0023】
画像形成装置100の各々では、このように、チャート用紙CPの生成が行われ、また、チャート用紙CPの読み取りが行われて、読み取り画像データが生成される。
そして、この読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。そして、上記の通り、本実施形態では、サーバ装置200による画像形成装置100についての診断が行われる。
【0024】
サーバ装置200による診断処理について説明する。
本実施形態では、サーバ装置200に設けられたプロセッサの一例としてのCPU11a(図2参照)が、画像形成装置100から送信されてきた上記の読み取り画像データを基に、画像形成装置100についての診断を行って、診断の結果である診断結果を取得する。
より具体的には、CPU11aは、上記のチャート用紙CPに形成された画像であるチャート画像61についての診断の結果である診断結果であって、複数の診断項目の各々についての診断結果を取得する。
【0025】
本実施形態では、複数の診断項目が予め定められており、サーバ装置200のCPU11aは、読み取り画像データに含まれるチャート画像61の解析を行い、この複数の診断項目の各々について、診断結果を取得する。
より具体的には、サーバ装置200のCPU11aは、例えば、複数の診断項目の各々について予め定められている基準値と、チャート画像61の解析により得られた値との差を基に、複数の診断項目の各々について、診断結果を取得する。
サーバ装置200のCPU11aは、この差が大きいほど、悪い評価の診断結果を取得する。
【0026】
次いで、CPU11aは、取得した複数のこの診断結果が予め定められた順序で並ぶように、複数の当該診断結果の並び替えを行う。
より具体的には、CPU11aは、複数の診断結果の並び替えにあたり、例えば、評価が悪い順で又は良い順で複数のこの診断結果が並ぶように、複数のこの診断結果の並び替えを行う。
その後、CPU11aは、複数の診断結果がこの予め定められた順序で並んだ画面を生成する。
【0027】
次に、診断結果で不具合があるとされる場合、その不具合が、用紙への画像の形成を行う画像形成部100A(図3参照)に起因するか、用紙の画像を読み取る画像読み取り装置130(同図参照)に起因するかの区別を行うための構成について説明する。かかる構成は、画像形成装置100における画像読み取り装置130及びCPU11aにより実現される。
【0028】
〔第1の実施の形態〕
次に、第1の実施の形態に係るサーバ装置200のCPU11aの機能構成について説明する。
図4は、第1の実施の形態に係るサーバ装置200のCPU11aの機能構成を説明するブロック図であり、説明の便宜のために画像形成装置100及びユーザ端末300も示す。
図4に示すように、CPU11aは、診断結果取得部13及び画面生成部14を備えている。
【0029】
診断結果取得部13は、画像形成装置100から送信された読み取り画像30について行った診断の結果である診断結果を取得する。診断は、読み取り画像30に含まれるチャート画像61(図1参照)に応じて予め定められている診断項目の各々について行われる。したがって、診断結果取得部13は、予め定められている診断項目の各々についての診断結果を取得し、処理を行う。
【0030】
画面生成部14は、取得した診断結果をユーザに通知するための画面を生成する。生成された画面である生成画面50は、サーバ装置200からユーザ端末300に送信され、ユーザ端末300の表示装置310に表示されることでユーザに通知される。
【0031】
図5は、解析対象であるチャート用紙CPの例を説明する図であり、(a)はチャート用紙CP1、(b)はチャート用紙CP2、(c)はチャート用紙CP3、(d)はチャート用紙CP4を示す。
図5(a)に示すチャート用紙CP1には、濃度を診断するチャート画像611が形成されている。また、同図(b)に示すチャート用紙CP2には、横ムラを診断するチャート画像612が形成され、同図(c)に示すチャート用紙CP3は、縦ムラを診断するチャート画像613が形成されている。さらに、同図(d)に示すチャート用紙CP4は、点筋を診断するチャート画像614が形成されている。
【0032】
図6は、解析対象であるチャート用紙CP1~CP4(図5参照)の各々についての診断項目を説明する診断項目表である。縦欄に示す診断項目は、画質ディフェクト(画像欠陥)についてのものである。診断項目は、評価項目ということができるものである。
図6に示す表では、診断項目として、点筋、濃度、横ムラ及び縦ムラを例示している。そして、チャート用紙CP1の診断項目は、濃度、横ムラ及び縦ムラであり、チャート用紙CP2の診断項目は、点筋及び横ムラであり、チャート用紙CP3の診断項目は、縦ムラであり、チャート用紙CP4の診断項目は、点筋及び縦ムラである。
【0033】
さらに説明すると、各診断項目に対する優先度が、チャート用紙CP1~CP4ごとに予め定められている。ここにいう優先度は、チャート用紙CP1~CP4のうちいずれか一の用紙で解析される診断項目と他の用紙で解析される診断項目とに共通する項目である共通項目がある場合に、共通項目についてどのように表示するかを定めるものである。言い換えると、複数の診断項目の内の少なくとも一部の診断項目について、互いに異なる複数のチャート画像611~614の各々を基にして得られる診断結果が複数得られた場合、当該複数の診断結果のいずれか一方を表示し、または当該複数の診断結果を基に得られた診断結果を表示するために定めるものである。
【0034】
かかる優先度の定め方は、種々のものが考えられる。例えば、チャート用紙CP1~CP4のチャート画像611~614の読み取りを行う画像読み取り装置130(例えば図1参照)や、チャート用紙CP1~CP4にチャート画像611~614を形成した画像形成部100A(例えば同図参照)に関する情報を基に、優先度を予め定めることができる。すなわち、画像読み取り装置130や画像形成部100Aの性能等を基にする信頼度で優先度を定める。例えば、信頼度が高い装置を信頼度が低い装置よりも優先度を高くする。
また、画質を診断する画像の枚数及び種類に関する情報を基に優先度を予め定めることができる。ここにいう種類は、上述したチャート画像611~614の種類をいう。枚数が多い少ないという数を要因とする診断項目への影響や、各チャート画像611~614の診断項目に対する向き不向き等を基にする特徴で優先度を定める。
【0035】
優先度は、段階的に複数設定された分類のいずれかとする場合の他、予め定められている演算により導いた値とする場合も考えられる。図6では、前者により、チャート用紙CP1~CP4の各々について優先度を定めている。以下説明する。
図6の場合の優先度は、三段階に分けられており、最も優先度が高い「A」、最も優先度が低い「C」、その中間の優先度の「B」で示している。
【0036】
より具体的に説明すると、チャート用紙CP1の診断項目としての濃度、横ムラ及び縦ムラのうち、優先度が高いのは濃度である。また、他の診断項目にも優先度が設定されており、優先度が低いのが縦ムラであり、中間の優先度が横ムラである。
【0037】
チャート用紙CP2については、診断項目としての点筋及び横ムラのうち、優先度が高いのは、横ムラであり、中間の優先度は点筋である。また、チャート用紙CP3については、唯一の診断項目としての縦ムラは、中間の優先度である。さらに、チャート用紙CP4については、診断項目としての点筋及び縦ムラのいずれも優先度が高い。
このように、チャート用紙CP1~CP4の各々について、診断項目が同じであるというものではなく、また、必ず高い優先度が定められるとは限らず、また、高い優先度が一つであるとは限らない。
【0038】
次に、サーバ装置200における処理手順例について図7を用いて説明する。
図7は、サーバ装置200における処理手順例を説明するフローチャートである。
図7に示す表示例では、診断結果取得部13が予め定められた複数の診断項目の各々についての診断結果を取得すると(ステップ101)、取得した診断項目に、予め定められている条件を満たす診断項目があるかどうかを判定する(ステップ102)。ここにいう予め定められている条件としては、ユーザに提示する内容を定める際に用いるべきでないことをいい、例えば解析が失敗したことや、解析は失敗していないものの診断結果が著しく低い乃至高いという測定ミスが生じたことの可能性がある場合を挙げることができる。
【0039】
予め定められている条件を満たす診断項目がある場合(ステップ102でYes)、該当する診断項目を削除し(ステップ103)、以降の処理に用いないようにする。また、予め定められている条件を満たす診断項目がない場合(ステップ102でNo)、次のステップ104に進む。
【0040】
次に、画面生成部14は、取得した診断項目について重複する診断項目があるかどうかを判別する(ステップ104)。
複数枚のチャート用紙CP1~CP4を解析する場合であってその解析結果として重複する診断項目がある場合(ステップ104でYes)、重複する診断項目の表示内容を決定する(ステップ105)。かかる表示内容の決定は、上述した優先度を用い、優先度に応じて定める場合のほか、優先度を用いずに、解析結果として数値が算出された場合に大きい数値の診断項目を表示内容とし、低い数値の診断項目を表示内容としない場合も考えられる。
【0041】
また、優先度を用いる場合において、上述したように、予め定められている複数段階のいずれかとする場合には、例えば、より優位な段階の診断項目のチャート用紙を特定するのに用いる態様が考えられる。かかる態様では、特定されたチャート用紙の診断項目が画面の生成に用いられ、特定されなかったチャート用紙の診断項目は画面の生成に用いられない。
【0042】
また、優先度を用いる場合において、優先度を示す複数段階の各々について予め定められた重み付けを対応付けておき、重複する診断項目の各数値を用いて算出する態様が考えられる。かかる態様では、重複する診断項目の各々が画面の生成に用いられる。
その一例を説明すると、チャート用紙CP1とチャート用紙CP2とで重複する診断項目がある場合において、チャート用紙CP1よりもチャート用紙CP2の方が高い優先度である場合を考える。重複する診断項目についてチャート用紙CP1の診断結果が数値Aであり、チャート用紙CP2の診断結果が数値Bであるとき、優先度に応じた割合が予め定められており、優先度が高い方の割合が70%で、低い方の割合が30%であるとすると、A×0.3+B×0.7の計算式による値を画面の生成に用いる。
かかる割合は、重み付けということができ、優先度に違いがある場合は、70:30という割合とし、優先度に違いがない場合は、50:50とすることが考えられる。
付言すると、優先度に違いがある場合において、重み付けを100:0という割合にし、優先度が高いものをそのまま画面の生成に用いる一方で、優先度が低いものを用いないという制御を採用することも考えられる。
【0043】
また、上述したような、優先度を用いるかどうかを問わず、重複する診断項目による診断結果のいずれか一方を示す場合のほか、重複する診断項目による診断結果の全てを用いて得られた別のものを診断結果として示す場合に限られず、重複する診断項目による診断結果を、優劣を付けた状態で示す場合も考えられる。例えば、解析結果として数値が大きい診断項目を見易く、数値が小さい診断項目をそれよりも見難いように区別して表示する。その一例としては、一方を大きく他方を小さく表示する大小の区別が考えられる。また、他の例としては、一方を赤色、他方を黒色で表示する色の区別、一方を濃く他方を薄く表示する濃淡の区別等も考えられる。
【0044】
ここで、図7のフローチャートにおけるステップ103が実行され、解析失敗等により予め定められている条件を満たすとして診断項目が削除された場合であって、削除された診断項目が重複する診断項目である場合を考える。かかる場合、削除された方の診断項目が、優先度が高い場合には、優先度に応じた割合にかかわらず、優先度が低い診断項目を画面の生成に用いる制御が採用される。
【0045】
画面生成部14は、重複する診断項目については、ステップ105で決定した表示内容を診断結果とし、他の診断項目については、取得した診断結果とする画面の生成を行う。生成した生成画面50は、ユーザ端末300に送信され、表示装置310に表示される。
【0046】
次に、種々の具体例について説明する。
まず第1具体例を説明する。
図8は、第1具体例を説明する図であり、(a)は図6の診断項目表の一部を抜粋した表であり、(b)は、診断結果を示す生成画面50を生成する診断項目を説明する表である。
図8(a)に示すように、第1具体例は、チャート用紙CP1及びチャート用紙CP2を解析対象とする場合であり、診断項目として、点筋、濃度、横ムラ及び縦ムラがある。そして、点筋についてはチャート用紙CP2が「B」、濃度についてはチャート用紙CP1が「A」であり、縦ムラについてはチャート用紙CP1が「C」である。これらの診断項目は、重複する診断項目ではないことから、図8(b)に示すように、各々が診断結果として用いられる。
【0047】
その一方で、図8(a)に示すように、横ムラについては、チャート用紙CP1とチャート用紙CP2とで重複する診断項目である。
そして、チャート用紙CP1が「B」、チャート用紙CP2が「A」であることから、横ムラの優先度は、チャート用紙CP2がチャート用紙CP1よりも高い。このため、図8(b)に示すように、横ムラについては、チャート用紙CP2の診断結果が選択されており、チャート用紙CP1の診断結果は用いられない。
【0048】
図9は、第1具体例を説明する図であり、(a)は、各解析結果を示す図であり、(b)は、ユーザ端末300の表示装置310に表示される生成画面50を説明する図である。
図9(a)に示すように、濃度と横ムラの各々の診断項目について、左から右へ延びる横棒の長さでその程度を示している。チャート用紙CP1の解析結果は、濃度と横ムラの横棒がいずれも右方向に長く延びており、濃度良好で、また、横ムラ良好である。
また、チャート用紙CP2の解析結果は、点筋が右方向に長く延びている一方で、横ムラは右方向に長く延びてはいない。点筋良好であるものの、横ムラ不良である。
【0049】
上述したように、重複する診断項目である横ムラは、チャート用紙CP2の優先度がチャート用紙CP1よりも高い(図8参照)。そのため、図9(b)に示すように、横ムラは、チャート用紙CP2の横ムラ不良という解析結果が採用され、生成画面50においては、チャート用紙CP2の診断項目が表示される。
重複する診断項目ではない濃度と点筋は、チャート用紙CP1とチャート用紙CP2の解析結果が採用され、生成画面50に表示される。
このように、図9(b)に示すように、チャート用紙CP1及びチャート用紙CP2の解析結果は、濃度良好、点筋良好及び横ムラ不良である。
【0050】
さらに説明すると、生成画面50では、優先度が高いとして表示されたチャート名であるチャート用紙CP1、チャート用紙CP2が表示されている。すなわち、濃度については、チャート用紙CP1が示され、点筋及び横ムラについては、チャート用紙CP2が示されている。
【0051】
次に、第2具体例について説明する。
図10は、第2具体例を説明する図であり、(a)は、図6の診断項目表の一部を抜粋した表であり、(b)は、診断結果を示す生成画面50を生成する診断項目を説明する表である。
図10(a)に示すように、第2具体例は、チャート用紙CP1及びチャート用紙CP4を解析対象とする場合であり、診断項目として、点筋、濃度、横ムラ及び縦ムラがある。診断項目としては、第1具体例の場合(図8参照)と同じである。
そして、点筋についてはチャート用紙CP4が「A」、濃度についてはチャート用紙CP1が「A」であり、横ムラについてはチャート用紙CP1が「B」である。これらの診断項目は、重複する診断項目ではないことから、図10(b)に示すように、各々が診断結果として用いられる。
【0052】
その一方で、図10(a)に示すように、縦ムラについては、チャート用紙CP1とチャート用紙CP4とで重複する診断項目である。
そして、チャート用紙CP1が「C」、チャート用紙CP4が「A」であることから、縦ムラの優先度は、チャート用紙CP4がチャート用紙CP1よりも高い。このため、図10(b)に示すように、縦ムラについては、チャート用紙CP4の診断結果が選択されており、チャート用紙CP1の診断結果は用いられない。
【0053】
次に、第3具体例について説明する。
図11は、第3具体例を説明する図であり、(a)は、図6の診断項目表の一部を抜粋した表であり、(b)は、診断結果を表示するための診断項目を説明する表である。
図11(a)に示すように、第3具体例は、チャート用紙CP1、チャート用紙CP2及びチャート用紙CP3を解析対象とする場合であり、診断項目として、点筋、濃度、横ムラ及び縦ムラがある。診断項目としては、第1具体例の場合(図8参照)及び第2具体例の場合(図10参照)と同じである。
そして、点筋についてはチャート用紙CP2が「B」、濃度についてはチャート用紙CP1が「A」である。これらの診断項目は、重複する診断項目ではないことから、図11(b)に示すように、各々が診断結果として用いられる。
【0054】
その一方で、図11(a)に示すように、横ムラについては、チャート用紙CP1とチャート用紙CP2とで重複する診断項目である。また、縦ムラについては、チャート用紙CP1とチャート用紙CP3とで重複する診断項目である。
そして、横ムラについて、チャート用紙CP1が「B」、チャート用紙CP2が「A」であることから、横ムラの優先度は、チャート用紙CP2がチャート用紙CP1よりも高い。また、縦ムラについては、チャート用紙CP1が「C」、チャート用紙CP3が「B」であることから、縦ムラの優先度は、チャート用紙CP3がチャート用紙CP1よりも高い。
このため、図11(b)に示すように、横ムラは、チャート用紙CP2の診断結果が選択され、チャート用紙CP1の診断結果は用いられない。また、縦ムラについては、チャート用紙CP3の診断結果が選択され、チャート用紙CP1の診断結果は用いられない。
【0055】
次に、第4具体例について説明する。
図12は、第4具体例における診断項目表であり、上述した図6に対応するものである。なお、図12の横欄はチャート用紙CP1~CP4であり、縦欄は、点筋、濃度、横ムラ及び縦ムラの診断項目であり、図6と共通することから、図6と共通する部分についての説明を省略することがある。
【0056】
図12に示す表において、診断項目の一つである点筋に着目すると、チャート用紙CP2及びチャート用紙CP4では、色に対して優先度が設定されている。すなわち、チャート用紙CP2では、K色については「C」であり、他色すなわちYMCについては「B」である。また、チャート用紙CP4では、K色が「A」である。
【0057】
第4具体例では、チャート用紙CP2とチャート用紙CP4を解析対象とする。さらに説明すると、第4具体例におけるチャート用紙CP2は、全面がYMCK色であり、チャート用紙CP4は全面K色である。このため、チャート用紙CP4をチャート用紙CP4全面K色として説明する。
このため、横ムラについてはチャート用紙CP2が「A」であり、縦ムラについてはチャート用紙CP4全面K色が「A」である。また、点筋については、K色がチャート用紙CP2とチャート用紙CP4全面K色とで重複する一方で、他色はチャート用紙CP2のみである。
このように、第4具体例では、点筋という診断項目において、色ごとに共通するかどうかが定められている。
【0058】
図13は、第4具体例を説明する図であり、(a)は診断結果を示す生成画面50を生成する診断項目を説明する表であり、(b)はユーザ端末300の表示装置310に表示される生成画面50を説明する図である。図13(a)は、例えば第1具体例を説明する図8(b)に対応するものであり、(b)は、第1具体例を説明する図9(b)に対応するものである。
図13(a)に示すように、第4具体例では、診断項目の点筋において、K色がチャート用紙CP4全面K色であり、他色はチャート用紙CP2である。このように、チャート用紙CP2とチャート用紙CP4全面K色とに共通する色があり、共通する色の優先度を用いて生成画面50を生成する。
なお、横ムラについてはチャート用紙CP2、縦ムラについてはチャート用紙CP4全面K色が診断結果として用いられる。
【0059】
図13(b)に示すように、第4具体例の生成画面50は、点筋のK色については、チャート用紙CP4全面K色というチャート名が表示され、点筋の他色については、チャート用紙CP2というチャート名が表示されている。
また、図13(b)に示すように、チャート用紙CP2及びチャート用紙CP4全面K色の解析結果は、点筋K色・他色良好、横ムラ良好、縦ムラ良好である。
【0060】
次に、第5具体例について説明する。
図14は、第5具体例を説明する図であり、(a)は、各解析結果を示す図であり、(b)は、ユーザ端末300の表示装置310に表示される生成画面50を説明する図である。図14(a)及び(b)は、第1具体例を説明する図9(a)及び(b)に対応するものである。
図14(a)に示すように、第5具体例は、チャート用紙CP1とチャート用紙CP2の解析結果を示すものであり、図9(a)と同じである。
【0061】
図14(b)に示すように、第5具体例では、横ムラの表示が、図9(b)とは異なる。すなわち、チャート用紙CP2を通常の大きさで表示し、チャート用紙CP1は、通常よりも小さく表示している。
より詳細には、重複する診断項目である横ムラについては、チャート用紙CP1とチャート用紙CP2のいずれか一方を示すのではない点で、第1具体例と異なる。すなわち、重複する診断項目について、チャート用紙CP1とチャート用紙CP2の両方を示している。より詳細には、横ムラについての優先度は、チャート用紙CP2が高く、チャート用紙CP1は低い。このため、第5具体例では、優先度が高いチャート用紙CP2は大きく、優先度が低いチャート用紙CP1は小さく表示する大小の区別を行っている。上述したように、大小の区別に限られず、色の区別、濃淡の区別等を行ってもよい。
また、第5具体例の生成画面50は、横ムラについて、チャート用紙CP1とチャート用紙CP2の各々のチャート名が表示されている。
【0062】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。
まず、第2の実施の形態に係るサーバ装置200のCPU11aの機能構成について説明する。
図15は、第2の実施の形態に係るサーバ装置200のCPU11aの機能構成を説明するブロック図であり、説明の便宜のために画像形成装置100及びユーザ端末300も示す。
図15に示すように、CPU11aは、診断結果取得部13、画面生成部14及び選択診断項目情報取得部15を備えている。
【0063】
図15に示す診断結果取得部13は、画像形成装置100から送信された読み取り画像30について行った診断の結果である診断結果を取得する。診断は、読み取り画像30に含まれるチャート画像61(図1参照)に応じて予め定められている診断項目の各々について行われる。したがって、診断結果取得部13は、予め定められている診断項目の各々についての診断結果を取得し、処理を行う。
【0064】
図15に示す画面生成部14は、取得した読み取り画像30を基に行われた診断の結果をユーザに通知するための画面を生成する。生成された画面である生成画面50は、サーバ装置200からユーザ端末300に送信され、ユーザ端末300の表示装置310に表示されることでユーザに通知される。
【0065】
選択診断項目情報取得部15は、チャート用紙CPに形成されたチャート画像61についての複数の診断項目の中からユーザが選択した診断項目である選択診断項目の情報を取得する。
【0066】
図16は、第1生成画面51を説明する図である。第1生成画面51は、画面生成部14(図15参照)により生成される生成画面50の一つである。
図16に示す第1生成画面51は、画質診断結果を示す画面であり、ユーザ端末300の表示装置310に表示される。より詳細には、第1生成画面51は、機種やシリアル番号、日時を示す領域71と、診断結果の要約として総合点及びレーダーチャートを示す領域72と、結果概要を示す領域73と、を含む。
領域72のレーダーチャートは、ノイズ、シャープネス、ディフェクト、階調及び文字という5つの項目の全体傾向を示す正多角形のグラフである。かかるレーダーチャートによれば、ディフェクト及び階調が相対的に低い評価である。
【0067】
第1生成画面51の領域73には、横方向に「チャート」、「診断項目」、「結果」及び「詳細」の順で各項目が並ぶ表が表示されている。縦方向には、不具合内容が並んでいる。領域73には、6つの不具合内容が表示されている。
【0068】
領域73における「チャート」の項目には、上述した低評価のディフェクト及び階調に対応するチャート情報として「K」、「C」、「M」及び「総合」が記載されている。すなわち、第1生成画面51の領域73は、これら5つのチャートの診断結果を示すものである。
【0069】
領域73における「診断項目」の項目には、解析したチャートの各々に対応して予め定められている診断項目のうち、不具合内容を提示すべき診断項目が記載されている。すなわち、チャート「K」については、不具合内容として「バンディング」及び「点」という診断項目が記載されている。また、チャート「C」は「筋」、チャート「M」は「バンディング」、チャート「総合」は「階調(K)」及び「階調(G)」という診断項目が不具合内容として記載されている。
【0070】
領域73における「結果」の項目には、チャートの診断結果を示す情報が記載されている。より詳細には、「結果」の項目には、数字及び横棒が表示されている。かかる数字は、予め定められている方法で算出された結果を示す値である数値であり、また、横棒は、数値に対応する長さで表示されている。
さらに説明すると、各不具合内容の上下方向の並びは、「結果」の項目に記載されている数値に従う。すなわち、第1生成画面51の領域73では、チャートの画質についての不具合の原因である可能性が高い順位を示す並びで表示される。
【0071】
領域73における「詳細」の項目には、ユーザにより操作されると詳細な情報を示す他の画面に切り替わる領域であって「LINK」という文字が付された領域である操作領域が表示される。
ユーザは、第1生成画面51を確認することで診断結果の概要を把握することができる。領域73の表示内容の中に気になったチャートや診断項目があれば、領域73のうち対応する操作領域に対して操作することで、より詳細な情報を見ることができる。
【0072】
次に、第1生成画面51からの画面遷移についての例を説明する。以下、図17図18により第1画面遷移例を説明し、図19図20により第2画面遷移例を説明する。
【0073】
図17は、第1画面遷移例の場合の第2生成画面52を説明する図である。第2生成画面52は、画面生成部14(図15参照)により生成される生成画面50の一つである。
図17に示す第2生成画面52は、画質診断結果詳細を示す画面であり、第1生成画面51における領域73の操作領域731を操作した場合に、第1生成画面51から遷移する画面例である。
【0074】
より詳細には、第2生成画面52は、表示装置310に表示されている第1生成画面51のチャート「K」の診断項目「バンディング」に対応する領域73の操作領域731を操作した場合に表示されるものである。例えば、第1生成画面51を見たユーザが、バンディングが気になるとして、操作領域731を操作した場合に第2生成画面52が表示される。すなわち、第2生成画面52は、操作された操作領域731の診断項目である「バンディング」に対応付けられた複数の不具合個所の候補が表示される。
第1生成画面51におけるチャート「K」の診断項目「バンディング」は、ユーザが選択した診断項目である選択診断項目の一例である。
【0075】
図17に示す第2生成画面52は、遷移元の第1生成画面51で操作された個所の領域73の内容を示す領域81と、結果詳細を示す領域82と、を含む。
【0076】
第2生成画面52の領域81には、「チャート:K」、「診断項目:バンディング」及び「総合点:30点」が表示されている。かかる表示は、第1生成画面51における操作領域731により特定される不具合内容である。
【0077】
第2生成画面52の領域82には、横方向に「詳細」、「周期」、「診断項目」、「結果」及び「処置方法」の順で各項目が並ぶ表が表示されている。縦方向には、「チャート:K」及び「診断項目:バンディング」についての不具合個所の候補が並んでいる。
【0078】
領域82における「詳細」の項目には、領域81にあるとおり、「バンディング」が表示されている。
【0079】
領域82における「周期」の項目には、バンディングの周期として、55mm、24mm、1.3mm、98mm、11mm及び4.2mmが表示されている。かかる「周期」は、解析結果であるチャートKについて計測した周期である。
【0080】
領域82における「診断項目」の項目には、「周期」に対応する不具合個所の候補が表示されている。すなわち、「周期」と不具合個所との関係は予め定められており、サーバ装置200が例えばROM11c(図2参照)にデータとして保持する。すなわち、周期が55mmの場合はドラムが不具合個所の候補になり、周期が24mmの場合はドラムギアBが不具合個所の候補になる、というデータを基に、「診断項目」に表示される。
【0081】
領域82における「結果」の項目には、チャートKの診断結果を示す情報として、予め定められている方法で算出された数値を示す数字と、数値に対応する長さの横棒と、が表示されている。
さらに説明すると、算出された数値は、数字として示すほか、横棒という図形の表示態様を定めるのに用いられている。なお、図17には、数値に対応する形状を有する図形を用いているが、これに限られず、数値に対応する文字例えば「高」や「低」等を用い、数値に対応する色とする表示態様であってもよい。例えば「高」に赤色を付し、「低」に青色を付す表示態様である。
【0082】
また、「結果」の項目には、数値の大小に応じて、ユーザの視認性を考慮した色が付されている。その一例を示すと、数値が40以下の場合には、ユーザの目にとまり易い赤色で数値及び横棒を表示し、40を超えて70以下の場合には、赤色以外の例えば黄色で数値及び横棒を表示し、70を超える場合には、別の色例えば緑色で数値及び横棒を表示する。このため、数値に応じて、第1行目と、第2行目及び第3行目と、第4行目乃至第6行目という3つに分けてそれぞれ異なる色で示す色分けがなされている。
【0083】
また、「結果」の項目における数字は、不具合個所の候補の縦方向の並び順を定めるものである。領域82における不具合個所の候補は、チャート画像の画質を改善するために行う処置の優先順位を示す並びで表示される。「結果」の項目における数字を優先度ということもできる。
なお、最も上に位置する不具合個所の候補の数字は「30」であり、最も下に位置する不具合個所の候補の数字は「90」である。かかる数字が小さいほど不具合の原因である可能性が高いとして、上位に並べられる。
なお、不具合個所の候補の縦方向の並び順を、「結果」の項目における数字によらず、例えば「診断項目」の降順ないし昇順としてもよい。
【0084】
ここで、「結果」の項目における数字は、チャートKと、チャートKをチャート用紙CP(図1参照)に形成した際の印刷条件とを基に行う故障個所診断の結果を示す値を用いることができる。また、「結果」の項目における数字は、ユーザに応じた値を用いることができる。
【0085】
領域82における「処置方法」の項目には、ユーザにより操作されると処置方法を示す他の画面に切り替わる領域であって「LINK」という文字が付された領域である操作領域が表示される。
ユーザは、第2生成画面52を確認することで診断結果の詳細を把握することができ、処置方法を確認したいときには、領域82のうち対応する操作領域に対して操作すれば、処置方法を表示する画面である後述の第3生成画面53に切り替えることができる。
【0086】
図18は、第1画面遷移例の場合の第3生成画面53を説明する図である。第3生成画面53は、画面生成部14(図15参照)により生成される生成画面50の一つである。
図18に示す第3生成画面53は、処置方法の記載を含む手順書である処置方法手順書を示す画面であり、第2生成画面52における領域82の操作領域821を操作した場合に、第2生成画面52から遷移する画面例である。
操作領域821は、処置方法の記載を含む手順書に導く情報を案内する領域の一例である。
【0087】
より詳細には、第3生成画面53は、表示装置310に表示されている第2生成画面52の「診断項目」がドラムに対応する領域82の操作領域821を操作した場合に表示されるものである。
【0088】
図18に示す第3生成画面53は、遷移元の第2生成画面52で操作された個所の領域82の内容を示す領域91と、ドラム故障の確認方法を示す領域92と、修理手順を示す領域93と、作業手順図ないし手順書を示す領域94と、を含む。
【0089】
第3生成画面53の領域91には、「パーツ:ドラム(K)」が表示されている。かかる表示は、第2生成画面52における操作領域821に対応する内容である。
【0090】
第3生成画面53の領域92~94に示される内容は、複数の問題状態により推奨内容が変更される。すなわち、画像形成装置100の設定情報から問題ないものを除外する。また、診断結果から参照すべき内容を動的に決定することが可能である。
領域92~94に示される内容は、更新可能な内容である。
さらに、領域92~94に示される内容には、改善率や対処時間、対処難易度等の役立つ情報を付加してもよい。
【0091】
次に、第2画面遷移例について説明する。
図19は、第2画面遷移例の場合の第2生成画面52を説明する図であり、第1画面遷移例を示す図17に対応する。なお、図19において、図17と共通する部分についての説明を省略することがある。
図19に示す第2生成画面52は、第1生成画面51における領域73の操作領域732を操作した場合に、第1生成画面51から遷移する画面例である。
例えば、第1生成画面51を見たユーザが、バンディング結果は悪いことは分かったが、使用上気にならず、筋の方が気になるとして、操作領域732を操作した場合に図19の第2生成画面52が表示される。
【0092】
図19に示す第2生成画面52の結果詳細を示す領域82において、「処置方法」の項目に着目すると、「LINK」の文字がない領域822がある。これは、操作すると画面が遷移する操作領域ではない。すなわち、不具合個所の候補としての「ドラム」については、「結果」の数値が90であり、不具合の原因である可能性が低いとして、第3生成画面53に遷移させないようにしている。
このように、「結果」の数値は、次の画面に遷移可能な領域を表示するかどうかの判定に用いられる。
【0093】
図20は、第2画面遷移例の場合の第3生成画面53を説明する図であり、第1画面遷移例を示す図18に対応する。なお、図20において、図18と共通する部分についての説明を省略することがある。
図20に示す第3生成画面53は、第2生成画面52における領域82の操作領域823を操作した場合に、第2生成画面52から遷移する画面例である。
【0094】
図20に示す第3生成画面53の領域91には、「パーツ:転写ベルト」が表示されている。また、領域92は、転写ベルト筋の確認方法を示す領域である。
【0095】
ここで、第2生成画面52の変形例について図21を用いて説明する。
図21は、第2生成画面52の変形例を説明する図であり、図17の第2生成画面52に対応する。
図21に示す変形例では、不具合個所の候補が優先順位を示す並びで表示される領域82において、すべての不具合個所の候補を表示していない。すなわち、優先順位が高い候補のみを表示するとともに、追加表示を行うための操作部824を表示する。ユーザが操作部824を操作することで、第2生成画面52に表示されていない候補が表示される。
【0096】
このように、優先順位が高い候補は、操作部824を操作しなくても第2生成画面52に表示される一方で、優先順位が低い候補は、操作部824を操作しなければ第2生成画面52に表示されない。そして、上述したように、優先順位は、「結果」の項目における数値による。したがって、かかる数値は、不具合の候補についてユーザの操作により表示するかユーザの操作なしで表示するかを判定するのに用いられる。
【0097】
<付記>
(((1)))
プロセッサを備える情報処理システムであり、
前記プロセッサは、
記録媒体に形成された画像についての複数の診断項目の中からユーザが選択した診断項目である選択診断項目の情報を取得し、
前記選択診断項目に対応付けられた複数の不具合個所の候補が表示される画面を生成する、
情報処理システム。
(((2)))
前記複数の不具合個所の候補は、前記画面において、前記画像の画質を改善するために行う処置の優先順位を示す並びで表示される、
ことを特徴とする(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記優先順位を示す並びは、前記画像と前記記録媒体に当該画像を形成した際の印刷条件とを基に行う故障個所診断の結果を示す値を用いて行われる、
ことを特徴とする(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記結果を示す値は、当該値に対応する前記不具合個所の候補について、処置方法の記載を含む手順書に導く情報を案内する領域を前記画面に表示するかどうかの判定に用いられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
(((5)))
前記結果を示す値は、前記画面において当該値に応じて色分けして表示される、
ことを特徴とする(((3)))又は(((4)))に記載の情報処理システム。
(((6)))
前記結果を示す値は、前記画面において、図形又は文字の表示態様を定めるのに用いられる、
ことを特徴とする(((3)))乃至(((5)))のいずれか1項に記載の情報処理システム。
(((7)))
前記結果を示す値は、当該値に対応する前記不具合個所の候補についてユーザの操作により表示するかユーザの操作なしで表示するかを判定するのに用いられる、
ことを特徴とする(((3)))乃至(((6)))のいずれか1項に記載の情報処理システム。
(((8)))
前記選択診断項目がユーザにより選択される画面における前記複数の診断項目は、前記画像の画質についての不具合の原因である可能性が高い順位を示す並びで表示される、
ことを特徴とする(((1)))に記載の情報処理システム。
(((9)))
前記可能性が高い順位を示す並びは、前記画像と前記記録媒体に当該画像を形成した際の印刷条件とを基に行う画質診断の結果を示す値を用いて行われる、
ことを特徴とする(((8)))に記載の情報処理システム。
(((10)))
情報処理装置に、
記録媒体に形成された画像についての複数の診断項目の中からユーザが選択した診断項目である選択診断項目の情報を取得する機能と、
前記選択診断項目に対応付けられた複数の不具合個所の候補が表示される画面を生成する機能と、
を実現させるプログラム。
【0098】
(((1)))の発明によれば、各診断項目に対して一つの不具合個所を示す場合に比べ、ユーザの対処方法の選択肢を広げることができる。
(((2)))の発明によれば、複数の不具合箇所の候補は、画面において、画像の画質を改善するために行う処置の優先順位を示す並びで表示される構成を採用しない場合に比べて、画像の画質を改善するために行う処置の選択をユーザが容易に行うことができる。
(((3)))の発明によれば、優先順位を示す並びは、画像と記録媒体に画像を形成した際の印刷条件とを基に行う故障個所診断の結果を示す値を用いて行われる構成を採用しない場合に比べて、より適切な対処方法の選択肢を提供することができる。
(((4)))の発明によれば、結果を示す値は、値に対応する不具合個所の候補について、処置方法の記載を含む手順書に導く情報を案内する領域を画面に表示するかどうかの判定に用いられる構成を採用しない場合に比べて、ユーザが対処方法を選択する際の誤操作を防止することができる。
(((5)))の発明によれば、結果を示す値は、画面において値に応じて色分けして表示される構成を採用しない場合に比べて、ユーザが対処方法を選択する際の画面の視認性を向上させることができる。
(((6)))の発明によれば、結果を示す値は、画面において、図形又は文字の表示態様を定めるのに用いられる構成を採用しない場合に比べて、ユーザが対処方法を選択する際の画面の視認性を向上させることができる。
(((7)))の発明によれば、結果を示す値は、値に対応する不具合個所の候補についてユーザの操作により表示するかユーザの操作なしで表示するかを判定するのに用いられる構成を採用しない場合に比べて、ユーザが対処方法を選択する際の誤操作を防止することができる。
(((8)))の発明によれば、選択診断項目がユーザにより選択される画面における複数の診断項目は、画像の画質についての不具合の原因である可能性が高い順位を示す並びで表示される構成を採用しない場合に比べて、選択診断項目がユーザにより選択される画面における選択をユーザが容易に行うことができる。
(((9)))の発明によれば、可能性が高い順位を示す並びは、画像と記録媒体に画像を形成した際の印刷条件とを基に行う画質診断の結果を示す値を用いて行われる構成を採用しない場合に比べて、選択診断項目がユーザにより選択される画面における選択をユーザが容易に行うことができる。
(((10)))の発明によれば、各診断項目に対して一つの不具合個所を示す場合に比べ、ユーザの対処方法の選択肢を広げることができる。
【符号の説明】
【0099】
11a…CPU、13…診断結果取得部、14…画面生成部、16…選択診断項目情報取得部、200…サーバ装置
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