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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121480
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/196 20220101AFI20240830BHJP
   F24H 1/18 20220101ALI20240830BHJP
   F24H 4/02 20220101ALI20240830BHJP
   F24H 15/14 20220101ALI20240830BHJP
   F24H 15/269 20220101ALI20240830BHJP
   F24H 15/281 20220101ALI20240830BHJP
   F24H 15/335 20220101ALI20240830BHJP
【FI】
F24H15/196 301L
F24H1/18 G
F24H4/02 U
F24H15/14
F24H15/269
F24H15/281
F24H15/335
F24H15/196 301G
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028615
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】及川 学
(72)【発明者】
【氏名】小川 耕平
【テーマコード(参考)】
3L024
3L122
【Fターム(参考)】
3L024CC02
3L024DD27
3L024DD34
3L024EE02
3L024GG50
3L024HH48
3L024HH52
3L122AA02
3L122AA23
3L122AA63
3L122AA64
3L122AA74
3L122AB24
3L122BB03
3L122BB05
3L122BB31
3L122DA12
3L122DA16
3L122DA21
3L122EA42
3L122EA50
3L122FA02
3L122GA09
(57)【要約】
【課題】除菌部による除菌効果を保つ。
【解決手段】給湯装置は、浴槽水を循環させる追焚回路と、追焚回路を循環する浴槽水に対して紫外線を照射することで浴槽水の除菌を行うUV-LEDと、UV-LEDによる照射の実行と停止とを制御する制御部とを備えている。制御部は、UV-LEDの劣化度合いが大きいほど、UV-LEDによって浴槽水を除菌する除菌要求期間Trにおける照射の実行時間(オン時間Tc1)を長くする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽水を循環させる回路(125)と、
前記回路(125)に配置され、前記回路(125)を循環する浴槽水に対して紫外線を照射することで前記浴槽水の除菌を行う除菌部(40)と、
前記除菌部(40)による照射の実行と停止とを制御する制御部(190)と、を備え、
前記制御部(190)は、
前記除菌部(40)の劣化度合いが大きいほど、前記除菌部(40)によって前記浴槽水を除菌する除菌要求期間における、前記除菌部(40)による照射の実行時間を長くする、給湯装置(100)。
【請求項2】
前記制御部(190)は、前記照射の実行時間の累積時間が長いほど、前記劣化度合いが大きいと判断する、請求項1に記載の給湯装置(100)。
【請求項3】
前記制御部(190)は、前記除菌要求期間において、前記照射の実行と停止とを繰り返す間欠照射を行うように前記除菌部(40)を制御する、請求項1に記載の給湯装置(100)。
【請求項4】
前記制御部(190)は、前記劣化度合いが大きいほど、前記間欠照射における1回の照射の実行と1回の照射の停止とからなる1サイクルあたりの前記照射の実行時間の比率を大きくする、請求項3に記載の給湯装置(100)。
【請求項5】
前記制御部(190)は、前記劣化度合いが大きいほど、前記1サイクルの時間を長くする、請求項4に記載の給湯装置(100)。
【請求項6】
前記制御部(190)は、前記劣化度合いによらず、前記1サイクルあたりの前記照射の停止時間を一定にする、請求項4に記載の給湯装置(100)。
【請求項7】
前記制御部(190)は、前記除菌要求期間において、前記照射の実行が1回となるように前記除菌部(40)を制御する、請求項1に記載の給湯装置(100)。
【請求項8】
前記除菌要求期間は、ユーザの入力に基づくものである、請求項1に記載の給湯装置(100)。
【請求項9】
前記回路(125)外に配置され、湯水を貯留する貯湯タンク(21)と、
前記回路(125)外に配置され、前記貯湯タンク(21)内の湯水を加熱する第1熱交換器(12)と、
前記回路(125)に配置され、前記回路(125)において浴槽水を循環させるポンプ(34)と、をさらに備え、
前記制御部(190)は、前記除菌要求期間において、
前記照射の実行時に前記ポンプ(34)を駆動させ、かつ、前記照射の停止時に前記ポンプ(34)を停止させ、
前記劣化度合いが大きいほど、前記貯湯タンク(21)の貯湯量を大きくする、請求項1に記載の給湯装置(100)。
【請求項10】
前記制御部(190)は、前記劣化度合いが大きいほど、前記貯湯タンク(21)内の湯水の温度の目標値を高くする、請求項9に記載の給湯装置(100)。
【請求項11】
前記回路(125)に配置され、前記回路(125)を循環方向(C)に循環する浴槽水を加熱する第2熱交換器(35)をさらに備え、
前記回路(125)において、前記第2熱交換器(35)に対して前記循環方向(C)の上流に前記除菌部(40)が配置された、請求項1に記載の給湯装置(100)。
【請求項12】
前記回路(125)に配置され、前記浴槽水を加熱する第2熱交換器(35)をさらに備え、
前記回路(125)において前記第2熱交換器(35)により加熱された浴槽水を浴槽に戻す追焚運転を実行可能であり、
前記追焚運転の実行期間と前記除菌要求期間とが重なる請求項1に記載の給湯装置(100)。
【請求項13】
前記回路(125)に配置され、前記浴槽水を加熱する第2熱交換器(35)をさらに備え、
前記回路(125)において前記第2熱交換器(35)により加熱された浴槽水を浴槽に戻す追焚運転を実行可能であり、
前記追焚運転の実行期間と前記除菌要求期間とが重ならない、請求項1に記載の給湯装置(100)。
【請求項14】
前記除菌部(40)はUV-LEDである、請求項1~13のいずれか1項に記載の給湯装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の給湯装置は、給水路を通る水に紫外線を照射する紫外線照射装置(除菌部)と、水を加熱する加熱手段と、紫外線照射装置の照射強度の劣化を検出する劣化検出手段と、加熱手段を運転する制御手段(制御部)とを備えている。制御手段は、紫外線照射装置の照射強度の劣化が検出された場合に、加熱殺菌モードで加熱手段を運転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/073866号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、除菌部の劣化度合いが大きい場合に加熱手段を運転することが記載されているが、除菌部による除菌効果を保つ方法は記載されていない。
【0005】
本開示の目的は、除菌部による除菌効果を保つことができる給湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1観点に係る給湯装置は、浴槽水を循環させる回路と、前記回路に配置され、前記回路を循環する浴槽水に対して紫外線を照射することで前記浴槽水の除菌を行う除菌部と、前記除菌部による照射の実行と停止とを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記除菌部の劣化度合いが大きいほど、前記除菌部によって前記浴槽水を除菌する除菌要求期間における、前記除菌部による照射の実行時間を長くする。
【0007】
本開示の第1観点によると、除菌要求期間における照射の実行時間を長くすることで、除菌部による除菌効果を保つことができる。
【0008】
本開示の第2観点に係る給湯装置は、上記第1観点において、前記制御部は、前記照射の実行時間の累積時間が長いほど、前記劣化度合いが大きいと判断する。この場合、劣化度合いを適切に判断できる。
【0009】
本開示の第3観点に係る給湯装置は、上記第1又は第2観点において、前記制御部は、前記除菌要求期間において、前記照射の実行と停止とを繰り返す間欠照射を行うように前記除菌部を制御する。この場合、照射の実行が長時間維持されないことで、除菌部の劣化を抑制できる。
【0010】
本開示の第4観点に係る給湯装置は、上記第3観点において、前記制御部は、前記劣化度合いが大きいほど、前記間欠照射における1回の照射の実行と1回の照射の停止とからなる1サイクルあたりの前記照射の実行時間の比率を大きくする。この場合、間欠照射において、除菌要求期間における照射の実行時間を長くすることができる。
【0011】
本開示の第5観点に係る給湯装置は、上記第4観点において、前記制御部は、前記劣化度合いが大きいほど、前記1サイクルの時間を長くする。この場合、1サイクルあたりの照射の実行時間の比率を大きくしても、それに応じて照射の停止時間を短縮する必要がない。照射の停止時間を確保することで、除菌部の劣化を抑制できる。
【0012】
本開示の第6観点に係る給湯装置は、上記第4又は第5観点において、前記制御部は、前記劣化度合いによらず、前記1サイクルあたりの前記照射の停止時間を一定にする。この場合、1サイクル毎に一定の停止時間を確保することで、除菌部の劣化を抑制できる。
【0013】
本開示の第7観点に係る給湯装置は、上記第1又は第2観点において、前記制御部は、前記除菌要求期間において、前記照射の実行が1回となるように前記除菌部を制御する。この場合、除菌部の制御が容易である。
【0014】
本開示の第8観点に係る給湯装置は、上記第1~第7観点のいずれかにおいて、前記除菌要求期間は、ユーザの入力に基づくものである。この場合、ユーザ所望の除菌を実行できる。
【0015】
本開示の第9観点に係る給湯装置は、上記第1~第8観点のいずれかにおいて、前記回路外に配置され、湯水を貯留する貯湯タンクと、前記回路外に配置され、前記貯湯タンク内の湯水を加熱する第1熱交換器と、前記回路に配置され、前記回路において浴槽水を循環させるポンプと、をさらに備え、前記制御部は、前記除菌要求期間において、前記照射の実行時に前記ポンプを駆動させ、かつ、前記照射の停止時に前記ポンプを停止させ、前記劣化度合いが大きいほど、前記貯湯タンクの貯湯量を大きくする。照射の実行時間を長くすると、浴槽水が回路を循環する時間が長くなる。ひいては、回路を構成する配管を介した放熱量が大きくなり、浴槽水の温度が低下し得る。本構成では、貯湯量を大きくすることで、循環により失われる熱量を補い、浴槽水の温度低下を抑制できる。
【0016】
本開示の第10観点に係る給湯装置は、上記第9観点において、前記制御部は、前記劣化度合いが大きいほど、前記貯湯タンク内の湯水の温度の目標値を高くする。この場合、貯湯タンク内の湯水の量を増やす場合に比べ、貯湯量を大きくするという構成を、水を節約しつつ容易に実現できる。
【0017】
本開示の第11観点に係る給湯装置は、上記第1~第10観点のいずれかにおいて、前記回路に配置され、前記回路を循環方向に循環する浴槽水を加熱する第2熱交換器をさらに備え、前記回路において、前記第2熱交換器に対して前記循環方向の上流に前記除菌部が配置されている。回路において第2熱交換器に対して循環方向の下流に除菌部が配置された場合、第2熱交換器により加熱された比較的高温の湯水が除菌部を通過することで、除菌部が劣化し得る。本構成では、除菌部の劣化を抑制できる。
【0018】
本開示の第12観点に係る給湯装置は、上記第1~第10観点のいずれかにおいて、前記回路に配置され、前記浴槽水を加熱する第2熱交換器をさらに備え、前記回路において前記第2熱交換器により加熱された浴槽水を浴槽に戻す追焚運転を実行可能であり、前記追焚運転の実行期間と前記除菌要求期間とが重なる。この場合、加熱されて浴槽に戻される浴槽水を除菌できる。
【0019】
本開示の第13観点に係る給湯装置は、上記第1~第10観点のいずれかにおいて、前記回路に配置され、前記浴槽水を加熱する第2熱交換器をさらに備え、前記回路において前記第2熱交換器により加熱された浴槽水を浴槽に戻す追焚運転を実行可能であり、前記追焚運転の実行期間と前記除菌要求期間とが重ならない。この場合、加熱されずに浴槽に戻される浴槽水を除菌できる。
【0020】
本開示の第14観点に係る給湯装置は、上記第1~第13観点のいずれかにおいて、前記除菌部はUV-LEDである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の第1実施形態に係る給湯装置の全体構成図である。
図2】本開示の第1実施形態に係る給湯装置の電気的構成を示すブロック図である。
図3】本開示の第1実施形態におけるUV-LEDの電圧波形を示す模式図である。
図4】本開示の第1実施形態において制御部が実行するプログラムを示すフロー図である。
図5】本開示の第1実施形態において制御部が参照するテーブルを示す図である。
図6】本開示の第2実施形態におけるUV-LEDの電圧波形を示す模式図である。
図7】本開示の第2実施形態において制御部が参照するテーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
本開示の第1実施形態に係る給湯装置100について、図1図5を参照して説明する。
【0023】
(1)給湯装置の構成
給湯装置100は、図1に示すように、ヒートポンプユニット110と、貯湯ユニット120と、リモートコントローラ130と、制御部190とを備えている。貯湯ユニット120には、給湯部140、浴槽150及び止水栓160が接続されている。制御部190は、ヒートポンプユニット110に設けられた第1制御ユニット10と、貯湯ユニット120に設けられた第2制御ユニット20とを含む。
【0024】
(1-1)ヒートポンプユニット
ヒートポンプユニット110は、貯湯ユニット120から供給される湯水を加熱し、加熱された湯水を貯湯ユニット120に供給する。貯湯ユニット120は、ヒートポンプユニット110から供給される加熱された湯水を貯留し、貯留されている湯水と、止水栓160から供給される水とを混合して、給湯部140及び浴槽150に供給する。給湯部140は、例えば、蛇口、シャワーヘッド等である。止水栓160は、給水源(図示略)に接続されている。給水源は、例えば水道であり、給湯装置100の外部に設けられている。給水源から止水栓160を介して、貯湯ユニット120に水が供給される。止水栓160の開度に応じて、給水源から貯湯ユニット120に供給される水の量が調整される。
【0025】
ヒートポンプユニット110は、圧縮機11と、水熱交換器12と、膨張弁13と、空気熱交換器14とを備えている。これら要素は、冷媒配管によって環状に接続され、ヒートポンプサイクルを構成する。圧縮機11の吸入口は空気熱交換器14に接続され、圧縮機11の吐出口は水熱交換器12に接続されている。膨張弁13の一端は、水熱交換器12に接続され、膨張弁13の他端は、空気熱交換器14に接続されている。
【0026】
圧縮機11は、モータ11aの駆動により冷媒を圧縮し、圧縮された冷媒を水熱交換器12に送る。
【0027】
水熱交換器12は、圧縮機11から送られる高温の冷媒と、貯湯ユニット120から供給される湯水との間で熱交換を行い、貯湯ユニット120内の湯水を加熱する。
【0028】
膨張弁13は、水熱交換器12により熱交換された冷媒を減圧する。膨張弁13は、例えば、電動膨張弁、キャピラリーチューブ等である。
【0029】
空気熱交換器14は、膨張弁13により減圧された冷媒と、外気との間の熱交換を行い、冷媒を加熱する。空気熱交換器14には、例えば外気ファンによって、外気が供給される。空気熱交換器14により熱交換された冷媒は、圧縮機11に送られる。
【0030】
(1-2)貯湯ユニット
貯湯ユニット120は、貯湯タンク21と、第1排水弁22と、入水弁23と、沸上ポンプ24と、バイパス弁25と、沸上弁26と、第1混合弁27と、第2混合弁28と、減圧弁29と、湯はり電磁弁31と、第2排水弁32と、追焚ポンプ34と、追焚熱交換器35と、UV-LED40とを備えている。これら要素は、湯水が流れる配管L1~L18によって接続されている。
【0031】
貯湯タンク21は、湯水を貯留する。貯湯タンク21には、6つの温度センサT1~T6が設けられている。6つの温度センサT1~T6は、第1温度センサT1、第2温度センサT2、第3温度センサT3、第4温度センサT4、第5温度センサT5及び第6温度センサT6で構成される。第6温度センサT6は、貯湯タンク21の上端面近傍に配置されている。第1~第5温度センサT1~T5は、上から下に向かって間隔を空けて、貯湯タンク21の側面に配置されている。
【0032】
水の密度が温度に応じて変化することにより、貯湯タンク21内の湯水は、上側が高温となり下側が低温となる層を形成する。第2制御ユニット20は、温度センサT1~T6からの信号に基づいて、上下方向における貯湯タンク21内の湯水の温度分布を検出することにより、貯湯量を導出する。貯湯量は、貯湯タンク21内の湯水の熱量を意味し、貯湯タンク21内の湯水の温度及び量に基づくものである。
【0033】
配管L1の一端は、貯湯タンク21の下面に接続され、配管L1の他端は、ヒートポンプユニット110の水熱交換器12の入口に接続されている。配管L1には、貯湯タンク21から水熱交換器12に向かって、入水弁23、沸上ポンプ24及びバイパス弁25が設けられている。入水弁23及びバイパス弁25は、電動三方弁である。
【0034】
配管L2の一端は、配管L1における一端と入水弁23との間の部分に接続され、配管L2の他端は、給湯装置100の外部に配置された排水管に接続されている。配管L2には、第1排水弁22が設けられている。第1排水弁22の開度に応じて、貯湯タンク21から排水管に排出される湯水の量が調整される。
【0035】
配管L3の一端は、ヒートポンプユニット110の水熱交換器12の出口に接続され、配管L3の他端は、沸上弁26に接続されている。沸上弁26は、電動三方弁である。
【0036】
配管L4の一端は、沸上弁26に接続され、配管L4の他端は、貯湯タンク21の上面に接続されている。
【0037】
配管L5の一端は、沸上弁26に接続され、配管L5の他端は、貯湯タンク21の下面に接続されている。
【0038】
配管L6の一端は、バイパス弁25に接続され、配管L6の他端は、配管L3に接続されている。
【0039】
配管L7の一端は、貯湯タンク21の上面に接続され、配管L7の他端は、第1混合弁27に接続されている。第1混合弁27は、電動三方弁である。
【0040】
配管L8の一端は、貯湯タンク21の上面に接続され、配管L8の他端は、第2混合弁28に接続されている。第2混合弁28は、電動三方弁である。
【0041】
配管L9の一端は、貯湯タンク21の下面に接続され、配管L9の他端は、止水栓160に接続されている。配管L9には、減圧弁29が設けられている。減圧弁29の開度に応じて、止水栓160を介して貯湯ユニット120に供給される水の量が調整される。
【0042】
配管L10の一端は、第1混合弁27に接続され、配管L10の他端は、配管L9における一端と減圧弁29との間の部分に接続されている。
【0043】
配管L11の一端は、第2混合弁28に接続され、配管L11の他端は、配管L10に接続されている。
【0044】
配管L12の一端は、第1混合弁27に接続され、配管L12の他端は、給湯部140に接続されている。
【0045】
配管L13の一端は、第2混合弁28に接続され、配管L13の他端は、配管L18に接続されている。配管L13には、湯はり電磁弁31が設けられている。湯はり電磁弁31の開度に応じて、配管L13から配管L18に供給される湯水の量が調整される。
【0046】
配管L14の一端は、配管L13における湯はり電磁弁31と他端との間の部分に接続され、配管L14の他端は、給湯装置100の外部に配置された排水管に接続されている。配管L14には、第2排水弁32が設けられている。第2排水弁32の開度に応じて、配管L13から配管L14を介して排出される湯水の量が調整される。
【0047】
配管L15の一端は、配管L13における一端と湯はり電磁弁31との間の部分に接続され、配管L15の他端は、追焚熱交換器35の入口に接続されている。
【0048】
配管L16の一端は、追焚熱交換器35の出口に接続され、配管L16の他端は、入水弁23に接続されている。
【0049】
配管L17の一端は、浴槽150に接続され、配管L17の他端は、追焚熱交換器35の入口に接続されている。配管L17には、浴槽150から追焚熱交換器35に向かって、追焚ポンプ34及びUV-LED40が設けられている。
【0050】
配管L18の一端は、追焚熱交換器35の出口に接続され、配管L18の他端は、浴槽150に接続されている。
【0051】
追焚熱交換器35、追焚ポンプ34、UV-LED40及び配管L17,18は、追焚回路125を構成する。追焚回路125は、浴槽水(浴槽150内の湯水)を循環させる回路であり、本開示の「回路」に該当する。追焚熱交換器35、追焚ポンプ34及びUV-LED40は、追焚回路125に配置されている。
【0052】
追焚ポンプ34は、追焚回路125において浴槽水を循環方向Cに循環させる。循環方向Cは、浴槽150から配管L17を介して追焚熱交換器35に向かい、追焚熱交換器35から配管L18を介して浴槽150に戻る方向である。追焚ポンプ34は、本開示の「ポンプ」に該当する。
【0053】
追焚熱交換器35は、貯湯タンク21から配管L8,L13,L15を介して供給される高温の湯水と、浴槽150から配管L17を介して供給される低温の浴槽水との間で熱交換を行い、浴槽水を加熱する。追焚熱交換器35は、高温の湯水と低温の湯水とが反対方向に流れて熱交換が行われる、向流式の熱交換器である。追焚熱交換器35は、本開示の「第2熱交換器」に該当する。
【0054】
UV-LED40は、追焚回路125を循環する浴槽水に対して紫外線を照射することで、浴槽水の除菌を行う。UV-LED40による紫外線の照射の実行と停止とは、制御部190によって制御される。UV-LED40は、本開示の「除菌部」に該当する。
【0055】
UV-LED40は、追焚回路125において、追焚熱交換器35に対して循環方向Cの上流に配置されている。UV-LED40は、熱の影響を受けて劣化する。本構成では、追焚熱交換器35により加熱された湯水がUV-LED40を通ることがないため、UV-LED40の熱による劣化を抑制できる。
【0056】
貯湯タンク21及び水熱交換器12は、追焚回路125外に配置されている。水熱交換器12は、貯湯タンク21内の湯水を加熱するものであり、本開示の「第1熱交換器」に該当する。
【0057】
(1-3)制御部
制御部190は、図2に示すように、圧縮機11、膨張弁13、入水弁23、沸上ポンプ24、バイパス弁25、沸上弁26、第1混合弁27、第2混合弁28、減圧弁29、湯はり電磁弁31、第2排水弁32、追焚ポンプ34及びUV-LED40と、電気的に接続されている。制御部190は、リモートコントローラ130及び/又はセンサ(図示略)からの信号に基づいて、これら要素を制御する。センサは、温度センサ、流量センサ等を含む。
【0058】
制御部190を構成する第1制御ユニット10及び第2制御ユニット20は、制御演算装置及び記憶装置を備えるマイクロコンピュータと、入出力回路とを含む。制御演算装置は、CPU、GPU等のプロセッサである。制御演算装置は、記憶装置に記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムにしたがって、給湯装置100の制御を行う。制御演算装置は、制御プログラムにしたがって、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0059】
制御部190の構成は、上記のものに限られない。例えば、第1制御ユニット10及び第2制御ユニット20は、互いに通信を行って協調動作を行ってもよい。また、給湯装置100は、第1制御ユニット10及び第2制御ユニット20を備える代わりに、第1制御ユニット10及び第2制御ユニット20の両方の機能を有しかつヒートポンプユニット110及び貯湯ユニット120のいずれか一方に設けられる装置を備えてもよい。当該装置は、給湯装置100の外部に設けられ、ヒートポンプユニット110及び貯湯ユニット120とネットワークを介して接続されてもよい。
【0060】
(1-4)リモートコントローラ
リモートコントローラ130は、給湯装置100のユーザインターフェースである。リモートコントローラ130は、例えば、台所及び浴室に設置される。リモートコントローラ130は、制御部190と、無線通信又は有線通信により双方向にデータ通信可能に接続されている。
【0061】
リモートコントローラ130は、表示部130a及び操作部130bを有する。
【0062】
表示部130aは、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。表示部130aは、給湯装置100の状態に関する状態情報、給湯装置100の設定に関する設定情報等を表示する。状態情報は、例えば、貯湯タンク21の貯湯量である。設定情報は、例えば、給湯部140及び浴槽150に供給される湯水の温度(給湯温度)の設定値である。
【0063】
操作部130bは、給湯装置100のユーザが操作するためのボタン、ダイヤル、キー等を含む。給湯装置100のユーザは、操作部130bを操作して、給湯温度の設定値、除菌要求期間等の情報を入力する。除菌要求期間は、UV-LED40によって浴槽水を除菌する期間である。
【0064】
リモートコントローラ130は、操作部130bを介して入力された情報を示す信号を制御部190に送信し、制御部190から受信した信号に基づく情報を表示部130aに表示させる。
【0065】
リモートコントローラ130は、表示部130a及び操作部130bを有する代わりに、表示部130a及び操作部130bの両方の機能を兼ね備えるタッチスクリーンを有してもよい。
【0066】
リモートコントローラ130は、スピーカ、マイク等をさらに有してもよい。この場合、スピーカは、表示部130aに表示される情報を報知してよい。マイクは、操作部130bを介して入力される情報を取得してよい。
【0067】
リモートコントローラ130の他、給湯装置100のユーザインターフェースとして、スマートフォン等の携帯情報端末が用いられてもよい。
【0068】
(2)給湯装置の動作
給湯装置100は、沸上運転、給湯運転、湯はり運転及び追焚運転を実行可能である。制御部190は、給湯装置100が実行するこれらの運転を制御する。
【0069】
(2-1)沸上運転
沸上運転とは、ヒートポンプユニット110により貯湯タンク21内の湯水を加熱する運転である。沸上運転では、貯湯タンク21内の湯水が、沸上ポンプ24の駆動により配管L1,L3,L4,L5を介して循環し、水熱交換器12において加熱される。具体的には、貯湯タンク21内の湯水は、配管L1を介して水熱交換器12に案内され、水熱交換器12において加熱される。水熱交換器12において加熱された湯水は、配管L3,L4,L5を介して、貯湯タンク21に戻される。
【0070】
制御部190は、沸上弁26を制御することで、水熱交換器12から配管L4を介して貯湯タンク21内に湯水が戻される状態と、水熱交換器12から配管L5を介して貯湯タンク21に湯水が戻される状態と、を切り替えることができる。制御部190は、配管L1が配管L16と連通しないように入水弁23を制御し、配管L1が配管L6と連通しないようにバイパス弁25を制御する。
【0071】
沸上運転中、制御部190は、圧縮機11のモータ11aの運転周波数、及び、膨張弁13の開度を制御することで、水熱交換器12から配管L3に供給される湯水の温度(出湯温度)等を調整する。制御部190は、沸上ポンプ24の回転数を制御することで、出湯温度、貯湯量、貯湯タンク21に供給される湯水の流量(貯留流量)等を調整する。制御部190は、出湯温度、貯湯量及び貯留流量が目標値になるように、圧縮機11のモータ11aの運転周波数、膨張弁13の開度、沸上ポンプ24の回転数等をフィードバック制御してもよい。
【0072】
(2-2)給湯運転
給湯運転とは、貯湯タンク21内の湯水を給湯部140に供給する運転である。給湯運転では、給湯部140が開かれることにより、給湯装置100の外部に設けられた給水源からの水が、給水圧力により止水栓160及び配管L9を介して、貯湯タンク21の下部から貯湯タンク21内に供給される。これにより、貯湯タンク21の上部から、貯湯タンク21内の高温の湯水が配管L7を介して第1混合弁27に供給される。
【0073】
配管L7を介して貯湯タンク21内の高温の湯水が第1混合弁27に供給されると共に、止水栓160、配管L9,L10を介して給湯装置100の外部に設けられた給水源からの水が第1混合弁27に供給される。第1混合弁27において、貯湯タンク21内の高温の湯水と、給水源からの水とが、混合される。混合された湯水は、配管L12を介して給湯部140に供給される。
【0074】
ユーザによって給湯部140が開かれる(例えば、給湯部140が蛇口である場合、蛇口の栓が開かれる)と、配管L12内の湯水の流量が増加する。制御部190は、当該流量の増加を検出すると、給湯運転を開始させる。
【0075】
給湯運転中、制御部190は、給湯部140に供給される湯水の温度に応じて、第1混合弁27における高温の湯水と水との混合比を制御する。制御部190は、給湯部140に供給される湯水の温度が目標値になるように、第1混合弁27における高温の湯水と水との混合比をフィードバック制御してもよい。
【0076】
(2-3)湯はり運転
湯はり運転とは、貯湯タンク21内の湯水を浴槽150に供給する運転である。湯はり運転では、湯はり電磁弁31が開かれることにより、給湯装置100の外部に設けられた給水源からの水が、給水圧力により止水栓160及び配管L9を介して、貯湯タンク21の下部から貯湯タンク21内に供給される。これにより、貯湯タンク21の上部から、貯湯タンク21内の高温の湯水が配管L8を介して第2混合弁28に供給される。
【0077】
配管L8を介して貯湯タンク21内の高温の湯水が第2混合弁28に供給されると共に、止水栓160、配管L9,L10,L11を介して給湯装置100の外部に設けられた給水源からの水が第2混合弁28に供給される。第2混合弁28において、貯湯タンク21内の高温の湯水と、給水源からの水とが、混合される。混合された湯水は、配管L13,L18を介して浴槽150に供給される。
【0078】
制御部190は、ユーザによる操作部130bの操作によって湯はり運転の開始信号を受信すると、電磁弁31を開く。電磁弁31が開かれると、配管L13内の湯水の流量が増加する。制御部190は、当該流量の増加を検出すると、湯はり運転を開始させる。上記操作は、例えば、操作部130bが有する「ふろ自動」ボタンの押下をいう。
【0079】
湯はり運転中、制御部190は、浴槽150に供給される湯水の温度に応じて、第2混合弁28における高温の湯水と水との混合比を制御する。制御部190は、浴槽150内に供給される湯水の温度が目標値になるように、第2混合弁28における高温の湯水と水との混合比をフィードバック制御してもよい。
【0080】
制御部190は、湯はり運転中に、ユーザによる操作部130bの操作によって湯はり運転の終了信号を受信するか、或いは、浴槽150の水位が目標値になると、湯はり電磁弁31を閉じ、湯はり運転を終了させる。
【0081】
(2-4)追焚運転
追焚運転とは、追焚回路125において、浴槽水を循環させると共に、浴槽水を加熱する運転である。追焚運転では、浴槽150内の湯水の一部が、追焚ポンプ34の駆動により配管L17,L18を介して循環し、追焚熱交換器35において加熱される。具体的には、浴槽150内の湯水の一部は、配管L17を介して追焚熱交換器35に案内され、追焚熱交換器35において加熱される。追焚熱交換器35において加熱された湯水は、配管L18を介して浴槽150に戻される。
【0082】
制御部190は、ユーザによる操作部130bの操作によって追焚運転の開始信号を受信すると、配管L1が配管L16と連通するように入水弁23を制御し、沸上ポンプ24及び追焚ポンプ34を駆動させて、追焚運転を開始させる。例えば、湯はり運転の終了時に、追焚運転が開始される。
【0083】
追焚運転中、制御部190は、浴槽150内の湯水の温度、及び、追焚熱交換器35から浴槽150に戻される湯水の温度に応じて、沸上ポンプ24及び追焚ポンプ34の回転数を制御する。制御部190は、浴槽150内の湯水の温度が目標値になるように、沸上ポンプ24及び追焚ポンプ34の回転数をフィードバック制御してもよい。
【0084】
制御部190は、追焚運転中に、ユーザによる操作部130bの操作によって追焚運転の終了信号を受信するか、或いは、浴槽150内の湯水の温度が目標値になると、配管L1が配管L16と連通しないように入水弁23を制御し、追焚ポンプ34を停止させて、追焚運転を終了させる。
【0085】
(3)除菌
制御部190は、追焚回路125を浴槽水が循環する間、UV-LED40を制御し、浴槽水に対して紫外線を照射させることで、浴槽水の除菌を行わせる。
【0086】
例えば、ユーザによる操作部130bの「ふろ自動」ボタンの押下に応じて、湯はり運転が開始され、浴槽150の水位が目標値になると、湯はり運転が終了する。湯はり運転の終了時に、追焚運転が開始されると共に、UV-LED40によって浴槽水を除菌する期間である除菌要求期間が開始する。この場合、追焚運転の実行期間と除菌要求期間とが重なる。
【0087】
或いは、ユーザによる操作部130bの「除菌」ボタンの押下に応じて、除菌要求期間が開始する。この場合、追焚運転の実行期間と除菌要求期間とが重ならない。
【0088】
制御部190は、リモートコントローラ130から受信した信号(ユーザによる操作部130bの操作内容に基づく信号)に基づいて、除菌要求期間を決定する。除菌要求期間は、ユーザの入力に基づくものである。
【0089】
例えば、ユーザが予め、湯はり運転の終了後に除菌を継続させる時間(15時間等)を、制御部190の記憶装置に記憶させる。制御部190は、ユーザによる操作部130bの「ふろ自動」ボタンの押下に応じた信号を、リモートコントローラ130から受信すると、記憶装置に記憶された時間を除菌要求期間と決定する。
【0090】
或いは、操作部130bは、「除菌」ボタンに加え、時間(5時間、10時間、15時間等)を示す複数の選択ボタンを含む。ユーザは、「除菌」ボタンの押下後、さらに複数の選択ボタンのいずれかを押下することができる。制御部190は、ユーザによる操作部130bの「除菌」ボタンと複数の選択ボタンのいずれかとの押下に応じた信号を、リモートコントローラ130から受信すると、選択ボタンが示す時間を除菌要求期間と決定する。或いは、表示部130aがタッチパネル式であり、表示部130aに表示された設定画面上で除菌要求期間を設定可能であってもよい。
【0091】
除菌要求期間は、UV-LED40による紫外線照射の実行時間のみならず、紫外線照射の停止時間を含んでよい。
【0092】
本実施形態では、除菌要求期間において、制御部190は、紫外線の照射の実行と停止とを繰り返す間欠照射を行うように、UV-LED40を制御する(図3参照)。
【0093】
図3において、縦軸はUV-LED40に印加される電圧であり、横軸は時間である。除菌要求期間Trの開始時点t0に、UV-LED40に電圧Vhが印加され、UV-LED40による紫外線の照射が開始される。UV-LED40に電圧Vhが印加される間(オン時間Tc1)、UV-LED40による紫外線の照射の実行が維持される。その後、UV-LED40の電圧が0となる間(オフ時間Tc2)、UV-LED40による紫外線の照射が停止される。オン時間Tc1における1回の照射の実行と、オフ時間Tc2における1回の照射の停止と、からなる時間Tcのサイクルが、除菌要求期間Trの終了時点まで、複数回繰り返される。
【0094】
制御部190は、UV-LED40による紫外線の照射の実行時(オン時間Tc1)に、追焚ポンプ34を駆動させる。これにより、配管L17を流れる浴槽水に対し、紫外線が照射される。制御部190は、UV-LED40による紫外線の照射の停止時(オフ時間Tc2)に、追焚ポンプ34を停止させる。
【0095】
時間Tc,Tc1,Tc2は、一定ではなく、UV-LED40の劣化度合いに応じて決定される。UV-LED40の劣化度合いとは、UV-LED40によって照射される紫外線の強度の劣化度合いをいう。
【0096】
制御部190は、例えば除菌要求期間の開始前に、図4に示すプログラムを実行する。
【0097】
図4に示すプログラムにおいて、制御部190は、先ず、UV-LED40による照射の実行時間の累積時間Tiを取得する(S1)。累積時間Tiは、UV-LED40が新品で使用を開始されてからの、UV-LED40に電圧Vhが印加される時間(オン時間Tc1)の累積時間である。或いは、累積時間Tiは、除菌要求期間Trの累積時間であってもよい。
【0098】
例えば、制御部190は、除菌要求期間毎のUV-LED40による照射の実行時間を、累積して記憶装置に記憶させる。この場合、制御部190は、S1において、記憶装置から累積時間Tiを読み出すことで、累積時間Tiを取得する。
【0099】
或いは、制御部190は、除菌要求期間毎のUV-LED40による照射の実行時間を、個別に記憶装置に記憶させる。この場合、制御部190は、S1において、記憶装置から除菌要求期間毎の実行時間を読み出し、当該実行時間を加算することで、累積時間Tiを取得する。
【0100】
S1の後、制御部190は、S1で取得した累積時間Tiに基づいて、1サイクルの時間Tc、1サイクルあたりの照射の実行時間(オン時間Tc1)、1サイクルあたりの照射の停止時間(オフ時間Tc2)、及び、貯湯量を決定する(S2)。
【0101】
S2の後、制御部190は、当該プログラムを終了する。制御部190は、除菌要求期間において、S2で決定された条件で各部を制御する。
【0102】
S2において、制御部190は、記憶装置に記憶されたテーブル(図5参照)を参照する。
【0103】
図5に示すように、制御部190は、累積時間Tiが長いほど、UV-LED40の劣化度合いが大きいと判断する。
【0104】
具体的には、累積時間Tiが所定時間Ta以下の場合、制御部190は、UV-LED40の劣化度合いが「小」と判断する。累積時間Tiが所定時間Taを超えかつ所定時間Tb(>Ta)以下の場合、制御部190は、UV-LED40の劣化度合いが「中」と判断する。累積時間Tiが所定時間Tbを超える場合、制御部190は、UV-LED40の劣化度合いが「大」と判断する。
【0105】
図5に示すように、制御部190は、累積時間Tiが長いほど(UV-LED40の劣化度合いが大きいほど)、1サイクルの時間Tcを長くすると共に、1サイクルあたりの照射の実行時間(オン時間Tc1)を長くする。1サイクルあたりの照射の停止時間(オフ時間Tc2)は、累積時間Tiによらず、一定にする。これにより、UV-LED40の劣化度合いが大きいほど、1サイクル(時間Tc)あたりの照射の実行時間(オン時間Tc1)の比率が大きくなり、ひいては、除菌要求期間Trにおける照射の実行時間(オン時間Tc1)が長くなる。
【0106】
具体的には、累積時間Tiが所定時間Ta以下の場合、制御部190は、1サイクルの時間Tcを13分と決定し、1サイクルあたりの照射の実行時間(オン時間Tc1)を3分と決定し、1サイクルあたりの照射の停止時間(オフ時間Tc2)を10分と決定する。累積時間Tiが所定時間Taを超えかつ所定時間Tb以下の場合、制御部190は、1サイクルの時間Tcを15分と決定し、1サイクルあたりの照射の実行時間(オン時間Tc1)を5分と決定し、1サイクルあたりの照射の停止時間(オフ時間Tc2)を10分と決定する。累積時間Tiが所定時間Tbを超える場合、制御部190は、1サイクルの時間Tcを17分と決定し、1サイクルあたりの照射の実行時間(オン時間Tc1)を7分と決定し、1サイクルあたりの照射の停止時間(オフ時間Tc2)を10分と決定する。
【0107】
図5に示すように、制御部190は、累積時間Tiが長い(UV-LED40の劣化度合いが大きい)ほど、貯湯量を大きくする。
【0108】
具体的には、累積時間Tiが所定時間Ta以下の場合、制御部190は、貯湯量をL1と決定する。累積時間Tiが所定時間Taを超えかつ所定時間Tb以下の場合、制御部190は、貯湯量をL2(>L1)と決定する。累積時間Tiが所定時間Tbを超える場合、制御部190は、貯湯量をL3(>L2)と決定する。
【0109】
制御部190は、貯湯量が大きいほど、貯湯タンク21内の湯水の温度の目標値(貯湯タンク21内の湯水の沸上温度)を高くする。制御部190は、貯湯タンク21内の湯水の温度が目標値になるように、圧縮機11のモータ11aの運転周波数、膨張弁13の開度、沸上ポンプ24の回転数等を制御する。
【0110】
(4)本実施形態の効果
以上に述べたように、本実施形態によると、制御部190は、UV-LED40の劣化度合いが大きいほど、除菌要求期間Trにおける照射の実行時間(オン時間Tc1)を長くする(図3図5参照)。これにより、UV-LED40の劣化度合いが大きく、UV-LED40によって照射される紫外線の強度が小さい場合にも、UV-LED40による除菌効果を保つことができる。
【0111】
制御部190は、UV-LED40による照射の実行時間の累積時間Tiが長いほど、UV-LED40の劣化度合いが大きいと判断する(図5参照)。累積時間Tiが長いほど、一般に、紫外線の強度が小さくなる傾向にある。本構成によれば、劣化度合いを適切に判断できる。
【0112】
制御部190は、除菌要求期間において、紫外線の照射の実行と停止とを繰り返す間欠照射を行うように、UV-LED40を制御する(図3参照)。この場合、照射の実行が長時間維持されないことで、UV-LED40の劣化を抑制できる。
【0113】
制御部190は、UV-LED40の劣化度合いが大きいほど、間欠照射における1サイクルあたりの照射の実行時間(オン時間Tc1)の比率を大きくする(図5参照)。この場合、間欠照射において、除菌要求期間Trにおける照射の実行時間を長くすることができる。
【0114】
制御部190は、UV-LED40の劣化度合いが大きいほど、間欠照射における1サイクルの時間Tcを長くする(図5参照)。この場合、1サイクルあたりの照射の実行時間(オン時間Tc1)の比率を大きくしても、それに応じて照射の停止時間(オフ時間Tc2)を短縮する必要がない。照射の停止時間(オフ時間Tc2)を確保することで、UV-LED40の劣化を抑制できる。
【0115】
制御部190は、UV-LED40の劣化度合いによらず、1サイクルあたりの照射の停止時間(オフ時間Tc2)を一定にする(図5参照)。この場合、1サイクル毎に一定の停止時間(オフ時間Tc2)を確保することで、UV-LED40の劣化を抑制できる。
【0116】
除菌要求期間は、ユーザの入力に基づくものである。この場合、ユーザ所望の除菌を実行できる。
【0117】
制御部190は、除菌要求期間において、紫外線の照射の実行時に追焚ポンプ34を駆動させ、かつ、紫外線の照射の停止時に追焚ポンプ34を停止させる。当該構成において、紫外線の照射の実行時間を長くすると、浴槽水が追焚回路125を循環する時間が長くなる。ひいては、追焚回路125を構成する配管L17,18を介した放熱量が大きくなり、浴槽水の温度が低下し得る。そこで、本実施形態において、制御部190は、UV-LED40の劣化度合いが大きいほど、貯湯量を大きくする(図5参照)。貯湯量を大きくすることで、循環により失われる熱量を補い、浴槽水の温度低下を抑制できる。
【0118】
制御部190は、UV-LED40の劣化度合いが大きいほど、貯湯タンク21内の湯水の温度の目標値を高くする。この場合、貯湯タンク21内の湯水の量を増やす場合に比べ、貯湯量を大きくするという構成を、水を節約しつつ容易に実現できる。
【0119】
追焚回路125において、追焚熱交換器35に対して循環方向Cの上流にUV-LED40が配置されている(図1参照)。追焚回路125において、追焚熱交換器35に対して循環方向Cの下流にUV-LED40が配置された場合、追焚熱交換器35により加熱された比較的高温の湯水がUV-LED40を通過することで、UV-LED40が劣化し得る。本構成では、UV-LED40の劣化を抑制できる。
【0120】
追焚運転の実行期間と除菌要求期間とが重なる場合、加熱されて浴槽150に戻される浴槽水を除菌できる。
【0121】
追焚運転の実行期間と除菌要求期間とが重ならない場合、加熱されずに浴槽150に戻される浴槽水を除菌できる。
【0122】
<第2実施形態>
本開示の第2実施形態に係る給湯装置について、図6及び図7を参照して説明する。
【0123】
本実施形態に係る給湯装置は、UV-LED40の駆動手法と、S2で制御部190が参照するテーブルとを除き、第1実施形態に係る給湯装置100と同じである。
【0124】
第1実施形態では、除菌要求期間において、制御部190は、紫外線の照射の実行と停止とを繰り返す間欠照射を行うように、UV-LED40を制御する(図3参照)。第2実施形態では、除菌要求期間において、制御部190は、紫外線の照射の実行が1回となるように、UV-LED40を制御する(図6参照)。
【0125】
図6において、縦軸はUV-LED40に印加される電圧であり、横軸は時間である。除菌要求期間Trの開始時点t0に、UV-LED40に電圧Vhが印加され、UV-LED40による紫外線の照射が開始される。UV-LED40に電圧Vhが印加される間(オン時間T1)、UV-LED40による紫外線の照射の実行が維持される。その後、UV-LED40の電圧が0となる間(オフ時間T2)、UV-LED40による紫外線の照射が停止される。除菌要求期間Trは、1回の照射の実行時間(オン時間T1)と、その後の1回の照射の停止時間(オフ時間T2)とを含む。
【0126】
S2において、制御部190は、記憶装置に記憶されたテーブル(図7参照)を参照する。以下、第1実施形態のテーブル(図5参照)と異なる点について説明する。
【0127】
図7に示すように、制御部190は、累積時間Tiが長いほど(UV-LED40の劣化度合いが大きいほど)、オン時間T1を長くすると共に、オフ時間T2を短くする。
【0128】
具体的には、累積時間Tiが所定時間Ta以下の場合、制御部190は、オン時間T1を除菌要求期間Trの0.5倍と決定し、オフ時間T2を除菌要求期間Trの0.5倍と決定する。累積時間Tiが所定時間Taを超えかつ所定時間Tb以下の場合、制御部190は、オン時間T1を除菌要求期間Trの0.6倍と決定し、オフ時間T2を除菌要求期間Trの0.4倍と決定する。累積時間Tiが所定時間Tbを超える場合、制御部190は、オン時間T1を除菌要求期間Trの0.7倍と決定し、オフ時間T2を除菌要求期間Trの0.3倍と決定する。
【0129】
以上に述べたように、本実施形態によると、除菌要求期間Trにおいて、制御部190は、紫外線の照射の実行が1回となるように、UV-LED40を制御する(図6参照)。この場合、例えば第1実施形態のように間欠照射を行うようにUV-LED40を制御する場合に比べ、UV-LED40の制御が容易である。
【0130】
<変形例>
除菌部は、上述の実施形態ではUV-LEDであるが、これに限定されない。除菌部は、例えばUVランプであってもよい。
【0131】
除菌部の劣化度合いの判断基準は、上述の実施形態では照射の実行時間の累積時間であるが、これに限定されない。例えば、除菌部の劣化度合いの判断基準は、除菌部による照射の照度であってもよい。この場合、制御部は、除菌部による照射の照度が低いほど、除菌部の劣化度合いが大きいと判断してよい。
【0132】
上述の実施形態では、除菌部の劣化度合いが3段階(小、中、大)で判断されるが、これに限定されない。除菌部の劣化度合いが、2段階(小、大)、又は、4段階以上で判断されてもよい。
【0133】
上述の実施形態において、制御部は、テーブルを参照して照射の実行時間等を決定するが、これに限定されない。例えば、制御部は、記憶装置に記憶された式に基づいて、実行時間等を決定してもよい。
【0134】
制御部は、除菌要求期間の開始前だけでなく、除菌要求期間中に、除菌部の劣化度合いに応じて照射の実行時間等を決定してもよい。この場合、除菌要求期間中に、照射の実行時間等が変更され得る。
【0135】
上述の実施形態において、制御部は、1サイクルあたりの照射の実行時間の比率を大きくするため、オフ時間Tc2を一定として、オン時間Tc1を長くするが、これに限定されない。例えば、オン時間Tc1を一定として、オフ時間Tc2を短くしてもよい。
【0136】
第2実施形態において、除菌要求期間は、1回の照射の実行時間(オン時間T1)と、その後の1回の照射の停止時間(オフ時間T2)とを含むが、除菌要求期間において照射の実行が1回となる限りは、これに限定されない。例えば、除菌要求期間は、1回の照射の停止時間(オフ時間T2)と、その後の1回の照射の実行時間(オン時間T1)とを含んでよい。或いは、除菌要求期間は、照射の停止時間(オフ時間T2)と、その後の1回の照射の実行時間(オン時間T1)と、その後の照射の停止時間(オフ時間T2)とを含んでもよい。
【0137】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0138】
12 水熱交換器(第1熱交換器)
21 貯湯タンク
34 追焚ポンプ(ポンプ)
35 追焚熱交換器(第2熱交換器)
40 UV-LED(除菌部)
100 給湯装置
125 追焚回路(回路)
190 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7