(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121484
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】歯科治療廃水処理装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/00 20230101AFI20240830BHJP
【FI】
C02F1/00 J
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028621
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】523070148
【氏名又は名称】末延 総一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】末延 総一郎
(57)【要約】
【課題】歯科治療廃水を一時貯留する廃水容器の離脱作業が容易であり、沈殿物の回収作業全体の作業効率を向上させることができる歯科治療廃水処理装置を提供する。
【解決手段】歯科治療廃水処理装置101は、歯科用チェアユニット1から発生する歯科治療廃水W1の排水経路2の途中に設けられた開口部3に着脱可能に接続される接続部11を有し、接続部11を経由して流入する歯科治療廃水W1を貯留可能な廃水容器10と、廃水容器10の容積を変更するため廃水容器10に設けられた容積変更手段である蛇腹部12を備えている。廃水容器10は、外部から内部を目視可能な透光性を有する素材で形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用チェアユニットから発生する歯科治療廃水の排水経路の途中に設けられた開口部に着脱可能に接続される接続部を有し、前記接続部を経由して流入する歯科治療廃水を貯留可能な廃水容器と、
前記廃水容器の容積を変更するため前記廃水容器に設けられた容積変更手段と、を備え歯科治療廃水処理装置。
【請求項2】
前記容積変更手段が、前記廃水容器に設けられた弾性変形可能または塑性変形可能な蛇腹部である請求項1記載の歯科治療廃水処理装置。
【請求項3】
前記容積変更手段が、前記廃水容器に設けられたスライド式伸縮部である請求項1記載の歯科治療廃水処理装置。
【請求項4】
前記容積変更手段が、前記廃水容器の少なくとも一部に形成された可撓変形部、折り曲げ変形部若しくは伸縮変形部である請求項1記載の歯科治療廃水処理装置。
【請求項5】
前記容積変更手段を機能させて前記廃水容器の容積を変更する作動手段を設けた請求項1~4の何れかの項に記載の歯科治療廃水処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用チェアユニットにおける歯科治療中に発生する歯科治療廃水に含まれる金属を回収する機能を有する歯科廃水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科用チェアユニットにおける歯科治療中に発生する歯科治療廃水に含まれる金属を回収する技術については、従来、様々な提案がなされているが、本発明に関連するものとして、例えば、特許文献1に記載された歯科治療廃水処理システムなどがある。
【0003】
特許文献1記載の歯科治療廃水処理システムは、歯科治療時に生じた歯牙、金属粉、レジンの切削物、唾液、血液、肉片、薬剤のような汚物、洗浄水を含む廃水を歯科用吸引装置により吸引するバキュームチップと、バキュームチップにより吸引した廃水と空気について、その流れを下向きの渦巻き形状に変え、この廃水に含まれた金属粉、歯牙片を沈降分離させて回収する沈殿物沈降分離回収器と、沈殿物沈降分離回収器により吸引した廃水について、ヘドロと、沈降分離されなかった金属粉が含有する廃水とに分離する分離器と、分離器で分離された廃水中から金属粉を回収する金属回収器と、を備えている。
【0004】
前記歯科治療廃水処理システムは、大量の廃水を迅速に処理することができ、廃水中から金属、貴金属を効率良く回収することができるという長所を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された歯科治療廃水処理システムにおいて、歯科治療廃水処理システム11を構成する沈殿物沈降分離回収器11のボトル12の底部に溜まった沈殿物を回収する場合、特許文献1の
図7(c)に記載されているように、ボトル12をキャップ部13から離脱させる必要がある。
【0007】
このとき、ボトル12内に貯留された廃水の水面は、
図7(b)に記載されているように、ボトル12の上縁開口部近くの高さに位置しているため、ボトル12の離脱作業中にボトル12が傾くと、廃水がボトル12の上縁開口部から溢れる可能性が高い。
【0008】
ボトル12上縁開口部から廃水が溢れると、ボトル12の下方及びその周囲に廃水が散逸するため、衛生上の問題が生じることがある。このため、ボトル12の離脱作業はボトル12を傾けないように慎重に行う必要があり、作業性が悪く、沈殿物回収作業全体の作業効率を低下させる要因となっている。
【0009】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、歯科治療廃水を一時貯留する廃水容器の離脱作業が容易であり、沈殿物回収作業全体の作業効率を向上させることができる歯科治療廃水処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る歯科治療廃水処理装置は、歯科用チェアユニットから発生する歯科治療廃水の排水経路の途中に設けられた開口部に着脱可能に接続される接続部を有し、前記接続部を経由して流入する歯科治療廃水を貯留可能な廃水容器と、
前記廃水容器の容積を変更するため前記廃水容器に設けられた容積変更手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
前記歯科治療廃水処理装置においては、前記容積変更手段として、前記廃水容器に弾性変形可能または塑性変形可能な蛇腹部を設けことができる。
【0012】
前記歯科治療廃水処理装置においては、前記容積変更手段として、前記廃水容器にスライド式伸縮部を設けることができる。
【0013】
前記歯科治療廃水処理装置においては、前記容積変更手段として、前記廃水容器の少なくとも一部に可撓変形部、折り曲げ変形部若しくは伸縮変形部を設けることができる。
【0014】
前記歯科治療廃水処理装置においては、前記容積変更手段を機能させて前記廃水容器の容積を変更する作動手段を設けることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、歯科治療廃水を一時貯留する廃水容器の離脱作業性が良好であり、沈殿物の回収作業全体の作業効率を向上させることができる歯科治療廃水処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態である歯科治療廃水処理装置の概略構成を示す一部省略正面図である。
【
図2】その他の実施形態である歯科治療廃水処理装置の概略構成を示す一部省略正面図である。
【
図3】その他の実施形態である歯科治療廃水処理装置の概略構成を示す一部省略正面図である。
【
図4】
図3中の矢線Aで示す部分の一部省略垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、
図1~
図4に基づいて、本発明の実施形態である歯科治療廃水処理装置101,102,103について説明する。
【0018】
初めに、
図1に基づいて、歯科治療廃水処理装置101の構造について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る歯科治療廃水処理装置101は、歯科用チェアユニット1から発生する歯科治療廃水W1の排水経路2の途中に設けられた開口部3に着脱可能に接続される接続部11を有し、接続部11を経由して流入する歯科治療廃水W1を貯留可能な廃水容器10と、廃水容器10の容積を変更するため廃水容器10に設けられた容積変更手段である蛇腹部12を備えている。廃水容器10は、外部から内部の状態を目視可能な透光性を有する素材で形成されているが、これに限定するものではない。
【0019】
廃水容器10は略筒形状をなし、上端開口部10aと対向する下方部分に下端開口部10bが設けられ、下端開口部10bに有底短筒状の沈殿物回収容器13が着脱可能に取り付けられている。廃水容器10は、開口部3から流入した歯科治療廃水W1を貯留する機能を有し、上端開口部10aと下端開口部10bとの間に蛇腹部12を有している。蛇腹部12は矢線Y1,Y2方向(鉛直方向)に弾性的に伸縮可能であり、廃水容器10の容積を変更する(増減する)機能を有している。
【0020】
ここで、
図1に基づいて、歯科治療廃水処理装置101の機能について説明する。
図1に示すように、廃水容器10が空状態のとき、蛇腹部12は垂下方向(鉛直方向)の長さが最小になるように収縮した状態にある。歯科用チェアユニット1にて発生する歯科治療廃水W1が排水経路2、開口部3及び接続部11を経由して廃水容器10内に流入すると、廃水容器10内に貯留される歯科治療廃水W1の自重により蛇腹部12は徐々に重力方向に弾性的に伸展するので、廃水容器10の容積は徐々に増大していく。
【0021】
図1中の二点鎖線で示すように蛇腹部12が弾性限度まで伸展すると、廃水容器10はその状態に保たれるので、この後、開口部3を経由して廃水容器10内に流入する歯科治療廃水W1によって廃水容器10内の貯留水W2の体積は増加するが、増加分に相当する貯留水W2は開口部3と排水経路2との境界に位置する開口部3の上縁部3aから溢流して排水経路2の下流側へ流出し、所定の排水処理施設(図示せず)へ送給される。
【0022】
廃水容器10内の貯留水W2中に含まれている貴金属などは、時間経過とともに水との比重差により徐々に沈降していき、最下部にある沈殿物回収容器13内に沈殿する。なお、歯科用チェアユニット1から発生する歯科治療廃水W1の大半は患者のうがい水程度の少ない水量であるため、廃水容器10内に流入する歯科治療廃水W1によって廃水容器10内の貯留水W2が撹拌されて沈殿物が舞い上がったりたり、排水経路2から開口部3に流入した歯科治療廃水W1が廃水容器10内に貯留されることなく、貴金属などを含んだ状態のまま排水経路2の下流側へ流出したりすることはない。
【0023】
沈殿物回収容器13内に沈殿した貴金属などが所定量に達したり、所定の時間が経過したりしたら、歯科用チェアユニット1の使用を止め、排水経路2への歯科治療廃水W1の排出を停止した後、沈殿物回収容器13の底部を矢線Y1方向へ持ち上げるなどの操作を行って廃水容器10の蛇腹部12を収縮させる。これにより、廃水容器10の容積は減少するので、廃水容器10内の貯留水W2の上方部分は開口部3の上縁部3aを経由して溢流し、排水経路2の下流側へ流出する。
【0024】
廃水容器10内の貯留水W2の上方部分が開口部3の上縁部3aを経由して流出した後、沈殿物回収容器13の底部を持ち上げている力を解除すると、廃水容器10内に残留している貯留水W2の自重により蛇腹部12が矢線Y2方向へ伸展するので、これに伴い、廃水容器10内の貯留水W2の水面の位置(水位WL)は、接続部11の上端開口部10aから下方へ離れた位置まで下降する。
【0025】
従って、廃水容器10の上端開口部10aを開口部3の下縁部3bから離脱させる際、廃水容器10が多少傾いたり、揺動したりすることがあっても、廃水容器10内に残留している貯留水W2が上端開口部10aから溢れて散逸するようなことがない。このため、廃水容器10の離脱作業は容易となり、作業性も良好となり、沈殿物回収作業全体の作業効率が向上する。
【0026】
また、開口部3から廃水容器10を離脱させた後、廃水容器10内の貯留水W2を捨て、廃水容器10から沈殿物回収容器13を離脱させると、沈殿物回収容器13内に沈殿している貴金属などを回収することができる。なお、廃水容器10内の貯留水W2はそのまま所定の処理業者へ回収依頼することもできる。
【0027】
一方、沈殿物回収容器13内に沈殿した貴金属などが所定量に達する前であっても、排水経路2への歯科治療廃水W1の排出を停止した後、沈殿物回収容器13の底部を持ち上げるなどの操作を行って廃水容器10の蛇腹部12を収縮させれば、廃水容器10内の貯留水W2を開口部3の上縁部3aから排水経路2の下流側へ流出させることができる。従って、前述した操作により廃水容器10内の貯留水W2の流出作業を時々行えば、貯留水W2の長期停滞を防止することができる。
【0028】
なお、歯科治療廃水処理装置101において、廃水容器10の容積変更手段である弾性変形可能な蛇腹部12は、これに限定するものではないので、廃水容器の容積変更手段として、例えば、塑性変形可能な蛇腹部を設けたり、廃水容器の少なくとも一部に可撓変形部、折り曲げ変形部若しくは伸縮変形部を設けたりすることもできる。
【0029】
廃水容器の少なくとも一部に可撓変形部、折り曲げ変形部若しくは伸縮変形部を設ければ、外部から力を加えて、廃水容器の一部を絞ったり、折り畳んだり若しくは押圧したりすることによって容積を減らすことができるので、廃水容器10の蛇腹部12と同様の作用効果を得ることができる。
【0030】
次に、
図2に基づいて、その他の実施形態である歯科治療廃水処理装置102について説明する。なお、
図2に示す歯科治療廃水処理装置102の構成部分において、
図1に示す歯科治療廃水処理装置101と共通する部分は
図1中に記載した符号と同符号を付して説明を省略する。
【0031】
図2に示すように、歯科治療廃水処理装置102は、廃水容器10の下端開口部10bに着脱可能に取り付けられた沈殿物回収容器13の底面を下支えする支持部材20及び昇降杆21と、昇降杆21を昇降させる作動装置22と、作動装置22を稼働させる制御手段23と、を備えている。
【0032】
制御手段23を操作して、昇降杆21及び支持部材20を下降、上昇させることにより、廃水容器10の蛇腹部12を伸展、収縮させることができるので、廃水容器10の容積変更手段(蛇腹部12)を機能させて廃水容器10の容積を変更する作動手段として機能する。
【0033】
歯科治療廃水処理装置102の使い方は限定しないが、例えば、開口部3を経由して廃水容器10内に流入する歯科治療廃水W1の自重により蛇腹部12は重力方向に自由に弾性伸展できるように支持部材20、昇降杆21及び作動装置22を設定した後、歯科用チェアユニット1の使用を開始すると、歯科治療廃水W1は排水経路2、開口部3及び接続部11を経由して廃水容器10内に流入していく。
【0034】
これに伴い、廃水容器10内の貯留水W2の自重は増大していくが、支持部材20及び昇降杆21は、貯留水W2の自重増大により下降可能であるため、蛇腹部12は重力方向(矢線Y2)に弾性的に伸展し、廃水容器10の容積は徐々に増大していく。
【0035】
沈殿物回収容器13内に沈殿した貴金属などが所定量に達したら、歯科用チェアユニット1の使用を止め、排水経路2への歯科治療廃水W1の排出を停止した後、制御手段23を操作して昇降杆21を介して支持部材20を矢線Y1方向へ上昇させれば、沈殿物回収容器13の底部が上昇し、廃水容器10の蛇腹部12が収縮する。これにより、廃水容器10の容積は減少するので、廃水容器10内の貯留水W2の上方部分は開口部3の上縁部3aを溢流して排水経路2の下流側へ流出する。
【0036】
廃水容器10内の貯留水W2の上方部分が開口部3の上縁部3aを溢流して流出した後、制御手段23を操作して昇降杆21を介して支持部材20を矢線Y2方向へ下降させれば、沈殿物回収容器13の底部が下降し、廃水容器10内に残留している貯留水W2の自重により蛇腹部12が伸展するので、これに伴い、廃水容器10内の貯留水W2の水面(水位)は、上端開口部10aから下方へ離れた位置まで下降する。
【0037】
従って、廃水容器10の上端開口部10aを開口部3の下縁部3bから離脱させる際、廃水容器10が多少傾いたり、揺動したりするようなことがあっても、廃水容器10内に残留している貯留水W2が上端開口部10aから溢れて散逸するようなことがない。このため、廃水容器10の離脱作業は容易となり、作業性も良好となり、沈殿物回収作業全体の作業効率が向上する。
【0038】
また、開口部3から廃水容器10を離脱させた後、廃水容器10内の貯留水W2を捨て、廃水容器10から沈殿物回収容器13を離脱させると、沈殿物回収容器13内に沈殿している貴金属などを回収することができる。なお、廃水容器10内の貯留水W2はそのまま所定の処理業者へ回収依頼することもできる。
【0039】
一方、沈殿物回収容器10内に沈殿した貴金属などが所定量に達する前であっても、排水経路2への歯科治療廃水W1の排出を停止した後、制御手段23を操作し、昇降杆21を介して支持部材20を上昇させれば、沈殿物回収容器13の底部が上昇し、廃水容器10の蛇腹部12が収縮するので、廃水容器10内の貯留水W2を開口部3の上縁部3aから流出させることができる。従って、前述した操作により廃水容器10内の貯留水W2の流出作業を時々行えば、貯留水W2の長期停滞を防止することができる。
【0040】
図2に示す歯科治療廃水処理装置102の使い方や機能は以上の通りであり、
図1に示す歯科治療廃水処理装置101と同様の優れた作用効果を得ることができる。
【0041】
次に、
図3,
図4に基づいて、その他の実施形態である歯科治療廃水処理装置103について説明する。なお、
図3,
図4に示す歯科治療廃水処理装置103の構成部分において、
図1に示す歯科治療廃水処理装置101や
図2に示す歯科治療廃水処理装置102と共通する部分は
図1,
図2中に記載した符号と同符号を付して説明を省略する。
【0042】
図3に示すように、歯科治療廃水処理装置103は、
図2に示す歯科治療廃水処理装置102を構成する廃水容器10の代わりに廃水容器24を備えている。廃水容器24は、筒状の上部容器24aと下部容器24bとで形成されている。
図4に示すように、上部容器24aの外径は下部容器24bの内径より小であり、上部容器24aの下端部24d側を、下部容器24bの上端部24e側から下部容器24b内にスライド可能に嵌入することにより、スライド式伸縮部24cが形成されている。
【0043】
上部容器24aの下端部24dの外周と下部容器24bの内周との間、並びに、下部容器24bの上端部24eの内周と上部容器24aの外周との間には、それぞれ気密保持用のパッキン25,26が配置されている。
【0044】
また、
図3に示すように、下部容器24bの下端開口部24gに沈殿物回収容器27が着脱可能に取り付けられ、上部容器24aの上端開口部24fが排水経路2の開口部3に着脱可能に連結されている。
【0045】
さらに、下部容器24bの下端開口部24gに着脱可能に取り付けられた沈殿物回収容器27の底面を下支えする支持部材20及び昇降杆21と、昇降杆21を昇降させる作動装置22と、作動装置22を作動させる制御手段23と、を備えている。
【0046】
図3に示すように、制御手段23を操作して昇降杆21を介して支持部材20をY2方向へ下降させたり、矢線Y1方向へ上昇させたりすれば、沈殿物回収容器27と共に下部容器24bが下降したり、上昇したりして、スライド式伸縮部24cは矢線Y2,Y1方向(鉛直方向)に伸縮し、これに伴って廃水容器24の容積が増減する。
【0047】
図3に示す歯科治療廃水処理装置103の使い方や機能は
図2に示す歯科治療廃水処理装置102と同様であり、歯科治療廃水処理装置102と同様の優れた作用効果を得ることができる。
【0048】
なお、
図1~
図4に基づいて説明した歯科治療廃水処理装置101,102,103は、本発明に係る歯科治療廃水処理装置を例示するものであり、本発明に係る歯科治療廃水装置は前述した歯科治療廃水処理装置101,102,103に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明に係る歯科治療廃水処理装置は、歯科用チェアユニットを備えた歯科医院や歯科病院などの歯科医療業の分野において広く利用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 歯科用チェアユニット
2 排水経路
3 開口部
3a 上縁部
3b 下縁部
10,24 廃水容器
10a 上端開口部
10b 下端開口部
11 接続部
12 蛇腹部
13,27 沈殿物回収容器
20 支持部材
21 昇降杆
22 作動装置
23 制御手段
24a 上部容器
24b 下部容器
24c スライド式伸縮部
24d 下端部
24e 上端部
101,102,103 歯科治療廃水処理装置
W1 歯科治療廃水
W2 貯留水
WL 水位