IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

特開2024-121502情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
<>
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図2
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図5
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図6
  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121502
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/70 20170101AFI20240830BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240830BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240830BHJP
   G09G 5/38 20060101ALI20240830BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
G06T7/70 Z
G06T7/00 610
G09G5/00 550C
G09G5/00 550X
G09G5/00 510B
G09G5/38 100
H04N5/74 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028643
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】貞富 博一
【テーマコード(参考)】
5C058
5C182
5L096
【Fターム(参考)】
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA26
5C182AA04
5C182AA14
5C182BA14
5C182BA54
5C182BA68
5C182BB01
5C182BB11
5C182CB42
5L096AA06
5L096BA03
5L096CA04
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA51
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】対象物の撮像画像に基づき、情報を投影する投影位置を調整する。
【解決手段】収納棚が有する複数の収納部に収納された部品が取り付けられる対象物の撮像画像を取得する取得部と、前記対象物の基準位置及び基準姿勢のうち少なくとも一方を記憶する記憶部と、前記基準位置に対する、前記取得部によって取得された前記撮像画像における前記対象物の位置の相対差分、及び前記基準姿勢に対する、前記取得部によって取得された前記撮像画像における前記対象物の姿勢の相対差分のうち少なくとも一方を算出する算出部と、前記対象物の、前記位置及び姿勢の前記相対差分のうち少なくとも一方に応じた投影位置への情報の投影を制御する制御部と、を備える、情報処理装置。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納棚が有する複数の収納部に収納された部品が取り付けられる対象物の撮像画像を取得する取得部と、
前記対象物の基準位置及び基準姿勢のうち少なくとも一方を記憶する記憶部と、
前記基準位置に対する、前記取得部によって取得された前記撮像画像における前記対象物の位置の相対差分、及び前記基準姿勢に対する、前記取得部によって取得された前記撮像画像における前記対象物の姿勢の相対差分のうち少なくとも一方を算出する算出部と、
前記対象物の、前記位置及び姿勢の前記相対差分のうち少なくとも一方に応じた投影位置への情報の投影を制御する制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記情報は、前記部品を取り付ける取付部位を作業者に提示するための表示である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記基準位置に対する前記対象物の位置の相対差分は、前記基準位置を表す二次元座標に対する前記対象物の位置を表す二次元座標の差分によって表され、
前記基準姿勢に対する前記対象物の姿勢の相対差分は、前記基準姿勢に対する前記対象物の姿勢の回転量によって表される、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記対象物が前記基準位置及び前記基準姿勢で設置された場合の、前記情報が投影される位置である、基準投影位置をさらに記憶し、
前記制御部は、前記基準投影位置を前記位置及び前記姿勢の前記相対差分だけ移動させた前記投影位置へ前記情報を投影することを制御する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記算出部によって算出された前記位置及び前記姿勢の前記相対差分のうち少なくとも一方が条件を満たさない場合、作業者に対して前記対象物の設置についての情報の通知を制御する通知制御部をさらに備える、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記条件は、前記回転量が閾値未満であるという条件である、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶部は、部品を取り付ける対象として設定された対象物の画像をさらに記憶し、
前記情報処理装置は、
前記取得部によって取得された前記撮像画像における対象物と、前記記憶部に記憶された前記画像における対象物が整合しているか否かを判定する判定部をさらに備える、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記記憶部は、前記部品が前記対象物に正規に取り付けられた状態の画像である正規取付画像をさらに記憶し、
前記取得部は、前記部品が取り付けられた前記対象物の撮像画像である取付後撮像画像をさらに取得し、
前記判定部は、前記正規取付画像と前記取付後撮像画像を比較することにより、前記部品が前記対象物に正規に取り付けられているか否かをさらに判定する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記取得部が取得する前記取付後撮像画像に映る撮像範囲を、前記位置及び前記姿勢の前記相対差分に応じて移動させる、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
収納棚が有する複数の収納部に収納された部品が取り付けられる対象物の撮像画像を取得する取得部と、
前記対象物の基準位置及び基準姿勢のうち少なくとも一方を記憶する記憶部と、
前記基準位置に対する、前記取得部によって取得された前記撮像画像における前記対象物の位置の相対差分、及び前記基準姿勢に対する、前記取得部によって取得された前記撮像画像における前記対象物の姿勢の相対差分のうち少なくとも一方を算出する算出部と、
前記対象物の、前記位置及び姿勢の前記相対差分のうち少なくとも一方に応じた投影位置への情報の投影を制御する制御部と、
を備える、情報処理システム。
【請求項11】
コンピュータにより実行される、
収納棚が有する複数の収納部に収納された部品が取り付けられる対象物の撮像画像を取得する取得するステップと、
前記対象物の基準位置及び基準姿勢のうち少なくとも一方を記憶することと、
前記基準位置に対する、前記撮像画像における前記対象物の位置の相対差分、及び前記基準姿勢に対する、前記撮像画像における前記対象物の姿勢の相対差分のうち少なくとも一方を算出するステップと、
前記対象物の、前記位置及び姿勢の前記相対差分のうち少なくとも一方に応じた投影位置への情報の投影を制御するステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータを、
収納棚が有する複数の収納部に収納された部品が取り付けられる対象物の撮像画像を取得する取得部と、
前記対象物の基準位置及び基準姿勢のうち少なくとも一方を記憶する記憶部と、
前記基準位置に対する、前記取得部によって取得された前記撮像画像における前記対象物の位置の相対差分、及び前記基準姿勢に対する、前記取得部によって取得された前記撮像画像における前記対象物の姿勢の相対差分のうち少なくとも一方を算出する算出部と、
前記対象物の、前記位置及び姿勢の前記相対差分のうち少なくとも一方に応じた投影位置への情報の投影を制御する制御部と、
として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、対象物を撮像した撮像画像を処理することにより、情報を検出する技術が開発されている。例えば、特許文献1には、モデル(対象物)の撮像画像から、モデルの位置または姿勢を検出するための技術が開示されている。
【0003】
一方、複数の収納部を有する収納棚を用いた作業が、様々な分野で行われている。例えば、部品組立作業において、複数の収納部を有する収納棚を部品倉庫として用い、組み立て順序、及び取り出すべき部品等を指示する情報を、プロジェクタによって収納棚の所定の部材に投影する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-128374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、収納棚から取り出した部品を取り付ける対象物に対して、部品の取付位置等の、部品組立作業を支援するための情報を投影することも考えられる。しかし、対象物に対して情報を投影する際に、対象物の置き方によっては投影がずれてしまうため、作業者が投影された情報を正しく認識できない可能性があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、対象物の撮像画像に基づき、情報を投影する投影位置を調整することが可能な、新規かつ改良された技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、収納棚が有する複数の収納部に収納された部品が取り付けられる対象物の撮像画像を取得する取得部と、前記対象物の基準位置及び基準姿勢のうち少なくとも一方を記憶する記憶部と、前記基準位置に対する、前記取得部によって取得された前記撮像画像における前記対象物の位置の相対差分、及び前記基準姿勢に対する、前記取得部によって取得された前記撮像画像における前記対象物の姿勢の相対差分のうち少なくとも一方を算出する算出部と、前記対象物の、前記位置及び姿勢の前記相対差分のうち少なくとも一方に応じた投影位置への情報の投影を制御する制御部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0008】
前記情報は、前記部品を取り付ける取付部位を作業者に提示するための表示であってもよい。
【0009】
前記基準位置に対する前記対象物の位置の相対差分は、前記基準位置を表す二次元座標に対する前記対象物の位置を表す二次元座標の差分によって表され、前記基準姿勢に対する前記対象物の姿勢の相対差分は、前記基準姿勢に対する前記対象物の姿勢の回転量によって表されてもよい。
【0010】
前記記憶部は、前記対象物が前記基準位置及び前記基準姿勢で設置された場合の、前記情報が投影される位置である、基準投影位置をさらに記憶し、前記制御部は、前記基準投影位置を前記位置及び前記姿勢の前記相対差分だけ移動させた前記投影位置へ前記情報を投影することを制御してもよい。
【0011】
前記情報処理装置は、前記算出部によって算出された前記位置及び前記姿勢の前記相対差分のうち少なくとも一方が条件を満たさない場合、作業者に対して前記対象物の設置についての情報の通知を制御する通知制御部をさらに備えてもよい。
【0012】
前記条件は、前記回転量が閾値未満であるという条件であってもよい。
【0013】
前記記憶部は、部品を取り付ける対象として設定された対象物の画像をさらに記憶し、前記情報処理装置は、前記取得部によって取得された前記撮像画像における対象物と、前記記憶部に記憶された前記画像における対象物が整合しているか否かを判定する判定部をさらに備えてもよい。
【0014】
前記記憶部は、前記部品が前記対象物に正規に取り付けられた状態の画像である正規取付画像をさらに記憶し、前記取得部は、前記部品が取り付けられた前記対象物の撮像画像である取付後撮像画像をさらに取得し、前記判定部は、前記正規取付画像と前記取付後撮像画像を比較することにより、前記部品が前記対象物に正規に取り付けられているか否かをさらに判定してもよい。
【0015】
前記制御部は、前記取得部が取得する前記取付後撮像画像に映る撮像範囲を、前記位置及び前記姿勢の前記相対差分に応じて移動させてもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、収納棚が有する複数の収納部に収納された部品が取り付けられる対象物の撮像画像を取得する取得部と、前記対象物の基準位置及び基準姿勢のうち少なくとも一方を記憶する記憶部と、前記基準位置に対する、前記取得部によって取得された前記撮像画像における前記対象物の位置の相対差分、及び前記基準姿勢に対する、前記取得部によって取得された前記撮像画像における前記対象物の姿勢の相対差分のうち少なくとも一方を算出する算出部と、前記対象物の、前記位置及び姿勢の前記相対差分のうち少なくとも一方に応じた投影位置への情報の投影を制御する制御部と、を備える、情報処理システムが提供される。
【0017】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、コンピュータにより実行される、収納棚が有する複数の収納部に収納された部品が取り付けられる対象物の撮像画像を取得する取得するステップと、前記対象物の基準位置及び基準姿勢のうち少なくとも一方を記憶することと、前記基準位置に対する、前記撮像画像における前記対象物の位置の相対差分、及び前記基準姿勢に対する、前記撮像画像における前記対象物の姿勢の相対差分のうち少なくとも一方を算出するステップと、前記対象物の、前記位置及び姿勢の前記相対差分のうち少なくとも一方に応じた投影位置への情報の投影を制御するステップと、を含む、情報処理方法が提供される。
【0018】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、コンピュータを、収納棚が有する複数の収納部に収納された部品が取り付けられる対象物の撮像画像を取得する取得部と、前記対象物の基準位置及び基準姿勢のうち少なくとも一方を記憶する記憶部と、前記基準位置に対する、前記取得部によって取得された前記撮像画像における前記対象物の位置の相対差分、及び前記基準姿勢に対する、前記取得部によって取得された前記撮像画像における前記対象物の姿勢の相対差分のうち少なくとも一方を算出する算出部と、前記対象物の、前記位置及び姿勢の前記相対差分のうち少なくとも一方に応じた投影位置への情報の投影を制御する制御部と、として機能させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、対象物の撮像画像に基づき、情報を投影する投影位置を調整することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態に係る作業支援システム10の構成の一例を示す斜視図である。
図2】情報処理装置11の機構構成を示すブロック図である。
図3】位置の相対差分及び姿勢の相対差分について説明するための説明図である。
図4】投影制御部144によって制御される、図3に示した組立品Oへのハイライト表示の投影位置について説明するための説明図である。
図5】情報処理装置11の動作の流れを示すフローチャート図である。
図6】部品の取付位置を示す表示の投影の制御の流れを示すフローチャート図である。
図7】本実施形態に係る作業支援システム10を具現する情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
<1.システム構成例>
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理装置が適用される作業支援システムについて説明する。図1は、本実施形態に係る作業支援システム10の構成の一例を示す斜視図である。作業支援システム10は、本実施形態に係る情報処理装置11を含む。
【0023】
図1に示すように、作業支援システム10は、情報処理装置11と、収納棚12と、作業台13と、センサ部14と、表示投影部15と、ミラー18とを備える。
【0024】
本実施形態に係る作業支援システム10は、収納棚12を用いた部品組立作業を支援するシステムである。収納棚12は、部品組立作業に用いられる各種部品が収納される複数の収納部121を有する。作業者は、部品組立作業の流れに従って、複数の収納部121の各々に収納された部品を順次取り出すことで、取り出された部品を組立品に適切に取り付けて、製品を製造することができる。
【0025】
なお、図1では、収納棚12から作業台13へ向かう方向を前方向とし、前方向と反対に向かう方向を後方向とする。また、作業台13から収納棚12を正対して見たとき(すなわち、前方向側から後方向側を正対して見たとき)の上下左右の方向をそれぞれ上方向、下方向、左方向、及び右方向とする。
【0026】
収納棚12は、複数の収納部121を備える。複数の収納部121には、部品組立作業において、組立品に取り付けられる部品がそれぞれ収納される。作業者は、収納棚12を用いることで、いずれかの収納部121に手を入れて、収納部121に収納された部品を取り出し、取り出した部品を組立品に取り付けることができる。図1に示す例では、収納棚12は、上下方向に4段、左右方向に4列の合計16個の収納部121を備えるが、収納棚12が備える収納部121の数は、特に限定されない。収納棚12は、20個、30個、又は50個等のさらに多くの収納部121を備えてもよい。
【0027】
作業台13は、作業者が部品組立作業を行う際に用いる台である。作業台13は、収納棚12の全幅に亘って水平方向に延在する平坦な台面である上面131を備える。上面131は、後述する表示投影部15から投影された画像が結像する投影可能領域としても機能する。
【0028】
また、上面131には、作業者によって部品が取り付けられる組立品O(対象物の一例)が設置される。作業者は、収納部121から取り出した部品を、組立品Oに取り付けることで、製品を組み立てる。組立品Oは、例えば、収納部121に収納される部品の一つであってもよい。また、組立品Oは、収納部121に収納されなくてもよく、例えば、組み立て途中の製品であってもよい。上面131に設置される組立品Oは、後述する表示投影部15から投影された画像が結像する投影可能領域としても機能する。
【0029】
センサ部14は、各種センサを含み、作業者が行う作業に関する情報をセンシングする。具体的には、センサ部14は、静止画又は動画(以下、画像とも称する)を撮像可能なカメラを含み、作業者が行う作業又は上面131の様子を撮像した画像を取得してもよい。これによれば、センサ部14は、センシング結果として、カメラにて撮像された作業者が行う作業又は上面131の様子の画像を情報処理装置11に出力することができる。例えば、センサ部14は、情報処理装置11にUSB(Universal Serial Bus)で接続されたライブカメラ(USBカメラとも称される)を含んでもよい。ただし、センサ部14が含むカメラの種類は上記に限定されない。例えば、センサ部14は、赤外線カメラを含んでもよく、ステレオカメラ又はToF(Time Of Flight)カメラなどを含んでもよい。
【0030】
また、作業支援システム10は、複数のセンサ部14を有してもよい。例えば、作業支援システム10は、図1に示したように、標準的な身長の作業者の頭部の高さよりも上の位置(例えば、最上段の収納部121よりも上方の位置)、かつ収納棚12の前面よりも前方の位置に配置されたセンサ部14Aを含んでもよい。センサ部14Aは、図1に示すように、ミラー18を支持する支持フレーム17に取り付けられてもよい。
【0031】
センサ部14Aは、作業支援システム10の前方に位置する作業者が収納棚12の収納部121に手を入れる画像を撮像することができる。これによれば、情報処理装置11は、収納棚12の撮像画像に基づいて、作業者がいずれの収納部121に手を入れて部品を取り出したのかを認識することができる。
【0032】
また、作業支援システム10は、上方向から上面131を撮像するように上面131の真上に配置されたセンサ部14B及びセンサ部14Cを含んでもよい。センサ部14B及びセンサ部14Cは、例えば、図1に示すように、ミラー18の下端に取り付けられたセンサ取付用フレーム16に取り付けられてもよい。
【0033】
センサ部14Bによって撮像された画像は、上面131に設置された組立品Oを含み得る。これにより、情報処理装置11は、組立品Oの撮像画像に基づいて、組立品Oの位置及び姿勢を特定できる。このような特定を行うための、組立品Oの撮像画像を取得するセンサ部14Bを、位置姿勢特定用カメラ14Bとも称する。
【0034】
センサ部14Cによって撮像された画像も、センサ部14Bによる撮像画像と同様に、上面131に設置された組立品Oを含み得る。ここで、センサ部14Cの撮像範囲は、情報処理装置11によって制御されてもよい。例えば、情報処理装置11は、センサ部14Cの撮像範囲に組立品Oが収まるよう当該撮像範囲を移動させてもよい。センサ部14Cの撮像範囲の移動方法は特に限定されず、センサ部14Cの位置が、センサ取付用フレーム16が有するレール(図示せず)上で移動されることによって移動されてもよい。また、センサ部14Cの向きは、前後方向又は左右方向を軸として回転されることによって回転移動されてもよい。また、センサ部14Cの撮像範囲は、センサ部14Cに含まれるレンズの位置及び向きが調整されることにより、移動されてもよい。
【0035】
センサ部14Cによる撮像により、情報処理装置11は、組立品Oの撮像画像に基づいて、組立品Oに正しく部品が取り付けられたか否かを判定(検査)できる。このような検査を行うための、組立品Oの撮像画像を取得するセンサ部14Cを、検査用カメラ14Cとも称する。
【0036】
なお、センサ部14に含まれるカメラの数及び設置場所は、図1に示した例に限定されない。センサ部14は、例えば、作業支援システム10の周囲の環境を撮像するように配置されたカメラ、又は作業支援システム10及び作業者を含む作業風景を撮像するように配置されたカメラなどを含んでもよい。
【0037】
表示投影部15は、情報処理装置11による制御に基づいて、作業者の部品組立作業を支援するための情報を含む支援画像を投影によって表示させる。例えば、表示投影部15は、プロジェクタによる、いわゆるプロジェクションマッピング技術を用いて、収納棚12の前面、作業台13の上面131、又は上面131に設置された組立品Oに支援画像を投影してもよい。
【0038】
組立品Oに投影される支援画像に含まれる情報は、例えば、作業者が部品を取り付ける取付部位を作業者に提示するための表示である。当該表示は、例えば、取付部位を円状又矩形状等のマーカでハイライトする表示であってもよいし、取付部位に取り付ける部品の向き及び形状を示す表示又は部品の画像の表示であってもよい。
【0039】
表示投影部15は、例えば、図1に示すように、収納棚12の上に配置されてもよい。表示投影部15は、表示投影部15に対向して設けられたミラー18に向けて投影光を照射することで、ミラー18にて反射された投影光を収納棚12の前面、又は作業台13の上面131に投影することができる。これによれば、表示投影部15は、ミラー18を介して、収納棚12の前面、上面131、又は組立品Oに情報を投影することができる。
【0040】
なお、表示投影部15は、収納棚12の前面、又は上面131に投影光を直接投影可能な位置(例えば、作業支援システム10が配置された空間の図示しない天井又は壁など)に配置されてもよい。また、表示投影部15は、複数のプロジェクタを含んでもよい。例えば、表示投影部15は、収納棚12の前面に投影光を投影するプロジェクタと、上面131に投影光を投影するプロジェクタとを含んでもよい。
【0041】
ミラー18は、例えば、図1に示すように、標準的な身長の作業者の頭部の高さよりも上の位置(例えば、最上段の収納部121よりも上方の位置)、かつ収納棚12の前面よりも前方の位置に、表示投影部15と対向して配置される。具体的には、ミラー18は、収納棚12の前面又は上面131と、表示投影部15との両方に反射面が対向するように、作業台13の上方かつ収納棚12の斜め上方向に配置されてもよい。これによれば、ミラー18は、表示投影部15から照射された投影光を収納棚12の前面又は上面131に向けて反射することができる。
【0042】
ミラー18は、反射角度が上下方向に可変となるように、支持機構によって回動可能に支持されてもよい。これによれば、ミラー18は、表示投影部15から照射された投影光を任意の反射角度で反射することができる。したがって、ミラー18は、表示投影部15から照射された投影光を収納棚12の前面又は上面131に対して選択的に反射することができる。
【0043】
情報処理装置11には、作業者又は製品の情報が格納されたバーコード又は二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))等を読み取るコードリーダ19が接続されてもよい。コードリーダ19は、収納棚12又は作業台13の近傍に設けられる。コードリーダ19は、バーコード等から作業者の識別情報(例えば作業者の識別番号及び氏名等)又は製品の識別情報(例えば製品の識別番号又は製品名等)を読み取り、情報処理装置11に出力することができる。例えば、情報処理装置11は、コードリーダ19によるバーコードの読み取りによって、いずれの作業者によって作業が開始されたか、又はいずれの製品の組立が開始されたかを認識してもよい。
【0044】
なお、作業支援システム10は、コードリーダ19に替えて、又は加えて、作業者又は製品のID(identification)カードを読み取るカードリーダ装置、指紋又は掌紋等の生体情報を認識する生体情報認識装置、又は識別番号を入力する識別番号入力装置を備えていてもよい。作業支援システム10は、カードリーダ装置、生体情報認識装置、又は識別番号入力装置にて読み取った情報に基づいて、いずれの作業者によって作業が開始されたか、又はいずれの製品の組立が開始されたかを認識することも可能である。
【0045】
情報処理装置11は、作業支援システム10の動作全般を制御するコンピュータ等である。情報処理装置11の機能構成については、図2を参照して後述する。
【0046】
<2.情報処理装置の構成例>
続いて、図2を参照して、本実施形態に係る情報処理装置11の機能構成について説明する。図2は、情報処理装置11の機構構成を示すブロック図である。
【0047】
図2に示すように、情報処理装置11は、記憶部110と、I/F(インタフェース)部120と、制御部140とを備える。
【0048】
(記憶部110)
記憶部110は、制御部140を動作させるためのプログラム及びデータを記憶する記憶装置である。また、記憶部110は、制御部140の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶してもよい。記憶部110は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成されてもよい。
【0049】
例えば、記憶部110は、部品を取り付ける対象として設定された組立品の画像を記憶する。また、記憶部110は、製品の識別情報と、当該製品を組み立てるための、部品を取り付ける対象として設定された組立品の画像とを紐づけて記憶してもよい。これにより、コードリーダ19によってバーコードから製品の識別情報が読み取られた場合に、後述の判定部145は、記憶部110から部品を取り付ける対象として設定された組立品の画像を読み出すことが可能である。このような、部品を取り付ける対象として設定された組立品の画像を、組立品基準画像とも称する。
【0050】
また、記憶部110は、取付部位に取り付ける部品の形状又は部品の画像を記憶してもよい。
【0051】
また、記憶部110は、部品が組立品に正規に取り付けられた状態の画像である正規取付画像をさらに記憶してもよい。記憶部110は、組立品に複数の部品が取り付けられる場合には、部品がステップごとに1つずつ取り付けられる組み立て順序(組順)の、ステップごとの正規取付画像を記憶してもよい。
【0052】
また、記憶部110は、組立品の基準位置及び基準姿勢のうち少なくとも一方を記憶してもよい。組立品の基準位置及び基準姿勢とは、組立品に対して正規取付画像を投影する際の、基準となる位置及び姿勢である。組立品の基準位置及び基準姿勢は、例えば、作業者が組立品に部品を取り付けやすい位置及び姿勢であってもよい。また、組立品の基準位置及び基準姿勢は、表示投影部15が組立品の取付部位に情報を投影可能なように設定される。なお、本実施形態では、記憶部110が組立品の基準位置及び基準姿勢の両方を記憶する場合について主に説明する。
【0053】
基準位置は、例えば、二次元座標によって表されてもよい。より具体的に、当該二次元座標は、上面131をXY平面とするXY座標系において示されてもよい。XY座標系の原点は、例えば、上面131の左前端であってもよい。なお、原点及び軸は、二次元座標によって上面131上での位置が特定可能であれば任意に設定されてよい。例えば、位置姿勢特定用カメラ14Bの撮像範囲の左前端が原点に設定されてもよい。
【0054】
基準位置を表す二次元座標は、組立品の位置を特定できる点の二次元座標であればよい。例えば、基準位置を表す二次元座標は、組立品の特徴点等の任意の点の二次元座標であってもよいし、組立品の重心の二次元座標であってもよい。
【0055】
基準姿勢は、例えば、角度又は向きによって表されてもよい。例えば、基準姿勢は、基準姿勢で設置された組立品と向きが一致するように当該組立品基準画像を表示投影部15が投影する場合の当該組立品基準画像の投影の角度によって表されてもよい。また、基準姿勢は、任意に設定される組立品の軸(基準軸)によって表されてもよい。
【0056】
記憶部110は、さらに、組立品が基準位置及び基準姿勢で設置された場合の、取付部位を作業者に提示するための表示等の情報が投影される位置である、基準投影位置を記憶する。基準投影位置は、基準位置と同様に、二次元座標によって表されてもよい。例えば、取付部位を作業者に提示するための表示が取付部位をハイライトする円状の表示である場合には、基準投影位置を表す二次元座標は、当該円の中心の二次元座標であってもよい。記憶部110は、組立品に複数の部品が取り付けられる場合には、複数の部品の各々の基準投影位置を記憶する。
【0057】
記憶部110は、種類の異なる複数の組立品の各々について、組立品基準画像、正規取付画像、基準位置、基準姿勢及び基準投影位置を記憶してもよい。
【0058】
(I/F部120)
I/F部120は、有線又は無線にて接続された外部装置とデータの入出力を行う。具体的には、I/F部120は、有線又は無線にて接続されたセンサ部14から撮像画像を取得してもよく、有線又は無線にて接続されたコードリーダ19から作業者又は製品の情報を取得してもよい。また、I/F部120は、有線又は無線にて接続された表示投影部15に収納棚12の前面、又は作業台13の上面131に投影される支援画像に関する情報を出力してもよい。例えば、I/F部120は、ネットワークに接続するための通信デバイス等で構成されたインタフェースであってもよい。
【0059】
(制御部140)
制御部140は、作業支援システム10の動作全般を制御する。制御部140は、画像取得部141と、指示生成部142と、算出部143と、投影制御部144と、判定部145を含む。
【0060】
例えば、制御部140は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの記憶装置とを含む。制御部140は、ROMに記憶されたプログラムをRAMに一時的に展開し、展開したプログラムをCPUにて実行することにより、作業支援システム10の動作全般を制御することができる。
【0061】
(画像取得部141)
画像取得部141は、センサ部14によって連続的に得られる収納棚12又は上面131のリアルタイムの撮像画像をI/F部120を介して取得する、取得部として機能する。より具体的に、画像取得部141は、位置姿勢特定用カメラ14Bによって撮像された、上面131に設置された組立品Oの位置姿勢特定用撮像画像を取得する。また、画像取得部141は、検査用カメラ14Cによって撮像された、上面131に設置された、部品が取り付けられた組立品Oの撮像画像である取付後撮像画像を取得する。
【0062】
画像取得部141は、取得したリアルタイムの撮像画像を記憶部110に記憶させてもよい。例えば、画像取得部141は、過去一定時間のリアルタイムの撮像画像を記憶部110に記憶させてもよい。または、画像取得部141は、センサ部14からリアルタイムの撮像画像を取得するごとに、記憶部110に記憶させたリアルタイムの撮像画像を上書き(更新)してもよい。
【0063】
(指示生成部142)
指示生成部142は、上面131に設置する組立品を指定する指示を生成する。具体的には、指示生成部142は、I/F部120によってコードリーダ19から得られた製品の識別情報に紐づく組立品を指定する指示を生成する。また、指示生成部142は、収納棚12に含まれる収納部121のうちの一の収納部121から部品を取り出す指示を生成する。具体的には、指示生成部142は、製品の識別情報に基づいて読み出される組立品の組順に従って、組立品に取り付けられる部品を収納部121から取り出す指示を順次生成する。組立品の組順は、製品の識別情報に紐づけられて記憶部110に記憶されてもよいし、I/F部120によって外部から得られてもよい。
【0064】
指示生成部142にて生成された指示は、例えば、後述の投影制御部144による制御に従って表示投影部15支援画像が投影されることにより作業者に提示される。したがって、作業者は、部品組立作業の各工程において、組立品Oに取り付ける部品が収納された収納部121を理解し、収納部121から部品を取り出すことができる。
【0065】
(算出部143)
算出部143は、基準位置及び基準姿勢で設置された組立品Oに対する、画像取得部141によって取得された位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oのずれを算出する。より具体的に、算出部143は、基準位置に対する、画像取得部141によって取得された位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oの位置の相対差分を算出する。なお、本明細書において、基準位置に対する位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oの位置の相対差分を、単に「位置の相対差分」とも称する。
【0066】
また、算出部143は、基準姿勢に対する、画像取得部141によって取得された位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oの姿勢の相対差分を算出する。なお、本明細書において、基準姿勢に対する位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oの姿勢の相対差分を、単に「姿勢の相対差分」とも称する。
【0067】
なお、記憶部110に基準位置及び基準姿勢のいずれか一方のみが記憶される場合、算出部143は、対応する位置の相対差分または姿勢の相対差分の一方のみを算出する。本実施形態では、算出部143が位置の相対差分及び姿勢の相対差分の両方を算出する場合について説明する。
【0068】
位置の相対差分は、例えば、基準位置を表す二次元座標に対する、位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oの位置を表す二次元座標の差分によって表されてもよい。
【0069】
算出部143は、基準位置を特定するための二次元座標を特定するための原点及び軸と同一の原点及び軸を有する座標系を、位置姿勢特定用撮像画像に設定することにより、位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oの位置の二次元座標を算出する。
【0070】
なお、位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oの位置を表す二次元座標が示す点は、基準位置を表す二次元座標が示す点と、組立品O上での位置が一致する点である。例えば、基準位置を表す二次元座標が組立品Oの特徴点である場合には、位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oの位置を表す二次元座標は、位置姿勢用画像における組立品Oの当該特徴点の位置の二次元座標である。
【0071】
算出部143は、位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oと組立品基準画像における組立品Oが一致するような、組立品基準画像の位置をパターンマッチング等の手法で算出することで、位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oの位置を算出してもよい。
【0072】
一方、姿勢の相対差分は、例えば、基準姿勢に対する位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oの姿勢の回転量によって表されてもよい。当該回転量は、例えば、基準姿勢で設置された組立品Oの基準軸に対する、位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oの基準軸の回転量であってもよい。
【0073】
また、基準姿勢に対する位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oの姿勢の回転量は、位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oと組立品基準画像における組立品Oが一致するような組立品基準画像の、位置姿勢特定用撮像画像に対する回転量であってもよい。算出部143は、位置姿勢特定用撮像画像を組立品基準画像とパターンマッチングすることにより、当該回転量を算出してもよい。
【0074】
なお、位置の相対差分と姿勢の相対差分の算出方法は上記で説明した例に限定されず、位置姿勢特定用撮像画像が画像処理されることによって算出されればよい。
【0075】
ここで、図3を用いて、算出部143によって算出される、位置の相対差分及び姿勢の相対差分について具体的に説明する。図3は、位置の相対差分及び姿勢の相対差分について説明するための説明図である。
【0076】
図3には、上面131に設置された組立品Oの撮像画像である、位置姿勢特定用撮像画像が示されている。ここでは説明を簡単にするために、上方向から見た場合の組立品Oの形状が長方形である例を示しているが、組立品Oの形状はこの例に限定されない。
【0077】
図3に示す位置姿勢特定用撮像画像においては、右方向がX軸で、後方向がY軸であって、原点が上面131の左下端であるXY座標系が設定されている。また、図3には、位置姿勢特定用撮像画像に重畳された、基準位置および基準姿勢で設置された組立品Oの外形Rが示されている。
【0078】
外形Rに含まれる基準点PRは、基準位置を示す点である。基準点PRの二次元座標は、組立品Oの基準位置として記憶部110に予め記憶される。組立品Oに含まれる対象点POは、位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oの位置を示す点である。対象点POは、組立品Oに対する位置が、外形Rに対する基準点PRの位置と同一となる点である。
【0079】
算出部143は、基準点PRに対する対象点POの二次元座標の差分を、位置の相対差分として算出する。より具体的に、算出部143は、基準点PRのX成分に対する対象点POのX成分の差分Δxと、基準点PRのY成分に対する対象点POのY成分の差分Δyを、位置の相対差分として算出する。
【0080】
また、算出部143は、外形Rに対する組立品Oの回転量を、姿勢の相対差分として算出する。図3には、組立品Oの基準軸が、組立品Oが基準位置および基準姿勢で設置された場合にX軸方向になるよう設定されている例が示されている。この場合、算出部143は、X軸方向に対する、位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oの基準軸の回転量Δθを、姿勢の相対差分として算出する。
【0081】
(投影制御部144)
図2に戻って説明を続ける。投影制御部144は、表示投影部15による、収納棚12の前面又は上面131への支援画像の投影を制御する。投影制御部144は、支援画像の投影を制御することにより、作業者に対する情報の通知を制御する、通知制御部の一例である。
【0082】
例えば、投影制御部144は、指示生成部142にて生成した指示に基づいて、取り出す部品が収納された収納部121を指示する表示を、収納棚12の前面のうち、収納部121の間口に投影するよう、表示投影部15を制御する。
【0083】
また、投影制御部144は、上面131への組立品Oの設置場所の目安として、組立品Oの基準位置及び基準姿勢を示す支援画像を、上面131に投影するよう、表示投影部15を制御してもよい。基準位置及び基準姿勢を示す支援画像は、基準位置及び基準姿勢で設置された組立品Oを表す組立品基準画像であってもよいし、当該組立品Oの外形を表す枠の表示等であってもよい。
【0084】
また、投影制御部144は、組立品Oの、位置の相対差分及び姿勢の相対差分のうち少なくとも一方に応じた投影位置への情報の投影を制御する。投影位置へ投影される情報は、例えば、取付部位を作業者に提示するための表示である。本実施形態では、投影位置へ投影される情報が、取付部位を作業者に提示するために取付部位を円状にハイライトするハイライト表示である場合の例について主に説明する。
【0085】
また、投影制御部144は、上面131へ、作業者に対して組立品Oへの部品の取り付け方等を指示する組立指示書を投影してもよい。
【0086】
投影制御部144は、記憶部110に記憶された基準投影位置を、位置の相対差分及び姿勢の相対差分だけ移動させた投影位置へハイライト表示を投影するよう、表示投影部15を制御する。比較例として、投影制御部144が、常に基準投影位置へハイライト表示を投影するよう表示投影部15を制御することも考えられる。しかし、この場合、組立品Oが基準位置及び基準姿勢からずれた位置に設置されると、ハイライト表示が実際の取付部位からずれてしまうため、作業者が取付部位に部品を取り付けることが困難になる。また、このような場合、作業者が基準位置及び基準姿勢で組立品を設置する必要があるため、作業者にとっての負担が大きい。さらに、作業者が基準位置及び基準姿勢で組立品を設置する時間が発生する。
【0087】
本実施形態による投影制御部144によれば、組立品Oが基準位置及び基準姿勢からずれた位置に設置された場合にも、作業者に対して取付部位を正確に提示することが可能である。また、かかる構成によれば、作業者が基準位置及び基準姿勢で組立品を設置する負担がかからない。さらに、かかる構成によれば、作業者に基準位置及び基準姿勢に合わせて組立品を設置する時間が発生しないため、組立作業の効率が高まる。
【0088】
ここで、図4を用いて、投影制御部144によって制御される投影位置について、具体的に説明する。図4は、投影制御部144によって制御される、図3に示した組立品Oへのハイライト表示の投影位置について説明するための説明図である。投影制御部144は、図4に示すような、外形Rに対する組立品Oの位置の相対差分である、X成分の差分Δx及びY成分の差分Δy、及び姿勢の相対差分であるΔθだけ、基準投影位置DRを移動させた投影位置DOへ、ハイライト表示を投影するよう表示投影部15を制御する。
【0089】
なお、ここでは投影制御部144が取付部位を作業者に提示するための表示の投影位置のみを制御する場合について説明したが、投影制御部144は、当該表示の投影角度をさらに制御してもよい。この場合、記憶部110は、当該表示の基準投影角度を記憶する。基準投影角度は、基準投影角度によって当該表示が投影されることにより、基準位置及び基準姿勢で設置された組立品Oに取り付ける部品の角度を作業者に示すことが可能な角度である。投影制御部144は、当該表示を姿勢の相対差分だけ回転させて投影するよう表示投影部15を制御する。かかる構成によれば、例えば当該表示が取付部位に取り付ける部品の形状を示す表示又は部品の画像の表示である場合に、作業者が正しい部品の向きを理解することが可能である。
【0090】
(判定部145)
図2に戻って説明を続ける。判定部145は、記憶部110に記憶された画像と、画像取得部141によって取得された画像とを比較することにより、各種の判定を行う。
【0091】
判定部145が行う判定の一例は、上面131に設置された組立品Oが、指示生成部132によって生成された指示で指定された組立品であるか否かの判定(設置判定とも言う。)である。より具体的に、判定部145は、画像取得部141によって取得された位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oと、記憶部110に記憶された組立品基準画像における組立品Oが整合しているか否かを判定することにより、設置判定を行う。判定部145は、例えば、位置姿勢特定用撮像画像を組立品基準画像とパターンマッチングすることにより、設置判定を行う。なお、判定部145による設置判定方法は特に限定されず、例えば、ディープラーニングの手法が用いられてもよい。
【0092】
組立品Oが指示で指定された組立品ではないと判定された場合、投影制御部144は、作業者に対する、指定された製品を設置する指示を上面131に投影するよう表示投影部15を制御してもよい。なお、組立品Oが指定された製品を設置する指示を投影する際に、指定された組立品の組立品基準画像又は製品名等の情報がさらに投影されてもよい。これにより、作業者は指定された組立品を理解することが可能である。
【0093】
一方、組立品Oが指示で指定された組立品であると判定された場合、判定部145は、算出部143によって算出された姿勢の相対差分及び位置の相対差分の少なくとも一方が条件を満たすか否かの判定(相対差分判定とも言う。)を行う。
【0094】
判定部145は、例えば、姿勢の相対差分を表す回転量が閾値未満であるという条件を満たすか否かを相対差分判定として判定してもよい。相対差分を表す回転量が閾値を超えるように組立品Oが設置された場合、例えば、組立品Oが基準姿勢と逆向きに設置された場合には、作業者が部品を取り付けにくく感じる可能性がある。また、作業者が誤った向きに部品を取り付けてしまう可能性も生じる。
【0095】
そのため、このような条件が満たされないと判定部145が判定した場合、投影制御部144は、組立品Oの設置についての情報を投影するよう表示投影部15を制御することにより、作業者に対して通知を行う。組立品Oの設置についての情報は、例えば、組立品Oの設置向きが回転しすぎている旨の通知又は組立品Oを正しい向きに設置する指示であってもよいし、組立品Oの基準姿勢を表す表示(基準姿勢の組立品Oの組立品基準画像の表示等当該組立品Oの外形を表す枠の表示等)であってもよい。なお、回転量と比較される閾値は、例えば、90°など、組立品Oに部品を取り付けやすい角度等に応じて任意に設定されればよい。
【0096】
また、判定部145は、位置の相対差分を表す二次元座標が閾値未満であるという条件を満たすか否かを相対差分判定として判定してもよい。相対差分を表す二次元座標が閾値を超えるように組立品Oが設置された場合、例えば、組立品Oが、作業者が作業を行う位置と離れた位置に設置された場合には、作業者が部品を取り付けにくく感じる可能性がある。
【0097】
そのため、このような条件が満たされないと判定部145が判定した場合、投影制御部144は、組立品Oの設置についての情報を投影することにより作業者に対して通知を行う。組立品Oの設置についての情報は、例えば、組立品Oの設置向きが基準位置から離れすぎている旨の通知であってもよいし、組立品Oの基準位置を表す表示(基準位置への組立品Oの画像表示等又は当該組立品Oの外形を表す枠の表示等)であってもよい。なお、二次元座標と比較される閾値は、任意に設定されればよい。
【0098】
判定部145が相対差分判定の条件が満たされたと判定した場合、投影制御部144は、組順に従って指示生成部142にて生成した指示に基づいて、取り出す部品が収納された収納部121を指示する表示を投影するよう、表示投影部15を制御する。また、判定部145が相対差分判定の条件が満たされないと判定した場合には、投影制御部144は、判定部145により相対差分判定の条件が満たされると判定されるまで、組立品Oの設置についての情報を投影し続けてもよい。かかる構成によれば、作業者が指示しなくても、相対差分判定を満たす位置に組立品Oを設置することで自動的に組順に従った支援画像の投影が始まるため、作業者による指示の手間が削減され、作業効率が向上する。
【0099】
判定部145が行う判定の別の例は、組立品Oに部品が正しく取り付けられたか否かの判定(取付判定とも言う。)である。より具体的に、判定部145は、記憶部110に記憶された正規取付画像と、画像取得部141によって取得された取付後撮像画像を比較することにより、部品が組立品Oに正規に取り付けられているか否かを判定する。判定部145は、例えば、取付後撮像画像を正規取付画像とパターンマッチングすることにより、取付判定を行う。なお、判定部145による取付判定方法は特に限定されず、例えば、ディープラーニングの手法が用いられてもよい。
【0100】
ここで、判定部145は、取付判定を行う前に、画像取得部141が取得する取付後撮像画像に映る撮像範囲を、位置の相対差分及び姿勢の相対差分に応じて移動させてもよい。より具体的に、判定部145は、検査用カメラ14Cの撮像範囲を、位置の相対差分及び姿勢の相対差分に応じて移動させてもよい。
【0101】
例えば、判定部145は、基準位置及び基準姿勢で設置された組立品Oが撮像範囲に収まるように設置された検査用カメラ14Cの位置を、撮像位置の相対差分及び姿勢の相対差分だけ移動させてもよい。また、判定部145は、検査用カメラ14Cの撮像範囲に組立品Oが収まるように、検査用カメラ14Cの移動量を、位置の相対差分及び姿勢の相対差分を用いて算出してもよい。
【0102】
これにより、判定部145は、設置された組立品Oが基準位置及び基準姿勢からずれていた場合でも、取付判定を正確に行うことが可能である。すなわち、かかる構成によれば、設置された組立品Oが基準位置及び基準姿勢からずれていた場合でも、部品の取付間違いを発見することが可能である。
【0103】
判定部145が組立品Oに部品が正しく取り付けられたと判定した場合、投影制御部144は、組順に従って指示生成部142にて生成した指示に基づいて、次に取り出す部品が収納された収納部121を指示する表示を投影するよう表示投影部15を制御する。なお、判定部145が取付判定の条件が満たされたと判定することで組順が終了する場合には、投影制御部144は、組順が終了した旨を投影するよう表示投影部15を制御してもよい。
【0104】
一方、判定部145が組立品Oに部品が正しく取り付けられていないと判定した場合、投影制御部144は、作業者に対する、正しく部品を取り付ける指示、部品名、又は部品の画像等を上面131に投影するよう表示投影部15を制御してもよい。
【0105】
ここまで、判定部145が行う各種判定について説明した。ここで、判定部145が各種判定を行うタイミングは、予め設定されていてもよい。当該タイミングは、作業者が行う作業に要すると見込まれる時間に応じて任意に設定されればよい。
【0106】
例えば、作業者の設置作業に要すると見込まれる時間が30秒であれば、設置判定は、設置開始から30秒の間行われ続けてもよいし、設置開始から30秒後に行われてもよい。設置判定が設置開始から所定の時間に行われ続ける場合で、かつ所定の時間内に設置判定の条件が満たされない場合には、投影制御部144は、所定の時間が経過したタイミングで上面131に設置された組立品Oが指定された組立品でない旨の通知を投影してもよい。また、設置判定が設置開始から所定の時間に行われ続ける場合で、かつ所定の時間内に設置判定の条件が満たされた場合には、設置判定が満たされたと判定部145が判定したタイミングで、判定部145は設置判定を終了し、相対差分判定を開始してもよい。
【0107】
<3.情報処理装置の動作例>
続いて、図5を参照して、情報処理装置11の動作例について説明する。図5は、情報処理装置11の動作の流れを示すフローチャート図である。
【0108】
まず、I/F部120は、コードリーダ19から、作業者によってバーコードから読み取られた、部品を取り付ける製品の識別情報を取得する(S101)。続いて、制御部140は、記憶部110に記憶された、取得された製品の識別情報に紐づく組立品基準画像及び組順を読み出す(S102)。
【0109】
続いて、画像取得部141は、上面131に設置された組立品Oの位置姿勢特定用撮像画像を取得する(S103)。続いて、判定部145は、位置姿勢特定用撮像画像及び組立品基準画像を用いて、上面131に設置された組立品Oが、製品の識別情報に紐づく、指定された組立品であるか否かの設置判定を行う(S104)。
【0110】
設置された組立品Oが指定された組立品でないと判定部145が判定した場合(S104/NO)、投影制御部144は、指定された組立品を設置する指示を投影するよう表示投影部15を制御する(S105)。
【0111】
一方、設置された組立品Oが指定された組立品であると判定部145が判定した場合(S104/YES)、投影制御部144は、指示生成部142にて生成した指示に基づいて、取り出す部品が収納された収納部121を指示する表示を投影するよう表示投影部15を制御する(S106)。
【0112】
続いて、投影制御部144は、部品の取付位置を示す表示を投影するよう表示投影部15を制御する(S107)。部品の取付位置を示す表示の投影の制御については、図6のフローを用いて詳細に後述する。この際、算出部143によって位置の相対差分及び姿勢の相対差分が算出される。
【0113】
判定部145は、取付判定のために、位置の相対差分及び姿勢の相対差分だけ検査用カメラ14Cの撮像範囲を移動させる(S108)。判定部145は、当該撮像範囲で撮像された取付後撮像画像に基づき、組立品Oに部品が正しく取り付けられたか否かの取付判定を行う(S109)。
【0114】
組立品Oに部品が正しく取り付けられていないと判定部145が判定した場合(S109/NO)、投影制御部144は、正しく部品を取り付ける指示を投影する(S110)。
【0115】
組立品Oに部品が正しく取り付けられたと判定部145が判定した場合(S109/YES)、指示生成部142は、組順が終了したかを判定する(S111)。組順が終了していない場合(S111/NO)、情報処理装置11は、組順が終了するまでS106~S110の処理を繰り返す。組順が終了した場合(S111/YES)、情報処理装置11は処理を終了する。
【0116】
続いて、図6を参照して、図5のS106で行われる部品の取付位置を示す表示の投影の制御の動作例について説明する。図6は、部品の取付位置を示す表示の投影の制御の流れを示すフローチャート図である。
【0117】
まず、算出部143は、記憶部110に記憶された組立品Oの基準位置及び基準姿勢を読み出す(S201)。続いて、算出部143は、位置姿勢特定用撮像画像における組立品Oの位置の二次元座標を算出する(S202)。
【0118】
算出部143は、組立品Oの位置の二次元座標と、基準位置を表す二次元座標に基づき、基準位置に対する組立品Oの位置の二次元座標の差分を位置の相対差分として算出する(S203)。また、算出部143は、位置姿勢特定用撮像画像と基準姿勢に基づき、基準姿勢に対する組立品Oの姿勢の回転量を姿勢の相対差分として算出する(S204)。なお、S202~S204の処理は、パターンマッチングの手法が用いられることにより並行して、又は一体化して行われてもよい。
【0119】
続いて、判定部145は、算出部143によって算出された回転量が閾値未満であるか否かを判定する、相対差分判定を行う(S205)。回転量が閾値以上である場合(S205/NO)、投影制御部144は、正しい向きに設置する指示を投影するよう表示投影部15を制御し(S206)、処理をS202に戻す。そして、情報処理装置11は、閾値未満である回転量が算出部143によって算出されたと判定部145が判定するまで、S202~S205の処理を繰り返す。一方、回転量が閾値未満である場合(S205/YES)、情報処理装置11は、処理を図5のS108に進める。
【0120】
<4.ハードウェア構成例>
以上、本発明の実施形態を説明した。上述した作業支援システム10により実施される各種の情報処理は、ソフトウェアと、以下に説明する作業支援システム10のハードウェアとの協働により実現される。
【0121】
図7は、本実施形態に係る作業支援システム10(より具体的には、例えば情報処理装置11)を具現する情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0122】
図7に示すように、情報処理装置900は、CPU901と、ROM902と、RAM903と、ホストバス904と、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力機器908と、出力機器909と、ストレージ機器910と、ドライブ911と、通信機器913とを備える。
【0123】
CPU901は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラム、及びプログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらのCPU901、ROM902、及びRAM903は、CPUバス等から構成されるホストバス904により相互に接続されている。CPU901、ROM902、及びRAM903の協働により、上述した制御部140の機能が実現される。
【0124】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス906に接続されている。なお、ホストバス904、ブリッジ905、及び外部バス906は、必ずしも分離されていなくともよく、1つのバスにこれらの機能が実装されてもよい。
【0125】
入力機器908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、又はマイクロフォン等のユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路とから構成される。情報処理装置900を操作するユーザは、入力機器908を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり、処理動作を指示したりすることができる。
【0126】
また、入力機器908は、作業に関する情報を検出する装置により構成されてもよい。例えば、入力機器908は、画像センサ(例えば、カメラ)、深度センサ(例えば、ステレオカメラ又はToFセンサ)、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、光センサ、音センサ、測距センサ、力センサ等の各種のセンサを含んで構成されてもよい。
【0127】
出力機器909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、ランプ等の表示装置、又はスピーカ等の音声出力装置を含む。
【0128】
ストレージ機器910は、データ格納用の機器である。ストレージ機器910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出装置、及び記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置等を含んでもよい。ストレージ機器910は、例えば、記憶部110の機能を実現し得る。
【0129】
ドライブ911は、記憶媒体用リーダライタであり、情報処理装置900に外付けされる。ドライブ911は、装着される磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体912に記録されている情報を読み出し、RAM903に出力する。また、ドライブ911は、リムーバブル記憶媒体912に情報を書き込むことも可能である。
【0130】
通信機器913は、通信を行うための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。通信機器913は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であってもよく、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。通信機器913は、例えば、I/F部120の機能を実現し得る。
【0131】
なお、情報処理装置900のハードウェア構成は、図7に示す構成に限定されない。例えば、情報処理装置900は、入力機器908又は出力機器909等を備えなくてもよい。また、図7に示す構成の一部又は全部は、1又は2以上のIC(Integrated Circuit)で実現されてもよい。
【0132】
<5.まとめ>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0133】
例えば、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0134】
また、ここまで、組立品Oの設置に関する情報及び作業者に対する指示等が上面131に投影される例について説明したが、作業者に対して示される情報は、上面131への投影以外の方法で作業者に提示されてもよい。例えば、作業者に対して示される情報は、図1に図示しないディスプレイ等に表示されることによって作業者に通知されてもよい。この場合、制御部140は、当該ディスプレイ等への表示を制御することにより通知を制御する通知制御部としても機能する。また、作業者に対して示される情報は、図1に図示しないスピーカ等の音声出力装置から出力された音声によって作業者に通知されてもよい。この場合、制御部140は、当該音声出力装置からの音声出力を制御することにより通知を制御する通知制御部としても機能する。
【0135】
また、本明細書において説明した情報処理装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組み合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記憶媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記憶媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記憶媒体を用いずに、例えば、ネットワークを介して配信されてもよい。
【符号の説明】
【0136】
10 作業支援システム
11 情報処理装置
12 収納棚
121 収納部
13 作業台
131 台面
14 センサ部
15 表示投影部
16 センサ取付用フレーム
17 支持フレーム
18 ミラー
19 コードリーダ
110 記憶部
120 I/F部
140 制御部
141 画像取得部
142 指示生成部
143 算出部
144 投影制御部
145 判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7