(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121507
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】スライダ装置及びラベル貼付装置
(51)【国際特許分類】
B65H 35/07 20060101AFI20240830BHJP
B65H 5/10 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
B65H35/07 N
B65H5/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028651
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】390034223
【氏名又は名称】イーデーエム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】高木 陽介
【テーマコード(参考)】
3F062
3F101
【Fターム(参考)】
3F062AA01
3F062AB03
3F062BA08
3F062BD01
3F062BD08
3F062BE01
3F062BE08
3F062BF03
3F062BF13
3F062FA24
3F101CA05
3F101CE04
3F101CE05
3F101CE16
3F101CE21
3F101LA15
3F101LB01
3F101LB08
(57)【要約】
【課題】省スペース化を実現できるスライダ装置を提供すること。
【解決手段】スライダ装置3は、内部にエアが供給されエアを通過させる連通孔313を有するヘッド部31と、所定方向に延びると共に内部にエアを通過させることが可能な中空筒状に形成され、一端部側がヘッド部31に接続され、軸方向にスライド移動可能な可動中空軸35と、可動中空軸35の他端部側に接続され可動中空軸35の内部を通してヘッド部31の内部に負圧又は正圧のエアを供給するヘッド側エア供給部34と、を備え、可動中空軸35は、ヘッド側エア供給部34に対して相対的にスライド移動可能に構成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にエアが供給され、エアを通過させる連通孔を有するヘッド部と、
所定方向に延びると共に内部にエアを通過させることが可能な中空筒状に形成され、一端部側が前記ヘッド部に接続され、軸方向にスライド移動可能な可動中空軸と、
前記可動中空軸の他端部側に接続され前記可動中空軸の内部を通して前記ヘッド部の内部に負圧又は正圧のエアを供給するヘッド側エア供給部と、を備え、
前記可動中空軸は、前記ヘッド側エア供給部に対して相対的にスライド移動可能に構成される、スライダ装置。
【請求項2】
前記可動中空軸の軸方向のスライド移動をガイドするガイド部を備える、請求項1に記載のスライダ装置。
【請求項3】
前記ヘッド側エア供給部は、前記可動中空軸の内部と連通した状態で前記可動中空軸の他端部側が収容される可動中空軸収容部と、前記可動中空軸収容部にエアを供給するエア供給配管が接続されるエア供給接続部と、を有する、請求項1又は2に記載のスライダ装置。
【請求項4】
前記ヘッド部を進退移動させることが可能なヘッド駆動部を備え、
前記ヘッド駆動部が前記ヘッド部を進退移動させることで、前記可動中空軸は、軸方向にスライド移動可能である、請求項1又は2に記載のスライダ装置。
【請求項5】
前記ヘッド駆動部は、エアにより駆動可能なエアシリンダ部を備え、
前記エアシリンダ部は、前記可動中空軸に平行に配置され一端部側が前記ヘッド部に接続され軸方向にスライド移動可能なシリンダ軸と、前記シリンダ軸を軸方向にスライド移動可能に前記シリンダ軸に接続されるシリンダ側エア供給部と、を有する、請求項4に記載のスライダ装置。
【請求項6】
前記ヘッド側エア供給部及び前記シリンダ側エア供給部は、前記可動中空軸及び前記シリンダ軸が延びる方向に直交する方向に並んで配置されて一体的に構成され、
前記可動中空軸及び前記シリンダ軸は、それぞれ、前記ヘッド側エア供給部及び前記シリンダ側エア供給部に対して相対的にスライド移動可能である、請求項5に記載のスライダ装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のスライダ装置と、
ラベルを吸着する吸着部と、を備えるラベル貼付装置であって、
前記ヘッド部は、前記吸着部である、ラベル貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライダ装置及びラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、先端に設けたヘッド部において被吸着物を吸着した状態で進退移動するスライダ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のスライダ装置のヘッド部には、チューブなどの配管が接続されている。ヘッド部は、チューブなどの配管を介して負圧のエアにより被吸着体を吸引する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のスライダ装置において、ヘッド部が進退移動する場合に、ヘッド部に接続されたチューブなどの配管がヘッド部の進退動作と共に動くため、チューブなどの配管はヘッド部の進退動作分の長さを確保する必要がある。チューブなどの配管の移動を考慮して、チューブなどの配管と周辺機器との干渉を避けるために、チューブなどの配管と周辺機器と間に距離を取らなければならず、省スペース化の実現の障害となっていた。これは、ヘッド部が進退移動するスライダ装置において、チューブなどの配管を介してヘッド部に正圧のエアを供給して、ヘッド部からエアを吹き出すものにおいても同様である。
【0005】
本発明は、省スペース化を実現できるスライダ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内部にエアが供給され、エアを通過させる連通孔を有するヘッド部と、所定方向に延びると共に内部にエアを通過させることが可能な中空筒状に形成され、一端部側が前記ヘッド部に接続され、軸方向にスライド移動可能な可動中空軸と、前記可動中空軸の他端部側に接続され前記可動中空軸の内部を通して前記ヘッド部の内部に負圧又は正圧のエアを供給するヘッド側エア供給部と、を備え、前記可動中空軸は、前記ヘッド側エア供給部に対して相対的にスライド移動可能に構成される、スライダ装置に関する。
【0007】
また、前記ヘッド側エア供給部は、前記可動中空軸の内部と連通した状態で前記可動中空軸の他端部側が収容される可動中空軸収容部と、前記可動中空軸収容部にエアを供給するエア供給配管が接続されるエア供給接続部と、を有することが好ましい。
【0008】
また、前記ヘッド部を進退移動させることが可能なヘッド駆動部を備え、前記ヘッド駆動部が前記ヘッド部を進退移動させることで、前記可動中空軸は、軸方向にスライド移動可能であることが好ましい。
【0009】
また、前記ヘッド駆動部は、エアにより駆動可能なエアシリンダ部を備え、前記エアシリンダ部は、前記可動中空軸に平行に配置され一端部側が前記ヘッド部に接続され軸方向にスライド移動可能なシリンダ軸と、前記シリンダ軸を軸方向にスライド移動可能に前記シリンダ軸に接続されるシリンダ側エア供給部と、を有することが好ましい。
【0010】
また、前記ヘッド側エア供給部及び前記シリンダ側エア供給部は、前記可動中空軸及び前記シリンダ軸が延びる方向に直交する方向に並んで配置されて一体的に構成され、前記可動中空軸及び前記シリンダ軸は、それぞれ、前記ヘッド側エア供給部及び前記シリンダ側エア供給部に対して相対的にスライド移動可能であることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、前記スライダ装置と、ラベルを吸着する吸着部と、を備えるラベル貼付装置であって、前記ヘッド部は、前記吸着部である、ラベル貼付装置に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、省スペース化を実現できるスライダ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態のラベル貼付装置のスライダ装置が待機位置に位置した状態を示す図である。
【
図2】一実施形態のラベル貼付装置のスライダ装置がラベル貼付位置に位置した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態のラベル吸着スライダ装置3(スライダ装置)を含むラベル貼付装置1について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態においては、以下の説明及び図面において、ラベル貼付装置1のラベル供給装置2とラベル吸着スライダ装置3とが並ぶ方向をX方向とする。X方向において、ラベル供給装置2側(一方側)をX1側とし、ラベル吸着スライダ装置3側(他方側)をX2側とする。また、
図4に示すように、ラベル吸着スライダ装置3の可動中空軸35及びシリンダ軸37が並ぶ方向をY方向とする。Y方向において、シリンダ軸37側(一方側)をY1側とし、可動中空軸35側(他方側)をY2側とする。また、ラベル吸着スライダ装置3の上下方向をZ方向とする。Z方向は、X方向及びY方向に直交する方向である。
【0015】
本発明の一実施形態に係るラベル貼付装置1は、被貼付物100にラベルLaを貼り付ける装置である。ラベル貼付装置1は、
図1及び
図2に示すように、ラベル供給装置2と、ラベル吸着スライダ装置3(スライダ装置)と、を備える。ラベル供給装置2は、ラベル吸着スライダ装置3にラベルLaを供給する。
【0016】
ラベル供給装置2は、ラベル吸着スライダ装置3のX方向のX1側の側方に配置されている。ラベル供給装置2は、Y方向駆動部25により、Y方向に移動可能に構成される。
【0017】
ラベル供給装置2は、ラベル搬送部21と、ラベル剥離部22と、を有する。ラベル搬送部21は、長尺状のラベル付台紙Lをラベル剥離部22に供給すると共に、ラベル付台紙LからラベルLaが剥離された後の台紙Lbを下流側ローラ211を介して台紙巻取ホルダ(図示せず)に向けて搬送する。ラベル剥離部22は、ラベル吸着スライダ装置3に近づくにしたがって斜め上方に延びるラベル剥離板221を有する。
【0018】
ラベル搬送部21によりラベル剥離板221に搬送されたラベル付台紙Lは、ラベル剥離板221の上面側を搬送されてラベル剥離板221の先端で折り返される。これにより、ラベル供給装置2は、ラベル付台紙LからラベルLaを剥離させて、ラベルLaをラベル吸着スライダ装置3のラベル吸着ヘッド部31の下面のラベル吸着面315に供給する。ラベル付台紙LからラベルLaが剥離された後の台紙Lbは、ラベル剥離板221の下流側において、下流側ローラ211を介して、台紙巻取ホルダ(図示せず)に向けて搬送される。
【0019】
ラベル吸着スライダ装置3は、ラベル供給装置2に供給されたラベルLaを被貼付物100に貼り付ける。ラベル吸着スライダ装置3は、スライド支持構造4に支持されると共に、X方向駆動部5により、X方向に移動可能に構成される。ラベル吸着スライダ装置3は、ラベル吸着ヘッド部31(ヘッド部)をZ方向に移動させることが可能なエアシリンダ部36(
図4参照、後述)を備え、ラベル吸着ヘッド部31にラベルLaを吸着させた状態で、ラベル吸着ヘッド部31を、Z方向に移動させることで、待機位置(
図1参照)からラベル貼付位置(
図2参照)に移動させて、被貼付物100にラベルLaを貼り付ける。
【0020】
ラベル吸着スライダ装置3は、
図3及び
図4に示すように、ラベル吸着ヘッド部31(ヘッド部、吸着部)と、ヘッド支持部32と、エア供給ハウジング部33と、ラベル吸着ヘッド部31にエアを供給する可動中空軸35と、ラベル吸着ヘッド部31を進退移動させることが可能なエアシリンダ部36と、を有する。
【0021】
ヘッド支持部32は、ラベル吸着ヘッド部31の上面を支持する。ヘッド支持部32は、ラベル吸着ヘッド部31の上面におけるX方向のX2側に接続され、ラベル吸着ヘッド部31の上面から上方側に延びる。
【0022】
エア供給ハウジング部33は、Z方向に延びる直方体形状に形成され、
図3に示すように、ヘッド支持部32のX方向のX1側の側方において、ヘッド支持部32をZ方向にスライド移動可能に支持する。
【0023】
エア供給ハウジング部33には、
図4に示すように、後述するヘッド側エア供給部34及びシリンダ側エア供給部38が一体に設けられている。エアシリンダ部36は、エアによりラベル吸着ヘッド部31をY方向にスライド移動するように駆動可能なヘッド駆動部を構成する。
【0024】
ラベル吸着ヘッド部31は、エア供給ハウジング部33のZ方向の下方に配置され、エア供給ハウジング部33に対して、Z方向の下方に進退移動可能に構成される。ラベル吸着ヘッド部31の内部には、エア供給ハウジング部33の下部に接続される可動中空軸35を介して、エアが供給される。ラベル吸着ヘッド部31は、エア供給口311と、エア流路312と、複数の連通孔313と、を有する。
【0025】
ラベル吸着ヘッド部31は、エア供給ハウジング部33の下部に接続される可動中空軸35を介して内部に負圧のエアが供給されることにより、ラベル供給装置2により供給されるラベルLaを、複数の連通孔313を介して吸引して、ラベル吸着ヘッド部31の下面において吸着する。ラベル吸着ヘッド部31は、ラベル吸着ヘッド部31の下面のラベル吸着面315で吸着したラベルLaを、被貼付物100(
図1参照)の上面に接触させることで、被貼付物100の上面に貼り付ける。ラベルLaを被貼付物100の上面に貼り付ける際には、ラベルLaは、ラベルLaの糊の粘着力によって、被貼付物100の上面に貼り付けられる。なお、ラベルLaを被貼付物100の上面に貼り付ける際に、例えば、ラベルLaを真空破壊により貼り付けてもよく、ラベル吸着ヘッド部31の内部に正圧のエアを供給することで、複数の連通孔313を通して吹き出される圧縮空気によりラベルLaを被貼付物100に貼り付けてもよい。
【0026】
ラベル吸着ヘッド部31のラベル吸着面315には、連通孔313の下端部から水平方向に延びる段差溝314が設けられている。段差溝314は、ラベル吸着ヘッド部31の下面から上方に所定の厚みだけ凹んだ溝状に形成され、連通孔313の下端に連通して形成されている。
【0027】
ラベル吸着ヘッド部31の下面に、連通孔313から延びる段差溝314を設けているため、ラベルLaが繰り出し終わるまでに、段差溝314には空気が残存して、真空状態にはならない。
【0028】
エア供給口311は、ラベル吸着ヘッド部31の上面から下方に凹む円柱凹状に形成される。エア供給口311には、可動中空軸35の下端部が接続される。可動中空軸35の下端部の外周面には、Oリング351が取り付けられ、可動中空軸35の下端部は、Oリング351を介して、エア供給口311に取り付けられている。
【0029】
エア流路312は、エア供給口311の円柱凹状の部分の奥側の端部に接続され、エア供給口311の円柱凹状の部分の奥側の端部から、Y方向の両側に水平に延びる(
図4参照)と共にX方向のX1側に水平に延びる(
図3参照)。
【0030】
複数の連通孔313は、本実施形態においては、X方向のX1側の端部側において、Y方向に離れてY方向に並んで3つ設けられており、エア流路312から下方に延びて、ラベル吸着ヘッド部31の下面に貫通する。複数の連通孔313は、エア流路312を介して、ラベル吸着ヘッド部31の内部と外部とを連通させてエアを通過させる。本実施形態においては、複数の連通孔313は、ラベル吸着ヘッド部31の内部に負圧のエアが供給されることで、ラベルLaを吸引する。
【0031】
可動中空軸35は、
図4に示すように、Z方向(所定方向)に延びると共に、中空筒状に形成される。可動中空軸35は、内部に形成されるZ方向に延びる内部空間Sにエアを通過させることが可能である。可動中空軸35のZ方向の下端部側(一端部側)は、ラベル吸着ヘッド部31の内部に連通した状態で、ラベル吸着ヘッド部31に接続される。可動中空軸35のZ方向の上端部側(他端部側)は、エア供給ハウジング部33に設けられたヘッド側エア供給部34の内部に連通した状態で、ヘッド側エア供給部34の下部に接続されている。可動中空軸35は、エア供給ハウジング部33に設けられるヘッド側エア供給部34に対して、相対的に、軸方向であるZ方向にスライド移動可能である。
【0032】
ヘッド側エア供給部34は、可動中空軸35のZ方向の上端部側(他端部側)に接続される。ヘッド側エア供給部34は、可動中空軸35の内部の内部空間Sを通してラベル吸着ヘッド部31の内部に負圧のエアを供給する。ヘッド側エア供給部34は、可動中空軸収容部341と、可動中空軸側エア供給接続部342と、を有する。
【0033】
可動中空軸収容部341は、Z方向に延びる筒状の空間により構成される。可動中空軸収容部341には、可動中空軸35の内部と連通した状態で、可動中空軸35のZ方向の上端部側(他端部側)が、軸方向に移動可能に収容される。可動中空軸収容部341の筒状の空間は可動中空軸35の移動方向に沿って延びて形成され、可動中空軸35がZ方向に移動する場合に、可動中空軸収容部341は、可動中空軸35のZ方向の移動をガイドする。
【0034】
可動中空軸側エア供給接続部342は、可動中空軸収容部341のZ方向の上部側に設けられる。可動中空軸側エア供給接続部342には、可動中空軸収容部341にエアを供給するチューブ342a(エア供給配管)が接続されている。可動中空軸側エア供給接続部342に接続されたチューブ342aにより可動中空軸収容部341にエアを供給することで、可動中空軸収容部341に連通された可動中空軸35の内部空間Sを介して、ラベル吸着ヘッド部31にエアを供給する。
【0035】
なお、本実施形態においては、可動中空軸収容部341にエアを供給することで可動中空軸35の内部にエアを供給しており、可動中空軸収容部341には、可動中空軸35を移動させてラベル吸着ヘッド部31を移動させるまでの圧力のエアは供給されていない。ラベル吸着ヘッド部31のZ方向への進退移動は、エアシリンダ部36(ヘッド駆動部)により行われている。
【0036】
エアシリンダ部36は、可動中空軸35に平行に配置されZ方向の下端側(一端部側)がラベル吸着ヘッド部31の上面に接続されるシリンダ軸37と、シリンダ軸37のZ方向の上端側(他端部側)に接続されるシリンダ側エア供給部38と、を有する。エアシリンダ部36がラベル吸着ヘッド部31を進退移動させることで、ラベル吸着ヘッド部31に接続された可動中空軸35は、軸方向であるZ方向にスライド移動可能である。
【0037】
シリンダ軸37は、Z方向(所定方向)に延びて形成される。シリンダ軸37は、エア供給ハウジング部33に対して、軸方向であるZ方向にスライド移動可能である。シリンダ軸37は、可動中空軸35のY方向のY1側に、可動中空軸35に平行に並んで配置される。シリンダ軸37のZ方向の下端部側は、ラベル吸着ヘッド部31の上面に接続されている。シリンダ軸37のZ方向の上端部側は、エア供給ハウジング部33に設けられたエアシリンダ部36のシリンダ側エア供給部38に接続されている。
【0038】
シリンダ側エア供給部38は、シリンダ軸37を軸方向にスライド移動可能に、シリンダ軸37のZ方向の上端部側(他端部側)に接続される。シリンダ側エア供給部38は、シリンダ軸収容部381と、第1エア供給接続部382(シリンダ軸側エア供給接続部)と、第2エア供給接続部383(シリンダ軸側エア供給接続部)と、を有する。
【0039】
シリンダ軸収容部381は、Z方向に延びる筒状の空間により構成される。シリンダ軸収容部381には、シリンダ軸37のZ方向の上端部側(他端部側)が軸方向に移動可能に収容される。シリンダ軸収容部381には、シリンダ軸37をZ方向に移動させるエアが供給される。シリンダ軸収容部381の筒状の空間はシリンダ軸37の移動方向に沿って延びて形成され、シリンダ軸37がZ方向に移動する場合に、シリンダ軸収容部381は、シリンダ軸37のZ方向の移動をガイドする。
【0040】
第1エア供給接続部382は、シリンダ軸収容部381のZ方向の上部側に設けられ、エアを供給するチューブ382aが接続されている。第1エア供給接続部382に接続部に接続されたチューブ382aからシリンダ軸収容部381の内部にエアを供給することで、Z方向の上部側に位置するシリンダ軸37を下方に移動させることができる。
【0041】
第2エア供給接続部383は、シリンダ軸収容部381のZ方向の下部側に設けられ、エアを供給するチューブ383aが接続されている。第2エア供給接続部383に接続されたチューブ383aからシリンダ軸収容部381の内部にエアを供給することで、Z方向の下部側に位置するシリンダ軸37を上方に移動させることができる。
【0042】
エア供給ハウジング部33には、ヘッド側エア供給部34及びシリンダ側エア供給部38が一体で設けられる。ヘッド側エア供給部34及びシリンダ側エア供給部38は、可動中空軸35及びシリンダ軸37が延びる方向に直交する方向に並んで配置されて一体的に構成される。可動中空軸35及びシリンダ軸37は、それぞれ、ヘッド側エア供給部34及びシリンダ側エア供給部38に対して相対的に、可動中空軸35及びシリンダ軸37の軸方向に沿ってZ方向にスライド移動可能である。可動中空軸収容部341の筒状の空間及びシリンダ軸収容部381の筒状の空間が平行に並んで配置されるため、エアシリンダ部36によりシリンダ軸37がZ方向に移動された場合に、可動中空軸35及びシリンダ軸37は、可動中空軸収容部341の筒状の空間及びシリンダ軸収容部381の筒状の空間によりZ方向の移動をガイドされて、スムーズに移動できる。
【0043】
また、可動中空軸35及びシリンダ軸37は、互いが双方をガイドする役割を果たしており、可動中空軸35は、シリンダ軸37の軸方向のスライド移動をガイドするガイド部を構成し、シリンダ軸37は、可動中空軸35の軸方向のスライド移動をガイドするガイド部を構成する。これにより、可動中空軸35及びシリンダ軸37は、互いが双方をガイドするため、可動中空軸35及びシリンダ軸37は、いずれも、互いが双方をガイドしているため、軸方向にスムーズに移動できる。
【0044】
次に、ラベル貼付装置1の動作について説明する。
図1に示すように、ラベル吸着スライダ装置3が待機位置(
図1参照)に位置した状態において、ラベル吸着ヘッド部31にラベルLaが供給される。ヘッド側エア供給部34により可動中空軸35の内部が負圧にされることで、ラベル吸着ヘッド部31の内部には、負圧のエアが供給される。これにより、ラベル吸着ヘッド部31は、ラベル供給装置2により供給されるラベルLaを、複数の連通孔313を介して吸引して、下面のラベル吸着面315において吸着する。
【0045】
この状態で、ラベル吸着スライダ装置3を、
図1に示す待機位置から、X方向駆動部5により、X方向のX2側に所定距離移動させた後に、エアシリンダ部36によりエアを供給してシリンダ軸37をZ方向の下方に移動させることで、ラベル吸着ヘッド部31を、Z方向の下方に移動させて、
図2に示すラベル貼付位置に移動させる。
【0046】
ここで、エアシリンダ部36によりラベル吸着ヘッド部31を下方に移動させる際に、可動中空軸35がラベル吸着ヘッド部31に接続されているため、可動中空軸35も下方に移動される。そして、可動中空軸35は、内部が中空筒状に形成されており、ラベル吸着ヘッド部31の内部に連通されている。そのため、ラベル吸着ヘッド部31は、ラベル吸着ヘッド部31の内部のエアが負圧で維持された状態で、下方に移動される。これにより、ラベル吸着ヘッド部31は、ラベルLaを吸引した状態で、下方に移動される。
【0047】
ラベル吸着ヘッド部31は、ラベル吸着ヘッド部31の下面において吸着したラベルLaを、被貼付物100の上面に接触させることで、
図2に示すように、被貼付物100の上面に貼り付ける。ラベルLaを被貼付物100の上面に貼り付ける際には、ラベルLaは、ラベルLaの糊の粘着力によって、被貼付物100の上面に貼り付けられる。なお、ラベルLaを被貼付物100の上面に貼り付ける際に、例えば、ラベルLaを真空破壊により貼り付けてもよく、ラベル吸着ヘッド部31の内部に正圧のエアを供給することで、複数の連通孔313を通して吹き出される圧縮空気によりラベルLaを被貼付物100に貼り付けてもよい。
【0048】
ラベル吸着ヘッド部31が被貼付物100にラベルLaを貼り付けた後に、ラベル吸着スライダ装置3は、エアシリンダ部36により、ラベル貼付位置(
図2参照)から、待機位置(
図1)に移動されて、次の貼り付け動作に移行し、又は、次の貼り付け動作まで待機する。
【0049】
本実施形態のラベル吸着スライダ装置3によれば、例えば、以下の効果が奏される。
【0050】
本実施形態のラベル吸着スライダ装置3は、内部にエアが供給されエアを通過させる連通孔313を有するラベル吸着ヘッド部31と、所定方向に延びると共に内部にエアを通過させることが可能な中空筒状に形成され、一端部側がラベル吸着ヘッド部31に接続され、軸方向にスライド移動可能な可動中空軸35と、可動中空軸35の他端部側に接続され可動中空軸35の内部を通してラベル吸着ヘッド部31の内部に負圧のエアを供給するヘッド側エア供給部34と、を備え、可動中空軸35は、ヘッド側エア供給部34に対して相対的にスライド移動可能に構成される。
【0051】
これにより、ラベル吸着ヘッド部31に可動中空軸35が接続されることにより、ラベル吸着ヘッド部31の外側にチューブなどの配管が不要となるため、従来ようにヘッド部にチューブなどの配管を設けていた場合と比べて、周辺機器との干渉を無くすことができる。また、ヘッド部にチューブなどの配管が不要となるため、省スペース化を実現できる。
【0052】
また、本実施形態においては、ヘッド側エア供給部34は、可動中空軸35の内部と連通した状態で可動中空軸35の他端部側が軸方向に移動可能に収容される可動中空軸収容部341と、可動中空軸収容部341にエアを供給するチューブ342aが接続される可動中空軸側エア供給接続部342と、を有する。これにより、軸方向に移動可能な中空筒状の可動中空軸35の内部を通じて、簡易な構成で、ヘッド側エア供給部34にエアを供給することができる。
【0053】
また、本実施形態においては、ラベル吸着ヘッド部31を進退移動させることが可能なエアシリンダ部36を備え、エアシリンダ部36がラベル吸着ヘッド部31を進退移動させることで、可動中空軸35は、軸方向にスライド移動可能である。これにより、エアシリンダ部36を進退移動させるだけで、可動中空軸35を同時に移動させることができる。よって、簡易な構成で、可動中空軸35をスライド移動させる構成を実現できる。
【0054】
また、本実施形態においては、エアシリンダ部36は、可動中空軸35に平行に配置され一端部側がラベル吸着ヘッド部31に接続され軸方向にスライド移動可能なシリンダ軸37と、シリンダ軸37を軸方向にスライド移動可能にシリンダ軸37に接続されるシリンダ側エア供給部38と、を有する。これにより、可動中空軸35とシリンダ軸37とを平行に配置する構成であるため、シリンダ軸37を移動させることで、可動中空軸35を、シリンダ軸37と同じ方向に移動させることができる。よって、簡易な構成で、ラベル吸着ヘッド部31を容易に移動させることができる。また、可動中空軸35とシリンダ軸37とを平行に配置する構成であるため、可動中空軸35とシリンダ軸37とが延びる方向が同じであるため、省スペース化をより実現できる。
【0055】
また、本実施形態においては、ヘッド側エア供給部34及びシリンダ側エア供給部38は、可動中空軸35及びシリンダ軸37が延びる方向に直交する方向に並んで配置され、ラベル吸着ヘッド部31に対して相対的に一体的に可動中空軸35及びシリンダ軸37の軸方向に移動可能である。これにより、ヘッド側エア供給部34及びシリンダ側エア供給部38をラベル吸着ヘッド部31に対して相対的に一体的に移動させることができるため、ヘッド側エア供給部34及びシリンダ側エア供給部38を別々の構成とせずに一体化できるため、省スペース化を実現できる。
【0056】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。
【0057】
例えば、前記実施形態においては、ラベル吸着スライダ装置3を、ラベルLaを吸着するラベル貼付装置1に適用した場合について説明したが、これに限定されない。ラベル吸着スライダ装置3を、ラベルではなくて、別の被吸着物を吸着する装置に適用してもよい。
【0058】
また、前記実施形態においては、ラベル吸着スライダ装置3を、ヘッド部の内部に負圧のエアを供給してラベルLaを吸着するように構成したが、これに限定されず、ヘッド部の内部に正圧のエアを供給してヘッド部の連通孔からエアを吹き出す構成としてもよい。
【0059】
また、前記実施形態においては、ヘッド駆動部をエアシリンダ部により構成したが、これに限定されない。ヘッド駆動部を、例えば、エアで駆動しないで、電気で駆動する電動の駆動部により構成してもよい。
【0060】
また、前記実施形態においては、エアシリンダ部36及び可動中空軸35の機構を1つずつ設けたが、これに限定されない。エアシリンダ部36及び可動中空軸35の機構は、いずれか一方又は両方を、複数設けてもよい。
【0061】
また、前記実施形態においては、可動中空軸35及びシリンダ軸37が、互いが双方の軸方向のスライド移動をガイドするガイド部を構成したが、これに限定されない。シリンダ軸37の軸方向のスライド移動をガイドするガイド部を別に設けてもよいし、可動中空軸35の軸方向のスライド移動をガイドするガイド部を別に設けてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 ラベル貼付装置
3 ラベル吸着スライダ装置(スライダ装置)
31 ラベル吸着ヘッド部(ヘッド部、吸着部)
34 ヘッド側エア供給部
35 可動中空軸
36 エアシリンダ部(ヘッド駆動部)
37 シリンダ軸
38 シリンダ側エア供給部
313 連通孔
341 可動中空軸収容部
342 可動中空軸側エア供給接続部
342a チューブ(エア供給配管)