(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012154
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】航空機の消火システムを制御するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A62C 3/08 20060101AFI20240118BHJP
B64D 25/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A62C3/08
B64D25/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023114289
(22)【出願日】2023-07-12
(31)【優先権主張番号】17/863,555
(32)【優先日】2022-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マキーチェン, ジョージ エー.
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー, パトリック ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ダール, レイチェル エム.
(72)【発明者】
【氏名】ショー, デーヴィッド ジェー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】航空機の消火システムを制御するためのシステム及び方法に関する。
【解決手段】消火システムを制御するための航空機に実装される方法は、航空機のコンピューティングシステムによって、航空機の消火システムが作動状態に移行するべきであるという指示を受け取ることを含む。コンピューティングシステムは、航空機が地上にあるかどうかを判定する。航空機が地上にあると判定したことに応じて、コンピューティングシステムは、消火システムが非作動状態を維持するか又は非作動状態に移行するように制御する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消火システム(150)を制御するための航空機(100)に実装される方法(400)であって、
前記航空機(100)のコンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)の前記消火システム(150)が、作動状態に移行するべきであるという指示を受け取ること、
前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が地上にあるかどうかを判定すること、及び
前記航空機(100)が前記地上にあると判定したことに応じて、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記消火システム(150)が非作動状態を維持するか又は該非作動状態に移行するように制御することを含む、方法。
【請求項2】
前記航空機(100)が前記地上にないと判定したことに応じて、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記消火システム(150)が前記作動状態に入るように制御することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記航空機(100)が前記地上にあるかどうかを判定することは、
前記コンピューティングシステム(205)と通信する着陸装置の重量オンホイール(WOW)センサ(155)が、閾値重量を超える重量を示したときに、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が前記地上にあると判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記航空機(100)が前記地上にあるかどうかを判定することは、
前記コンピューティングシステム(205)と通信する貨物ドア位置センサ(125)が、貨物ドア(120)が開いていることを検知したときに、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が前記地上にあると判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記航空機(100)が前記地上にあるかどうかを判定することは、
前記コンピューティングシステム(205)に通信されるエンジン動作信号が、前記航空機(100)の1以上のエンジン(105)が動作していないことを示したときに、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が前記地上にあると判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記消火システム(150)が作動されるべきであるという前記指示を受け取ることは、
前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)の貨物倉内に位置付けられた火災検出センサから、前記航空機(100)の前記貨物倉(115)内の煙の表示を受け取ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記消火システム(150)が前記航空機(100)上で作動されるべきであるという前記指示を受け取ることは、
前記航空機(100)の前記コンピューティングシステム(205)によって、不活性ガスベースの消火システム(150)が、作動状態に移行するべきであるという指示を受け取ることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記消火システム(150)は、バイパスピン(217)を受け入れるように構成され、前記方法は、
前記バイパスピン(217)が挿入されたときに、前記消火システム(150)が前記非作動状態を維持するか又は前記非作動状態に移行するように制御することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
航空機(100)であって、
消火システム(150)、並びに
前記消火システム(150)の作動を制御するコンピューティングシステム(205)を備え、前記コンピューティングシステム(205)は、
指示命令コードを記憶するための1以上の指示命令ストレージデバイス、及び
前記1以上の指示命令ストレージデバイスと通信する1以上のプロセッサを備え、前記1以上のプロセッサによる前記指示命令コードの実行が、前記コンピューティングシステム(205)に、
前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)の前記消火システム(150)が、作動状態に移行するべきであるという指示を受け取ること、
前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が地上にあるかどうかを判定すること、及び
前記航空機(100)が前記地上にあると判定したことに応じて、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記消火システム(150)が非作動状態を維持するか又は該非作動状態に移行するように制御することを含む、動作を実行させる、航空機(100)。
【請求項10】
前記航空機(100)が前記地上にないと判定したことに応じて、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記消火システム(150)が前記作動状態に入るように制御することを更に含む、請求項9に記載の航空機(100)。
【請求項11】
前記航空機(100)が前記地上にあるかどうかを判定することは、
前記コンピューティングシステム(205)と通信する着陸装置の重量オンホイール(WOW)センサ(155)が、閾値重量を超える重量を示したときに、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が前記地上にあると判定することを含む、請求項9に記載の航空機(100)。
【請求項12】
前記航空機(100)が前記地上にあるかどうかを判定することは、
前記コンピューティングシステム(205)と通信する貨物ドア位置センサ(125)が、貨物ドア(120)が開いていることを検知したときに、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が前記地上にあると判定することを含む、請求項9に記載の航空機(100)。
【請求項13】
前記航空機(100)が前記地上にあるかどうかを判定することは、
前記コンピューティングシステム(205)に通信されるエンジン動作信号が、前記航空機(100)の1以上のエンジン(105)が動作していないことを示したときに、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が前記地上にあると判定することを含む、請求項9に記載の航空機(100)。
【請求項14】
前記消火システム(150)が作動されるべきであるという前記指示を受け取ることは、
前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)の貨物倉内に位置付けられた火災検出センサから、前記航空機(100)の前記貨物倉(115)内の煙の表示を受け取ることを含む、請求項9に記載の航空機(100)。
【請求項15】
前記消火システム(150)が前記航空機(100)上で作動されるべきであるという前記指示を受け取ることは、
前記航空機(100)の前記コンピューティングシステム(205)によって、不活性ガスベースの消火システム(150)が、作動状態に移行するべきであるという指示を受け取ることを更に含む、請求項9に記載の航空機(100)。
【請求項16】
前記消火システム(150)は、バイパスピン(217)を受け入れるように構成され、前記消火システム(150)は、前記バイパスピン(217)が挿入されたときに、前記非作動状態を維持するか又は前記非作動状態に移行するように構成されている、請求項9に記載の航空機(100)。
【請求項17】
航空機(100)の消火システム(150)を制御することを容易にする指示命令コードを記憶した非一過性のコンピュータ可読媒体であって、コンピューティングシステム(205)の1以上のプロセッサによる前記指示命令コードの実行が、前記コンピューティングシステム(205)に、
前記航空機(100)のコンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)の前記消火システム(150)が、作動状態に移行するべきであるという指示を受け取ること、
前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が地上にあるかどうかを判定すること、及び
前記航空機(100)が前記地上にあると判定したことに応じて、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記消火システム(150)が非作動状態を維持するか又は該非作動状態に移行するように制御することを含む、動作を実行させる、非一過性のコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記航空機(100)が前記地上にないと判定したことに応じて、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記消火システム(150)が前記作動状態に入るように制御することを更に含む、請求項17に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記航空機(100)が前記地上にあるかどうかを判定することは、
前記コンピューティングシステム(205)と通信する着陸装置の重量オンホイール(WOW)センサ(155)が、閾値重量を超える重量を示したときに、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が前記地上にあると判定することを含む、請求項17に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記航空機(100)が前記地上にあるかどうかを判定することは、
前記コンピューティングシステム(205)と通信する貨物ドア位置センサ(125)が、貨物ドア(120)が開いていることを検知したときに、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が前記地上にあると判定することを含む、請求項17に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、広くは、航空機安全システムに関する。特に、本出願は、航空機の消火システムを制御するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の旅客機は、通常、航空機の貨物倉内に消火システムを含む。概して、煙や火災が貨物倉内で検出されたときに、消火システムは、不活性ガスで貨物倉をあふれさせるように構成されている。不活性ガスは、酸素を置換し、それが任意の火災を鎮火する。
【0003】
不活性ガスであるハロン1301は、1970年代から消火システムに使用されている。ハロン1301は、約5%の濃度で鎮火効果がある。この濃度では、ハロン1301の人体に対する毒性レベルは比較的低い。したがって、作業員が貨物倉内にいるときに、ハロン1301が貨物倉の中に不注意で放出されたとしても、概して、この作業員の健康や安全に対する深刻な脅威にはならない。
【0004】
残念なことに、ハロン1301は、成層圏上層部内に集まると、オゾン層を破壊する非常に強力な化合物であることが国際的に認識されている。したがって、ハロン1301の製造は、モントリオール議定書の下で禁止された。火災を鎮火でき、環境に悪影響を与えない代替的な不活性ガスは存在する。しかし、これらの不活性ガスが効果を発揮する濃度は、人間にとって有毒である傾向がある。
【発明の概要】
【0005】
第1の態様では、消火システムを制御するための航空機に実装される方法が、航空機のコンピューティングシステムによって、航空機の消火システムが作動状態に移行するべきであるという指示を受け取ることを含む。該コンピューティングシステムは、航空機が地上にあるかどうかを判定する。航空機が地上にあると判定したことに応じて、コンピューティングシステムは、消火システムが非作動状態を維持するか又は非作動状態に移行するように制御する。
【0006】
第2の態様では、航空機が、消火システム、及び消火システムの作動を制御するコンピューティングシステムを備える。該コンピューティングシステムは、指示命令コードを記憶するための1以上の指示命令ストレージデバイス、及び1以上の指示命令ストレージデバイスと通信する1以上のプロセッサを備える。該1以上のプロセッサによる指示命令コードの実行は、コンピューティングシステムに、航空機のコンピューティングシステムによって、航空機の消火システムが作動状態に移行するべきであるという指示を受け取ることを含む動作を実行させる。該コンピューティングシステムは、航空機が地上にあるかどうかを判定する。航空機が地上にあると判定したことに応じて、コンピューティングシステムは、消火システムが非作動状態を維持するか又は非作動状態に移行するように制御する。
【0007】
第3の態様では、非一過性のコンピュータ可読媒体が、航空機の消火システムを制御することを容易にする指示命令コードを記憶する。該コンピューティングシステムの1以上プロセッサによる指示命令コードの実行は、コンピューティングシステムに、航空機のコンピューティングシステムによって、航空機の消火システムが作動状態に移行するべきであるという指示を受け取ることを含む動作を実行させる。該コンピューティングシステムは、航空機が地上にあるかどうかを判定する。航空機が地上にあると判定したことに応じて、コンピューティングシステムは、消火システムが非作動状態を維持するか又は非作動状態に移行するように制御する。
【0008】
これまでの概要は、例示目的のみであって、任意のやり方での限定を意図していない。上述された例示的な態様、実施形態、及び特徴に加えて、更なる態様、実施形態、及び特徴が、以下の詳細な説明及び添付の図面を参照することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1B】例示的な実施形態による航空機の着陸装置を示す。
【
図1C】例示的な実施形態による航空機の貨物倉を示す。
【
図2】例示的な実施形態による航空機の消火システムを示す。
【
図3】例示的な実施形態による航空機の消火システムを制御することを容易にする動作を示す。
【
図4】例示的な実施形態による航空機の消火システムを制御することを容易にする動作を示す。
【
図5】例示的な実施形態による本明細書で説明されるシステム及び/又はデバイスのいずれかの部分を形成し得る又はいずれかを実装し得るコンピュータシステムの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面は、概略的なものであり、必ずしも縮尺通りではなく、概して例示的な実施形態を解明するのに必要な態様のみを示しており、他の態様は省略されているか、単に示唆されているに過ぎない。
【0011】
システム、デバイス、及び/又は方法の多数の実施例が、本明細書で説明される。本明細書で一実施例として説明される任意の実施形態、実施態様、及び/又は特徴は、そのように記述されていなければ、任意の他の実施形態を超えて好適又は有利であると必ずしも解釈されない。したがって、他の実施形態、実施態様、及び/又は特徴が利用されてよく、本明細書で提示される主題の範囲から逸脱することなしに他の変形が行われてよい。
【0012】
したがって、本明細書で説明される実施例は、限定的であることを意図していない。本明細書で概して説明され、図面で示されるように、本開示の態様は、幅広い種々の構成で配置され、代替され、組み合わされ、分離され、設計され得ることが、容易に理解されるだろう。
【0013】
更に、文脈が逆のことを示唆しないならば、図面の各々内で示された特徴は、互いに組み合わせて使用され得る。したがって、図面は、1以上の全体の実施形態のうちの構成要素の態様として広く見られるべきであり、各実施形態には、必ずしも全ての示された特徴が必要とされるわけではないことが理解される。
【0014】
更に、本明細書又は特許請求の範囲における要素、ブロック、又はステップの列挙は、明瞭さを目的とするものである。したがって、そのような列挙は、これらの要素、ブロック、又はステップが、特定の配置に固執し特定の順序で実行されることを要求し又は意図するように解釈されるべきではない。
【0015】
更に、本明細書で使用され得る「実質的に(substantially」又は「約(about)」という用語は、挙げられている特性、パラメータ、又は値が厳密に実現される必要はないが、特性によって得られることになっている影響を無効にしない量の、例えば、許容誤差、測定エラー、測定精度限界、及び当業者には既知のその他の要因などを含む偏差又は変動が生じ得ることを意味している。
【0016】
イントロダクション
上述されたように、ハロン1301は、成層圏上層部内に集まるとオゾン層を破壊する非常に強力な化合物であるため、モントリオール議定書によって製造が禁止された。火災を鎮火でき、環境に悪影響を与えない代替的な不活性ガスは存在する。しかし、これらの不活性ガスが効果を発揮する濃度は、人間にとって有毒である傾向がある。
【0017】
これらの及び他の課題は、航空機の消火システムを制御するための様々なシステム及び方法によって解決される。例えば、航空機の一例は、消火システム、及び消火システムの作動を制御するコンピューティングシステムを備える。該コンピューティングシステムは、航空機の消火システムが作動状態に移行するべきであるという指示を受け取るように構成されている。例えば、コンピューティングシステムは、航空機の貨物倉内の煙又は火災の表示を受け取る。続いて、コンピューティングシステムは、航空機が地上にあるかどうかを判定する。例えば、コンピューティングシステムは、航空機が地上にあるかどうかを判定するために、航空機の様々なセンサを評価する。航空機が地上にあると判定したことに応じて、コンピューティングシステムは、消火システムが非作動状態を維持するか又は非作動状態に移行するように制御する。一方、航空機が地上にないとコンピューティングシステムが判定した場合、コンピューティングシステムは、あらゆる火災を鎮火するために、消火システムが作動状態に入るか又は作動状態に移行するように制御する。
【0018】
センサの幾つかの例は、航空機の車輪に重量がかかっているかどうかを判定することを容易にする。センサの幾つかの例は、航空機の1以上の貨物ドアが開いているかどうかを判定することを容易にする。センサの幾つかの例は、航空機の1以上のエンジンが動作しているかどうかを判定することを容易にする。これらのセンサからの情報は、航空機が地上にある可能性が高いかどうかを判定することを容易にする。
【0019】
航空機の幾つかの例は、サービス要員が手動で消火システムを無効にすることを可能にするバイパスピンを備える。サービス要員は、全てのサービス要員が貨物倉を離れ、貨物倉のドアが閉じられた後で、バイパスピンを取り外す。
【0020】
図1A~
図1Cは、航空機100の一例の様々な態様を示す。図示されているように、航空機100は、1以上のエンジン105、着陸装置110、貨物倉115、及び消火システム150を含む。
【0021】
着陸装置110の幾つかの例は、重量オンホイールセンサ155(WOWセンサ)を備える。WOWセンサ155は、航空機の着陸装置にかかる重量を検知するように構成されている。航空機100の幾つかの例は、各ホイールセットにWOWセンサ155を含む。
【0022】
WOWセンサ155の幾つかの例は、例えば着陸装置ストラットに取り付けられるように構成された歪みゲージを備える。ストラットにかかる応力(例えば、重量)によるストラット内のわずかな変形は、歪みゲージの電気抵抗を変化させる。それは、(例えば、歪みゲージに電圧をかけ、歪みゲージを通る電流を測定することによって)検知され得る。幾つかの実施例では、検知された歪みを示す値が、消火システム150に通信される。幾つかの実施例では、この値が、着陸装置にかかる閾値重量を示す閾値を超えたときに、消火システム150は、航空機100が地上にあると判定する。
【0023】
貨物倉115は、貨物倉115へのアクセスを容易にする貨物ドア120を備える。幾つかの実施例では、貨物ドア位置センサ125が、貨物ドア120が開いているかどうかを検知するように構成されている。貨物ドア位置センサ125の一例は、貨物ドア120が閉じられたときに作動される(例えば、電気的に閉じる)機械スイッチに相当する。貨物ドア位置センサ125のこの例は、貨物ドア120の状態の二値表示(例えば、開いているか又は閉じているか)を出力してよい。貨物ドア位置センサ125の別の一例は、3つ以上の状態(例えば、閉じている、開いている、部分的に開いている、完全に開いているなど)を出力するように構成されている。幾つかの実施例では、貨物ドア位置センサ125の状態が、消火システム150に通信される。
【0024】
貨物倉115の幾つかの例は、1以上の出力ポート130を備える。1以上の出力ポート130を通して、消火剤(例えば、窒素、アルゴン、及び二酸化炭素などの不活性ガス、又は不活性ガスの組み合わせを含むグリーン剤)が、まき散らされる。ハイドロフルオロカーボン(HFC)を含む他の消火剤も、同様に使用され得る。この動作の詳細は、以下で更に詳細に説明される。
【0025】
幾つかの実施例では、エンジン105のうちの1以上が動作しているかどうかの表示が、消火システム150に通信される。例えば、幾つかの実施例では、エンジン動作信号が、消火システム150に通信される。エンジン動作信号の一例は、1以上のエンジン105の状態(例えば、オン又はオフ)を示す。幾つかの実施例では、エンジン速度センサが出力する1以上のエンジン105のタービン速度の表示が、直接又は間接的に(例えば、別のシステムを介して)消火システム150に通信されてよい。
【0026】
上述のセンサによって提供される様々な表示が、航空機100が地上にあるかどうかを判定することを容易にする。例えば、貨物ドア120が開いている、エンジン105が動作していない、又は着陸装置110に重量がかかっていると検知されるときに、航空機100は地上にある可能性が高い。
【0027】
図2は、消火システム150の一実施例を示している。消火システム150の幾つかの実施例は、コントローラ205、消火剤(FSA)貯蔵タンク210、及び1以上のバルブ215A、215B、215Cを備える。
【0028】
FSA貯蔵タンク210の一例は、不活性ガスなどの消火剤を保持するように構成されている。幾つかの実施例では、消火剤が、圧力下でFSA貯蔵タンク210内に保持される。幾つかの実施例では、FSA貯蔵タンク210の出力が、1以上のバルブ215A、215B、215Cを介して、貨物倉内の1以上の出力ポート130に流体結合されている(例えば、1以上の導管を介して)。
【0029】
3つのバルブ215A、215B、215Cが、
図2で示されているが、バルブの数は異なってもよい。バルブ215A、215B、215Cは、直列で結合されているように図示されている。したがって、幾つかの実施例では、消火剤が流れるために、3つのバルブ215A、215B、215Cの全てが、開いている必要がある。3つのバルブ215A、215B、215Cのうちのいずれか1つが閉じていると、消火剤は流れない。
【0030】
バルブの幾つかの例は、電気的又は機械的に作動されるバルブに相当する。例えば、第1のバルブ215Aは、コントローラ205から電気信号を受信するように構成されている。該電気信号は、第1のバルブ215Aを開くか又は閉じるかのいずれかである。幾つかの実施例では、第1のバルブ215Aが、常時開バルブである。例えば、第1のバルブ215Aは、第1のバルブ215Aを開状態に付勢する弾性部材を備えてよい。したがって、コントローラ205が、応答しなくなった場合(例えば、前述の信号を通信しない場合)、第1のバルブ215Aは、デフォルトで開状態になる。
【0031】
第2のバルブ215Bは、例えばバイパスピン217に機械的又は電気的に結合されている。バイパスピン217の一例は、(例えば、胴体の下側の)受けスロットの中に挿入される。バイパスピン217は、視認性が高いように設計されている(例えば、目立つ警告を表示する大きくて明るい色の物体)。動作では、地上のオペレータが、バイパスピン217を受けスロットの中に挿入する。これにより、今度は、第2のバルブ215Bが閉じられ、したがって、消火剤の流れを阻止する。出発前に、オペレータは、バイパスピン217を取り外し、これにより第2バルブ215Bが開く。幾つかの実施例では、バイパスピン217は、第2のバルブ215Bと機械的に係合し、第2のバルブ215Bを閉じる。幾つかの実施例では、バイパスピン217が電気スイッチと係合する。電気スイッチは、第2のバルブ215Bを閉じる信号を直接又は間接的に(例えば、コントローラ205を介して)通信する。これに関して、幾つかの実施例では、第1及び第2のバルブ215A、215Bが、単一のバルブによって置き替えられ得る。その場合、バイパスピン217の挿入又は取り外しに関連付けられた信号が、コントローラ205に通信され得る。コントローラ205は、それに応じてバルブの開閉を行うことができる。幾つかの実施例では、バイパスピン217が挿入されているかどうか関して、パイロットに知らせるために、インジケータが操縦室に通信される。
【0032】
第3のバルブ215Cは、第1の消火トリガ信号に応じて作動されるように構成されている。例えば、第1の消火トリガ信号の一例は、貨物倉115内に配置された煙又は火災検出器から通信される。幾つかの実施例では、第1、第2、及び第3のバルブ215A、215B、215Cが、単一のバルブによって置き替えられ得る。その場合、バイパスピン217の挿入又は取り外しに関連付けられた信号が、コントローラ205に通信され得る。コントローラ205は、それに応じてバルブを開閉する。
【0033】
コントローラ205の幾つかの例は、メモリ244、プロセッサ242、及び入/出力(I/O)サブシステム246を備える。プロセッサ242は、メモリ244と通信する。プロセッサ242は、メモリ244内に記憶された指示命令コードを実行するように構成されている。該指示命令コードは、コントローラ205によって、以下で説明される様々な動作を実行することを容易にする。これに関して、指示命令コードは、プロセッサ242に、コントローラ205の異なるサブシステムによって実行される様々な活動を制御及び調整させてよい。プロセッサ242の幾つかの例は、ARM(登録商標)、Intel(登録商標)、AMD(登録商標)、PowerPC(登録商標)などをベースとするプロセッサに相当する。プロセッサの幾つかの例は、Windows(登録商標)、Linux(登録商標)、Unix(登録商標)、又は異なるオペレーティングシステムなどの、オペレーティングシステムを実行するように構成されている。
【0034】
I/Oサブシステム246の幾つかの例は、コントローラ205の外側のエンティティとの通信を容易にするように構成された1以上の入/出力インターフェースを含む。例えば、I/Oサブシステム246の幾つかの例は、上述された様々なセンサから信号を受信し、その信号をバルブ215A、215B、215Cのうちの1以上に通信して、バルブ215A、215B、215Cを開閉するように構成されている。
【0035】
図3は、消火システム150を制御することを容易にする動作300の実施例を示している。これらの動作は、上述されたデバイスの幾つかの例(例えばコントローラ205)によって実行される。幾つかの実施例では、これらの動作のうちの1以上が、これらのデバイスの対応するデータストレージ(例えば、メモリ244)内に記憶される指示命令コードを介して実装される。デバイスの対応するプロセッサによる指示命令コードの実行により、これらのデバイスは単独で又は他のデバイスと組み合わせて、これらの動作300を実行する。
【0036】
ブロック305は、消火トリガ指示が受け取られたかどうかを判定する。例えば、幾つかの実施例では、貨物倉115内で煙又は火災が検出されたときに、消火トリガ指示が、コントローラ205によって、貨物倉115内の煙検出器から受け取られる。これに関して、幾つかの実施例では、貨物倉115が、多数の煙及び/又は火災センサを備える。煙及び/又は火災センサの出力は、コントローラ205に通信されてよい。幾つかの実施例では、コントローラ205が、出力ポートへの消火剤の伝達を容易にするように構成されている。出力ポートは、煙及び/又は火災が検出される貨物倉115内のセクション内に配置されている。
【0037】
ブロック310での動作は、貨物ドア120が開いているかどうかを判定することを含む。例えば、コントローラ205の一例は、貨物ドア120が開いているかどうかを示す、貨物ドア位置センサ125からの信号を受信する。上述されたように、貨物ドア位置センサ125の一例は、貨物ドア120が閉じられたときに作動される(例えば、電気的に閉じる)機械スイッチに相当する。貨物ドア位置センサ125のこの例は、貨物ドア120の状態の二値表示(例えば、開いているか又は閉じているか)を出力してよい。貨物ドア位置センサ125の別の一例は、3つ以上の状態(例えば、閉じている、開いている、部分的に開いている、完全に開いているなど)を出力するように構成されている。
【0038】
ブロック310において、貨物ドア120が開いていると判定された場合、ブロック315における動作が実行される。ブロック315での動作は、消火システム150が動作することを阻止することを含む。例えば、幾つかの実施例では、コントローラ205が、信号を第1のバルブ215Aに通信する。該信号は、第1のバルブ215Aを閉じ、したがって、貨物倉115内の出口ポートへの消火剤の流れを阻止する。
【0039】
ブロック310において、貨物ドア120が閉じていると判定された場合、ブロック320における動作が実行される。ブロック320での動作は、航空機100の車輪(例えば、着陸装置)に重量がかかっているかどうかを判定することを含む。例えば、コントローラ205の一例は、WOWセンサ155から信号を受信する。上述されたように、WOWセンサ155は、例えば着陸装置のストラットに取り付けられるように構成された歪みゲージを備える。ストラットにかかる応力によるストラット内のわずかな変形は、歪みゲージの電気抵抗を変化させる。それは、(例えば、歪みゲージに電圧をかけ、歪みゲージを通る電流を測定することによって)検知され得る。測定される電流の量は、概して着陸装置110にかかる重量に比例する。
【0040】
ブロック320において、重量が着陸装置110にかかっており、その重量が閾値重量を超えると判定された場合、ブロック315における動作が実行される(すなわち、消火システム150は、動作することを阻止される)。
【0041】
ブロック320において、重量が車輪にかかっていると判定されないか、又はその重量が閾値重量を超えると判定されない場合、ブロック325における動作が実行される。ブロック325での動作は、バイパスピン217が挿入されているかどうかを判定することを含む。上述されたように、バイパスピン217の幾つかの例は、挿入されたときに、バルブ(例えば、第2のバルブ215B)と機械的に係合し、そのバルブを閉じる。それによって、貨物倉115内の出力ポートへの消火剤の流れが阻止される。幾つかの実施例では、バイパスピン217が電気スイッチと係合する。電気スイッチは、第2のバルブ215Bを閉じる信号を直接又は間接的に(例えば、コントローラ205を介して)通信する。
【0042】
ブロック325において、バイパスピン217が挿入されていると判定された場合、ブロック315における動作が実行される(すなわち、消火システム150は、動作することを阻止される)。
【0043】
ブロック325において、バイパスピン217が挿入されていないと判定された場合、ブロック330における動作が実行される。ブロック330での動作は、消火システム150を作動させることを含む。例えば、上記で評価された条件のいずれも成立しないと判定された場合、FSA貯蔵タンク210を貨物倉115内の出口ポートに結合するバルブ又は複数のバルブが開かれて、貨物倉115の中に消火剤が流れることを可能にする。
【0044】
図4は、航空機の消火システム150を制御することを容易にする動作400を示している。これらの動作は、上述された図面を参照すれば最もよく理解される。
【0045】
ブロック405での動作は、航空機100のコンピューティングシステムによって、航空機100の消火システム150が作動状態に移行するべきであるとの指示を受け取ることを含む。一実施例では、コンピューティングシステムがコントローラ205である。
【0046】
ブロック410での動作は、航空機100が地上にあると判定したことに応じて、コンピューティングシステムによって、消火システム150が非作動状態を維持するか又は非作動状態に移行するように制御することを含む。
【0047】
動作の幾つかの例は、航空機100が地上にないと判定したことに応じて、コンピューティングシステムによって、消火システム150が作動状態に入るように制御することを含む。
【0048】
幾つかの実施例では、航空機100が地上にあるかどうかを判定することが、コンピューティングシステムと通信する着陸装置の重量オンホイール(WOW)センサ155が、閾値重量を超える重量を示したときに、コンピューティングシステムによって、航空機100が地上にあると判定することを更に含む。
【0049】
幾つかの実施例では、航空機100が地上にあるかどうかを判定することが、コンピューティングシステムと通信する貨物ドア位置センサ125が、貨物ドア120が開いていることを検知したときに、コンピューティングシステムによって、航空機100が地上にあると判定することを更に含む。
【0050】
幾つかの実施例では、航空機100が地上にあるかどうかを判定することが、コンピューティングシステムに通信されるエンジン動作信号が、航空機100の1以上のエンジン105が動作していないことを示したときに、コンピューティングシステムによって、航空機100が地上にあると判定することを更に含む。
【0051】
幾つかの実施例では、消火システム150が作動されるべきであるとの指示を受け取ることが、コンピューティングシステムによって、航空機100の貨物倉115内に位置付けられた火災検出センサから、航空機100の貨物倉115内の煙の表示を受け取ることを更に含む。
【0052】
幾つかの実施例では、消火システム150が航空機100上で作動されるべきであるとの指示を受け取ることが、航空機100のコンピューティングシステムによって、不活性ガスベースの消火システム150が、作動状態に移行するべきであるとの指示を受け取ることを更に含む。
【0053】
幾つかの実施例では、消火システム150がバイパスピン217を受け入れるように構成されている。これらの実施例は、バイパスピン217が挿入されたときに、消火システム150が非作動状態を維持するか又は非作動状態に移行するように制御することを更に含む。
【0054】
図5は、上述されたシステム及び/又はデバイスのいずれかの部分を形成し得る或いはいずれかを実装し得るコンピュータシステム500を示している。コンピュータシステム500の幾つかの例は、一組の指示命令545を含む。プロセッサ505は、一組の指示命令545を実行して、コンピュータシステム500に、上述された動作のうちのいずれかを実行させる。コンピュータシステム500の幾つかの例は、スタンドアロンデバイスとして動作し、又は例えばネットワークを使用して他のコンピュータシステム若しくは周辺デバイスに接続され得る。
【0055】
ネットワーク化された一例では、コンピュータシステム500の幾つかの例が、サーバクライアントネットワーク環境内でサーバの機能で動作し若しくはクライアントコンピュータとして動作し、又はピアツーピア(若しくは分散型)環境内でピアコンピュータシステムとして動作する。コンピュータシステム500の幾つかの例は、パーソナルコンピュータ又は携帯デバイスなどの様々なデバイスとして実装され又は様々なデバイスの中に組み込まれ、指示命令545を(順次又はそれ以外の方法で)実行し、デバイスに1以上の動作を実行させる。更に、説明されるシステムの幾つかの例は、1以上のコンピュータ動作を実行させるための指示命令の一組又は複数の組を、個別に又は一緒に実行するサブシステムの集合を含む。
【0056】
コンピュータシステム500の幾つかの例は、情報を通信するためのバス520と通信可能に結合された1以上のメモリデバイス510を含む。加えて、幾つかの実施例では、コンピュータシステムに、上述された動作を実行させるように動作可能なコードが、メモリ510内に記憶される。メモリ510の幾つかの例は、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、プログラマブルメモリ、ハードディスクドライブ、又は任意の他の種類のメモリ若しくはストレージデバイスである。
【0057】
コンピュータシステム500の幾つかの例は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、又は情報伝達のために適切な任意の他のディスプレイなどの、ディスプレイ530を含む。ディスプレイ530の幾つかの例は、ユーザが、プロセッサ505によって生成された処理結果を見るためのインターフェースとして働く。
【0058】
更に、コンピュータシステム500の幾つかの例は、ユーザがシステム500の構成要素と相互作用することを可能にするように構成された、キーボード若しくはマウス又はタッチスクリーンなどの入力デバイス525を含む。
【0059】
コンピュータシステム500の幾つかの例は、ドライブユニット515(例えば、フラッシュストレージ)を含む。ドライブユニット515の幾つかの例は、指示命令545が記憶され得るコンピュータ可読媒体540を含む。指示命令545の幾つかの例は、コンピュータシステム500による実行中に、メモリ510及び/又はプロセッサ505内に完全に又は少なくとも部分的に常駐する。メモリ510及びプロセッサ505の幾つかの例は、上述されたようなコンピュータ可読媒体を含む。
【0060】
コンピュータシステム500の幾つかの例は、ネットワーク550を介した通信をサポートするための通信インターフェース535を含む。ネットワーク550の幾つかの例は、有線ネットワーク、無線ネットワーク、又はそれらの組み合わせを含む。通信インターフェース535の幾つかの例は、米国電気電子学会(IEEE)規格802.11、802.12、802.16(WiMAX)、802.20、携帯電話規格、又は他の通信規格などの、任意の数の無線ブロードバンド通信規格を介する通信を容易にする。
【0061】
したがって、本明細書で説明される方法及びシステムの幾つかの例は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実現される。方法及びシステムの幾つかの例は、少なくとも1つのコンピュータシステムにおいて集中化されたやり方で、又は、種々の要素が、相互接続されたコンピュータシステム全体に分散される分散されたやり方で実現される。本明細書で説明される方法を実行するのに適合した任意の種類のコンピュータシステム又はその他の装置が採用され得る。
【0062】
本明細書で説明される方法及びシステムの幾つかの例は、コンピュータプログラム製品内にも埋め込まれる。該コンピュータプログラム製品は、本明細書で説明される動作の実装を容易にする全ての特徴を含み、コンピュータシステムにロードされると、コンピュータシステムにこれらの動作を実行させる。本明細書で使用されるコンピュータプログラムは、デバイスに特定の機能を、直接に、又はa)第1の言語、コード、若しくは表記法から別の言語、コード、若しくは表記法への変換、及びb)第1の言語、コード、若しくは表記法の複製、のうちの1以上の後での、いずれかで、実行させることを意図した一組の機械実行可能指示命令の、機械実行可能言語、コード、若しくは表記法での表現を指す。
【0063】
更に、本開示は以下の条項による実施形態を含む。
【0064】
条項1.
消火システム(150)を制御するための航空機(100)に実装される方法(400)であって、
前記航空機(100)のコンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)の前記消火システム(150)が、作動状態に移行するべきであるという指示を受け取ること、
前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が地上にあるかどうかを判定すること、及び
前記航空機(100)が前記地上にあると判定したことに応じて、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記消火システム(150)が非作動状態を維持するか又は該非作動状態に移行するように制御することを含む、方法。
【0065】
条項2.
前記航空機(100)が前記地上にないと判定したことに応じて、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記消火システム(150)が前記作動状態に入るように制御することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0066】
条項3.
前記航空機(100)が前記地上にあるかどうかを判定することは、
前記コンピューティングシステム(205)と通信する着陸装置の重量オンホイール(WOW)センサ(155)が、閾値重量を超える重量を示したときに、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が前記地上にあると判定することを含む、条項1に記載の方法。
【0067】
条項4.
前記航空機(100)が前記地上にあるかどうかを判定することは、
前記コンピューティングシステム(205)と通信する貨物ドア位置センサ(125)が、貨物ドア(120)が開いていることを検知したときに、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が前記地上にあると判定することを含む、条項1に記載の方法。
【0068】
条項5.
前記航空機(100)が前記地上にあるかどうかを判定することは、
前記コンピューティングシステム(205)に通信されるエンジン動作信号が、前記航空機(100)の1以上のエンジン(105)が動作していないことを示したときに、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が前記地上にあると判定することを含む、条項1に記載の方法。
【0069】
条項6.
前記消火システム(150)が作動されるべきであるという前記指示を受け取ることは、
前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)の貨物倉内に位置付けられた火災検出センサから、前記航空機(100)の前記貨物倉(115)内の煙の表示を受け取ることを含む、条項1に記載の方法。
【0070】
条項7.
前記消火システム(150)が前記航空機(100)上で作動されるべきであるという前記指示を受け取ることは、
前記航空機(100)の前記コンピューティングシステム(205)によって、不活性ガスベースの消火システム(150)が、作動状態に移行するべきであるという指示を受け取ることを更に含む、条項1に記載の方法。
【0071】
条項8.
前記消火システム(150)は、バイパスピン(217)を受け入れるように構成され、前記方法は、
前記バイパスピン(217)が挿入されたときに、前記消火システム(150)が前記非作動状態を維持するか又は前記非作動状態に移行するように制御することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0072】
条項9.
航空機(100)であって、
消火システム(150)、並びに
前記消火システム(150)の作動を制御するコンピューティングシステム(205)を備え、前記コンピューティングシステム(205)は、
指示命令コードを記憶するための1以上の指示命令ストレージデバイス、及び
前記1以上の指示命令ストレージデバイスと通信する1以上のプロセッサを備え、前記1以上のプロセッサによる前記指示命令コードの実行が、前記コンピューティングシステム(205)に、
前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)の前記消火システム(150)が、作動状態に移行するべきであるという指示を受け取ること、
前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が地上にあるかどうかを判定すること、及び
前記航空機(100)が前記地上にあると判定したことに応じて、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記消火システム(150)が非作動状態を維持するか又は該非作動状態に移行するように制御することを含む、動作を実行させる、航空機(100)。
【0073】
条項10.
前記航空機(100)が前記地上にないと判定したことに応じて、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記消火システム(150)が前記作動状態に入るように制御することを更に含む、条項9に記載の航空機(100)。
【0074】
条項11.
前記航空機(100)が前記地上にあるかどうかを判定することは、
前記コンピューティングシステム(205)と通信する着陸装置の重量オンホイール(WOW)センサ(155)が、閾値重量を超える重量を示したときに、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が前記地上にあると判定することを含む、条項9に記載の航空機(100)。
【0075】
条項12.
前記航空機(100)が前記地上にあるかどうかを判定することは、
前記コンピューティングシステム(205)と通信する貨物ドア位置センサ(125)が、貨物ドア120が開いていることを検知したときに、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が前記地上にあると判定することを含む、条項9に記載の航空機(100)。
【0076】
条項13.
前記航空機(100)が前記地上にあるかどうかを判定することは、
前記コンピューティングシステム(205)に通信されるエンジン動作信号が、前記航空機(100)の1以上のエンジン(105)が動作していないことを示したときに、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が前記地上にあると判定することを含む、条項9に記載の航空機(100)。
【0077】
条項14.
前記消火システム(150)が作動されるべきであるという前記指示を受け取ることは、
前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)の貨物倉内に位置付けられた火災検出センサから、前記航空機(100)の前記貨物倉(115)内の煙の表示を受け取ることを含む、条項9に記載の航空機(100)。
【0078】
条項15.
前記消火システム(150)が前記航空機(100)上で作動されるべきであるという前記指示を受け取ることは、
前記航空機(100)の前記コンピューティングシステム(205)によって、不活性ガスベースの消火システム(150)が、作動状態に移行するべきであるという指示を受け取ることを更に含む、条項9に記載の航空機(100)。
【0079】
条項16.
前記消火システム(150)は、バイパスピン(217)を受け入れるように構成され、前記消火システム(150)は、前記バイパスピン(217)が挿入されたときに、前記非作動状態を維持するか又は前記非作動状態に移行するように構成されている、条項9に記載の航空機(100)。
【0080】
条項17.
航空機(100)の消火システム(150)を制御することを容易にする指示命令コードを記憶した非一過性のコンピュータ可読媒体であって、コンピューティングシステム(205)の1以上のプロセッサによる前記指示命令コードの実行が、前記コンピューティングシステム(205)に、
前記航空機(100)のコンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)の前記消火システム(150)が、作動状態に移行するべきであるという指示を受け取ること、
前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が地上にあるかどうかを判定すること、及び
前記航空機(100)が前記地上にあると判定したことに応じて、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記消火システム(150)が非作動状態を維持するか又は該非作動状態に移行するように制御することを含む、動作を実行させる、非一過性のコンピュータ可読媒体。
【0081】
条項18.
前記航空機(100)が前記地上にないと判定したことに応じて、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記消火システム(150)が前記作動状態に入るように制御することを更に含む、条項17に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【0082】
条項19.
前記航空機(100)が前記地上にあるかどうかを判定することは、
前記コンピューティングシステム(205)と通信する着陸装置の重量オンホイール(WOW)センサ(155)が、閾値重量を超える重量を示したときに、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が前記地上にあると判定することを含む、条項17に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【0083】
条項20.
前記航空機(100)が前記地上にあるかどうかを判定することは、
前記コンピューティングシステム(205)と通信する貨物ドア位置センサ(125)が、貨物ドア(120)が開いていることを検知したときに、前記コンピューティングシステム(205)によって、前記航空機(100)が前記地上にあると判定することを含む、条項17に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【0084】
特定の実施例を参照しながらシステム及び動作方法が説明されてきたが、特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変形が可能であることと、均等物に置換することができることとを当業者は理解するだろう。したがって、本方法及びシステムは、開示された複数の実施例に限定されないが、本開示の方法及びシステムは、添付の特許請求の範囲内に含まれる全ての実施形態を含むことが意図されている。
【外国語明細書】