(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121546
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】回転電機及び回転電機用ステータ
(51)【国際特許分類】
H02K 3/46 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
H02K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028698
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】599161580
【氏名又は名称】株式会社デンソートリム
(74)【代理人】
【識別番号】100096998
【弁理士】
【氏名又は名称】碓氷 裕彦
(72)【発明者】
【氏名】西峯 麻美
【テーマコード(参考)】
5H604
【Fターム(参考)】
5H604BB10
5H604BB15
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC15
5H604DA19
5H604PB03
5H604QA03
5H604QA08
5H604QB17
(57)【要約】
【課題】仮にステータコアのティース部に相対的な動きが生じたとしても、渡線には大きなストレスが加わらないようにする。
【解決手段】コイルの径方向の内側であって軸方向の両側に、軸方向の外側に向って延びる内側フランジ部を設け、この内側フランジ部に係止部を設けて、渡線を係止している。その結果、渡線をコイルの巻終端の近傍で直ちにコイルの径方向内側に引き回すことができる。更に、渡線は係止部に係止された状態で内側フランジ部に沿って同相となるコイルの巻始端側に延びるようにしている。これにより、渡線の取り回し位置をコイルの径方向内側に保持することができる。仮にティース部に相対的な動きが生じたとしても、その動きが渡線に及ぼす影響を小さくすることができる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に永久磁石を複数配置し、シャフトと共に回転するロータと、
円環状の基盤部と、この基盤部から径方向の外方に延びる3の複数倍のティース部とを備えるステータコアと、
このステータコアの前記ティース部に配置される絶縁材製のボビンと、
前記ステータコアの前記ティース部に対応する位置で前記ボビンの外周に巻線してコイルを形成すると共に、前記コイルの巻終端と同相となる前記コイルの巻始端の間を渡線で結ぶ一連の導線とを備え、
前記ステータコアは軸方向に複数に分割されて、前記基盤部で重ね合わされ、
前記ボビンは、前記コイルの径方向の内側であって軸方向の両側に、軸方向の外側に向って延びる内側フランジ部を有し、
この内側フランジ部の内、周方向及び軸方向で前記コイルの巻終端の近傍であり、かつ周方向で同相となる前記コイルの巻始端側の位置に、前記渡線を係止する係止部を設け、
前記渡線は、この係止部に係止された状態で、前記内側フランジ部に沿って同相となる前記コイルの巻始端側に向けて周方向に延びる
ことを特徴とする回転電機。
【請求項2】
円環状の基盤部と、この基盤部から径方向の外方に延びる3の複数倍のティース部とを備えるステータコアと、
このステータコアの前記ティース部に配置される絶縁材製のボビンと、
前記ステータコアの前記ティース部に対応する位置で前記ボビンの外周に巻線してコイルを形成すると共に、前記コイルの巻終端と同相となる前記コイルの巻始端の間を渡線で結ぶ一連の導線とを備え、
前記ステータコアは軸方向に複数に分割されて、前記基盤部で重ね合わされ、
前記ボビンは、前記コイルの径方向の内側であって軸方向の両側に、軸方向の外側に向って延びる内側フランジ部を有し、
この内側フランジ部の内、周方向及び軸方向で前記コイルの巻終端の近傍であり、かつ周方向で同相となる前記コイルの巻始端側の位置に、前記渡線を係止する係止部を設け、
前記渡線は、この係止部に係止された状態で、前記内側フランジ部に沿って同相となる前記コイルの巻始端側に向けて周方向に延びる
ことを特徴とする回転電機用ステータ。
【請求項3】
前記コイルの巻始端は前記コイルの径方向の内側に位置し、前記コイルの巻終端は前記コイルの径方向の外側に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【請求項4】
前記内側フランジ部の軸方向の長さは、前記渡線の径の3倍以上である
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【請求項5】
前記渡線は、前記内側フランジ部に接着固定される
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【請求項6】
前記渡線の、前記巻終端と前記係止部との引き回しと、前記係止部より同相となる前記コイルの前記巻始端との引き回しとの間の角度は、鈍角である
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【請求項7】
前記ステータコアは軸方向に2分割されて、前記コイル及び前記ボビンも2分割され、
前記渡線は、分割された同じ側の前記ボビンの前記係止部に係止される
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【請求項8】
前記ステータコアは軸方向に3分割されて、前記コイルも軸方向の一方側、中側及び他方側に3分割され、
前記内側フランジ部は、軸方向の一方側と他方側に配置され、
前記一方側の前記コイルの前記渡線は、前記一方側の前記ボビンの前記係止部に係止され、
前記他方側の前記コイルの前記渡線は、前記他方側の前記ボビンの前記係止部に係止され、
前記中側の前記コイルの前記渡線は、前記一方側の前記コイルと前記他方側の前記コイルの内、径方向の内側の部位に係止される
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の記載は回転電機及び回転電機用ステータに関し、回転電機は例えば二輪車の発電機やスタータとして用いられて有用である。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、回転電機のステータコアを軸方向に3分割している。これにより、ステータに巻装されたコイルの段数を、径方向内側より外側の方の段数を多くすることができ、占積率を高めている。同様に、特許文献2では、回転電機のステータコアを軸方向に2分割して、占積率を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019-156136号
【特許文献2】国際公開第2021-060102号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1や特許文献2の回転電機では、占積率を高めることができる反面、ステータコアを分割する結果、隣接するティース部の相対変位が一体コアに比べて大きくなる。ここでコイルの巻終端から連続して巻く次のコイルの巻始端まで渡線が生じる。この渡線が、ティース部の中央辺りで隣接するティース部間をまたぐと、ティース部の相対的な動きにより渡線にストレスがかかることとなる。
【0005】
本件の開示は、仮にステータコアのティース部に相対的な動きが生じたとしても、渡線には大きなストレスが加わらないようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1は、周方向に永久磁石を複数配置しシャフトと共に回転するロータと、円環状の基盤部とこの基盤部から径方向の外方に延びる3の複数倍のティース部とを備えるステータコアと、このステータコアのティース部に配置される絶縁材製のボビンと、ステータコアのティース部に対応する位置でボビンの外周に巻線してコイルを形成すると共にコイルの巻終端と同相となるコイルの巻始端の間を渡線で結ぶ一連の導線とを備える回転電機である。
【0007】
そして、本開示の第1の回転電機は、ステータコアは軸方向に複数に分割されて、基盤部で重ね合わされている。また、ボビンは、コイルの径方向の内側であって軸方向の両側に、軸方向の外側に向って延びる内側フランジ部を有している。かつ、この内側フランジ部の内、周方向及び軸方向でコイルの巻終端の近傍であり、かつ周方向で同相となるコイルの巻始端側の位置に、渡線を係止する係止部を設け、渡線はこの係止部に係止された状態で内側フランジ部に沿って同相となるコイルの巻始端側に向けて周方向に延びるようにしている。
【0008】
なお、本開示で軸方向とはシャフトの軸方向と一致する。径方向はシャフトの径方向と一致する。また、周方向はシャフトの周方向と一致する。本開示の第1では、コイルの径方向の内側であって軸方向の両側に、軸方向の外側に向って延びる内側フランジ部を設け、この内側フランジ部に係止部を設けて、渡線を係止している。その結果、渡線をコイルの巻終端の近傍で直ちにコイルの径方向内側に引き回すことができる。更に、本開示の第1では、渡線は係止部に係止された状態で内側フランジ部に沿って同相となるコイルの巻始端側に延びるようにしている。これにより、渡線の取り回し位置をコイルの径方向内側に保持することができる。仮にティース部に相対的な動きが生じたとしても、その動きが渡線に及ぼす影響を小さくすることができる。
【0009】
本開示の第2は、円環状の基盤部とこの基盤部から径方向の外方に延びる3の複数倍のティース部とを備えるステータコアと、このステータコアのティース部に配置される絶縁材製のボビンと、ステータコアのティース部に対応する位置でボビンの外周に巻線してコイルを形成すると共にコイルの巻終端と同相となるコイルの巻始端の間を渡線で結ぶ一連の導電線とを備える回転電機用ステータである。
【0010】
そして、本開示の第2の回転電機用ステータは、ステータコアは軸方向に複数に分割されて、基盤部で重ね合わされている。また、ボビンは、コイルの径方向の内側であって軸方向の両側に、軸方向の外側に向って延びる内側フランジ部を有している。かつ、この内側フランジ部の内、周方向及び軸方向でコイルの巻終端の近傍であり、かつ周方向で同相となるコイルの巻始端側の位置に、渡線を係止する係止部を設け、渡線はこの係止部に係止された状態で内側フランジ部に沿って同相となるコイルの巻始端側に延びるようにしている。
【0011】
なお、本開示で軸方向とはステータコアの厚み方向と一致する。径方向はステータコアの基盤部よりティース部が延びる方向と一致する。そして、周方向はステータコアの基盤部の周りにティース部が配置される方向と一致する。本開示の第2でも、コイルの径方向の内側であって軸方向の両側に、軸方向の外側に向って延びる内側フランジ部を設け、この内側フランジ部に係止部を設けて、渡線を係止している。これにより、本開示の第2でも、渡線をコイルの巻終端の近傍で直ちにコイルの径方向内側に引き回すことができる。更に、本開示の第2も、渡線は係止部に係止された状態で内側フランジ部に沿って同相となるコイルの巻始端側に周方向に延びるようにしている。これにより、渡線の取り回し位置をコイルの径方向内側に保持することができる。仮にティース部に相対的な動きが生じたとしても、その動きが渡線に及ぼす影響を小さくすることができる。
【0012】
本開示の第3では、コイルの巻始端がコイルの径方向の内側に位置し、コイルの巻終端はコイルの径方向の外側に位置している。その為、渡線はコイルの径方向の外側から内側に向けて取り廻されることとなる。しかし、本開示では、係止部により渡線をコイルの巻終端の近傍で直ちにコイルの径方向内側に引き回すことができる。
【0013】
本開示の第4では、内側フランジ部の軸方向の長さを、渡線の径の3倍以上としている。本開示の回転電機は三相交流として使用することができる。三相交流の回転電機では、渡線は三相に対応して軸方向に3本が並んだ状態で、周方向に取り廻されることとなる。本開示の第4では、内側フランジ部の軸方向の長さを、渡線の径の3倍以上としているので、この3本の渡線の取り回しを内側フランジ部で支持することが可能となる。
【0014】
本開示の第5では、渡線は内側フランジ部に接着固定されている。接着固定することにより、ティース部に相対的な動きが生じた時の渡線に及ぼす影響を小さくすることができる。
【0015】
本開示の第6では、渡線の巻終端と係止部との引き回しと、係止部より同相となるコイルの巻始端との引き回しとの間の角度は鈍角である。渡線の引き回し間の角度を鈍角とすることで、渡線に加わるストレスを軽減することができている。
【0016】
本開示の第7では、ステータコアは軸方向に2分割されて、コイル及びボビンも2分割されている。そして、渡線は、分割された同じ側のボビンの係止部に係止される。2分割の場合には、夫々のコイルに対応するボビンの内側フランジ部で渡線の取り回しがなされる。
【0017】
本開示の第8では、ステータコアは軸方向に3分割されて、コイルも軸方向の一方側、中側及び他方側に3分割される。一方、内側フランジ部は、軸方向の一方側と他方側に配置される。その為、一方側のコイルの渡線は一方側のボビンの係止部に係止され、他方側のコイルの渡線は他方側のボビンの係止部に係止される。そして、中側のコイルの渡線は、一方側のコイルと他方側のコイルの内、径方向の内側の部位に係止される。このように、中側のコイルの渡線は、内側フランジ部が利用できないので、一方側のコイルと他方側のコイルの径方向の内側の部位で係止される。特に、径方向の内側の部位に係止されるため、ティース部に相対的な動きが生じた時の渡線に及ぼす影響を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、クランクシャフト及びシリンダブロックに組み合わされた状態の回転電機の断面図である。
【
図2】
図2は、回転電機のロータ、コイル及びセンサケースを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、回転電機のコイルとセンサケースを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、ステータを構成する鋼板を示す正面図である。
【
図5】
図5は、ステータを構成する鋼板を組み合わせた状態の斜視図である。
【
図6】
図6は、ステータコアにボビンを組付けコイルの一部を巻いた状態の断面図である。
【
図7】
図7は、2分割されたステータの斜視図である。
【
図8】
図8は、2分割されたステータの組付け状態を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、2分割されたステータの組付け後の状態を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、3分割されたステータの中側のコイルを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示の一例を図に基づいて説明する。まず、本開示の対象となる回転電機の一例を説明する。
図1は、回転電機1がクランクシャフト100に組み合わされた状態の断面図である。101はシリンダブロックであり、シリンダブロック101内では図示しないピストンが図示しないシリンダ内を往復動する。そして、ピストンの動きは、図示しないコンロッドを介して、クランクシャフト100を回転させる。クランクシャフト100は、直径20ミリメートル程度の鉄材からなり、シリンダブロック101に軸受102で回転支持されている。
【0020】
クランクシャフト100には、回転電機1のロータ300が、基部301で固定されている。従って、ロータ300はクランクシャフト100と一体に回転する。ロータ300は、鉄材料製で、クランクシャフト100と係合する基部301より径方向外方に延びる円盤部302と、この円盤部302の径方向外方部に形成される円筒部303を備えている。
図2に示すように、円筒部303の内方には、永久磁石304が12個、周方向に並んで配置されている。永久磁石304の厚みは、4~5ミリメートル程度である。なお、永久磁石304の数は、12個に限らず、10個や24個等要求性能に応じた極数や磁束を提供するよう適宜設定できる。
【0021】
ロータ300の内部には、
図1や
図2に示すように、ステータ400が配置されている。従って、本実施例ではロータ300がステータ400の外周に配置される所謂アウターロータタイプとなっている。なお、所謂インナーロータタイプの回転電機1に適用する場合は、後述の渡線422は内周ではなく外周に配置される。
図2は、ステータ400をシリンダブロック101側から見た斜視図である。ステータ400は、複数の磁性鋼板を積層してなり、シリンダブロック101に取り付けられる基盤部401、この基盤部401より径方向外方に延びる複数のティース部402(
図1図示)を一体に形成している。ステータ400の外径は、110~130ミリメートル程度となっており、従って、ロータ300の内径は、ステータ400の外径と永久磁石304との間に微小間隙が形成される大きさとなっている。
【0022】
基盤部401には、シリンダブロック101にステータ400を固定するためのステータボルト通し穴403が3か所形成されている。また、基盤部401には、センサケース440をステータ400に固定するためのセンサケースボルト通し穴(図示しない)も2か所形成されている。
【0023】
ティース部402はポリアミド等の絶縁樹脂からなるボビン410で電気絶縁され、ボビン410の上に銅線若しくはアルミニウム線からなるコイル404が巻装されている。
図3は、
図2からロータ300を外して、ステータ400とセンサケース440を示す斜視図である。
【0024】
図3に示すように、隣接するコイル404の間には隙間405が形成され、その隙間405は径方向外側に向けて広くなっている。そして、この隙間405にセンサケース440が配置されている。センサケース440は、上述のボビン410と同様ポリアミド等の樹脂でモールド成形されている。そして、センサケース440内には、第1磁気検知センサ441、第2磁気検知センサ442、第3磁気検知センサ443及び第4磁気検知センサ444のセンサが配置されている。
【0025】
回転電機1は、以上の要素で構成される。回転電機1を発電機として用いるときは、内燃機関のクランクシャフト100の回転に同期してロータ300が回転する。このロータ300の回転に伴い、永久磁石304の磁束を受けてステータ400のコイル404に起電力が発生する。その起電力を三相交流とし、この三相交流を直流に整流して図示しないバッテリに充電する。逆に、回転電機1を内燃機関のスタータとして用いるときは、図示しない直流電源からの電圧を三相交流に変換してコイル404に磁力を発生させる。この際のコイル404に発生する磁力と永久磁石304の磁力との吸引反発により、ロータ300を回転させる。このロータ300の回転によりクランクシャフト100も回転させ、内燃機関を始動させる。そして、発電時や始動時の回転制御に、第2乃至第4磁気検知センサ442、443、444が用いられる。なお、第1磁気検知センサ441は内燃機関の基準位置の検知に用いられる。
【0026】
このように、回転電機1は内燃機関のシリンダブロック101に直接搭載されるので、内燃機関の運転時の振動を直接受けることとなる。また、ロータ300の永久磁石304からの磁束と、コイル404で発生する磁束との周期的な吸引や反発を受けることとなる。これらの要因が相俟って、ステータ400の隣接するティース部402間に相対的な動きが不可避的に生じることとなる。
【0027】
次に、ステータ400の組付け工程を説明する。まず、
図4に示すような基盤部401とティース部402を備える磁性鋼板430打ち抜き形成する。本例では、ステータコア450を2分割している。その為、
図4に示した磁性鋼板430を複数積層し、更にティース部402に対応するティース磁性鋼板431も複数積層して、
図5に示すようなステータコア450を製造する。なお、磁性鋼板430の基盤部401には、積層時に隣接する磁性鋼板430が嵌り合う係合部432が突出形成されている。即ち、係合部432は一方側が突出し、他方側が凹んでいる。これにより、突出した係合部432が隣接する磁性鋼板430の凹んだ係合部432に嵌り合う。磁性鋼板430には、ティース部402にもティース係合部が形成されている。
【0028】
ティース磁性鋼板431にも同じ位置にティース係合部433が突出形成されている。上述の係合部432と同様に、ティース係合部433も一方側が突出し、他方側が凹んでいる。これにより、磁性鋼板430のティース部402に形成されたティース係合部とティース磁性鋼板431に形成されたティース係合部433との間、及び隣接するティース磁性鋼板431の間が機械的に固定される。ただ、機械的な固定に加えて、若しくは機械的な固定に代えて磁性鋼板430とティース磁性鋼板431とを接着剤で固定しても良い。
【0029】
次いで、このステータコア450にボビン410を組付けてボビン組付け工程を行う。その後、エナメル等の絶縁被膜で被覆された銅製の導線421を用意して、ボビン410のティース部402の周りに導線421を巻いてコイル404を形成する。上述のように、コイル404を巻装する素材としては、銅の他アルミニウムもあるが、本例では銅を用いる態様を説明する。そして、本例では、1つのティース部402に対して、ティース部402の外周に多数回連続して導線421を螺旋状に巻き付けてコイル404を形成する集中巻を採用している。本例のコイル404は、ボビン410の径方向の内側(基盤部401側)から巻き始め、ボビン410に沿って径方向の外側に巻かれる。導線421がボビン410の外周フランジ部411まで巻かれると、次いで、径方向の外側から内側に向けて第2層を巻装する。そして、第2層が内側フランジ部412に達すると、再度径方向の内側から外側に向けて第3層を巻装する。コイル404は、所謂整列多層巻きにより巻装される。
【0030】
図3に示すように、コイル404は占積率を高めるため、径方向の外側での巻き数を径方向内側の巻き数より多くしている。その為、整列多層巻とした場合には、コイル404の巻き終わりはコイル404の内、径方向外側となる。
【0031】
本例では、ステータコア450は2分割されており、分割された夫々のステータコア450でコイル404は三相に巻かれている。例えば、
図7では9本のティース部402を示しているが、その内、符号4501、4504及び4507で示すティース部402がU相に対応する。また、符号4502、4505及び4508で示すティース部402はV相に対応する。残る符号4503、4506及び4509で示すティース部402はW相に対応する。巻線の順は、U相では、符号4504、符号4507、符号4501で示すティース部402の順となる。V相では、符号4505、符号4508、符号4502で示すティース部402の順となる。そして、W相は、符号4506、4509、4503で示すティース部402の順となる。
【0032】
一つのティース部402でコイル404を巻装した後、導線421は対応する次の同相のティース部402まで、渡線422で引き回される。そして、次のティース部402で同様に整列多層巻を行い、コイル404を巻装する。更に、渡線422で次の同相となるティース部402まで引き回され、そのティース部402でコイル404を巻装する。上述の通り、U相のコイル404では符号4504のティース部402でコイル404を巻き始め、渡線422を介して符号4507のティース部402でコイル404を巻装する。次いで、渡線422を介して符号4501のティース部402でコイル404を巻装する。その為、巻き始めの符号4504のティース部402でのコイル404から、巻き終わりの符号4501のティース部402でコイル404まで、導線421は切断されることなく一連の線として存在する。
【0033】
ここで、上述の通り導線421の巻始端はティース部402の内、径方向の内側となることが多く、巻終端423はティース部402の内、径方向の外側となることが多い。その為、渡線422は同相となるティース部402に向けて周方向に延びるのみならず、径方向にも外側から内側に延びることとなる。本件の開示では、この渡線422を最もコンパクトに収納できるよう、ボビン410の内側フランジ部412に係止部413を形成している。内側フランジ部412は、
図6及び
図7に示すように、ボビン410の径方向の内側で、軸方向の外側に向って形成されている。その為、内側フランジ部412は、コイル404の径方向内側に位置している。この内側フランジ部412に設けられた係止部413もコイル404の径方向内側である。
【0034】
係止部413は、2つの溝4131、4132と、この2つの溝4131、4132の間に配置される爪4133とで構成される。渡線422は巻終端423に近い側の溝4132より内側フランジ部412の径方向内側に入り、爪4133に絡ませた状態で、巻終端423から遠い側の溝4131から内側フランジ部412の径方向外側に戻る。次いで、内側フランジ部412の径方向の外側の面に沿って、周方向に引き回される。
【0035】
係止部413がボビン410の内側フランジ部412に設けられているので、上述の通り、その位置はボビン410の径方向の内側である。また、係止部413は、内側フランジ部412の軸方向の内、コイル404の巻終端423に近い側に設けられている。このように、係止部413は軸方向でもコイル404の巻終端423に近い側に形成されている。
【0036】
図7は、導線422をコイル404に巻装した状態を示している。三相交流の場合、上述のように、例えばU相導線4221がU相コイル4504の径方向の内側から巻き始めるとする(巻始端424)。U相導線4221は、U相コイル4504の径方向の外側で巻き終わり(巻終端423)、そこから渡線422で次のU相コイル4507に連続する。U相コイル4507でも、同様に径方向の内側から巻き始め、径方向の外側で巻き終わる(巻終端423)。更に、渡線422を介して次のU相コイル4501を巻装する。従って、U相コイル4501の巻き終わり端からもU相導線4221が引き出されている。以上の巻装は、V相導線4222でも、W相導線4223でも同様である。
【0037】
U相コイル4504、4507及び4501を全て巻装した導線422は、次いで、V相導線4222となって、V相コイル4505、4508及び4502を巻装する。その後、W相導線4223となり、W相コイル4506、4509及び4503を巻装する。
図7は、以上のように一連の巻装を終えた後で、U相導線4221の巻き終わりとV相導線4222の巻き始めの間、及びV相導線4222の巻き終わりとW相導線4223の巻き始めの間を切断した状態を示している。
【0038】
更に、係止部413は、周方向で見るとコイル404の巻終端423から、次の同相となるコイル404に向かう位置に形成されている。より具体的には、係止部413は次の同相となるコイル404に向かう側で、隣接するコイル404との間に形成されている。
図7では、ステータコア450が2分割されているが、
図9のように組み合わさった状態でも、係止部413は隣接するコイル404の間に形成されている。これにより、巻終端423から係止部413に向かって渡線422を斜行配置とすることができる。本例では、渡線422は巻終端423から係止部413に向けてコイル404の外周面に沿って引き回されている。この配置により、渡線422をコイル404の外周面で保持することができる。
【0039】
上述のように、渡線422はU相のコイル404間、V相のコイル404間、及びW相のコイル404の間を引き回わされる。その為、
図8に示すように、内側フランジ部412では、U相、V相、W相の3本の渡線422が周方向に延びる状態で、軸方向に並列に配置される。この3本の渡線422を確実に保持できるよう、内側フランジ部412の軸方向の長さは、渡線422の径の3倍より長くしてある。
【0040】
上述の通り、内燃機関の運転に伴う振動や、回転電機1自体の磁気力に起因した振動がステータ400には加わっている。その為、ティース部402間には相対的な移動が生じる可能性がある。本例では、渡線422は内側フランジ部412に沿って配置されるので、仮にティース部402に相対的な動きが生じたとしても、その影響は最小限に抑えることができる。本例では、渡線422に及ぼすティース部402の相対的動きの影響を更に抑えるべく、渡線422は内側フランジ部412に接着剤により固定している。なお、接着剤としては、エポキシ系の樹脂が採用できる。
【0041】
以上の構成により、本例では、渡線422を巻終端423から係止部413に向けて略最小の長さで引き回すことができる。また、係止部413は、組付け後に隣接するコイル404に対しても、巻終端423を有するコイル404との間に形成している。その為、2分割したステータコア450を組み合わせる際にも、渡線422が隣接するコイル404の組付けを阻害することもない。かつ、巻終端423から係止部413に向かう渡線422をまず、係止部413に固定することで、渡線422の保持を確実とすることができる。加えて、巻終端423から係止部413に向かう渡線422と、内側フランジ部412に沿って周方向に引き回される渡線422との間の角度Aを鈍角とすることができる。この鈍角の引き回しによっても、渡線422に加わるストレスを軽減することができる。
【0042】
なお、
図8は、
図6及び
図7のように巻線された2つのステータコア450を組み合わせる途中の状態を示している。
図8に示すように、2つのステータコア450は、一方のステータコア450のティース部402の間に他方のステータコア450のティース部402が嵌り合うように組付けられる。組み合わさった状態を
図9で示す。
図9では、隣接するティース部402間の隙間405は小さくなっている。換言すれば、
図7のように、ステータコア450を2分割することで、2分割されたティース部402間の距離を大きくとることができる。即ち、組付後に隣接するコイル404が巻線時には存在しないので、組付前の分割されたステータコア450で隣接するコイル404との間は広くなる。その結果、巻線時に巻線設備が干渉してしまうことが無くなる。これにより、コイル404を径方向の内側より径方向の外側を大径とすることができる。その結果、本例ではコイル404の占積率を高めることができている。
【0043】
図9に示すように2つのステータコア450を組み合わせることで、コイル404の成形工程を終了する。本例では、2つのステータコア450をリベット4011(
図9図示)で結合している。具体的には、リベット4011の頭部をカシメることで結合している。ステータ400の製造工程としては、余分となった導線421を切断して削除する。次いで、コイル404の端部となる導線421の絶縁被膜を剥離する。その後、コイル404の端部となる導線421とターミナル(図示せず)とを接合する。
【0044】
導線421として銅線を用いた場合は、接合はハンダ付けを行う。なお、導線421としてアルミニウム線を用いた場合は、接合は溶接とし、次いで、保護ケース(図示せず)を用意して、保護ケースがターミナルと導線421との接合部を覆うようにする。そして、保護ケース内にポッティング材を充填する。ポッティング材の硬化を待って、ステータ400の組付け工程は完成する。なお、上述のように渡線422を内側フランジ部412に接着剤で固定する場合、アルミニウム線を採用した場合には、このポッティング材の硬化のタイミングと合わせて行う。銅線の場合は、ポッティング材は用いないが、ハンダ付け後のタイミングで接着剤を塗布する。
【0045】
係止部413に関し、上述した特徴を以下に纏める。まず、係止部413は2分割したステータコア450の他方となるステータコア450との境界面4010(
図9図示)に対して、軸方向の外側にある。そして、渡線422はこの境界面4010を跨ぐように配置している。かつ、境界面4010を跨ぐ位置では内側フランジ部412により、保持されている。よって、渡線422の応力が高くなる跨ぎ部分にいわば添木を設けるようにして保持することができる。これにより、応力の分散とストレングスの向上を図ることができる。
【0046】
また、組み合わされる2分割のステータコア450は、それぞれ互いに軸方向反対向きに係止部413を形成している。換言すれば、いずれか一方のステータコア450に係止部413を集中させていない。これにより、導線421と係止部413とのかけ間違いを防止できる。また、渡線422を軸方向の両側に分散できるので、渡線422が多数重なることも防止でき、高さ抑制に貢献する。
【0047】
更に、渡線422は係止部413の周りを半周巻き付けるように配置される。よって、巻線機の引っ張りテンションによって渡線422が係止部413と密接し易くなる。これによっても、渡線422に掛かるストレスの分散とストレングスの向上を図ることができる。
【0048】
なお、上述した例では、ステータコア450を2分割していたが、本開示ではステータコア450を3分割とすることも可能である。ステータコア450が軸方向に3分割されると、コイル404も3分割されることとなる。この場合には、三分割された一方側のコイル404、中側のコイル404及び他方側のコイル404により三相交流の回転電機1となる。例えば、一方側のコイル404はU相に対応し、中側のコイル404はV相に対応する。その場合、他方側のコイル404はW相のコイル404となる。3分割の場合、各ステータコア450のティース部402の数は、2分割とは異なる。ただ、一方側のコイル404及び他方側のコイル404の渡線422の引き回しは、上述した2分割の場合と同様となる。渡線422はそれぞれのボビン410の内側フランジ部412に設けられた係止部413に係止される。その状態で、内側フランジ部412に沿って周方向に引き回される。
【0049】
しかしながら、中側のコイル404はボビン410に内側フランジ部412を設けることはできない。その為、
図10に示すように、渡線422は一方側のコイル404と他方側のコイル404のボビン410に係止される。特に、ボビン410の中でも径方向の内側で係止される。即ち、中側のコイル404の渡線422も、ティース部402のうち、最も径方向内側の位置で引き回されることとなる。これにより、仮にティース部402に相対的な動きが生じたとしても、渡線422に及ぼす影響は最小限となる。
【0050】
上述した例では、コイル404の巻線を整列多層巻としていた、一般に採用されている巻き方であり、製造工程でも採用しやすい巻線である。ただ、本開示はこの整列多層巻に限られることは無い。
図11に示すような斜行巻きとすることも可能である。斜行巻きとしても、渡線422を係止部413に係止することは同様である。且つ、斜行巻きにすることで、コイル404の小型化を図ることができる。また、斜行巻きとすることで、巻終端423をコイル404の内、径方向の外側とすることも内側とすることも、また傾向方向の中間部分とすることも可能である。例えば2層巻線として、巻終端423を径方向の内側にすれば、渡線422の長さを更に短くすることが可能となる。
【0051】
上述した例では、渡線422を内側フランジ部412に沿って配置して、渡線422と内側フランジ部412との間を接着剤で固定していた。渡線422を確実に保持することができ、渡線422に加わるストレスを抑えることができて望ましい例である。ただ、必要に応じ、接着剤を廃止することは可能である。この場合には、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0052】
上述した例では、3本の渡線422を内側フランジ部412に配置する際に、軸方向に3本が並列となるように配置した。3本の渡線422を径方向で最も内側に配置することができて望ましい配置である。ただ、必要に応じ、3本の渡線422を径方向で重なるように配置することは可能である。この場合には、内側フランジ部412の軸方向長さを短縮することが可能である。
【0053】
上述した例では、係止部413を2つの溝4131、4132と1つの爪4133とで構成した。シンプルな形状であり、係止部413を形成しやすいと言う利点がある。ただ、係止部413は渡線422を内側フランジ部412で係止することができればよく、その形状は種々に変更可能である。例えば、基盤部401にピンを立てて、このピンに渡線422をひっかけることで係止部413とすることもできる。
【0054】
更に、上述したのは本開示の望ましい例であるが、本開示は種々に変更可能である。例えば、コイル404の数を18としたのは一例であり、コイル404の数は他に変更できる。コイル404の巻装も集中巻の他、分布巻とすることも可能である。また、上述の例で説明した大きさも一例であり、回転電機1に求められる性能に応じて、素材や大きさは適宜設定可能である。なお、本開示の回転電機1は三相交流であるが、二相交流とした場合、ティース部402の数は2の倍数であり、分割は2分割のみとなる。
【0055】
(技術的思想の開示)
この明細書は、以下に列挙する複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、後続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。さらに、いくつかの項は、他の多項従属形式の項を引用する多項従属形式(a multiple dependent form referring to another multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
【0056】
(技術的思想の開示)
【0057】
(技術的思想1)
周方向に永久磁石を複数配置し、シャフトと共に回転するロータと、
円環状の基盤部と、この基盤部から径方向の外方に延びる3の複数倍のティース部とを備えるステータコアと、
このステータコアの前記ティース部に配置される絶縁材製のボビンと、
前記ステータコアの前記ティース部に対応する位置で前記ボビンの外周に巻線してコイルを形成すると共に、前記コイルの巻終端と同相となる前記コイルの巻始端の間を渡線で結ぶ一連の導線とを備え、
前記ステータコアは軸方向に複数に分割されて、前記基盤部で重ね合わされ、
前記ボビンは、前記コイルの径方向の内側であって軸方向の両側に、軸方向の外側に向って延びる内側フランジ部を有し、
この内側フランジ部の内、周方向及び軸方向で前記コイルの巻終端の近傍であり、かつ周方向で同相となる前記コイルの巻始端側の位置に、前記渡線を係止する係止部を設け、
前記渡線は、この係止部に係止された状態で、前記内側フランジ部に沿って同相となる前記コイルの巻始端側に向けて周方向に延びる
ことを特徴とする回転電機。
【0058】
(技術的思想2)
円環状の基盤部と、この基盤部から径方向の外方に延びる3の複数倍のティース部とを備えるステータコアと、
このステータコアの前記ティース部に配置される絶縁材製のボビンと、
前記ステータコアの前記ティース部に対応する位置で前記ボビンの外周に巻線してコイルを形成すると共に、前記コイルの巻終端と同相となる前記コイルの巻始端の間を渡線で結ぶ一連の導線とを備え、
前記ステータコアは軸方向に複数に分割されて、前記基盤部で重ね合わされ、
前記ボビンは、前記コイルの径方向の内側であって軸方向の両側に、軸方向の外側に向って延びる内側フランジ部を有し、
この内側フランジ部の内、周方向及び軸方向で前記コイルの巻終端の近傍であり、かつ周方向で同相となる前記コイルの巻始端側の位置に、前記渡線を係止する係止部を設け、
前記渡線は、この係止部に係止された状態で、前記内側フランジ部に沿って同相となる前記コイルの巻始端側に向けて周方向に延びる
ことを特徴とする回転電機用ステータ。
【0059】
(技術的思想3)
前記コイルの巻始端は前記コイルの径方向の内側に位置し、前記コイルの巻終端は前記コイルの径方向の外側に位置する
ことを特徴とする技術的思想1に記載の回転電機、若しくは技術的思想2に記載の回転電機用ステータ。
【0060】
(技術的思想4)
前記内側フランジ部の軸方向の長さは、前記渡線の径の3倍以上である
ことを特徴とする技術的思想1若しくは技術的思想1に従属する技術的思想3に記載の回転電機、又は技術的思想2若しくは技術的思想2に従属する技術的思想3に記載の回転電機用ステータ。
【0061】
(技術的思想5)
前記渡線は、前記内側フランジ部に接着固定される
ことを特徴とする技術的思想1、技術的思想1に従属する技術的思想3若しくは4に記載の回転電機、又は技術的思想2、技術的思想2に従属する技術的思想3若しくは4に記載の回転電機用ステータ。
【0062】
(技術的思想6)
前記渡線の、前記巻終端と前記係止部との引き回しと、前記係止部より同相となる前記コイルの前記巻始端との引き回しとの間の角度は、鈍角である
ことを特徴とする技術的思想1若しくは技術的思想1に従属する技術的思想3乃至5のいずれかに記載の回転電機、又は技術的思想2若しくは技術的思想2に従属する技術的思想3乃至5のいずれかに記載の回転電機用ステータ。
【0063】
(技術的思想7)
前記ステータコアは軸方向に2分割されて、前記コイル及び前記ボビンも2分割され、
前記渡線は、分割された同じ側の前記ボビンの前記係止部に係止される
ことを特徴とする技術的思想1若しくは技術的思想1に従属する技術的思想3乃至6のいずれかに記載の回転電機、又は技術的思想2若しくは技術的思想2に従属する技術的思想3乃至6のいずれかに記載の回転電機用ステータ。
【0064】
(技術的思想8)
前記ステータコアは軸方向に3分割されて、前記コイルも軸方向の一方側、中側及び他方側に3分割され、
前記内側フランジ部は、軸方向の一方側と他方側に配置され、
前記一方側の前記コイルの前記渡線は、前記一方側の前記ボビンの前記係止部に係止され、
前記他方側の前記コイルの前記渡線は、前記他方側の前記ボビンの前記係止部に係止され、
前記中側の前記コイルの前記渡線は、前記一方側の前記コイルと前記他方側の前記コイルの内、径方向の内側の部位に係止される
ことを特徴とする技術的思想1若しくは技術的思想1に従属する技術的思想3乃至6のいずれかに記載の回転電機、又は技術的思想2若しくは技術的思想2に従属する技術的思想3乃至6のいずれかに記載の回転電機用ステータ。
【符号の説明】
【0065】
1 回転電機
400 ステータ
404 コイル
410 ボビン
412 内側フランジ部
413 係止部
421 導線
422 渡線
423 巻終端
424 巻始端
450 ステータコア