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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121566
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】移動除菌機
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/08 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
A61L2/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028726
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】393000984
【氏名又は名称】株式会社オーレック
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今村 健二
(72)【発明者】
【氏名】今村 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】執行 秀彦
(72)【発明者】
【氏名】永瀬 康典
(72)【発明者】
【氏名】下窪 竜
(72)【発明者】
【氏名】西部 尚矢
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA23
4C058BB06
4C058DD01
4C058DD07
4C058DD11
4C058DD13
4C058EE03
4C058KK02
4C058KK05
4C058KK26
(57)【要約】
【課題】細菌およびウイルスの種類によって適切な照射強度を有する紫外線を照射しながら移動可能な移動除菌機を提供する。
【解決手段】移動除菌機1は、除菌部2および駆動部3を含む本体部10と、入力部40とを備える。除菌部2は電磁波を照射可能である。駆動部3は、除菌部2に接続されている。駆動部3は接地面100を転動可能な駆動輪31aを有する。入力部40の内、第1入力部40aは移動速度の入力を受け付け可能であり、第2入力部40bは除菌対象の細菌およびウイルスの種類の入力を受け付け可能である。第1入力部40aに入力された移動速度及び第2入力部40bに入力された種類に基づいて、電磁波の照射強度は決定される。第1入力部40aに入力された移動速度に基づいて、駆動輪31aを転動させることで除菌部2を前進させながら、除菌部2は上記照射強度の電磁波を照射するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
除菌部および駆動部を含む本体部と、
前記本体部に接続されている入力部とを備え、
前記除菌部は電磁波を照射可能であり、
前記駆動部は前記除菌部に接続され、
前記駆動部は、接地面上を転動可能な駆動輪を有し、
前記入力部は、
前記除菌部の移動速度の入力を受け付け可能な第1入力部と、
除菌対象の細菌およびウイルスの種類の入力を受け付け可能な第2入力部とを有し、
前記第1入力部に入力された前記移動速度および前記第2入力部に入力された前記細菌およびウイルスの種類に基づいて、前記電磁波の照射強度が決定され、
前記第1入力部に入力された前記移動速度に基づいて、前記駆動輪を転動させることで前記除菌部を前進させながら、前記除菌部は前記照射強度の前記電磁波を照射するように構成されている、移動除菌機。
【請求項2】
前記接地面に対して垂直な方向から見た平面視において、前記除菌部は前記駆動輪からみて前記除菌部が前進する側に配置されている、請求項1に記載の移動除菌機。
【請求項3】
前記平面視において、前記除菌部が前進する方向を第1方向とした場合に、
前記除菌部は、前記除菌部と固定された第1回転軸を有し、更に、
前記除菌部は前記第1回転軸を介して、前記本体部と接続され、
前記平面視において前記第1方向に対して垂直な方向を第2方向とした場合に、
前記第1回転軸は、前記第2方向に沿って延び、
前記除菌部は、前記第2方向から前記除菌部を見た側面視において、前記第1回転軸を中心軸として回転可能な、請求項2に記載の移動除菌機。
【請求項4】
前記平面視において、前記除菌部が前進する方向を第1方向とした場合に、
前記除菌部は、前記除菌部と固定された第2回転軸を有し、更に、
前記除菌部は前記第2回転軸を介して、前記本体部と接続され、
前記第2回転軸は、前記平面視において前記第1方向に沿って延び、
前記除菌部は、前記第1方向から前記除菌部を見た正面視において、前記第2回転軸を中心軸として回転可能な、請求項2に記載の移動除菌機。
【請求項5】
前記本体部に接続されたハンドル部を更に備え、
前記接地面に対して垂直な方向を第3方向としたときに、
前記第3方向において前記ハンドル部は前記本体部から見て前記接地面が位置する側の反対側に配置されている、請求項1に記載の移動除菌機。
【請求項6】
前記ハンドル部は、前記ハンドル部に接続された第3回転軸を有し、
前記ハンドル部は、前記第3回転軸を介して前記本体部と接続され、
前記第3回転軸は、前記第3方向に沿って延び、
前記ハンドル部は、前記接地面に対して垂直な方向から見た平面視において、前記第3回転軸を中心軸として回転可能な、請求項5に記載の移動除菌機。
【請求項7】
前記ハンドル部は、前記ハンドル部に接続された第4回転軸を有し、
前記ハンドル部は、前記第4回転軸を介して前記本体部と接続され、
前記第3方向に対して垂直な方向を第4方向とした場合に、
前記第4回転軸は前記第4方向に沿って延び、
前記ハンドル部は、前記第4方向から前記ハンドル部を見た側面視において、前記第4回転軸を中心軸として回転可能な、請求項5または請求項6に記載の移動除菌機。
【請求項8】
前記本体部は、前記駆動部を収納する筐体を含み、
前記筐体は、前記第3方向において、前記接地面から最も離れた第1点を有し、
前記除菌部は、前記第3方向において、前記接地面から最も離れた第2点を有し、
前記第2点は、前記第3方向において前記第1点よりも前記接地面に近い位置に配置されている、請求項5に記載の移動除菌機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動除菌機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紫外線を照射することで対象物に付着した細菌およびウイルスを除菌することが可能な紫外線照射手段を備えた移動除菌機が知られている。(例えば、特開2019-103816号公報参照)。特開2019-103816号公報では、紫外線を照射可能な照射手段と、対象物に沿って移動可能な移動手段とを有する移動除菌機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-103816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、細菌およびウイルスの種類によって、当該細菌およびウイルスを除菌するために必要な紫外線の照射量が異なるため、紫外線の照射強度および移動除菌機の移動速度を適宜変更する必要がある。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、本開示の目的は、細菌およびウイルスの種類によって適切な照射強度を有する紫外線を照射しながら移動可能な移動除菌機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従った移動除菌機は本体部と入力部とを備える。本体部は除菌部および駆動部を含む。入力部は本体部に接続されている。除菌部は電磁波を照射可能である。駆動部は、除菌部に接続されている。駆動部は駆動輪を有する。駆動輪は接地面を転動可能である。入力部は第1入力部と第2入力部とを有する。第1入力部は除菌部の移動速度の入力を受け付け可能である。第2入力部は除菌対象の細菌およびウイルスの種類の入力を受け付け可能である。第1入力部に入力された移動速度および第2入力部に入力された細菌およびウイルスの種類に基づいて、電磁波の照射強度は決定される。第1入力部に入力された移動速度に基づいて、駆動輪を転動させることで除菌部を前進させながら、除菌部は照射強度の電磁波を照射するように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
上記によれば、細菌およびウイルスの種類によって適切な照射強度を有する紫外線を照射しながら移動可能な移動除菌機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る移動除菌機の斜視図である。
図2】実施の形態1に係る移動除菌機の側面図である。
図3】実施の形態1に係る移動除菌機の平面図である。
図4図3の領域IVにおける部分拡大平面図である。
図5】実施の形態1に係る移動除菌機の本体部の内部構造を示す部分拡大斜視図である。
図6】実施の形態1に係る移動除菌機の本体部の内部構造を示す部分拡大側面図である。
図7】実施の形態1に係る移動除菌機のアジャスターを示す部分拡大斜視図である。
図8】実施の形態1に係る移動除菌機のアジャスターを示す部分拡大斜視図である。
図9】実施の形態2に係る移動除菌機の本体部の内部構造を示す部分拡大斜視図である。
図10】実施の形態2に係る移動除菌機の本体部の内部構造を示す部分拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態を説明する。なお、特に言及しない限り、以下の図面において同一または対応する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0010】
実施の形態1.
<移動除菌機の構成>
図1は、実施の形態1に係る移動除菌機1の斜視図である。図2は、実施の形態1に係る移動除菌機1の側面図である。図3は、実施の形態1に係る移動除菌機1の平面図である。図4は、図3の領域IVにおける部分拡大平面図である。図5は、実施の形態1に係る移動除菌機1の本体部10の内部構造を示す部分拡大斜視図である。図6は、実施の形態1に係る移動除菌機1の本体部10の内部構造を示す部分拡大側面図である。図7および図8は、実施の形態1に係る移動除菌機1のアジャスターを示す部分拡大斜視図である。
【0011】
図1から図8に示された移動除菌機1は、本体部10と、入力部40と、ハンドル部4とを主に備える。ハンドル部4は接続部5を含む。入力部40およびハンドル部4は、接続部5を介して本体部10に接続されている。
【0012】
図1から図3に示されるように、本体部10は、除菌部2、駆動部3、および筐体7とを含む。筐体7は、除菌部2、駆動部3、バッテリーなどの電源部および後述する制御を行う制御部を収納する。図5から図8は、筐体7を除いた当該移動除菌機1を示しており、除菌部2および駆動部3の内部構造を示している。
【0013】
駆動部3は、車輪30と車輪30を駆動するモータなどの駆動源とを主に有する。車輪30は、駆動輪31aおよび移動輪31bを含む。駆動輪31aおよび移動輪31bは、接地面100上を転動可能である。図2に示されるように、移動輪31bからみて除菌部2が前進する側に駆動輪31aは配置されている。つまり、除菌部2が前進する方向である第1方向Xにおいて、移動輪31bと除菌部2との間に駆動輪31aは配置されている。なお、本明細書では、図2に示されるように、除菌部2が前進する方向を第1方向Xとする。図3に示されるように、接地面100に対して垂直な方向から見た平面視において、第1方向Xに対して垂直な方向を第2方向Yとする。つまり、第2方向Yは、移動除菌機1の幅方向である。図2に示されるように、第1方向Xおよび第2方向Yに対して垂直な方向を第3方向Zとする。つまり、第3方向Zは、接地面100に対して垂直な方向である。
【0014】
除菌部2は、電磁波を照射可能である。電磁波は、除菌部2から接地面100に照射される。照射される電磁波は、たとえば、赤外線でもよいが、除菌作用が優れている紫外線であることが好ましい。除菌部2から照射される電磁波の照射量(単位:mJ)は、照射時間(単位:秒)と照射強度(単位:mJ/秒)の乗算である。
【0015】
接地面100に対して垂直な方向から見た平面視において、駆動部3からみて除菌部2が前進する側に除菌部2は配置されていている。このようにすれば、除菌部2から照射される電磁波によって、本体部10の前進する側にある接地面100上の細菌およびウイルスは除菌される。このため、移動除菌機1が前進するときに除菌部2の後ろ側に配置された車輪30に細菌およびウイルスは付着しない。その結果、当該移動除菌機1の移動時(前進時)に、車輪30に接地面100から細菌およびウイルスが付着して、当該細菌およびウイルスが接地面100の他の領域にまき散らされるといった問題の発生を防止できる。
【0016】
図2に示されるように、除菌部2の高さは、本体部10の筐体7の高さより低くなっている。具体的には、筐体7は第1点t1を有する。除菌部2は第2点t2を有する。第2点t2は、除菌部2を収納する筐体7の部分における点でもある。図2に示されるように、駆動部3を収納する筐体7において、第1点t1は接地面100から第3方向Zにおいて最も離れた点である。図2に示されるように、除菌部2を収納する筐体7の部分において、第2点t2は接地面100から第3方向Zにおいて最も離れた点である。第2点t2は、第3方向Zにおいて第1点t1よりも接地面100に近い位置に配置されている。このようにすれば、除菌部2の高さ(厚さ)は本体部10において駆動部3が収容された筐体7の高さより低くなっているため、使用者はベッドおよび机の下等の本体部10全体が入れないような狭い隙間に当該除菌部2を入れることができる。その結果、除菌部2は、上記の様な狭い隙間における接地面100に対して電磁波を照射し、当該接地面100を除菌することができる。
【0017】
図2に示されるように、第3方向Zにおいて、本体部10から見て接地面100が位置する側の反対側にハンドル部4が配置されている。図3および図4に示されるように、ハンドル部4はグリップ部分41と第1レバー部分41aと第2レバー部分41bとを含む。当該移動除菌機1の使用者は、手でグリップ部分41を把持する。使用者が第1レバー部分41aに力を加えることで、移動除菌機1は前進するように移動可能である。使用者が第2レバー部分41bに力を加えることで、移動除菌機1は後進するように移動可能である。
【0018】
ここで、本実施の形態1に係る移動除菌機1の特徴は、対象とする細菌およびウイルスの種類に合わせて照射する電磁波の照射強度および本体部10の移動速度を適宜調節できるように構成されている点である。具体的には、図4に示されるように、入力部40は、第1入力部40aと第2入力部40bとを含む。第1入力部40aは、除菌部2の移動速度の入力を受け付け可能である。第2入力部40bは、除菌対象の細菌およびウイルスの種類の入力を受け付け可能である。入力された移動速度および細菌およびウイルスの種類に基づいて、電磁波の照射強度が決定される。第1入力部40aに入力された移動速度に基づいて、駆動輪31aを転動させることで除菌部2は前進される。除菌部2は、当該照射強度の電磁波を照射する。このようにして、入力部40は構成される。
【0019】
除菌(不活化)するために必要なエネルギーは細菌およびウイルスの種類によって異なる。表1に各細菌およびウイルスを除菌するために必要な移動速度を示す。対象となる細菌およびウイルスの99.9%が不活化されるために必要なエネルギーを不活化エネルギーと言う。表1に示されるように、移動速度が、たとえば450mm/秒と設定されたとき、当該電磁波の照射時間を考慮して、電磁波の照射量が除菌対象の細菌およびウイルスの不活化エネルギー以上となるように当該電磁波の照射強度が決定される必要がある。一方、ノロウイルスの不活化エネルギーは、大腸菌の不活化エネルギーより大きい。そのため、ノロウイルスが除菌されるためには、たとえば電磁波の照射強度が上記大腸菌の場合と同じとする場合、当該除菌部の移動速度を下げることによって、照射時間を増やして当該電磁波の照射量が増加される必要がある。このような細菌およびウイルスの種類と移動速度とに基づいて除菌部2での電磁波の照射強度が決定される制御は制御部において実施される。たとえば、制御部は、細菌およびウイルスの種類と移動速度と照射強度との関係を示したデータテーブルを記録した記憶部と、第1入力部40aおよび第2入力部40bから入力されたデータと上記データテーブルとから除菌部2での電磁波の照射強度を決定する演算部と、決定された照射強度を除菌部2での照射強度として設定する設定部とを主に含む。あるいは、ノロウイルスが除菌されるためには、たとえば、除菌部2での電磁波の照射強度を大きくすることによって、電磁波の照射量が増加されてもよい。なお、表1では、大腸菌に対して除菌部2の移動速度を450mm/秒とした場合に必要な照射強度を前提とした場合に、各細菌およびウイルスを除菌するために必要な除菌部2の移動速度を示している。
【0020】
【表1】
【0021】
第1入力部40aは、たとえば、3種類の移動速度の入力を受け付け可能である。本実施の形態1では、3種類の移動速度は、100m/秒、200m/秒、300m/秒である。入力可能な移動速度は、たとえば、5種類であってもよい。具体的には、第1入力部40aは、たとえば、100m/秒よりも遅い移動速度が入力可能であってもよい。第1入力部40aは、たとえば、300m/秒よりも早い移動速度が入力可能であってもよい。
【0022】
第2入力部40bは、たとえば、3種類の細菌およびウイルスの種類の入力を受け付け可能である。本実施の形態1では、3種類の細菌およびウイルスの種類は、大腸菌、薬剤耐性菌、ノロウイルスである。薬剤耐性菌は、たとえば、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌である。第2入力部40bは、上述した3種類の細菌およびウイルス以外の細菌およびウイルスの種類が入力可能であってもよい。
【0023】
本実施の形態1に係る移動除菌機1の使用者は、第2入力部40bに細菌およびウイルスの種類を入力することによって、除菌したい細菌およびウイルスの種類を選択する。次に、使用者は、第1入力部40aに移動速度を入力することによって、除菌部2の移動速度を選択する。上述の入力された情報から、除菌したい細菌およびウイルスの種類によって必要な電磁波の照射強度が決定される。除菌部2は、当該照射強度を有する電磁波を照射しながら、入力された移動速度を維持して前進される。このようにして、除菌部2は一定の移動速度を維持しながら前進されるように制御されるため、無駄な電力が消費されない。また、使用者による手動で移動除菌機1を移動させると移動除菌機1の移動速度は安定しない。本実施の形態1に係る移動除菌機1は一定の速度で自走可能であるため、安定した除菌効果を得ることができる。また、上記の様に無駄な電力消費が抑制されているので、当該移動除菌機1のバッテリーの駆動時間が延びる。このため、使用者は当該バッテリーを充電する手間を減らせる。その結果、使用者による当該移動除菌機1の管理負担が減る。
【0024】
第1入力部40aは、たとえば、電磁波の照射強度の入力を受け付け可能であってもよい。つまり、第2入力部40bが除菌対象の細菌およびウイルスの種類の入力を受け付け可能であれば、入力された照射強度および細菌およびウイルスの種類に基づいて、除菌部2の移動速度が決定されてもよい。このように除菌対象の細菌およびウイルスの種類によって、除菌するために必要な電磁波の照射量が決まるため、移動速度および照射強度の少なくともいずれか片方が決まれば、一意に他方が決定される。
【0025】
図4に示されるように、入力部40は、第1入力部40aおよび第2入力部40bの他に、たとえば、第1ランプ部40f1、第2ランプ部40f2、第3ランプ部40f3、非常停止ボタン40c、左折ボタン40l、および右折ボタン40rを含んでもよい。当該移動除菌機1が起動されているときに、第1ランプ部40f1は、たとえば点灯されてもよい。除菌部2が電磁波を照射しているときに、第2ランプ部40f2は、たとえば点灯されてもよい。バッテリーの残量を表示するように、第3ランプ部40f3は、たとえば点灯されてもよい。使用者が非常停止ボタン40cを押すことで、当該移動除菌機1の作動が止められてもよい。当該移動除菌機1の移動方向を左に曲げたいとき、使用者が左折ボタン40lを押すことで、除菌部2の移動方向が左に変えられてもよい。当該移動除菌機1の移動方向を右に曲げたいとき、使用者が右折ボタン40rを押すことで、除菌部2の移動方向が右に変えられてもよい。
【0026】
図2に示されるように、本実施の形態1の除菌部2は、中心点p1を中心として回転方向R1に動くことで、電磁波の照射方向を変更可能であってもよい。具体的には、図5に示されるように、除菌部2は第1回転軸21を有する。第1回転軸21は、第2方向Yに沿って延びている。第1回転軸21は除菌部2と固定されている。除菌部2は、第1回転軸21を介して本体部10と接続されている。除菌部2は、第2方向Yから除菌部2を見た側面視において、第1回転軸21を中心軸として回転可能である。たとえば、第1回転軸21を回転駆動させるモータなどの駆動装置を筐体7内部に設置してもよい。あるいは、除菌部2の放射線を照射する照射部と第1回転軸21とを接続するアーム部に、第1回転軸21を中心として当該アーム部を移動させるアクチュエータなどの駆動装置を接続してもよい。
【0027】
このようにすれば、第1回転軸21を中心として除菌部2が回転移動することで、図2に示されるように、除菌部2は、中心点p1を中心として回転方向R1に動くことが可能である。図6は、電磁波の照射方向が変更されたときの移動除菌機1の内部構造を示す側面図である。図2に示される除菌部2は、接地面100に対して垂直な方向に電磁波を照射するように配置されている。一方、図6に示される除菌部2は、側面視において、接地面100に対して傾くように配置されている。その結果、電磁波の照射方向が図2と異なる。図6における電磁波の照射方向は、接地面100に対して傾斜した方向となっている。このようにすれば、除菌部2は、接地面100と壁101との間にある隅に対して電磁波を直接的に照射できる。このため、隅に付着した細菌およびウイルスを除菌することが可能である。
【0028】
図2に示されるように、除菌部2は中心点p1を中心として回転方向R1に動くことが可能であってもよいが、除菌部2は任意の方向に対して傾くことが可能であってもよい。たとえば、実施の形態2で後述するように、除菌部2は第1回転軸21と異なる方向に沿って伸びる他の中心軸を中心として回転可能であってもよい。
【0029】
図7および図8に示されるように、本実施の形態1のハンドル部4は、使用者がハンドル部4の位置を変更可能なアジャスター6および第3レバー部分41c(図3参照)を含んでもよい。具体的には、アジャスター6は、本体部10および接続部5に接続されている。つまり、本体部10および接続部5は互いにアジャスター6を介して接続されている。アジャスター6は、たとえば、第3回転軸64および第4回転軸65を含んでもよい。
【0030】
図7に示されるように、第3回転軸64は、第3方向Zに沿って延びている。ハンドル部4は、接地面100に対して垂直な方向から見た平面視において、第3回転軸64を中心軸として回転可能である。異なる観点から言えば、図7に示されるように、アジャスター6は第3回転軸64を中心軸として回転方向R3に自転可能である。第3回転軸64はアジャスター6と固定されている。第4回転軸65もアジャスター6に固定されている。第4回転軸65を介してアジャスター6と接続部5とが接続されている。第3回転軸64は、たとえば円筒状の部材である。第3回転軸64は、図7および図8に示されるように、本体部10に形成された本体側回転軸が内部に挿入された状態となっている。本体側回転軸は第3方向Zに沿って伸びるように形成されている。第3回転軸64と本体側回転軸とは互いに摺動可能である。アジャスター6と接続部5とが固定されているとき、アジャスター6が自転した場合であっても、接地面100からハンドル部4までの距離は変化しない。
【0031】
このようにすれば、図3に示されるように、アジャスター6が自転することで、第3回転軸64と接続部5を介して接続されているハンドル部4は、中心点p3を中心として回転方向R3(図7参照)に動くことが可能である。その結果、使用者はハンドル部4を任意の位置に配置することができる。
【0032】
図7に示されるように、アジャスター6は第1固定部61を含んでもよい。第1固定部61は、アジャスター6と本体部10との相対位置を固定する機能を有する。たとえば、本体部10における本体側回転軸が設置された円盤状部材において、本体側回転軸を中心として円周上に複数の位置決め孔を形成する。第1固定部61に、当該位置決め孔に挿入される挿入ピンを配置する。挿入ピンが第1固定部61の内部に配置され、位置決め孔に挿入されていない状態では、アジャスター6は第3回転軸64を中心に図7の回転方向R3に回転可能である。第1固定部61がいずれかの位置決め孔と重なった状態で、挿入ピンが第1固定部61内部から突出して位置決め孔の内部に部分的に挿入されると、アジャスター6は回転できず本体部10に対する位置が固定される。挿入ピンの移動は任意の方法で実現できる。たとえば挿入ピンにワイヤを接続し、当該ワイヤの一端を第3レバー部分41cに連結する。使用者が第3レバー部分41cを操作することで、当該ワイヤが移動し、挿入ピンを移動させることができる。この結果、アジャスター6の本体部10に対する固定状態と移動可能状態とを切り替えることができる。たとえば、使用者が第3レバー部分41cに力を加えなければ、アジャスター6および本体部10は第1固定部61の挿入ピンを介して固定されるようにしてもよい。つまり、使用者は、第3レバー部分41cに力を加えた状態で、回転方向R3においてハンドル部4の位置を変更してもよい。さらに、使用者は、第1固定部61といずれかの位置決め孔とが重なる位置において、第3レバー部分41cに力を加えない状態とすることで、第1固定部61の挿入ピンを位置決め孔に挿入し、ハンドル部4と本体部10との相対位置を固定してもよい。
【0033】
ハンドル部4の位置は、図3に示されるハンドル部4の位置から中心点p3を中心にして、回転方向R3に任意の角度分だけ移動した位置で固定されてもよい。たとえば、ハンドル部4の位置は、図3に示されるハンドル部4の位置から中心点p3を中心にして、回転方向R3に18°、90°、180°移動した位置で固定されてもよく、上述した方向に対して逆の方向における位置で固定されてもよい。このようなハンドル部4の固定位置は、上述した位置決め孔の位置および数によって調整できる。
【0034】
第3方向Zに対して垂直な方向を第4方向とする。図8に示されるように、第4回転軸65は、第4方向に延びている。接続部5の先端部は第4回転軸65と回転可能に接続されている。たとえば、第4回転軸65は円筒状であり、第4回転軸65に挿入された固定軸と接続部5の先端部とが固定されていてもよい。接続部5とハンドル部4とは、第4回転軸65を中心軸として回転可能である。異なる観点から言えば、第4回転軸65はハンドル部4と接続されている。このようにすれば、図8に示されるように、ハンドル部4は、第4回転軸65を中心軸として動くことができる。第4方向が、たとえば、第2方向Yと一致するとき、図2に示される側面視において、ハンドル部4は中心点p4を中心として回転方向R4に動くことができる。その結果、使用者はハンドル部4の位置を、接地面100から任意の高さ位置に変更することができる。
【0035】
図8に示されるように、接続部5は第2固定部51を含んでもよい。第2固定部51は、アジャスター6と接続部5との相対位置を固定する機能を有する。たとえば、アジャスター6における接続部5と対向する表面(曲面)を有する部材において、図8の回転方向R4に沿って複数の位置決め孔を形成する。第2固定部51に、当該位置決め孔に挿入される挿入ピンを配置する。挿入ピンが第2固定部51の内部に配置され、位置決め孔に挿入されていない状態では、接続部5は第4回転軸65を中心に図8の回転方向R4に移動可能である。第2固定部51がいずれかの位置決め孔と重なった状態で、挿入ピンが第2固定部51内部から突出して位置決め孔の内部に部分的に挿入されると、接続部5は移動できずアジャスター6および本体部10に対する位置が固定される。挿入ピンの移動は任意の方法で実現できる。たとえば挿入ピンにワイヤを接続し、当該ワイヤの一端を第3レバー部分41cに連結する。使用者が第3レバー部分41cを操作することで、当該ワイヤが移動し、挿入ピンを移動させることができる。この結果、接続部5のアジャスター6に対する固定状態と移動可能状態とを切り替えることができる。たとえば、使用者が第3レバー部分41cに力を加えなければ、接続部5とアジャスター6とは第2固定部51の挿入ピンを介して固定されるようにしてもよい。つまり、使用者は、第3レバー部分41cに力を加えた状態で、回転方向R4においてハンドル部4を任意の高さ位置に変更してもよい。さらに、使用者は、第2固定部51といずれかの位置決め孔とが重なる位置において、第3レバー部分41cに力を加えない状態とすることで、第2固定部51の挿入ピンを位置決め孔に挿入し、接続部5とアジャスター6との相対位置を固定してもよい。
【0036】
ハンドル部4の位置は、中心点p4を中心にして回転方向R4に任意の角度分だけ移動した位置で固定されてもよい。たとえば、接地面100と平行であり、中心点p4を含む面を基準面として、ハンドル部4の位置は、当該基準面から中心点p4を中心にして基準面から離れる方向に2°、13°、24、°35°、46°、57°移動した位置で固定されてもよい。このようなハンドル部4の高さ位置は、上述したアジャスター6における位置決め孔の位置および数によって調整できる。
【0037】
<作用効果>
本開示に従った移動除菌機1は、本体部10と入力部40とを備える。本体部10は除菌部2および駆動部3を含む。入力部40は本体部10に接続されている。除菌部2は電磁波を照射可能である。駆動部3は、除菌部2に接続されている。駆動部3は駆動輪31aを有する。駆動輪31aは接地面100を転動可能である。入力部40は第1入力部40aと第2入力部40bとを有する。第1入力部40aは除菌部2の移動速度の入力を受け付け可能である。第2入力部40bは除菌対象の細菌およびウイルスの種類の入力を受け付け可能である。第1入力部40aに入力された移動速度及び第2入力部40bに入力された細菌およびウイルスの種類に基づいて、電磁波の照射強度は決定される。第1入力部40aに入力された移動速度に基づいて、駆動輪31aを転動させることで除菌部2を前進させながら、除菌部2は照射強度の電磁波を照射するように構成されている。
【0038】
このようにすれば、除菌部2は一定の移動速度を維持しながら前進されるように制御されるため、無駄な電力が消費されることがなく、安定した除菌効果を得ることができる。また、当該移動除菌機1のバッテリーの駆動時間が延びるため、使用者は当該バッテリーを充電する手間を減らせる。その結果、使用者による当該移動除菌機1の管理負担が減る。
【0039】
上記移動除菌機1について、接地面100に対して垂直な方向から見た平面視において、除菌部2は駆動輪31aからみて除菌部2が前進する側に配置されている。このようにすれば、除菌部2が前進するときに、駆動輪31aは除菌部2によって除菌された接地面100上を転動することになる。このため、駆動輪31aに接地面100から除菌対象である菌が付着する、さらに駆動輪31aの転動により駆動輪31aから細菌およびウイルスをまき散らす、といった問題の発生を防止できる。
【0040】
上記移動除菌機1について、平面視において、除菌部2が前進する方向を第1方向Xとする。除菌部2は第1回転軸21を有する。第1回転軸21は除菌部2と固定されている。除菌部2は第1回転軸21を介して本体部10と接続されている。平面視において、第1方向Xに対して垂直な方向を第2方向Yとする。第1回転軸21は第2方向Yに沿って延びている。除菌部2は第2方向Yから除菌部2を見た側面視において、第1回転軸21を中心軸として回転可能である。
【0041】
このようにすれば、除菌部2は、電磁波を接地面100に対して垂直な方向だけでなく、接地面100に対して傾いた方向に照射できる。このため、除菌部2は、たとえば、接地面100と壁101との間にある隅(角部)に対して電磁波直接的に照射できるので、当該隅に付着した細菌およびウイルスを除菌することが可能である。
【0042】
上記移動除菌機1はハンドル部4を備える。ハンドル部4は本体部10に接続されている。接地面100に対して垂直な方向を第3方向Zとする。第3方向Zにおいて、ハンドル部4は本体部10から見て接地面100が位置する側の反対側に配置されている。このようにすれば、使用者はハンドル部4を把持して、移動除菌機1を操作することが可能である。
【0043】
上記移動除菌機1について、ハンドル部4は第3回転軸64を有する。第3回転軸64は、ハンドル部4に接続されている。ハンドル部4は第3回転軸64を介して本体部10と接続されている。第3回転軸64は第3方向Zに沿って延びている。ハンドル部4は、接地面100に対して垂直な方向から見た平面視において、第3回転軸64を中心軸として回転可能である。
【0044】
このようにすれば、第3回転軸64と固定されているハンドル部4は、中心点p3を中心として回転方向R3に動くことが可能である。その結果、使用者はハンドル部4の位置を任意の位置に変更することができる。
【0045】
上記移動除菌機1について、ハンドル部4は第4回転軸65を有する。第4回転軸65は、ハンドル部4に接続されている。ハンドル部4は第4回転軸65を介して本体部10と接続されている。第3方向Zに対して垂直な方向を第4方向とする。第4回転軸65は第4方向に沿って延びている。ハンドル部4は、第4方向からハンドル部4を見た側面視において、第4回転軸65を中心軸として回転可能である。
【0046】
このようにすれば、ハンドル部4は中心点p4を中心として回転方向R4に動くことができる。その結果、使用者はハンドルの位置を、接地面100から任意の高さ位置に変更することができる。
【0047】
上記移動除菌機1について、本体部10は筐体7を含む。筐体7は駆動部3を収納する。筐体7は第1点t1を有する。第1点t1は、第3方向Zにおいて、前記接地面100から最も離れている点である。除菌部2は第2点t2を有する。第2点t2は第3方向Zにおいて、接地面100から最も離れた点である。第2点t2は、第3方向Zにおいて第1点t1よりも接地面100に近い位置に配置されている。このようにすれば、除菌部2の高さ(厚さ)は本体部10における筐体7の高さよりも低くなっているため、使用者は当該除菌部2を、ベッドおよび机の下といった隙間に入れることができる。その結果、除菌部2は、ベッドおよび机の下といった隙間における接地面100に対して電磁波を照射し、除菌することができる。
【0048】
実施の形態2.
<移動除菌機1の構成>
図9は、実施の形態2に係る移動除菌機1の本体部10の内部構造を示す部分拡大斜視図である。図9は、図5に対応する。図10は、実施の形態2に係る移動除菌機1の本体部10の内部構造を示す部分拡大正面図である。図9および図10に示された移動除菌機1は、基本的には実施の形態1に係る移動除菌機1と同様の構成を備えるが、除菌部2が第2回転軸22を有する点で実施の形態1に係る移動除菌機1と異なる。具体的には、図9に示されるように、除菌部2は第2回転軸22を有する。第2回転軸22は、第1方向Xに沿って延びている。第2回転軸22は除菌部2と固定されている。具体的には、第2回転軸22の端部に角柱状の支持部材が固定されている。支持部材は第2方向Yに沿って伸びている。支持部材の複数箇所(図9では2カ所)に、除菌部2と接続されるアーム部が固定されている。アーム部は、除菌部2が図2の回転方向R1に回転可能な回転接続部を含んでいてもよい。第2回転軸22は本体部10のフレームに回転可能に接続されている。除菌部2は、第2回転軸22を介して本体部10と接続されている。除菌部2は、第1方向Xから除菌部2を見た正面視において、第2回転軸22を中心軸として回転可能である。たとえば、第2回転軸22を回転駆動させるモータなどの駆動装置を筐体7内部に設置してもよい。あるいは、上述した支持部材に、第2回転軸22を中心として当該支持部材を回転移動させるアクチュエータなどの駆動装置を接続してもよい。
【0049】
このようにすれば、図10に示されるように、第2回転軸22と固定されている除菌部2は、中心点p4を中心として回転方向R4に動くことが可能である。図10に示される除菌部2は、正面視において、接地面100に対して傾くように配置されている。その結果、電磁波の照射方向が図2および図6と異なる。図6に示されるように除菌部2が接地面100と壁101との境界部である隅に付着した細菌およびウイルスを除菌する場合、側面視において接地面100に対して傾くように除菌部2が配置されているため、移動除菌機1を壁101に向けて配置した状態で移動除菌機1を停止させ、当該隅に電磁波を照射する必要がある。一方、本実施の形態2に係る移動除菌機1は、図10に示されるように、移動除菌機1の進行方向を壁101に沿った方向とし、除菌部2を壁101に対向するように傾けた状態で、走行することができる。そのため、隅に付着した細菌およびウイルスを除菌しながら移動除菌機1を走行させることができる。なお、本実施の形態2に係る移動除菌機1について第2回転軸22は、正面視において本体部10の右側に配置されているが、たとえば、本体部10の左側に配置されていてもよい。
【0050】
<作用効果>
上記移動除菌機1について、平面視において、除菌部2が前進する方向を第1方向Xとする。除菌部2は第2回転軸22を有する。第2回転軸22は、除菌部2と固定されている。除菌部2は、第2回転軸22を介して本体部10と接続されている。第2回転軸22は、平面視において第1方向Xに沿って延びている。除菌部2は、第1方向Xから除菌部2を見た正面視において、第2回転軸22を中心軸として回転可能である。このようにすれば、正面視において除菌部2の横に、接地面100と壁101との境界部である隅(角部)が位置する場合であっても、第2回転軸22を中心軸として除菌部2を回転させる(傾ける)ことにより、当該隅に対して電磁波を直接的に照射できる。この結果、当該移動除菌機1は、当該隅に付着した菌を走行しながら除菌できる。
【0051】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。矛盾のない限り、今回開示された実施の形態の少なくとも2つを組み合わせてもよい。本開示の基本的な範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【0052】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
除菌部および駆動部を含む本体部と、
前記本体部に接続されている入力部とを備え、
前記除菌部は電磁波を照射可能であり、
前記駆動部は前記除菌部に接続され、
前記駆動部は、接地面上を転動可能な駆動輪を有し、
前記入力部は、
前記除菌部の移動速度の入力を受け付け可能な第1入力部と、
除菌対象の細菌およびウイルスの種類の入力を受け付け可能な第2入力部とを有し、
前記第1入力部に入力された前記移動速度および前記第2入力部に入力された前記細菌およびウイルスの種類に基づいて、前記電磁波の照射強度が決定され、
前記第1入力部に入力された前記移動速度に基づいて、前記駆動輪を転動させることで前記除菌部を前進させながら、前記除菌部は前記照射強度の前記電磁波を照射するように構成されている、移動除菌機。
(付記2)
前記接地面に対して垂直な方向から見た平面視において、前記除菌部は前記駆動輪からみて前記除菌部が前進する側に配置されている、付記1に記載の移動除菌機。
(付記3)
前記平面視において、前記除菌部が前進する方向を第1方向とした場合に、
前記除菌部は、前記除菌部と固定された第1回転軸を有し、更に、
前記除菌部は前記第1回転軸を介して、前記本体部と接続され、
前記平面視において前記第1方向に対して垂直な方向を第2方向とした場合に、
前記第1回転軸は、前記第2方向に沿って延び、
前記除菌部は、前記第2方向から前記除菌部を見た側面視において、前記第1回転軸を中心軸として回転可能な、付記1または付記2に記載の移動除菌機。
(付記4)
前記平面視において、前記除菌部が前進する方向を第1方向とした場合に、
前記除菌部は、前記除菌部と固定された第2回転軸を有し、更に、
前記除菌部は前記第2回転軸を介して、前記本体部と接続され、
前記第2回転軸は、前記平面視において前記第1方向に沿って延び、
前記除菌部は、前記第1方向から前記除菌部を見た正面視において、前記第2回転軸を中心軸として回転可能な、付記1または付記2に記載の移動除菌機。
(付記5)
前記本体部に接続されたハンドル部を更に備え、
前記接地面に対して垂直な方向を第3方向としたときに、
前記第3方向において前記ハンドル部は前記本体部から見て前記接地面が位置する側の反対側に配置されている、付記1から付記4のいずれか1項に記載の移動除菌機。
(付記6)
前記ハンドル部は、前記ハンドル部に接続された第3回転軸を有し、
前記ハンドル部は、前記第3回転軸を介して前記本体部と接続され、
前記第3回転軸は、前記第3方向に沿って延び、
前記ハンドル部は、前記接地面に対して垂直な方向から見た平面視において、前記第3回転軸を中心軸として回転可能な、付記5に記載の移動除菌機。
(付記7)
前記ハンドル部は、前記ハンドル部に接続された第4回転軸を有し、
前記ハンドル部は、前記第4回転軸を介して前記本体部と接続され、
前記第3方向に対して垂直な方向を第4方向とした場合に、
前記第4回転軸は前記第4方向に沿って延び、
前記ハンドル部は、前記第4方向から前記ハンドル部を見た側面視において、前記第4回転軸を中心軸として回転可能な、付記5または付記6に記載の移動除菌機。
(付記8)
前記本体部は、前記駆動部を収納する筐体を含み、
前記筐体は、前記第3方向において、前記接地面から最も離れた第1点を有し、
前記除菌部は、前記第3方向において、前記接地面から最も離れた第2点を有し、
前記第2点は、前記第3方向において前記第1点よりも前記接地面に近い位置に配置されている、付記5から付記7のいずれか1項に記載の移動除菌機。
【符号の説明】
【0053】
1 移動除菌機、2 除菌部、3 駆動部、4 ハンドル部、5 接続部、6 アジャスター、7 筐体、10 本体部、21 第1回転軸、22 第2回転軸、30 車輪、31a 駆動輪、31b 移動輪、40 入力部、40a 第1入力部、40b 第2入力部、40c 非常停止ボタン、40f1 第1ランプ部、40f2 第2ランプ部、40f3 第3ランプ部、40l 左折ボタン、40r 右折ボタン、41 グリップ部分、41a 第1レバー部分、41b 第2レバー部分、41c 第3レバー部分、51 第2固定部、61 第1固定部、64 第3回転軸、65 第4回転軸、100 接地面、101 壁、R1,R2,R3,R4 回転方向、p1,p2,p3,p4 中心点、t1 第1点、t2 第2点。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10