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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121578
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】半導体集積回路装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20240830BHJP
   G01R 31/28 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
H01L27/04 T
H01L27/04 V
G01R31/28 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028744
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石原 明弘
【テーマコード(参考)】
2G132
5F038
【Fターム(参考)】
2G132AK09
2G132AL05
5F038AV10
5F038DT04
5F038DT08
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】トリミング実施時に、1つのトリミング対象回路が占有するテスタの端子数を削減することが可能な半導体集積回路装置を提供すること。
【解決手段】半導体集積回路装置20は、出力する信号のトリミング対象特性のトリミングが必要なトリミング対象回路21と、トリミング対象特性のトリミングの目標となる特性を有する信号が外部から入力される対象特性目標入力端子14と、トリミングの開始を指示する開始信号を入力する開始信号入力端子25と、開始信号入力端子から入力された開始信号に応じて、トリミング対象回路21から出力される信号のトリミング対象特性が目標となる信号の特性と一致するまで、複数ビットからなるトリミング値を順次変化させてトリミング対象回路21に対して出力するトリミング値制御回路23と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力する信号のトリミング対象特性のトリミングが必要なトリミング対象回路と、
前記トリミング対象特性のトリミングの目標となる特性を有する信号が外部から入力される対象特性目標入力端子と、
トリミングの開始を指示する開始信号を入力する開始信号入力端子と、
前記開始信号入力端子から入力された開始信号に応じて、前記トリミング対象回路から出力される信号のトリミング対象特性が前記目標となる信号の特性と一致するまで、複数ビットからなるトリミング値を順次変化させて前記トリミング対象回路に対して出力するトリミング値制御回路と、
を備える半導体集積回路装置。
【請求項2】
前記トリミング対象回路から出力される信号のトリミング対象特性が前記目標となる信号の特性と一致した場合に、トリミングの終了を示す終了信号を外部に出力する終了信号出力端子をさらに備える、請求項1記載の半導体集積回路装置。
【請求項3】
前記トリミング対象回路から出力される信号のトリミング対象特性と、前記目標となる信号の特性とを比較し、比較結果を前記トリミング値制御回路に出力する比較回路をさらに備え、
前記トリミング値制御回路は、前記トリミング対象特性が前記目標となる信号の特性と一致したとする比較結果を前記比較回路から受けると、前記トリミング対象特性が前記目標となる信号の特性と一致した時点のトリミング値を保持するとともに前記終了信号を前記終了信号出力端子に出力する、請求項2記載の半導体集積回路装置。
【請求項4】
前記トリミング対象特性が電圧であり、前記目標となる信号の特性が所定値の電圧である、請求項1から3のいずれか1項記載の半導体集積回路装置。
【請求項5】
前記トリミング対象特性が周波数であり、前記目標となる信号の特性が所定周波数の信号である、請求項1から3のいずれか1項記載の半導体集積回路装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリミング対象となる回路から出力される電圧又は周波数を、目標電圧又は目標周波数と一致するように回路を補正することのできる半導体集積回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トリミング対象となる回路のトリミングを行う半導体集積回路装置の一例が下記特許文献1に開示されている。この半導体集積回路のトリミング方法は、PORT回路に入力されるトリミング値をトリミング回路へ転送することによって、電圧レギュレータ回路の出力値を調整し、当該出力値を測定しながら適切なトリミング値を決定するものである。このトリミング方法では、トリミング対象となる半導体集積回路装置にトリミング値を外部装置、例えばテスタから入力する必要があるため、トリミング対象となる半導体集積回路装置に接続されるテスタの端子やテスタ内のドライバを多数占有することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-200327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明は、上記の事情を踏まえ、半導体集積回路装置の出荷前に行われるデジタルトリミングの実施時に、1つのトリミング対象回路が占有するテスタの端子数を削減することが可能な半導体集積回路装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る半導体集積回路装置は、出力する信号のトリミング対象特性のトリミングが必要なトリミング対象回路と、前記トリミング対象特性のトリミングの目標となる特性を有する信号が外部から入力される対象特性目標入力端子と、トリミングの開始を指示する開始信号を入力する開始信号入力端子と、前記開始信号入力端子から入力された開始信号に応じて、前記トリミング対象回路から出力される信号のトリミング対象特性が前記目標となる信号の特性と一致するまで、複数ビットからなるトリミング値を順次変化させて前記トリミング対象回路に対して出力するトリミング値制御回路と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、デジタルトリミングの実施時に、トリミング対象回路に対して入力するトリミング値をテスタから供給する必要がなくなり、1つのトリミング対象回路が占有するテスタの端子数を削減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】半導体集積回路装置の出荷前に行われるデジタルトリミングの一例を示すブロック図である。
図2】実施形態1に係る半導体集積回路装置及びテスタを示す図である。
図3図3(A)は、実施形態1の半導体集積回路装置のトリミング対象回路のトリミング対象特性としての電圧のデジタルトリミングを行う際の、テスタにおける処理の流れを示すフローチャートである。また、図3(B)は、実施形態1の半導体集積回路装置のトリミング対象回路のトリミング対象特性としての電圧のデジタルトリミングを行う際の、半導体集積回路装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図4】実施形態2に係る半導体集積回路装置及びテスタを示す図である。
図5図5(A)は、実施形態2の半導体集積回路装置のトリミング対象回路のトリミング対象特性としての周波数のデジタルトリミングを行う際の、テスタにおける処理の流れを示すフローチャートである。また、図5(B)は、実施形態2の半導体集積回路装置のトリミング対象回路のトリミング対象特性としての周波数のデジタルトリミングを行う際の、半導体集積回路装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0009】
図1は、実施形態の半導体集積回路装置を使用しない場合の、半導体集積回路装置の出荷前に行われるデジタルトリミング実施時のブロック図である。図1に示すように、半導体集積回路装置10は、トリミング値入力端子11、測定端子12、トリミング対象回路13を含む。トリミング値入力端子11は、複数個、例えばn個設けられており、ここからnビットのトリミング値をトリミング対象回路13に入力させることが可能である。トリミング対象回路13は、トリミング値に従った回路動作を行い、トリミング対象特性である電圧信号又は周波数の信号を測定端子12に出力する。
【0010】
デジタルトリミング実施時に、半導体集積回路装置10はテスタ14に接続される。テスタ14は、複数のドライバ15と測定ユニット16を含む。ドライバ15は、それぞれ1ビットのトリミング用の信号を生成する。したがって、nビットのトリミング値を生成するためにn個のドライバ15が必要である。デジタルトリミングを実施する際に、n個のドライバ15は、nビットのトリミング値を順次生成して半導体集積回路装置10のトリミング値入力端子11に入力する。測定ユニット16は、測定端子12から出力されるトリミング対象特性である電圧信号又は周波数の信号を測定し、トリミング対象特性が所望の電圧又は周波数となったところで、トリミング対象回路13は、当該時点のトリミング値を保持する。
【0011】
したがって、このトリミング方法では、トリミング対象となる半導体集積回路装置にトリミング値を外部装置、例えばテスタから入力する必要がある。そのため、上記のようなデジタルトリミングを実施した場合、テスタ14において、n個の端子と1つの測定端子に接続される合計n+1個の端子、n個のドライバ15、及び1個の測定ユニット16が占有される。したがって、1つのトリミング対象回路が占有するテスタの端子数を削減することが望ましい。
【0012】
[実施形態1]
図2は、実施形態1に係る半導体集積回路装置20を示す。半導体集積回路装置20は、トリミング対象回路21、電圧比較回路22、トリミング値制御回路23、目標電圧入力端子24、開始信号入力端子25、終了信号出力端子26を有する。
【0013】
トリミング対象回路21は、出力信号のトリミング対象特性として電圧を調整することが必要な回路であり、このトリミング対象回路21は本実施形態の半導体集積回路装置20に少なくとも一つ存在するが、半導体集積回路装置20内に複数設けられてもよい。トリミング対象回路21は、トリミング値制御回路23から入力される複数ビットのトリミング値(実施形態1ではnビット)に応じて、トリミング対象特性としての電圧を生成する。
【0014】
電圧比較回路22は、トリミング対象回路21から出力される電圧と、目標電圧入力端子24に印加されている目標となる信号の電圧とを比較し、比較結果をトリミング値制御回路23に出力する。なお、本発明の対象特性目標入力端子は、トリミング対象特性のトリミングの目標となる特性を有する信号が外部から入力される端子であるが、実施形態1では目標電圧入力端子24であり、トリミングの目標となる所定値の電圧信号(目標電圧)が入力される。
【0015】
トリミング値制御回路23は、開始信号入力端子25から入力される開始信号に応じて、nビットのトリミング値(つまりトリミングコード)を順次生成、あるいは順次変化させてトリミング対象回路21に入力する。また、トリミング値制御回路23は、電圧比較回路22から、トリミング対象回路21の出力電圧と目標電圧とが一致したことを示す信号を受信すると、その時点のトリミング値を保持し、終了信号出力端子26に対して終了信号を出力する。なお、トリミング値制御回路23は、開始信号を受信してからトリミング対象特性としての電圧と目標電圧が一致したことを示す信号を受信するまで順次トリミング値をインクリメント又はデクリメントするカウンタであってもよい。あるいは、異なるトリミング値を予め記憶された順序で出力するものであってもよい。また、トリミング対象回路21の出力電圧と目標電圧とが一致した際のトリミング値は、トリミング値制御回路23自身あるいは半導体集積回路10の他の部分に含まれるフラッシュメモリ等に不揮発的に記憶することにより保持される。
【0016】
開始信号入力端子25は、トリミングの開始を指示する信号が入力される端子である。また、終了信号出力端子26は、トリミング対象回路21から出力される信号のトリミング対象特性である電圧が目標となる信号の電圧と一致した場合に、トリミングの終了を示す終了信号を外部に出力するための端子である。
【0017】
以上のように構成された半導体集積回路装置20の、出荷前のデジタルトリミングを行うためのテスタ30は、第1のドライバ31、第2のドライバ32、目標電圧出力端子33、開始信号出力端子34、終了信号入力端子35を備える。
【0018】
第1のドライバ31は、目標電圧を生成して目標電圧出力端子33に出力する。また、第1のドライバ31は、終了信号入力端子35からトリミング終了信号を受信した場合に、目標電圧出力端子33に対する目標電圧の出力を停止する。また、第2のドライバ32は、トリミング開始信号を生成して開始信号出力端子34に出力する。
【0019】
上記半導体集積回路装置20のトリミング対象回路21のトリミング対象特性としての電圧のデジタルトリミングを行う方法を、図3(A)、図3(B)を参照して説明する。図3(A)は、上記半導体集積回路装置20のトリミング対象回路21のトリミング対象特性としての電圧のデジタルトリミングを行う際の、テスタ30における処理の流れを示すフローチャートである。
【0020】
まず、図2に示すように、半導体集積回路装置20の目標電圧入力端子24、開始信号入力端子25、終了信号出力端子26を、テスタ30の目標電圧出力端子33、開始信号出力端子34、終了信号入力端子35にそれぞれ接続する。
【0021】
図3(A)のステップS311において、テスタ30の第1のドライバ31は、目標電圧を生成して目標電圧出力端子33から出力する。ステップS312において、第2のドライバ32は、トリミング開始信号を開始信号出力端子34に出力する。
【0022】
ステップS313において、第1のドライバ31は、終了信号入力端子35からトリミング終了信号を受信したか否かを判定する。トリミング終了信号を受信した場合にはステップS314の処理に進み、トリミング終了信号を受信していない場合はステップS313の処理を継続する。
【0023】
トリミング終了信号を受信した場合、ステップS314において、第1のドライバ31は、目標電圧を目標電圧出力端子33に出力することを停止し、処理を終了する。
【0024】
図3(B)は、上記半導体集積回路装置20のトリミング対象回路21のトリミング対象特性としての電圧のデジタルトリミングを行う際の、半導体集積回路装置20における処理の流れを示すフローチャートである。
【0025】
図3(B)のステップS321において、トリミング値制御回路23は、開始信号入力端子25から入力されるトリミング開始信号を受信した否かを判定する。トリミング開始信号を受信した場合には、ステップS322の処理に進み、トリミング開始信号を受信していない場合には、ステップS321の処理を継続して、トリミング開始信号の受信を待機する。
【0026】
トリミング開始信号を受信した場合、ステップS322において、トリミング値制御回路23は、nビットのトリミング値を順次生成してトリミング対象回路21に入力する。トリミング対象回路21は、入力されるトリミング値に応じたトリミング対象特性としての電圧を生成して出力する。
【0027】
ステップS323において、電圧比較回路22は、出力されるトリミング対象特性としての電圧を、目標電圧入力端子24に印加されている目標電圧と比較する。トリミング対象特性としての電圧と目標電圧とが一致している場合、ステップS324に進み、一致していない場合はステップS322の処理に戻り、トリミング値制御回路23は異なるトリミング値を生成し、トリミング対象回路21に入力する。
【0028】
トリミング対象特性としての電圧と目標電圧とが一致した場合、即ち、トリミング対象回路21から出力される電圧が目標電圧に到達した場合、ステップS324において、電圧比較回路22は、一致した旨を示す信号をトリミング値制御回路23に出力する。トリミング値制御回路23は、その時点におけるトリミング値を保持、つまり不揮発的に記憶し、トリミング対象回路21が目標電圧と一致した電圧を生成し続けるようにする。
【0029】
ステップS325において、トリミング値制御回路23は、トリミング終了信号を終了信号出力端子26に出力し、処理を終了する。
【0030】
上記説明した半導体集積回路装置20によれば、従来技術と比較した場合に、テスタ30が測定ユニットを必要せず、またドライバの個数を2個に減らすことが可能となる。そのため、テスタ30が半導体集積回路装置20のデジタルトリミングのために占有する使用端子数を削減でき、削減した測定ユニット、ドライバ、及び端子を他のテストのために使用することが可能となり、半導体集積回路装置の出荷テストの効率を向上できる。
【0031】
また、上記実施形態1の半導体集積回路装置20では、目標電圧入力端子24に入力された電圧が抵抗器等により分圧されることなく直接電圧比較回路22に入力されるから、抵抗器の製造誤差の影響を受けにくく、正確な電圧比較が可能である。
【0032】
[実施形態2]
図4は、実施形態2に係る半導体集積回路装置40を示す。上記実施形態1の半導体集積回路装置20では、トリミング対象回路21が出力する信号のトリミング対象特性が電圧であり、目標となる信号の特性が所定値の電圧である場合を説明した。これに対して、実施形態2では、半導体集積回路装置40のトリミング対象回路41は、当該トリミング対象回路41に入力されるトリミング値に応じた周波数の信号を生成して出力する。すなわち、トリミング対象特性は周波数であり、目標となる信号の特性も所定周波数の信号である。
【0033】
図4に示すように、半導体集積回路装置40は、トリミング対象回路41、周波数比較回路42、トリミング値制御回路43、目標周波数信号入力端子44、開始信号入力端子45、終了信号出力端子46を有する。なお、本発明の対象特性目標入力端子は、実施形態2では目標周波数信号入力端子44である。
【0034】
トリミング対象回路41は、出力信号のトリミング対象特性として周波数を調整することが必要な回路であり、このトリミング対象回路41は本実施形態の半導体集積回路装置40に少なくとも一つ存在するが、半導体集積回路装置40内に複数設けられてもよい。トリミング対象回路41は、トリミング値制御回路43から入力される複数ビット(nビット)のトリミング値に応じて、トリミング対象特性としてトリミング値に応じた周波数の信号を生成する。
【0035】
周波数比較回路42は、トリミング対象回路41から出力される信号の周波数と、目標周波数信号入力端子44に入力されている目標となる信号の周波数とを比較し、比較結果をトリミング値制御回路43に出力する。なお、本発明の対象特性目標入力端子は、実施形態2では目標周波数信号入力端子44であり、トリミングの目標となる所定周波数の信号が入力される。
【0036】
トリミング値制御回路43は、開始信号入力端子45から入力される開始信号に応じて、nビットのトリミング値(つまりトリミングコード)を順次生成、あるいは順次変化させてトリミング対象回路41に入力する。トリミング値制御回路43は、周波数比較回路42から、トリミング対象回路41の出力周波数が目標とする周波数に一致したことを示す信号を受信すると、その時点のトリミング値を保持し、終了信号出力端子46に対して終了信号を出力する。なお、トリミング値制御回路43は、開始信号を受信してからトリミング対象特性としての出力周波数と目標とする周波数とが一致したことを示す信号を受信するまで順次トリミング値をインクリメント又はデクリメントするカウンタであってもよい。あるいは、異なるトリミング値を予め記憶された順序で出力するものであってもよい。
【0037】
以上のように構成された半導体集積回路装置40の、出荷前のデジタルトリミングを行うためのテスタ50は、第1のドライバ51、第2のドライバ52、目標周波数信号出力端子53、開始信号出力端子54、終了信号入力端子55を備える。
【0038】
第1のドライバ51は、目標周波数の信号を生成して目標周波数信号出力端子53に出力する。また、第1のドライバ51は、終了信号入力端子55からトリミング終了信号を受信した場合に、目標周波数信号出力端子53に対する目標周波数の信号の出力を停止する。第2のドライバ52は、トリミング開始信号を生成して開始信号出力端子54に出力する。
【0039】
上記の半導体集積回路装置40のトリミング対象回路41のトリミング対象特性としての周波数のデジタルトリミングを行う方法を、図5(A)、図5(B)を参照して説明する。図5(A)は、上記半導体集積回路装置40のトリミング対象回路41のトリミング対象特性としての周波数のデジタルトリミングを行う際の、テスタ50における処理の流れを示すフローチャートである。
【0040】
まず、図4に示すように、半導体集積回路装置40の目標周波数信号入力端子44、開始信号入力端子45、終了信号出力端子46を、テスタ50の目標周波数信号出力端子53、開始信号出力端子54、終了信号入力端子55にそれぞれ接続する。
【0041】
図5(A)のステップS511において、テスタ50の第1のドライバ51は、目標周波数の信号を生成して目標周波数信号出力端子53へ出力する。ステップS512において、第2のドライバ52は、トリミング開始信号を開始信号出力端子54に出力する。
【0042】
ステップS513において、第1のドライバ51は、終了信号入力端子55からトリミング終了信号を受信したか否かを判定する。トリミング終了信号を受信した場合にはステップS514の処理に進み、トリミング終了信号を受信していない場合はステップS513の処理を継続する。
【0043】
トリミング終了信号を受信した場合、ステップS514において、第1のドライバ51は、目標周波数の信号を目標周波数信号出力端子53に出力することを停止し、処理を終了する。
【0044】
図5(B)は、上記半導体集積回路装置40のトリミング対象回路41のトリミング対象特性としての周波数のデジタルトリミングを行う際の、半導体集積回路装置40における処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
図5(B)のステップS521において、トリミング値制御回路43は、開始信号入力端子45から入力されるトリミング開始信号を受信したか否かを判定する。トリミング開始信号を受信した場合には、ステップS522の処理に進み、トリミング開始信号を受信していない場合には、ステップS521の処理を継続して、トリミング開始信号の受信を待機する。
【0046】
トリミング開始信号を受信した場合、ステップS522において、トリミング値制御回路43は、nビットのトリミング値を順次生成してトリミング対象回路41に入力する。トリミング対象回路41は、トリミング対象特性として、入力されるトリミング値に応じた周波数の信号を生成して出力する。
【0047】
ステップS523において、周波数比較回路42は、トリミング対象特性として出力される信号の周波数を、目標周波数信号入力端子44に入力されている目標となる信号の周波数と比較する。トリミング対象特性としての周波数と目標となる信号の周波数とが一致している場合、ステップS524に進み、一致していない場合はステップS522の処理に戻り、トリミング値制御回路43は異なるトリミング値を生成し、トリミング対象回路41に入力する。
【0048】
トリミング対象特性としての周波数と目標となる信号の周波数が一致した場合、即ち、トリミング対象回路41の出力信号の周波数が目標周波数に到達した場合、ステップS524において、周波数比較回路42は、周波数が一致した旨の信号を出力する。トリミング値制御回路43は、その時点におけるトリミング値を保持する。つまり、トリミング値制御回路43はトリミング値を不揮発的に記憶し、トリミング対象回路41が目標周波数と一致した周波数の信号を生成し続けるようにする。
【0049】
ステップS525において、トリミング値制御回路43は、トリミング終了信号を終了信号出力端子46に出力し、処理を終了する。
【0050】
上記説明した半導体集積回路装置40によれば、実施形態1と同様に、従来技術と比較した場合に、テスタ50が測定ユニットを必要せず、またドライバ51の個数を2個に減らすことが可能となる。そのため、テスタ50が半導体集積回路装置40のデジタルトリミングのために占有する使用端子数を削減でき、削減した測定ユニット、ドライバ、及び端子を他のテストのために使用することが可能となり、半導体集積回路装置の出荷テストの効率を向上できる。
【符号の説明】
【0051】
10 半導体集積回路
11 トリミング値入力端子
12 測定端子
13 トリミング対象回路
14 テスタ
15 ドライバ
16 測定ユニット
20 半導体集積回路装置
21 トリミング対象回路
22 電圧比較回路
23 トリミング値制御回路
24 目標電圧入力端子
25 開始信号入力端子
26 終了信号出力端子
30 テスタ
31 第1のドライバ
32 第2のドライバ
33 目標電圧出力端子
34 開始信号出力端子
35 終了信号入力端子
40 半導体集積回路装置
41 トリミング対象回路
42 周波数比較回路
43 トリミング値制御回路
44 目標周波数信号入力端子
45 開始信号入力端子
46 終了信号出力端子
50 テスタ
51 第1のドライバ
52 第2のドライバ
53 目標周波数信号出力端子
54 開始信号出力端子
55 終了信号入力端子
図1
図2
図3
図4
図5