(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121592
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
F03D 13/00 20160101AFI20240830BHJP
【FI】
F03D13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028772
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 真二
(72)【発明者】
【氏名】柄澤 龍介
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA16
3H178AA36
3H178AA43
3H178BB71
3H178BB77
3H178BB79
3H178DD12Z
3H178DD51X
3H178DD67Z
(57)【要約】
【課題】低コストで、且つ、風車取り付け後の調整工数を低減できる電源装置を提供する。
【解決手段】電源装置1は、風車支柱14と風車翼16とを有する風車2と、風車2の回転によって発電する発電機4と、発電機4と共に風車2を備えたコンテナ6と、コンテナ6の壁面に風車2を上下動可能に設置する直動案内装置24とを備えている。直動案内装置24は、上下方向に延びるガイド部材42と、ガイド部材42に沿って移動するスライド部材44とを有している。さらに、風車2とコンテナ6との間に、風車2をコンテナ6に固定するとともに、風車2とコンテナ6との隙間を調整する隙間調整部材26が設けられている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風車支柱と風車翼とを有する風車と、前記風車の回転によって発電する発電機と、前記発電機と共に前記風車を備えたコンテナと、前記コンテナの壁面に前記風車を上下動可能にする直動案内装置とを備えた電源装置であって、
前記風車と前記コンテナとの間に、前記風車を前記コンテナに固定し、前記風車と前記コンテナとの間の隙間を調整する隙間調整部材を備えた電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電源装置において、前記直動案内装置は、上下方向に延びるガイド部材と、前記ガイド部材に沿って移動するスライド部材とを有し、
前記スライド部材は、前記ガイド部材の手前側に当接する上側の第1のローラと、前記ガイド部材の奥側に当接する下側の第2のローラとを有している電源装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電源装置において、前記コンテナは、水平方向に延びるコンテナ上側梁およびコンテナ下側梁と、これらコンテナ上側およびコンテナ下側梁を連結する複数のコンテナ柱とを有し、
前記風車支柱が、前記締結部材により前記コンテナ上側梁に固定されている電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、未電化地域や災害の被災地等での電力供給減として簡易に移動設置できる電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
直動案内装置を利用した風力発電装置が提案されている(例えば、特許文献1,2)。従来の直動案内装置では、リニアガイドのような精度の高い直動案内装置が適用されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-169637号公報
【特許文献2】特開2022-054905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、リニアガイドのような精度の高い直動案内装置は、構造が複雑で、コストも嵩む。また、リニアガイドのような精度の高い直動案内装置はあそびがなく、風車を立上げたあとのコンテナとの固定部との隙間の調整に工数がかかる。
【0005】
本発明の目的は、低コストで、且つ、風車取り付け後の調整工数を低減できる電源装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電源装置は、風車支柱と風車翼とを有する風車と、前記風車の回転によって発電する発電機と、前記発電機と共に前記風車を備えたコンテナと、前記コンテナの壁面に前記風車を上下動可能にする直動案内装置とを備えた電源装置であって、前記風車と前記コンテナとの間に、前記風車を前記コンテナに固定するとともに、前記風車と前記コンテナとの間の隙間を調整する隙間調整部材が設けられている。ガイド部材は、例えば、H鋼、I鋼、溝形鋼である。
【0007】
この構成によれば、直動案内装置に、例えばH鋼のようなガイド部材を用いることで、構造がシンプルになりコストが下がる。また、風車を立ち上げる際に、風車が、隙間調整部材を介してコンテナに固定される。これにより、隙間調整部材と風車との間にあそびをもたせることができ、隙間調整部材と風車支柱との間のすきま調整の工数が減る。すきま調整後に、隙間調整部材と風車は、密着した状態で締結部材によりで固定することができる。
【0008】
本発明において、前記直動案内装置は、上下方向に延びるガイド部材と、前記ガイド部材に沿って移動するスライド部材とを有し、前記スライド部材は、前記ガイド部材の手前側に当接する上側の第1のローラと、前記ガイド部材の奥側に当接する下側の第2のローラとを有していてもよい。ここで、「手前側」とは風車支柱側をいい、「奥側」とはコンテナの壁面側をいう。この構成によれば、上側の第1のローラが手前側のみに当接し、下側の第2のローラが奥側のみに当接するようにすることで、風車は奥方向にあそびができる。これにより、隙間調整部材と風車支柱のすきまをあけた状態で風車が取り付けられ、立上げ後にすきまを無くした状態で締結部材により固定することができる。
【0009】
本発明において、前記コンテナは、水平方向に延びるコンテナ上側梁およびコンテナ下側梁と、これらコンテナ上側およびコンテナ下側梁を連結する複数のコンテナ柱とを有し、前記風車支柱が、前記締結部材により前記コンテナ上側梁に固定されていてもよい。この構成によれば、風車支柱が、強度の高い梁に固定されるので、コンテナ内への風車発電音の伝達を抑えることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電源装置によれば、直動案内装置の構造がシンプルになりコストが下がるうえに、隙間調整部材と風車支柱との間にあそびをもたせて、隙間調整部材と風車支柱との間のすきま調整の工数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る電源装置を示す正面図である。
【
図3】同風車の
図2とは別の状態を示す斜視図である。
【
図4】同電源装置の直動案内装置を示す斜視図である。
【
図7】
図2のVII-VII線に沿った断面図である。
【
図8A】同直動案内装置のスライド部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電源装置1の正面図である。本発明の電源装置1は、未電化地域や災害の被災地域等での電力供給源として簡易に移動、設置できる移動型の独立電源装置である。
【0013】
電源装置1は、風車2と、風車2の回転によって発電する発電機4と、発電機4と共に風車2を固定可能なコンテナ6とを有している。コンテナ6には、その他に、図示しない蓄電池、制御盤等が収容される。
図2は、風車2がコンテナ6の上端部に設置された状態を示す。
図3は、風車2がコンテナ6の下端部に位置する状態を示す。
【0014】
図1に示すコンテナ6は、矩形の箱であり、水平方向に延びるコンテナ上側梁8およびコンテナ下側梁10と、これらコンテナ上側およびコンテナ下側梁8,10を連結する複数のコンテナ柱12とを有している。コンテナ上側梁8,コンテナ下側梁10およびコンテナ柱12は、例えば、溝形鋼であるが、これに限定されない。
【0015】
本実施形態では、コンテナ6は、例えば、一般的な4トントラックでも運べるように、規格寸法よりも幅狭のコンテナ6を用いている。ただし、コンテナ6は、規格寸法のコンテナであってもよい。
【0016】
本実施形態の風車2は、上下方向に延びる風車支柱14と、風車支柱14の上端部に取り付けられた風車翼16とを有する。本実施形態の風車2は、垂直型の風車であり、風車支柱14の上端部に垂直軸心回りに回転自在に設置された中央回転部材18と、中央回転部材18の周囲で鉛直方向に延びる複数の翼20と、中央回転部材18と翼20とを連結するアーム22とを有している。これら翼20およびアーム22が風車翼16を構成している。
【0017】
風車2は、
図3に示す隙間調整部材26を介してコンテナ6の外壁面に固定されている。詳細には、風車2は、風車支柱14の下端部にブラケット部材28を有している。ブラケット部材28は、コンテナ6の外壁面に取り付けられる板状のプレート部30と、プレート部30と風車支柱14の下端部とを連結する連結部32とを有している。
【0018】
本実施形態では、プレート部30および連結部32は板金製で、プレート部30と連結部32が溶接で結合され、連結部32が風車支柱14の下端部に溶接で結合されている。つまり、本実施形態では、風車支柱14、連結部32およびプレート部30が不可分一体に構成されている。
【0019】
図4に示すように、プレート部30に、ボルト挿通孔34が設けられている。ボルト挿通孔34は、幅方向(左右方向)の両側に設けられている。本実施形態では、ボルト挿通孔34は、幅方向両側に上下方向に並んで3つずつ設けられている。ただし、ボルト挿通孔34の数はこれに限定されない。
【0020】
隙間調整部材26は、上下方向に延びる部材で、幅方向(左右方向)に並んで2つ配置されている。隙間調整部材26は、例えば、H鋼、I鋼、溝形鋼であるが、これらに限定されない。
【0021】
図3に示す隙間調整部材26におけるプレート部30のボルト挿通孔34(
図4)に対応する位置に、第1ねじ孔36が形成されている。また、
図6に示すように、隙間調整部材26におけるコンテナ6の壁面に当接する部分に第2ねじ孔38が形成されている。本実施形態では、第2ねじ孔38は、1つの隙間調整部材26の幅方向両側に上下方向に並んで複数設けられている。ただし、第2ねじ孔38の配置、数は特に限定されない。第1および第2ねじ孔36,38は、例えば、溶接ナットである。なお、
図7では、隙間調整部材26が省略されている。
【0022】
コンテナ6の壁面に形成された挿通孔6aに、コンテナ6の内側からボルトのような締結部材35が挿通され、隙間調整部材26の第2ねじ孔38に締め付けられている。これにより、隙間調整部材26がコンテナ6の壁面に固定される。
【0023】
プレート部30のボルト挿通孔34に、風車支柱14側(コンテナ6の反対側)からボルトのような締結部材40が挿通され、隙間調整部材26の第1ねじ孔34に締め付けられている。これにより、風車2が、隙間調整部材26を介してコンテナ6の壁面に着脱自在に取り付けられる。
【0024】
図2の例では、風車支柱14が隙間調整部材26を介してコンテナ6の壁面に固定されているが、
図1に示すように、風車支柱14は締結部材35により隙間調整部材26を介してコンテナ上側梁8に固定されてもよい。風車2が強度の高い梁8に固定されることで、コンテナ6内への風車発電音の伝達を抑えることができる。
【0025】
風車2は、
図4に示す直動案内装置24を介してコンテナ6の外壁面に上下動可能に設置される。つまり、風車2は、コンテナ6の下部で直動案内装置24に設置され、直動案内装置24により上方に移動された後、隙間調整部材26を介してコンテナ6の上部で壁面に固定される。
図3は風車2がコンテナ6の下部に位置する状態を示しており、
図2は風車2がコンテナ6の上端部に固定された状態を示している。
【0026】
図4に示すように、直動案内装置24は、上下方向に延びるガイド部材42と、ガイド部材42に沿って移動するスライド部材44とを有している。本実施形態では、ガイド部材42としてH鋼が用いられているが、ガイド部材42は、H鋼に限定されず、例えば、I鋼、溝形鋼等であってもよい。ガイド部材42は、例えば、ステンレス製または鋼材を溶融亜鉛メッキ仕上げしたものが用いられる。
【0027】
本実施形態では、平面視で、
図7に示すように、H鋼42の開口が左右方向を向くように、ガイド部材42が配置されている。つまり、H鋼における平行な2つの部材42a,42bの一方の部材42aがコンテナ6の壁面にボルト45で取り付けられている。以下の説明において、H鋼における平行な2つの部材のうちコンテナ壁面側を第1部材42a、風車支柱側を第2部材42b、第1および第2部材42a,42bを連結する部材を連結部材42cとする。また、ガイド部材42において、風車支柱側を手前側と呼び、コンテナ壁面側を奥側と呼ぶ。
【0028】
図4に示すように、スライド部材44は、上側の第1のローラ46と、下側の第2のローラ48とを有している。上側の第1のローラ46はガイド部材42の手前側の第2部材42bに当接し、下側の第2のローラ48は奥側の第1部材42aに当接する。
【0029】
本実施形態では、第1のローラ46と第2のローラ48は、実質的に同じ構造であるので、ここでは、代表して第1のローラ46の構成を説明し、第2のローラ48については第1のローラ46との相違点のみ説明し、同一の構成については共通の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0030】
図8Aおよび
図8Bに示すように、第1のローラ46は、L字形のブラケット50と、ブラケット50に取り付けられたローラ部52とを有している。L字形のブラケット50は、例えば、金属製のアングルであり、ローラ部52が取り付けられる第1片50aと、第1片50aに直交する第2片50bとを有している。
【0031】
ブラケット50の第1片50aにローラ取付孔50aaが形成されており、第2片50bに固定孔50baが形成されている。
【0032】
本実施形態の第1のローラ46は、段付きボルト54と、ナット56と、円筒カラー58とを有している。段付きボルト54の大径部54aの外径はブラケット50の第1片50aのローラ取付孔50aaの直径よりも大きく、段付きボルト54の小径部のねじ部54bの外径はローラ取付孔50aaの直径よりも小さい。円筒カラー58の内径は、段付きボルト54の大径部54aの外径よりも大きく、段付きボルト54の頭部54cの外径よりも小さい。
【0033】
段付きボルト54の大径部54aに円筒カラー58が装着された状態で、段付きボルト54の小径部54bがブラケット50のローラ取付孔50aaに挿通されている。段付きボルト54の小径のねじ部54bにナット56が螺合されている。これにより、円筒カラー58が段付きボルト54の軸心回りに回転自在に、第1のローラ46がブラケット50に支持される。
【0034】
本実施形態では、段付きボルト54の頭部54cと円筒カラー58の間および円筒カラー58とブラケット50の第1片50aとの間にワッシャ60が介在されている。また、円筒カラー58は、軸方向に遊びを持った状態で取り付けられている。詳細には、段付きボルト54の大径部54aの軸方向長さが、円筒カラー58の軸方向長さと2枚のワッシャ60,60の厚さの合計よりも大きい。
【0035】
ブラケット50の第2片50bの固定孔50baを用いて、ボルトのような締結部材55により第1のローラ46が風車支柱14のブラケット部材28のプレート部30に着脱自在に取り付けられている。本実施形態では、上下方向に並ぶ2つの締結部材55で第1のローラ46が風車支柱14に取り付けられているが、締結部材55の数、配置はこれに限定されない。
【0036】
図6に示すように、第1のローラ46が取り付けられた状態で、円筒カラー58は第1および第2部材42a,42bの間に位置する。本実施形態では、左右一対の第1のローラ46,46が設けられている。つまり、一対の第1のローラ46,46が取り付けられた状態で、一方側の第1のローラ46の円筒カラー58は連結部材42cよりも一方側で第1および第2部材42a,42bの間に位置し、他方側の第1のローラ46の円筒カラー58は連結部材42cよりも他方側で第1および第2部材42a,42bの間に位置する。
【0037】
第1のローラ46と第2のローラ48では、第1片50aの前後方向長さが異なる。ここで、前後方向とは、鉛直方向および左右方向の両方に直交する方向をいう。詳細には、
図5に示すように、第1のローラ46の第1片50aの長さL1は、第2のローラ48の第1片50aの長さL2よりも短い。換言すれば、第2のローラ48の第1片50aは、第1のローラ46の第1片50aよりも奥側に延びている。第2のローラ48は、第1片50aの前後方向長さ以外の構成は、第1のローラ46と同じである。
【0038】
第1片50aが短い第1のローラ46の円筒カラー58はガイド部材42の手前側の第2部材42bにのみ当接し、第1片50aが長い第2のローラ48の円筒カラー58は奥側の第1部材42aにのみ当接する。第1および第2のローラ46,48の円筒カラー58がスライド部材42の第1および第2部材42a,42bに案内されて転動する。これにより、風車2がコンテナ6の外壁面に上下動可能である。
【0039】
第1および第2のローラ46,48の構成は本実施形態のものに限定されず、例えば、ベアリングであってもよい。
【0040】
本実施形態のスライド部材44は、さらに、側面ガイド部材60を有している。本実施形態の側面ガイド部材60は、段付きボルト62を有している。詳細には、段付きボルト62の小径のねじ部62aが、
図7に示す風車支柱14のブラケット部材28のプレート部30に形成されたねじ孔30aに締め付けられている。これにより、側面ガイド部材60が風車支柱14に着脱自在に取り付けられている。ねじ孔30aは、例えば、溶接ナットである。
【0041】
この状態で、段付きボルト62の頭部62bとプレート部30との間で、段付きボルト62の大径部62cが、ガイド部材42の第2部材42bの端縁に当接している。本実施形態では、
図4に示すように、側面ガイド部材60は、左右の第1のローラ46の上方と、左右の第2のローラ48の下方に設けられている。つまり、本実施形態では、4つの側面ガイド部材60が設けられている。側面ガイド部材60の数、配置はこれに限定されない。
【0042】
側面ガイド部材60を設けることで、ガイド部材42に沿って風車2が上下移動する際に、風車2が左右方向にずれることが抑制され、風車2の上下移動が安定する。側面ガイド部材60の構成は、本実施形態のものに限定されない。例えば、側面ガイド部材60は、段付きボルト62に円筒カラー、ローラ等を組み合わせたものでもよい。
【0043】
上記構成によれば、風車2をコンテナ6に設置する際、
図3に示すコンテナ6の下端部で、風車2に固定されたスライド部材44が、コンテナ6に固定されたガイド部材42に連結される。具体的には、
図4に示すスライド部材44の第1および第2のローラ46,48の円筒カラー58が、H鋼からなるガイド部材42の溝に係止される。ガイド部材42がH鋼からなるので、構造がシンプルになりコストが下がる。この状態で、円筒カラー58がガイド部材42に案内されながら、風車2がコンテナ6の上端部に引き揚げられる。風車2の引き揚げは、例えば、ウィンチのような公知の手段で行われる。
【0044】
風車2がコンテナ6の上端部に引き揚げられた後、
図2に示すように、風車2を立ち上げてコンテナ6に固定する。その際、風車支柱14が、
図6に示すコンテナ6に固定された隙間調整部材26を介して締結部材40で固定される。これにより、隙間調整部材26と風車支柱14との間にあそびをもたせることができ、隙間調整部材26と風車支柱14との間のすきま調整の工数が減る。すきま調整後に、隙間調整部材26と風車支柱14は、密着した状態で締結部材40によりで固定することができる。
【0045】
風車2が前後に動かないように上側および下側のローラを手前側と奥側の両方のガイド部材に当接させると、風車2を立ち上げた後の隙間調整に工数がかかる。上記構成によれば、上側の第1のローラ46は手前側の第1部材42aにのみ当接し、下側の第2のローラ48は奥側の第2部材42bにのみ当接している。これにより、風車2は奥方向にあそびができる。したがって、隙間調整部材26と風車支柱14のすきまをあけた状態で風車2が取り付けられ、立上げ後にすきまを無くした状態で締結部材40により固定することができる。したがって、すきま調整の工数が減る。
【0046】
風車2をコンテナ6のコルゲート壁に固定すると、コンテナ6内への風車発電音が伝達されることがある。
図1に示すように、風車支柱14は、締結部材40によりコンテナ上側梁8に固定されていてもよい。このように、風車支柱14が、強度の高い梁8に固定されることで、コンテナ6内への風車発電音の伝達を抑えることができる。
【0047】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1 電源装置
2 風車
4 発電機
6 コンテナ
8 コンテナ上側梁
10 コンテナ下側梁
12コンテナ柱
14 風車支柱
16 風車翼
24 直動案内装置
26 隙間調整部材
40 ボルト(締結部材)
42 ガイド部材
44 スライド部材
46 第1のローラ
48 第2のローラ