(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121629
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】水素生成システム
(51)【国際特許分類】
C25B 9/50 20210101AFI20240830BHJP
C01B 3/04 20060101ALI20240830BHJP
C01B 15/027 20060101ALI20240830BHJP
B01J 35/39 20240101ALI20240830BHJP
C25B 1/04 20210101ALI20240830BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20240830BHJP
C25B 1/30 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
C25B9/50
C01B3/04 A
C01B15/027
B01J35/02 J
C25B1/04
C25B9/00 A
C25B1/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028833
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100201455
【弁理士】
【氏名又は名称】横尾 宏治
(72)【発明者】
【氏名】山口 洋一
(72)【発明者】
【氏名】松田 国治
【テーマコード(参考)】
4G169
4K021
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169BA48A
4G169CB81
4G169DA06
4G169HB01
4G169HB06
4G169HC15
4G169HE09
4G169HF03
4G169HF05
4K021AA01
4K021BA02
4K021BC08
4K021DB31
4K021DB43
4K021DB53
4K021DC03
(57)【要約】
【課題】本発明は、夜間でも水素をオンサイトで生成することができる水素生成システムを提供する。
【解決手段】水素発生装置と、面状光源を有し、水素発生装置は、光触媒電極と、受光側窓部を有し、受光側窓部を透過した太陽光を光触媒電極で受光して水素を発生するものであり、面状光源は、光触媒電極に向かって光触媒電極の吸収波長域を含む光を照射可能である構成とする。この構成によれば、夜間でも面状光源を点灯することで水素をオンサイトで生成できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素発生装置と、面状光源を有し、
前記水素発生装置は、光触媒電極と、受光側窓部を有し、前記受光側窓部を透過した太陽光を前記光触媒電極で受光して水素を発生するものであり、
前記面状光源は、前記光触媒電極に向かって前記光触媒電極の吸収波長域を含む光を照射可能である、水素生成システム。
【請求項2】
前記水素発生装置は、前記受光側窓部と前記光触媒電極を挟んで対向する光源側窓部を有し、
前記面状光源は、発光面が前記光源側窓部を挟んで前記光触媒電極と対向し、かつ前記光源側窓部を介して前記光触媒電極に向かって前記光触媒電極の吸収波長域を含む光を照射可能である、請求項1に記載の水素生成システム。
【請求項3】
前記光触媒電極は、導電性基材上に光触媒が積層されたものであり、
前記面状光源の発光領域は、前記光触媒電極を正面視したときに、前記光触媒電極の前記光触媒が積層された面積の大部分で重なる、請求項1又は2に記載の水素生成システム。
【請求項4】
前記面状光源は、消灯時に鏡面を形成するものである、請求項3に記載の水素生成システム。
【請求項5】
前記水素発生装置は、前記受光側窓部を透過した太陽光を前記光触媒電極で受光して、水から過酸化水素と水素を生成する、請求項1又は2に記載の水素生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒を使用して水素を生成する水素生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃料電池モジュールの普及により、水素原料の需要が増えている。
水素原料の製法として、太陽光によって水を分解し、水素を発生させる光触媒が注目されている(例えば、特許文献1)。
光触媒による水素原料の製法は、光触媒で太陽光を受光し電圧を印加することで、二酸化炭素を排出させずに水素を発生できるので、従来の化石燃料を用いた水素の製法に比べて環境負荷が小さい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、光触媒は、太陽光が照射されない夜間では水素を生成することができず、夜間にはオンサイトで水素を生成できない問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、夜間でも水素をオンサイトで生成することができる水素生成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するための本発明の一つの様相は、水素発生装置と、面状光源を有し、前記水素発生装置は、光触媒電極と、受光側窓部を有し、前記受光側窓部を透過した太陽光を前記光触媒電極で受光して水素を発生するものであり、前記面状光源は、前記光触媒電極に向かって前記光触媒電極の吸収波長域を含む光を照射可能である、水素生成システムである。
【0007】
本様相によれば、面状光源によって光触媒電極に光を照射して水素を発生することができるので、夜間でも水素をオンサイトで生成できる。
本様相によれば、曇りの日等で太陽光の光量が足らない場合でも面状光源を点灯することで太陽光の光量を補足できるため、所望量の水素を生成できる。
【0008】
好ましい様相は、前記水素発生装置は、前記受光側窓部と前記光触媒電極を挟んで対向する光源側窓部を有し、前記面状光源は、発光面が前記光源側窓部を挟んで前記光触媒電極と対向し、かつ前記光源側窓部を介して前記光触媒電極に向かって前記光触媒電極の吸収波長域を含む光を照射可能であることである。
【0009】
本様相によれば、面状光源から光を照射する側と、太陽光が照射される側が別方向であるため、面状光源からの照射光と太陽光の双方の光によって水素を生成できる。
【0010】
好ましい様相は、前記光触媒電極は、導電性基材上に光触媒が積層されたものであり、前記面状光源の発光領域は、前記光触媒電極を正面視したときに、前記光触媒電極の前記光触媒が積層された面積の大部分で重なることである。
【0011】
ここでいう「大部分」とは、全体の50%超過を占める部分をいう。
【0012】
本様相によれば、光触媒に面状光を照射できるので、より効率的に水素を生成できる。
【0013】
好ましい様相は、前記面状光源は、消灯時に鏡面を形成するものである。
【0014】
本様相によれば、面状光源を消灯することで鏡面を構成するので、太陽光の面状光源での反射光を光触媒に照射することができ、より効率的に水素を生成できる。
【0015】
好ましい様相は、前記水素発生装置は、前記受光側窓部を透過した太陽光を前記光触媒電極で受光して、水から過酸化水素と水素を生成することである。
【0016】
本様相によれば、夜間を問わず、オンサイトで過酸化水素と水素を生成できるので、生成した過酸化水素によって除菌等を行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の水素生成システムによれば、夜間であっても水素をオンサイトで生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態の水素生成システムを概念的に示した断面図である。
【
図2】
図1の水素生成システムの説明図であり、(a)は水素発生装置側からみた分解斜視図であり、(b)は面状光源側からみた分解斜視図である。
【
図3】本発明の他の実施形態の水素生成システムの説明図であり、(a)は水素生成システムを概念的に示した斜視図であり、(b)は(a)の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0020】
本発明の第1実施形態の水素生成システム1は、
図1のように、水素発生装置2と、面状光源3を備えている。
水素発生装置2は、光エネルギーによって、電解液15から水素と過酸化水素を発生させる部位であり、電解槽10と、光触媒電極11と、対電極12と、イオン交換部13と、電解液15と、補助電源16を備えている。
水素発生装置2は、電解槽10内の電解液15に光触媒電極11と対電極12が浸漬され、電解槽10の外部で光触媒電極11と対電極12の間に補助電源16が電気的に接続されている。
【0021】
電解槽10は、
図1のように、受光側窓部20と、光源側窓部21と、水素排出部22と、過酸化水素排出部23と、図示しない電解液供給部を備えている。
受光側窓部20は、太陽光を透過可能な窓部であり、光触媒電極11と対向するように設けられている。
光源側窓部21は、面状光源3から照射される照射光を透過可能な窓部であり、光触媒電極11と対電極12を挟んで対向するように設けられている。
水素排出部22は、電解槽10内で発生した水素を電解槽10の外部に排出する部位である。
過酸化水素排出部23は、電解槽10内で発生した過酸化水素を電解槽10の外部に排出する部位である。
電解液供給部は、電解槽10内に電解液15を補充する部位である。
【0022】
光触媒電極11は、光を受光することで電解液15を酸化して過酸化水素を発生させるアノード電極である。
光触媒電極11は、導電性基材30上に光触媒31が積層されたものである。
導電性基材30は、導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、透明基板上に透明導電性酸化物が積層された透明導電性酸化物基板や金属基板などが使用できる。
光触媒31は、過酸化水素の生成反応における光触媒活性を有するものであれば、特に限定されるものではない。光触媒31としては、三酸化タングステン(WO3)触媒、バナジン酸ビスマス(BiVO4)触媒、酸化スズ(SnO2)触媒、酸化チタン(TiO2)触媒、ヘマタイト(Fe2O3)触媒などが使用できる。
【0023】
対電極12は、光触媒電極11と対をなし、電解液15を還元して水素を発生させるカソード電極である。
対電極12は、導電性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、白金電極や金電極、銀電極などが使用できる。
対電極12は、厚み方向に貫通した複数の貫通孔又は切り欠きが形成されており、厚み方向に電解液15が通過可能となっている。
本実施形態の対電極12は、白金メッシュである。
【0024】
イオン交換部13は、膜状体であり、厚み方向において、特定のイオンのみを移動可能とし、残りのイオンや電子の移動を規制する部位である。
本実施形態のイオン交換部13は、陽イオン交換膜であり、陰イオンや電子の移動を制限又は不能にし、陽イオンだけを移動可能としている。また、イオン交換部13は、厚み方向のガスの流通を遮断する遮断膜でもある。
イオン交換部13は、水素や酸素がクロスオーバーしなければ材質は特に限定されない。
イオン交換部13としては、例えば、ナフィオン(登録商標)等のパーフルオロアルキルスルホン酸系ポリマーの膜などの高分子膜が使用できる。
【0025】
電解液15は、還元することで水素を発生し、酸化することで過酸化水素を発生する電解液であり、水を含む水溶液である。
電解液15は、例えば、水などが使用でき、反応を促進する観点から、電解液15には炭酸水素ナトリウム等の電解質が添加されていてもよい。
【0026】
補助電源16は、光触媒電極11で光を受光することで発生する光触媒電極11と対電極12の間の電位差が、所定の範囲になるように電圧を印加して補助する電源装置である。
補助電源16は、光触媒電極11と対電極12の間に電圧を印加できるものであれば特に限定されるものではないが、環境負荷の観点から太陽電池であることが好ましい。
補助電源16は、面状光源3に電力を供給可能となっている。
【0027】
面状光源3は、発光領域を含む発光面40を有し、発光面40の発光領域から面状に広がる面状光を照射する光源であり、例えば、有機ELパネルやLEDを散りばめたLEDパネルを採用できる。
本実施形態の面状光源3は、有機ELパネルであり、拡散光を照射することが可能となっている。
面状光源3は、点灯時に発光領域が発光し、消灯時に発光面40が鏡面となるものである。すなわち、面状光源3は、点灯時に光源として機能し、消灯時に反射板として機能するものである。
【0028】
面状光源3は、光触媒31の少なくとも吸収波長域の光を照射可能となっており、少なくとも一つのピーク波長が光触媒31の吸収波長域にある光を照射可能であることが好ましい。
ここでいう「吸収波長域」とは、最大の吸光度の10%以上の吸収を示す波長域をいう。
例えば、光触媒31がヘマタイト触媒である場合には、主に0nm~600nmに吸収波長域を有するので、面状光源3は、0nm~600nmにピーク波長を少なくとも一つ有する光を照射可能であることが好ましい。
また、光触媒31が三酸化タングステン(WO3)触媒である場合には、主に0nm~400nmに吸収波長域を有するので、面状光源3は、0nm~400nmにピーク波長を少なくとも一つ有する光を照射可能であることが好ましい。
光触媒31がバナジン酸ビスマス(BiVO4)触媒である場合には、主に0nm~500nmに吸収波長域を有するので、面状光源3は、0nm~500nmにピーク波長を少なくとも一つ有する光を照射可能であることが好ましい。
光触媒31が酸化チタン(TiO2)触媒である場合には、0nm~400nmに吸収波長域を有するので、面状光源3は、0nm~400nmにピーク波長を少なくとも一つ有する光を照射可能であることが好ましい。
【0029】
続いて、本実施形態の水素生成システム1の各部位の位置関係について説明する。
【0030】
水素発生装置2は、
図1のように、光触媒電極11と対電極12の間にイオン交換部13が位置しており、光触媒電極11と対電極12がイオン交換部13を挟んで対向している。
面状光源3は、
図2のように、発光面40の発光領域が水素発生装置2側を向くように光源側窓部21と重なっている。
面状光源3は、
図1から読み取れるように、平面視したときに、発光面40の発光領域が光触媒電極11の光触媒31の積層部分と大部分が重なっている。
光触媒電極11は、導電性基材30が受光側窓部20側を向いており、光触媒31が光源側窓部21側を向いている。すなわち、導電性基材30は、光触媒31に対して受光側窓部20側にある。
水素排出部22は、イオン交換部13よりも対電極12側であって電解槽10の上部に設けられている。
過酸化水素排出部23は、電解液15の液面と同一に設けられており、過酸化水素が発生し、電解液15の液位が高くなると、電解液15が外部に排出される。
【0031】
続いて、本実施形態の水素生成システム1によって水素を生成する動作について説明する。
【0032】
まず、太陽が昇り、太陽光が照射される昼間の時間帯について説明する。なお、面状光源3は点灯していても消灯していてもよいが、消灯しているものとして説明する。
【0033】
昼間の時間帯では、太陽光が受光側窓部20を透過し、さらに導電性基材30を透過して光触媒31に受光し、補助電源16によって光触媒電極11と対電極12との間に電圧を印加する。光触媒31を透過した太陽光は、その一部が対電極12で再度光触媒31側に反射される。また、対電極12の貫通孔を通過した太陽光は、光源側窓部21を透過し、面状光源3の発光面40で光触媒31側に反射される。
このとき、光触媒電極11上では電解液15が酸化されて過酸化水素が生成され、対電極12上では電解液15が還元(分解)されて水素が生成される。
このように、本実施形態の水素生成システム1では、太陽光が照射される昼間の時間帯において太陽光の直射光だけではなく対電極12での反射光や面状光源3での反射光によって光触媒31が活性化するので、高効率に水素と過酸化水素を生成することができる。
【0034】
続いて、太陽が沈み太陽光が照射されない夜間の時間帯について説明する。
【0035】
夜間の時間帯では、太陽光が実質的にないので、面状光源3を点灯させ、補助電源16によって光触媒電極11と対電極12との間に電圧を印加する。面状光源3を点灯させると、面状光源3の発光領域から照射される光は、光源側窓部21を通過し、さらに対電極12の貫通孔を通過して光触媒31に照射される。
このとき、光触媒電極11上では電解液15が酸化されて過酸化水素が生成され、対電極12上では電解液15が還元(分解)されて水素が生成される。
このように、本実施形態の水素生成システム1では、太陽光が照射されない夜間の時間帯においても面状光源3の照射光によって光触媒31が活性化するので、水素と過酸化水素を生成することができる。
【0036】
第1実施形態の水素生成システム1によれば、面状光源3によって光触媒電極11に光を照射して水素を発生することができるので、夜間でも水素をオンサイトで生成できる。
第1実施形態の水素生成システム1によれば、曇りの日等で太陽光の光量が足らない場合でも面状光源3を点灯することで所望量の水素を生成できる。
【0037】
第1実施形態の水素生成システム1によれば、面状光源3から光を照射する側と、太陽光が照射される側が別方向であるため、面状光源3からの照射光と太陽光の双方の光によって水素を生成できる。
【0038】
第1実施形態の水素生成システム1によれば、面状光源3の発光領域は、光触媒電極11を正面視したときに、光触媒電極11の光触媒31が積層された面積の大部分で重なっており、光触媒31に面状光を照射できるので、より効率的に水素を生成できる。
【0039】
第1実施形態の水素生成システム1によれば、面状光源3を消灯することで鏡面を構成するので、太陽光の面状光源3での反射光を光触媒31に照射することができ、より効率的に水素を生成できる。
【0040】
第1実施形態の水素生成システム1によれば、夜間を問わず、オンサイトで過酸化水素と水素を生成できるので、生成した過酸化水素によって除菌等を行うことができる。
【0041】
上記した実施形態では、面状光源3から光源側窓部21を透過して光触媒電極11に光を照射させたが、本発明はこれに限定されるものではない。面状光源3を電解槽10の内部に設けて光触媒電極11に直接光を照射させてもよい。
【0042】
上記した実施形態では、導電性基材30を基準として光触媒31を光源側窓部21側に設けたが、本発明はこれに限定されるものではない。導電性基材30を基準として光触媒31を受光側窓部20側に設けてもよい。
【0043】
上記した実施形態では、面状光源3を光源側窓部21側に設けたが、本発明はこれに限定されるものではない。面状光源3を受光側窓部20側に設けてもよい。この場合、太陽光は光源側窓部21から内部に照射されることとなる。
【0044】
上記した実施形態では、面状光源3は、厚み方向に光を透過しないものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。面状光源3は、厚み方向に光を透過するシースルー型の面状光源であってもよい。この場合、光源側窓部21を設けずに、面状光源3を受光側窓部20側に設けてもよい。すなわち、面状光源3を受光側窓部20の外側に設けてもよい。
【0045】
上記した実施形態では、一枚の面状光源3を備えていたが、本発明はこれに限定されるものではない。複数枚の面状光源を備えていてもよいし、面状光源3とは別の光源を備えていてもよい。
例えば、
図3のように、受光側窓部20に対して交差する方向に立設され、発光面の発光領域が受光側窓部20の法線方向とは異なる方向であって、かつ受光側窓部20側の方向を向いた面状光源53を、面状光源3に加えて又は面状光源3に代えて設けてもよい。
この場合、面状光源53は、
図3(b)のように、受光側窓部20に対して垂直となる姿勢となっていてもよいし、受光側窓部20に対して傾斜する姿勢となっていてもよい。また、この場合、面状光源53は、
図3(a)のように、受光側窓部20の縁に沿って延びていることが好ましい。
こうすることで面状光源53の光の広がりによって光触媒電極11に光を照射しつつ、電解槽10の外部も照らすことができる。
なお、面状光源53は、光源側窓部21に対して立設されていてもよいし、LEDのように点状光源であってもよい。
【0046】
上記した実施形態では、太陽光が受光側窓部20から内部に入射し、面状光源3の照射光が受光側窓部20とは異なる光源側窓部21から内部に入射していたが、本発明はこれに限定されるものではない。太陽光と面状光源3の照射光は同一の窓部20又は窓部21から内部に入射してもよい。この場合、面状光源3の大きさや設置位置を調整し、窓部20又は窓部21に面状光源3を部分的に設け、照射光を太陽光と同時に同一方向から照射できることが好ましい。
【0047】
上記した実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる限り、各実施形態間で各構成部材を自由に置換や付加できる。
【符号の説明】
【0048】
1 水素生成システム
2 水素発生装置
3,53 面状光源
11 光触媒電極
20 受光側窓部
21 光源側窓部
30 導電性基材
31 光触媒
40 発光面