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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121633
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】ケーブル送り装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/265 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
G01N29/265
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028838
(22)【出願日】2023-02-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】594126159
【氏名又は名称】神鋼検査サービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100137143
【弁理士】
【氏名又は名称】玉串 幸久
(72)【発明者】
【氏名】中島 聡文
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA05
2G047AB01
2G047BC07
2G047BC18
2G047GJ08
(57)【要約】
【課題】ハンドルの操作によって浮子付きケーブルを送り出す際の浮子付きケーブルの破損を抑止する。
【解決手段】ケーブル送り装置1は、浮子付きケーブル4を通過させる挿通路を有するケーシング11と、挿通路内の浮子付きケーブル4を送り出せるように回転可能なプーリ20と、浮子付きケーブル4を送出口から送り出すために手動操作可能であり、プーリ20を回転駆動するためのハンドル25と、を備える。ケーシング11には、浮子付きケーブル4がプーリ20に掛かっているかどうかを視認可能にする窓部65が設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
探傷センサーを有する浮子付きケーブルをポンプユニットからの送水を用いて被検査管内に送り込むケーブル送り装置であって、
前記浮子付きケーブルを通過させる挿通路を有するケーシングと、
前記挿通路内の前記浮子付きケーブルを送り出せるように回転可能なプーリと、
前記浮子付きケーブルを前記挿通路から送り出すために手動操作可能であり、前記プーリを回転駆動するためのハンドルと、を備え、
前記ケーシングには、前記浮子付きケーブルが前記プーリに掛かっているかどうかを視認可能にする窓部が設けられている、ケーブル送り装置。
【請求項2】
前記プーリの回転数を表示する表示器を備えている、請求項1に記載のケーブル送り装置。
【請求項3】
前記ハンドルを含み、前記ハンドルによって前記プーリを回転駆動するときの前記プーリの回転負荷に対する前記ハンドルの回転操作負荷の大きさの割合を変更する変更手段を備えている、請求項1又は2に記載のケーブル送り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮子付きケーブルを送り出すためのケーブル送り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検査管内に浮子付きケーブルを挿入して、管の内壁に生じた割れや減肉等の材料キズを探傷する探傷検査装置が知られている。図12に示すように、例えば特許文献1に開示された探傷検査装置500は、先端に超音波センサー503が取り付けられた浮子付きケーブル502を用いて被検査管501を探傷するものであり、浮子付きケーブル502と、浮子付きケーブル502を送り出すケーブル送り装置512と、ケーブル送り装置512と被検査管501とを接続する導入管511に水を流入送り込むポンプ521と、を備えている。この探傷検査装置500では、ケーブル巻取機510からシール管513に導入された浮子付きケーブル502が、ケーブル送り装置512により導入管511に送り出されるとともに、ポンプ521からの水が導入管511に流入する。これにより、浮子付きケーブル502が水の力を受けて被検査管501内に送り込まれる。
【0003】
特許文献2には、図13に示すように、手動のハンドル616を操作することによって浮子付きケーブル601を送り出すケーブル送り装置600が開示されている。具体的に、このケーブル送り装置600は、ケーブル入口管612及びケーブル出口管613が設けられたケーシング611と、ケーシング611内に位置する浮子付きケーブル601の浮子602に係合する凹部614が形成されたプーリ615と、プーリ615を回転駆動するハンドル616と、を備えている。このケーブル送り装置600では、ハンドル616を手動回転させることにより、浮子付きケーブル601をケーブル出口管613から送り出して、被検査管内に送り込むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭61-178465号公報
【特許文献2】特開平09-79832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示されたケーブル送り装置600では、ハンドル616の操作によって浮子付きケーブル601を送り出すことができるため、ハンドル616を回すときの微妙な負荷変動を手の感覚で察知できる。しかし、ハンドル616の回転を始める時やハンドル616の回転を急に速くする時には、浮子602がプーリ615の径方向外側に変位することがあり、その場合には、浮子602がプーリ615とケーシング611との間に挟まってしまって浮子付きケーブル601を破損する虞がある。一方、水流によって浮子付きケーブル601が押し出されている場合においてハンドル616の回転を急に遅くした時には、浮子602がプーリ615から離れることがあり、その場合に被検査管でのケーブル601の詰まりが発生した場合には、ケーブル601の詰まりによる負荷変動がハンドル616に伝わらないため、詰まりの察知が遅れてしまう。そのような状態でハンドル616の操作をし続けると、浮子602がプーリ615とケーシング611との間に挟まってしまって浮子付きケーブル601を破損する虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、前記従来技術を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ハンドルの操作によって浮子付きケーブルを送り出す際の浮子付きケーブルの破損を抑止できるケーブル送り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明に係るケーブル送り装置は、探傷センサーを有する浮子付きケーブルをポンプユニットからの送水を用いて被検査管内に送り込むケーブル送り装置であって、前記浮子付きケーブルを通過させる挿通路を有するケーシングと、前記挿通路内の前記浮子付きケーブルを送り出せるように回転可能なプーリと、前記浮子付きケーブルを前記挿通路から送り出すために手動操作可能であり、前記プーリを回転駆動するためのハンドルと、を備え、前記ケーシングには、前記浮子付きケーブルが前記プーリに掛かっているかどうかを視認可能にする窓部が設けられている。
【0008】
本発明に係るケーブル送り装置では、ハンドルの回転操作によりプーリが回転し、プーリの外周に巻き掛けられた浮子付きケーブルがケーシング外に送り出されて、ポンプユニットからの送水により押し流されるようにして被検査管内に挿入される。このとき、浮子付きケーブルの浮子がプーリに掛かっているかどうかを、ケーシングの窓部を通して確認することができる。このため、ハンドルの回転を急に速くする場合等のように、浮子がプーリの径方向外側に変位した場合には、そのことを視認できる。また、ハンドルの回転を急に遅くした場合等のように浮子がプーリに掛かっていない状態にある場合にもそのことを視認できる。したがって、浮子がプーリとケーシングとの間に挟まったままハンドルを操作し続けてしまうことを防止できる。したがって、浮子付きケーブルが破損してしまうことを未然に防止することができる。
【0009】
前記ケーブル送り装置は、前記プーリの回転数を表示する表示器を備えていてもよい。この態様では、表示器を通してプーリの回転数を把握できる。このため、作業者は、表示器に表示された回転数が一定になるように、ハンドルの回転数を調整することができる。これにより、プーリの回転速度が、浮子が径方向の外側に変位するような速度になることや、浮子がプーリから離れるような速度になることを抑制できるため、浮子付きケーブルの破損に至るような事態が生ずることを防止することができる。
【0010】
前記ケーブル送り装置は、前記ハンドルを含み、前記ハンドルによって前記プーリを回転駆動するときの前記プーリの回転負荷に対する前記ハンドルの回転操作負荷の大きさの割合を変更する変更手段を備えていてもよい。
【0011】
この態様では、浮子付きケーブルの送り出し操作において、送り出し開始当初は、被検査管内における浮子付きケーブルの送り込み距離が短いため、ポンプユニットからの比較的小さい圧力の送水により、浮子付きケーブルを被検査管内に送り込むことができる。一方、被検査管内における浮子付きケーブルの送り込み距離が長くなると、浮子付きケーブルを被検査管内に送り込むためには、ポンプユニットの圧力をより大きくして送水することが必要となる。この場合、ポンプユニットからの送水圧力により、挿通路内には比較的高い水圧が作用し、ハンドルを回転させるための負荷が比較的大きくなるため、操作者が手動操作でハンドルを回転できなくなる。このとき、変更手段により、ハンドルによってプーリを回転駆動するときのプーリの回転負荷に対するハンドルの回転操作負荷の大きさの割合を変更することにより、浮子付きケーブルを送り出すためのハンドルの回転操作負荷を小さくすることがきる。これにより、操作者がハンドルを手動操作して浮子付きケーブルを送り出すことができるようになる。したがって、被検査管内における浮子付きケーブルの送り込み距離が長くなり浮子付きケーブルを送り出すための負荷が大きくなったとしても、操作者によるハンドルの手動操作により浮子付きケーブルを送り出すことができる。このとき、窓部又は表示器を利用しつつ、ハンドルの回転速度を調整しながらハンドルを操作できるため、変更手段によってハンドルの回転操作負荷の大きさの割合を変更するときにも、浮子付きケーブルを所望の送り速度で送り出すことができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、ハンドルの操作によって浮子付きケーブルを送り出す際の浮子付きケーブルの破損を抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係る探傷検査装置を概略的に示す図である。
図2図1の探傷検査装置におけるケーブル送り装置を概略的に示す図である。
図3】前記ケーブル送り装置におけるケーシングの構成を説明するための図である。
図4】窓部の構成を説明するための図である。
図5】プーリと浮子との関係を説明するための図である。
図6】浮子がプーリから離れた状態を説明するための図である。
図7】第2実施形態に係るケーブル送り装置を説明するための図である。
図8】第3実施形態に係るケーブル送り装置を説明するための図である。
図9】第4実施形態に係るケーブル送り装置を説明するための図である。
図10】第5実施形態に係るケーブル送り装置を説明するための図である。
図11】第5実施形態の変形例に係るケーブル送り装置を説明するための図である。
図12】特許文献1に記載された探傷検査装置を示す図である。
図13】特許文献2に記載されたケーブル送り装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
(第1実施形態)
本実施形態に係る探傷検査装置100は、図1に示すように、探傷センサー3を有する浮子付きケーブル4(以下、単に「ケーブル4」とも称する)をケーブル送り装置1により被検査管10内に挿入して、被検査管10の管内に生じる減肉や割れ等の材料キズを内部から検査するための検査装置である。被検査管10は、たとえば、ボイラの伝熱管のような、湾曲部10aを有する管である。探傷検査装置100は、被検査管10の入口10bと出口10cとに接続される。
【0016】
探傷検査装置100は、貯水槽8と、貯水槽8から水を取り出すポンプユニット7と、ポンプユニット7から吐出された水の流れる方向を切り替える切替ユニット6と、接続管53を介して切替ユニット6に接続される一方でケーブル4を送り出し可能に構成されたケーブル送り装置1と、ケーブル4を被検査管10の入口10bに案内する導入管51と、被検査管10の出口10cと切替ユニット6とを接続する導出管52と、を備えている。また、探傷検査装置100は、被検査管10から排出された水を切替ユニット6から貯水槽8に戻す水戻し路54と、ケーブル送り装置1から貯水槽8に水を戻す水戻し路60と、を備えている。水戻し路60には、貯水部58及びポンプ59が設けられている。
【0017】
切替ユニット6は、ポンプユニット7からの水を接続管53側に流す正転状態と、ポンプユニット7からの水を導出管52側に流す反転状態との間で、水の流入先を切替可能に構成されている。貯水槽8は、ケーブル4を被検査管10内に押し流す水流を形成するための水を貯留する。ポンプユニット7は、貯水槽8から供給された水を、所定の水圧で切替ユニット6に送り出すように構成されている。
【0018】
ケーブル4は、被検査管10よりも長く、複数の浮子5が所定間隔で固定されている。ケーブル4は、ケーブル4の一端側がケーブル送り装置1内に引き込まれ、他端が超音波探傷器2に接続された状態で、大気中に設けられたケーブル収容部9に収容されている。ケーブル4の前記一端には、探傷センサー3(例えば、超音波センサー)が取り付けられている。ケーブル4の前記他端には、超音波探傷器2が接続されている。超音波探傷器2は、探傷センサー3に発振信号を出力するとともに探傷センサー3からの信号を受信して解析・記録するためのものである。探傷センサー3は、超音波探傷器2からの発振信号に基づいて超音波を発振するとともに、被検査管10から返ってきた受信信号を出力するように構成されている。
【0019】
ケーブル送り装置1は、ケーブル収容部9に収められたケーブル4を引き出して、導入管51に送り出すとともに、送り出したケーブル4をポンプユニット7からの送水を用いて被検査管10内に送り込むものである。ケーブル送り装置1は、図2に示すように、ケーブル4を挿通させる挿通路12が形成されたケーシング11と、挿通路12内のケーブル4を送り出せるように回転可能なプーリ20と、プーリ20を回転駆動するためのハンドル25と、を備えている。
【0020】
ケーシング11は、外部から挿通路12にケーブル4を引き込むための引込口13aが形成された引込管13と、挿通路12から外部にケーブル4を送り出すための送出口14aが形成された送出管14と、引込管13及び送出管14の間に位置する本体部15と、を有する。
【0021】
本体部15は、プーリ20を保持する保持部16を有しており、この保持部16は、円形状の断面を有する中空状に構成されている。保持部16には、挿通路12のうちの中間部18が形成されており、この中間部18は、プーリ20の外周20aのうち約半分に沿うように形成されている。
【0022】
引込管13は、本体部15の円周状の外周部の一部から一方向に延びている。引込管13には、挿通路12のうちの一部位である引込部17が形成されており、この引込部17は、挿通路12の中間部18における一端から一方向に延びており、引込口13aとしてケーシング11の外部に向けて開口している。引込管13は、ケーブル4が引込口13aに引き込まれる際に、引込管13内から外部に水が漏れ出し難いようなシール構造を有している。
【0023】
送出管14は、本体部15の円周状の外周部の一部位であって引込管13の接続部とは反対側の部位から引込管13と平行な方向に延びている。送出管14には、挿通路12のうちの一部位である送出部19が形成されており、この送出部19は、挿通路12の中間部18における他端から一方向に延びており、送出口14aとしてケーシング11の外部に向けて開口している。すなわち、挿通路12は、引込部17と中間部18と送出部19とを有している。なお、中間部18は、プーリ20の外周20aのうち約半分に設けられる構成に限られず、これよりも短くてもよい。この場合、引込管13と送出管14とは互いに平行ではなくなる。
【0024】
ケーブル送り装置1には、送出部19と接続管53とを連通する水導入路55aが形成された水導入管55と、引込部17と水戻し路60とを連通する排水路56aが形成された排水管56とが設けられている。排水管56は、挿通路12から漏れ出た水を水戻し路60を通じて貯水槽8に戻すためのものである。
【0025】
プーリ20は、保持部16における円形断面と同軸に延設されたプーリ軸22を回転軸として保持部16内に配置されている。すなわち、本体部15の保持部16が円形状の断面を有するため、プーリ20は、この保持部16内において回転可能となっている。プーリ20の外周20aには、周方向に間隔をおいて並んだ多数の歯20cが設けられており、この隣り合う歯20c間の凹部20bは、ケーブル4における複数の浮子5の配置間隔と同じ間隔となっている。凹部20bには、挿通路12の中間部18に挿通されたケーブル4の浮子5が嵌まり込み、この状態で、ケーブル4は、プーリ20の外周20aの約半分に巻き掛けられて係止された状態となる。
【0026】
ハンドル25は、プーリ軸22に取り付けられており、ケーシング11の外側で手動操作可能となっている。ハンドル25を回転操作することによりプーリ20を回転させることができ、それにより、ケーブル4は挿通路12内を移動し、送出口14aから送り出される。
【0027】
ケーシング11には、図3に示すように、浮子付きケーブル4がプーリ20に掛かっているかどうかを、ケーシング11の外部から視認可能にするための窓部65が設けられている。
【0028】
窓部65は、図4に示すように、ケーシング11において、プーリ20を挟む両側壁11b,11bに形成された開口を透明板29,29で塞ぐことより形成されている。窓部65は、プーリ20の外周20aに沿うように互いに間隔をおいて並ぶ複数の窓65aを有する。窓部65(複数の窓65a)は、プーリ20の外周20aの全体に亘って設けられてもよいが、図3に示すように、ケーシング11において少なくとも、浮子付きケーブル4がプーリ20の外周20aに掛かる部分に設けられていればよい。また、窓部65は、複数の窓65aを有する構成に限られるものではなく、1つの窓65aを有する構成でもよい。この場合の窓65aは、プーリ20の外周20aに沿って延びるように周方向に長い形状であってもよい。
【0029】
図5に示すように、プーリ20を回転させて浮子付きケーブル4を押し出すときには、浮子5が歯20cの前面に引っ掛かった状態にあり、浮子5が歯20cの前面によって押し出される。このため、ハンドル25の回転を始める時やハンドル25の回転を急に速くする時には、浮子5が径方向の外側に変位するため、浮子5がケーシング11の内周壁11aと歯20cの外端との間に挟まってしまい、破損してしまうことがある。一方で、水流によって浮子付きケーブル4が押し出されている場合においてハンドル25の回転を急に遅くした時には、図6に示すように、浮子5が歯20cの前面から離れることがある。この場合において、被検査管10内での浮子付きケーブル4の詰まりが発生したときには、ケーブル4の詰まりによる負荷変動がハンドル25に伝わらないため、詰まりの察知が遅れてしまう。この状態でハンドル25の操作を続けてしまうと、浮子5がケーシング11の内周壁11aと歯20cの外端との間に挟まってしまい、浮子付きケーブル4を破損してしまうことがある。したがって、ケーシング11に窓部65が設けられて、浮子付きケーブル4がプーリ20に掛かっているかどうかを視認することを可能とすることにより、浮子付きケーブル4の破損に至るような事態が生ずることを防止することができる。
【0030】
以上説明したように、本実施形態では、ハンドル25の回転操作によりプーリ20が回転し、プーリ20の外周20aに巻き掛けられたケーブル4がケーシング11外に送り出されて、ポンプユニット7からの送水により押し流されるようにして被検査管10内に挿入される。このとき、ケーブル4の浮子5がプーリ20に掛かっているかどうかを、ケーシング11の窓部65を通して確認することができる。このため、ハンドル25の回転を急に速くする場合等のように、浮子5がプーリ20の径方向外側に変位した場合には、そのことを視認できる。また、ハンドル25の回転を急に遅くした場合等のように浮子5がプーリ20に掛かっていない状態にある場合にもそのことを視認できる。したがって、浮子5がプーリ20とケーシング11との間に挟まったままハンドル25を操作し続けてしまうことを防止できる。したがって、ケーブル4が破損してしまうことを未然に防止することができる。
【0031】
(第2実施形態)
図7に示すように、第2実施形態に係るケーブル送り装置1には、プーリ20の回転数を表示する表示器68が設けられている。尚、ここでは第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0032】
表示器68は、プーリ軸22に設けられた図略のエンコーダに電気的に接続されていて、エンコーダから出力される信号に基づいて、プーリ20の回転数を表示する。なお、表示器68に表示される回転数は、リアルタイムに更新される。
【0033】
表示器68は、ケーブル送り装置1のすぐ横に配置されてもよく、あるいはケーシング11に取り付けられていてもよい。プーリ20の回転数が表示されることにより、作業者は、表示器68に表示された回転数が一定になるように、ハンドル25の回転数を調整することができる。
【0034】
したがって、本実施形態によれば、表示器68を通してプーリ20の回転数を把握できる。このため、作業者は、表示器68に表示された回転数が一定になるように、ハンドル25の回転数を調整することができる。これにより、プーリ20の回転速度が、浮子5が径方向の外側に変位するような速度になることや、浮子5がプーリ20から離れるような速度になることを抑制できるため、ケーブル4の破損に至るような事態が生ずることを防止することができる。
【0035】
その他の構成、作用及び効果はその説明を省略するが、第1実施形態の説明を第2実施形態に援用することができる。
【0036】
(第3実施形態)
図8に示すように、第3実施形態に係るケーブル送り装置1では、ハンドル25は、第1実施形態と異なり、ハンドル回転軸25aと把持部25cとを連結するハンドルアーム25bの長さが変更可能に構成されている。すなわち、ケーブル送り装置1には、ハンドル25を含む変更手段30であって、ハンドル25のアーム長さを変更することにより、プーリ20の回転負荷に対するハンドル25の回転操作負荷の大きさの割合を変更するように構成された変更手段30が設けられている。尚、ここでは第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0037】
ハンドル25として、ハンドルアーム25bの長さの異なる複数のハンドル26、27、28が用意されており、この複数のハンドル26,27,28から選択されたハンドルをプーリ軸22に取り付けることによりハンドル25のアーム長さが変更されるようになっている。プーリ軸22の一端には、ハンドル回転軸25aを着脱式に嵌め込み可能な軸穴が設けられている。なお、図8は、ハンドルアーム25bの長さの異なる3つのハンドル26、27、28のうち、ハンドルアーム25bの長さが最も短いハンドル26が、プーリ軸22に取り付けられた状態を示している。
【0038】
ここで、探傷検査装置100の運転動作について説明する。初めは、ハンドルアーム25bの長さが最も短いハンドル26が、プーリ軸22に取り付けられる。そして、ポンプユニット7の送水圧力を比較的小さい圧力に設定して送水を開始する。
【0039】
次に、操作者がハンドル25(26)を図2の矢印Aで示す方向に回転操作してプーリ20を回転させるとともに、ポンプユニット7からの送水を用いてケーブル4を被検査管10に向けて送り出す(第1導出ステップ)。これにより、ケーブル4が徐々に被検査管10内に挿入されるとともに、ケーブル4先端の探傷センサー3が被検査管10の奥(出口10c側)へと移動して、探傷検査が行われる。
【0040】
探傷検査の開始当初は、被検査管10内におけるケーブル4の送り込み距離が短いため、ポンプユニット7の送水圧力が比較的小さい圧力であっても、ケーブル4を被検査管10内に送り込むことができる。このとき、ハンドル25(26)には、ケーブル4を送り出すための比較的小さい負荷(ハンドル25の回転操作負荷)が作用する。このため、ハンドルアーム25bの長さが最も短いハンドル26でも、ケーブル4を送り出す操作が可能である。
【0041】
その後、被検査管10内におけるケーブル4の送り込み距離が長くなると、ケーブル4を被検査管10内に送り込み難くなるため、操作者はポンプユニット7の送水圧力を比較的大きい圧力に変更する。これにより、挿通路12内には比較的大きい水圧が作用するため、ハンドル25(26)には、ケーブル4を送り出すための比較的大きい負荷が作用する。この比較的大きな回転負荷により、操作者がハンドル25(26)を手動で回転操作できなくなると、操作者は、ハンドルアーム25bの長さがより長いハンドル27に付け替える(ハンドルアーム長さ変更ステップ)。これにより、プーリ20の回転負荷に対するハンドル25の回転操作負荷の大きさの割合が変更されるため、操作者がハンドル25(27)を回す負荷が増えることなく、ハンドル25(27)を回すことができる。なおこのとき、窓部65を通して、浮子付きケーブル4がプーリ20に掛かっているかどうかを確認しながら、ハンドル25の回転操作を行うことができる。
【0042】
アーム長さの長いハンドル27に変更された後、操作者は、ハンドル25(27)の手動回転によりプーリ20を回転させつつ、ポンプユニット7からの送水を用いてケーブル4を被検査管10に向けて送り出す(第2導出ステップ)。これにより、ポンプユニット7の送水圧力が比較的大きい圧力に設定されたとしても、操作者は、ハンドル25(27)を手動で回転操作しながら探傷検査を継続できる。
【0043】
その後、ケーブル4が被検査管10内の所定の距離まで送り込まれて、探傷検査が完了すると、操作者は切替ユニット6を反転状態に切り替えて、ケーブル4が被検査管10内から押し出されるように水を流す。そして、操作者がハンドル25(27)を図2の矢印Aの向きの逆方向に回転させることにより、ケーブル4が被検査管10内から引き抜かれる。
【0044】
本実施形態では、ハンドルアーム25bの長さの異なる複数のハンドル26,27、28から1つのハンドルを選択してプーリ軸22に取り付けることによりハンドルアーム25bの長さを変更することができる。
【0045】
また、ハンドルアーム25bの長さを変更することにより、例えば、ハンドル25を回転させるときに把持部25cに作用する負荷を低減させることができる。ハンドル25に大きな回転負荷が作用するときには、ハンドル26をハンドル27に取り換えることによりハンドルアーム25bを長くして、把持部25cに生じる負荷を低減できる。これにより、ハンドル25に大きな回転負荷が作用した場合でも、操作者が把持部25cを手動操作することにより、ハンドル25を回転させてケーブル4を送り出すことができる。このとき、窓部65又は表示器68を利用して、ハンドル25の回転速度を調整しながらハンドル25を操作できるため、変更手段30によってハンドル25の回転操作負荷の大きさの割合を変更するときにも、ケーブル4を所望の送り速度で送り出すことができる。
【0046】
なお、ケーブル送り装置1は、ハンドルアーム25bの長さが異なる複数のハンドル26,27,28を選択的にプーリ軸22に取り付けることにより、ハンドルアーム25bの長さが変更可能であるが、これに限らない。例えば、ハンドル25は、ハンドルアーム25bがテレスコピック構造を有することによりハンドルアーム25bの長さが変わる構成であってもよい。この場合、ハンドル25は、把持部25cに作用する負荷の増加に応じてハンドルアーム25bを長く伸ばすことができる。
【0047】
また、本実施形態においても表示器68が設けられてもよい。その他の構成、作用及び効果はその説明を省略するが、第1及び第2実施形態の説明を第3実施形態に援用することができる。
【0048】
(第4実施形態)
第3実施形態では、ハンドル25のアーム長さを変更することにより、プーリ20の回転負荷に対するハンドル25の回転操作負荷の大きさの割合を変更するように構成された変更手段30が設けられているのに対し、第4実施形態では、図9に示すように、変更手段30が、減速比を変更可能な減速機構24を含み、減速機構24の減速比を変更することより、ハンドル25によってプーリ20を回転駆動するときのプーリ20の回転負荷に対するハンドル25の回転操作負荷の大きさの割合を変更するように構成されている。なお、ここでは第3実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0049】
減速機構24は、ハンドル25の回転力を減速してプーリ20に伝えるものであって、かつ、減速比を変更可能に構成されている。具体的に、減速機構24は、プーリ軸22に取付可能な出力軸33と、ハンドル25により回転駆動させることが可能な第1取付軸34と、第1取付軸34とは別の軸でありハンドル25により回転駆動させることが可能な第2取付軸35と、これら3つの軸33、34、35を互いに連結する減速部36と、3つの軸33、34、35及び減速部36を収容するハウジング37と、を備える。第1取付軸34の端部と、第2取付軸35の端部とには、ハンドル回転軸25aを着脱可能に形成された軸穴が設けられている。減速部36は、第1取付軸34からプーリ軸22への減速比と、第2取付軸35からプーリ軸22への減速比と、が異なる減速比となるように、第1取付軸34、第2取付軸35及びプーリ軸22を連結する。すなわち、減速機構24は、減速比を変更可能に構成されている。このため、ケーブル送り装置1には、ハンドル25を含む変更手段30であって、減速機構24の減速比を変更することにより、プーリ20の回転負荷に対するハンドル25の回転操作負荷の大きさの割合を変更するように構成された変更手段30が設けられていると言える。
【0050】
減速部36は、第1取付軸34から出力軸33に回転を減速して伝える第1歯車ユニット38を有する。第1歯車ユニット38としては、たとえば、遊星歯車による減速機が採用されるが、これ以外の減速機でもよい。第1歯車ユニット38により、第1取付軸34の回転が減速されて出力軸33に伝達されて、出力軸33が回転する。このため、第1取付軸34にハンドル25を取り付けてハンドル25を回すと、出力軸33を回転させることができる。
【0051】
減速部36は、さらに、第2取付軸35から第1取付軸34に回転を減速して伝える第2歯車ユニット39を有する。第2歯車ユニット39としては、たとえば、平歯車による減速機が採用されるが、これ以外の減速機でもよい。第2歯車ユニット39により、第2取付軸35の回転が減速されて第1取付軸34に伝達され、この減速された回転は、さらに、第1歯車ユニット38により減速されて出力軸33に伝達されて、出力軸33が回転する。したがって、ハンドル25を第1取付軸34に取り付けた場合と、第2取付軸35に取り付けた場合とでは、ハンドル25から出力軸33(プーリ軸22)へ伝達される回転力の減速比が変わる。
【0052】
ケーブル送り装置1は、ハンドル25を第1取付軸34又は第2取付軸35に選択的に取付けることによって、減速機構24の減速比を変更可能である。これにより、変更手段30は、プーリ20の回転負荷に対するハンドル25の回転操作負荷の大きさの割合を変更する。なお、図9には、第2取付軸35にハンドル25が取り付けられた状態を実線で示している。
【0053】
ここで、探傷検査装置100の運転動作について説明する。まず、図9に示すように、減速機構24の出力軸33をプーリ軸22に連結し、ハンドル回転軸25aを減速機構24の第1取付軸34に連結する。そして、ポンプユニット7の送水圧力を比較的小さい圧力に設定して送水を開始する。
【0054】
次に、操作者がハンドル25を図2の矢印Aで示す方向に回転操作してプーリ20を回転させるとともに、ポンプユニット7からの送水を用いてケーブル4を被検査管10に向けて送り出す(第1導出ステップ)。
【0055】
探傷検査の開始当初は、ポンプユニット7の送水圧力が比較的小さい圧力であっても、ケーブル4を被検査管10内に送り込むことができる。このとき、ハンドル25には、ケーブル4を送り出すための比較的小さい負荷(ハンドル25の回転操作負荷)が作用するため、減速機構24の減速比が比較的小さくても、ケーブル4を被検査管10内に送り込むことができる。
【0056】
その後、被検査管10内におけるケーブル4の送り込み距離が長くなると、操作者がポンプユニット7の送水圧力を比較的大きい圧力に変更するため、挿通路12内には比較的大きい水圧が作用し、ハンドル25には、比較的大きい回転負荷が作用する。したがって、操作者は、減速機構24の減速比が大きくなるように、第1取付軸34に取り付けられていたハンドル25を、第2取付軸35に付け替える。これにより、ハンドル25により回転駆動する回転軸が、第1取付軸34から第2取付軸35に変更されるため、減速機構24の減速比が変更される(負荷割合変更ステップ)。これにより、プーリ20の回転負荷に対するハンドル25の回転操作負荷の大きさの割合が変更されるため、操作者がハンドル25を回す負荷が増えることなく、ハンドル25を回すことができる。
【0057】
その後、操作者は、減速比が変更された減速機構24によりハンドル25からプーリ20に回転力が伝達される状態で、ハンドル25の操作を継続し、ポンプユニット7からの送水を用いてケーブル4を被検査管10に向けて送り出す(第2導出ステップ)。これにより、ポンプユニット7の送水圧力が比較的大きい圧力に設定されたとしても、操作者は、ハンドル25を手動で回転操作しながら探傷検査を継続できる。
【0058】
本実施形態では、減速機構24の減速比を変更することにより、プーリ20の回転負荷に対するハンドル25の回転操作負荷の大きさの割合が変更される。このため、被検査管10内におけるケーブル4の送り込み距離が比較的長くなって挿通路12内の水圧が比較的高くなった場合には、減速機構24の減速比を変更することにより、ハンドル25の回転操作負荷を低減することができる。
【0059】
なお、変更手段30は、ハンドル25のアーム長さを変更可能に構成されるとともに、減速機構24の減速比を変更するように構成されることにより、プーリ20の回転負荷に対するハンドル25の回転操作負荷の大きさの割合を変更するように構成されていてもよい。すなわち、ハンドルアーム25bの長さが変更可能なハンドル25が、第1取付軸34及び第2取付軸35に選択的に取付けられることによって、減速機構24の減速比が変更されるように構成されてもよい。
【0060】
なお、その他の構成、作用及び効果はその説明を省略するが、第1~第3実施形態の説明を第4実施形態に援用することができる。
【0061】
(第5実施形態)
図10に示すように、第5実施形態では、減速機構24が、互いに直列に接続可能な複数の減速ユニット40を含んでおり、減速ユニット40の数を変更して配置することにより減速機構24の減速比が変更可能である点において第4実施形態と異なっている。尚、ここでは第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0062】
第5実施形態では、減速ユニット40の数を変更することによって減速機構24の減速比を変更することにより、プーリ20の回転負荷に対するハンドル25の回転操作負荷の大きさの割合を変更する変更手段30が構成される。この場合、第2取付軸35と第2歯車ユニット39は省略されてもよい。なお、図10は、複数の減速ユニット40のうち3つの減速ユニット40が選択的に配置された場合の減速機構24を示す。
【0063】
各減速ユニット40は同じ構成である。複数の減速ユニット40はそれぞれ、ハンドル25側から回転を受け付けるハンドル側軸(入力側軸)43と、ハンドル側軸43からの回転をプーリ20側に伝えるプーリ側軸(出力側軸)42と、ハンドル側軸43の回転を減速してプーリ側軸42に伝える減速部44と、を有する。減速ユニット40のプーリ側軸42は、他の減速ユニット40のハンドル側軸43又はプーリ軸22に着脱式に連結できるように構成されている。これにより複数の減速ユニット40を直列に接続できる。
【0064】
隣接する2つの減速ユニット40において、一方の減速ユニット40のプーリ側軸42を他方の減速ユニット40のハンドル側軸43の端部に設けられた軸穴に嵌め込むことにより、複数の減速ユニット40が直列に連結される。ハンドル側軸43の回転は、減速部44により減速されてプーリ側軸42に伝達され、この減速された回転によりプーリ側軸42が回転する。減速部44は、例えば、遊星歯車を用いた減速機が採用されるが、これ以外の減速機でもよい。
【0065】
複数の減速ユニット40のうちハンドル25に最も近い位置に配置された減速ユニット40のハンドル側軸43には、ハンドル25が着脱可能に取り付けられる。また、複数の減速ユニット40のうちプーリ20に最も近い位置に配置された減速ユニット40のプーリ側軸42は、プーリ軸22に取り付けられる。このようにして、減速機構24では、ハンドル25が取り付けられたハンドル側軸43の回転が、プーリ軸22及びハンドル25間に選択的に配置された減速ユニット40の数に応じて減速されて、プーリ軸22に伝達される。
【0066】
探傷検査装置100により探傷検査を行う際に、被検査管10内におけるケーブル4の送り込み距離が長くなりハンドル25の回転負荷が大きくなった場合には、減速ユニット40の数を増やして減速機構24の減速比を大きくすることにより、操作者がハンドル25を手動で回転操作できる状態を維持することができる。なお、配置する減速ユニット40の数が増えるにつれて、ケーブル4の微妙な負荷変動をハンドル25を通して察知することが難しくなることが想定される。したがって、ハンドル25にかかる負荷と負荷変動の察知し易さを比較考量して、用いる減速ユニット40の数を調整してもよい。
【0067】
なお、減速機構24は、図11に示すように、図9の減速機構24のように構成された第1減速機構31と、図10の減速機構24のように構成された第2減速機構32と、を備えてもよい。
【0068】
具体的に、第1減速機構31は、プーリ軸22に接続された出力軸33と、第1取付軸34と、第1取付軸34の回転を減速して出力軸33に伝える第1歯車ユニット38と、第2取付軸35と、第2取付軸35の回転を減速して第1取付軸34に伝える第2歯車ユニット39と、これらを収容するハウジング37と、を備える。第2減速機構32は、ハンドル25と第1取付軸34又は第2取付軸35との間に選択的に配置され、互いに直列に接続可能な複数の減速ユニット40を備える。複数の減速ユニット40のうちの第1減速機構31に最も近い位置に配置された減速ユニット40のプーリ側軸42は、第1取付軸34及び第2取付軸35のうちのハンドル25により回転駆動する回転軸に取付けられる。複数の減速ユニット40のうちの第1減速機構31から最も遠い位置に配置された減速ユニット40のハンドル側軸43には、ハンドル25が取付けられる。
【0069】
なお、その他の構成、作用及び効果はその説明を省略するが、第1~第4実施形態の説明を第5実施形態に援用することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 :ケーブル送り装置
3 :探傷センサー
4 :浮子付きケーブル
5 :浮子
7 :ポンプユニット
10 :被検査管
11 :ケーシング
12 :挿通路
13a :引込口
14a :送出口
20 :プーリ
24 :減速機構
25 :ハンドル
26 :ハンドル
27 :ハンドル
28 :ハンドル
30 :変更手段
65 :窓部
68 :表示器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
探傷センサーを有する浮子付きケーブルをポンプユニットからの送水を用いて被検査管内に送り込むケーブル送り装置であって、
前記浮子付きケーブルを通過させる挿通路を有するケーシングと、
前記挿通路内の前記浮子付きケーブルを送り出せるように回転可能なプーリと、
前記浮子付きケーブルを前記挿通路から送り出すために手動操作可能であり、前記プーリを回転駆動するためのハンドルと、を備え、
前記プーリの外周には、周方向に間隔をおいて並んだ多数の歯が設けられ、前記浮子付きケーブルの浮子が隣り合う歯間の凹部に嵌まり込むようになっており、
前記ケーシングには、前記浮子付きケーブルの浮子が前記プーリの前記歯に掛かっているかどうかを視認可能にする窓部が設けられている、ケーブル送り装置。
【請求項2】
前記プーリの回転数を表示する表示器を備えている、請求項1に記載のケーブル送り装置。
【請求項3】
前記ハンドルを含み、前記ハンドルによって前記プーリを回転駆動するときの前記プーリの回転負荷に対する前記ハンドルの回転操作負荷の大きさの割合を変更する変更手段を備えている、請求項1又は2に記載のケーブル送り装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明に係るケーブル送り装置は、探傷センサーを有する浮子付きケーブルをポンプユニットからの送水を用いて被検査管内に送り込むケーブル送り装置であって、前記浮子付きケーブルを通過させる挿通路を有するケーシングと、前記挿通路内の前記浮子付きケーブルを送り出せるように回転可能なプーリと、前記浮子付きケーブルを前記挿通路から送り出すために手動操作可能であり、前記プーリを回転駆動するためのハンドルと、を備え、前記プーリの外周には、周方向に間隔をおいて並んだ多数の歯が設けられ、前記浮子付きケーブルの浮子が隣り合う歯間の凹部に嵌まり込むようになっており、前記ケーシングには、前記浮子付きケーブルの浮子が前記プーリの前記歯に掛かっているかどうかを視認可能にする窓部が設けられている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明に係るケーブル送り装置では、ハンドルの回転操作によりプーリが回転し、プーリの外周に巻き掛けられた浮子付きケーブルがケーシング外に送り出されて、ポンプユニットからの送水により押し流されるようにして被検査管内に挿入される。このとき、浮子付きケーブルの浮子がプーリの歯に掛かっているかどうかを、ケーシングの窓部を通して確認することができる。このため、ハンドルの回転を急に速くする場合等のように、浮子がプーリの径方向外側に変位した場合には、そのことを視認できる。また、ハンドルの回転を急に遅くした場合等のように浮子がプーリの歯に掛かっていない状態にある場合にもそのことを視認できる。したがって、浮子がプーリとケーシングとの間に挟まったままハンドルを操作し続けてしまうことを防止できる。したがって、浮子付きケーブルが破損してしまうことを未然に防止することができる。