(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121656
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】監視装置、監視システム、及び監視方法
(51)【国際特許分類】
G08C 19/00 20060101AFI20240830BHJP
G08C 15/06 20060101ALI20240830BHJP
G05B 19/042 20060101ALI20240830BHJP
H04Q 9/00 20060101ALN20240830BHJP
【FI】
G08C19/00 G
G08C15/06 G
G05B19/042
H04Q9/00 311J
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028872
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 明宏
【テーマコード(参考)】
2F073
5H220
5K048
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AB02
2F073AB05
2F073BB01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CD11
2F073DD07
2F073DE02
2F073DE08
2F073DE16
2F073EE13
2F073EF08
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073FG04
2F073GG01
2F073GG07
2F073GG08
5H220AA04
5H220BB10
5H220CC06
5H220CX05
5H220JJ12
5H220JJ28
5K048AA16
5K048BA34
5K048EB10
5K048HA32
5K048HA39
(57)【要約】
【課題】対象物の状態を監視するセンサ部の省電力化を図ることができる監視装置、監視システム、及び監視方法を提供する。
【解決手段】監視装置10は、駆動ローラ51Aの状態を検知する非接触センサ11と、非接触センサ11に電力を供給する太陽光パネル12又はバッテリ14と、自立中継機20に非接触センサ11の検知結果を送信する無線通信部16と、無線通信部16が非接触センサ11の検知結果を送信するタイミングに基づいて、太陽光パネル12又はバッテリ14から非接触センサ1への電力供給を制御する制御部17と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の状態を検知するセンサ部と、
前記センサ部に電力を供給する電力供給部と、
外部装置に前記センサ部の検知結果を送信する通信部と、
前記通信部が前記センサ部の検知結果を送信するタイミングに基づいて、前記電力供給部から前記センサ部への電力供給を制御する制御部と、
を備えた監視装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記通信部が前記センサ部の検知結果を送信した後に、前記センサ部への電力供給を停止する制御を行う
請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記通信部が前記センサ部の検知結果を送信する所定時間前に、前記センサ部への電力供給を開始する制御を行う
請求項2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記所定時間は、前記センサ部のプリチャージに要する時間に基づいて予め定められた時間である
請求項3に記載の監視装置。
【請求項5】
前記通信部が前記センサ部の検知結果を送信する周期である送信周期を記憶した記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された送信周期に基づいて、前記センサ部への電力供給の停止又は開始を制御する
請求項3に記載の監視装置。
【請求項6】
前記電力供給部は、自然エネルギーを電力に変換して発電する発電機器であり、
前記制御部は、前記発電機器の発電量に応じて、前記送信周期を変更する
請求項5に記載の監視装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記通信部が前記センサ部の検知結果を送信する周期である送信周期を検出し、検出した送信周期に基づいて、前記センサ部への電力供給の停止又は開始を制御する
請求項3に記載の監視装置。
【請求項8】
前記センサ部への電力供給が停止している停止時間は、前記所定時間よりも長く、
前記停止時間は、前記通信部が前記センサ部の検知結果を送信する周期である送信周期、及び、前記所定時間に基づいて定められる
請求項3に記載の監視装置。
【請求項9】
前記センサ部は、非接触センサである
請求項1に記載の監視装置。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか1項に記載の監視装置と、
前記監視装置から送信される前記センサ部の検知結果を収集するデータ収集装置と、
を含み、
前記データ収集装置は、前記センサ部の検知結果に基づいて、前記対象物の状態が異常を示すと判定した場合に、当該異常の警告を報知する報知部
を備えた監視システム。
【請求項11】
対象物の状態を検知するセンサ部と、
前記センサ部に電力を供給する電力供給部と、
外部装置に前記センサ部の検知結果を送信する通信部と、
を備えた監視装置の監視方法であって、
前記通信部が前記センサ部の検知結果を送信するタイミングに基づいて、前記電力供給部から前記センサ部への電力供給を制御する
監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置、監視システム、及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ベルトコンベアのベルトの異常を検出するベルトモニタリングシステムが記載されている。このベルトモニタリングシステムは、ベルトの状態を検出する少なくとも1以上のセンサと、センサの検出信号の入力を受け付け、検出信号を基にベルトの異常の有無を判定し、異常がある場合にセンサの位置情報を出力する異常検出部と、異常検出部に接続され、ベルトの近傍に配置されたケーブルに設けられたコネクタと、コネクタに接続される携帯可能な表示装置と、を具備する。この表示装置は、コネクタに接続されて、センサの位置情報を異常検出部から取得し、表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ベルトコンベア等の対象物は屋外設置される場合がある。屋外設置された対象物の状態を監視する場合、監視のための非接触センサ等のセンサ部に対して、商用電源等による電力供給が困難な場合があり、太陽光パネル等の自然エネルギーから得られた電力を利用することがある。このような自然エネルギーから得られた電力は、商用電源と比較して、供給が不安定であるため、常時センサ部に電力を供給することは望ましくなく、省電力化が望まれている。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、対象物の状態を監視するセンサ部の省電力化を図ることができる監視装置、監視システム、及び監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る監視装置は、対象物の状態を検知するセンサ部と、前記センサ部に電力を供給する電力供給部と、外部装置に前記センサ部の検知結果を送信する通信部と、前記通信部が前記センサ部の検知結果を送信するタイミングに基づいて、前記電力供給部から前記センサ部への電力供給を制御する制御部と、を備える。
【0007】
本発明に係る監視システムは、上記監視装置と、前記監視装置から送信される前記センサ部の検知結果を収集するデータ収集装置と、を含み、前記データ収集装置は、前記センサ部の検知結果に基づいて、前記対象物の状態が異常を示すと判定した場合に、当該異常の警告を報知する報知部を備える。
【0008】
本発明に係る監視方法は、対象物の状態を検知するセンサ部と、前記センサ部に電力を供給する電力供給部と、外部装置に前記センサ部の検知結果を送信する通信部と、を備えた監視装置の監視方法であって、前記通信部が前記センサ部の検知結果を送信するタイミングに基づいて、前記電力供給部から前記センサ部への電力供給を制御する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、対象物の状態を監視するセンサ部の省電力化を図ることができる監視装置、監視システム、及び監視方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係るベルトコンベアの構成の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る監視システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る監視装置が備える制御部の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る非接触センサへの電力供給処理の説明に供するタイミングチャートである。
【
図5】実施形態に係る監視装置による電力供給処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本開示の技術と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0012】
本実施形態に係る監視装置は、一例として、屋外に設置されたベルトコンベアを構成する駆動ローラを、センサ部の監視対象とする。つまり、本実施形態に係る監視装置では、対象物の一例である駆動ローラの温度監視を目的とし、センサ部の省電力化を実現するものである。
【0013】
図1は、本実施形態に係るベルトコンベア50の構成の一例を示す図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係るベルトコンベア50は、例えば、屋外に設置された運搬用のベルトコンベアである。ベルトコンベア50は、モータが接続されている駆動ローラ51Aと、モータが接続されていない従動ローラ51Bと、を備えている。駆動ローラ51Aは、ブレーキを備えているが、当該ブレーキの駆動部の故障等でローラが発熱することがある。発熱したローラに運搬中の可燃物(例えば、石炭の粉体等)が載ると、可燃物が高温になることで発火に至る場合がある。
【0015】
上記のような発火を防止するためには、発火源となる駆動ローラ51Aの温度を監視することが有効である。駆動ローラ51Aは、稼働中では回転しているため、温度センサ又は温度計を接触させて温度を計測することは困難である。このため、赤外線を使用した非接触型の温度センサに常時電力を供給しながら温度検知を行うのが有効である。
【0016】
ところで、
図1に示すベルトコンベア50は屋外設置されているため、上述したように、太陽パネル等の自然エネルギーから得られる電力が供給される場合がある。自然エネルギーから得られた電力は、商用電源と比較して、供給が不安定であるため、常時センサ部に電力を供給することは望ましくなく、省電力化が望まれている。
【0017】
図2は、本実施形態に係る監視システム100の構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
図2に示すように、本実施形態に係る監視システム100は、監視装置10と、自立中継機20と、データ収集装置30と、を備えている。
【0019】
監視装置10は、非接触センサ11、太陽光パネル12、チャージコントローラ13、バッテリ14、DC(Direct Current:直流)/DCコンバータ15、無線通信部16、制御部17、及びスイッチ18を備えている。
【0020】
非接触センサ11は、センサ部の一例であり、非接触型のセンサである。非接触センサ11は、対象物の一例である駆動ローラ51Aから赤外線を受光して温度に変換する機能を有する。非接触センサ11は、一般的にはDC12Vで動作するタイプが多く用いられているが、このタイプに限定されるものではない。非接触センサ11のレンズ表面には、例えば、親水性のコーティング剤が塗布されている。非接触センサ11は、例えば、駆動ローラ51Aの支柱にクランプ等を用いて固定される。
【0021】
太陽光パネル12は、電力供給部の一例であり、自然エネルギーを電力に変換して発電する発電機器の一例である。太陽光パネル12は、自然エネルギーの一例である太陽光から、例えばDC18V電圧の電力を生成して、チャージコントローラ13に供給する機能を有する。太陽光パネル12の表面には、例えば、親水性のコーティング剤が塗布されている。
【0022】
チャージコントローラ13は、太陽光パネル12の電圧を、バッテリ14(例えば、鉛蓄電池)の充電電圧範囲に電圧変換を行った上で、太陽光パネル12から得られた電力をバッテリ14にチャージする。なお、太陽光パネル12の電圧(例えば、DC18V)は、天候、発電量等により変動するため、バッテリ14の充電電圧範囲に電圧変換が行われる。また、チャージコントローラ13は、負荷になる非接触センサ11、DC/DCコンバータ15の動作電圧範囲内の例えばDC12Vの電力を供給する。
【0023】
バッテリ14は、電力供給部の一例であり、例えば、DC12Vの鉛蓄電池である。
【0024】
DC/DCコンバータ15は、チャージコントローラ13からのDC12Vを無線通信部16の電源電圧(例えば、DC5V)に変換する。
【0025】
無線通信部16は、通信部の一例であり、非接触センサ11の検知結果としてのアナログ値を、デジタル値に変換し、変換したデジタル値を、例えば、920MHz帯のマルチホップ無線子機の機能を利用して自立中継機20に対して送信する。無線通信部16は、予め定められた送信周期に基づいて、データ送信時のみ電源をオンし、それ以外は電源をオフするスリープ状態に移行する機能を有する。
【0026】
制御部17は、タイマ機能を有し、無線通信部16が非接触センサ11の検知結果を送信するタイミングに基づいて、スイッチ18のオン/オフを制御する。なお、制御部17と無線通信部16との間の通信は、無線通信でもよいし、有線通信でもよい。また、制御部17と無線通信部16とをIC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等の1つの集積回路として一体的に構成してもよい。
【0027】
スイッチ18は、制御部17からの制御に基づいて、非接触センサ11への電力供給のオン、オフを切り替えるスイッチである。
【0028】
つまり、非接触センサ11は、駆動ローラ51Aの状態(例えば、温度)を検知する。太陽光パネル12又はバッテリ14は、非接触センサ11に電力を供給する。無線通信部16は、外部装置の一例である自立中継機20に非接触センサ11の検知結果を送信する。制御部17は、無線通信部16が非接触センサ11の検知結果を送信するタイミングに基づいて、スイッチ18のオン/オフを切り替え、太陽光パネル12又はバッテリ14から非接触センサ11への電力供給を制御する。
【0029】
また、自立中継機20は、太陽光パネル21、チャージコントローラ22、バッテリ23、DC/DCコンバータ24、及び無線子機25を備えている。
【0030】
自立中継機20は、監視装置10から受信した非接触センサ11の検知結果を無線中継機能によって、上位のデータ収集装置30へ転送する機能を有する。
【0031】
太陽光パネル21は、自然エネルギーを電力に変換して発電する発電機器の一例である。太陽光パネル21は、自然エネルギーの一例である太陽光から、例えばDC18V電圧の電力を生成して、チャージコントローラ22に供給する機能を有する。太陽光パネル21の表面には、例えば、親水性のコーティング剤が塗布されている。
【0032】
チャージコントローラ22は、太陽光パネル21の電力を、バッテリ23(例えば、鉛蓄電池)の充電電圧範囲に電圧変換を行った上で、太陽光パネル21から得られた電力をバッテリ23にチャージする。なお、太陽光パネル21の電圧は、天候、発電量等により変動するため、バッテリ23の充電電圧範囲に電圧変換が行われる。また、チャージコントローラ22は、負荷になるDC/DCコンバータ24の動作電圧範囲内の例えばDC12Vの電力を供給する。
【0033】
バッテリ23は、例えば、DC12Vの鉛蓄電池である。
【0034】
DC/DCコンバータ24は、チャージコントローラ22からのDC12Vを無線子機25の電源電圧(例えば、DC5V)に変換する。
【0035】
無線子機25は、監視装置10から受信した非接触センサ11の検知結果であるデジタルデータを、例えば、920MHz帯のマルチホップ無線子機の機能を利用して、上位のデータ収集装置30に向かって送信する。無線子機25は、上述の無線通信部16と同様に、予め定められた送信周期に基づいて、データ送信時のみ電源をオンし、それ以外は電源をオフするスリープ状態に移行する機能を有する。
【0036】
また、データ収集装置30は、AC(Alternating Current:交流)アダプタ31、無線親機32、PLC(Programmable Logic Controller)33、プログラマブル表示器34、及びパトランプ(登録商標)35を備えている。
【0037】
データ収集装置30は、監視装置10から自立中継機20を介して送信される非接触センサ11の検知結果を収集し、非接触センサ11の検知結果に基づいて、駆動ローラ51Aの状態(例えば、温度)が異常を示すと判定した場合に、当該異常の警告を報知する。
【0038】
ACアダプタ31は、AC100Vの商用電源を、無線親機32の動作電圧(例えば、DC5V)に変換して、無線親機32に供給する。
【0039】
無線親機32は、例えば、920MHz帯のマルチホップ無線親機の機能を利用して、監視装置10から自立中継機20を介して送信される非接触センサ11の検知結果を受信する。
【0040】
PLC33は、無線親機32で受信した非接触センサ11の検知結果として表されるデータ(例えば、温度)が予め設定された閾値以上であるか否かを判定し、当該データが閾値以上である場合に、駆動ローラ51Aの状態が異常であると判定する。この「閾値」は、例えば、50℃以上60℃以下の範囲で設定される。PLC33は、プログラマブル表示器34、パトランプ35、及び社内LAN(Local Area Network)と接続されている。PLC33は、報知部の一例であり、駆動ローラ51Aの状態が異常であると判定した場合、パトランプ35を点灯させ、異常の警告を報知する。あるいは、PLC33は、予め設定されたメールアドレス宛に社内LAN経由で、異常の警告を報知するメールを送信してもよい。なお、社内LANは、例えば、Ethernet(登録商標)を用いて構築されるネットワークであり、複数の端末装置(図示省略)が接続されている。
【0041】
プログラマブル表示器34は、非接触センサ11の設置場所、駆動ローラ51Aの異常の判定に用いる閾値の設定等の入力を、グラフィカルなユーザインターフェース(GUI:Graphical User Interface)を介して受け付ける。
【0042】
パトランプ35は、PLC33からの制御に基づいて、駆動ローラ51Aの火災を未然に防ぐために、ランプを点灯させることで管理者等に早期に報知する。
【0043】
なお、上記では、監視装置10からデータ収集装置30に対して非接触センサ11の検知結果を送信する際に、自立中継機20を介して送信する形態について説明したが、自立中継機20を不要とし、監視装置10からデータ収集装置30に直接送信してもよい。
【0044】
図3は、本実施形態に係る監視装置10が備える制御部17の構成の一例を示すブロック図である。
【0045】
図3に示すように、本実施形態に係る制御部17は、CPU(Central Processing Unit)17A及びメモリ17Bを備えている。メモリ17Bは、記憶部の一例である。
【0046】
メモリ17Bには、監視装置10の動作を制御するために必要な制御プログラム、データ等が記憶される。CPU17Aは、メモリ17Bに記憶された制御プログラムを読み出して実行することにより、無線通信部16が非接触センサ11の検知結果を送信するタイミングに基づいて、スイッチ18のオン/オフを切り替え、太陽光パネル12又はバッテリ14から非接触センサ11への電力供給を制御する。
【0047】
具体的には、CPU17Aは、無線通信部16が非接触センサ11の検知結果を送信した後に、スイッチ18をオフし、非接触センサ11への電力供給を停止する制御を行う。非接触センサ11の省電力化の観点から、無線通信部16が非接触センサ11の検知結果を送信した直後に、スイッチ18をオフし、非接触センサ11への電力供給を停止することが望ましい。ここでいう「直後」とは、遅延時間が0、あるいは、許容できる誤差の遅延時間であることをいう。
【0048】
そして、CPU17Aは、無線通信部16が非接触センサ11の検知結果を送信する所定時間前に、スイッチ18をオンし、非接触センサ11への電力供給を開始する制御を行う。ここでいう「所定時間」は、非接触センサ11のプリチャージに要する時間(例えば、10秒)に基づいて予め定められた時間である。「プリチャージに要する時間」とは、非接触センサ11の出力が安定するまでに要する時間を表す。「所定時間」は、例えば、10秒以上20秒未満の範囲で適切な値が設定される。なお、非接触センサ11のプリチャージに要する時間は、センサの仕様、性能等に基づいて異なる場合があるため、非接触センサ11のプリチャージに要する時間は、センサの仕様、性能等に基づいて適宜設定してもよい。
【0049】
また、メモリ17Bは、無線通信部16が非接触センサ11の検知結果を送信する周期である送信周期を記憶する。CPU17Aは、メモリ17Bに記憶された送信周期に基づいて、非接触センサ11への電力供給の停止又は開始を制御する。例えば、送信周期を60秒に1回とした場合、検知結果の送信タイミングの所定時間(例えば10秒)前に、スイッチ18をオンし、送信タイミングの直後に、スイッチ18をオフする。つまり、60秒に1回の送信周期について、スイッチ18がオンされるのは10秒間だけであり、残り50秒間はスイッチ18がオフされる。このため、非接触センサ11に対して常時電力を供給する場合と比較して、非接触センサ11への電力供給がセンサ検知時のみに制限され、省電力化することができる。
【0050】
また、CPU17Aは、無線通信部16が非接触センサ11の検知結果を送信する送信周期を検出し、検出した送信周期に基づいて、非接触センサ11への電力供給の停止又は開始を制御してもよい。この場合、予めメモリ17Bに送信周期を記憶しておく必要はなく、検出した送信周期をメモリ17Bに記憶して利用すればよい。
【0051】
また、CPU17Aは、太陽光パネル12の発電量に応じて、送信周期を変更するようにしてもよい。太陽光パネル12の発電量は、例えば、季節、天候、時間帯に応じて変化する。このため、CPU17Aは、太陽光パネル12の所定時間当たりの発電量を検出する機能を備えてもよい。CPU17Aは、太陽光パネル12の所定時間当たりの発電量が閾値以上、つまり、発電量が比較的多い場合には、送信周期を短くし、太陽光パネル12の所定時間当たりの発電量が閾値未満、つまり、発電量が比較的少ない場合には、送信周期を長くしてもよい。
【0052】
また、監視装置10は、周囲の明るさを検知する照度センサ(図示省略)を備え、照度センサを用いて昼間の時間帯と、夜間の時間帯とを判別してもよい。CPU17Aは、照度センサにより昼間の時間帯と判別した場合、太陽光パネル12の発電量は十分とみなし、送信周期を短くし、照度センサにより夜間の時間帯と判別した場合、太陽光パネル12の発電量は十分ではないとみなし、送信周期を長くしてもよい。
【0053】
図4は、本実施形態に係る非接触センサ11への電力供給処理の説明に供するタイミングチャートである。
【0054】
図4に示すように、「無線送信制御出力」は、無線通信部16が制御部17に対して無線送信制御信号を出力するタイミングを示す。この無線送信制御信号は、無線通信部16が非接触センサ11の検知結果を送信するタイミングで出力される信号である。なお、
図4の例では、非接触センサ11の検知結果のデジタル値を送信する送信周期T0が60秒である場合について説明するが、この60秒に限定されるものではない。
【0055】
「SW制御」は、制御部17がスイッチ18に対してオン又はオフの制御信号を出力するタイミングを示す。
【0056】
「センサ電源」は、太陽光パネル12又はバッテリ14がチャージコントローラ13を介して非接触センサ11に電力を供給するタイミングを示す。
【0057】
「センサ出力」は、非接触センサ11が無線通信部16に対して検知結果のアナログ値を出力するタイミングを示す。
【0058】
「無線処理」は、無線通信部16が非接触センサ11からの検知結果のアナログ値をデジタル値に変換するAD変換を実行するタイミングを示す。
【0059】
図4に示すように、時間t11では、無線通信部16が非接触センサ11の検知結果のデジタル値を自立中継機20に対して送信する。そして、無線通信部16が非接触センサ11の検知結果のデジタル値を送信した直後に、スイッチ18をオフし、非接触センサ11への電力供給を停止する。
【0060】
次に、時間t12では、無線通信部16が非接触センサ11の検知結果を送信する所定時間T2(例えば、10秒)前に、スイッチ18をオンし、非接触センサ11への電力供給を開始する。このとき、非接触センサ11では検知結果のアナログ値を無線通信部16に出力し、無線通信部16では非接触センサ11の検知結果をアナログ値からデジタル値にAD変換する。
【0061】
次に、時間t13では、無線通信部16が非接触センサ11の検知結果のデジタル値を自立中継機20に対して送信する。そして、無線通信部16が非接触センサ11の検知結果のデジタル値を送信した直後に、スイッチ18をオフし、非接触センサ11への電力供給を停止する。
【0062】
ここで、非接触センサ11への電力供給が停止している停止時間T1は、所定時間T2よりも長い。停止時間T1は、送信周期T0及び所定時間T2に基づいて定められる。例えば、送信周期T0が60秒で、所定時間T2が10秒である場合、停止時間T1は50秒(T0-T2)と定まる。
【0063】
次に、
図5を参照して、本実施形態に係る監視装置10の作用について説明する。
【0064】
図5は、本実施形態に係る監視装置10による電力供給処理の一例を示すフローチャートである。
【0065】
まず、
図5のステップS101では、CPU17Aが、一例として、メモリ17Bから、上述の
図4に示す送信周期T0を取得する。
【0066】
ステップS102では、無線通信部16が、一例として、上述の
図4に示す時間t11で非接触センサ11の検知結果を自立中継機20に対して送信する。
【0067】
ステップS103では、CPU17Aが、一例として、上述の
図4に示す時間t11の直後にスイッチ18をオフし、非接触センサ11への電力供給を停止する。
【0068】
ステップS104では、CPU17Aが、例えば、主電源オフ等の終了タイミングが到来したか否かを判定する。終了タイミングが到来しないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS105に移行し、終了タイミングが到来したと判定した場合(肯定判定の場合)、監視装置10による電力供給処理を終了する。
【0069】
ステップS105では、CPU17Aが、一例として、
図4に示すように、次の検知結果の送信タイミングt13の所定時間T2前、つまり、時間t12であるか否かを判定する。時間t12であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS106に移行し、時間t12ではないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS105で待機となる。なお、次の検知結果の送信タイミングt13は、前回の検知結果の送信タイミングt11と送信周期T0から定まる。
【0070】
ステップS106では、CPU17Aが、一例として、上述の
図4に示す時間t12でスイッチ18をオンし、非接触センサ11への電力供給を開始する。
【0071】
ステップS107では、無線通信部16が、非接触センサ11から検知結果を取得する。
【0072】
ステップS108では、無線通信部16が、一例として、上述の
図4に示すように、次の検知結果の送信タイミングt13か否かを判定する。次の検知結果の送信タイミングt13であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS102に戻り処理を繰り返し、次の検知結果の送信タイミングt13ではないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS108で待機となる。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、センサ部への電力供給をセンサ検知時のみに制限することが可能となり、センサ部の省電力化を図ることができる。
【0074】
また、ベルトコンベアの火災発生前に発熱部位である駆動ローラの温度が予め設定された閾値以上の高温になったことを早期に報知することが可能となり、火災発生を防ぐことが可能になる。
【0075】
なお、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU:Graphics processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0076】
また、上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0077】
以上、実施形態に係る監視装置及び監視システムを例示して説明した。実施形態は、監視装置及び監視システムが備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、これらのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体の形態としてもよい。
【0078】
その他、上記実施形態で説明した監視装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0079】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0081】
10 監視装置
11 非接触センサ
12、21 太陽光パネル
13、22 チャージコントローラ
14、23 バッテリ
15、24 DC/DCコンバータ
16 無線通信部
17 制御部
17A CPU
17B メモリ
18 スイッチ
20 自立中継機
25 無線子機
30 データ収集装置
31 ACアダプタ
32 無線親機
33 PLC
34 プログラマブル表示器
35 パトランプ
50 ベルトコンベア
51A 駆動ローラ
51B 従動ローラ
100 監視システム