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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121670
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】ドア装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/18 20060101AFI20240830BHJP
   E06B 5/20 20060101ALN20240830BHJP
   E06B 3/82 20060101ALN20240830BHJP
   E06B 1/16 20060101ALN20240830BHJP
【FI】
E06B1/18 A
E06B5/20
E06B3/82
E06B1/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028890
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【弁理士】
【氏名又は名称】畑添 隆人
(72)【発明者】
【氏名】小張 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】井上 和也
(72)【発明者】
【氏名】山本 航平
【テーマコード(参考)】
2E016
2E239
【Fターム(参考)】
2E016HA03
2E016JA11
2E016KA06
2E016LA01
2E016LB03
2E016LC01
2E016MA11
2E016NA07
2E239BB02
2E239BB03
2E239BB04
(57)【要約】
【課題】
ドア枠の遮音性能を向上させる。
【解決手段】
開口部を形成するドア枠2、3、4、5と、前記開口部を開閉する扉体9と、からなるドア装置において、ドア枠2、3、4は、第1見付面部と、第2見付面部と、開口部に面する見込面部と、前記見込面部に対向して、前記第1見付面部と前記第2見付面部を接続する補強手段と、を備えており、前記補強手段は、少なくとも2つ以上の部材63、64;73、74;83、84を接続することで形成されており、少なくとも2つの部材は異なる板厚を備えている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を形成するドア枠と、前記開口部を開閉する扉体と、からなるドア装置において、
前記ドア枠は、第1見付面部と、第2見付面部と、開口部に面する見込面部と、前記見込面部に対向して、前記第1見付面部と前記第2見付面部を接続する補強手段と、を備えており、
前記補強手段は、少なくとも2つ以上の部材を接続することで形成されており、少なくとも2つの部材は異なる板厚を備えている、
ドア装置。
【請求項2】
前記補強手段は、第1側に位置して前記第1見付面部に接続された第1部材と、第2側に位置して前記第2見付面部に接続された第2部材と、を接続することで形成されており、前記第1部材と前記第2部材は異なる板厚を備えている、
請求項1に記載のドア装置。
【請求項3】
前記第1部材は、前記第1見付面部に接続された第1見込辺と、第1見付辺と、から断面視L形状を備えており、
前記第2部材は、前記第2見付面部に接続された第2見込辺と、第2見付辺と、から断面視L形状を備えており、
前記第1見付辺と前記第2見付辺が接続されており、一方の見付辺が前記見込面部に接続されている、
請求項2に記載のドア装置。
【請求項4】
前記各部材は、ドア枠の各枠の長さ方向に延びている、
請求項1~3いずれか1項に記載のドア装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮音性能を備えたドア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遮音性能を表す指標としてT値が知られている。T値とは、サッシやドアの遮音性能を表し、日本工業規格(JIS)が定めた基準に基づいて、T-1・T-2・T-3・T-4という4つの等級に分類されている指標である。また、防音ドアの遮音性能を示す際に、JIS規格の等級(T1~T4)以上の性能のドアを、T-5・T-6といった等級で表す場合もある。近年、現場によっては、JIS規格の等級(T1~T4)以上の高遮音性能が要求される場合も増えてきている。
【0003】
ドア装置の遮音性能は、扉体の遮音性能及びドア枠の遮音性能に依存する。従来、ドア装置のドア枠及び扉体に吸音材(ロックウールやグラスウール等)を充填することで遮音構造を形成していたが(特許文献1参照)、JIS等級以上の高遮音性能を得ることは困難であった。
【0004】
ドア装置としての遮音性能を向上させるためには、扉体のみならずドア枠の遮音性能を向上させることが重要である。
【0005】
従来のドア枠において、ドア枠の見込部と反対側に位置して、屋内外の見付面部を接続する補強部材(具体的には、ドア枠を躯体に連結して支持させるために用いられる帯アンカーと称される要素)が設けられることが多いが、屋内外の見付面部が金属製の補強部材によってブリッジされることで、特定の周波数帯域における音波の振動が共振して伝わりやすいという欠点がある。
【特許文献1】特開2019-39260
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ドア装置のドア枠の遮音性能を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するべく本発明が採用した技術手段は、
開口部を形成するドア枠と、前記開口部を開閉する扉体と、からなるドア装置において、
前記ドア枠は、第1見付面部と、第2見付面部と、開口部に面する見込面部と、前記見込面部に対向して、前記第1見付面部と前記第2見付面部を接続する補強手段と、を備えており、
前記補強手段は、少なくとも2つ以上の部材を接続することで形成されており、少なくとも2つの部材は異なる板厚を備えている、
ドア装置、である。
【0008】
本明細書において、見込面部には、縦枠の側面に加えて上枠の下面が含まれるものとする。
本明細書において、第1見付面部は屋外側見付面部を指し、第2見付面部は屋内側見付面部を指す。また、第1側は屋外側であり、第2側は屋内側である。
前記補強部材は、ドア枠を躯体に連結するアンカーとして機能する。
【0009】
1つの態様では、前記補強部材は、前記ドア枠の少なくとも左右の縦枠及び上枠に設けてある。
典型的な態様では、前記ドア枠の内部空間には制振材と吸音材が充填されており、吸音材と制振材との組み合わせで遮音性能を発揮するようになっている。
【0010】
1つの態様では、前記補強手段は、第1側に位置して前記第1見付面部に接続された第1部材と、第2側に位置して前記第2見付面部に接続された第2部材と、を接続することで形成されており、前記第1部材と前記第2部材は異なる板厚を備えている。
【0011】
1つの態様では、前記各部材は、ドア枠の各枠の長さ方向に延びている。
なお、前記第1部材及び前記第2部材を帯状片から形成し、ドア枠の各枠の長さ方向に複数配置してもよい。
【0012】
1つの態様では、前記第1部材は、前記第1見付面部に接続された第1見込辺と、第1見付辺と、から断面視L形状を備えており、
前記第2部材は、前記第2見付面部に接続された第2見込辺と、第2見付辺と、から断面視L形状を備えており、
前記第1見付辺と前記第2見付辺が接続されており、一方の見付辺が前記見込面部に接続されている。
1つの態様では、前記第1部材及び前記第2部材がドア枠の各枠の長さ方向に延びる板状要素の場合には、枠内空間が前記一方の見付辺によって2つの空間に仕切られ、各空間には吸音材が充填されている。
1つの態様では、各空間の大きさ(容積)が異なる。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、第1見付面部と、第2見付面部と、開口部に面する見込面部と、前記見込面部に対向して、前記第1見付面部と前記第2見付面部を接続する補強手段と、を備えたドア枠において、前記補強手段を、異なる板厚の複数の部材(鋼板)を繋ぐことで形成することで、ドア枠の固有振動数を変化させて共振による音の透過を可及的に防止し、もって、ドア枠の遮音性能の向上を図る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態に係る遮音ドアを室外側から見た正面図である。
図2図1の縦断面図である。
図3図1の横断面図である。
図4図2の上側部位の部分拡大図である。
図5図4において上枠のみを表す図である。
図6図3の戸先側部位の部分拡大図である。
図7図5において戸先側縦枠のみを表す図である。
図8図3において、戸尻側縦枠のみを拡大して表す図である。
図9】扉体の縦断面図であり、左図は制振材を備えた状態、右図は制振材を省略した状態を示す図である。
図10】扉体の縦断面図であり、内部の制振材や補強材を省略して示す図である。
図11】扉体の横断面図であり、上図は制振材を省略した状態を示す図、下図は制振材を備えた状態を示す図である。
図12】扉体の横断面図であり、内部の制振材や補強材を省略して示す図である。
図13】第2実施形態に係る遮音ドアを室外側から見た正面図である。
図14図13の縦断面図である。
図15図13の横断面図である。
図16図13の上側部位の部分拡大図である。
図17図15の戸先側部位の部分拡大図である。
図18】扉体の縦断面図であり、左図は制振材を備えた状態、右図は制振材を省略した状態を示す図である。
図19】扉体の縦断面図であり、内部の制振材や補強材を省略して示す図である。
図20】扉体の横断面図であり、上図は制振材を省略した状態を示す図、下図は制振材を備えた状態を示す図である。
図21】扉体の横断面図であり、内部の制振材や補強材を省略して示す図である。
図22】扉体のガラス窓部を示す縦断面図である。
図23】第3実施形態に係る遮音ドアを室外側から見た正面図である。
図24図23の縦断面図である。
図25図23の横断面図である。
図26図24の上側部位の部分拡大図である。
図27図25の戸先側部位の部分拡大図である。
図28】扉体の縦断面図であり、左図は制振材を備えた状態、右図は制振材を省略した状態を示す図である。
図29】扉体の縦断面図であり、内部の制振材や補強材を省略して示す図である。
図30】扉体の横断面図であり、上図は制振材を省略した状態を示す図、下図は制振材を備えた状態を示す図である。
図31】扉体の横断面図であり、内部の制振材や補強材を省略して示す図である。
図32】扉体のガラス窓部を示す縦断面図である。
図33】第4実施形態(ガラス窓部を備えた態様)に係る遮音ドアを室外側から見た正面図である。
図34】第4実施形態の変形例(ガラス窓部を備えていない態様)に係る遮音ドア(扉体のみ)を室内側から見た正面図である。
図35図34の縦断面図である。
図36図34の横断面図である。
図37図35の上側部位の部分拡大図である。
図38図36の戸尻側部位の部分拡大図である。
図39】扉体の縦断面図であり、左図は制振材を備えた状態、右図は制振材を省略した状態を示す図である。
図40】扉体の縦断面図であり、内部の制振材や補強材を省略して示す図である。
図41】開き扉(第1扉体、第2扉体)の横断面図であり、上図は制振材を省略した状態を示す図、下図は制振材を備えた状態を示す図である。
図42】開き扉(第1扉体、第2扉体)扉体の横断面図であり、内部の制振材や補強材を省略して示す図である。
図43】扉体のガラス窓部を示す横断面図である。
図44】扉体のガラス窓部を示す縦断面図である。
図45】戸先側縦枠の変形例を示す。
図46】垂直に延びる複数本のフラットバーの配置態様を示す。
図47】傾斜状に延びる複数本のフラットバーの配置態様を示す。
【0015】
[I]遮音ドアの概要
本セクションでは、本実施形態に係る遮音ドアの概要について述べ、続くセクション[II]~[V]において、第1実施形態~第4実施形態について詳細に説明する。
[A]全体構成
遮音ドアは、開口部を形成するドア枠1と、前記開口部を開閉する扉体9と、からなる。ドア枠1の内部空間には吸音材(グラスウール、ロックウール等)が充填されており、扉体9の内部空間には吸音材(ロックウール、グラスウール等)が充填されている。開口部全閉時には、扉体9とドア枠1の隙間は2重の気密構造によって塞がれている。
【0016】
ドア枠1及び扉体9の構成要素(板材やフレーム、補強材等)は、金属板(典型的には鋼板)を所定形状に加工したものである。各構成要素の接続手段は限定されないものの、接着、溶接、止着手段(ビスやリベット等)が例示される。本明細書において、ドア装置の各部位の屋内外方向の位置関係を特定する際に、第1側が屋外側であり、第2側が屋内側である。また、ドア装置のドア枠の各部位の見付方向の位置関係を特定する際に、開口部に近い側を内側、躯体に近い側を外側とする。
【0017】
[B]ドア枠
図1図13図23に示すように、ドア枠1は、水平に延びる上枠2と、垂直に延びる戸先側縦枠3及び戸尻側縦枠4と、水平に延びる下枠5と、から縦長方形状に形成されている。ドア枠1の上枠2、戸先側縦枠3及び戸尻側縦枠4、下枠5の内部空間には吸音材(本実施形態では、グラスウールGW)が充填されている。図33図34に示すように、両開き扉の場合には、ドア枠1は、水平に延びる上枠2と、垂直に延びる左右の戸尻側縦枠4と、水平に延びる下枠5と、から方形状に形成されている。
【0018】
[B-1]異なる板厚を備えたドア枠
ドア枠1の各枠(上枠2及び左右の縦枠3、4)は、各枠の長さ方向に延びる複数の板材を接続することで形成されており、前記複数の板材は少なくとも2種類の異なる板厚の板材を含んでいる。具体的な態様では、図5図7図8に示すように、前記複数の板材は、屋外側に位置する第1板材60、70、80と、屋内側に位置する第3板材62、72、82と、中間の第2板材61、71、81と、からなる。
【0019】
1つの態様では、第2板材61、71、81及び第3板材62、72、82の板厚が同じで、第1板材60、70、80が異なる板厚を有している。ドア枠1を異なる板厚の鋼板から構成することで、ドア枠1の固有振動数を変化させて、ドア枠1の共振による音の透過を防止し、ドア枠1の遮音性能を向上させる。図示の態様では、第1板材60、70、80が、第2板材61、71、81及び第3板材62、72、82よりも肉厚であり、図5図7図8図16図17図26図27図37図38において、第1板材60、70、80を黒塗りで示している。
【0020】
ドア枠1の上枠2は、屋外側の第1見付面部(第1見付面20)と、屋内側の第2見付面部(第2見付面21)と、開口部に面する下面部(見込面部)と、を備え、前記下面部は、屋外側の第1下面22、屋内側の第2下面23、中間の第3下面24から側面視段差形状を備えており、第1板材60は、前記第1見付面部と第1下面22を含み、第3板材62は、前記第2見付面部と第2下面23を含み、第2板材61は、第3下面24を含む。
【0021】
1つの態様では、前記下面部(見込面部)は、第1下面22と第3下面24の段差部に位置する第1凹部25と、第3下面24と第2下面23の段差部に位置する第2凹部26と、を含み、第1凹部25の突片611は、第2板材61を折り返し重ねて形成されており、第2凹部26の突片622は、第3板材62を折り返し重ねて形成されており、第2板材61及び第3板材62は第1の板厚を備え、第1板材60は第2の板厚を備えている。
【0022】
ドア枠1の左右の縦枠3、4は、屋外側の第1見付面部(第1見付面30、40)と、屋内側の第2見付面部(第2見付面31、41)と、開口部に面する見込面部と、を備え、前記見込面部は、屋外側の第1見込面32、42、屋内側の第2見込面33、43、中間の第3見込面34、44から平面視段差形状を備えており、第1板材70、80は、前記第1見付面部と第1見込面32、42を含み、第3板材72、82は、前記第2見付面部と第2見込面33、43を含み、第2板材71、81は、第3見込面34、44を含む。
【0023】
1つの態様では、前記見込面部は、第1見込面32、42と第3見込面34、44の段差部に位置する第1凹部36、45と、第2見込面33、43と第3見込面34、44の段差部に位置する第2凹部37、46と、を含み、第1凹部45の突片811は、第2板材81を折り返し重ねて形成されており、第2凹部37、46の突片722、822は、第3板材72、82を折り返し重ねて形成されており、第2板材71、81及び第3板材72、82は第1の板厚を備え、第1板材70、80は第2の板厚を備えている。
【0024】
上記態様では、突片611と突片622は、同じ第1の板厚からなる板材を折り返し重ねて形成されることから同じ厚さを備え、突片811と突片822は、同じ第1の板厚からなる板材を折り返し重ねて形成されることから同じ厚さを備えており、意匠性が向上される。複数枚の板材からドア枠1を構成する場合に、どのように板厚を異ならしめるかは限定されない。1つの態様では、第1板材及び第2板材の板厚が同じで、第3板材が異なる板厚を有している。1つの態様では、第1板材及び第3板材の板厚が同じで、第2板材が異なる板厚を有している。1つの態様では、第1板材、第2板材、第3板材が全て異なる板厚を有している。第1板材と第2板材が一体形成されている場合には、当該枠は、板厚の異なる2枚の板材から形成されることになる。第2板材と第3板材が一体形成されている場合には、当該枠は、板厚の異なる2枚の板材から形成されることになる。
【0025】
[B-2]制振材
ドア枠1の上枠2、及び、左右の縦枠3、4の面部の内面には制振材Dが設けてある。制振材Dは、各枠の長さ方向(上枠2の左右方向、縦枠3、4の高さ方向)に亘って設けられる。1つの態様では、制振材Dは、各枠の長さ方向に延びる長尺材である。1つの態様では、複数の制振材Dが各枠の長さ方向に亘って設けられる。ドア枠1の内面に振動吸収性を有する制振材Dを直接貼り付けることで、音によるドア枠1の振動を抑制し、ドア枠1を介した音の透過を防止し、ドア枠1の遮音性能を向上させる。具体的な態様では、制振材Dは、第1見付面部と第2見付面部の少なくとも1つの見付面部、及び、第1見込面、第2見込面及び第3見込面の少なくとも1つの見込面、第1下面、第2下面及び第3下面の少なくとも1つの下面に、各面の長さ方向に亘って設けてある。1つの態様では、制振材Dはゴム製である。1つの態様では、前記制振材は耐火性を備えた制振パネルであり、制振パネルとしては、石膏ボードと制振材の複合体が例示される。下枠5の面部の内面に制振材Dを設けてもよい。
【0026】
[B-3]異なる板厚を備えた補強手段
ドア枠1の上枠2は、第1見付面部と、第2見付面部と、開口部に面する下面部と、前記下面部に対向して、前記第1見付面部と前記第2見付面部を接続する補強手段と、を備えており、前記補強手段は、第1側に位置して前記第1見付面部に接続された第1部材63と、第2側に位置して前記第2見付面部に接続された第2部材64と、を接続することで形成されており、第1部材63と第2部材64は異なる板厚を備えている。
【0027】
ドア枠1の縦枠3、4は、第1見付面部と、第2見付面部と、開口部に面する見込面部と、前記見込面部に対向して、前記第1見付面部と前記第2見付面部を接続する補強手段と、を備えており、前記補強手段は、第1側に位置して前記第1見付面部に接続された第1部材73、83と、第2側に位置して前記第2見付面部に接続された第2部材74、84と、を接続することで形成されており、第1部材73、83と第2部材74、84は異なる板厚を備えている。
【0028】
ドア枠1の上枠2、左右の縦枠3、4をそれぞれ躯体に連結する補強手段を、異なる板厚の鋼板からなる2部材を接続して構成することで、補強手段を構成する第1部材と第2部材の固有振動数を変化させて、補強手段の共振による音の透過を防止し、ドア枠1の遮音性能を向上させる。
【0029】
より具体的には、異なる板厚を備えた補強手段は、ドア枠1の少なくとも上枠2及び左右の縦枠3、4に設けてある。補強手段は、ドア枠1を躯体に連結するアンカーとして機能する。1つの態様では、第1部材63、73、83及び第2部材64、74、84は、ドア枠1の各枠2、3、4の長さ方向に延びている。1つの態様では、第1部材63、73、83は、前記第1見付面部に接続された第1見込辺630、730、830と、第1見付辺631、731、831と、から断面視L形状を備えており、第2部材64、74、84は、前記第2見付面部に接続された第2見込辺640、740、840と、第2見付辺641、741、841と、から断面視L形状を備えており、第1見付辺631、731、831と第2見付辺641、741、841が接続されており、第1見付辺631、731、831が前記見込面部に接続されている。なお、第2見付辺641、741、841が前記見込面部に接続するものでもよい。
【0030】
補強手段を構成する第1部材及び第2部材がドア枠1の各枠の長さ方向に延びる板状要素の場合には、枠内空間が第1見付辺631、731、831によって容積の異なる2つの空間に仕切られ、各空間には吸音材としてのグラスウールGWが充填されている。補強手段を構成する第1部材及び第2部材は、各枠の長さ方向に間隔を存して設けた複数の帯状片であってもよい。
【0031】
[C]扉体
扉体9は、戸尻側部位がヒンジHによって、ドア枠1の戸尻側縦枠4に回動可能に取り付けられている。ドア枠1の戸尻側縦枠4内には、ヒンジHが固定される部位に位置して補強材としての裏板49が設けられる(図8図38参照)。裏板49は、戸尻側縦枠4の高さに亘って設けてもよく、あるいは、ヒンジHに対応する複数箇所(例えば3箇所)においてのみ設けてもよい。後者の場合には、各裏板49間の空間に吸音材(グラスウールGW等)が充填される。図38に示す態様では、裏板49を囲むように制振材Dが設けてある。また、扉体9の戸尻側部位においても、ヒンジHが固定される部位に位置して補強材としての裏板99が設けられる(図3図38図41参照)。裏板99は、扉体9の高さに亘って設けてもよく、あるいは、ヒンジHに対応する複数箇所(例えば3箇所)においてのみ設けてもよい。後者の場合には、各裏板99間の空間に吸音材(ロックウールRW等)が充填される。図3に示す態様では、裏板99を囲むように制振材Dが設けてある。図10図12図19図21図29図31図40図42に示すように、扉体9は、第1見付面90と、第1見付面90よりも幅狭で低背の第2見付面91と、第1見付面側の第1上面92と、第2見付面側の第2上面93と、第1見付面90の幅方向両端の左右の第1見込面94と、第2見付面91の幅方向両端の左右の第2見込面95と、第1上面92と第2上面93を結ぶように延びる上側の中間見付面96と、第1見込面94と第2見込面95を結ぶように延びる左右の中間見付面97、98と、を備えている。扉体9は、第1側の幅広・高背の第1部位9Aと、第2側の幅狭・低背の第2部位9Bと、から構成されている。なお、図42に示すように、両開き扉の一方の扉体(第2扉体9´)は、戸先側の中間見付面97を備えていない点に留意されたい。
【0032】
[C-1]異なる板厚を備えた扉体
本実施形態では、扉体9の表面材を、板厚の異なる複数枚の鋼板から構成することで、扉体9の表面材を介した音波の振動の共振を抑制し、扉体9の遮音性能を向上させる。扉体9において、第1見付面90、第2見付面91、中間見付面96、97、98の少なくとも2つの板厚が異なる。より具体的には、第1見付面90を形成する板材、第2見付面91を形成する板材、中間見付面96、97、98を形成する板材の少なくとも2つの板厚が異なる。図10図12図19図21図29図31図40図42において、第2見付面91が肉厚の板材から形成されており、肉厚の板材を黒塗りで示す。
【0033】
第1実施形態(図10図12)及び第4実施形態(図40図42)では、第1見付面90と、第1上面92と、左右の第1見込面94と、上側の中間見付面96と、左右の中間見付面97、98と、を含む表面材(第1板材14と第2板材15)が第1の板厚を備え、第2見付面91と、第2上面93と、左右の第2見込面95と、を含む表面材(第3板材16と第4板材17)が第1の板厚と異なる第2の板厚を備えている。さらに、扉体9は、第1見付面90と第2見付面91の間に位置する中間面部(第2板材15の見付面部150)を備え、前記中間面部の幅方向両端部位が前記左右の中間見付面を形成しており、前記中間面部の上端部が前記上側の中間見付面を形成しており、前記中間面部が前記第1の板厚を備えている。なお、第4実施形態において、両開き扉の一方の扉体(第2扉体9´)は、戸先側の中間見付面97を備えていない点に留意されたい。
【0034】
第2実施形態(図19図21)では、第1見付面90と、第1上面92と、左右の第1見込面94と、上側の中間見付面96と、左右の中間見付面97、98と、を含む表面材(第1板材14´)が第1の板厚を備え、第2見付面91と、第2上面93と、左右の第2見込面95と、を含む表面材(第2板材15´)が第1の板厚と異なる第2の板厚を備えている。
【0035】
第3実施形態(図29図31)では、第1見付面90と、第1上面92と、左右の第1見込面94と、上側の中間見付面96と、左右の中間見付面97、98と、第2見付面91と、左右の第2見込面95と、を含む表面材(第1板材14´、第2板材15´、第3板材16´)が第1の板厚を備え、第2見付面91を含む表面材(第4板材17´)が第1の板厚と異なる第2の板厚を備えている。さらに、扉体9は、第1見付面90と第2見付面91の間に位置する中間面部(第2板材15´の見付面部150´)を備え、前記中間面部の幅方向両端部位が左右の中間見付面97、98を形成しており、前記中間面部の上端部が上側の中間見付面96を形成しており、前記中間面部が前記第1の板厚を備えている。
【0036】
[C-2]扉体の吸音材
1つの態様(第2実施形態)では、扉体は1つの内部空間Sを備えており、内部空間Sには、吸音材(本実施形態では、ロックウールRW)が充填されている。1つの態様(第1実施形態、第3実施形態、第4実施形態)では、扉体9は、第1見付面90と第2見付面91の間に位置する中間面部(第2板材15の見付面部150;第2板材15´の見付面部150´)を備え、扉体9の内部空間は、第1見付面90と中間面部の間の第1空間S1と、第2見付面91と中間面部の間の第2空間S2と、からり、第1空間S1及び第2空間S2には吸音材(本実施形態では、ロックウールRW)が充填されている。1つの態様では、第1空間S1の見込寸法と第2空間S2の見込寸法が異なる。第1実施形態、第3実施形態では、第1空間S1の見込寸法は第2空間S2の見込寸法よりも小さい。第4実施形態では、第1空間S1の見込寸法は第2空間S2の見込寸法よりも大きい。
【0037】
[C-3]制振材
扉体9の面部の内面には制振材Dが設けてある。扉体9の内面に振動吸収性を有する制振材を直接貼り付けることで、音による扉体9の振動を抑制し、扉体9を介した音の透過を防止し、扉体9の遮音性能を向上させる。1つの態様では、制振材Dはゴム製である。1つの態様では、制振材D´は耐火性を備えた制振パネルであり、制振パネルとしては、石膏ボードと制振材の複合体が例示される。下枠5の面部の内面に制振材Dを設けてもよい。
【0038】
1つの態様では、制振材Dは、第1見付面90の内面、及び、第2見付面91の内面に設けてある。この制振材Dは、例えば、ゴム製である。1つの態様では、中間面部の面部には、第1空間S1、第2空間S2の少なくとも一方に位置して、制振材D´が設けてある。この制振材D´は、例えば、石膏ボードと制振材の複合体からなる制振パネルである。
【0039】
[C-4]補強材
本実施形態に係る扉体9の内部空間には、扉体9の高さ方向(縦方向)に延びる複数本の補強材18と、扉体9の幅方向(横方向)に延びる複数本の補強材19と、が設けられる。補強材18、19については、図1図9図11(第1実施形態)、図13図18図20(第2実施形態)、図23図28図30(第3実施形態)、図33図34図39図41(第4実施形態)が参照される。1つの態様では、補強材18、19は中骨であり、すなわち、補強材18は中縦骨であり、補強材19は中横骨である。中縦骨、中横骨は、断面視コ字形状ないしL形状であり、片持ちで扉体9の面部に設けられている。補強材(中縦骨、中横骨)が断面視コ字形状を備えている場合に、扉体に取り付けられた補強材の向きは限定されない。
【0040】
扉体9が1つの内部空間Sを備えている場合に、第1見付面90の内面、あるいは/および、第2見付面91の内面に片持ち状に設けられた中縦骨18、中横骨19は、第1見付面90と第2見付面91を架け渡すことがないので、中縦骨18、中横骨19を介して、第1見付面90と第2見付面91間で音が伝搬することが規制される。
【0041】
扉体9が第1空間S1と第2空間S2を備えている場合に、第1見付面90の内面、あるいは/および、中間面部の一方の面に片持ち状に設けられた中縦骨18、中横骨19は、第1見付面90と中間面部を架け渡すことがないので、中縦骨18、中横骨19を介して、第1見付面90と中間面部間で音が伝搬することが規制され、第2見付面91の内面、あるいは/および、中間面部の他方の面に片持ち状に設けられた中縦骨18、中横骨19は、第2見付面91と中間面部を架け渡すことがないので、中縦骨18、中横骨19を介して、第2見付面91と中間面部間で音が伝搬することが規制される。
【0042】
扉体9の内面(中間面部の面部を含む)に設けられる補強材18、補強材19は、互いに異なる形状を備えていことが望ましい。例えば、縦方向に延びる補強材18として、2種類の異形の補強材18A、18Bが用いられ、複数本の補強材18Aからなる第1セットと、複数本の補強材18Bからなる第2セットが扉体9の内面に設けられる。例えば、横方向に延びる補強材19として、2種類の異形の補強材19A、19Bが用いられ、複数本の補強材19Aからなる第1セットと、複数本の補強材19Bからなる第2セットが扉体9の内面に設けられる。本実施形態では、補強材18、補強材19の板厚は、扉体9の表面材である板材の板厚よりも厚い。
【0043】
扉体の内部に設けられる補強材は、中骨に限定されるものではなく、所定厚のフラットバーやフラットプレートでもよい。フラットバーやフラットプレートを扉体の内部に設けることで、扉体の質量を増加させ、質量則に基づいて扉体9の遮音性能を向上させる。1つの態様では、フラットバーないしフラットプレートの厚さは、扉体9の表面材の板厚や中骨の板厚よりも厚い。フラットバーないしフラットプレートは不均等ないし不規則に扉体9の内面に設けられる。フラットバーが用いられる実施形態(第2実施形態)では、フラットバー18Cの板厚は補強材18、補強材19の板厚よりも厚い。
【0044】
図46には、縦方向に延びる補強材として、3本のフラットバー18Cを示している。2本以上のフラットバーが設けられる場合に、扉体の幅方向の一方(戸先側)の端部から第1(戸先側)のフラットバーまでの第1距離W1と、扉体の幅方向の他方(戸尻側)の端部から第2(戸尻側)のフラットバーまでの第2距離W4が異なる。フラットバー間の距離W2、W3は、第1距離W1及び第2距離W4と異なり、3本以上のフラットバーを備えた場合に、各フラットバー間の距離W2、W3は互いに異なる。1本のフラットバーが設けられる場合には、扉体の幅方向中央に対して偏移した位置に設けられる。補強材としてのフラットバーは、扉体9の内面に傾斜状に延びる1本あるいは複数本のフラットバーであってもよい。図47には、補強材として、傾斜状に延びる3本のフラットバー18Cを示している。3本以上の平行状のフラットバーを備えた場合に、各フラットバー間の距離は互いに異なる。複数本の傾斜角度の異なるフラットバーを設けてもよい。
【0045】
[II]第1実施形態
図1図12を参照しつつ、第1実施形態に係る遮音ドアについて説明する。
[A]ドア枠
図1図3に示すように、ドア枠1は、水平に延びる上枠2と、垂直に延びる戸先側縦枠3及び戸尻側縦枠4と、水平に延びる下枠5と、から縦長方形状に形成されている。各枠の構成について、以下に詳細に説明する。
【0046】
[A-1]上枠
[A-1-1]上枠の全体構成
図5に示すように、上枠2は、第1見付面20と、第1見付面20よりも高さ寸法が大きい第2見付面21と、第1側(第1見付面20側)の第1下面22と、第2側(第2見付面21側)の第2下面23と、第1下面22と第2下面23間で延びる中間下面(第3下面)24と、を備えている。中間下面24は、第1下面22よりも低い位置で延び、第2下面23は、中間下面24よりも低い位置で延びており、上枠2の下面部(見込面部)は、第1下面22と、中間下面(第3下面)24と、第2下面23と、から側面視段差形状を備えている。
【0047】
第1下面22の第2側部位と中間下面24の第1側部位は高さ方向に離間対向しており、第1下面22と中間下面24との段差部に第1側に開口して水平状に延びる第1凹部25が形成されている。第1凹部25には、長尺状の気密材27が嵌め込まれている。中間下面24の第2側部位と第2下面23の第1側部位は高さ方向に離間対向しており、中間下面24と第2下面23との段差部に第1側に開口して水平状に延びる第2凹部26が形成されている。第2凹部26には、長尺状の気密材28が嵌め込まれている。
【0048】
[A-1-2]上枠を構成する板材
本実施形態に係る上枠2は、第1板材60、第2板材61、第3板材62から形成されている。第1板材60は第1の板厚を備え、第2板材61及び第3板材62は、第1の板厚よりも薄い第2の板厚を備えている。図4図5において、第1板材60(第1の板厚の部分)を黒塗りで示している。第1板材60、第2板材61、第3板材62はドア枠1の幅寸法に対応する長さを備えた長尺板材であり(各板材及びその部分は開口幅方向に延びている)、以下に述べるように、それぞれ所定形状に折り曲げ形成されている。
【0049】
図5に示すように、第1板材60は、見付辺600と、見付辺600の下端から第2側に水平に延びる下辺601と、下辺601の第2側端から垂下する垂下辺602と、見付辺600の上端から第2側に水平に延びる上辺603と、からなる。
【0050】
図5に示すように、第2板材61は、水平辺610と、水平辺610の第1側を折り返して形成された水平状の突片611と、水平辺610において、突片611の基端(第2端)から垂直に立ち上がる立ち上がり辺612と、水平辺610の第2端から垂下する垂下辺613と、垂下辺613の下端から第2側に延びる水平辺614と、からなる。
【0051】
図5に示すように、第3板材62は、見付辺620と、見付辺620の下端から第1側に水平に延びる下辺621と、下辺621の第1側を折り返して形成された水平状の突片622と、下辺621において、突片622の基端(第2端)から垂直に立ち上がる立ち上がり辺623と、見付辺620の上端から第1側に水平に延びる上辺624と、からなる。
【0052】
第1板材60の見付辺600が上枠2の第1見付面20を形成しており、第1板材60の下辺601が上枠2の第1下面22を形成している。第2板材61の水平辺610が上枠2の中間下面24を形成している。第3板材62の見付辺620が上枠2の第2見付面21を形成しており、第3板材62の下辺621が上枠2の第2下面23を形成している。
【0053】
第1板材60の垂下辺602と第2板材61の立ち上がり辺612が当接しており(図示の態様では、立ち上がり辺612が第1側、垂下辺602が第2側に位置して重なってる)、第1凹部25の底部を形成している。第2板材61の突片611が第1板材60の下辺601の第2側部位の下方に位置して離間対向しており、下辺601の第2側部位と、突片611と、立ち上がり辺612(垂下辺602)と、から第1凹部25が形成されている。
【0054】
第2板材61の垂下辺613と第3板材62の立ち上がり辺623が当接しており(図示の態様では、立ち上がり辺623が第1側、垂下辺613が第2側に位置して重なってる)、第2凹部26の底部を形成している。第3板材62の突片622が第2板材61の水平辺610の第2側部位の下方に位置して離間対向しており、下辺610の第2側部位と、突片622と、立ち上がり辺623(垂下辺613)と、から第2凹部26が形成されている。第2板材61の水平辺614は、第3板材62の下辺621に当接している。
【0055】
[A-1-3]上枠の補強手段
上枠2は、第1見付面20を含む第1見付面部(第1板材60の見付辺600と上辺603を含む)の上端部位と、第2見付面21を含む第2見付面部(第3板材62の見付辺620と上辺624を含む)の上端部位を接続する補強手段を備えている。補強手段は、ドア枠1の上枠2を躯体に連結するアンカーとして機能する。
【0056】
図5に示すように、補強手段は、第1側の第1部材63と、第2側の第2部材64と、からなる。第1部材63は第1の板厚を備え、第2部材64は、第1の板厚よりも厚い第2の板厚を備えている。本実施形態では、第1部材63及び第2部材64は、上枠2の幅方向に延びる長尺板材である。なお、複数本の帯状片から補強手段を形成してもよい。
【0057】
第1部材63は、水平辺630と、水平辺630の第2端から垂下する垂直辺631と、から断面視L形状を備えている。第2部材64は、水平辺640と、水平辺640の第1端から垂下する垂直辺641と、から断面視L形状を備えている。第1部材63の水平辺630の第1側部位が第1板材60の上辺603に当接して接続されており、第2部材64の水平辺640の第2側部位が第3板材62の上辺624に当接して接続されており、第1部材63の垂直辺631と第2部材64の垂直辺641が当接して接続されている。
【0058】
第1部材63の垂直辺631の長さ(垂下寸法)は、第2部材64の垂直辺641の長さ(垂下寸法)よりも長く、第1部材63の垂直辺631の下端部位は、第2凹部26の底部を形成する第1板材60の垂下辺602に当接して接続されている。本実施形態では、上枠2の内部空間は、第1部材63の垂直辺631によって、第1側の第1空間と、第2側の第2空間に区画されており、第2空間の体積は第1空間の体積よりも大きい。第1空間、第2空間には、吸音材として例示するグラスウールGWが充填されている。
【0059】
[A-1-4]上枠の制振材
図5に示すように、上枠2の内部空間において、第1下面22(第1板材60の下辺601)の内面、中間下面24(第2板材61の水平辺610)の内面、第2下面23(第3板材62の下辺621)の内面、第2見付面21(第3板材62の見付辺620)の内面には、板状の制振材Dが設けてある。第2下面23の内面、第2見付面21の内面に設けた2つの制振材Dは、第2下面23の第2端と第2見付面21の下端の隅部において当接している。本実施形態では、制振材Dはゴム製の制振材であるが、制振材の材質は限定されない。制振材Dが設けられる部位は図示の態様に限定されず、例えば、第1見付面20(第1板材60の見付辺600)の内面に制振材を設けてもよい。
【0060】
[A-2]戸先側縦枠
[A-2-1]戸先側縦枠の全体構成
図7に示すように、戸先側縦枠3は、第1見付面30と、第1見付面30よりも見付幅が大きい第2見付面31と、第1側(第1見付面30側)の第1見込面32と、第2側(第2見付面31側)の第2見込面33と、第1見込面32と第2見込面33間に延びる中間見込面(第3見込面)34と、中間見込面34の先端の中間見付面35と、を備えている。中間見込面34は第1見込面32よりも内側(開口部側)に位置し、第2見込面33は中間見込面34よりも内側に位置しており、戸先側縦枠3の見込面部は、第1見込面32と、中間見込面(第3見込面)34と、第2見込面33と、から平面視段差形状を備えている。
【0061】
第1見付面30と中間見付面35は段差状に延びており、第1見込面32の第2側部位には、中間見付面35の外側に隣接して第1側に開口して垂直状に延びる第1凹部36が形成されている。第1凹部36には、長尺状の気密材38が嵌め込まれている。中間見込面34の第2側部位と第2見込面33の第1側部位は開口幅方向に対向することで、中間見込面34と第2見込面33との段差部に第1側に開口して垂直状に延びる第2凹部37が形成されている。第2凹部37には、長尺状の気密材39が嵌め込まれている。
【0062】
[A-2-2]戸先側縦枠を構成する板材
本実施形態に係る戸先側縦枠3は、第1板材70、第2板材71、第3板材72から形成されている。第1板材70は第1の板厚を備え、第2板材71及び第3板材72は、第1の板厚よりも薄い第2の板厚を備えている。図6図7において、第1板材70(第1の板厚の部分)を黒塗りで示している。第1板材70、第2板材71、第3板材72はドア枠1の高さ寸法に対応する長さを備えた長尺板材であり(各板材及びその部分は高さ寸法、すなわち垂直方向に延びている)、以下に述べるように、それぞれ所定形状に折り曲げ形成されている。
【0063】
図7に示すように、第1板材70は、見付辺700と、見付辺700の内側端から第2側に延びる見込辺701と、見込辺701の第2端から内側に延びる内側見付辺702と、見付辺700の外側端から第2側に延びる外側見込辺703と、からなる。
【0064】
図7に示すように、第2板材71は、見込辺710と、見込辺710の第1側の見付辺711と、見付辺711の外側端から第2側に延びる外側見込辺712と、外側見込辺712の第2端から外側に延びる外側見付辺713と、見込辺710の第2側端から内側に延びる内側見付辺714と、内側見付辺714から第2側に延びる内側見込辺715と、からなる。なお、平面形状である見付辺711に代えて、突片722のような突出形状を採用してもよい。
【0065】
図7に示すように、第3板材72は、見付辺720と、見付辺720の内側端から第1側に延びる見込辺721と、見込辺721の第1側部位を折り返して形成された突片722と、見込辺721において、突片722の基端(第2端)から外側に延びる外側見付辺723と、見付辺720の外端から第1側に延びる外側見込辺724と、からなる。
【0066】
第1板材70の見付辺700が戸先側縦枠3の第1見付面30を形成しており、第1板材70の見込辺701が戸先側縦枠3の第1見込面32を形成している。第2板材71の見込辺710が戸先側縦枠3の中間見込面34を形成している。第3板材72の見付辺720が戸先側縦枠3の第2見付面31を形成しており、第2板材72の見込辺721が戸先側縦枠3の第2見込面33を形成している。
【0067】
第1板材70の内側見付辺702と第2板材71の外側見付辺713が当接しており(図示の態様では、外側見付辺713が第1側、内側見付辺702が第2側に位置して重なってる)、第1凹部36の底部を形成している。第2板材71の外側見込辺712が第1板材70の見込辺701の第2側部位の内側に位置して対向しており、見込辺701の第2側部位と、外側見込辺712と、外側見付辺713(内側見付辺702)から第1凹部36が形成されている。
【0068】
第2板材71の内側見付辺714と第3板材72の外側見付辺723が当接しており(図示の態様では、外側見付辺723が第1側、内側見付辺714が第2側に位置して重なってる)、第2凹部37の底部を形成している。第3板材72の突片722が第2板材71の見込辺710の第2側部位の内側に位置して離間対向しており、見込辺710の第2側部位と、突片722と、外側見付辺723(内側見付辺714)から第2凹部37が形成されている。第2板材71の内側見込辺715は、第3板材72の見込辺721に当接している。
【0069】
[A-2-3]戸先側縦枠の補強手段
戸先側縦枠3は、第1見付面30を含む第1見付面部(第1板材70の見付辺700と外側見込辺703を含む)の外端部位と、第2見付面31を含む第2見付面部(第3板材72の見付辺720と外側見込辺724を含む)の外端部位を接続する補強材を備えている。補強手段は、ドア枠1の戸先側縦枠3を躯体に連結するアンカーとして機能する。
【0070】
図7に示すように、補強手段は、第1側の第1部材73と、第2側の第2部材74と、からなる。第1部材73は第1の板厚を備え、第2部材74は、第1の板厚よりも厚い第2の板厚を備えている。本実施形態では、第1部材73及び第2部材74は、戸先側縦枠3の高さ幅方向に延びる長尺板材である。なお、複数本の帯状片から補強手段を形成してもよい。
【0071】
第1部材73は、見込辺730と、見込辺730の第2側端から見付方向(開口部側)に延びる見付辺731と、から断面視L形状を備えている。第2部材74は、見込辺740と、見込辺740の第1側端から見付方向(開口部側)に延びる見付辺741と、から断面視L形状を備えている。
【0072】
第1部材73の見込辺730の第1側端部が第1板材70の外側見込辺703に当接して接続されており、第2部材74の見込辺740の第2側端部が第3板材72の外側見込辺724に当接して接続されており、第1部材73の見付辺731と第2部材74の見付辺741が当接して接続されている。
【0073】
第1部材73の見付辺731の長さ(見付寸法)は、第2部材74の見付辺741の長さ(見付寸法)よりも長く、第1部材73の見付辺731の先端部位は、第1凹部36の底部を形成する第1板材70の内側見付辺702に当接して接続されている。本実施形態では、戸先側縦枠3の内部空間は、第1部材73の見付辺731によって、第1側の第1空間と、第2側の第2空間に区画されており、第2空間の体積は第1空間の体積よりも大きい。第1空間、第2空間には、吸音材として例示するグラスウールGWが充填されている。
【0074】
[A-2-4]戸先側縦枠の制振材
図7に示すように、戸先側縦枠3の内部空間において、第1見込面32(第1板材70の見込辺701)の内面、中間見込面34(第2板材71の見込辺710)の内面、第2見込面33(第3板材72の見込辺721)の内面、第2見付面31(第3板材72の見付辺720)の内面には、板状の制振材Dが設けてある。第2見込面33の内面、第2見付面31の内面に設けた2つの制振材Dは、第2見込面33の第2端と第2見付面31の内端の隅部において当接している。本実施形態では、制振材Dはゴム製の制振材であるが、制振材の材質は限定されない。制振材Dが設けられる部位は図示の態様に限定されず、例えば、第1見付面30(第1板材70の見付辺700)の内面に制振材を設けてもよい。図45は、戸先側縦枠3の変形例を示しており、第1見付面30の幅寸法と第2見付面31の幅寸法が略同じであり、第1見付面30(第1板材70の見付辺700)の内面にも制振材Dが設けてある。この変形例は、戸尻側縦枠4、上枠2に適用することが可能である。
【0075】
[A-3]戸尻側縦枠
[A-3-1]戸尻側縦枠の全体構成
図8に示すように、戸尻側縦枠4は、第1見付面40と、第1見付面40よりも見付幅が大きい第2見付面41と、第1側(第1見付面40側)の第1見込面42と、第2側(第2見付面41側)の第2見込面43と、第1見込面42と第2見込面43間に延びる中間見込面(第3見込面)44と、を備えている。中間見込面44は第1見込面42よりも内側(開口部側)に位置し、第2見込面43は中間見込面44よりも内側に位置しており、戸尻側縦枠4の見込面部は、第1見込面42と、中間見込面(第3見込面)44と、第2見込面43と、から平面視段差形状を備えている。
【0076】
第1見込面42の第2側部位と中間見込面44の第1側部位は開口幅方向に対向することで、第1見込面42と中間見込面44との段差部に第1側に開口して垂直状に延びる第1凹部45が形成されている。第1凹部45には、長尺状の気密材47が嵌め込まれている。中間見込面44の第2側部位と第2見込面43の第1側部位は開口幅方向に対向することで、中間見込面44と第2見込面43との段差部に第1側に開口して垂直状に延びる第2凹部46が形成されている。第2凹部46には、長尺状の気密材48が嵌め込まれている。
【0077】
[A-3-2]戸尻側縦枠を構成する板材
本実施形態に係る縦枠4は、第1板材80、第2板材81、第3板材82から形成されている。第1板材80は第1の板厚を備え、第2板材81及び第3板材82は、第1の板厚よりも薄い第2の板厚を備えている。第1板材80、第2板材81、第3板材82はドア枠1の高さ寸法に対応する長さを備えた長尺板材であり、以下に述べるように、それぞれ所定形状に折り曲げ形成されている。
【0078】
図8に示すように、第1板材80は、見付辺800と、見付辺800の内側端から第2側に延びる見込辺801と、見込辺801の第2側端部から内側に延びる垂直状の内側見付辺802と、見付辺800の外側端から第2側に延びる外側見込辺803と、からなる。
【0079】
図8に示すように、第2板材81は、見込辺810と、見込辺810の第1側部位を折り返して突片811を形成し、見込辺810において、突片811の基端(第2端)から外側に延びる外側見付辺812と、見込辺810の第2側端から内側に延びる内側見付辺813と、内側見付辺813から第2側に延びる内側見込辺814と、からなる。
【0080】
図8に示すように、第3板材82は、見付辺820と、見付辺820の内側端から第1側に延びる見込辺821と、見込辺821の第1側部位を折り返して突片822を形成し、見込辺821において、突片822の基端(第2端)から外側に延びる外側見付辺823と、見付辺820の外端から第1側に延びる垂直状の外側見込辺824と、からなる。
【0081】
第1板材80の見付辺800が第1見付面40を形成しており、第1板材80の見込辺801が第1見込面42を形成している。第2板材81の見込辺810が中間見込面44を形成している。第3板材82の見付辺820が第2見付面41を形成しており、第3板材82の見込辺821が第2見込面43を形成している。
【0082】
第1板材80の内側見付辺802と第2板材81の外側見付辺812が当接しており(図示の態様では、外側見付辺812が第1側、内側見付辺802が第2側に位置して重なってる)、第1凹部45の底部を形成している。第2板材81の突片811が第1板材80の見込辺801の第2側部位の内側に位置して対向しており、見込辺801の第2側部位と、突片811と、外側見付辺812(内側見付辺802)から第1凹部45が形成されている。第2板材81の内側見付辺813と第3板材82の外側見付辺823が当接しており(図示の態様では、外側見付辺823が第1側、内側見付辺813が第2側に位置して重なってる)、第2凹部46の底部を形成している。
【0083】
第3板材82のと突片822が第2板材81の見込辺810の第2側部位の内側に位置して対向しており、見込辺810の第2側部位と、突片822と、外側見付辺823(内側見付辺813)から第2凹部46が形成されている。第2板材81の内側見込辺814は、第3板材82の見込辺821に当接している。
【0084】
[A-3-3]戸尻側縦枠の補強手段
戸尻側縦枠4は、第1見付面40を含む第1見付面部(第1板材80の見付辺800と外側見込辺803を含む)の外端部位と、第2見付面41を含む第2見付面部(第3板材82の見付辺820と外側見込辺824を含む)の外端部位を接続する補強手段を備えている。補強手段は、ドア枠1の戸尻側縦枠4を躯体に連結するアンカーとして機能する。
【0085】
図8に示すように、補強手段は、第1側の第1部材83と、第2側の第2部材84と、からなる。第1部材83は第1の板厚を備え、第2部材84は、第1の板厚よりも厚い第2の板厚を備えている。本実施形態では、第1部材83及び第2部材84は、戸尻側縦枠4の高さ方向に延びる長尺板材である。なお、複数本の帯状片から補強手段を形成してもよい。
【0086】
第1部材83は、見込辺830と、見込辺830の第2側端から見付方向(開口部側)に延びる見付辺831と、から断面視L形状を備えている。第2部材84は、見込辺840と、見込辺840の第1側端から見付方向(開口部側)に延びる見付辺841と、から断面視L形状を備えている。
【0087】
第1部材83の見込辺830の第1側端部が第1板材80の外側見込辺803に当接して接続されており、第2部材84の見込辺840の第2側端部が第3板材82の外側見込辺824に当接して接続されており、第1部材83の見付辺831と第2部材84の見付辺841が当接して接続されている。
【0088】
第1部材83の見付辺831の長さ(見付寸法)は、第2部材84の見付辺841の長さ(見付寸法)よりも長く、第1部材83の見付辺831の先端部位は、第1凹部45の底部を形成する第1板材80の内側見付辺802に当接して接続されている。本実施形態では、戸尻側縦枠4の内部空間は、第1部材83の見付辺831によって、第1側の第1空間と、第2側の第2空間に区画されており、第2空間の体積は第1空間の体積よりも大きい。第1空間、第2空間には、吸音材として例示するグラスウールGWが充填されている。
【0089】
[A-3-4]戸尻側縦枠の制振材
図8に示すように、戸先側縦枠3の内部空間において、第1見込面42(第1板材80の見込辺801)の内面、中間見込面44(第2板材81の見込辺810)の内面、第2見込面43(第3板材82の見込辺821)の内面、第2見付面41(第3板材82の見付辺820)の内面には、板状の制振材Dが設けてある。第2見込面43の内面、第2見付面41の内面に設けた2つの制振材Dは、第2見込面43の第2端と第2見付面41の内端の隅部において当接している。本実施形態では、制振材Dはゴム製の制振材であるが、制振材の材質は限定されない。制振材Dが設けられる部位は図示の態様に限定されず、例えば、第1見付面40(第1板材80の見付辺800)の内面に制振材を設けてもよい。
【0090】
[A-4]下枠
図2に示すように、下枠5は、第1見付面50と、第2見付面51と、上面52と、から形成されており、内部空間には吸音材としてのグラスウールGWが充填されている。なお、下枠の構成を、上枠2と類似の構成(2段の気密構造等)としてもよい。この場合、扉体9の下端部の形状も変更されることが当業者に理解される。
【0091】
[B]扉体
[B-1]扉体の形状
図10図12に示すように、扉体9は、第1見付面90と、第1見付面90よりも幅狭で低背の第2見付面91と、第1見付面90の上端から第2側に延びる第1上面92と、第2見付面91の上端から第1側に延びる第2上面93と、第1見付面90の幅方向両端から第2側に延びる左右の第1見込面94、94と、第2見付面91の幅方向両端から第1側に延びる左右の第2見込面95、95と、第1上面92の第2端と第2上面93の第1端の間で高さ方向に延びる上側中間見付面96と、戸先側の第1見込面94の第2端と第2見込面95の第1端との間で見付方向に延びる戸先側中間見付面97と、戸尻側の第1見込面94の第2端と第2見込面95の第1端との間で見付方向に延びる戸尻側中間見付面98と、を備えている。
【0092】
[B-2]扉体のフレーム
本実施形態に係る扉体9のフレーム(骨材)は、第1上フレーム10A、第2上フレーム10B、第1戸先側縦フレーム11A、第2戸先側縦フレーム11B、第1戸尻側縦フレーム12A、第2戸尻側縦フレーム12B、第1下フレーム13A、第2下フレーム13Bと、から形成されている。第1上フレーム10A、第1戸先側縦フレーム11A、第1戸尻側縦フレーム12A、第1下フレーム13Aと、から形成された第1側の四周枠フレームと、第2上フレーム10B、第2戸先側縦フレーム11B、第2戸尻側縦フレーム12B、第2下フレーム13Bと、から形成された第2側の四周枠フレームと、からなる。
【0093】
第1上フレーム10A、第2上フレーム10Bは、上辺と、上辺の第1端から垂下する第1見付辺と、上辺の第2端から垂下する第2見付辺と、から断面視略コ字形状に形成されている。第1戸先側縦フレーム11A、第2戸先側縦フレーム11B、第1戸尻側縦フレーム12A、第2戸尻側縦フレーム12Bは、見込辺と、見込辺の第1端から見付方向に延びる第1見付辺と、見込辺の第2端から見付方向に延びる第2見付辺と、から断面視略コ字形状に形成されている。
【0094】
第1下フレーム13Aは、第1見付辺130と、上辺132と、を備え、後述する第2板材15の見付面部150の下端部位と共に第1側の第1凹部136が形成されている。第1凹部136には、第1気密部材138が設けてある。第2下フレーム13Bは、第2見付辺131と、上辺133と、中間見付辺134と、下辺135と、を備え、第2見付辺131と、上辺133と、中間見付辺134とから第2側の第2凹部137が形成されている。第2凹部137には、第2気密部材139が設けてある。第2下フレーム13Bの下辺135は扉体9の下端面を形成しており、第1気密部材138の下端は、扉体9の下端面よりも下方に突出しており、第2気密部材139は、扉体開放姿勢時の上方の第1の位置(下端面よりも上側)と、扉体閉鎖時の下方の第2の位置(下端面よりも下側)との間で扉体の開閉に連動して上下動可能となっている。第2気密部材139は、開口部全閉時には、扉体9の下端面もよりも下方に突出するようになっており、開口部全閉時には、第1気密部材138の下端が下枠5の上面52の第1側の傾斜面に密着し、第2気密部材139の下端が下枠5の上面52の中央の水平面に密着するようになっている。本実施形態では、第2気密部材139の長さ方向の左右端部は、扉体9の第2見込面95から突出してドア枠1の縦枠の見込面(戸先側縦枠3であれば、中間見込面34)に当接するようになっている(図6参照)。第1気密部材138の高さ位置は、下枠5の上面52の第1側の傾斜面に合わせて調整可能となっている。第1気密部材138の下端は、当該傾斜面に接触するようにしたことで、扉体の開閉に影響を与えることがない。ドア装置の下端部位の構成は、第1実施形態~第4実施形態で実質的に共通であり、第1実施形態に係る記載を援用することができる。
【0095】
扉体9は、第1上フレーム10A、第2上フレーム10B、第1戸先側縦フレーム11A、第2戸先側縦フレーム11B、第1戸尻側縦フレーム12A、第2戸尻側縦フレーム12B、第1下フレーム13A、第2下フレーム13Bに所定の板材(第1板材14、第2板材15、第3板材16、第4板材17)を貼り付けることで組立られる。
【0096】
[B-3]扉体を構成する板材
図10図12に示すように、第1板材14は、見付面部140と、見付面部140の上端から第2側へ延びる上辺141と、見付面部140の幅方向一方(戸先側)から第2側へ延びる戸先側見込辺142と、他方(戸尻側)から第2側へ延びる戸尻側見込辺143と、から平面視略コ字形状かつ断面視L形状に形成されている。第2板材15は、見付面部150と、見付面部150の上端の上辺151と、見付面部150の幅方向一方(戸先側)から第1側へ延びる戸先側見込辺152と、他方(戸尻側)から第1側へ延びる戸尻側見込辺153と、から平面視略コ字形状かつ断面視L形状に形成されている。第1板材14及び第2板材15を、第1上フレーム10A、第1戸先側縦フレーム11A、第1戸尻側縦フレーム12A、第1下フレーム13Aからなる第1四周枠に貼り付けることで、扉体9の第1部位9Aを形成する。
【0097】
第1板材14の見付面部140が扉体9の第1見付面90を形成しており、第1板材14の上辺141と第2板材15の上辺151が扉体9の第1上面92を形成している。第1板材14の戸先側見込辺142と第2板材15の戸先側見込辺152が扉体9の一方(戸先側)の第1見込面94を形成しており、第1板材14の戸尻側見込辺143と第2板材15の戸尻側見込辺153が扉体9の他方(戸尻側)の第1見込面94を形成している。第2板材15の見付面部150の上端部位が扉体9の上側中間見付面96を形成し、戸先側部位が扉体9の中間見付面97を形成し、戸尻側部位が扉体9の中間見付面98を形成している。
【0098】
図10図12に示すように、第3板材16は、上側見付辺160と、戸先側見付辺161、戸尻側見付辺162と、からなる三方の見付辺と、上辺163、戸先側見込辺164、戸尻側見込辺165と、からなる三方の見込辺と、から平面視及び断面視略L形状に形成されている。第4板材17は、見付面部170と、見付面部170の上端から第1側へ延びる上辺171と、見付面部170の幅方向一方(戸先側)から第1側へ延びる戸先側見込辺172と、他方(戸尻側)から第1側へ延びる戸尻側見込辺173と、から平面視略コ字形状かつ断面視L形状に形成されている。第3板材16及び第4板材17を、第2上フレーム10B、第2戸先側縦フレーム11B、第2戸尻側縦フレーム12B、第2下フレーム13Bからなる第1四周枠に貼り付けることで、扉体9Bの第2部位を形成する。第3板材16は、上側見付辺160と、戸先側見付辺161、戸尻側見付辺162は、第2板材15の見付面部150に当接して接続される。
【0099】
第4板材17の見付面部170が扉体9の第2見付面91を形成しており、第3板材16の上辺163と第4板材17の上辺171が扉体9の第2上面93を形成している。第3板材16の戸先側見込辺164と第4板材17の戸先側見込辺172が扉体9の一方(戸先側)の第2見込面95を形成しており、第3板材16の戸尻側見込辺165と第4板材17の戸尻側見込辺173が扉体9の他方(戸尻側)の第2見込面95を形成している。
【0100】
本実施形態に係る扉体9の内部空間は、中間面部(第2板材15の見付面部150)によって屋内外方向に仕切られており、第1見付面90と、中間面部(第2板材15の見付面部150)と、第1上面92と、左右の第1見込面94、第1下フレーム13Aによって囲まれた第1空間S1と、第2見付面91と、中間面部(第2板材15の見付面部150)と、第2上面93と、左右の第2見込面95、第2下フレーム13Bによって囲まれた第2空間S2と、を備えている。図示の態様では、第1空間S1の見込寸法は、第2空間S2の見込寸法よりも小さい。
【0101】
[B-4]扉体の吸音材及び制振材
扉体9の第1空間S1にはロックウールRWが充填されており、第2空間S2にはロックウールRWが充填されている。図9図11に示すように、扉体9の第1見付面90(第1板材14の見付面部140)の内面には、制振材Dが設けてあり、扉体9の第2見付面91(第4板材17の見付面部170)の内面には、制振材Dが設けてある。本実施形態では、制振材Dはゴム製の制振材であるが、制振材の材質は限定されない。
【0102】
[B-5]補強材
本実施形態に係る扉体9の内部空間には、扉体9の高さ方向(縦方向)に延びる複数本の補強材18と、扉体9の幅方向(横方向)に延びる複数本の補強材19と、を備えている。主として図1図9図11を参照して、補強材18、19について説明する。
【0103】
[B-5-1]縦方向に延びる補強材
縦方向に延びる補強材18は、複数本の中縦骨18であり、各中縦骨18は、見込辺180と、第1見付辺181と、第2見付辺182と、から断面視コ字形状を備えている。本実施形態では、中縦骨18は、扉体9の第2空間S2に位置して、扉体9の幅方向に間隔を存して、第1見付辺181を第2板材15の見付面部150に固定することで片持ち状に設けられている。中縦骨18の第2見付辺182と第4板材17の見付面部170の内面は離間している。なお、中縦骨18を、第1見付辺181を第2板材15の見付面部150に離間させた状態で、第2見付辺182を第4板材17の見付面部170に取り付けるようにしてもよい。
【0104】
[B-5-2]横方向に延びる補強材
横方向に延びる補強材19は、複数本の第1中横骨19Aと、複数本の第2中横骨19Bと、からなる。第1中横骨19Aと第2中横骨19Bは形状(見込寸法、見付寸法)が異なる。第1中横骨19Aは、見込辺190と、第1見付辺191と、第2見付辺192と、から断面視コ字形状を備え、第1空間S1に位置して、第2見付辺192を第2板材15の見付面部150に固定することで片持ち状に設けられている。補強材19Aの第1見付辺191と第1板材14の見付面部140の内面は離間している。第1中横骨19Aは第1空間S1において、扉体9の略全幅に水平に延びている。図示の態様では、3本の第1中横骨19Aが、扉体9の高さ方向に間隔を存して設けてある。なお、第1中横骨19Aを、第2見付辺192を第2板材15の見付面部150に離間させた状態で、第1見付辺191を第1板材14の見付面部140に取り付けるようにしてもよい。
【0105】
第2中横骨19Bは、見込辺190と、第1見付辺191と、第2見付辺192と、から断面視コ字形状を備え、第2空間S2に位置して、第1見付辺191を第2板材15の見付面部150に固定することで片持ち状に設けられている。第2中横骨19の第2見付辺192と第4板材17の見付面部170の内面は離間している。第2中横骨19Bは、隣接する中縦骨18間の間隔よりも短い短尺部材であり、第1空間S1の各中縦骨間空間に高さ方向に離間して設けられる。図示の態様では、第2中横骨19Bは、扉体9の幅方向の中縦骨間空間に1つ置きに設けてあるが、全ての中縦骨間空間に配置してもよい。図示の態様では、各中縦骨空間に設けた第2中横骨19Bは同じ高さ位置に設けてあるが、隣り合う第2中横骨19Bの高さ位置を異ならしめてもよい。補強材を不規則に配置することで、音波による鋼板(扉体9を形成する板材)の振動を抑制する。なお、第2中横骨19Bを、第1見付辺191を第2板材15の見付面部150に離間させた状態で、第2見付辺192を第4板材17の見付面部170に取り付けるようにしてもよい。また、中縦骨18、第2中横骨19Bを第1空間S1に位置させ、第1中横骨19Aを第2空間S2に位置させてもよい。
【0106】
[III]第2実施形態
図13図22を参照しつつ、第2実施形態に係る遮音ドアについて説明する。
[A]ドア枠
図13図15に示すように、ドア枠1は、水平に延びる上枠2と、垂直に延びる戸先側縦枠3及び戸尻側縦枠4と、水平に延びる下枠5と、から縦長方形状に形成されている。第2実施形態に係るドア枠の構成は、第1実施形態に係るドア枠の構成と実質的に同じであり、第1実施形態に係る説明を援用することができる。
【0107】
[B]扉体
[B-1]扉体の形状
図19図21に示すように、扉体9は、第1見付面90と、第1見付面90よりも幅狭で低背の第2見付面91と、第1見付面90の上端から第2側に延びる第1上面92と、第2見付面91の上端から第1側に延びる第2上面93と、第1見付面90の幅方向両端から第2側に延びる左右の第1見込面94、94と、第2見付面91の幅方向両端から第1側に延びる左右の第2見込面95、95と、第1上面92と第2上面93間で高さ方向に延びる上側中間見付面96と、戸先側の第1見込面94と第2見込面95との間で見付方向に延びる戸先側中間見付面97と、戸尻側の第1見込面94と第2見込面95との間で見付方向に延びる戸尻側中間見付面98となっている。第2実施形態に係る扉体9は、内部空間が1つの空間Sである点において、第1実施形態に係る扉体9の構成(第1空間S1と第2空間S2を備えている)と異なる。また、第2実施形態に係る扉体9はガラス窓部を備えている点において第1実施形態に係る扉体9と異なる。
【0108】
[B-2]扉体のフレーム
図19図21に示すように、本実施形態に係る扉体9は、上フレーム10、戸先側縦フレーム11、戸尻側縦フレーム12、下フレーム13に、所定の板材を貼り付けることで組立られる。上フレーム10は、第1上面100と、第2上面101と、第1見付辺102と、第2見付辺103と、中間見付辺104と、を備えており、断面視において、外側が凸状となっている。戸先側縦フレーム11は、第1見込面110と、第2見込面111と、第1見付辺112と、第2見付辺113と、中間見付辺114と、を備えており、平面視において、外側が凸状となっている。戸尻側縦フレーム12は、第1見込面120と、第2見込面121と、第1見付辺122と、第2見付辺123と、中間見付辺124と、を備えており、平面視において、第1側が凸状となっている。
【0109】
図19に示すように、下フレーム13は、第1下フレーム13Aと、第2下フレーム13Bと、からなる。第1下フレーム13Aは、第1見付辺130と、上辺132と、を備え、第2下フレーム13Bの立ち上がり辺135´と共に第1側の第1凹部136が形成されている。第1凹部136には、第1気密部材138が設けてある。第2下フレーム13Bは、第2見付辺131と、上辺133と、中間見付辺134と、下辺135と、立ち上がり辺135´と、立ち上がり辺135´の上端から第1側へ延びる上辺135´´と、を備え、第2見付辺131と、上辺133と、中間見付辺134とから第2側の第2凹部137が形成されている。第2凹部137には、第2気密部材139が設けてある。第2下フレーム13Bの下辺135は扉体9の下端面を形成しており、第1気密部材138の下端は、扉体9の下端面よりも下方に突出しており、第2気密部材139は、開口部全閉時には、扉体9の下端面もよりも下方に突出するようになっており、開口部全閉時には、第1気密部材138の下端、第2気密部材139の下端が下枠5の上面52に密着するようになっている。図示の態様では、第2下フレーム13Bは第1下フレーム13Aよりも肉厚であり、第1下フレーム13Aの上辺132と第2下フレーム13Bの上辺135´´が重なって接続されている。
【0110】
[B-3]扉体を構成する板材
扉体9の表面材は、第1側の第1板材14´と、第2側の第2板材15´と、からなる。第2板材15´の第2の板厚は、第1板材14´の第1の板厚よりも大きい。図19図21において、第2板材15´(第2の板厚の部分)を黒塗りで示している。第1板材14´は、第1見付面部140´と、上辺141´と、戸先側見込辺142´と、戸尻側見込辺143´と、上側見付辺144´と、戸先側見付辺145´と、戸尻側見付辺146´と、からなる。第2板材15´は、第2見付面部150´と、上辺151´と、戸先側見込辺152´と、戸尻側見込辺153´と、からなる。
【0111】
第1板材14´の第1見付面部140´が、扉体9の第1見付面90を形成し、上辺141´が扉体9の第1上面92を形成し、上側見付辺144´が扉体9の上側中間見付面96を形成し、戸先側見込辺142´が扉体9の一方の第1見込面94を形成し、戸尻側見込辺143´が扉体9の他方の第1見込面94を形成し、戸先側見付辺145´が戸先側中間見付面97を形成し、戸尻側見付辺146´が戸尻側中間見付面98を形成する。扉体9の第1見付面90(主として第1板材14´の第1見付面部140´)の内面に制振材Dが取り付けてある。
【0112】
第2板材15´の第2見付面部150´が扉体9の第2見付面91を形成し、上辺151´が第2上面93を形成し、戸先側見込辺152´が一方の第2見込面95を形成し、戸尻側見込辺153´が他方の第2見込面95を形成する。第2板材15´の第2見付面91(主として第2見付面部150´)の内面に制振材Dが取り付けてある。
【0113】
[B-4]ガラス窓部
第2実施形態に係る扉体9はガラス窓部を備えている。図22に示すように、ガラス窓部は、第1側の第1ガラスパネルGと、第2側の第2ガラスパネルGと、を備えており、第1ガラスパネルGと、第2ガラスパネルGは、扉体の見込方向に離間対向している。ガラス窓部に対応して第1板材14´の第1見付面部140´には切り欠き部が形成されており、切り欠き部には、第1ガラスパネルGが嵌め込まれた第1枠体G1が形成されている。ガラス窓部に対応して第2板材15´の第2見付面部150´には切り欠き部が形成されており、切り欠き部には、第2ガラスパネルGが嵌め込まれた第2枠体G2が形成されている。ガラス窓部は、四周状の外側フレームG3によって扉体9の内部空間Sから隔離されている。四周状の外側フレームG3の内側、かつ、第1枠体G1と第2枠体G2の内側見付面の周縁間に位置して、四周状の内側フレームG4が設けてあり、外側フレームG3と内側フレームG4の間には四周状の空間が形成されている。内側フレームG4の第1見付辺、第2見付辺、見込辺は多孔性金属板から形成されており、四周状の空間には吸音材としてのグラスウールGWが充填されている。
【0114】
[B-5]補強材
本実施形態に係る扉体9の内部空間には、扉体9の高さ方向(縦方向)に延びる複数本の補強材18と、扉体9の幅方向(横方向)に延びる複数本の補強材19と、を備えている。補強材18、19については、主として図13図18図20が参照される。
【0115】
[B-5-1]縦方向に延びる補強材
第2実施形態に係る扉体9は、2種類の中縦骨18A、18Bを備えている。中縦骨18Aと中縦骨18Bは異なる形状(見付寸法が異なる、具体的には、中縦骨18Aの第1見付辺181及び第2見付辺182が、中縦骨18Bの第1見付辺181及び第2見付辺182よりも小さい)を備えている。中縦骨18A、18Bは正面から見た時には重なっていないが、側方から見た時に部分的に重なるようになっている。第1中縦骨18Aは、見込辺180と、第1見付辺181と、第2見付辺182と、から断面視コ字形状を備え、扉体9の幅方向に間隔を存して、第1見付辺181を第1板材14´の見付面部140´に固定することで片持ち状に設けられている。第1中縦骨18Aの第2見付辺182と第2板材15´の見付面部150´の内面は離間している。
【0116】
第2中縦骨18Bは、見込辺180と、第1見付辺181と、第2見付辺182と、から断面視コ字形状を備え、扉体9の幅方向に間隔を存して、第2見付辺182を第2板材15´の見付面部150´に固定することで片持ち状に設けられている。第2中縦骨18Bの第1見付辺181と第1板材14´の見付面部140´の内面は離間している。第1中縦骨18Aと第2中縦骨18Bは非接触状態で近接して配置されている。
【0117】
扉体9には、縦方向に延びる補強材18として、さらに、フラットバー18Cが設けてある。フラットバー18Cは、第2板材15´の見付面部150´の内面に固定されている。図示の態様では、2本のフラットバー18Cが設けてある。図13に示すように、扉体の幅方向の一方(戸先側)の端部から第1(戸先側)のフラットバー18Cまでの第1距離と、扉体の幅方向の他方(戸尻側)の端部から第2(戸尻側)のフラットバー18Cまでの第2距離が異なる。補強材を不規則に配置することで、音波による鋼板(扉体9を形成する板材)の振動を抑制する。
【0118】
[B-5-2]横方向に延びる補強材
中横骨19は、見込辺190と、第1見付辺191と、第2見付辺192と、から断面視コ字形状を備え、第1見付辺191を第1板材14´の見付面部140´の内面に固定することで片持ち状に設けられている。第2中横骨19の第2見付辺192と第2板材15´の見付面部150´の内面は離間している。なお、中横骨19を、第1見付辺191を第1板材14´の見付面部140´に離間させた状態で、第2見付辺192を第2板材15´の見付面部150´に取り付けるようにしてもよい。
【0119】
中横骨19は、隣接する中縦骨18(第1中縦骨18Aと第2中縦骨18Bが近接して配置されて中縦骨セットを形成している)間の間隔よりも短い短尺部材であり、各中縦骨間空間に高さ方向に離間して設けられる。本実施形態では、扉体9の幅方向に隣接する中縦骨間空間に設けられた複数の中横骨19は、高さ方向にズレている。なお、図示の態様(図13)では、扉体9の幅方向に1つ置きの各中横骨19の高さが同じとなっているが、扉体9の幅方向に隣接する全ての中横骨19の高さ位置を異ならしめてもよい。補強材を不規則に配置することで、音波による鋼板(扉体9を形成する板材)の振動を抑制する。
【0120】
[IV]第3実施形態
図23図32を参照しつつ、第3実施形態に係る遮音ドアについて説明する。第3実施形態に係る遮音ドアは、防火性能を備えており、耐火性の制振材D´が採用されている。また、開口部全閉時に、ドア枠1と扉体9との隙間に面するように熱膨張耐火部材Fが設けてあり、火災時の熱で熱膨張耐火部材Fが発泡することで当該隙間を塞ぐようになっている。
【0121】
[A]ドア枠
図23図25に示すように、ドア枠1は、水平に延びる上枠2と、垂直に延びる戸先側縦枠3及び戸尻側縦枠4と、水平に延びる下枠5と、から縦長方形状に形成されている。第3実施形態に係るドア枠の構成は、制振材D´の構成、及び、第2側の突辺622、722、822に隣接して見付面を形成する断面視コ字形状の長尺材が設けられ、当該見付面に熱膨張耐火部材Fが貼り付けてある点、戸先側縦枠3の中間見付面35に熱膨張耐火部材Fが貼り付けてある点を除き、第1実施形態に係るドア枠の構成と実質的に同じであり、第1実施形態に係る説明を援用することができる。
【0122】
図26に示すように、上枠2の内部空間において、第1下面22(第1板材60の下辺601)の内面、第1下面22(第1板材60の下辺601)の内面に位置して板状の制振材D´が設けてある。制振材D´は断面視長方形状であり、短辺(垂直辺)が第1見付面20(第1板材60の見付面600)の内面に当接し、長辺(水平辺)が第1下面22(第1板材60の下辺601)の内面に当接している。
【0123】
上枠2の内部空間において、第2下面23(第3板材62の下辺621)の内面、第2見付面21(第3板材62の見付辺620)の内面に位置して板状の制振材D´が設けてある。制振材D´は断面視長方形状であり、短辺(水平辺)が第2下面23(第3板材62の下辺621)の内面に当接し、長辺(垂直辺)が第2見付面21(第3板材62の見付辺620)の内面に当接している。
【0124】
図27に示すように、戸先側縦枠3の内部空間において、第1見付面30(第1板材70の見付辺700)の内面、第1見込面32(第1板材70の見込辺701)の内面に位置して板状の制振材D´が設けてある。制振材D´は平面視長方形状であり、短辺(見付辺)が第1見付面30(第1板材70の見付辺700)の内面に当接し、長辺(見込辺)が第1見込面32(第1板材70の見込701)の内面に当接している。
【0125】
戸先側縦枠3の内部空間において、第2見込面33(第3板材72の見込辺721)の内面、第2見付面31(第3板材72の見付辺720)の内面に位置して板状の制振材D´が設けてある。制振材D´は平面視長方形状であり、短辺(見込辺)が第2見込面33(第3板材72の見込辺721)の内面に当接し、長辺(見付辺)が第2見付面31(第3板材72の見付辺720)の内面に当接している。なお、制振材D´の短辺(見込辺)と第2見込面33(第3板材72の見込辺721)の内面との間に隙間があってもよい。
【0126】
図25(戸尻側縦枠4の詳細な構成については図8を参照することができる)に示すように、戸尻側縦枠4の内部空間において、第1見込面42(第1板材80の見込辺801)の内面に位置して板状の制振材D´が設けてある。制振材D´は平面視長方形状であり、長辺(見込辺)が第1見込面42(第1板材80の見込辺801)の内面に当接しており、短辺(見付辺)が第1部材83の見付辺831に当接ないし近接している。
【0127】
戸尻側縦枠4の内部空間において、第2見込面43(第3板材82の見込辺821)の内面、第2見付面41(第3板材82の見付辺820)の内面に位置して板状の制振材D´が設けてある。制振材D´は平面視長方形状であり、短辺(見込辺)が第2見込面43(第3板材82の見込辺821)の内面に当接し、長辺(見付辺)が第2見付面41(第3板材82の見付辺820)の内面に当接している。なお、制振材D´短辺の(見込辺)と第2見込面43(第3板材82の見込辺821)の内面との間に隙間があってもよい。
【0128】
制振材D´は、耐火性を備えた制振パネルであり、制振パネルとしては、石膏ボードと制振材の複合体が例示される。ドア枠1の内面に振動吸収性を有する制振材D´を直接貼り付けることで、音によるドア枠1の振動を抑制し、ドア枠1を介した音の透過を防止する。
【0129】
[B]扉体
[B-1]扉体の形状
図29図31に示すように、扉体9は、第1見付面90と、第1見付面90よりも幅狭で低背の第2見付面91と、第1見付面90の上端から第2側に延びる第1上面92と、第2見付面91の上端から第1側に延びる第2上面93´と、第1見付面90の幅方向両端から第2側に延びる左右の第1見込面94、94と、第2見付面91の幅方向両端から第1側に延びる左右の第2見込面95´、95´と、第1上面92と第2上面93間で高さ方向に延びる上側中間見付面96と、戸先側の第1見込面94と第2見込面95´との間で見付方向に延びる戸先側中間見付面97と、戸尻側の第1見込面94と第2見込面95´との間で見付方向に延びる戸尻側中間見付面98となっている。
【0130】
第3実施形態に係る扉体9は、第2上面93´、左右の第2見込面95´が、多孔性金属板(パンチングメタルや金網が例示される)から形成されており、内部に吸音材(グラスウールGWやロックルールRW等)が充填されている点(第1の技術的特徴)において、第1実施形態に係る扉体9の構成と異なる。第3実施形態に係る扉体9は、耐火性の制振材D´を備えている点(第2の技術的特徴)において、第1実施形態に係る扉体9の構成と異なる。第1の技術的特徴と第2の技術的特徴は、互いに独立した技術思想として捉えることができる。よって、第1の技術的態様、第2の技術的態様の一方のみを備えた実施形態もあり得る。また、第3実施形態に係る扉体9はガラス窓部を備えている点において第1実施形態に係る扉体9と異なる。
【0131】
[B-2]扉体のフレーム
図29図31に示すように、本実施形態に係る扉体9のフレーム(骨材)は、第1上フレーム10A、第2上フレーム10B、第1戸先側縦フレーム11A、第2戸先側縦フレーム11B、第1戸尻側縦フレーム12A、第2戸尻側縦フレーム12B、第1下フレーム13A、第2下フレーム13Bと、から形成されている。第1上フレーム10A、第1戸先側縦フレーム11A、第1戸尻側縦フレーム12A、第1下フレーム13Aと、から形成された第1側の四周枠フレームと、第2上フレーム10B、第2戸先側縦フレーム11B、第2戸尻側縦フレーム12B、第2下フレーム13Bと、から形成された第2側の四周枠フレームと、からなる。
【0132】
第1上フレーム10A、第2上フレーム10Bは、上辺と、上辺の第1端から垂下する第1見付辺と、上辺の第2端から垂下する第2見付辺と、から断面視略コ字形状に形成されている。第1戸先側縦フレーム11A、第2戸先側縦フレーム11B、第1戸尻側縦フレーム12A、第2戸尻側縦フレーム12Bは、見込辺と、見込辺の第1端から見付方向に延びる第1見付辺と、見込辺の第2端から見付方向に延びる第2見付辺と、から断面視略コ字形状に形成されている。扉体のフレームの構成は、第1実施形態に係る扉体のフレームと共通しており、第1下フレーム13A、第2下フレーム13Bについては、第1実施形態の記載を援用することができる。
【0133】
扉体9は、第1上フレーム10A、第2上フレーム10B、第1戸先側縦フレーム11A、第2戸先側縦フレーム11B、第1戸尻側縦フレーム12A、第2戸尻側縦フレーム12B、第1下フレーム13A、第2下フレーム13Bに所定の板材(第1板材14´、第2板材15´、第3板材16´、第4板材17´)を取り付けることで組立られる。
【0134】
[B-3]扉体を構成する板材
図29図31に示すように、第1板材14´は、見付面部140´と、見付面部140´の上端の上辺141´と、見付面部140´の幅方向一方の戸先側見込辺142´と、他方の戸尻側見込辺143´と、からなる。第2板材15´は、見付面部150´と、見付面部150´の上端の上辺151´と、見付面部150´の幅方向一方の戸先側見込辺152´と、他方の戸尻側見込辺153´と、からなる。第1板材14´及び第2板材15´を、第1上フレーム10A、第1戸先側縦フレーム11A、第1戸尻側縦フレーム12A、第1下フレーム13Aからなる第1四周枠に貼り付けることで、扉体9の第1部位9Aを形成する。
【0135】
第1板材14´の見付面部140´が扉体9の第1見付面90を形成しており、第1板材14´の上辺141´と第2板材15´の上辺151´が扉体9の第1上面92を形成している。第1板材14´の戸先側見込辺142´と第2板材15´の戸先側見込辺152´が扉体9の一方の第1見込面94を形成しており、第1板材14´の戸尻側見込辺143´と第2板材15´の戸尻側見込辺153´が扉体9の他方の第1見込面94を形成している。第2板材15´の見付面部150´の上端部位が扉体9の上側中間見付面96を形成し戸先側部位が扉体9の中間見付面97を形成し、戸尻側部位が扉体9の中間見付面98を形成している。
【0136】
図26図31に示すように、第3板材16´は、断面視コ字形状の多孔金属板からなり、扉体9の第2部位9Bの上端部、戸先側端部、戸尻側端部に設けられる。三方の第3板材16´と、第4板材17´を、第2四周枠に取り付けることで、扉体9Bの第2部位を形成する。
【0137】
図26図29に示すように、上側に設けられる第3板材16´は、上面160´と、上面160´の第1端から垂下する第1見付辺161´と、上面160´の第2端から垂下する第2見付辺162´と、から断面視コ字形状に形成されている。図27図31に示すように、戸先側、戸尻側にそれぞれ設けられる第3板材16´は、見込面160´と、見込面160´の第1端から見付方向に延びる第1見付辺161´と、見込面160´の第2端から見付方向に延びる第2見付辺162´と、から断面視コ字形状に形成されている。
【0138】
第4板材17´は、見付面部170´と、見付面部170´の上端部位を折り返してなる折り返し部と、見付面部170´の幅方向一方の戸先側部位を折り返してなる折り返し部と、他方の戸先側部位を折り返してなる折り返し部と、からなる。第4板材17´を、第2上フレーム10B、第2戸先側縦フレーム11B、第2戸尻側縦フレーム12B、第2下フレーム13Bの第2側の見付辺に貼り付けた時に、見付面部170´の上端の折り返し部が、第2上フレーム10Bの上方に突出する上側突出部171´を形成し、見付面部170´の戸先側の折り返し部が、第2戸先側縦フレーム11Bの外側に突出する戸先側突出部172´を形成し、見付面部170´の戸尻側の折り返し部が、第2戸尻側縦フレーム12Bの外側に突出する戸尻側突出部173´を形成する。第4板材17´の見付面部170´が扉体9の第2見付面91を形成している。
【0139】
上側の第3板材16´が、第2板材15´の見付面部150´の上方部位と見付面部170´の上側突出部171´との間の空間に設けられる。第3板材16´の第1見付辺161´が第2板材15´の見付面部150´の上方部位に当接し、第2見付辺162´が見付面部170´の上側突出部171´に当接している。第3板材16´の第1見付辺161´の下端が第2上フレーム10Bの上面の第1側に当接し、第2見付辺162´の下端が第2上フレーム10Bの上面の第2側に当接している。第3板材16´の上面160´が、第2上フレーム10Bの上面の上方に離間しており、その間に形成される空間S3に吸音材(例えば、グラスウールGW)が充填される。上側の第3板材16´は、第3板材16´の上面160´を、第2上フレーム10Bの上面に止着部材で固定することで、取り付けられる。
【0140】
戸先側の第3板材16´が、第2板材15´の見付面部150´の戸先側部位と見付面部170´の戸先側突出部172´との間の空間に設けられる。第3板材16´の第1見付辺161´が第2板材15´の見付面部150´の戸先側部位に当接し、第2見付辺162´が見付面部170´の戸先側突出部172´に当接している。第3板材16´の第1見付辺161´の内端が第2戸先側縦フレーム11Bの見込面の第1側に当接し、第2見付辺162´の内端が第2戸先側縦フレーム11Bの見込面の第2側に当接している。第3板材16´の見込面160´が、第2戸先側縦フレーム11Bの見込面の外側に離間しており、その間に形成される空間S4に吸音材(例えば、グラスウールGW)が充填される。戸先側の第3板材16´は、第3板材16´の見込面160´を、第2戸先側縦フレーム11Bの見込面に止着部材で固定することで、取り付けられる。
【0141】
戸尻側の第3板材16´が、第2板材15´の見付面部150´の戸尻側部位と見付面部170´の戸尻側突出部173´との間の空間に設けられる。第3板材16´の第1見付辺161´が第2板材15´の見付面部150´の戸尻側部位に当接し、第2見付辺162´が見付面部170´の戸尻側突出部173´に当接している。第3板材16´の第1見付辺161´の内端が第2戸尻側縦フレーム12Bの見込面の第1側に当接し、第2見付辺162´の内端が第2戸尻側縦フレーム12Bの見込面の第2側に当接している。第3板材16´の見込面160´が、第2戸尻側縦フレーム12Bの見込面の外側に離間しており、その間に形成される空間S5に吸音材(例えば、グラスウールGW)が充填される。戸尻側の第3板材16´は、第3板材16´の見込面160´を、第2戸尻側縦フレーム12Bの見込面に止着部材で固定することで、取り付けられる。
【0142】
本実施形態に係る扉体9の内部空間は、中間面部(第2板材15´の見付面部150´)によって屋内外方向に仕切られており、第1見付面90と、中間面部と、第1上面92と、左右の第1見込面94、第1下フレーム13Aによって囲まれた第1空間S1と、第2見付面91と、中間面部と、第2上フレーム10Bと、第2戸先側縦フレーム11Bと、第2戸尻側縦フレーム12Bと、第2下フレーム13Bによって囲まれた第2空間S2と、を備えている。図示の態様では、第1空間S1の見込寸法は、第2空間S2の見込寸法よりも小さい。第2空間S2の上側、戸先側、戸尻側の三方には、第3板材16´と、第2上フレーム10B、第2戸先側縦フレーム11B、第2戸尻側縦フレーム12Bとの間にそれぞれ位置して空間S3、S4、S5が形成されている。なお、本実施形態では、扉体9の第2部位9Bの上側、戸先側、戸尻側の三方に多孔金属板からなる第3板材16´を設け、第2空間S2の三方に空間S3、S4、S5を形成して吸音材を充填しているが、上側、戸先側、戸尻側の1つあるいは2つの面に多孔金属板からなる第3板材16´を設けたものでもよい。また、第3板材16´を設けることに代えて、あるいは、加えて、扉体9の第1部位9Aの上側、戸先側、戸尻側の三方に多孔金属板からなる板材を設け、第1空間S1の三方に空間を形成して吸音材を充填するようにしてもよい。
【0143】
[B-4]ガラス窓部
第3実施形態に係る扉体9はガラス窓部を備えている。図32に示すように、ガラス窓部は、第1側の第1ガラスパネルGと、第2側の第2ガラスパネルGと、を備えており、第1ガラスパネルGと、第2ガラスパネルGは、扉体の見込方向に離間対向している。ガラス窓部に対応して第1板材14´の第1見付面部140´には切り欠き部が形成されており、切り欠き部には、第1ガラスパネルGが嵌め込まれた第1枠体G1が形成されている。ガラス窓部に対応して第4板材17´の第2見付面部170´には切り欠き部が形成されており、切り欠き部には、第2ガラスパネルGが嵌め込まれた第2枠体G2が形成されている。ガラス窓部に対応して第2板材15´の見付面部150´には切り欠き部が形成されており、見込方向に折り曲げて見込辺154が形成されている。ガラス窓部は、四周状の外側フレームG3及び見込辺154によって扉体9の第1空間S1及び第2空間S2から隔離されている。四周状の外側フレームG3の内側、かつ、第1枠体G1と第2枠体G2の内側見付面の周縁間に位置して、四周状の内側フレームG4が設けてあり、外側フレームG3と内側フレームG4の間には四周状の空間が形成されている。内側フレームG4の第1見付辺、第2見付辺、見込辺は多孔性金属板から形成されており、四周状の空間には吸音材としてのグラスウールGWが充填されている。
【0144】
[B-5]扉体の吸音材及び制振材
扉体9の第1空間S1には吸音材としてのロックウールRWが充填されており、第2空間S2にはロックウールRWが充填されている。空間S3、S4、S5には吸音材としてのグラスウールGWが充填されている。多孔性の第2上面93´の孔部を通して空間S3内に伝搬した音は、空間S3内に充填された吸音材としてのグラスウールGWで吸音され、左右の多孔性の第2見込面95´の孔部を通して空間S4、S5内に伝搬した音は、空間S4、S5内に充填された吸音材としてのグラスウールGWで吸音される。
【0145】
第2板材15´の見付面部150´には、第2空間S2に位置して、制振材D´が設けてある。制振材D´は、耐火性を備えた制振パネルであり、制振パネルとしては、石膏ボードと制振材の複合体が例示される。扉体9の内面に振動吸収性を有する制振材D´を直接貼り付けることで、音による扉体9の振動を抑制し、扉体9を介した音の透過を防止する。制振材D´は、後述する補強材18、19と干渉(扉体9の内部空間に収まるものであれば当接していてもよい)しないように設けられる。
【0146】
開口部全閉時において、第1側が火災側の場合に、扉体9の第1見付面90が加熱されて伸びることで反るが、耐火性を備えた制振材D´を第1空間S1に配置すると、第1見付面90と、中間見付面(第2板材15´の見付面部150´)の温度差が大きくなり、第1見付面90の反りが大きくなるおそれがある。本実施形態では、制振材D´は吸熱性及び耐火性を備えた石膏を含んでおり、吸熱性を備えた制振材D´を第2空間S2に配置することで、扉体9の第1部位9Aが全体で反るようになるため、第1見付面90のみが反る場合に比べて反りが抑制され、抑制された反りの状態で、扉体9の第1部位9Aがドア枠1に当接することで、それ以上の反りが防止され、全閉姿勢の扉体9とドア枠1との間に防火上不利な隙間が形成されることを可及的に防止している。また、扉体9の第2上面93´(上側の第3板材16´の上面)の第1側部位、戸尻側の第2見込面95´の第1側部位、ドア枠1の戸先側縦枠3の中間見付面35、ドア枠1の第2側の突辺622、722、822に隣接する見付面には、枠の長さ方向に延びる熱膨張耐火部材Fが設けてあり、火災時の熱で熱膨張耐火部材Fが発泡することで、扉体9の上面と上枠2の隙間、扉体9の戸先側見込面と戸先側縦枠3の隙間を塞ぐようになっている。
【0147】
[B-6]補強材
本実施形態に係る扉体9の内部空間には、扉体9の高さ方向(縦方向)に延びる複数本の補強材18と、扉体9の幅方向(横方向)に延びる複数本の補強材19と、を備えている。補強材18、19については、主として図23図28図30が参照される。
【0148】
[B-6-1]縦方向に延びる補強材
第3実施形態に係る扉体9は、2種類の中縦骨18A、18Bを備えている。中縦骨18Aと中縦骨18Bは異なる形状(見込寸法、高さ寸法)を備えている。第1中縦骨18Aは、見込辺180と、第1見付辺181と、第2見付辺182と、から断面視コ字形状を備え、第1空間S1において、扉体9の幅方向に間隔を存して、第1見付辺181を第1板材14´の見付面部140´に固定することで片持ち状に設けられている。第1中縦骨18Aの第2見付辺182と第2板材15´の見付面部150´の内面は離間している。なお、中縦骨18Aを、第1見付辺181を第1板材14´の見付面部140´に離間させた状態で、第2見付辺182を第2板材15の´見付面部150´に取り付けるようにしてもよい。
【0149】
第2中縦骨18Bは、見込辺180と、第1見付辺181と、第2見付辺182と、から断面視コ字形状を備え、第2空間S2において、扉体9の幅方向に間隔を存して、第2見付辺182を第4板材17´の見付面部170´に固定することで片持ち状に設けられている。第2中縦骨18Bの第1見付辺181と第2板材15´の見付面部150´の内面は離間している。なお、中縦骨18Bを、第2見付辺182を第4板材17´の見付面部170´に離間させた状態で、第1見付辺181を第2板材15´の見付面部150´に取り付けるようにしてもよい。
【0150】
[B-6-2]横方向に延びる補強材
横方向に延びる補強材19は、複数本の第1中横骨19Aと、複数本の第2中横骨19Bと、からなる。中横骨19Aと中横骨19Bは異なる形状(見込寸法)を備えている。第1中横骨19Aは、見込辺190と、第1見付辺191と、第2見付辺192と、から断面視コ字形状を備え、第1空間S1に位置して、第2見付辺192を第2板材15´の見付面部150´に固定することで片持ち状に設けられている。補強材19Aの第1見付辺191と第1板材14´の見付面部140´の内面は離間している。第1中横骨19Aは、隣接する第1中縦骨18A間の間隔よりも短い短尺部材であり、第1空間S1において、各中縦骨(第1中縦骨18A)間空間に高さ方向に離間して設けられる。各中縦骨空間に設けた第1中横骨19Aは同じ高さ位置に設けてあるが、隣り合う第2中横骨19Bの高さ位置を異ならしめてもよい。補強材を不規則に配置することで、音波による鋼板(扉体9を形成する板材)の振動を抑制する。なお、第1中横骨19Aは、第1空間S1に位置して、第2見付辺192を第1板材14´の見付面部140´に固定し、第2見付辺192と第2板材15´の見付面部150´の内面が離間するようにしてもよい。
【0151】
第2中横骨19Bは、見込辺190と、第1見付辺191と、第2見付辺192と、から断面視コ字形状を備え、第2空間S2に位置して、第1見付辺191を第2板材15´の見付面部150´に固定することで片持ち状に設けられている。第2中横骨19Bの第2見付辺192と第4板材17´の見付面部170´の内面は離間している。第2中横骨19Bは、隣接する第2中縦骨18B間の間隔よりも短い短尺部材であり、第2空間S2において、各中縦骨(第2中縦骨18B)間空間に高さ方向に離間して設けられる。本実施形態では、扉体9の幅方向に隣接する中縦骨間空間に設けられた複数の第2中横骨19Bは、高さ方向にズレている。図示の態様(図23)では、扉体9の幅方向に1つ置きの各第2中横骨19Bの高さが同じとなっているが、扉体9の幅方向に隣接する全ての第2中縦骨18Bの高さ位置を異ならしめてもよい。補強材を不規則に配置することで、音波による鋼板(扉体9を形成する板材)の振動を抑制する。なお、第2中横骨19Bは、第2空間S2に位置して、第2見付辺192を第4板材17´の見付面部170´に固定し、第1見付辺191と第2板材15´の見付面部150´の内面が離間するようにしてもよい。
【0152】
[V]第4実施形態
図33図44を参照しつつ、第4実施形態に係る遮音ドアについて説明する。第4実施形態に係る遮音ドアは、両開き扉である。第4実施形態において、図33では扉体9がガラス窓部を備える態様を示しているが、ガラス窓部を備えない変形例を図34図36図39図41に示している。
【0153】
[A]ドア枠
図33図35に示すように、ドア枠1は、水平に延びる上枠2と、垂直に延びる左右の戸尻側縦枠4と、水平に延びる下枠5と、から方形状に形成されている。第4実施形態に係るドア枠1の上枠2の構成は、第1実施形態に係るドア枠1の上枠2の構成と実質的に同じであり、第1実施形態に係る上枠2の説明を援用することができる。第4実施形態に係るドア枠1の戸尻側縦枠4の構成は、第1実施形態に係るドア枠1の戸尻側縦枠4の構成と実質的に同じであり(枠形状が少し異なると共に、ヒンジHのタイプが異なる点を除いて)、第1実施形態に係る戸尻側縦枠4の説明を援用することができる。
【0154】
[B]扉体
[B-1]扉体の形状
図33図36に示すように、第4実施形態に係る扉体は、開口部の幅方向両端に設けた左右の戸尻側縦枠4にヒンジHを介して回動可能に取り付けられた2枚の第1扉体9、第2扉体9´からなる。開口部全閉時には、第1扉体9の戸先側部位と、第2扉体9´の戸先側部位との間に気密構造が形成される。第2扉体9´の戸先側部位には、平面視段差状に第1気密部材38´、第2気密部材39´が垂直方向に設けてあり、第1扉体9の戸先側部位には、開口部全閉時に、第2扉体9´の第1気密部材38´、第2気密部材39´に当接する段差部が形成されている。開き扉の戸先側の気密構造の構成は公知であり、詳細な説明は省略する。
【0155】
図40に示すように、第1扉体9、第2扉体9´は、第1見付面90と、第1見付面90よりも低背の第2見付面91と、第1見付面90の上端から第2側に延びる第1上面92と、第2見付面91の上端から第1側に延びる第2上面93と、第1上面92の第2端と第2上面93の第1端の間で高さ方向に延びる上側中間見付面96と、を備えており、第1扉体9、第2扉体9´の縦断面形状は、第1実施形態に係る扉体9の縦断面形状(図10)と類似の構成を備えている。
【0156】
図42に示すように、第1扉体9は、第1見付面90と、第1見付面90よりも幅狭の第2見付面91と、第1見付面90の幅方向両端から第2側に延びる左右の第1見込面94、94と、第2見付面91の幅方向両端から第1側に延びる左右の第2見込面95、95と、戸先側の第1見込面94の第2端と第2見込面95の第1端との間で見付方向に延びる戸先側中間見付面97と、戸尻側の第1見込面94の第2端と第2見込面95の第1端との間で見付方向に延びる戸尻側中間見付面98と、を備えており、第1扉体9の横断面形状は、第1実施形態に係る扉体9の横断面形状(図12)と類似の構成(第1見付面90の第1端に見付方向に延びる突片147が形成されている点を除いて)を備えている。
【0157】
図42に示すように、第2扉体9´は、第1見付面90と、第1見付面90よりも幅狭の第2見付面91と、第1見付面90の幅方向戸尻側から第2側に延びる第1戸尻側見込面94と、戸先側から第2側に延びる第1戸先側見込面94と、第2見付面91の幅方向戸尻側から第1側に延びる第2戸尻側見込面95と、戸先側から第1側に延びる第2戸先側見込面95と、第1戸尻側見込面94の第2端と第2戸尻側見込面95の第1端との間で見付方向に延びる戸先側中間見付面97と、を備え、第1戸先側見込面94と第2戸先側見込面95は面一の戸先側見込面を形成している。第1戸先側見込面94の一方(第1見付面90の戸先側)には、開口部全閉時に第1扉体9の突片147を受け入れる段部が形成されている。
【0158】
[B-2]扉体のフレーム及び板材
第1扉体9は、第1上フレーム10A、第2上フレーム10B、第1戸先側縦フレーム11A、第2戸先側縦フレーム11B、第1戸尻側縦フレーム12A、第2戸尻側縦フレーム12B、第1下フレーム13A、第2下フレーム13Bに所定の板材(第1板材14、第2板材15、第3板材16、第4板材17)を貼り付けることで組立られ、基本的には、第1実施形態に係る扉体9のフレーム及び板材の説明を援用することができる。第1扉体9と第1実施形態に係る扉体9とで異なる点は、第1扉体9において、第1板材14から突片147が形成されている点、中間面部(第2板材15の見付面部150)によって屋内外方向に仕切られた第1空間S1と第2空間S2において、第1空間S1の見込寸法は、第2空間S2の見込寸法よりも大きい点、が挙げられる。
【0159】
第2扉体9´は、第1上フレーム10A、第2上フレーム10B、第1戸先側縦フレーム11A、第2戸先側縦フレーム11B、第1戸尻側縦フレーム12A、第2戸尻側縦フレーム12B、第1下フレーム13A、第2下フレーム13Bに所定の板材(第1板材14、第2板材15、第3板材16、第4板材17)を貼り付けることで組立られ、基本的には、第1実施形態に係る扉体9のフレーム及び板材の説明を援用することができる。第2扉体9´と第1実施形態に係る扉体9とで異なる点は、第2扉体9´において、第1戸先側縦フレーム11Aの見込面と第2戸先側縦フレーム11Bの見込面が面一である点、戸先側において、第4板材17の延長部分17´´及び第5板材16´´とで、第1気密部材38´、第2気密部材39´が嵌め込まれる第1凹部、第2凹部を備えた枠部が形成されている点、第1板材14から段部が形成されている点、中間面部(第2板材15の見付面部150)によって屋内外方向に仕切られた第1空間S1と第2空間S2において、第1空間S1の見込寸法は、第2空間S2の見込寸法よりも大きい点、が挙げられる。
【0160】
[B-3]ガラス窓部
第4実施形態に係る第1扉体9、第2扉体9´はガラス窓部を備えていてもよい(図33)。図43図44に示すように、ガラス窓部は、第1側の第1ガラスパネルGと、第2側の第2ガラスパネルGと、を備えており、第1ガラスパネルGと、第2ガラスパネルGは、扉体の見込方向に離間対向している。ガラス窓部に対応して第1板材14の第1見付面部140には切り欠き部が形成されており、切り欠き部には、第1ガラスパネルGが嵌め込まれた第1枠体G1が形成されている。ガラス窓部に対応して第4板材17の第2見付面部170には切り欠き部が形成されており、切り欠き部には、第2ガラスパネルGが嵌め込まれた第2枠体G2が形成されている。ガラス窓部に対応して第2板材15の見付面部150には切り欠き部が形成されており、見込方向に折り曲げて見込辺154が形成されている。ガラス窓部は、四周状の外側フレームG3及び見込辺154によって扉体9の第1空間S1及び第2空間S2から隔離されている。四周状の外側フレームG3の内側、かつ、第1枠体G1と第2枠体G2の内側見付面の周縁間に位置して、四周状の内側フレームG4が設けてあり、外側フレームG3及び見込辺154と内側フレームG4の間には四周状の空間が形成されている。内側フレームG4の第1見付辺、第2見付辺、見込辺は多孔性金属板から形成されており、四周状の空間には吸音材としてのグラスウールGWが充填されている。
【0161】
[B-4]扉体の吸音材及び制振材
第1扉体9及び第2扉体9´の第1空間S1にはロックウールRWが充填されており、第2空間S2にはロックウールRWが充填されている。第1扉体9及び第2扉体9´の第1見付面90(第1板材14の見付面部140)の内面には、制振材Dが設けてある。本実施形態では、制振材Dはゴム製の制振材であるが、制振材の材質は限定されない。
【0162】
[B-5]補強材
本実施形態に係る第1扉体9及び第2扉体9´の内部空間には、第1扉体9及び第2扉体9´の高さ方向(縦方向)に延びる複数本の補強材18と、第1扉体9及び第2扉体9´の幅方向(横方向)に延びる複数本の補強材19と、を備えている。主として図33図34図39図41を参照して、補強材18、19について説明する。本実施形態では、補強材18、19の配置構成は、第1扉体9と第2扉体9´で共通である。
【0163】
[B-5-1]縦方向に延びる補強材
第4実施形態に係る扉体9は、2種類の中縦骨18A、18Bを備えている。中縦骨18Aと中縦骨18Bは異なる形状(見付寸法が異なる)を備えている。中縦骨18A、18Bは正面から見た時には重なっていないが、側方から見た時に部分的に重なるようになっている。第1中縦骨18Aは、見込辺180と、第1見付辺181と、第2見付辺182と、から断面視コ字形状を備え、第1空間S1において、扉体9の幅方向に間隔を存して、第1見付辺181を第1板材14の見付面部140に固定することで片持ち状に設けられている。第1中縦骨18Aの第2見付辺182と第2板材15の見付面部150の内面は離間している。
【0164】
第2中縦骨18Bは、見込辺180と、第1見付辺181と、第2見付辺182と、から断面視コ字形状を備え、第1空間S1において、扉体9の幅方向に間隔を存して、第2見付辺182を第2板材15の見付面部150に固定することで片持ち状に設けられている。第2中縦骨18Bの第1見付辺181と第1板材14の見付面部140の内面は離間している。第1中縦骨18Aと第2中縦骨18Bは非接触状態で近接して配置されている。
【0165】
[B-5-2]横方向に延びる補強材
横方向に延びる補強材19は、複数本の第1中横骨19Aと、複数本の第2中横骨19Bと、からなる。第1中横骨19Aと第2中横骨19Bは形状(見込寸法、見付寸法)が異なる。図示の態様では、第1中横骨19Aと第2中横骨19Bが同じ高さ位置に設けてあるが、第1中横骨19Aと第2中横骨19Bを異なる高さ位置に配置してもよい。補強材を不規則に配置することで、音波による鋼板(扉体9を形成する板材)の振動を抑制する。第1中横骨19Aは、見込辺190と、第1見付辺191と、第2見付辺192と、から断面視コ字形状を備え、第1空間S1に位置して、第2見付辺192を第2板材15の見付面部150に固定することで片持ち状に設けられている。補強材19Aの第1見付辺191と第1板材14の見付面部140の内面は離間している。第1中横骨19Aは第1空間S1において、隣接する中縦骨18(第1中縦骨18Aと第2中縦骨18Bのセット)間の間隔よりも短い短尺部材であり、第1空間S1の各中縦骨間空間に高さ方向に離間して設けられる。図示の態様では、各中縦骨空間に設けた第1中横骨19Aは同じ高さ位置に設けてあるが、隣り合う第1中横骨19Aの高さ位置を異ならしめてもよい。補強材を不規則に配置することで、音波による鋼板(扉体9を形成する板材)の振動を抑制する。なお、中横骨19Aを、第2見付辺192を第2板材15の見付面部150に離間させた状態で、第1見付辺191を第1板材14の見付面部140に取り付けるようにしてもよい。
【0166】
第2中横骨19Bは、見込辺190と、第1見付辺191と、第2見付辺192と、から断面視コ字形状を備え、第2空間S2に位置して、第1見付辺191を第2板材15の見付面部150に固定することで片持ち状に設けられている。第2中横骨19の第2見付辺192と第4板材17の見付面部170の内面は離間している。第2中横骨19Bは、扉体9の略全幅に水平に延びている。図示の態様では、2本の第2中横骨19Bが、扉体9の高さ方向に間隔を存して設けてある。なお、中横骨19Bを、第1見付辺191を第2板材15の見付面部150に離間させた状態で、第2見付辺192を第4板材17の見付面部170に取り付けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0167】
1 ドア枠
2 上枠
20 第1見付面(第1見付面部)
21 第2見付面(第2見付面部)
22 第1下面(第1見込面)
23 第2下面(第2見込面)
24 中間下面(第3下面、第3見込面)
25 第1凹部
26 第2凹部
3 戸先側縦枠
30 第1見付面(第1見付面部)
31 第2見付面(第2見付面部)
32 第1見込面
33 第2見込面
34 中間見込面(第3見込面)
36 第1凹部
37 第2凹部
4 戸尻側縦枠
40 第1見付面(第1見付面部)
41 第2見付面(第2見付面部)
42 第1見込面
43 第2見込面
44 中間見込面(第3見込面)
45 第1凹部
46 第2凹部
5 下枠
60 第1板材
600 見付辺(第1見付面部)
601 下辺(第1見込面)
61 第2板材
610 水平辺(第3見込面)
611 突片
62 第3板材
620 見付辺(第2見付面部)
621 下辺(第2見込面)
622 突片
63 第1部材(補強手段)
630 第1見込辺(水平辺)
631 第1見付辺(垂直辺)
64 第2部材(補強手段)
640 第2見込辺(水平辺)
641 第2見付辺(垂直辺)
70 第1板材
700 見付辺(第1見付面部)
701 見込辺(第1見込面)
71 第2板材
710 見込辺(第3見込面)
72 第3板材
720 見付辺(第2見付面部)
721 見込辺(第2見込面)
722 突片
73 第1部材(補強手段)
730 第1見込辺
731 第1見付辺
74 第2部材(補強手段)
740 第2見込辺
741 第2見付辺
80 第1板材
800 見付辺(第1見付面部)
801 見込辺(第1見込面)
81 第2板材
810 見込辺(第3見込面)
811 突片
82 第3板材
820 見付辺(第2見付面部)
821 見込辺(第2見込面)
822 突片
83 第1部材(補強手段)
830 第1見込辺
831 第1見付辺
84 第2部材(補強手段)
840 第2見込辺
841 第2見付辺
9 扉体、第1扉体
9´ 第2扉体
90 第1見付面
91 第2見付面
92 第1上面
93 第2上面
94 第1見込面
95 第2見込面
96 上側の中間見付面
97 戸先側の中間見付面
98 戸尻側の中間見付面
10 上フレーム
10A 第1上フレーム
10B 第2上フレーム
11 戸先側縦フレーム
11A 第1戸先側縦フレーム
11B 第2戸先側縦フレーム
12 戸尻側縦フレーム
12A 第1戸尻側縦フレーム
12B 第2戸尻側縦フレーム
13 下フレーム
13A 第1下フレーム
13B 第2下フレーム
14、14´ 第1板材
140、140´ 第1見付面部(第1見付面)
15、15´ 第2板材
150、150´ 見付面部(中間面部)
16 第3板材
16´ 第3板材(多孔金属板)
17、17´ 第4板材
170、170´ 見付面部(第2見付面)
18 補強材(縦方向)
18A 第1補強材(第1中縦骨)
18B 第2補強材(第2中縦骨)
18C 第3補強材(フラットバー)
19 補強材(横方向)
19A 補強材(第1中横骨)
19B 補強材(第2中横骨)
27、38、38´、47 第1気密部材
28、39、39´、48 第2気密部材
D 制振材
D´ 制振材
GW グラスウール(吸音材)
RW ロックウール(吸音材)
S1 第1空間
S2 第2空間

図1
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