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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121688
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】液体吐出装置及び液体収容装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
B41J2/175 309
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028917
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細川 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】吉田 淳平
(72)【発明者】
【氏名】石川 正
(72)【発明者】
【氏名】横井 嵩憲
(72)【発明者】
【氏名】松山 徹
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA24
2C056EA29
2C056EB20
2C056EB51
2C056FA10
2C056KC02
(57)【要約】
【課題】液体収容装置の製造に掛る手間を小さく抑える。
【解決手段】導電性の液体を収容する収容容器と、第1端子、第2端子、並びに、第1端子及び第2端子を絶縁する第1絶縁部を具備し、収容容器に収容された電極棒と、第1端子及び第2端子の少なくとも一方からの電気信号に応じて、収容容器に収容される液体の残量を検出する検出部と、収容容器から供給される液体を吐出する液体吐出ヘッドと、を備え、第1端子及び第2端子が、収容容器内の液体を介して電気的に接続している場合に、検出部が検出する液体の残量は、第1端子及び第2端子が、収容容器内の液体を介して電気的に接続していない場合に、前記検出部が検出する液体の残量よりも多い、ことを特徴とする液体吐出装置。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の液体を収容する収容容器と、
第1端子、第2端子、並びに、前記第1端子及び前記第2端子を絶縁する第1絶縁部を具備し、前記収容容器に収容された電極棒と、
前記第1端子及び前記第2端子の少なくとも一方からの電気信号に応じて、前記収容容器に収容される液体の残量を検出する検出部と、
前記収容容器から供給される液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
を備え、
前記第1端子及び前記第2端子が、前記収容容器内の液体を介して電気的に接続している場合に、前記検出部が検出する液体の残量は、
前記第1端子及び前記第2端子が、前記収容容器内の液体を介して電気的に接続していない場合に、前記検出部が検出する液体の残量よりも多い、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記電極棒を前記電極棒の延在方向に向かって見た場合に、
前記第1端子は、前記電極棒の中心軸を中心とする中心領域を含む第1の外周を有し、
前記第2端子は、前記中心領域を含む第2の外周を有し、
前記第1絶縁層は、前記中心領域を含む第3の外周を有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記電極棒は、
第3端子と、前記第2端子及び前記第3端子を絶縁する第2絶縁部と、を具備し、
前記電極棒を前記電極棒の延在方向に向かって見た場合に、
前記第3端子は、前記中心領域を含む第4の外周を有し、
前記第2絶縁層は、前記中心領域を含む第5の外周を有する、
ことを特徴とする、請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記電極棒は、
前記第1端子及び前記第2端子を含む複数の端子を備え、
前記検出部は、
前記電極棒を前記電極棒の延在方向に向かって見た場合に、前記複数の端子のうち、最も内側の一の端子と、
前記複数の端子のうち、前記一の端子とは異なる他の端子との、少なくとも一方からの電気信号に応じて、
前記収容容器に収容される液体の残量を検出する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記電極棒は、フォーンプラグである、
ことを特徴とする、請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
導電性の液体を収容する収容容器と、
第1端子、第2端子、並びに、前記第1端子及び前記第2端子を絶縁する第1絶縁部を具備し、前記収容容器に収容された電極棒と、
前記第1端子及び前記第2端子の少なくとも一方からの電気信号に応じて、前記収容容器に収容される液体の残量を検出する検出部と、
を備え、
前記第1端子及び前記第2端子が、前記収容容器内の液体を介して電気的に接続している場合に、前記検出部が検出する液体の残量は、
前記第1端子及び前記第2端子が、前記収容容器内の液体を介して電気的に接続していない場合に、前記検出部が検出する液体の残量よりも多い、
ことを特徴とする液体収容装置。
【請求項7】
前記電極棒を前記電極棒の延在方向に向かって見た場合に、
前記第1端子は、前記電極棒の中心軸を中心とする中心領域を含む第1の外周を有し、
前記第2端子は、前記中心領域を含む第2の外周を有し、
前記第1絶縁層は、前記中心領域を含む第3の外周を有する、
ことを特徴とする、請求項6に記載の液体収容装置。
【請求項8】
前記電極棒は、
第3端子と、前記第2端子及び前記第3端子を絶縁する第2絶縁部と、を具備し、
前記電極棒を前記電極棒の延在方向に向かって見た場合に、
前記第3端子は、前記中心領域を含む第4の外周を有し、
前記第2絶縁層は、前記中心領域を含む第5の外周を有する、
ことを特徴とする、請求項7に記載の液体収容装置。
【請求項9】
前記電極棒は、
前記第1端子及び前記第2端子を含む複数の端子を備え、
前記検出部は、
前記電極棒を前記電極棒の延在方向に向かって見た場合に、前記複数の端子のうち、最も内側の一の端子と、
前記複数の端子のうち、前記一の端子とは異なる他の端子との、少なくとも一方からの電気信号に応じて、
前記収容容器に収容される液体の残量を検出する、
ことを特徴とする、請求項6に記載の液体収容装置。
【請求項10】
前記電極棒は、フォーンプラグである、
ことを特徴とする、請求項6に記載の液体収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出装置及び液体収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インク等の導電性の液体を収容する収容容器における液体の残量を検出する技術が、各種提案されている。例えば、特許文献1には、液体を収容する収容容器と、収容容器内に設けられた2本の棒状の電極ピンの間の抵抗値に基づいて、収容容器内の液体の残量を検出する検出部と、を備える液体収容装置に係る技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-270410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、収容容器に対して2本の電極ピンを取り付けることが必要なため、液体収容装置の製造に掛る手間を小さく抑えることが困難となる場合が存在した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の問題を解決するために、本発明に係る液体吐出装置は、導電性の液体を収容する収容容器と、第1端子、第2端子、並びに、前記第1端子及び前記第2端子を絶縁する第1絶縁部を具備し、前記収容容器に収容された電極棒と、前記第1端子及び前記第2端子の少なくとも一方からの電気信号に応じて、前記収容容器に収容される液体の残量を検出する検出部と、前記収容容器から供給される液体を吐出する液体吐出ヘッドと、を備え、前記第1端子及び前記第2端子が、前記収容容器内の液体を介して電気的に接続している場合に、前記検出部が検出する液体の残量は、前記第1端子及び前記第2端子が、前記収容容器内の液体を介して電気的に接続していない場合に、前記検出部が検出する液体の残量よりも多い、ことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る液体収容装置は、導電性の液体を収容する収容容器と、第1端子、第2端子、並びに、前記第1端子及び前記第2端子を絶縁する第1絶縁部を具備し、前記収容容器に収容された電極棒と、前記第1端子及び前記第2端子の少なくとも一方からの電気信号に応じて、前記収容容器に収容される液体の残量を検出する検出部と、を備え、前記第1端子及び前記第2端子が、前記収容容器内の液体を介して電気的に接続している場合に、前記検出部が検出する液体の残量は、前記第1端子及び前記第2端子が、前記収容容器内の液体を介して電気的に接続していない場合に、前記検出部が検出する液体の残量よりも多い、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンター100の一例を示す構成図である。
図2】インク収容装置1の構成の一例を示す斜視図である。
図3】インク収容装置1の構成の一例を示す回路図である。
図4】電極棒PGの外観の一例を示す説明図である。
図5】電極棒PGの構造の一例を示す断面図である。
図6】参考例に係るインク収容装置1Wの構成の一例を示す回路図である。
図7】本発明の変形例1に係るインク収容装置1Qの構成の一例を示す回路図である。
図8】インク収容装置1Qの動作の一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。但し、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0009】
<<A.実施形態>>
以下、実施形態に係るインクジェットプリンター100について説明する。
【0010】
<<A.1.インクジェットプリンターの概要>>
図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンター100の構成の一例を示す説明図である。
【0011】
インクジェットプリンター100は、インクIKを媒体PPに吐出するインクジェット方式の印刷装置である。媒体PPは、典型的には印刷用紙であるが、樹脂フィルムまたは布帛等の任意の印刷対象が媒体PPとして利用され得る。本実施形態では、インクIKとして導電性のインクを採用する。
なお、本実施形態において、インクジェットプリンター100は「液体吐出装置」の一例であり、インクIKは「導電性の液体」の一例である。
【0012】
図1に示すように、インクジェットプリンター100は、インク収容装置1と、制御装置8と、複数の液体吐出ヘッドHUと、搬送機構91と、移動機構92と、を備える。
【0013】
制御装置8は、例えば、CPUまたはFPGA等の処理回路と、半導体メモリ等の記憶回路とを含み、インクジェットプリンター100の各要素を制御する。ここで、CPUとは、Central Processing Unitの略称であり、FPGAとは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。
【0014】
搬送機構91は、制御装置8による制御に基づいて、媒体PPを、副走査方向MP1に搬送する。
【0015】
移動機構92は、制御装置8による制御に基づいて、複数の液体吐出ヘッドHUを、副走査方向MP1に交差する主走査方向MH1と、主走査方向MH1と反対の主走査方向MH2とに往復動させる。移動機構92は、複数の液体吐出ヘッドHUを収容する収納ケース921と、収納ケース921が固定された無端ベルト922とを具備する。なお、インク収容装置1を液体吐出ヘッドHUとともに収納ケース921に収納してもよい。
【0016】
制御装置8は、液体吐出ヘッドHUに対して、液体吐出ヘッドHUを駆動するための駆動信号Comと、液体吐出ヘッドHUを制御するための制御信号SIと、を供給する。
【0017】
液体吐出ヘッドHUは、制御信号SIによる制御に基づいて駆動信号Comにより駆動され、液体吐出ヘッドHUに設けられた複数のノズルの一部または全部から、インクIKを吐出させる。すなわち、液体吐出ヘッドHUは、搬送機構91による媒体PPの搬送と、移動機構92による液体吐出ヘッドHUの往復動とに連動して、複数のノズルの一部又は全部からインクIKを吐出させて、当該吐出されたインクを媒体PPの表面に着弾させることで、媒体PPの表面に所望の画像を形成する。
【0018】
インク収容装置1は、インクIKを収容する。また、インク収容装置1は、制御装置8による制御に基づいて、インク収容装置1が収容しているインクIKを液体吐出ヘッドHUに供給する。
なお、本実施形態において、インク収容装置1は「液体収容装置」の一例である。
【0019】
本実施形態では、インク収容装置1がM種類のインクIKを収容する場合を想定する。ここで、値Mは、1≦Mを満たす自然数である。より具体的には、本実施形態では、一例として、インク収容装置1が、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックに対応する4種類のインクIKを収容する場合を想定する。すなわち、本実施形態では、一例として、「M=4」の場合を想定する。
【0020】
本実施形態では、インクジェットプリンター100が、M種類のインクIKに対応するM個の液体吐出ヘッドHUを備える場合を想定する。具体的には、本実施形態では、一例として、インクジェットプリンター100が、4種類のインクIKに対応する、4個の液体吐出ヘッドHUを備える場合を想定する。
なお、以下では、M個の液体吐出ヘッドHUのうち、m番目の液体吐出ヘッドHUを、液体吐出ヘッドHU[m]と称する場合がある。ここで、変数mは、1≦m≦Mを満たす自然数である。
【0021】
インク収容装置1は、インク収容装置1に収容される各種類のインクIKの残量を検出し、当該検出結果を示す検出信号Voutを出力するインク量検出回路2を備える。なお、インク量検出回路2については、図3において後述する。
【0022】
<<A.2.インク収容装置>>
以下、図2乃至図5を参照しつつ、インク収容装置1の概要を説明する。
【0023】
図2は、インク収容装置1の構成の一例を説明するための斜視図である。
【0024】
図2に示すように、インク収容装置1は、インク収容装置1が収容しているM種類のインクIKと1対1に対応するM個のインクタンクTK[1]~TK[M]と、当該M個のインクタンクTK[1]~TK[M]を収納する収納ケース11と、を備える。具体的には、本実施形態において、インク収容装置1は、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックの4種類のインクIKと1対1に対応する4個のインクタンクTK[1]~TK[4]を備える。
【0025】
インクタンクTK[m]は、当該インクタンクTK[m]に対応する種類のインクIKを収容し、液体吐出ヘッドHU[m]に対してインクIKを供給する。また、インクタンクTK[m]には、インクタンクTK[m]の内部空間にインクIKを供給するための供給口12が設けられる。なお、本実施形態において、インクタンクTK[m]は「収容容器」の一例である。
【0026】
また、インクタンクTK[m]には、棒状の電極である電極棒PGが収容される。本実施形態において、電極棒PGとしてフォーンプラグを採用する。ここで、フォーンプラグとは、音響機器等の電子機器に対する電気信号の入出力のために用いられる一対のコネクタのうち、オス側のコネクタである。例えば、電極棒PGとして採用されるフォーンプラグとして、市販品を採用しても構わない。
【0027】
以下では、インクタンクTK[m]から液体吐出ヘッドHU[m]にインクIKが供給されて、インクタンクTK[m]の内部に収容されたインクIKが減少する場合に、インクタンクTK[m]内においてインクIKが減少する方向をZ1方向と称する。また、本実施形態では、一例として、電極棒PGがZ1方向に延在するように設けらる場合を想定する。
【0028】
以下では、Z1方向と、Z1方向とは反対のZ2方向とを、Z軸方向と総称する。また、以下では、Z軸方向に直交するX軸に沿ったX1方向と、X1方向とは反対のX2方向とを、X軸方向と総称する。また、以下では、Z軸方向及びX軸方向に直交するY軸に沿ったY1方向と、Y1方向とは反対のY2方向とを、Y軸方向と総称する。なお、本実施形態では、X軸、Y軸、及び、Z軸が互いに直交する場合を想定する。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではない。X軸、Y軸、及び、Z軸は、互いに交差していればよい。
【0029】
図3は、インク収容装置1の回路構成の一例を示す回路図である。なお、本実施形態では、インク収容装置1が、M個のインクタンクTK[1]~TK[M]と、当該M個のインクタンクTK[1]~TK[M]と1対1に対応する、M個のインク量検出回路2を備える場合を想定する。但し、図3では、M個のインクタンクTK[1]~TK[M]のうち、一のインクタンクTK[m]と、M個のインク量検出回路2のうち、一のインクタンクTK[m]に対応する一のインク量検出回路2と、を表している。ここで、インク量検出回路2は「検出部」の一例である。
【0030】
図3に示すように、インクタンクTK[m]には、電極棒PGが収容される。
【0031】
電極棒PGは、導電性の基準端子DGと、導電性の検出端子D1と、導電性の検出端子D2と、基準端子DG及び検出端子D1を絶縁する絶縁性の絶縁部分B1と、検出端子D1及び検出端子D2を絶縁する絶縁性の絶縁部分B2と、絶縁性の接続部分BTと、を備える。基準端子DGは配線LGに電気的に接続される。検出端子D1は配線LK1に電気的に接続される。検出端子D2は配線LK2に電気的に接続される。
【0032】
インク量検出回路2は、入力端子TnNと、検出端子TnK1と、検出端子TnK2と、基準電位接続端子TnGと、出力端子TnSと、制御端子TnCと、スイッチSWKと、抵抗RKと、ノードNKと、を備える。
【0033】
入力端子TnNには、一定の入力電位V0に設定された入力信号Vinが入力される。
検出端子TnK1は、配線LK1を介して検出端子D1に電気的に接続される。
検出端子TnK2は、配線LK2を介して検出端子D2に電気的に接続される。
基準電位接続端子TnGは、配線LGを介して基準端子DGに電気的に接続される。また、基準電位接続端子TnGは、グラウンド電位に設定された配線に電気的に接続される。
出力端子TnSは、インクタンクTK[m]に収容されるインクIKの残量の検出結果を示す検出信号Voutを出力する。
制御端子TnCは、インク量検出回路2の動作モードを指定するモード指定信号CtrMが入力される。なお、本実施形態において、インク量検出回路2が、インクエンド検出モードと、ニアエンド検出モードとの、2つの動作モードにより動作可能な場合を、一例として想定する。モード指定信号CtrMは、インク量検出回路2に対して、インクエンド検出モードまたはニアエンド検出モードのうち、何れの動作モードで動作するかを指定する。
【0034】
スイッチSWKは、入力端子ts1と、入力端子ts2と、出力端子ts0と、図示省略した制御端子と、を備える。
入力端子ts1は、検出端子TnK1に電気的に接続される。
入力端子ts2は、検出端子TnK2に電気的に接続される。
出力端子ts0は、ノードNKに電気的に接続される。
スイッチSWKの制御端子には、モード指定信号CtrMが入力される。スイッチSWKの制御端子に入力されるモード指定信号CtrMが
インクエンド検出モードを指定する場合、スイッチSWKは、入力端子ts1及び出力端子ts0を電気的に接続する。スイッチSWKの制御端子に入力されるモード指定信号CtrMがニアエンド検出モードを指定する場合、スイッチSWKは、入力端子ts2及び出力端子ts0を電気的に接続する。
【0035】
抵抗RKは、一端がノードNKに電気的に接続され、他端が入力端子TnNに電気的に接続される。
ノードNKは、抵抗RKの一端と、出力端子ts0と、出力端子TnSとに、電気的に接続される。
【0036】
本実施形態において、インクタンクTK[m]にインクIKが収容され、基準端子DG及び検出端子D1がインクタンクTK[m]に収容されたインクIKに接触する場合、基準端子DG及び検出端子D1は、インクタンクTK[m]に収容されたインクIKを介して電気的に接続される。以下では、基準端子DG及び検出端子D1がインクタンクTK[m]に収容されたインクIKに接触する場合、基準端子DG及び検出端子D1を電気的に接続するインクIKの有する抵抗を、インク抵抗RT1と称する。
なお、検出端子D1がインクIKに接触していない場合、基準端子DG及び検出端子D1の間の抵抗は非常に大きい値となる。本実施形態では、検出端子D1がインクIKに接触していない場合に、インク抵抗RT1が非常に大きい値を有することと看做す。
【0037】
また、本実施形態において、インクタンクTK[m]にインクIKが収容され、基準端子DG及び検出端子D2がインクタンクTK[m]に収容されたインクIKに接触する場合、基準端子DG及び検出端子D2は、インクタンクTK[m]に収容されたインクIKを介して電気的に接続される。以下では、基準端子DG及び検出端子D2がインクタンクTK[m]に収容されたインクIKに接触する場合、基準端子DG及び検出端子D2を電気的に接続するインクIKの有する抵抗を、インク抵抗RT2と称する。
なお、検出端子D2がインクIKに接触していない場合、基準端子DG及び検出端子D2の間の抵抗は非常に大きい値となる。本実施形態では、検出端子D2がインクIKに接触していない場合に、インク抵抗RT2が非常に大きい値を有することと看做す。
【0038】
ここで、インク量検出回路2がインクエンド検出モードで動作する場合、スイッチSWKが入力端子ts1及び出力端子ts0を電気的に接続することで、検出端子TnK1及びノードNKが電気的に接続される。よって、インク量検出回路2がインクエンド検出モードで動作する場合、ノードNKの電位は、入力信号Vinの有する入力電位V0と、インク抵抗RT1の抵抗値と、抵抗RKの抵抗値に基づいて定められる。本実施形態において、入力信号Vinの有する入力電位V0と、抵抗RKの抵抗値とは、一定の値である。このため、インク量検出回路2がインクエンド検出モードで動作する場合、ノードNKの電位は、インク抵抗RT1の抵抗値に基づいて定められる。具体的には、インクエンド検出モードにおいて、検出端子D1がインクIKに接触していない場合、検出端子D1がインクIKに接触している場合と比較して、ノードNKの電位は高くなる。そして、ノードNKの電位を示す検出信号Voutが、出力端子TnSより出力される。
【0039】
また、インク量検出回路2がニアエンド検出モードで動作する場合、スイッチSWKが入力端子ts2及び出力端子ts0を電気的に接続することで、検出端子TnK2及びノードNKが電気的に接続される。よって、インク量検出回路2がニアエンド検出モードで動作する場合、ノードNKの電位は、入力信号Vinの有する入力電位V0と、インク抵抗RT2の抵抗値と、抵抗RKの抵抗値に基づいて定められる。すなわち、インク量検出回路2がニアエンド検出モードで動作する場合、ノードNKの電位は、インク抵抗RT2の抵抗値に基づいて定められる。具体的には、ニアエンド検出モードにおいて、検出端子D2がインクIKに接触していない場合、検出端子D2がインクIKに接触している場合と比較して、ノードNKの電位は高くなる。そして、ノードNKの電位を示す検出信号Voutが、出力端子TnSより出力される。
【0040】
図4は、インクタンクTK[m]に収容された電極棒PGの構成の一例を示す構成図である。
【0041】
図4に示すように、電極棒PGは、上述のとおり、導電性の基準端子DGと、導電性の検出端子D1と、導電性の検出端子D2と、絶縁性の絶縁部分B1と、絶縁性の絶縁部分B2と、絶縁性の接続部分BTと、を有し、Z1方向に延在する。
【0042】
基準端子DGは、Z1方向に延在する中心軸AXを中心とする円環形状の電極であり、Z1方向を法線方向とする平面で電極棒PGを切断した場合に、長さNDGの外周GDGを有する。すなわち、本実施形態において、外周GDGは、Z1方向を法線方向とする平面において、中心軸AXを中心とする円形の形状を有する。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではない。外周GDGは、Z1方向を法線方向とする平面において、中心領域GMを含む閉曲線であればよい。ここで、中心領域GMとは、Z1方向を法線方向とする平面において、中心軸AXを中心とする円形の領域である。例えば、中心領域GMは、Z1方向を法線方向とする平面において、外周GDGを含む最小の円の半分以下の半径を有する領域であってもよい。
【0043】
検出端子D1は、基準端子DGから見てZ2方向に位置する。検出端子D1は、中心軸AXを中心とする円環形状の電極であり、Z1方向を法線方向とする平面で電極棒PGを切断した場合に、長さND1の外周GD1を有する。すなわち、本実施形態において、外周GD1は、Z1方向を法線方向とする平面において、中心軸AXを中心とする円形の形状を有する。また、本実施形態において、外周GD1は、Z1方向を法線方向とする平面において、外周GDGを含むような形状及び大きさを有する。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではない。外周GD1は、Z1方向を法線方向とする平面において、中心領域GMを含む閉曲線であればよい。
【0044】
検出端子D2は、検出端子D1から見てZ2方向に位置する。検出端子D2は、中心軸AXを中心とする円環形状の電極であり、Z1方向を法線方向とする平面で電極棒PGを切断した場合に、長さND2の外周GD2を有する。すなわち、本実施形態において、外周GD2は、Z1方向を法線方向とする平面において、中心軸AXを中心とする円形の形状を有する。また、本実施形態において、外周GD2は、Z1方向を法線方向とする平面において、外周GD1を含むような形状及び大きさを有する。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではない。外周GD2は、Z1方向を法線方向とする平面において、中心領域GMを含む閉曲線であればよい。
【0045】
絶縁部分B1は、基準端子DG及び検出端子D1の間に位置し、基準端子DG及び検出端子D1を絶縁する。本実施形態において、絶縁部分B1は、Z1方向を法線方向とする平面で電極棒PGを切断した場合に、長さNB1の外周GB1を有する。具体的には、本実施形態において、外周GB1は、Z1方向を法線方向とする平面において、中心軸AXを中心とする円形の形状を有する。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではない。外周GB1は、Z1方向を法線方向とする平面において、中心領域GMを含む閉曲線であればよい。
【0046】
絶縁部分B2は、検出端子D1及び検出端子D2の間に位置し、検出端子D1及び検出端子D2を絶縁する。本実施形態において、絶縁部分B2は、Z1方向を法線方向とする平面で電極棒PGを切断した場合に、長さNB2の外周GB2を有する。具体的には、本実施形態において、外周GB2は、Z1方向を法線方向とする平面において、中心軸AXを中心とする円形の形状を有する。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではない。外周GB2は、Z1方向を法線方向とする平面において、中心領域GMを含む閉曲線であればよい。
【0047】
接続部分BTは、検出端子D2から見てZ2方向に位置する。本実施形態において、接続部分BTは、Z1方向を法線方向とする平面で電極棒PGを切断した場合に、長さNBTの外周GBTを有する。具体的には、本実施形態において、外周GBTは、Z1方向を法線方向とする平面において、中心軸AXを中心とする円形の形状を有する。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではない。外周GBTは、Z1方向を法線方向とする平面において、中心領域GMを含む閉曲線であればよい。
【0048】
本実施形態では、インクタンクTK[m]に設けられた取付孔HLに対して接続部分BTが接着剤で接着されることで、電極棒PGがインクタンクTK[m]に固定される。本実施形態において、取付孔HLは、Z1方向を法線方向とする平面で取付孔HLを切断した場合に、長さNHLの外周GHLを有する。本実施形態において、長さNHLは長さNBTと略同じ長さであり、外周GHLは外周GBTと略同じ形状である。
ここで、「略同じ」とは、完全に同一である場合の他に、誤差を考慮すれば同一であると看做せることが可能な場合を含む概念である。具体的には、本明細書において、「略同じ」とは、10%程度の誤差を考慮すれば同一であると看做せることが可能な場合を含む概念であることとする。
なお、本実施形態では、電極棒PGが取付孔HLに接着剤で取り付けられる態様を例示して説明するが、電極棒PGの接続部分BTを取付孔HLに嵌め込むことで、電極棒PGをインクタンクTK[m]に固定してもよい。この場合、長さNHLは長さNBTよりも短い長さであってもよい。
【0049】
以下では、インクタンクTK[m]の底面TKBから、インクタンクTK[m]内に収容されたインクIKの液面SFまでのZ軸方向における距離を、インク液面距離SZと称する。
【0050】
また、本実施形態では、基準端子DGのZ1方向の端部からインクタンクTK[m]の底面TKBまでのZ軸方向における距離が、距離HGとなるように、電極棒PGが設けられている場合を想定する。
また、本実施形態では、検出端子D1のZ1方向の端部からインクタンクTK[m]の底面TKBまでのZ軸方向における距離が、距離H1となるように、電極棒PGが設けられている場合を想定する。ここで、距離H1とは、距離HGよりも長い距離である。
また、本実施形態では、検出端子D2のZ1方向の端部からインクタンクTK[m]の底面TKBまでのZ軸方向における距離が、距離H2となるように、電極棒PGが設けられている場合を想定する。ここで、距離H2とは、距離H1よりも長い距離である。
【0051】
なお、インク液面距離SZが距離H1以上の場合、基準端子DG及び検出端子D1がインクタンクTK[m]に収容されたインクIKに接触する。このため、インク液面距離SZが距離H1以上の場合、基準端子DG及び検出端子D1が、インク抵抗RT1を有するインクIKにより電気的に接続される。そして、インク量検出回路2は、インクエンド検出モードで動作する場合、インク液面距離SZが距離H1以上であれば、インク液面距離SZが距離H1未満である場合と比較して、低電位の検出信号Voutを出力する。
【0052】
すなわち、インク量検出回路2は、インクエンド検出モードで動作する場合、ローレベルの検出信号Voutを出力することで、インクタンクTK[m]内のインクIKの残量が、距離H1に対応するインク残量以上であることを検出する。また、インク量検出回路2は、インクエンド検出モードで動作する場合、ハイレベルの検出信号Voutを出力することで、インクタンクTK[m]内のインクIKの残量が、距離H1に対応するインク残量未満であることを検出する。
【0053】
ここで、距離H1に対応するインク残量とは、例えば、液体吐出ヘッドHU[m]からのインクIKの吐出が可能となるインク残量のうち、最少のインク残量であってもよい。但し、距離H1に対応するインク残量とは、例えば、液体吐出ヘッドHU[m]からのインクIKの吐出が可能となるインク残量のうち、最少のインク残量との差分が、所定量となるようなインク残量であってもよい。ここで、所定量とは、例えば、インクジェットプリンター100が1枚の媒体PPに画像を形成するのに必要なインク量よりも少ない量であって、液体吐出ヘッドHU[m]からの所定回数のインクIKの吐出が可能となるインク残量であってもよい。すなわち、距離H1に対応するインク残量とは、所謂「インクエンド」と呼ばれる状態に対応するインク残量であってもよい。
【0054】
また、インク液面距離SZが距離H2以上の場合、基準端子DG及び検出端子D2がインクタンクTK[m]に収容されたインクIKに接触する。このため、インク液面距離SZが距離H2以上の場合、基準端子DG及び検出端子D2が、インク抵抗RT2を有するインクIKにより電気的に接続される。そして、インク量検出回路2は、ニアエンド検出モードで動作する場合、インク液面距離SZが距離H2以上であれば、インク液面距離SZが距離H2未満である場合と比較して、低電位の検出信号Voutを出力する。
【0055】
すなわち、インク量検出回路2は、ニアエンド検出モードで動作する場合、ローレベルの検出信号Voutを出力することで、インクタンクTK[m]内のインクIKの残量が、距離H2に対応するインク残量以上であることを検出する。また、インク量検出回路2は、ニアエンド検出モードで動作する場合、ハイレベルの検出信号Voutを出力することで、インクタンクTK[m]内のインクIKの残量が、距離H2に対応するインク残量未満であることを検出する。
【0056】
ここで、距離H2に対応するインク残量とは、例えば、液体吐出ヘッドHU[m]からの所定時間以上の継続的なインクIKの吐出が可能となるインク残量であってもよい。ここで、所定時間とは、例えば、インクジェットプリンター100が1枚の媒体PPに画像を形成するのに要する時間であってもよい。また、所定時間とは、例えば、インクジェットプリンター100が所定数の媒体PPに画像を形成するのに要する時間であってもよい。すなわち、距離H2に対応するインク残量とは、所謂「ニアエンド」と呼ばれる状態に対応するインク残量であってもよい。
【0057】
本実施形態において、制御装置8は、インク収容装置1から供給される検出信号Voutに基づいて、検出信号Voutの示すインク残量が、例えば、音声または映像等により、インクジェットプリンター100のユーザに報知されるように、図示省略した報知装置を制御する。
【0058】
図5は、電極棒PGの構成の一例を示す断面図である。なお、図5は、中心軸AXを含む平面であって、Y1方向を法線方向とする平面により、電極棒PGを切断した場合の、電極棒PGの断面の概要を示している。
【0059】
図5に示すように、電極棒PGは、上述した、基準端子DG、検出端子D1、検出端子D2、絶縁部分B1、絶縁部分B2、及び、接続部分BTに加えて、導電性の導電部分DxGと、導電性の導電部分Dx1と、導電性の導電部分Dx2と、絶縁性の絶縁部分BBと、を備える。
【0060】
導電部分DxGは、絶縁部分B1の有する円環形状の内周よりも内側の領域と、検出端子D1の有する円環形状の内周よりも内側の領域と、絶縁部分B2の有する円環形状の内周よりも内側の領域と、検出端子D2の有する円環形状の内周よりも内側の領域と、接続部分BTの有する円環形状の内周よりも内側の領域と、において、Z1方向に延在するように設けられる。導電部分DxGは、基準端子DGに接続するとともに、配線LGに接続する。これにより、導電部分DxGは、基準端子DG及び配線LGを電気的に接続する。
導電部分Dx1は、検出端子D1の有する円環形状の内周よりも内側の領域と、絶縁部分B2の有する円環形状の内周よりも内側の領域と、検出端子D2の有する円環形状の内周よりも内側の領域と、接続部分BTの有する円環形状の内周よりも内側の領域と、において、Z1方向に延在するように設けられる。導電部分Dx1は、検出端子D1に接続するとともに、配線LK1に接続する。これにより、導電部分Dx1は、検出端子D1及び配線LK1を電気的に接続する。
導電部分Dx2は、検出端子D2の有する円環形状の内周よりも内側の領域と、接続部分BTの有する円環形状の内周よりも内側の領域と、において、Z1方向に延在するように設けられる。導電部分Dx2は、検出端子D2に接続するとともに、配線LK2に接続する。これにより、導電部分Dx2は、検出端子D2及び配線LK2を電気的に接続する。
絶縁部分BBは、導電部分DxG、導電部分Dx1、及び、導電部分Dx2を互いに絶縁する。
【0061】
<<A.3.参考例に係るインク収容装置>>
以下、図6を参照しつつ、参考例に係るインク収容装置1Wの概要を説明する。
【0062】
図6に示すように、参考例に係るインク収容装置1Wは、インクタンクTK[m]において、電極棒PGの代わりに、電極棒PW1及び電極棒PW2が収容されている点と、インク量検出回路2の代わりに、インク量検出回路2Wを備える点と、において、実施形態に係るインク収容装置1と相違する。
【0063】
電極棒PW1は、インクタンクTK[m]に収容され、Z1方向に延在する円柱形状の電極である。参考例において、電極棒PW1は、電極棒PW1のZ1方向の端部からインクタンクTK[m]の底面TKBまでのZ軸方向における距離が距離H1となるように、インクタンクTK[m]に設けられた取付孔HL1に取り付けられる。
電極棒PW2は、インクタンクTK[m]に収容され、Z1方向に延在する円柱形状の電極である。参考例において、電極棒PW2は、電極棒PW2のZ1方向の端部からインクタンクTK[m]の底面TKBまでのZ軸方向における距離が距離H1となるように、インクタンクTK[m]に設けられた取付孔HL2に取り付けられる。
【0064】
そして、参考例において、インク液面距離SZが距離H1以上の場合、電極棒PW1及び電極棒PW2が、インクタンクTK[m]に収容されたインクIKに接触する。このため、インク液面距離SZが距離H1以上の場合、電極棒PW1及び電極棒PW2が、インクタンクTK[m]に収容されたインクIKを介して電気的に接続される。以下では、電極棒PW1及び電極棒PW2がインクタンクTK[m]に収容されたインクIKに接触する場合、電極棒PW1及び電極棒PW2を電気的に接続するインクIKの有する抵抗を、インク抵抗RWと称する。
なお、電極棒PW1または電極棒PW2がインクIKに接触していない場合、電極棒PW1及び電極棒PW2の間の抵抗は非常に大きい値となる。本実施形態では、電極棒PW1または電極棒PW2がインクIKに接触していない場合に、インク抵抗RWが非常に大きい値を有することと看做す。
【0065】
インク量検出回路2Wは、検出端子TnK1及び検出端子TnK2の代わりに、検出端子TnKを備える点と、スイッチSWK及び制御端子TnCを備えない点と、において、実施形態に係るインク量検出回路2と相違する。
【0066】
参考例において、検出端子TnKは、配線LKを介して電極棒PW1に電気的に接続される。また、参考例において、検出端子TnKは、ノードNKに電気的に接続される。また、参考例において、基準電位接続端子TnGは、配線LGを介して電極棒PW2に電気的に接続される。
よって、参考例において、インク液面距離SZが距離H1以上の場合、電極棒PW1及び電極棒PW2がインクタンクTK[m]に収容されたインクIKを介して電気的に接続される。このため、参考例において、ノードNKの電位は、入力信号Vinの有する入力電位V0と、インク抵抗RWの抵抗値と、抵抗RKの抵抗値に基づいて定められる。他方、参考例において、インク液面距離SZが距離H1未満の場合、インク抵抗RWが非常に大きい値となる。従って、参考例において、ノードNKの電位は、入力信号Vinの有する入力電位V0と略同じ電位となる。
【0067】
このため、インク量検出回路2Wにおいて、インク液面距離SZが距離H1未満の場合、インク液面距離SZが距離H1以上の場合と比較して、ノードNKの電位は高くなる。そして、インク量検出回路2Wは、ノードNKの電位を示す検出信号Voutを、出力端子TnSより出力する。
【0068】
このように、参考例に係るインク収容装置1Wよれば、実施形態に係るインク収容装置1と同様に、インクタンクTK[m]内のインクIKの残量が、距離H1に対応するインク残量以上であるか否かを検出することができる。しかし、参考例に係るインク収容装置1Wは、インクタンクTK[m]内のインクIKの残量が、距離H2に対応するインク残量以上であるか否かを検出することはできない。
これに対して、本実施形態に係るインク収容装置1は、インクタンクTK[m]内のインクIKの残量が、距離H2に対応するインク残量以上であるか否かを検出することができる。
【0069】
また、参考例に係るインク収容装置1Wは、インクタンクTK[m]に対して、2本の電極棒PW1及び電極棒PW2を収容する。このため、参考例によれば、インクタンクTK[m]に対して、取付孔HL1及び取付孔HL2の2つの取付孔を設けることが必要となる。また、参考例によれば、インクタンクTK[m]に対して、2本の電極棒PW1及び電極棒PW2を取り付けることが必要となる。
これに対して、本実施形態に係るインク収容装置1は、インクタンクTK[m]に対して、1本の電極棒PGを収容する。このため、本実施形態によれば、インクタンクTK[m]に対して、1つの取付孔HLを設けるだけでよい。また、本実施形態によれば、インクタンクTK[m]に対して、1本の電極棒PGを取り付けるだけでよい。よって、本実施形態によれば、参考例と比較して、インク収容装置1の製造に掛る手間を小さく抑えることが可能となる。
【0070】
<<A.4.実施形態の結び>>
以上において説明したように、本実施形態に係るインクジェットプリンター100は、導電性のインクIKを収容するインクタンクTK[m]と、基準端子DG、検出端子D1、並びに、基準端子DG及び検出端子D1を絶縁する絶縁部分B1を具備し、インクタンクTK[m]に収容された電極棒PGと、基準端子DG及び検出端子D1の少なくとも一方からの電気信号に応じて、インクタンクTK[m]に収容されるインクIKの残量を検出するインク量検出回路2と、インクタンクTK[m]から供給されるインクIKを吐出する液体吐出ヘッドHU[m]と、を備え、基準端子DG及び検出端子D1が、インクタンクTK[m]内のインクIKを介して電気的に接続している場合に、インク量検出回路2が検出するインクIKの残量は、基準端子DG及び検出端子D1が、インクタンクTK[m]内のインクIKを介して電気的に接続していない場合に、インク量検出回路2が検出するインクIKの残量よりも多い、ことを特徴とする。
なお、本実施形態において、基準端子DGは「第1端子」の一例であり、検出端子D1は「第2端子」の一例であり、絶縁部分B1は「第1絶縁部」の一例である。
【0071】
このように、本実施形態によれば、インクタンクTK[m]に収容された1本の電極棒PGを用いて、インクタンクTK[m]に収容されるインクIKの残量を検出するため、例えば、参考例のように、インクタンクTK[m]に収容された2本の電極棒PW1及び電極棒PW2を用いて、インクタンクTK[m]に収容されるインクIKの残量を検出する態様と比較して、インクジェットプリンター100の製造に係る手間を小さく抑えることができる。
【0072】
また、本実施形態に係るインクジェットプリンター100において、電極棒PGをZ1方向に見た場合に、基準端子DGは、電極棒PGの中心軸AXを中心とする中心領域GMを含む外周GDGを有し、検出端子D1は、中心領域GMを含む外周GD1を有し、絶縁部分B1は、中心領域GMを含む外周GB1を有する、ことを特徴としてもよい。
なお、本実施形態において、外周GDGは「第1の外周」の一例であり、外周GD1は「第2の外周」の一例であり、外周GB1は「第3の外周」の一例である。
【0073】
また、本実施形態に係るインクジェットプリンター100において、電極棒PGは、検出端子D2と、検出端子D1及び検出端子D2を絶縁する絶縁部分B2と、を具備し、電極棒PGをZ1方向に見た場合に、検出端子D2は、中心領域GMを含む外周GD2を有し、絶縁部分B2は、中心領域GMを含む外周GB2を有する、ことを特徴としてもよい。
なお、本実施形態において、検出端子D2は「第3端子」の一例であり、絶縁部分B2は「第2絶縁部」の一例であり、外周GD2は「第4の外周」の一例であり、外周GB2は「第5の外周」の一例である。
【0074】
このように、本実施形態によれば、基準端子DG及び検出端子D1がインクIKを介して電気的に接続しているか否かによって、インクタンクTK[m]に収容されるインクIKの残量を検出することが可能であるとともに、基準端子DG及び検出端子D2がインクIKを介して電気的に接続しているか否かによって、インクタンクTK[m]に収容されるインクIKの残量を検出することが可能である。このため、本実施形態によれば、インクタンクTK[m]内のインクIKの残量を、少なくとも3段階のレベルで検出することができる。
【0075】
また、本実施形態に係るインクジェットプリンター100において、電極棒PGは、基準端子DG及び検出端子D1を含む複数の端子を備え、インク量検出回路2は、電極棒PGをZ1方向に見た場合に、複数の端子のうち、最も内側の基準端子DGと、複数の端子のうち、基準端子DGとは異なる他の端子との、少なくとも一方からの電気信号に応じて、インクタンクTK[m]に収容されるインクIKの残量を検出する、ことを特徴とする。
【0076】
このように、本実施形態によれば、複数の端子のうち、最も内側の基準端子DGを用いて、インクタンクTK[m]に収容されるインクIKの残量を検出するため、複数の端子のうち、最も内側の基準端子DGを用いずに、インクタンクTK[m]に収容されるインクIKの残量を検出する態様と比較して、少量のインクIKを検出することが可能となる。
【0077】
また、本実施形態に係るインクジェットプリンター100において、電極棒PGは、フォーンプラグである、ことを特徴としてもよい。
【0078】
このため、本実施形態によれば、電極棒PGとして市販品または量産品を採用することが可能となるため、電極棒PGの調達コストを低く抑えることが可能となる。
【0079】
<<B.変形例>>
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
【0080】
<<B.1.変形例1>>
上述した実施形態乃では、インク収容装置1がインク量検出回路2を備える場合を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。インク収容装置1は、インクタンクTK[m]に設けられた電極棒PGからの電気信号に基づいて、インクタンクTK[m]に収容されるインクIKの残量を検出することができるインク量検出回路を具備するものであればよい。
【0081】
図7は、変形例1に係るインクジェットプリンターが具備するインク収容装置1Qの構成の一例を示す回路図である。
なお、変形例1に係るインクジェットプリンターは、インク収容装置1の代わりに、インク収容装置1Qを備える点において、第1実施形態に係るインクジェットプリンター100と相違する。また、インク収容装置1Qは、インク量検出回路2の代わりに、インク量検出回路2Qを備える点において、実施形態に係るインク収容装置1と同様に構成されることとする。
【0082】
図7に示すように、インク量検出回路2Qは、入力端子TnN、検出端子TnK1、検出端子TnK2、基準電位接続端子TnG、出力端子TnS、制御端子TnC、スイッチSWK、ノードNK、及び、抵抗RKに加えて、ノードNQ1と、ノードNQ2と、ノードNQ3と、抵抗RQ1と、抵抗RQ2と、容量CQ1と、容量CQ2と、スイッチSWQと、を備える点において、実施形態に係るインク量検出回路2と相違する。
【0083】
ノードNQ1は、入力端子TnNに電気的に接続され、入力端子TnNを介して入力信号Vinが供給される。
抵抗RKは、一端がノードNKに電気的に接続され、他端がノードNQ1に電気的に接続される。
容量CQ1は、容量CQ1が有する2つの電極のうち、一方の電極が基準電位接続端子TnGに電気的に接続され、他方の電極がグラウンド電位に設定された配線に電気的に接続される。
【0084】
スイッチSWQは、入力端子tq1と、入力端子tq2と、出力端子tq0と、図示省略した制御端子と、を有する。入力端子tq1は、ノードNKに電気的に接続される。入力端子tq2は、抵抗RQ1の一端に電気的に接続される。出力端子tq0は、ノードNQ2に電気的に接続される。スイッチSWQの有する制御端子には、ノードNQ1を介して入力信号Vinが供給さっる。
【0085】
本変形例において、入力信号Vinは、ハイレベルとローレベルの何れかの信号レベルに設定される信号である。
そして、本変形例において、スイッチSWQは、ノードNQ1からスイッチSWQの制御端子に供給される入力信号Vinがローレベルの場合、出力端子tq0と入力端子tq1とを電気的に接続する。つまり、本変形例において、スイッチSWQは、スイッチSWQに供給される入力信号Vinがローレベルの場合、ノードNKとノードNQ2とを電気的に接続する。
また、本変形例において、スイッチSWQは、ノードNQ1からスイッチSWQの制御端子に供給される入力信号Vinがハイレベルの場合、出力端子tq0と入力端子tq2とを電気的に接続する。つまり、本変形例において、スイッチSWQは、スイッチSWQに供給される入力信号Vinがハイレベルの場合、抵抗RQ1の一端とノードNQ2とを電気的に接続する。
【0086】
抵抗RQ1は、一端が入力端子tq2に電気的に接続され、他端がグラウンド電位に設定された配線に電気的に接続される。
抵抗RQ2は、一端がノードNQ2に電気的に接続され、他端がノードNQ3に電気的に接続される。
容量CQ2は、容量CQ2が有する2つの電極のうち、一方の電極がノードNQ3に電気的に接続され、他方の電極がグラウンド電位に設定された配線に電気的に接続される。なお、抵抗RQ2及び容量CQ2は、ローパスフィルターとして機能する。
出力端子TnSは、ノードNQ3に電気的に接続され、ノードNQ3の電位を示す検出信号Voutを出力する。
【0087】
図8は、インク量検出回路2Qを流れる各種信号を説明するためのタイミングチャートである。
【0088】
図8に示すように、本実施形態では、インク量検出回路2Qの動作期間が、複数の単位期間TPに区分される場合を想定する。そして、本実施形態では、各単位期間TPが、制御期間TP1と制御期間TP2とに区分される場合を想定する。
【0089】
入力信号Vinは、単位期間TPのうち制御期間TP1においてハイレベルに設定され、単位期間TPのうち制御期間TP2においてローレベルに設定される。
【0090】
信号VQKは、ノードNKの電位を示す信号である。
以下では、インク量検出回路2Qがインクエンド検出モードで動作する場合であって、インクタンクTK[m]においてインク液面距離SZが距離H1未満である場合、及び、インク量検出回路2Qがニアエンド検出モードで動作する場合であって、インクタンクTK[m]においてインク液面距離SZが距離H2未満である場合における信号VQKを、信号VQK-Eと称する。なお、以下では、インク量検出回路2Qがインクエンド検出モードで動作する場合であって、インクタンクTK[m]においてインク液面距離SZが距離H1未満であり、基準端子DG及び検出端子D1が電気的に接続されていない状態と、インク量検出回路2Qがニアエンド検出モードで動作する場合であって、インクタンクTK[m]においてインク液面距離SZが距離H2未満であり、基準端子DG及び検出端子D2が電気的に接続されていない状態とを、「インク絶縁状態」と称する。
また、以下では、インク量検出回路2Qがインクエンド検出モードで動作する場合であって、インクタンクTK[m]においてインク液面距離SZが距離H1以上である場合、及び、インク量検出回路2Qがニアエンド検出モードで動作する場合であって、インクタンクTK[m]においてインク液面距離SZが距離H2以上である場合における信号VQKを、信号VQK-Fと称する。なお、以下では、インク量検出回路2Qがインクエンド検出モードで動作する場合であって、インクタンクTK[m]においてインク液面距離SZが距離H1以上であり、基準端子DG及び検出端子D1が電気的に接続されている状態と、インク量検出回路2Qがニアエンド検出モードで動作する場合であって、インクタンクTK[m]においてインク液面距離SZが距離H2以上であり、基準端子DG及び検出端子D2が電気的に接続されている状態とを、「インク導電状態」と称する。
【0091】
インク絶縁状態において、検出端子D1または検出端子D2と基準端子DGとは、電気的に接続されていない状態となる。このため、信号VQK-Eは、入力信号Vinに連動した形状の波形を示す。具体的には、信号VQK-Eは、入力信号Vinがローレベルからハイレベルに立ち上がるタイミングよりも、時間TQK-Eだけ遅れて、ローレベルからハイレベルに立ち上がり、入力信号Vinがハイレベルからローレベルに立ち下がるタイミングよりも、時間TQK-Eだけ遅れて、ハイレベルからローレベルに立ち下がる。ここで、時間TQK-Eは、制御期間TP1の時間長よりも短く、且つ、制御期間TP2の時間長よりも短い時間であり、配線LK1及び検出端子D1、または、配線LK2及び検出端子D2等、ノードNKに電気的に接続する導電体に寄生する容量を充電するための時間である。
【0092】
インク導電状態において、検出端子D1または検出端子D2と基準端子DGとは、電気的に接続された状態となる。このため、信号VQK-Fは、入力信号Vinをなまらせた形状の波形を示す。具体的には、信号VQK-Fは、入力信号Vinがローレベルからハイレベルに立ち上がるタイミングよりも、時間TQK-Fだけ遅れて、ローレベルからハイレベルに立ち上がり、入力信号Vinがハイレベルからローレベルに立ち下がるタイミングよりも、時間TQK-Fだけ遅れて、ハイレベルからローレベルに立ち下がる。ここで、時間TQK-Fは、時間TQK-Eよりも長い時間であり、配線LK1及び検出端子D1、または、配線LK2及び検出端子D2等に寄生する容量に加えて、容量CQ1を充電するための時間である。
【0093】
信号VQ2は、ノードNQ2の電位を示す信号である。
以下では、インク絶縁状態における信号VQ2を、信号VQ2-Eと称する。また、インク導電状態における信号VQ2を、信号VQ2-Fと称する。
【0094】
上述のとおり、入力信号Vinがハイレベルとなる制御期間TP1において、スイッチSWQは、ノードNQ2と抵抗RQ1の一端とを電気的に接続する。このため、制御期間TP1において、信号VQ2は、ローレベルに設定される。
【0095】
また、入力信号Vinがローレベルとなる制御期間TP2において、スイッチSWQは、ノードNQ2とノードNKとを電気的に接続する。このため、インク絶縁状態である場合の制御期間TP2において、信号VQ2-Eは、ハイレベルからローレベルまで立ち下がるのに、時間TQK-Eを要するような形状の波形を示す。また、インク導電状態である場合の制御期間TP2において、信号VQ2-Fは、ハイレベルからローレベルまで立ち下がるのに、時間TQK-Fを要するような形状の波形を示す。
【0096】
信号VQ3は、ノードNQ3の電位を示す信号である。
以下では、インク絶縁状態である場合の信号VQ3を、信号VQ3-Eと称する。また、インク導電状態である場合の信号VQ3を、信号VQ3-Fと称する。
【0097】
上述のとおり、抵抗RQ2及び容量CQ2は、ローパスフィルタとして機能する。よって、信号VQ3は、信号VQ2から高周波成分を取り除いた波形の信号となる。そして、上述のとおり、時間TQK-Fは時間TQK-Eよりも長い。よって、信号VQ3-Fは信号VQ3-Eよりも高電位となる。つまり、本変形例において、インク量検出回路2Qは、インク導電状態である場合に、インク絶縁状態である場合と比較して、高電位の検出信号Voutを出力する。
【0098】
<<B.2.変形例2>>
上述した実施形態及び変形例1では、インク収容装置1において、M個のインクタンクTK[1]~TK[M]と1対1に対応するM個のインク量検出回路が設けられる場合を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。インク収容装置1には、M個よりも少ない個数のインク量検出回路2またはインク量検出回路2Qが設けられていてもよい。
【0099】
例えば、インク収容装置1には、1個のインク量検出回路2が設けられてもよい。この場合、インク量検出回路2は、例えば、インク量検出回路2の動作期間をM個の単位動作期間に区分し、m番目の単位動作期間において、インクタンクTK[m]に収容されるインクIKの残量を検出してもよい。具体的には、インク量検出回路2は、単位動作期間毎に、インク量検出回路2が接続するインクタンクTK[m]を切り替えるように構成されてもよい。
【0100】
<<B.3.変形例3>>
上述した実施形態並びに変形例1及び2では、ノードNKが、配線LK1または配線LK2を介して検出端子D1または検出端子D2に電気的に接続され、また、基準電位接続端子TnGが配線LGを介して基準端子DGに電気的に接続される場合を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。インク量検出回路2またはインク量検出回路2Qにおいて、ノードNKが配線LGを介して基準端子DGに電気的に接続され、また、基準電位接続端子TnGが配線LK1または配線LK2を介して検出端子D1または検出端子D2に電気的に接続されてもよい。
【0101】
<<B.4.変形例4>>
上述した実施形態及び変形例1乃至3では、液体吐出ヘッドHU[m]を搭載した収納ケース921を、主走査方向MH1に往復動させるシリアル方式のインクジェットプリンターを例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。インクジェットプリンターは、媒体PPの全幅に亘りインクIKを吐出可能な液体吐出ヘッドHU[m]を具備する、ライン方式の液体吐出装置であってもよい。
【0102】
<<B.5.変形例5>>
上述した実施形態及び変形例1乃至4でインクジェットプリンターを例示して説明した液体吐出装置は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置及びコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体吐出装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を吐出する液体吐出装置は、液晶表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を吐出する液体吐出装置は、配線基板の配線及び電極を形成する製造装置として利用される。
【符号の説明】
【0103】
1…インク収容装置、2…インク量検出回路、8…制御装置、11…収納ケース、12…供給口、100…インクジェットプリンター、B1…絶縁部分、B2…絶縁部分、D1…検出端子、D2…検出端子、DG…基準端子、PG…電極棒、TK[m]…インクタンク。
図1
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