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特開2024-121719収容体、コールドプレート、及び、送液装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121719
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】収容体、コールドプレート、及び、送液装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20240830BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
H05K7/20 N
H01L23/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028970
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 慶
(72)【発明者】
【氏名】川田 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】玉岡 健人
(72)【発明者】
【氏名】渡慶次 鋭彦
(72)【発明者】
【氏名】本田 朋之
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA07
5E322DA01
5E322DA04
5E322EA11
5E322FA04
5F136CB06
5F136CB11
5F136CB13
5F136CB15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】液体に生じる変化に応じることが容易となる収容体、コールドプレート及び送液装置を提供する。
【解決手段】収容体であるコールドプレート100は、第1液体収容部101と、第2液体収容部105と、を有する。第1液体収容部は、液体が通過する流路を内部に有する。第2液体収容部は、流路に接続され、前記液体を収容可能である。第2液体収容部は、貯留部151と、変更部153と、を有する。貯留部は、少なくとも一部に液体を貯留可能である。変更部は、液体の変化に応じて、貯留部の体積を変更する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が通過する流路を内部に有する第1収容部と、
前記流路に接続され、前記液体を収容可能な第2収容部と
を有し、
前記第2収容部は、
少なくとも一部に前記液体を貯留可能な貯留部と、
前記液体の変化に応じて、前記貯留部の体積を変更する変更部と
を有する、収容体。
【請求項2】
前記第1収容部は、発熱部品に対向する対向面を有し、
前記液体の変化は、前記発熱部品の熱が伝導されることによって変化する前記液体の体積を含み、
前記変更部は、前記液体の体積の変化に応じて、前記貯留部の体積を変更する、請求項1に記載の収容体。
【請求項3】
前記第2収容部は、前記流路側が開口した有底筒状部材であり、前記第2収容部の底部は孔が開いている、請求項2に記載の収容体。
【請求項4】
前記第1収容部は、
前記液体が流入する流入部と前記液体が流出する流出部とが配置される第1面と、
前記第1面と異なる第2面と
を更に有し、
前記第2収容部の前記開口箇所は、前記第2面側に位置する前記流路に接続される、請求項3に記載の収容体。
【請求項5】
前記第2面の長手方向の長さは、前記第1面の長手方向の長さよりも長く、
前記第2収容部の長さは、前記第2面の長手方向の長さよりも短い、請求項4に記載の収容体。
【請求項6】
前記変更部は、
前記貯留部の内部に配置され、前記貯留部内の前記液体を封止する封止部材と、
前記貯留部が延びる方向に沿って前記封止部材を移動させる移動部材と
を有し、
前記移動部材は、前記液体の体積の変化に応じて、前記封止部材を前記開口箇所に対して接近または離隔させる、請求項4に記載の収容体。
【請求項7】
前記第2面は、重力が作用する方向に交差する方向に延び、
前記貯留部は、前記第2面に沿って延びる、請求項6に記載の収容体。
【請求項8】
前記第2収容部は、前記貯留部と前記流路とを接続する接続部を更に有し、
前記接続部の内径は、前記貯留部の内径よりも小さい、請求項7に記載の収容体。
【請求項9】
前記移動部材は、バネを含み、
収縮しないときの前記バネの長さは、前記貯留部の前記開口箇所から前記底部までの長さよりも長く、前記底部と前記封止部材との間に配置される、請求項8に記載の収容体。
【請求項10】
前記流路は、
通過する液体に熱を伝導させる第1流路と
前記第1流路の上流側の第2流路と、
前記第1流路の下流側の第3流路と
を含み、
前記接続部は、前記第3流路と接続される、請求項8に記載の収容体。
【請求項11】
前記貯留部の内面には、潤滑剤が塗布される、請求項10に記載の収容体。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の収容体を有する、コールドプレート。
【請求項13】
請求項1に記載の収容体と、
前記液体を流出部に送出する第1ポンプと、
流入部から流入した前記液体を前記第1ポンプへ送出する第2ポンプと
を有し、
前記第1収容部は、前記流入部と前記流出部とが配置される第1面を有し、
前記第1ポンプと前記第2ポンプとは、前記第1面と前記第2収容部との間に配置され、前記第1面の長手方向に隣り合う、送液装置。
【請求項14】
前記流路は、前記第1ポンプと前記第2ポンプとを接続する接続流路を有し、
前記第2収容部は、前記接続流路に接続される、請求項13に記載の送液装置。
【請求項15】
前記貯留部は、
少なくとも一部に前記液体を貯留可能な第1貯留部と、
少なくとも一部に前記液体を貯留可能な第2貯留部と
を有し、
前記第1貯留部と前記第2貯留部とは、前記第1面の長手方向に対向する、請求項14に記載の送液装置。
【請求項16】
前記第1貯留部と前記第2貯留部とは、前記流路側が開口した有底筒状部材であり、前記第1貯留部の底部と前記第2貯留部の底部とは孔が開いている、請求項15に記載の送液装置。
【請求項17】
前記第1収容部は、
前記第1ポンプが取り付けられる第1取付部と、
前記第2ポンプが取り付けられる第2取付部と
を更に有し、
前記第1取付部、前記第2取付部、前記第1貯留部、及び前記第2貯留部は、単一の部材で形成される、請求項16に記載の送液装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容体、コールドプレート及び送液装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の熱交換器アセンブリは、第1の交換流体と第2交換流体とで熱交換する熱交換器と、圧力パルスバッファ装置と、配管とを含む。配管は、熱交換器と圧力パルスバッファ装置とを繋ぐ。圧力パルスバッファ装置は、熱交換器中の圧力パルスを減少させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公開第103339459号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の熱交換器アセンブリは、熱交換器と圧力パルスバッファ装置とが配管で接続され離隔するため、圧力パルスバッファ装置が液体に生じる変化に対応することが困難であった。
【0005】
本開示は上記課題に鑑みてなされたものであり、液体に生じる変化に応じることが容易となる収容体、コールドプレート及び送液装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の例示的な収容体によれば、収容体は、第1収容部と、第2収容部とを有する。前記第1収容部は、液体が通過する流路を内部に有する。前記第2収容部は、前記流路に接続され、前記液体を収容可能である。前記第2収容部は、貯留部と、変更部とを有する。前記貯留部は、少なくとも一部に前記液体を貯留可能である。前記変更部は、前記液体の変化に応じて、前記貯留部の体積を変更する。
【0007】
本開示の例示的なコールドプレートによれば、コールドプレートは、上記収容体を有する。
【0008】
本開示の例示的な送液装置によれば、送液装置は、上記収容体と、第1ポンプと、第2ポンプとを有する。前記第1ポンプは、前記液体を流出部に送出する。前記第2ポンプは、流入部から流入した前記液体を前記第1ポンプへ送出する。前記第1収容部は、前記流入部と前記流出部とが配置される第1面を有する。前記第1ポンプと前記第2ポンプとは、前記第1面と前記第2収容部との間に配置され、前記第1面の長手方向に隣り合う。
【発明の効果】
【0009】
例示的な本開示の収容体、コールドプレート及び送液装置によれば液体に生じる変化に容易に応じることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の実施形態に係る冷却機構の模式図である。
図2図2は、本実施形態に係る冷却機構の配管を示す図である。
図3図3は、図2に示すコールドプレートを別の角度から見た図である。
図4図4は、図2に示すコールドプレートを更に別の角度から見た図である。
図5図5は、第2液体収容部の内部を示す図である。
図6図6は、液体を収容する前の第2液体収容部の断面を模式的に示す図である。
図7図7は、液体を収容した際の第2液体収容部の断面を模式的に示す図である。
図8図8は、送液装置を示す斜視図である。
図9図9は、送液装置の内部流路を示す図である。
図10図10は、送液装置の内部流路を示す別の図である。
図11図11は、送液装置の断面を示す図である。
図12図12は、送液装置の断面を示す別の図である。
図13図13は、本開示の実施形態の変形例1に係る第2液体収容部を示す図である。
図14図14は、本開示の実施形態の変形例1に係る第2液体収容部を示す別の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本願明細書では、開示の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を記載することがある。典型的には、Z軸は、鉛直方向に平行であり、X軸及びY軸は、水平方向に平行であるが、X軸、Y軸及びZ軸の向きは、これらに限定されない。
【0012】
まず、図1図2とを参照して、例示的な第1の実施形態の冷却機構10を説明する。図1は、冷却機構10の模式図である。冷却機構10は、発熱部品の冷却に用いられる。例えば、冷却機構10は、電子機器の発熱部品を冷却してもよい。発熱部品は、例えば、電子機器の回路である。また例えば、発熱部品は、電子機器の光源である。なお、電子機器は、サーバ、プロジェクター、ノート型パーソナルコンピュータ、二次元ディスプレイ装置のいずれであってもよい。
【0013】
冷却機構10は、配管20と、コネクタ21と、ラジエータ30と、コールドプレート100と、送液装置200とを有する。冷却機構10は、冷媒として液体を循環する。送液装置200が液体を順次送り出すことにより、冷却機構10において液体が循環する。
【0014】
冷却機構10において、循環する液体は、水であってもよい。あるいは、循環する液体は、混合液であってもよい。例えば、混合液は、水とプロピレングリコールの混合液であってもよい。
【0015】
コールドプレート100は、対象機器の熱源の熱を吸収する。コールドプレート100は、内部に液体を収容する。コールドプレート100は、「収容体」の一例に相当する。コールドプレート100は、銅またはアルミニウム等の熱伝導率の高い金属からなる。コールドプレート100は、X軸方向及びY軸方向に拡がる矩形状の板部品である。なお、コールドプレート100の形状は、矩形状以外であってもよい。
【0016】
具体的には、コールドプレート100は、熱源の熱を液体に伝導させる。このため、コールドプレート100は、対象機器の熱源の近くに配置される。例えば、コールドプレート100は、熱源に対向して配置される。あるいは、コールドプレート100は、熱源と接触して配置されてもよい。コールドプレート100が熱源に対向して配置される場合、伝達部材を介して、コールドプレート100と熱源とが対向する。伝達部材は、例えば、ヒートグリスである。ヒートグリスは、コールドプレート100と熱源との微小な隙間に侵入する。このため、コールドプレート100と熱源との間の間隙が減少する。この結果、熱源からコールドプレート100への熱伝導率が向上する。
【0017】
コールドプレート100は、複数のコールドプレートを含む。具体的には、コールドプレート100は、第1コールドプレート100A、第2コールドプレート100B、及び、第3コールドプレート100Cを含む。
【0018】
ラジエータ30は、配管20を流れる液体の熱を外部に放出する。ラジエータ30は、配管20を介してコールドプレート100と接続される。熱源の熱は、コールドプレート100を伝わって内部の液体に吸収される。その後、コールドプレート100を通過した液体は、ラジエータ30に戻り、ラジエータ30が熱を外部に放出することで、配管20内の液体は冷却される。そして、冷却された液体は送液装置200によって、再び、配管20に送り出される。
【0019】
送液装置200は、液体を、ラジエータ30及びコールドプレート100に向けて送り出す。送液装置200は、ラジエータ30に接続される。送液装置200から送り出された液体は、ラジエータ30に向かって流れる。そして、液体は、ラジエータ30からコールドプレート100に向かって流れる。
【0020】
送液装置200は、複数の送液装置を含む。具体的には、送液装置200は、第1送液装置200A、第2送液装置200B、第3送液装置200C、及び、第4送液装置200Dを含む。第1送液装置200A~第4送液装置200Dのそれぞれは、ラジエータ30に接続される。また、第1送液装置200A~第4送液装置200Dのそれぞれは、ラジエータ30を介して、コールドプレート100に接続される。
【0021】
図2に示すように、コネクタ21は、配管20をラジエータ30に接続する。コネクタ21は、第1接続部22と、第2接続部23とを含む。第1接続部22は、ラジエータ30と配管20とを接続する。第1接続部22によってラジエータ30から配管20に液体が流入する。第2接続部23は、配管20とラジエータ30とを接続する。第2接続部23によって配管20からラジエータ30に液体が流出する。
【0022】
配管20は、筒状である。例えば、配管20は、樹脂から形成される。一例では、配管20は、ゴムチューブである。配管20は、ラジエータ30とコールドプレート100とを繋ぐ。よって、液体は、配管20を介して、送液装置200とラジエータ30とコールドプレート100とを循環する。なお、配管20は、金属の配管であってもよい。配管を金属とすることで、樹脂製の配管と比較して、液体の蒸発を抑制できる。
【0023】
図2は、冷却機構10の配管20を示す図である。図2に示すように、配管20は、配管20aと、配管20bと、配管20cとを有する。
【0024】
配管20cは、ラジエータ30とコールドプレート100とを繋ぐ。具体的には、配管20cは、コネクタ21の第1接続部22とコールドプレート100とを接続する。よって、ラジエータ30において冷却された液体は、配管20cを通ってコールドプレート100に向かって流れる。コールドプレート100において液体は、熱源からの熱を吸収する。また、液体は配管20bを通過する。
【0025】
配管20aは、コールドプレート100とラジエータ30とを繋ぐ。具体的には、配管20aは、コネクタ21の第2接続部23とコールドプレート100とを接続する。コールドプレート100において熱を吸収した液体は、配管20aを通ってラジエータ30に向かって流れる。また、液体は、送液装置200において押し出され、再び、配管20a、配管20b及び配管20cを通って循環する。
【0026】
次に図2図4を参照して、コールドプレート100を説明する。図3は、図2に示すコールドプレート100を別の角度から見た図である。図4は、図2に示すコールドプレート100を更に別の角度から見た図である。
【0027】
コールドプレート100は、第1液体収容部101、第2液体収容部105、第3液体収容部108、及び、第4液体収容部109を含む。第1液体収容部101、第2液体収容部105、第3液体収容部108、及び、第4液体収容部109のそれぞれは、液体が通過する。第1液体収容部101は、「第1収容部」の一例に相当する。第2液体収容部105は、「第2収容部」の一例に相当する。
【0028】
例えば、図2に示すように、液体は、コネクタ21の第1接続部22から第4液体収容部109、第3液体収容部108、第1液体収容部101を経由して、コネクタ21の第2接続部23まで移動する。具体的には、コネクタ21の第1接続部22から液体が配管20cを通過する。配管20cを通過する液体の流れは、流れF1である。
【0029】
次に、液体は、第4液体収容部109の内部に流入する。第4液体収容部109に流入し、第4液体収容部109内を通過する液体の流れは、流れF2である。
【0030】
更に液体は、第3液体収容部108の内部に流入する。第3液体収容部108に流入する液体の流れは、流れF3である。そして、第3液体収容部108を通過し、配管20bに向かう液体の流れは、流れF4である。
【0031】
次に、配管20bを通過し、第1液体収容部101に流入する液体の流れは、流れF5である。そして、第1液体収容部101を通過し、配管20cに流入する液体の流れはF6である。その後、液体はラジエータ30まで移動する。このように、コールドプレート100において熱を吸収した液体は、配管20cを通ってラジエータ30に向かって流れる。
【0032】
第3液体収容部108と第4液体収容部109とのそれぞれは、内部流路(図示せず)とフィン部(図示せず)とを有する。内部流路は、液体が通過する。フィン部は、内部流路内に配置される。フィン部は、複数のフィンを有してもよい。フィン部は、液体に対する接触面積が大きいため、熱が効率良く液体に伝達される。
【0033】
また、配管20cを流れる液体は、第4液体収容部109の内部に流入した後に、第3液体収容部108の内部に流入したが、これに限らない。例えば、配管20cを流れる液体は、第3液体収容部108の内部と第4液体収容部109の内部とにそれぞれ流入してもよい。つまり、配管20cは、第3液体収容部108と第4液体収容部109とに接続される。例えば、配管20cは、第3液体収容部108と第4液体収容部109とへ接続される分岐部を有していてもよい。この場合、配管20bは、第3液体収容部108と第4液体収容部109とに接続される。よって、配管20bには、第3液体収容部108と第4液体収容部109とから液体が流入する。
【0034】
第1液体収容部101は、液体を収容する。第1液体収容部101は、連結部102と、本体部103とを有する。
【0035】
連結部102は、配管20bと配管20cとに接続される。図3図4とに示すように、連結部102は、流入部121と、流出部122とを有する。
【0036】
流入部121は、配管20bを通過した液体を本体部103に流入させる。流入部121は、配管20bの接続部分から本体部103の内部に向かって貫通する貫通孔を有する。よって、図3に示す流れF5のように、配管20b内を移動する液体が、流入部121を介して本体部103の内部流路130に流入する。
【0037】
流出部122は、本体部103の内部流路130から配管20cに液体を流出させる。流出部122は、本体部103の内部流路130から配管20cの接続部分に向かって貫通する貫通孔を有する。よって、図4に示す流出部122から図2に示す流れF6のように、本体部103の内部流路130から配管20cに液体が流出する。
【0038】
図3に示すように、本体部103は、複数の面を有する。本体部103の複数の面は、第1主面115、第2主面116、第1側面111、第2側面112、第3側面113、及び、第4側面114を有する。
【0039】
第1主面115は、発熱部品に対向する。例えば、第1主面115には、発熱部品が載置されてもよい。第1主面115は、「対向面」の一例に相当する。第1主面115は、連結部102の第1方向D1側に位置する。第1方向D1は、連結部102から本体部103に向かう方向を示す。また、第1主面115の第2方向D2側には連結部102が位置する。第2方向D2は、第1方向D1の反対方向を示す。第1方向D1と第2方向D2とは、重力が作用する方向に交差する方向である。なお、図3では、第1主面115の一部が省略されている。
【0040】
第1側面111は、連結部102が固定される。つまり、第1側面111は、流入部121と流出部122とが配置される。第1側面111は、「第1面」の一例に相当する。第1側面111は、第2側面112と第4側面114との間に位置する。第1側面111は、第3方向D3と第4方向D4とに沿って延びる。第3方向D3は、第4側面114から第2側面112に向かう方向を示す。第4方向D4は、第3方向D3の反対方向を示し、第2側面112から第4側面114に向かう方向を示す。第1側面111は、第1方向D1に第3側面113と対向する。
【0041】
第2側面112は、第1側面111と第3側面113との間に位置する。第2側面112は、第1方向D1と第2方向D2とに沿って延びる。第2側面112は、第4方向D4に第4側面114と対向する。第2側面112は、第2液体収容部105が固定される。第2側面112は、第1側面111と異なる。第2側面112は、「第2面」の一例に相当する。
【0042】
第3側面113は、第1側面111と対向する。第3側面113は、第3方向D3と第4方向D4とに沿って延びる。第4側面114は、第2側面112と対向する。第4側面114は、第1方向D1と第2方向D2とに沿って延びる。
【0043】
第2主面116は、第5方向D5に第1主面115と対向する。第5方向D5は、第2主面116から第1主面115に向かう方向を示す。また、第2主面116は、第1主面115よりも第6方向D6側に位置する。第6方向D6は、第5方向D5の反対方向を示す。第6方向D6は、重力が作用する方向に沿う。
【0044】
次に、図3図4とに示すように、本体部103は、内部流路130を更に有する。図3では、第1主面115の一部が省略された本体部103が示される。図4では、第2主面116が省略された本体部103が示される。
【0045】
内部流路130は、第1主面115、第2主面116、第1側面111、第2側面112、第3側面113、及び、第4側面114によって規定される。内部流路130は、液体が通過する。内部流路130は、「流路」の一例に相当する。換言すると、第1液体収容部101は、液体が通過する内部流路130を内部に有する。
【0046】
また、図4に示すように、内部流路130は、第1内部流路130aと、第2内部流路130bと、第3内部流路130cと、第4内部流路130dと、第5内部流路130eと、第6内部流路130fと、第7内部流路130Gと、第1開口131と、第2開口132と、第3開口133とを含む。
【0047】
図3に示すように、第1開口131は、第1内部流路130aへ液体を流入させる流入口である。図4に示すように、第1開口131は、第5方向D5に貫通する貫通孔である。連結部102の流入部121から本体部103に流入する液体は、第1開口131から第1内部流路130aに流入する。流入部121から第1開口131へ向かう液体の流れは、流れF11である。
【0048】
第1内部流路130aは、第1開口131と第2内部流路130bとに接続される。第1内部流路130aは、第1方向D1に沿って延びる流路である。第1開口131から第1内部流路130aに流入した液体は、第1方向D1に流れる。第1内部流路130aは、液体を第2内部流路130bへ案内する。第1内部流路130aの液体の流れは、流れF12である。第1内部流路130aは、第2内部流路130b~第7内部流路130Gの上流側に位置する。第1内部流路130aは、「第2流路」の一例に相当する。
【0049】
第2内部流路130bは、第1内部流路130aと、第3内部流路130cと接続される。第2内部流路130bは、第3方向D3に沿って延びる流路である。第1内部流路130aから第2内部流路130bに移動した液体は、第3方向D3に流れる。第2内部流路130bは、液体を第3内部流路130cへ案内する。第2内部流路130bの液体の流れは、流れF13である。第2内部流路130bは、第3内部流路130c~第7内部流路130Gの上流側に位置する。第2内部流路130bは、「第2流路」の一例に相当する。
【0050】
第3内部流路130cは、第2内部流路130bと、第4内部流路130dと接続される。第3内部流路130cは、第1方向D1に沿って延びる流路である。第2内部流路130bから第3内部流路130cに移動した液体は、第1方向D1に流れる。第3内部流路130cは、液体を第4内部流路130dへ案内する。第3内部流路130cの液体の流れは、流れF14である。第3内部流路130cは、第4内部流路130d~第6内部流路130fの上流側に位置する。また、第3内部流路130cは、第1内部流路130a及び第2内部流路130bの下流側に位置する。
【0051】
第3内部流路130cは、第1主面115において発熱部品と接触する部分に対応する。よって、第3内部流路130cは、第3内部流路130cを通過する液体に熱を伝導させる。第3内部流路130cは、「第1流路」の一例に相当する。
【0052】
第4内部流路130dは、第3内部流路130cと、第5内部流路130eと接続される。第4内部流路130dは、第3方向D3に沿って延びる流路である。第3内部流路130cから第4内部流路130dに移動した液体は、第3方向D3に流れる。第4内部流路130dは、液体を第5内部流路130eへ案内する。第4内部流路130dの液体の流れは、流れF16である。第4内部流路130dは、第5内部流路130e~第7内部流路130Gの上流側に位置する。また、第4内部流路130dは、第1内部流路130a~第3内部流路130cの下流側に位置する。
【0053】
第4内部流路130dは、第1主面115において発熱部品と接触する部分に対応する。よって、第4内部流路130dは、第4内部流路130dを通過する液体に熱を伝導させる。第4内部流路130dは、「第1流路」の一例に相当する。
【0054】
第5内部流路130eは、第4内部流路130dと、第6内部流路130fと、第2開口132とに接続される。第5内部流路130eは、第2方向D2に沿って延びる流路である。第4内部流路130dから第5内部流路130eに移動した液体は、第2方向D2に流れる。第5内部流路130eは、液体を第6内部流路130fと、第2開口132とに案内する。第5内部流路130eの液体の流れは、流れF17である。第5内部流路130eは、第6内部流路130f及び第7内部流路130gの上流側に位置する。また、第5内部流路130eは、第1内部流路130a~第4内部流路130dの下流側に位置する。
【0055】
第5内部流路130eは、第1主面115において発熱部品と接触する部分に対応する。第5内部流路130eは、第5内部流路130eを通過する液体に熱を伝導させる。第5内部流路130eは、「第1流路」の一例に相当する。また、第5内部流路130eには、フィン部(図示せず)が配置されてもよいフィン部は、複数のフィンを有してもよい。フィン部は、液体に対する接触面積が大きいため、熱が効率良く液体に伝達される。
【0056】
第6内部流路130fは、第5内部流路130eと第3開口133とに接続される。第6内部流路130fは、第4方向D4に沿って延びる流路である。第5内部流路130eから第6内部流路130fに移動した液体は、第4方向D4に流れる。第6内部流路130fは、液体を第3開口133に案内する。第6内部流路130fの液体の流れは、流れF18である。第6内部流路130fは、第1内部流路130a~第5内部流路130eの下流側に位置する。
【0057】
第7内部流路130gは、第2開口132と第2液体収容部105とに接続される。第7内部流路130gは、第3方向D3に沿って延びる流路である。第2開口132から第7内部流路130gに移動した液体は、第3方向D3に流れる。第7内部流路130gは、液体を第2液体収容部105に案内する。第7内部流路130gの液体の流れは、流れF19である。第7内部流路130gは、第1内部流路130a~第5内部流路130eの下流側に位置する。第7内部流路130gは、「第3流路」の一例に相当する。
【0058】
第2開口132は、第5内部流路130eを流れる液体を第7内部流路130gに流出させる流出口である。具体的には、液体の体積が増加する場合、液体は、第5内部流路130eから第2開口132を介して第7内部流路130gに流出する。つまり、第2開口132は、液体の流出口となる。
【0059】
また、第2開口132は、第7内部流路130gを流れる液体を第5内部流路130eに流入させる流入口も兼ねる。具体的には、液体の体積が減少する場合、液体は、第7内部流路130gから第2開口132を介して第5内部流路130eに流入する。つまり、第2開口132は、液体の流入口となる。換言すると、第2開口132は、液体の流入出させる。
【0060】
第3開口133は、第6内部流路130fを流れる液体を連結部102の流出部122に流出させる流出口である。
【0061】
次に図5図7を参照して、第2液体収容部105を詳しく説明する。図5は、第2液体収容部105の内部を示す図である。図6は、液体を収容する前の第2液体収容部105の断面を模式的に示す図である。図7は、液体を収容した際の第2液体収容部105の断面を模式的に示す図である。
【0062】
第2液体収容部105は、液体を収容可能である。第2液体収容部105は、流路側が開口した有底筒状部材である。第2液体収容部105の開口箇所は、第1液体収容部101の内部流路130に接続される。よって、本体部103の内部流路130から第2液体収容部105に液体が流入する。
【0063】
第2液体収容部105は、貯留部151と、変更部153とを有する。貯留部151は、少なくとも一部に液体を貯留可能である。貯留部151は、内部流路130側が開口した有底筒形状を有する。
【0064】
変更部153は、貯留部151の体積を変更する。変更部153は、貯留部151の内部に配置される。具体的には、変更部153は、液体の変化に応じて、貯留部151の体積を変更する。したがって、変更部153は、液体の変化に応じて、貯留部151の体積を増減させる。この結果、液体に生じる変化に応じることが容易となる。
【0065】
例えば、変更部153が貯留部151の体積を減少させることが可能であるため、液体が減少しても冷却機構10の内部に気体が浸入することを抑制できる。具体的には、コネクタ21の挿抜によって、液体が減少することがある。また、例えば、液体が、配管20から蒸発することがある。特に、冷却機構10を長期間使用すると、配管20から液体が徐々に蒸発して冷却機構10を循環する液体の量が減少することがある。本実施形態によれば、変更部153が貯留部151の体積を減少させることが可能であるため、液体が減少しても冷却機構10の内部に気体が浸入することを抑制できる。
【0066】
また、例えば、変更部153が貯留部151の体積を増加させることが可能であるため、液体の注水量が増加しても冷却機構10の内部から液体が漏れることを低減できる。よって、冷却機構10に対して、液体が過剰に注水されて、第1液体収容部101内の内圧が上昇しても、変更部153が貯留部151の体積を増加させるため、液体が冷却機構10の内部から漏れることを抑制できる。例えば、液体を冷却機構10に注水した後、液体が冷却機構10から漏れないように、液体を除去する工程を省略できる。
【0067】
また、液体の変化は、発熱部品の熱が液体に伝導されることによって変化する液体の体積を含む。変更部153は、液体の体積の変化に応じて、貯留部151の体積を変更する。したがって、発熱部品の熱に起因して、液体が熱膨張して液体の体積が増加しても、変更部153が貯留部151の体積を増加させる。この結果、液体の体積が増加して第1液体収容部101内の内圧が上昇しても冷却機構10から液体が漏れることを抑制できる。
【0068】
例えば、液体の温度が「25°」から「90°」に上昇した場合、液体の体積は増加する。例えば、液体の体積は1.56ccほど増加する。このため、変更部153は、貯留部151の体積を1.56ccほど増加させる。つまり、増加した液体の体積に対応するように、変更部153は貯留部151の体積を増加させる。よって、冷却機構10から液体が漏れることを抑制できる。なお、貯留部151の体積は、液体の体積が増加する量よりも大きい。このため、液体の体積が過剰に変化しても、冷却機構10から液体が漏れることを抑制できる。
【0069】
次に図5図7を参照して、第2液体収容部105を更に詳しく説明する。図6は、第2液体収容部105の断面を示す模式図である。図6では、変更部153が貯留部151の体積を変更する前の状態を示している。図7は、第2液体収容部105の断面を示す別の図である。図7では、変更部153が貯留部151の体積を変更した後の状態を示している。
【0070】
図5に示すように、第2液体収容部105の貯留部151は、第1方向D1と第2方向D2とに沿って延びる。また、貯留部151は、第2側面112に沿って延びる。第2側面112は、重力が作用する方向に交差する第1方向D1に延びる。したがって、重力方向である第6方向D6に貯留部が延びる場合と比較して、変更部153が重力の影響を受けにくい。この結果、貯留部151の体積を容易に変更できる。
【0071】
また、図5に示すように、第2側面112の長手方向の長さL1は、第1側面111の長手方向の長さL2よりも長い。第1側面111の長手方向は、第3方向D3及び第4方向D4に沿う方向を示す。なお、第1側面111の短手方向は、第5方向D5及び第6方向D6に沿う方向を示す。
【0072】
そして、第2液体収容部105の長手方向の長さL3は、第2側面112の長さL1よりも短い。第2液体収容部105の長手方向と第2側面112の長手方向とは、第1方向D1及び第2方向D2に沿う方向を示す。また、第2液体収容部105の短手方向と第2側面112の短手方向とは、第5方向D5及び第6方向D6に沿う方向を示す。
【0073】
したがって、第1側面111の長さL2よりも長い第2側面112に、第2液体収容部105を配置できる。この結果、貯留部151の体積の変更幅を大きくできる。また、第2液体収容部105の長さL3は第2側面L1の長さよりも短い。したがって、第1液体収容部101の第2側面112に沿う方向の長さL1が長くなることを抑制できる。この結果、コールドプレート100が過剰に大きくなることを抑制できる。
【0074】
図6図7とに示すように、貯留部151は、円筒形状を有する。また、貯留部151は、第1端部151Aと、第2端部151Bとを有する。
【0075】
第1端部151Aは、第1方向D1の側の端部である。第1端部151Aは、「底部」の一例に相当する。第1端部151Aは、貫通孔151Hを有する。つまり、第1端部151Aは、孔が開いている。貫通孔151Hは、貯留部151の外部と内部とを連通する。よって、貯留部151内の空気は、貫通孔151Hを通過して大気に放出される。換言すると、第2液体収容部105の底部は孔が開いている。つまり、変更部153が貯留部151の体積を変更した際に、貫通孔151Hから第2液体収容部105内の空気が大気に放出される。したがって、貯留部151の体積を変更する際に、第2液体収容部105内の空気が変更部153の動作を妨げることを抑制できる。具体的には、変更部153が貯留部151の体積を変更した際に、貯留部151内の空気が大気に放出される。したがって、貯留部151の体積を変更する際に、貯留部151内の空気が変更部153の動作を妨げることを抑制できる。この結果、貯留部151の体積をスムーズに変化させることができる。
【0076】
第2端部151Bは、第2方向D2の側の端部である。第2端部151Bは、第2方向D2に開口する。第2端部151Bは、「開口箇所」の一例に相当する。第2端部151Bは、第2側面112側に位置する内部流路130に接続される。したがって、液体の流入部121と液体の流出部122とが配置される面と異なる面に貯留部151を取り付けることができる。この結果、本体部103に流入する液体の流れを妨げることを低減し、本体部103から流出する液体の流れを妨げることを低減できる。
【0077】
図6図7とに示すように、変更部153は、貯留部151のうち液体を貯留可能な貯留部分152の体積を変更する。つまり、変更部153は、液体の体積の減少に応じて、貯留部分152の体積を減少させる。この結果、冷却機構10に気体が浸入することを抑制できる。更に、変更部153は、液体の体積の増加に応じて、貯留部分152の体積を増加させる。この結果、内圧が高まり冷却機構10から液体が漏れることを抑制できる。
【0078】
コールドプレート100と送液装置200とは、ラジエータ30または流路に対して挿抜可能であるが、特に、冷却機構10の内圧が高まった状態では、コールドプレート100または送液装置200を挿入することが困難となる。しかし、コールドプレート100または送液装置200に第2液体収容部105を設ける本実施形態においては、冷却機構10の内圧の上昇を抑制できる。このため、コールドプレート100と送液装置200との挿抜の作業性が悪化することを抑制できる。
【0079】
また、例えば、冷却機構10の内圧が高い状態でコールドプレート100を抜き取った場合、コネクタ21に圧力がかかり、液体が漏れることがある。しかし、コールドプレート100または送液装置200に第2液体収容部105を設ける本実施形態においては、冷却機構10の内圧の上昇を抑制できる。このため、コネクタ21に圧力がかかり続けることを抑制し、液体が漏れることを抑制できる。
【0080】
また、変更部153は、封止部材156と、移動部材154とを有する。
【0081】
封止部材156は、貯留部151の内部に配置される。封止部材156は、貯留部151内の液体を封止する。封止部材156は、貯留部分152に流入した液体が封止部材156を超えて貫通孔151H側へ移動することを抑制する。
【0082】
本実施形態では、封止部材156は、貯留部151の第2端部151B側に配置される。封止部材156によって貯留部151は少なくとも一部に液体を収容できる。つまり、図7に示すように、封止部材156によって、貯留部151の貯留部分152に液体を収容できる。これにより、貯留部151内において、封止部材156を境に移動部材154と反対側に液体が収容される。
【0083】
また、封止部材156は、第1封止部材156aと、第2封止部材156bと、本体部156cと有する。本体部156cは、貯留部151の内部に配置される。本体部156cは、円柱形状を有する。本体部156cは、貯留部151の内面と第3方向D3または第4方向D4に対向する。つまり、本体部156cの外周面は、本体部156cの径方向外側に貯留部151の内面と対向する。
【0084】
本体部156cは、複数の溝を有する。複数の溝は、本体部156cの外周面から本体部156cの径方向内側に凹む。複数の溝には、潤滑材が塗布されていてもよい。具体的には、複数の溝は、潤滑剤の溜まり部である。つまり、複数の溝は、潤滑剤を溜めることができる。
【0085】
潤滑剤は、例えば、白色ワセリンである。潤滑剤は、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、シリコーンオイル、フッ素オイル、ポリアルキレングリコール、鉱物油、または流動パラフィンであってもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0086】
第1封止部材156aと第2封止部材156bとは、貯留部151と本体部156cとの間隙を封止する。つまり、第1封止部材156aと第2封止部材156bとは、貯留部151と本体部156cとの間に位置する。また、第1封止部材156aは、第2封止部材156bよりも第2方向D2の側に位置する。第1封止部材156aは、本体部156cの複数の溝のうち第2方向D2の側に位置する溝に配置される。また、第2封止部材156bは、第1封止部材156aよりも第1方向D1の側に位置する。第2封止部材156bは、本体部156cの複数の溝のうち第1方向D1の側に位置する溝に配置される。
【0087】
第1封止部材156aと第2封止部材156bとは、弾性部材で形成される。例えば、第1封止部材156aと第2封止部材156bとは、環状の弾性部材である。環状の弾性部材は、例えば、天然ゴムまたは合成ゴムである。合成ゴムは、ニトリルゴム(NBR)、ウレタンゴム(U)、フッ素ゴム(FKM)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、シリコーンゴム(Q)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)またはブチルゴム(IIR)を含む。
【0088】
移動部材154は、貯留部151が延びる方向に沿って封止部材156を移動させる。移動部材154は、液体の体積の変化に応じて、封止部材156を第2端部151Bに対して接近または離隔させる。例えば、液体の体積が減少した場合、移動部材154は封止部材156を第2端部151Bに対して接近させる。よって、貯留部151の貯留部分152の体積を減少する。また例えば、液体の体積が増加した場合、封止部材156は第2端部151Bから離隔する。よって、貯留部151の貯留部分152の体積が増加する。この結果、簡易な構成で貯留部151の貯留部分152の体積を変化させることができる。
【0089】
例えば、図6に示すように、移動部材154は、封止部材156を第2方向D2の側へ移動させる。具体的には、移動部材154は、封止部材156が第2端部151Bに到達するまで、封止部材156を第2方向D2の側へ移動させる。よって、封止部材156は、第2端部151Bに接近し、貯留部分152の体積は減少する。つまり、収容可能な液体の量が減少する。
【0090】
また、例えば、図7に示すように、貯留部分152に液体が収容される場合、液体は封止部材156を第1方向D1に移動させる。この際、貯留部分152に収容された液体の量に応じて、封止部材156によって第1方向D1の側へ移動部材154は押圧される。よって、封止部材156は、第2端部151Bから離隔し、貯留部分152の体積は増加する。つまり、収容可能な液体の量が増加する。
【0091】
移動部材154は、バネを含む。具体的には、移動部材154は、圧縮コイルバネである。よって、圧縮コイルバネは、圧縮された状態で貯留部151に収容される。つまり、貯留部151に収容される前の移動部材154の長さは、貯留部151の第1方向D1に沿った長さよりも長い。換言すると、収縮しないときのバネの長さは、貯留部151の第2端部151Bから第1端部151Aまでの長さよりも長い。よって、移動部材154として、比較的安価なバネを用いることで、封止部材156を容易に移動させることができる。
【0092】
また、バネは、第1端部151Aと封止部材156との間に配置される。したがって、封止部材156が第2端部151B付近に配置されるため、液体の体積の増加に起因する本体部156cの内圧が増加に応じる速度が上昇する。この結果、冷却機構10から液体が漏れることを更に抑制できる。
【0093】
また、第2液体収容部105は、接続部155を更に有する。接続部155は、貯留部151と内部流路130とを接続する。具体的には、図6図7とに示すように、接続部155は、貯留部151の第2端部151Bの開口と第7内部流路130gとを接続する。したがって、受熱によって体積が増えた液体が通過する第7内部流路130gに第2液体収容部105が接続される。つまり、液体の体積の変化が大きくなる箇所に第2液体収容部105を配置できる。この結果、液体の体積の変化に対応することが更に容易となる。
【0094】
また、接続部155は、円筒形状を有する。接続部155の内径W1は、貯留部151の内径W2よりも小さい。封止部材156の外径W3は、貯留部151の内径W2よりも小さい。更に、封止部材156の外径W3は、接続部155の内径W1よりも大きい。したがって、接続部155は、封止部材156の第2方向D2への移動を抑制できる。この結果、封止部材156が接続部155の内部に移動することを抑制できる。
【0095】
また、本実施形態の貯留部151の内面には、潤滑剤が塗布される。したがって、液体の体積の変化によって封止部材156を容易に移動させることが可能となる。
【0096】
本実施形態では、第2液体収容部105は、第7内部流路130gに対して交差するように、第2側面112に固定されたがこれに限らない。第2液体収容部105は、第7内部流路130gに沿う方向に固定されてもよい。
【0097】
次に、図8図12を参照して、送液装置200を更に詳しく説明する。図8は、送液装置200を示す斜視図である。図9は、送液装置200の内部流路230を示す図である。図10は、送液装置200の内部流路230を示す別の図である。図11は、送液装置200の断面を示す図である。図12は、送液装置200の断面を示す別の図である。
【0098】
冷却機構10は、コネクタ41を更に有する。コネクタ41は、ラジエータ30と送液装置200とを接続する。図8に示すように、コネクタ41は、第3接続部42と、第4接続部43とを有する。
【0099】
第3接続部42は、ラジエータ30と送液装置200とを接続する。第3接続部42により、ラジエータ30から送液装置200に液体が流れる。ラジエータ30から送液装置200へ向かう液体の流れは、流れF7である。第3接続部42によってラジエータ30から送液装置200に液体が流入する。
【0100】
第4接続部43は、送液装置200とラジエータ30とを接続する。第4接続部43により、送液装置200からラジエータ30に液体が流れる。送液装置200からラジエータ30へ向かう液体の流れは、流れF8である。第4接続部43によって送液装置200からラジエータ30に液体が流出する。
【0101】
送液装置200は、液体を収容可能である。送液装置200は、「収容体」の一例に相当する。送液装置200は、第5液体収容部201と、第6液体収容部205と、第1ポンプ240と、第2ポンプ220とを有する。
【0102】
第5液体収容部201、及び、第6液体収容部205のそれぞれは、液体が通過する。第5液体収容部201は、「第1収容部」の一例に相当する。第6液体収容部205は、「第2収容部」の一例に相当する。
【0103】
第5液体収容部201は、連結部202と、本体部203とを有する。連結部202は、コネクタ41と接続される。連結部202は、図11に示すように、流入部221と、流出部222とを有する。
【0104】
流入部221は、第3接続部42を通過した液体を本体部203に流入させる。流入部221は、第3接続部42の接続部分から本体部203の内部に向かって貫通する貫通孔を有する。よって、図11に示す流れF31のように、第3接続部42内を移動する液体が、流入部221を介して本体部203に流入する。
【0105】
流出部222は、本体部203から第4接続部43に液体を流出させる。流出部222は、本体部203から第4接続部43の接続部分に向かって貫通する貫通孔を有する。よって、図11に示す流出部222から流れF34のように、本体部203から第4接続部43に液体が流出する。
【0106】
本体部203は、内部流路230と、第1取付部215aと、第2取付部215bと有する。内部流路230は、液体が通過する。内部流路230は、「流路」の一例に相当する。
【0107】
第1取付部215aは、第1ポンプ240が取り付けられる。具体的には、第1取付部215aは、本体部203の内側に窪む。よって、第1取付部215aに第1ポンプ240は、嵌め込まれる。第1取付部215aは、本体部203の内部流路230に接続される。このため、第1取付部215aには液体が流入する。
【0108】
第2取付部215bは、第2ポンプ220が取り付けられる。具体的には、第2取付部215bは、本体部203の内側に窪む。よって、第2取付部215bに第2ポンプ220は、嵌め込まれる。第2取付部215bは、本体部203の内部流路230に接続される。このため、第2取付部215bには液体が流入する。
【0109】
本体部203は、複数の面を更に有する。本体部203の複数の面は、第1主面215、第2主面216、第1側面211、第2側面212、第3側面213、及び、第4側面214を有する。
【0110】
第1主面215は、第1取付部215aと第2取付部215bとが位置する。よって、第1主面215には、第1ポンプ240と、第2ポンプ220とが配置される。第1主面215は、連結部202の第10方向D10側に位置する。第10方向D10は、連結部202から本体部203に向かう方向を示す。また、第1主面115の第9方向D9側には連結部202が位置する。第9方向D9は、第10方向D10の反対方向を示す。
【0111】
第1側面211は、連結部202が固定される。つまり、第1側面211は、流入部221と流出部222とが配置される。第1側面211は、「第1面」の一例に相当する。第1側面211は、第2側面212と第4側面214との間に位置する。第1側面211は、第7方向D7と第8方向D8とに沿って延びる。第7方向D7は、第4側面214から第2側面212に向かう方向を示す。第8方向D8は、第7方向D7の反対方向を示し、第2側面212から第4側面214に向かう方向を示す。第7方向D7と第8方向D8とは、重力が作用する方向に交差する方向である。第1側面211は、第10方向D10に第3側面213と対向する。
【0112】
第2側面212は、第1側面211と第3側面213との間に位置する。第2側面212は、第10方向D10と第9方向D9とに沿って延びる。第2側面212は、第8方向D8に第4側面214と対向する。
【0113】
第3側面213は、第1側面211と対向する。第3側面213は、第7方向D7と第8方向D8とに沿って延びる。第3側面213には、第6液体収容部205が位置される。第3側面213は、第1側面211と異なる。第3側面213は、「第2面」の一例に相当する。
【0114】
第4側面214は、第2側面112と対向する。第4側面214は、第7方向D7と第8方向D8とに沿って延びる。
【0115】
第2主面216は、第11方向D11に第1主面215と対向する。第11方向D11は、第2主面216から第1主面215に向かう方向を示す。また、第2主面216は、第1主面215よりも第12方向D12側に位置する。第12方向D12は、第11方向D11の反対方向を示す。第12方向D12は、重力が作用する方向に沿う。
【0116】
第1ポンプ240は、液体を流出部222に送出する。図8図10に示すように、第1ポンプ240は、ケーシング245と、インペラ(図示せず)と、ポンプ回転軸(図示せず)と、モータ(図示せず)とを有する。ポンプ回転軸(図示せず)は、第2取付部215bに配置される。インペラ(図示せず)はポンプ回転軸(図示せず)により支持され、ポンプ回転軸(図示せず)が軸中心として回転すると、インペラ(図示せず)が回転する。モータは、ポンプ回転軸(図示せず)を中心にインペラ(図示せず)を回転させる。
【0117】
第2ポンプ220は、流入部221から流入した液体を第1ポンプ240へ送出する。図8図10に示すように、第2ポンプ220は、ケーシング225と、インペラ(図示せず)と、ポンプ回転軸(図示せず)と、モータ(図示せず)とを有する。ポンプ回転軸(図示せず)は、第1取付部215aに配置される。インペラ(図示せず)はポンプ回転軸(図示せず)により支持され、ポンプ回転軸(図示せず)が軸中心として回転すると、インペラ(図示せず)が回転する。モータは、ポンプ回転軸(図示せず)を中心にインペラ(図示せず)を回転させる。
【0118】
第1ポンプ240と第2ポンプ220とは、第1側面211と第6液体収容部205との間に配置される。また、第1ポンプ240と第2ポンプ220とは、第1側面211が延びる方向に隣り合う。具体的には、第1ポンプ240と第2ポンプ220とは、第1側面211の長手方向に隣り合う。第1側面211の長手方向は、第7方向D7及び第8方向D8に沿う方向を示す。したがって、第1ポンプ240と第2ポンプ220との配置箇所を確保しつつ、送液装置200が過剰に大きくなることを抑制できる。この結果、送液装置200の設置の自由度を向上できる。
【0119】
また、第1ポンプ240と第2ポンプ220とは、内部流路230によって直列に接続される。よって、一方のポンプが停止した場合でも液体が内部流路230内を逆流することを抑制できる。
【0120】
次に、図9図12を参照して、本体部203の内部流路230における液体の流れを詳しく説明する。図9では、第2主面216が省略された本体部203が示される。図10では、第1ポンプ240の一部と第2ポンプ220の一部とが省略された本体部203が示される。なお、第1ポンプ240と第2ポンプ220とはそれぞれ液体を送り出す状態となっている。
【0121】
内部流路230は、第1主面215、第2主面216、第1側面211、第2側面212、第3側面213、及び、第4側面214によって規定される。換言すると、第5液体収容部201は、液体が通過する内部流路230を内部に有する。
【0122】
また、図9図11に示すように、内部流路230は、第1内部流路230aと、第2内部流路230bと、第3内部流路230cと、第4内部流路230dと、第5内部流路230eと、第1開口231と、第2開口232と、第3開口233と、第4開口234とを含む。
【0123】
図9に示すように、第1開口231は、第1内部流路230aへ液体を流入させる流入口である。図9に示すように、第1開口231は、第12方向D12に開口する。連結部202の流入部221から本体部203に流入する液体は、第1開口231から第1内部流路230aに流入する。
【0124】
図9に示すように、第1内部流路230aは、第1開口231と第2開口232とに接続される。第1内部流路230aは、第10方向D10に沿って延びる流路である。第1開口231から第1内部流路230aに流入した液体は、第10方向D10に流れる。第1内部流路230aは、液体を第2開口232へ案内する。流入部221から第1開口231へ向かう液体の流れ、及び、第1内部流路130aの液体の流れは、流れF31である。
【0125】
図9図10とに示すように、第2開口232は、第1内部流路230aと第1取付部215aとを連通する。第2開口232は、第11方向D11に開口する。液体は、第2開口232を通過して、第1内部流路230aから第1取付部215aの内部に移動する。つまり、第2開口232は、第1取付部215aに液体を流入させる流入口である。第2開口232から第1取付部215aを経由して第3開口233へ向かう液体の流れ、流れF32である。
【0126】
第3開口233は、第1取付部215aと第2内部流路230bとを連通する。第3開口233は、第12方向D12に開口する。液体は、第3開口233を通過して、第2内部流路230bに移動する。つまり、第3開口233は、第2内部流路230bに液体を流入させる流入口である。
【0127】
第2内部流路230bは、第1取付部215aと第2取付部215bとを接続する。第2内部流路230bは、「接続流路」の一例に相当する。したがって、第2内部流路230bが第6液体収容部205に接続される。この結果、第6液体収容部205の体積が変化することによる液体の流入出の影響を第1ポンプ240及び第2ポンプ220とは受けにくい。
【0128】
具体的には、第2内部流路230bは、第3開口233と第4開口234とに接続される。第2内部流路230bは、第8方向D8に沿って延びる流路である。第3開口2313から第2内部流路230baに流入した液体は、第8方向D8に沿う方向に流れる。第2内部流路230bは、液体を第3開口233へ案内する。第3開口233から第4開口234へ向かう液体の流れは、流れF33である。
【0129】
第4開口234は、第2内部流路230bと第2取付部215bとを連通する。第4開口234は、第11方向D11に開口する。液体は、第4開口234を通過して、第2取付部215bの内部に移動する。つまり、第4開口234は、第2取付部215bに液体を流入させる流入口である。
【0130】
図11に示すように、第3内部流路230cは、第2取付部215bと流出部222とに接続される。第3内部流路230cは、第9方向D9に沿って延びる流路である。第2取付部215bに移動した液体は、第9方向D9に流れる。第3内部流路230cは、液体を流出部222に案内する。第3内部流路230cの液体の流れは、流れF34である。よって、液体は、第3内部流路230cを通過して流出部222からラジエータ30に流れる。
【0131】
第4内部流路230dは、第2内部流路230bと第5内部流路230eとに接続される。第4内部流路230dは、第10方向D10に沿って延びる流路である。第4内部流路230dは、第2内部流路230bに交差するように接続される。また、第4内部流路230dの中間部分に接続される。つまり、第4内部流路230dでは、第3開口233と第4開口234との間に位置する。第4内部流路230dは、第10方向D10へ流れる流れF35と、第9方向D9へ流れる流れF36とが通過する。なお、第4内部流路230dは、液体を溜める溜まり部を有してもよい。
【0132】
第5内部流路230eは、第4内部流路230dと第6液体収容部205とに接続される。第5内部流路230eは、第10方向D10に沿って延びる。第5内部流路230eは、第10方向D10へ流れる流れF37と、第9方向D9へ流れる流れF38とが通過する。流れF37は、第6液体収容部205へ流入する液体の流れである。流れF38は、第6液体収容部205から流出する液体の流れである。
【0133】
次に図11図12とを参照して、第6液体収容部205を詳しく説明する。
【0134】
第6液体収容部205は、液体を収容可能である。第6液体収容部205は、流路側が開口した有底筒状部材である。第6液体収容部205の開口箇所は、第5液体収容部201の内部流路230に接続される。具体的には、第6液体収容部205は、第2内部流路230bに接続される。よって、本体部203の内部流路230から第6液体収容部205に液体が流入する。
【0135】
具体的には、第6液体収容部205は、第4内部流路230dと第5内部流路230eとを介して、第2内部流路230bに接続される。
【0136】
また、第6液体収容部205は、貯留部251と、変更部253とを有する。貯留部251は、少なくとも一部に液体を貯留可能である。貯留部251は、内部流路230側が開口した有底筒形状を有する。
【0137】
変更部253は、貯留部251の体積を変更する。具体的には、変更部253は、液体の変化に応じて、貯留部251の体積を変更する。したがって、変更部253は、液体の変化に応じて、貯留部251の体積を増減させる。この結果、液体の変化に起因して、冷却機構10の内部に気体が浸入を抑制し、かつ、冷却機構10から液体が漏れることを抑制できる。
【0138】
変更部253は、液体の体積の変化に応じて、貯留部251の体積を変更する。したがって、発熱部品の熱に起因して、液体が熱膨張して液体の体積が増加しても、変更部253が貯留部251の体積を増加させる。この結果、液体の体積が増加して第5液体収容部201内の内圧が上昇しても冷却機構10から液体が漏れることを抑制できる。
【0139】
また、貯留部251は、第1貯留部261と第2貯留部271とを有する。
【0140】
第1貯留部261は、第2貯留部271よりも第8方向D8側に位置する。第1貯留部261は、少なくとも一部に液体を貯留可能である。
【0141】
第1貯留部261は、円筒形状を有する。また、第1貯留部261は、第1端部261Aと、第2端部261Bとを有する。
【0142】
第1端部261Aは、第8方向D8の側の端部である。第1端部261Aは、「底部」の一例に相当する。第1端部261Aは、貫通孔260Hを有する。貫通孔260Hは、第1貯留部261の外部と内部とを連通する。よって、第1貯留部261内の空気は、貫通孔260Hを通過して大気に放出される。
【0143】
第2端部261Bは、第7方向D7の側の端部である。第2端部261Bは、第7方向D7に開口する。第2端部261Bは、「開口箇所」の一例に相当する。第2端部261Bは、第3側面213側に位置する内部流路230に接続される。
【0144】
第2貯留部271は、第1貯留部261よりも第7方向D7側に位置する。第2貯留部271は、少なくとも一部に液体を貯留可能である。
【0145】
第2貯留部271は、円筒形状を有する。また、第2貯留部271は、第1端部271Aと、第2端部271Bとを有する。
【0146】
第1端部271Aは、第7方向D7の側の端部である。第1端部271Aは、「底部」の一例に相当する。第1端部271Aは、貫通孔270Hを有する。貫通孔270Hは、第2貯留部271の外部と内部とを連通する。よって、第2貯留部271内の空気は、貫通孔270Hを通過して大気に放出される。
【0147】
つまり、変更部253が第1貯留部261の体積と第2貯留部271の体積とを変更した際に、第1貯留部261内の空気と第2貯留部271内の空気とは大気に放出される。したがって、第1貯留部261の体積及び第2貯留部271の体積を変更する際に、第1貯留部261内の空気と第2貯留部271内の空気とが変更部253の動作を妨げることを抑制できる。この結果、第1貯留部261の体積と第2貯留部271の体積とをスムーズに変化させることができる。
【0148】
第2端部271Bは、第8方向D8の側の端部である。第2端部271Bは、第8方向D8に開口する。第2端部271Bは、「開口箇所」の一例に相当する。第2端部271Bは、第3側面213側に位置する内部流路230に接続される。したがって、液体の流入部221と液体の流出部222とが配置される面と異なる面に第2貯留部271を取り付けることができる。この結果、本体部203に流入する液体の流れを妨げることを低減し、本体部203から流出する液体の流れを妨げることを低減できる。
【0149】
第1貯留部261と第2貯留部271とは、第1側面211の長手方向に対向する。液体の変化が大きい場合であっても、第1貯留部261と第2貯留部271とで分散して液体を収容できる。また、一方の貯留部に液体が収容できない場合、他方の貯留部に液体を収容できる。この結果、送液装置200の駆動期間を長くできる。
【0150】
また、第1貯留部261と第2貯留部271とを第1側面211の長手方向に並べて配置できる。よって、送液装置200の他の構成物の配置の自由度が向上する。
【0151】
また、本実施形態の第1取付部215a、第2取付部215b、第1貯留部261、及び、第2貯留部271は、単一の部材で形成される。したがって、送液装置200を組み立てる際の工数を低減できる。この結果、送液装置200の組み立て効率が向上する。また、第1取付部215a、第2取付部215b、第1貯留部261、及び、第2貯留部271は、単一の部材で形成されるため、液体が漏れることを抑制できる。
【0152】
変更部253は、第1変更部263と、第2変更部273とを含む。第1変更部263と第2変更部273とは、同様の構成を有している。このため、第1変更部263を説明し、第2変更部273の説明は省略する。
【0153】
第1変更部263は、第1貯留部261のうち液体を貯留可能な貯留部分262の体積を変更する。第1変更部263は、封止部材266と、移動部材264とを有する。封止部材266は、第1貯留部261の内部に配置される。封止部材266は、第1貯留部261内の液体を封止する。封止部材266は、第1貯留部261に流入した液体が封止部材266を超えて貫通孔260H側へ移動することを抑制する。
【0154】
本実施形態では、封止部材266は、第1貯留部261の第2端部261B側に配置される。図12に示すように、封止部材266によって、第1貯留部261の貯留部分262に液体を収容できる。これにより、第1貯留部261内において、封止部材266を境に移動部材264と反対側に液体が収容される。
【0155】
また、封止部材266は、第1封止部材266aと、第2封止部材266bと、本体部266cと有する。第1封止部材266a、第2封止部材266b、及び、本体部266cは、図6図7とを参照して説明した第1封止部材156aと、第2封止部材156bと、本体部156cと同様であり、冗長を避ける目的で説明を省略する。
【0156】
移動部材264は、第1貯留部261が延びる方向に沿って封止部材266を移動させる。移動部材264は、液体の体積の変化に応じて、封止部材266を第2端部261Bに対して接近または離隔させる。例えば、液体の体積が減少した場合、移動部材264は封止部材266を第2端部261Bに対して接近させる。よって、第1貯留部261の貯留部分262の体積を減少する。また例えば、液体の体積が増加した場合、封止部材266は第2端部261Bから離隔する。よって、第1貯留部261の貯留部分262の体積が増加する。この結果、簡易な構成で第1貯留部261の貯留部分262の体積を変化させることができる。
【0157】
例えば、図11に示すように、移動部材264は、封止部材266を第7方向D7の側へ移動させる。具体的には、移動部材264は、封止部材266が第2端部261Bに到達するまで、封止部材266を第7方向D7の側へ移動させる。よって、封止部材266は、第2端部261Bに接近し、貯留部分262の体積は減少する。つまり、収容可能な液体の量が減少する。
【0158】
また、例えば、図12に示すように、貯留部分262に液体が収容される場合、液体は封止部材266を第8方向D8に移動させる。この際、貯留部分262に収容された液体の量に応じて、封止部材266によって第8方向D8の側へ移動部材264は押圧される。よって、封止部材266は、第2端部261Bから離隔し、貯留部分262の体積は増加する。つまり、収容可能な液体の量が増加する。
【0159】
移動部材264は、バネを含む。具体的には、移動部材264は、圧縮コイルバネである。また、本実施形態の第1貯留部261の内面には、潤滑剤が塗布される。したがって、液体の体積の変化によって封止部材266を容易に移動させることが可能となる。
【0160】
また、移動部材264のバネのバネ定数は、第2変更部273の移動部材274のバネのバネ定数と異なっていてもよい。第1ポンプ240と第2ポンプ220とが送液能力に差がある場合、バネ定数を異ならせることで、送液能力の差を低減できる。
【0161】
また、第6液体収容部205は、第1接続部265と第2接続部275とを更に有する。第1接続部265は、第1貯留部261と内部流路230とを接続する。第2接続部275は、第2貯留部271と内部流路230とを接続する。
【0162】
以下、本開示の実施形態の変形例について説明する。以下の説明において、本実施形態において説明した部材と実質的に共通の機能を有する部材を共通の符号で参照し、本実施形態における説明を援用するものとする。変形例においては、本実施形態と異なる部分のみを説明し、その他の部分は、本実施形態の説明を援用するものとする。
【0163】
[変形例1]
図13は、本開示の実施形態の変形例1に係る第2液体収容部105を示す図である。図14は、本開示の実施形態の変形例1に係る第2液体収容部105を示す別の図である。
【0164】
図13に示すように、変形例1の封止部材156は、第1端部151A側に配置される点で、本実施形態の第2液体収容部105と異なる。変形例1では、封止部材156は、第1端部151A、及び、第2端部151Bとのそれぞれから離隔する。また、図13に示すように、変形例1の移動部材154のバネは、第2端部151Bと封止部材156との間に配置される。バネの第1方向D1の端部は、封止部材156に固定される。またバネの第2方向D2の端部は貯留部151の第2端部151Bに固定される。
【0165】
変形例1では、図14に示すように、貯留部分152に液体が収容されるほど、封止部材156は第1端部151A側へ移動する。また、図13に示すように、貯留部分152の液体が減少するほど、封止部材156は、第2端部151B側へ移動する。
【0166】
また、変形例1ではバネは、コイルバネである。例えば、図14に示すように、貯留部分152に液体が収容されるほどバネは伸長する。また、図13に示すように、貯留部分152の液体が減少するほどバネは収縮する。したがって、変形例1によれば、変更部153は、液体の変化に応じて、貯留部151の体積を増減させることができる。この結果、液体の変化に起因して、冷却機構10の内部に気体が浸入を抑制し、かつ、冷却機構10から液体が漏れることを抑制できる。
【0167】
[変形例2]
本実施形態では、第1主面115が発熱部品に対向したが、これに限らない。例えば、第2主面116は、発熱部品に対向してもよい。例えば、第2主面116には、発熱部品が載置されてもよい。第2主面116が発熱部品に対向する場合、第2主面116は「対向面」の一例に相当する。つまり、第2主面116から発熱部材の熱が液体に伝導される。よって、液体は体積が増加する。
【0168】
したがって、本実施形態の変形例2によれば、変更部153は、液体の体積の変化に応じて、貯留部151の体積を変更する。したがって、第2主面116に載置された発熱部品の熱に起因して、液体が熱膨張して液体の体積が増加しても、変更部153が貯留部151の体積を増加させる。この結果、液体の体積が増加して第1液体収容部101内の内圧が上昇しても冷却機構10から液体が漏れることを抑制できる。
【0169】
以上、図面を参照して本実施形態及び変形例について説明した。ただし、本開示は、上記の実施形態及び変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態及び変形例に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。
【0170】
また、図面は、開示の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0171】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
【0172】
(1)液体が通過する流路を内部に有する第1収容部と、
前記流路に接続され、前記液体を収容可能な第2収容部と
を有し、
前記第2収容部は、
少なくとも一部に前記液体を貯留可能な貯留部と、
前記液体の変化に応じて、前記貯留部の体積を変更する変更部と
を有する、収容体。
【0173】
(2)前記第1収容部は、発熱部品に対向する対向面を有し、
前記液体の変化は、前記発熱部品の熱が伝導されることによって変化する前記液体の体積を含み、
前記変更部は、前記液体の体積の変化に応じて、前記貯留部の体積を変更する、(1)に記載の収容体。
【0174】
(3)前記第2収容部は、前記流路側が開口した有底筒状部材であり、前記第2収容部の底部は孔が開いている、(1)または(2)に記載の収容体。
【0175】
(4)前記第1収容部は、
前記液体が流入する流入部と前記液体が流出する流出部とが配置される第1面と、
前記第1面と異なる第2面と
を更に有し、
前記第2収容部の前記開口箇所は、前記第2面側に位置する前記流路に接続される、(1)から(3)のいずれかに記載の収容体。
【0176】
(5)前記第2面の長手方向の長さは、前記第1面の長手方向の長さよりも長く、
前記第2収容部の長さは、前記第2面の長手方向の長さよりも短い、(4)に記載の収容体。
【0177】
(6)前記変更部は、
前記貯留部の内部に配置され、前記貯留部内の前記液体を封止する封止部材と、
前記貯留部が延びる方向に沿って前記封止部材を移動させる移動部材と
を有し、
前記移動部材は、前記液体の体積の変化に応じて、前記封止部材を前記開口箇所に対して接近または離隔させる、(1)から(5)のいずれかに記載の収容体。
【0178】
(7)前記第2面は、重力が作用する方向に交差する方向に延び、
前記貯留部は、前記第2面に沿って延びる、(6)に記載の収容体。
【0179】
(8)前記第2収容部は、前記貯留部と前記流路とを接続する接続部を更に有し、
前記接続部の内径は、前記貯留部の内径よりも小さい、(1)から(7)のいずれかに記載の収容体。
【0180】
(9)前記移動部材は、バネを含み、
収縮しないときの前記バネの長さは、前記貯留部の前記開口箇所から前記底部までの長さよりも長く、前記貯留部の底部と前記封止部材との間に配置される、(8)に記載の収容体。
【0181】
(10)前記流路は、
通過する液体に熱を伝導させる第1流路と
前記第1流路の上流側の第2流路と、
前記第1流路の下流側の第3流路と
を含み、
前記接続部は、前記第3流路と接続される、(1)から(9)のいずれかに記載の収容体。
【0182】
(11)前記貯留部の内面には、潤滑剤が塗布される、(1)から(10)のいずれかに記載の収容体。
【0183】
(12)(1)から(11)のいずれかに記載の収容体を有する、コールドプレート。
【0184】
(13)(1)に記載の収容体と、
前記液体を前記流出部に送出する第1ポンプと、
前記流入部から流入した前記液体を前記第1ポンプへ送出する第2ポンプと
を有し、
前記第1収容部は、
前記液体が流入する流入部と前記液体が流出する流出部とが配置される第1面と、
前記第1ポンプと前記第2ポンプとは、前記第1面と前記第2収容部との間に配置され、前記第1面の長手方向に隣り合う、送液装置。
【0185】
(14)前記流路は、前記第1ポンプと前記第2ポンプとを接続する接続流路を有し、
前記第2収容部は、前記接続流路に接続される、(13)に記載の送液装置。
【0186】
(15)前記貯留部は、
少なくとも一部に前記液体を貯留可能な第1貯留部と、
少なくとも一部に前記液体を貯留可能な第2貯留部と
を有し、
前記第1貯留部と前記第2貯留部とは、前記第1面の長手方向に対向する、(13)または(14)に記載の送液装置。
【0187】
(16)前記第1貯留部と前記第2貯留部とは、前記流路側が開口した有底筒状部材であり、前記第1貯留部の底部と前記第2貯留部の底部とは孔が開いている、(15)に記載の送液装置。
【0188】
(17)前記第1収容部は、
前記第1ポンプが取り付けられる第1取付部と、
前記第2ポンプが取り付けられる第2取付部と
を更に有し、
前記第1取付部、前記第2取付部、前記第1貯留部、及び前記第2貯留部は、単一の部材で形成される、(13)から(16)のいずれかに記載の送液装置。
【産業上の利用可能性】
【0189】
本開示は、例えば、収容体、コールドプレート及び送液装置に利用できる。
【符号の説明】
【0190】
100 :コールドプレート
121 :流入部
122 :流出部
130 :内部流路
151 :貯留部
151A :第1端部
151B :第2端部
153 :変更部
154 :移動部材
155 :接続部
156 :封止部材
200 :送液装置
215a :第1取付部
215b :第2取付部
220 :第2ポンプ
240 :第1ポンプ
図1
図2
図3
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図5
図6
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図14