(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121724
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】ラベル取付け方法、ラベル取付け装置およびラベル
(51)【国際特許分類】
B65C 9/26 20060101AFI20240830BHJP
B65C 9/40 20060101ALI20240830BHJP
G09F 3/02 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
B65C9/26
B65C9/40
G09F3/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028976
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】592256140
【氏名又は名称】兼子電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119792
【弁理士】
【氏名又は名称】熊崎 陽一
(72)【発明者】
【氏名】兼子 敏
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095AA19
3E095AA20
3E095BA01
3E095CA01
3E095DA32
3E095DA42
3E095DA43
3E095EA02
3E095EA09
3E095EA14
3E095EA23
3E095EA26
3E095EA33
3E095FA12
3E095FA25
(57)【要約】
【課題】ラベルを取付けるための凹部の深さを浅くすることができ、かつ、凹部に形成された底壁を変形させることなくラベルを凹部に取付けることができるラベル取付け方法、ラベル取付け装置およびラベルを提供する。
【解決手段】内側に湾曲したラベル吸着面205にラベル100を吸着することにより、ラベル100が上向きに湾曲した形状になり、ラベル100を下降させると、ラベル100の相対向する第1の側縁110および第2の側縁120が、凹部90の第1の突部91aおよび第2の突部92aの各先端間を通過し、ラベル100の吸着状態を解除すると、ラベル100が平坦形状に復帰する。ラベル100の第1の側縁110は第1の突部91aによって凹部90から離脱が阻止され、第2の側縁120は第2の突部92aによって離脱が阻止される。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルを取付けるための凹部を有する樹脂成形品に前記ラベルを取付けるラベル取付け方法であって、
前記ラベルは、相対向する第1の側縁および第2の側縁を有し、
前記凹部は、
相対向する第1の端縁および第2の端縁を有し、前記ラベルを配置するための底壁と、
前記第1の端縁から当該凹部の開口面に向けて延びる第1の内壁と、
前記第2の端縁から前記開口面に向けて延びており、前記第1の内壁と対向する第2の内壁と、
前記第1の内壁から前記第2の内壁に向けて突出した第1の突部と、
前記第2の内壁から前記第1の内壁に向けて突出した第2の突部と、を備えており、
さらに、前記第1の側縁および前記第2の側縁間の距離が、前記第1の突部および前記第2の突部の各先端間の距離よりも長く、
さらに、前記底壁に配置されたラベルの前記第1の側縁は、前記第1の突部によって前記凹部からの離脱が阻止され、前記底壁に配置されたラベルの前記第2の側縁は、前記第2の突部によって前記凹部からの離脱が阻止されるように形成されており、
前記ラベルの表面を吸着するラベル吸着面を有するラベル吸着装置と、
前記ラベル吸着装置を移動させる移動装置と、
前記ラベル吸着装置および前記移動装置を制御する制御装置と、を備えており、
前記ラベル吸着面は、
内側に湾曲した形状であって、当該ラベル吸着面に吸着された前記ラベルが、前記第1の側縁および前記第2の側縁間の距離が、前記第1の突部および前記第2の突部の各先端間の距離以下の湾曲形状となるように形成されており、
前記制御装置は、
前記ラベル吸着装置を制御し、前記湾曲形状となるように前記ラベルを前記ラベル吸着面に吸着させるラベル吸着工程と、
前記ラベル吸着工程の次に前記移動装置を制御し、前記ラベル吸着面に前記湾曲形状にて吸着されている前記ラベルを、自身の裏面が前記凹部の前記底壁と対向した状態にして、前記凹部の開口面から前記底壁に向けて移動させ、さらに、前記ラベルの前記第1の側縁および前記第2の側縁が前記第1の突部および前記第2の突部の各先端間を通過するまで移動させる移動工程と、
前記移動工程の次に前記ラベル吸着装置を制御し、前記ラベル吸着面による前記ラベルの吸着状態を解除する解除工程と、
を実行することを特徴とするラベル取付け方法。
【請求項2】
ラベルを取付けるための凹部を有する樹脂成形品に前記ラベルを取付けるラベル取付け装置であって、
前記ラベルは、相対向する第1の側縁および第2の側縁を有し、
前記凹部は、
相対向する第1の端縁および第2の端縁を有し、前記ラベルを配置するための底壁と、
前記第1の端縁から当該凹部の開口面に向けて延びる第1の内壁と、
前記第2の端縁から前記開口面に向けて延びており、前記第1の内壁と対向する第2の内壁と、
前記第1の内壁から前記第2の内壁に向けて突出した第1の突部と、
前記第2の内壁から前記第1の内壁に向けて突出した第2の突部と、を備えており、
さらに、前記第1の側縁および前記第2の側縁間の距離が、前記第1の突部および前記第2の突部の各先端間の距離よりも長く、
さらに、前記底壁に配置されたラベルの前記第1の側縁は、前記第1の突部によって前記凹部からの離脱が阻止され、前記底壁に配置されたラベルの前記第2の側縁は、前記第2の突部によって前記凹部からの離脱が阻止されるように形成されており、
前記ラベルの表面を吸着するラベル吸着面を有するラベル吸着装置と、
前記ラベル吸着装置を移動させる移動装置と、
前記ラベル吸着装置および前記移動装置を制御する制御装置と、を備えており、
前記ラベル吸着面は、
内側に湾曲した形状であって、当該ラベル吸着面に吸着された前記ラベルが、前記第1の側縁および前記第2の側縁間の距離が、前記第1の突部および前記第2の突部の各先端間の距離以下の湾曲形状となるように形成されており、
前記制御装置は、
前記ラベル吸着装置を制御し、前記湾曲形状となるように前記ラベルを前記ラベル吸着面に吸着させ、
前記ラベル吸着面に前記湾曲形状にて吸着されている前記ラベルを、自身の裏面が前記凹部の前記底壁と対向した状態にして、前記凹部の開口面から前記底壁に向けて移動させ、さらに、前記ラベルの前記第1の側縁および前記第2の側縁が前記第1の突部および前記第2の突部の各先端間を通過するまで移動させ、
前記ラベル吸着装置を制御し、前記ラベル吸着面による前記ラベルの吸着状態を解除することを特徴とするラベル取付け装置。
【請求項3】
前記ラベル吸着装置は、
前記ラベル吸着面に開口した吸引口と、
前記吸引口に連通しており、前記吸引口の内部を負圧状態にすることにより、前記ラベルの表面を前記ラベル吸着面に吸着させる吸引装置と、を備えており、
前記制御装置は、
前記吸引装置を制御し、前記吸引口の内部を負圧状態にすることにより、前記ラベルの表面を吸引して当該ラベルを前記ラベル吸着面に前記湾曲形状となるように吸着させ、
前記吸引装置を制御し、前記吸引口の内部の負圧状態を解除することにより、前記ラベル吸着面による前記ラベルの吸着状態を解除することを特徴とする請求項2に記載のラベル取付け装置。
【請求項4】
前記吸引装置は、
前記吸引口から前記ラベルの表面に気体を噴射する機能を備えており、
前記制御装置は、
前記吸引装置を制御し、前記吸引口の内部の負圧状態を解除することにより、前記ラベル吸着面による前記ラベルの吸着状態を解除し、前記ラベルの表面に前記吸引口から前記気体を噴射することを特徴とする請求項3に記載のラベル取付け装置。
【請求項5】
前記ラベルは、
前記第1の側縁および前記第2の側縁の各一方の端部間に形成された第3の側縁と、
前記第1の側縁および前記第2の側縁の各他方の端部間に形成された第4の側縁と、を有し、
前記底壁は、
前記第1の端縁および前記第2の端縁の一方の各端部間に形成された第3の端縁と、
前記第1の端縁および前記第2の端縁の他方の各端部間に形成された第4の端縁と、を有し、
前記凹部は、
前記第3の端縁から当該凹部の開口面に向けて延びる第3の内壁と、
前記第4の端縁から前記開口面に向けて延びており、前記第3の内壁と対向する第4の内壁と、
前記第3の内壁から前記第4の内壁に向けて突出した第3の突部と、
前記第4の内壁から前記第3の内壁に向けて突出した第4の突部と、を備えており、
さらに、前記第3の側縁および前記第4の側縁間の距離が、前記第3の突部および前記第4の突部の各先端間の距離よりも長く、
さらに、前記底壁に配置されたラベルの前記第3の側縁は、前記第3の突部によって前記凹部からの離脱が阻止され、前記底壁に配置されたラベルの前記第4の側縁は、前記第4の突部によって前記凹部からの離脱が阻止されるように形成されており、
前記ラベル吸着面は、
内側に湾曲した形状であって、当該ラベル吸着面に吸着された前記ラベルが、前記第1の側縁および前記第2の側縁間の距離が、前記第1の突部および前記第2の突部の各先端間の距離以下であり、かつ、前記第3の側縁および前記第4の側縁間の距離が、前記第3の突部および前記第4の突部の各先端間の距離以下の湾曲形状となるように形成されており、
前記移動工程は、
前記移動装置を制御し、前記ラベル吸着面に前記湾曲形状にて吸着されている前記ラベルの裏面が前記凹部の前記底壁と対向した状態となる位置まで前記ラベル吸着装置を移動させ、さらに、前記ラベル吸着面に前記湾曲形状にて吸着されているラベルを前記第1の突部ないし前記第4の突部の各先端間を通過させて前記第1の突部ないし前記第4の突部と前記底壁との間に配置する工程であることを特徴とする請求項1に記載のラベル取付け方法。
【請求項6】
前記樹脂成形品は、鶏卵を収容する鶏卵容器であり、
前記凹部は、当該鶏卵容器に収容された鶏卵の上部を覆う上壁に形成されていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載のラベル取付け装置。
【請求項7】
請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載のラベル取付け装置において用いるラベルであって、
全体または一部の層が合成樹脂によって形成されていることを特徴とするラベル。
【請求項8】
請求項5に記載のラベル取付け方法において用いるラベルであって、
前記第1の側縁ないし前記第4の側縁が、それぞれ内側に凹んだ円弧状部を有することを特徴とするラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルを取付けるための凹部を有する樹脂成形品にラベルを取付けるラベル取付け方法、ラベル取付け装置およびラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の樹脂成形品として、例えば、鶏卵容器などの食品包装容器、日用品などをパック詰めするためのブリスターパック、部品が保持されたキャリアテープを捲回するためのキャリアテープ用リール、部品などを運搬する工業用トレーなどが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、カーボンニュートラルの目標を達成するための取り組みが国際的に行われており、その一環として、樹脂資源(プラスチック資源)の再利用が推進されている。
しかし、前述したような従来の樹脂成形品は、内容物の説明などが記載されたラベルが貼り付けられており、そのまま廃棄すると、ラベルが不純物になるため、樹脂資源の再利用に適合しないという問題がある。特許文献1には、鶏卵容器にラベルを貼り付ける鶏卵容器用ラベル貼付装置が記載されている。
なお、ラベルが貼り付けられている部分を切り取り、残った部分を樹脂資源にする方法も考えられるが、ラベルと切り取るための道具を必要とし、手間も掛かるため、そのような方法は普及し難い。
【0005】
そこで、本願発明者は、ラベルを貼り付けずに容器に取付ける方法を開発した。
図17(B)ないし
図18(D)は、その方法を示す説明図である。
図17(A)に示すように、ラベル100は、平面視長方形に形成されており、相対向する第1の側縁110および第2の側縁120と、第1の側縁110および第2の側縁120の各一方の端部間(図では左端間)に形成された第3の側縁130と、第1の側縁110および第2の側縁120の各他方の端部間(図では右端間)に形成された第4の側縁140とを有する。
図17(B)に示すように、合成樹脂製の容器4の上壁10には、ラベル100を取付けるための凹部60が形成されている。凹部60は、相対向する第1の内壁61および第2の内壁62と、第1の内壁61から第2の内壁62に向けて突出した第1の突部61aと、第2の内壁62から第1の内壁61に向けて突出した第2の突部62aと、底壁65とを備えている。底壁65は、第1の内壁61の下端と第2の内壁62の下端との間に連続形成されている。また、ラベル100の相対向する第1の側縁110および第2の側縁120間の距離、つまり、長辺間の距離W1は、第1の突部61aおよび第2の突部62aの各先端間の距離L1よりも長い。
【0006】
そして、
図17(B)に示すように、凹部60の開口面にラベル100を配置し、押圧装置(図示せず)に設けられた押圧部材50によってラベル100の表面150を底壁65に向けて押圧すると、
図18(C)に示すように、ラベル100が下方に湾曲する。そして、ラベル100の第1の側縁110が第1の突部61aの先端に接触しながら下方に移動し、第2の側縁120が第2の突部62aの先端に接触しながら下方に移動する。そして、さらに押圧部材50が下降すると、ラベル100の第1の側縁110および第2の側縁120は、第1の突部61aおよび第2の突部62aの各先端間を通り抜け、
図18(D)に示すように、ラベル100は、自身の弾性によって湾曲前の平面形状に復帰し、底壁65の上に配置された状態になる。これにより、底壁65に配置されたラベル100の第1の側縁110は、第1の突部61aの直下に位置し、第2の側縁120は、第2の突部62aの直下に配置された状態となる。そして、容器が上下に振動してラベル100が底壁65から浮いた場合であっても、ラベル100は、第1の側縁110が第1の突部61aの下面に衝突し、第2の側縁120が第2の突部62aの下面に衝突することによって凹部60からの離脱が阻止される。
【0007】
しかし、上記の方法では、ラベル100が第1の突部61aおよび第2の突部62aの各先端間を通過するまで押圧部材50によってラベル100を押圧する必要があるため、凹部60の深さH1(
図17(B))を深くする必要があり、ラベル100と第1の突部61aおよび第2の突部62aとの隙間が大きくなる。このため、容器が傾斜すると、ラベル100が傾斜した姿勢になり、凹部60から離脱するおそれがあった。例えば、
図18(E)に示すように、ラベル100の第2の側縁120が底壁65から浮き上がると、第2の側縁120が第2の突部62aに衝突しないで凹部60の開口面から突出し、凹部60から離脱するおそれがあった。また、凹部60の深さH1を深くする必要があるため、容器4の収容量が減少するという問題もあった。
【0008】
そこで、本願発明者は、深さが浅い凹部にラベルを配置する方法を考えた。
図19は、その方法を示す説明図である。凹部70は、相対向する第1の内壁71および第2の内壁72と、第1の内壁71から第2の内壁72に向けて突出した第1の突部71aと、第2の内壁72から第1の内壁71に向けて突出した第2の突部72aと、底壁75とを備えている。
図19(A)に示すように、凹部70の深さH2は、
図17(B)に示した凹部60の深さH1よりも浅くなっている。
図19(A),(B)に示すように、凹部70の開口面に配置したラベル100の表面150を押圧部材50によって押圧すると、ラベル100が下向きに湾曲する。そしてさらに押圧部材50を底壁75に向けて下降させると、
図19(C)に示すように、ラベル100が第1の突部71aおよび第2の突部72a間を通り抜けるが、押圧部材50によって底壁75が押圧されるため、底壁75が下向きに突出するように変形する。そして、押圧部材50を上昇させると、下向きに湾曲していたラベル100は、自身の弾性によって湾曲前の平面形状に復帰し、底壁65の上に配置された状態になる。
【0009】
しかし、上記の方法では、底壁75の下に収容されている収容物が、下向きに突出するように変形した底壁75によって押圧され、影響を受けるおそれがある。特に、鶏卵容器の場合は、
図19(C)に示すように、底壁75の下に収容されている鶏卵5が、下向きに突出するように変形した底壁75によって押圧され、割れるおそれがある。また、変形した底壁75は元の形状に復帰し難いため、見栄えが悪くなるおそれもある。
つまり、本願発明者は、前述した従来の各方法では、ラベルを取付けるための凹部の深さを浅くすることができ、かつ、凹部に形成された底壁を変形させることなくラベルを凹部に取付けることが困難であることが分かった。
【0010】
そこで、本願発明は、上記の諸問題を解決するために創出されたものであって、ラベルを取付けるための凹部の深さを浅くすることができ、かつ、凹部に形成された底壁を変形させることなくラベルを凹部に取付けることができるラベル取付け方法、ラベル取付け装置およびラベルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(第1の発明)
上述した目的を達成するため、本願の第1の発明に係るラベル取付け方法は、
ラベル(100:
図5(B))を取付けるための凹部(90:
図1)を有する樹脂成形品(1)にラベル(100)を取付けるラベル取付け方法であって、
ラベル(100)は、相対向する第1の側縁(110:
図5(B))および第2の側縁(120)を有し、
凹部(90)は、
相対向する第1の端縁(91b:
図4)および第2の端縁(92b:
図4)を有し、ラベル(100)を配置するための底壁(95:
図4(B)))と、
第1の端縁(91b)から凹部(90)の開口面(96:
図4(B))に向けて延びる第1の内壁(91:
図4(B))と、
第2の端縁(92b)から開口面(96)に向けて延びており、第1の内壁(91)と対向する第2の内壁(92:
図4(B))と、
第1の内壁(91)から第2の内壁(92)に向けて突出した第1の突部(91a)と、
第2の内壁(92)から第1の内壁(91)に向けて突出した第2の突部(92a)と、を備えており、
さらに、第1の側縁(110)および第2の側縁(120)間の距離(W1:
図5(B))が、第1の突部(91a)および第2の突部(92a)の各先端間の距離(L1:
図4(B))よりも長く、
さらに、底壁(95)に配置されたラベル(100)の第1の側縁(110)は、第1の突部(91a)によって凹部(90)からの離脱が阻止され、底壁(95)に配置されたラベル(100)の第2の側縁(120)は、第2の突部(92a)によって凹部(90)からの離脱が阻止されるように形成されており、
ラベル(100)の表面(150:
図5(B))を吸着するラベル吸着面(205:
図8(A))を有するラベル吸着装置(200:
図6,
図7)と、
ラベル吸着装置(200)を移動させる移動装置(300,400:
図6,
図7)と、
ラベル吸着装置(200)および移動装置(300,400)を制御する制御装置(600:
図6)と、を備えており、
ラベル吸着面(205)は、
内側に湾曲した形状であって、当該ラベル吸着面(205)に吸着されたラベル(100)が、第1の側縁(110)および第2の側縁(120)間の距離(W1)が、第1の突部(91a)および第2の突部(92a)の各先端間の距離(L1)以下の湾曲形状となるように形成されており、
制御装置(600)は、
ラベル吸着装置(200)を制御し、湾曲形状となるようにラベル(100)をラベル吸着面(205)に吸着させるラベル吸着工程(S3:
図11)と、
ラベル吸着工程(S3)の次に移動装置(300,400)を制御し、ラベル吸着面(205)に湾曲形状にて吸着されているラベル(100)を、自身の裏面(160:
図10(A))が凹部(90)の底壁(95)と対向した状態にして、凹部(90)の開口面(96:
図10(A))から底壁(95)に向けて移動させ、さらに、ラベル(100)の第1の側縁(110)および第2の側縁(120)が第1の突部(91a)および第2の突部(92a)の各先端間を通過するまで移動させる移動工程(S4~S6:
図11)と、
移動工程(S4~S6)の次にラベル吸着装置(200)を制御し、ラベル吸着面(205)によるラベル(100)の吸着状態を解除する解除工程(S7:
図11)と、
を実行することを特徴とする。
【0012】
(第1の発明の効果)
本願の第1の発明によれば、ラベル吸着装置のラベル吸着面は、内側に湾曲した形状であって、ラベルの相対向する第1の側縁および第2の側縁間の距離が、第1の突部および第2の突部の各先端間の距離以下の湾曲形状となるように形成されているため、ラベルをラベル吸着面に吸着することにより、ラベルを上記湾曲形状に変化させることができる。
そして、ラベル吸着面に上記湾曲形状にて吸着されているラベルを、自身の裏面が凹部の底壁と対向した状態にして、凹部の開口面から底壁に向けて移動させ、さらに、ラベルの第1の側縁および第2の側縁が第1の突部および第2の突部の各先端間を通過するまで移動させることができる。
つまり、相対向する第1の側縁および第2の側縁間の距離が、第1の突部および第2の突部の各先端間の距離よりも長いラベルであっても、上記湾曲形状に変化させることにより、第1の突部および第2の突部の各先端間を通過させることができる。
そして、ラベルの第1の側縁および第2の側縁が第1の突部および第2の突部の各先端間を通過したときにラベル吸着面によるラベルの吸着状態を解除するため、上記湾曲形状に変化していたラベルを変化前の平坦な形状に戻し、底壁に配置することができる。
つまり、相対向する第1の側縁および第2の側縁間の距離が、上記湾曲形状に変化する前の長さに戻るため、底壁に配置されたラベルの第1の側縁は、第1の突部によって凹部からの離脱が阻止され、第2の側縁は、第2の突部によって凹部からの離脱が阻止される。
【0013】
従って、本願の第1の発明によれば、内側に湾曲した形状のラベル吸着面にラベルを吸着させるため、ラベルが底壁に向けて膨らむように湾曲しないので、凹部の深さを浅くすることができ、ラベルが凹部から離脱し難くすることができる。
また、本願の第1の発明によれば、ラベルを底壁に配置するときに、ラベルがラベル吸着面の側に湾曲しているとともに、ラベル吸着面が底壁を押圧しないため、底壁を変形させることがない。
【0014】
(第2の発明)
上述した目的を達成するため、本願の第2の発明に係るラベル取付け装置(7:
図4,
図5)は、
ラベル(100:
図5(B))を取付けるための凹部(90:
図1)を有する樹脂成形品(1)にラベル(100)を取付けるラベル取付け装置(7:
図6,
図7)であって、
ラベル(100)は、相対向する第1の側縁(110:
図5(B))および第2の側縁(120)を有し、
凹部(90)は、
相対向する第1の端縁(91b)および第2の端縁(92b)を有し、ラベル(100)を配置するための底壁(95:
図4(B)))と、
第1の端縁(91b)から凹部(90)の開口面(96:
図4(B))に向けて延びる第1の内壁(91:
図4(A))と、
第2の端縁(92b)から開口面(96)に向けて延びており、第1の内壁(91)と対向する第2の内壁(92)と、
第1の内壁(91)から第2の内壁(92)に向けて突出した第1の突部(91a)と、
第2の内壁(92)から第1の内壁(91)に向けて突出した第2の突部(92a)と、を備えており、
第1の内壁(91)から第2の内壁(92)に向けて突出した第1の突部(91a)と、
第2の内壁(92)から第1の内壁(91)に向けて突出した第2の突部(92a)と、を備えており、
さらに、第1の側縁(110)および第2の側縁(120)間の距離(W1:
図5(B))が、第1の突部(91a)および第2の突部(92a)の各先端間の距離(L1:
図4(B))よりも長く、
さらに、底壁(95)に配置されたラベル(100)の第1の側縁(110)は、第1の突部(91a)によって凹部(90)からの離脱が阻止され、底壁(95)に配置されたラベル(100)の第2の側縁(120)は、第2の突部(92a)によって凹部(90)からの離脱が阻止されるように形成されており、
ラベル(100)の表面(150:
図5(B))を吸着するラベル吸着面(205:
図8)を有するラベル吸着装置(200:
図6)と、
ラベル吸着装置(200)を移動させる移動装置(300,400:
図6,
図7)と、
ラベル吸着装置(200)および移動装置(300,400)を制御する制御装置(600:
図6)と、を備えており、
ラベル吸着面(205)は、
内側に湾曲した形状であって、当該ラベル吸着面(205)に吸着されたラベル(100)が、第1の側縁(110)および第2の側縁(120)間の距離(W1)が、第1の突部(91a)および第2の突部(92a)の各先端間の距離(L1)以下の湾曲形状となるように形成されており、
制御装置(600)は、
ラベル吸着装置(200)を制御し、湾曲形状となるようにラベル(100)をラベル吸着面(205)に吸着させ、
ラベル吸着面(205)に湾曲形状にて吸着されているラベル(100)を、自身の裏面(160:
図10(A))が凹部(90)の底壁(95)と対向した状態にして、凹部(90)の開口面(96:
図10(A))から底壁(95)に向けて移動させ、さらに、前記ラベル(100)の前記第1の側縁(110)および前記第2の側縁(120)が前記第1の突部(91a)および前記第2の突部(92a)の各先端間を通過するまで移動させ、
前記ラベル吸着装置(200)を制御し、前記ラベル吸着面(205)による前記ラベル(100)の吸着状態を解除することを特徴とする。
【0015】
(第2の発明の効果)
本願の第2の発明によれば、ラベル吸着装置のラベル吸着面は、内側に湾曲した形状であって、ラベルの相対向する第1の側縁および第2の側縁間の距離が、第1の突部および第2の突部の各先端間の距離以下の湾曲形状となるように形成されているため、ラベルをラベル吸着面に吸着することにより、ラベルを上記湾曲形状に変化させることができる。
そして、ラベル吸着面に上記湾曲形状にて吸着されているラベルを、自身の裏面が凹部の底壁と対向した状態にして、凹部の開口面から底壁に向けて移動させ、さらに、ラベルの第1の側縁および第2の側縁が第1の突部および第2の突部の各先端間を通過するまで移動させることができる。
つまり、相対向する第1の側縁および第2の側縁間の距離が、第1の突部および第2の突部の各先端間の距離よりも長いラベルであっても、上記湾曲形状に変化させることにより、第1の突部および第2の突部の各先端間を通過させることができる。
そして、ラベルの第1の側縁および第2の側縁が第1の突部および第2の突部の各先端間を通過したときにラベル吸着面によるラベルの吸着状態を解除するため、上記湾曲形状に変化していたラベルを変化前の平坦な形状に戻し、底壁に配置することができる。
つまり、相対向する第1の側縁および第2の側縁間の距離が、上記湾曲形状に変化する前の長さに戻るため、底壁に配置されたラベルの第1の側縁は、第1の突部によって凹部からの離脱が阻止され、第2の側縁は、第2の突部によって凹部からの離脱が阻止される。
【0016】
従って、本願の第2の発明によれば、内側に湾曲した形状のラベル吸着面にラベルを吸着させるため、ラベルが底壁に向けて膨らむように湾曲しないので、凹部の深さを浅くすることができ、ラベルが凹部から離脱し難くすることができる。
また、本願の第2の発明によれば、ラベルを底壁に配置するときに、ラベルがラベル吸着面の側に湾曲しているとともに、ラベル吸着面が底壁を押圧しないため、底壁を変形させることがない。
【0017】
(第3の発明)
上述した目的を達成するため、本願の第3の発明に係るラベル取付け装置(7)は、第2の発明に係るラベル取付け装置(7)において、
ラベル吸着装置(200)は、
ラベル吸着面(205)に開口した吸引口(206:
図8)と、
吸引口(206)に連通しており、吸引口(206)の内部を負圧状態にすることにより、ラベル(100)の表面(150)をラベル吸着面(205)に吸着させる吸引装置(500)と、を備えており、
制御装置(600)は、
吸引装置(500)を制御し、吸引口(206)の内部を負圧状態にすることにより、ラベル(100)の表面(150)を吸引して当該ラベル(100)をラベル吸着面(205)に湾曲形状となるように吸着させ、
吸引装置(500)を制御し、吸引口(206)の内部の負圧状態を解除することにより、ラベル吸着面(205)によるラベル(100)の吸着状態を解除することを特徴とする。
【0018】
(第3の発明の効果)
本願の第3の発明によれば、ラベル吸着面に開口した吸引口の内部を負圧状態にすることにより、ラベルの表面を吸引して当該ラベルをラベル吸着面に湾曲形状となるように吸着させることができるため、容器に取付けるためのラベルを積層して配置した場合、最上部からラベルを一枚ずつ吸着することができる。また、ラベルの表面を穿刺して保持する方法のようにラベルの表面を傷付けるおそれがない。
【0019】
(第4の発明)
上述した目的を達成するため、本願の第4の発明に係るラベル取付け装置(7)は、第3の発明に係るラベル取付け装置(7)において、
吸引装置(500)は、
吸引口(206)からラベル(100)の表面に気体を噴射する機能を備えており、
制御装置(600)は、
吸引装置(500)を制御し、吸引口(206)の内部の負圧状態を解除することにより、ラベル吸着面(205)によるラベル(100)の吸着状態を解除し、ラベル(100)の表面(150)に吸引口(206)から気体を噴射することを特徴とする。
【0020】
(第4の発明の効果)
本願の第4の発明によれば、ラベル吸着面によるラベルの吸着状態を解除し、ラベルの表面に吸引口から気体を噴射することができるため、ラベルを湾曲形状から元の平坦な形状に早く戻すことができる。また、ラベルが自身の弾性によって湾曲前の形状に復帰しようとしたときに、僅かに湾曲した状態が残る場合でも、ラベルの表面に気体を噴射することにより、ラベルを平坦または平坦に近い形状にすることができる。
【0021】
(第5の発明)
上述した目的を達成するため、本願の第5の発明に係るラベル取付け方法は、第1の発明に係るラベル取付け方法において、
ラベル(100)は、
第1の側縁(110)および第2の側縁(120)の各一方の端部間に形成された第3の側縁(130:
図14(B))と、
第1の側縁(110)および第2の側縁(120)の各他方の端部間に形成された第4の側縁(140:
図14(B))と、を有し、
底壁(95)は、
第1の端縁(91b)および第2の端縁(92b)の一方の各端部間に形成された第3の端縁(93b:
図13)と、
第1の端縁(91b)および第2の端縁(92b)の他方の各端部間に形成された第4の端縁(94b:
図13)と、を有し、
凹部(90)は、
第3の端縁(93b)から凹部(90)の開口面(96)に向けて延びる第3の内壁(93:
図13)と、
第4の端縁(94b)から開口面(96)に向けて延びており、第3の内壁(93)と相対向する第4の内壁(94:
図13)と、
第3の内壁(93)から第4の内壁(94)に向けて突出した第3の突部(93a:
図13)と、
第4の内壁(94)から第3の内壁(93)に向けて突出した第4の突部(94a:
図13)と、を備えており、
さらに、第3の側縁(130)および第4の側縁(140)間の距離(W2:
図14(B))が、第3の突部(93a)および第4の突部(94a)の各先端間の距離(L2:
図13(B))よりも長く、
さらに、底壁(95)に配置されたラベル(100)の第3の側縁(130)は、第3の突部(93a)によって凹部(90)からの離脱が阻止され、底壁(95)に配置されたラベル(100)の第4の側縁(140)は、第4の突部(94a)によって凹部(90)からの離脱が阻止されるように形成されており、
ラベル吸着面(205:
図8,
図16)は、
内側に湾曲した形状であって、当該ラベル吸着面(205)に吸着されたラベル(100)が、第1の側縁(110)および第2の側縁(120)間の距離(W1)が、第1の突部(91a)および第2の突部(92a)の各先端間の距離(L1)以下であり、かつ、第3の側縁(130)および第4の側縁(140)間の距離(W2)が、第3の突部(93a)および第4の突部(94a)の各先端間の距離(L2)以下の湾曲形状となるように形成されており、
移動工程(S4~S6:
図11)は、
移動装置(300,400)を制御し、ラベル吸着面(205)に湾曲形状にて吸着されているラベル100の裏面(160)が凹部(90)の底壁(95)と対向した状態となる位置までラベル吸着装置(200)を移動させ、さらに、ラベル吸着面(205)に湾曲形状にて吸着されているラベル(100)を第1の突部(91a)ないし第4の突部(94a)の各先端間を通過させて第1の突部(91a)ないし第4の突部(94a)と底壁(95)との間に配置する工程であることを特徴とする。
【0022】
(第5の発明の効果)
本願の第5の発明によれば、ラベルの第1ないし第4の4つの側縁を凹部の内壁の四方から突出した第1ないし第4の4つの突部の各先端間を通過させてラベルを底壁に配置することにより、ラベルの凹部からの離脱を阻止することができるため、第1および第2の突部のみによって離脱を阻止する構造よりも、ラベルが離脱し難くすることができる。
【0023】
(第6の発明)
上述した目的を達成するため、本願の第6の発明に係るラベル取付け装置(7)は、第2ないし第4の発明のいずれか1つに係るラベル取付け装置(7)において、
樹脂成形品は、鶏卵を収容する鶏卵容器(1)であり、
凹部(90)は、当該鶏卵容器(1)に収容された鶏卵(5:
図3)の上部を覆う上壁21(
図1)に形成されていることを特徴とする。
【0024】
(第6の発明の効果)
本願の第6の発明によれば、ラベルを凹部の底壁に取付ける際に、底壁が下向きに変形しないため、凹部の下方に収容されている鶏卵が割れるおそれがない。
【0025】
(第7の発明)
上述した目的を達成するため、本願の第7の発明に係るラベルは、第2ないし第4の発明のいずれか1つに係るラベル取付け装置(7)において用いるラベル(100)であって、
全体または一部の層が合成樹脂によって形成されていることを特徴とする。
【0026】
(第7の発明の効果)
樹脂成形品が揺れたり傾いたりしたときに、ラベルが凹部から離脱し難くするためには、ラベルの相対向する第1の側縁および第2の側縁間の距離が長い方が有利である。
しかし、ラベル自身の弾性が小さいと、ラベル吸着面によるラベルの吸着状態が解除されたときに、ラベルが湾曲前の平坦な形状に戻り難く、第1の側縁および第2の側縁間の距離が湾曲前の距離に戻り難くなり、ラベルの凹部からの離脱を阻止する効果が低くなる。
そこで、本願の第7の発明のように、ラベルの全体または一部の層が合成樹脂によって形成されていることにより、紙製のラベルなど、ラベルの全体または一部の層が合成樹脂によって形成されていないラベルよりも弾性を大きくすることができるため、湾曲形状から湾曲前の平坦な形状に戻り易い。
従って、本願の第7の発明によれば、ラベルの相対向する第1の側縁および第2の側縁間の距離が湾曲前の距離に戻り易いため、ラベルの凹部からの離脱を阻止する効果を高めることができる。
【0027】
(第8の発明)
上述した目的を達成するため、本願の第8の発明に係るラベルは、第5の発明に係るラベル取付け方法において用いるラベル(100)であって、
第1の側縁(110)ないし第4の側縁(140)がそれぞれ内側に凹んだ円弧状部(
図14(B))を有することを特徴とする。
【0028】
(第8の発明の効果)
本願の第8の発明によれば、ラベルの第1の側縁ないし第4の側縁が、それぞれ内側に凹んだ円弧状部を有するため、内側に湾曲した形状のラベル吸着面にラベルを吸着したときに、第1の側縁ないし第4の側縁をそれぞれ内側に湾曲させることができる。
従って、ラベル吸着面に吸着されたラベルが、第1の側縁および第2の側縁間の距離が、第1の突部および第2の突部の各先端間の距離以下であり、かつ、第3の側縁および第4の側縁間の距離が、第3の突部および第4の突部の各先端間の距離以下の湾曲形状となるようにすることができるため、当該ラベルを第5の発明に係るラベル取付け方法に用いれば、第5の発明の効果を奏するようにすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本願発明によれば、ラベルを取付けるための凹部の深さを浅くすることができ、かつ、凹部に形成された底壁を変形させることなくラベルを凹部に取付けることができるラベル取付け方法、ラベル取付け装置およびラベルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施形態に係る鶏卵容器の斜視図である。
【
図2】(A)は
図1に示す容器の展開図であり、(B)は(A)を前方(図では右方)から見た説明図である。
【
図3】(A)は第1容器部を第2容器部に被せる様子を示す説明図であり、(B)は第1容器部を第2容器部に被せた状態を示す説明図である。
【
図4】(A)は
図1に示す鶏卵容器に取付けられたラベルの平面図であり、(B)は(A)のA-A線断面図である。
【
図5】(A)はラベルと突部との配置関係を示す説明図であり、(B)はラベルの平面図である。
【
図7】
図6に示すラベル取付け装置を後方から見た説明図である。
【
図8】(A)はラベル吸着装置のラベル吸着面の斜視図、(B)は(A)のB-B線断面図、(C)はラベル吸着面に吸着されたラベルとラベル吸着面との位置関係を示す説明図である。
【
図9】(A)はラベル吸着装置がラベルに向けて下降する様子を示す説明図、(B)はラベル吸着装置がラベル吸着位置に到達した状態を示す説明図、(C)はラベル吸着面にラベルが吸着された状態を示す説明図である。
【
図10】(A)はラベル吸着面に吸着されたラベルが凹部に下降しようとするときの説明図、(B)はラベルが凹部の各突部の先端間を通過した状態を示す説明図、(C)はラベルが凹部の底壁に配置された状態を示す説明図である。
【
図11】ラベル取付け処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】本発明の第2実施形態における鶏卵容器の斜視図である。
【
図13】(A)は
図12に示す鶏卵容器に取付けられたラベルの平面図であり、(B)は(A)のC-C線断面図である。
【
図14】(A)はラベルと突部との配置関係を示す説明図であり、(B)はラベルの平面図である。
【
図16】(A)は第3実施形態のラベル吸着面の斜視図であり、(B)は(A)のA-A線断面図である。
【
図17】(A)はラベルの平面図であり、(B)は従来のラベル取付け方法において凹部の開口面に配置されたラベルを押圧部材に押圧しようとするときの説明図である。
【
図18】(C)は押圧部材によって押圧されたラベルが下向きに湾曲した状態を示す説明図、(D)はラベルが凹部の底壁に配置された状態を示す説明図、(E)はラベルが凹部から離脱した状態を示す説明図である。
【
図19】(A)は従来のラベル取付け方法において凹部の開口面に配置されたラベルを押圧部材に押圧しようとするときの説明図、(B)は押圧部材によって押圧されたラベルが下向きに湾曲した状態を示す説明図、(C)は変形した底壁によって鶏卵にひびが入った状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
〈第1実施形態〉
以下の各実施形態では、鶏卵容器に対するラベル取付け方法、ラベル取付け装置およびラベルについて説明する。
[鶏卵容器の構造]
図1に示すように、鶏卵容器1は、第1容器部20と第2容器部30とを有する。鶏卵容器1は、熱可塑性樹脂製シートを真空成形または圧空成形することにより成形されており、第1容器部20および第2容器部30は、連続成形されている。第2容器部30には、鶏卵5(
図3)を収容するための収容部31が形成されている。図示の例では、第2容器部30には、左右に並んだ2個の鶏卵を前後方向に5列収容するための10個の収容部31が形成されている。第1容器部20は、上壁21と、左側壁22(
図2)と、右側壁23と、後壁24と、前壁25とを有し、前後に長い箱状に形成されている。上壁21には、ラベル100を取付けるための凹部90が下向きに突出するように形成されている。
図3に示すように、第2容器部30の各収容部31に鶏卵5を収容すると、鶏卵5の上部が第2容器部30から突出するが、第1容器部20を第2容器部30に被せることにより、第2容器部30から突出した各鶏卵5が第1容器部20によって覆われ、包装された状態になる。
【0032】
図2に示すように、第1容器部20の周縁からフランジ形状の第1フランジ26が張り出しており、第2容器部30の周縁からフランジ形状の第2フランジ36が張り出している。第1フランジ26および第2フランジ36は、長手方向の左端同士が接続されており、その接続された部分が回動部2を形成している。
図3に示すように、回動部2はヒンジの役割をしており、回動部2を回動中心にして第1容器部20を回動させることにより、第1容器部20を第2容器部30の上に被せることができる。このとき、第1フランジ26および第2フランジ36は相互に対向した状態になる。
【0033】
図1ないし
図3に示すように、第1フランジ26の上面から中空の複数の第1突出部27が突出しており、
図2および
図3に示すように、第2フランジ36の上面から中空の複数の第2突出部37が突出している。各第1突出部27は、第1フランジ26と第1容器部20との境界である第1境界20a(
図2(A))に沿って配置されており、各第2突出部37は、第2フランジ36と第2容器部30との境界である第2境界30a(
図2(A))に沿って配置されている。
図3(A)に示すように、第1容器部20を第2容器部30の上方に回動させた状態において、各第1突出部27および各第2突出部37は、相互に対向した位置に形成されている。
図3(B)に示すように、各第2突出部37は、それぞれ対向する第1突出部27に挿入されることにより、各第1突出部27および各第2突出部37は相互に嵌合された状態になる。
【0034】
[凹部90の構造]
次に、凹部90の構造について図を参照しつつ説明する。
図4(A)に示すように、凹部90は、ラベル100(
図5(B))を配置するための底壁95(
図4(B)を有する。底壁95は相対向する第1の端縁91bおよび第2の端縁92bを有する。凹部90は、第1の端縁91bから凹部90の開口面96に向けて延びる第1の内壁91と、第2の端縁92bから開口面96に向けて延びる第2の内壁92とを備えている。第1の内壁91および第2の内壁92は相対向している。さらに、
図1および
図5(A)に示すように、凹部90は、第1の内壁91から第2の内壁92に向けて突出した第1の突部91aと、第2の内壁92から第1の内壁91に向けて突出した第2の突部92aとを備えている。
本実施形態では、第1の内壁91から計3個の第1の突部91aが突出しており、第2の内壁92から計3個の第2の突部92aが突出している。以下、第1の突部および第2の突部に共通の説明をする場合に単に突部という場合がある。
【0035】
また、各第1の突部91aは相互に間隔を空けて配置されており、各第2の突部92aも相互に間隔を空けて配置されている。また、各第1の突部91aおよび各第2の突部92aは、それぞれ自身の先端同士が相対向するように配置されている。また、
図4(B)に示すように、各第1の突部91aの各上端は、それぞれ凹部90の開口面96と一致しており、各第2の突部92aの各上端もそれぞれ開口面96と一致している。
また、
図4(B)に示すように、各第1の突部91aの各下端と、底壁95との間には、ラベル100を配置するための隙間D1が形成されており、各第2の突部92aの各下端と、底壁95との間にもラベル100を配置するための隙間D1が形成されている。本実施形態では、
図4(A)に示すように、凹部90を長手方向に沿って二等分する中心線CLを描いた場合に、各第1の突部91aおよび各第2の突部92aは、中心線CLに対して線対称の形状に形成されている。また、
図4(A)に示すように、各突部は、平面視、前後方向に長い横長の形状に形成されている。以下の説明において、第1の突部91aおよび第2の突部92aに共通の内容を説明する場合に単に突部という場合がある。
【0036】
[ラベル100の形状]
次に、ラベル100の形状について
図5(B)を参照しつつ説明する。ラベル100は、平面視長方形であって平坦形状に形成されており、相対向する第1の側縁110および第2の側縁120を有する。また、ラベル100は、第1の側縁110および第2の側縁120の各一方の端部間(図では後端間)に形成された第3の側縁130と、第1の側縁110および第2の側縁120の各他方の端部間(図では前端間)に形成された第4の側縁140とを有する。第1の側縁110および第2の側縁120がそれぞれ長方形の長辺を形成しており、第3の側縁130および第4の側縁140がそれぞれ長方形の短辺を形成している。
さらに、第1の側縁110および第2の側縁120間の距離W1が、凹部90の第1の突部91aおよび第2の突部92aの各先端間の距離L1:
図4(B)よりも長くなっている。
【0037】
ラベル100の表面150には、鶏卵容器1に収容されている物が鶏卵であることを表示する「たまご」という文字と、鶏卵の大きさおよび個数を表示する「L10コ」という文字と、鶏卵の賞味期限を表示する「賞味期限23.03.31」という文字と、鶏卵容器1がPET製でありリサイクル品に該当することを表示する「容器PETプラ」という文字および記号と、当該ラベル100が紙製でありリサイクル品に該当することを表示する「ラベル紙」という文字および記号と、当該鶏卵の製造者などを特定するための2次元バーコードとが印刷されている。本実施形態では、ラベル100は、紙製の基材と、この基材の表面を覆う樹脂層とから形成されている。つまり、ラベル100は、湿気で変質しないようにするために、紙製の基材を樹脂によってコーティングした構造になっている。
【0038】
ラベル100は、弾性を有するため、湾曲させた後に、その湾曲させた力を無くすと、湾曲前の平坦な形状に復帰しようとする。例えば、中心線CL(
図4(A))を中心にして、表面150が上方に位置し、第1の側縁110および第2の側縁120が相互に平行になった状態で表面150よりも下方に位置するように湾曲させたとする。つまり、
図9(C)に示すように、ラベル100を上方に膨らむように湾曲させたとする。そして、その湾曲させた力を無くすと、自身の弾性により、湾曲前の平坦な形状に復帰する。表面が樹脂によってコーティングされていない紙製のラベルでも、ある程度の弾性を有するため、変形後に変形前の平坦な形状に復帰しようとするが、表面が樹脂によってコーティングされたラベル100よりも弾性が小さいため、平坦にならず、僅かに湾曲した形状になることがある。以下の説明において、第1の側縁110ないし第4の側縁140に共通の内容を説明する場合に単に側縁という場合がある。
【0039】
[ラベル100の離脱阻止構造]
次に、ラベル100の離脱阻止構造について図を参照しつつ説明する。
図4(B)に示すように、ラベル100は、各突部と底壁95との間に配置されている。前述したように、ラベル100の第1の側縁110および第2の側縁120間の距離W1(
図5(B))が、凹部90の第1の突部91aおよび第2の突部92aの各先端間の距離L1(
図4(B))よりも長い。このため、
図4(A)に示すように、ラベル100の底壁95における配置形態は、各第1の突部91aの直下にラベル100の第1の側縁110が位置しており、各第2の突部92aの直下にラベル100の第2の側縁120が位置する配置形態となっている。
従って、鶏卵容器1が揺れたり傾いたりしてラベル100が上下に移動しても、ラベル100の第1の側縁110は、第1の突部91aに衝突し、第2の側縁120は、第2の突部92aに衝突するため、ラベル100の凹部90からの離脱が阻止される。
本実施形態では、ラベル100の厚さは0.06mm~0.15mmであり、各突部の下端と底壁95との隙間D1(
図4(B))の高さは0.2mmである。つまり、各突部の下端と底壁95との隙間D1は、ラベル100の厚さよりも大きい。なお、
図1および
図4(B)では、凹部の構造を分かり易くするために、隙間D1は実際の隙間よりも大きく描いてある。
【0040】
[ラベル取付け装置]
次に、ラベル取付け装置について図を参照しつつ説明する。
図6および
図7に示すように、鶏卵容器1の凹部90にラベル100を取付けるためのラベル取付け装置7は、ラベル100を吸着するラベル吸着装置200と、ラベル吸着装置200を移動させる移動装置300と、ラベル吸着装置200を左右方向に移動させる走行レール400と、走行レール400の左右端を支持する支柱401,402(
図7)と、支柱401,402の各下端を支持するベース403,404(
図6)と、ラベル吸着装置200にラベル100の吸着などを行わせる吸引装置500と、移動装置300および吸引装置500を制御する制御装置600と、ラベル100を積層して収容するラベル収容部800(
図7)と、鶏卵容器1を搬送するコンベヤ700(
図6)とを備えている。
【0041】
(ラベル吸着装置200)
図8(A),(B)に示すように、ラベル吸着装置200の下面には、ラベル100を吸着するためのラベル吸着面205が形成されている。ラベル吸着面205は、内側(
図7および
図8(B)では上向き)に湾曲した形状に形成されている。言い換えると、ラベル吸着面205は、円筒の側面に対応した形状(別の表現ではトンネル形状)に形成されており、吸着されたラベル100が、上方に湾曲した形状となるように形成されている。また、
図8(C)に示すように、ラベル吸着面205を直下から投影した形状は、ラベル100の形状に対応した矩形である。ラベル吸着面205は、相対向する直線状の第1の稜線201および直線状の第2の稜線202を有する。また、ラベル吸着面205は、第1の稜線201および第2の稜線202の各一方の端部間(図では後端間)に形成された円弧状の第3の稜線203と、第1の稜線201および第2の稜線202の各他方の端部間(図では前端間)に形成された円弧状の第4の稜線204とを有する。第3の稜線203および第4の稜線204は、それぞれ内側(
図7および
図8(B)では上向き)に湾曲している。
【0042】
図8(C)に示すように、第1の稜線201の長さは、ラベル100の第1の側縁110よりも僅かに短く、第2の稜線202の長さは、ラベル100の第2の側縁120よりも僅かに短い。また、第3の稜線203の円弧の長さは、ラベル100の第3の側縁130よりも短く、第4の稜線204の円弧の長さは、ラベル100の第4の側縁140よりも短い。このため、ラベル吸着面205に吸着されたラベル100の四方は、ラベル吸着面205から外方にはみ出した状態になる。ラベル吸着面205にラベル100が吸着されると、ラベル吸着面205の第1の稜線201とラベル100の第1の側縁110とが平行になり、ラベル吸着面205の第2の稜線202とラベル100の第2の側縁120とが平行になる。また、ラベル吸着面205にラベル100が吸着されると、ラベル100の第1の側縁110はラベル吸着面205の第1の稜線201よりも外方に位置し、ラベル100の第2の側縁120はラベル吸着面205の第2の稜線202よりも外方に位置する。
つまり、ラベル吸着面205は、吸着されたラベル100の第1の側縁110および第2の側縁120間の距離W1(
図5(B))が、凹部90の第1の突部91aおよび第2の突部92aの各先端間の距離L1(
図4(B))以下の湾曲形状となるように形成されている。
【0043】
また、
図8(A),(B)に示すように、ラベル吸着面205には、ラベル100を吸引するための吸引口206が開口しており、吸引口206は、ラベル吸着装置200の内部に貫通形成されたエア導入路207(
図8(B))に連通している。エア導入路207は、チューブ501(
図6)を通じて吸引装置500と連通している。吸引装置500が吸引動作すると、吸引口206の内部、つまり、エア導入路207の内部が負圧状態になり、ラベル100が吸引口206に吸引され、ラベル吸着面206に吸着される。また、吸引装置500は、チューブ501を通じて吸引口206からエア(空気)を排出する機能を備えている。吸引装置500が排出動作すると、吸引口206からエアがラベル100に排出され、ラベル100の湾曲形状を平坦形状に復帰させる。また、
図7に示すように、ラベル吸着装置200は、画像認識センサ208を備えている。画像認識センサ208は、ラベル100の有無、形状および向き、鶏卵容器1の凹部90の有無、形状および向きなどを認識する。
【0044】
(移動装置)
移動装置300は、ラベル吸着装置200を昇降させるための昇降装置301を備えている。昇降装置301には、昇降動作する昇降アーム302が備えられており、その昇降アーム302の下端にはラベル吸着装置200が取付けられている。昇降装置301としては、公知の昇降装置を用いることができる。例えば、昇降用のモータと、このモータの回転を昇降動作に変換するボールネジ機構とを備えた昇降装置を用いることができる。この場合、ボールネジ機構を構成するボールネジに昇降アーム302を取付け、モータの回転によってボールネジが昇降することにより、昇降アーム302が昇降するように構成することができる。
また、移動装置300には、自身を走行レール400に沿って移動させるための走行装置303が備えられている。走行装置303としては、公知の走行装置を用いることができる。例えば、走行用のモータと、走行車輪と、モータの回転を走行車輪に伝達する伝達機構とを備えた走行装置を用いることができる。移動装置300および走行レール400が本発明の移動装置に対応する。
【0045】
(制御装置)
制御装置600は、ケーブル601によって移動装置300と電気的に接続されており、ケーブル602によって吸引装置500と電気的に接続されている。また、制御装置600は、移動装置300を通じて画像認識センサ208(
図7)と電気的に接続されている。制御装置600は、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)などにより構成されている。制御装置600は、走行装置303を制御することにより、ラベル吸着装置200を走行レール400に沿って移動させる。また、制御装置600は、昇降装置301を制御することにより、ラベル吸着装置200を昇降させる。また、制御装置600は、吸引装置500を制御し、上向きの湾曲形状となるようにラベル100をラベル吸着面205に吸着させる。また、制御装置600は、昇降装置301および吸引装置500を制御することにより、ラベル吸着装置200に吸着されているラベル100を鶏卵容器1の凹部90に取付ける。
【0046】
[ラベル取付け方法]
次に、ラベル取付け方法について
図11を参照しつつ説明する。以下の説明では、制御装置600が実行するステップをSと略す。
(ラベル吸着工程)
制御装置600(
図6)は、移動装置300を制御してラベル吸着装置200をラベル収容部800の上方まで移動させる。このときの移動装置300の移動量は、移動装置300に設けられた走行用のモータの回転数によって検出することができる。また、移動装置300の接近を検知する近接センサなどを配置し、その近接センサなどの検知結果に基づいて移動を停止するように構成しても良い。続いて、制御装置600は、画像認識センサ208から取得したデータに基づいて、ラベル収容部800の最上部に配置されているラベル100を検出したか否かを判断し(S1)、検出したと判断した場合は(S1:Yes)、昇降装置301を駆動し、ラベル吸着装置200をラベル吸着位置まで下降させる(S2、
図9(A),(B))。
【0047】
続いて、制御装置600は、吸引装置500(
図6)を駆動し、ラベル吸着面205の吸引口206(
図8)の内部を負圧状態にし、ラベル吸着面205にラベル100の表面150を吸着させる(S3)。これにより、
図9(C)に示すように、ラベル100は、ラベル吸着面205に対応した形状、つまり、上向きに湾曲した円弧状に変化する。詳しくは、ラベル100の相対向する第1の側縁110および第2の側縁120が平行で、かつ、第3の側縁130および第4の側縁140が、それぞれ上向きに膨らんだ同じ円弧状に変化する。また、第1の側縁110および第2の側縁120は、同じ高さに位置しており、ラベル100の中心よりも低い位置にある。制御装置600が実行するS3が本発明のラベル吸着工程に対応する。
【0048】
(移動工程)
続いて、制御装置600は、移動装置300を駆動し、ラベル100を鶏卵容器1の凹部90に取付ける位置までラベル吸着装置200を移動させる(S4)。このときの移動装置300の移動量は、移動装置300に設けられた走行用のモータの回転数によって検出することができる。また、移動装置300の接近を検知する近接センサなどを配置し、その近接センサなどの検知結果に基づいて移動を停止するように構成しても良い。このとき、鶏卵容器1は、コンベヤ700によってラベル取付け位置まで搬送されている。続いて、制御装置600は、画像認識センサ208から取得したデータに基づいて、鶏卵容器1の凹部90の底壁95(
図4(B))を検出したか否かを判断する(S5)。ここで、制御装置600は、底壁95を検出したと判断した場合は(S5:Yes)、昇降装置301を制御し、ラベル吸着装置200をラベル配置位置まで下降させる(S6)。詳しくは、
図10(A),(B)に示すように、ラベル吸着面205に湾曲形状にて吸着されているラベル100を、自身の裏面160が凹部90の底壁95と対向した状態にして、凹部90の開口面96から底壁95に向けて移動させ、さらに、ラベル100の第1の側縁110および第2の側縁120が第1の突部91aおよび第2の突部92aの各先端間を通過するまで移動させる。
【0049】
このとき、
図10(A)に示すように、ラベル100の相対向する第1の側縁110および第2の側縁120は、ラベル吸着面205からはみ出した状態であるため、第1の突部91aおよび第2の突部92aを通過するときに、第1の側縁110が第1の突部91aに接触した場合であっても、第1の側縁110が上方に湾曲しながら第1の突部91aを通過することができる。また、第2の側縁120が第2の突部92aに接触した場合であっても、第2の側縁120が上方に湾曲しながら第2の突部92aを通過することができる。
また、制御装置600は、底壁95を検出したと判断しなかった場合は(S5:No)、底壁95を検出したと判断するまでラベル吸着装置200を移動させる(S4)。制御装置600が実行するS4~S6が本発明の移動工程に対応する。
【0050】
(解除工程)
続いて、制御装置600は、吸引装置500の吸引動作を停止させ、ラベル吸着装置200によるラベル100の吸引を停止させ、ラベル吸着面205によるラベル100の吸着状態を解除する(S7)。これにより、
図10(C)に示すように、ラベル100は、ラベル吸着面205から底壁95の上に落下し、湾曲前の平坦な形状に復帰しようとする。続いて、制御装置600は、吸引装置500(
図6)を排出動作させ、ラベル吸着面205の吸引口206(
図8)からエアをラベル100の表面150に噴射させる(S8)。これにより、湾曲形状から湾曲前の平坦な形状に復帰しようとしているラベル100を瞬時に平坦形状に復帰させることができる。また、ラベル100は弾性を有するため、ラベル吸着面205による吸着状態を解除すれば、湾曲前の平坦な形状に自然に復帰しようとするが、エアをラベル100の表面150に噴射することにより、ラベル100が平坦な形状に復帰する時間を短縮することができる。また、ラベル吸着面205による吸着状態を解除しても、ラベル100が平坦な形状に復帰せず、湾曲した形状が残っている場合であっても、エアをラベル100の表面150に噴射することにより、ラベル100を平坦に近い形状、あるいは、平坦な形状にすることができる。エア(空気)に代えてヘリウムなどの気体を噴射することもできる。エア(空気)は本発明の気体の一例である。
【0051】
そして、制御装置600は、ラベル吸着装置200を上昇させ、ラベル収容部800の上方へ移動させる。また、コンベヤ700が回転し、次の鶏卵容器1がラベル取付け位置に搬送され、制御装置600は、S1~S8を実行し、ラベル取付け位置に搬送された鶏卵容器1の凹部90にラベル100を取付ける。
なお、ラベル配置位置、つまり、ラベル吸着面205による吸着状態を解除する位置は、
図10(B)に示すように、ラベル100の第1の側縁110および第2の側縁120が底壁95に接した位置でも良いし、第1の側縁110および第2の側縁120が第1の突部91aおよび第2の突部92aの各下端と底壁95との間に到達した位置でも良い。制御装置600が実行するS7が本発明の解除工程に対応する。
【0052】
[第1実施形態の効果]
(1)上述した第1実施形態のラベル取付け方法、ラベル取付け装置7およびラベル100によれば、ラベル吸着装置200のラベル吸着面205は、内側に湾曲した形状であって、ラベル100の相対向する第1の側縁110および第2の側縁120間の距離W1が、第1の突部91aおよび第2の突部92aの各先端間の距離L1以下の湾曲形状となるように形成されているため、ラベル100をラベル吸着面205に吸着することにより、ラベル100を上記湾曲形状に変化させることができる。
そして、ラベル吸着面205に上記湾曲形状にて吸着されているラベル100を、自身の裏面160が凹部90の底壁95と対向した状態にして、凹部90の開口面96から底壁95に向けて移動させ、さらに、ラベル100の第1の側縁110および第2の側縁120が第1の突部91aおよび第2の突部92aの各先端間を通過するまで移動させることができる。
【0053】
つまり、相対向する第1の側縁110および第2の側縁120間の距離W1が、第1の突部91aおよび第2の突部92aの各先端間の距離L1よりも長いラベル100であっても、上記湾曲形状に変化させることにより、第1の突部91aおよび第2の突部92aの各先端間を通過させることができる。
そして、ラベル100の第1の側縁110および第2の側縁120が第1の突部91aおよび第2の突部92aの各先端間を通過したときにラベル吸着面205によるラベル100の吸着状態を解除するため、上記湾曲形状に変化していたラベル100を変化前の平坦な形状に戻し、底壁95に配置することができる。
つまり、相対向する第1の側縁110および第2の側縁120間の距離W1が、上記湾曲形状に変化する前の長さに戻るため、底壁95に配置されたラベル100の第1の側縁110は、第1の突部91aの直下に配置されることによって凹部90からの離脱が阻止され、第2の側縁120は、第2の突部92aの直下に配置されることによって凹部90からの離脱が阻止される。
【0054】
(2)しかも、前述した第1実施形態によれば、ラベル吸着面205に開口した吸引口206の内部を負圧状態にすることにより、ラベル100の表面150を吸引して当該ラベル100をラベル吸着面205に湾曲形状となるように吸着させることができるため、鶏卵容器1に取付けるためのラベル100をラベル収容部800に積層して配置した場合、最上部からラベル100を一枚ずつ吸着することができる。また、ラベル100の表面150を穿刺して保持する方法のようにラベル100の表面を傷付けるおそれがない。
【0055】
(3)さらに、前述した第1実施形態によれば、ラベル吸着面205によるラベル100の吸着状態を解除し、ラベル100の表面150に吸引口206からエアを噴射することができるため、ラベル100を湾曲形状から元の平坦な形状に早く戻すことができる。また、ラベル100が自身の弾性によって湾曲前の形状に復帰しようとしたときに、僅かに湾曲した状態が残る場合でも、ラベル100の表面150にエアを噴射することにより、平坦な形状または平坦に近い形状にすることができる。
【0056】
(4)さらに、前述した第1実施形態によれば、ラベル100を凹部90の底壁95に取付ける際に、底壁95が下向きに変形しないため、凹部90の下方に収容されている鶏卵5が割れるおそれがない。
【0057】
(5)鶏卵容器1が揺れたり傾いたりしたときに、ラベル100が凹部90から離脱し難くするためには、ラベル100の相対向する第1の側縁110および第2の側縁120間の距離W1が長い方が有利である。
しかし、ラベル100自身の弾性が小さいと、ラベル吸着面205によるラベル100の吸着状態が解除されたときに、ラベル100が湾曲前の平坦な形状に戻り難く、第1の側縁110および第2の側縁120間の距離W1が湾曲前の距離に戻り難くなり、ラベル100の凹部90からの離脱を阻止する効果が低くなる。
そこで、前述した第1実施形態のように、ラベル100は、全体または一部の層が合成樹脂によって形成されているため、紙製のラベルなど、ラベルの全体または一部の層が合成樹脂によって形成されていないラベルよりも弾性を大きくすることができるので、湾曲形状から湾曲前の平坦な形状に戻り易い。
従って、前述した第1実施形態によれば、ラベル100の相対向する第1の側縁110および第2の側縁120間の距離W1が湾曲前の距離に戻り易いため、ラベル100の凹部90からの離脱を阻止する効果を高めることができる。
【0058】
(6)従って、前述した第1実施形態によれば、ラベル100を取付けるための凹部90の深さH3を浅くすることができ、かつ、凹部90に形成された底壁95を変形させることなくラベル100を凹部90に取付けることができるラベル取付け方法、ラベル取付け装置およびラベルを提供することができる。
【0059】
〈第2実施形態〉
次に、本発明の第2実施形態について図を参照しつつ説明する。
図14(B)に示すように、本実施形態において用いるラベル100は、前述した第1実施形態の長方形のラベル100(
図5(B))と異なり、各側縁の中央部分がそれぞれ内側に円弧状に膨らんだ形状に形成されている。詳しくは、第1の側縁110は円弧状部111を有し、第2の側縁120は円弧状部121を有する。また、第3の側縁130は円弧状部131を有し、第4の側縁140は円弧状部141を有する。
【0060】
図13に示すように、凹部90の底壁95は、第1の端縁91bおよび第2の端縁92bの一方の各端部間(図では後端間)に形成された第3の端縁93bと、第1の端縁91bおよび第2の端縁92bの他方の各端部間(図では前端間)に形成された第4の端縁94bとを有する。また、凹部90は、第3の端縁93bから凹部90の開口面96(
図13(B))に向けて延びる第3の内壁93と、第4の端縁94bから開口面96に向けて延びる第4の内壁94とを有する。第3の内壁93および第4の内壁94は相対向している。また、凹部90は、第3の内壁93から第4の内壁94に向けて突出した第3の突部93aと、第4の内壁94から第3の内壁93に向けて突出した第4の突部94a(
図12参照)とを備えている。本実施形態では、第3の内壁93から計2個の第3の突部93aが突出しており、第4の内壁94から計2個の第4の突部94aが突出している。
【0061】
また、第1の内壁91から突出した計3個の第1の突部91aは、前述した第1実施形態(
図4(A))よりも相互の間隔が狭く、長手方向の中央に寄せて配置されている。また、第2の内壁92から突出した計3個の第2の突部92aも相互の間隔が狭く、長手方向の中央に寄せて配置されている。また、各第1の突部91aおよび各第2の突部92aは、相対向して配置されている。
また、各第3の突部93aは短手方向の中央に寄せて配置されており、各第4の突部94aも短手方向の中央に寄せて配置されている。また、各第3の突部93aおよび各第4の突部94aは、相対向して配置されている。また、
図13(B)に示すように、各第3の突部93aの各上端は、それぞれ凹部90の開口面96と一致しており、各第4の突部94aの各上端もそれぞれ開口面96と一致している。また、各第3の突部93aの各下端と、底壁95との間には、ラベル100を配置するための隙間D1が形成されており、各第4の突部94aの各下端と、底壁95との間にもラベル100を配置するための隙間D1が形成されている。本実施形態では、第1の突部91aないし第4の突部94aは、それぞれ内壁に沿った細長い形状に形成されている。また、第1の突部91aないし第4の突部94aは、前述した第1実施形態の第1の突部91aないし第4の突部94a(
図4)よりも突出長さが長くなっている。
【0062】
さらに、ラベル100の第3の側縁130の円弧状部131と第4の側縁140の円弧状部141との間の距離W2(
図14(B))が、第3の突部93aおよび第4の突部94aの各先端間の距離L2(
図13(B))よりも長い。
図14(A)に示すように、各第1の突部91aの直下には、ラベル100の第1の側縁110の円弧状部111が位置しており、各第2の突部92aの直下には、ラベル100の第2の側縁120の円弧状部121が位置している。また、各第3の突部93aの直下には、ラベル100の第3の側縁130の円弧状部131が位置しており、各第4の突部94aの直下には、ラベル100の第4の側縁140の円弧状部141が位置している。
従って、鶏卵容器1が揺れたり傾いたりしてラベル100が上下に移動しても、ラベル100の第1の側縁110の円弧状部111は、第1の突部91aに衝突し、第2の側縁120の円弧状部121は、第2の突部92aに衝突し、さらに、第3の側縁130の円弧状部131は、第3の突部93aに衝突し、第4の側縁140の円弧状部141は、第4の突部94aに衝突するため、ラベル100の凹部90からの離脱がより一層確実に阻止される。言い換えると、ラベル100の四辺が凹部90の四方から突出した突部に衝突するため、ラベル100の凹部90からの離脱がより一層確実に阻止される。
【0063】
ラベル100をラベル吸着面205(
図8(A))に吸着すると、ラベル100は
図15に示す形状に変化する。詳しくは、ラベル100は、相対向する第1の側縁110および第2の側縁120がそれぞれ上向きに湾曲し、相対向する第3の側縁130および第4の側縁140もそれぞれ上向きに湾曲した形状に変化する。
図8に示したように、吸引口206は、ラベル吸着面205の中央に開口しているため、吸引力がラベル吸着面205の中央に集中する。このため、ラベル100の中央が吸引口206に吸い上げられると、ラベル100は、吸引口206を頂点として盛り上がった形状に変化する。このとき、ラベル100の第1の側縁110ないし第4の側縁140は、それぞれ上向きに湾曲する。特に、ラベル100の第1の側縁110ないし第4の側縁140には、それぞれ円弧状部が形成されているため、各側縁は上向きに湾曲し易い。
【0064】
このように、ラベル100は、ラベル吸着面205に吸着されることにより、第1の側縁110ないし第4の側縁140は、それぞれ上向きに湾曲するため、第1の側縁110の円弧状部111および第2の側縁120の円弧状部121間の距離W1(
図14(B))が、第1の突部91aおよび第2の突部92aの各先端間の距離L1(
図4(B))以下であり、かつ、第3の側縁130の円弧状部131および第4の側縁140の円弧状部141間の距離W2(
図14(B))が、第3の突部93aおよび第4の突部94aの各先端間の距離L2(
図13(B))以下になる。
つまり、ラベル吸着面205は、内側に湾曲した形状であって、当該ラベル吸着面205に吸着されたラベル100が、第1の側縁110の円弧状部111および第2の側縁120の円弧状部121間の距離W1が、第1の突部91aおよび第2の突部92aの各先端間の距離L1以下であり、かつ、第3の側縁130の円弧状部131および第4の側縁140の円弧状部141間の距離W2が、第3の突部93aおよび第4の突部94aの各先端間の距離L2以下の湾曲形状となるように形成されている。
【0065】
制御装置600(
図6)は、前述した第1実施形態と同様の吸着工程(
図11のS3)を実行する。続いて、制御装置600は、移動工程(S4~S6)を実行する。つまり、制御装置600は、移動装置300を制御し、ラベル吸着面205に湾曲形状にて吸着されているラベル100の裏面160が凹部90の底壁95と対向した状態となる位置までラベル吸着装置200を移動させる(
図10(A))。続いて、ラベル吸着面205に湾曲形状にて吸着されているラベル100を第1の突部91aないし第4の突部94aの各先端間を通過させて第1の突部91aないし第4の突部94aと底壁95との間に配置する(
図10(B))。続いて、制御装置600は、ラベル100の吸着状態を解除する解除工程を実行し(S7)、吸引口206からエアをラベル100の表面150に噴射し、ラベル100を平坦な形状に復帰させる(S8)。
【0066】
[第2実施形態の効果]
(1)上述した第2実施形態のラベル取付け方法、ラベル取付け装置およびラベルによれば、ラベル100の第1ないし第4の側縁110~140を凹部90の内壁の四方から突出した第1ないし第4の突部91a~94aの各先端間を通過させてラベル100を底壁95に配置することにより、ラベル100の凹部90からの離脱を阻止することができるため、第1の突部91aおよび第2の突部92aのみによって離脱を阻止する構造よりも、ラベル100が離脱し難くすることができる。
(2)しかも、ラベル100の各側縁110~140は、それぞれ中央に円弧状部を有するため、ラベル100がラベル吸着面205に吸着されたときに、各側縁110~140をそれぞれ上向きに湾曲させることができる。
(3)さらに、第1ないし第4の突部91a~94aは、それぞれ中央寄りに形成されているため、各側縁110~140の各円弧状部が各突部を通過し易い。
【0067】
〈第3実施形態〉
次に、本発明の第3実施形態について図を参照しつつ説明する。
図16に示すように、本実施形態におけるラベル吸着面205は、吸引口206を中心にして内側に凹んだ形状に形成されている。言い換えると、ラベル吸着面205は、吸着されたラベル100が、自身の中央を中心にして上向きに湾曲した形状となるように形成されている。ラベル吸着面205の第1の稜線201および第2の稜線202は、それぞれ上向きに膨らんだ円弧状であり、第3の稜線203および第4の稜線204もそれぞれ上向きに膨らんだ円弧状である。
【0068】
本実施形態では、
図5(B)に示した長方形のラベル100を用いる。ラベル100をラベル吸着面205(
図16)に吸着すると、ラベル100は
図15に示したように、中央が盛り上がった形状に変化する。但し、本実施形態のラベル100は円弧状部が形成されていないため、
図15に示されている各円弧状部111~141は存在しない。詳しくは、ラベル100は、相対向する第1の側縁110および第2の側縁120がそれぞれ上向きに湾曲し、相対向する第3の側縁130および第4の側縁140もそれぞれ上向きに湾曲した形状に変化する。
図16(A)に示すように、吸引口206は、ラベル吸着面205の中央に開口しているため、吸引力がラベル吸着面205の中央に集中する。このため、ラベル100の中央が吸引口206に吸い上げられると、ラベル100は、自身の中央を頂点として盛り上がった形状に変化する。このとき、ラベル100の第1の側縁110ないし第4の側縁140は、それぞれ上向きに湾曲する。
つまり、ラベル吸着面205は、当該ラベル吸着面205に吸着されたラベル100が、第1の側縁110および第2の側縁120間の距離W1(
図5(B))が、第1の突部91aおよび第2の突部92aの各先端間の距離L1(
図4(B))以下であり、かつ、第3の側縁130および第4の側縁140間の距離W2(
図5(B))が、第3の突部93aおよび第4の突部94aの各先端間の距離L2(
図13(B))以下の湾曲形状となるように形成されている。
【0069】
また、本実施形態のラベル吸着面205を用いれば、
図5(B)に示したように、長方形のラベル100を吸着したときも、ラベル100の各側縁110~140をそれぞれ上向きに湾曲させることができ、ラベル100を第1ないし第4の突部91a~94aの各先端間を通過させて底壁95に配置することができる。また、
図14(B)に示したように、各側縁の中央に円弧状部を有するラベル100を用いることもできる。
本実施形態によれば、前述した第1および第2実施形態と同じ効果を奏することができる。
【0070】
〈他の実施形態〉
(1)ラベル取付け装置7を複数配置し、ラベルの取付け効率を高めることもできる。
(2)移動装置300および走行レール400に代えてロボットを用いることもできる。例えば、6軸ロボットのヘッドにラベル吸着装置200を取付け、ラベル100を吸着してから凹部90の底壁95に配置するまで移動経路を予めロボットにティーチングしておくことにより、ラベル100の吸着から取付けまでを自動的に行うことができる。
【0071】
(3)本発明は、ラベル100をラベル吸着面205に吸着した状態で移動させるため、移動中にラベル100が落下するおそれがない。従って、凹部90の開口面96が上向き以外の向き、例えば、横向き、下向き、斜めの姿勢の場合でも、ラベル取付け装置7の構成および機能などを変更することにより、ラベル100を凹部90の底壁95に配置することができる。
(4)ラベル100の形状は、前述した各実施形態における形状の他、正方形、五角形、六角形などの多角形、三角形、円形、楕円形でも良いし、それら以外の形状でも良い。
また、ラベル100の材質は、吸着によって変形し、変形後に元の形状に復帰する性質を有すれば、アルミニウムや銅などの金属でも良い。また、ラベル100は、紙製の基材の表面をアルミニウムや銅等の金属によってコーティングしたものでも良い。
【0072】
(5)吸引口206をラベル吸着面205に複数個開口することもできる。例えば、ラベル100が横長であり、それに対応してラベル吸着面205の横長に形成する場合に、吸引口206を長手方向に複数設けることもできる。また、吸引口206の開口面の形状は、円形の他、楕円形、矩形などでも良いし、ラベル100の長手方向に沿った長孔でも良い。
(6)本発明は、鶏卵容器以外の食品包装容器にも適用することができる。また、本発明は、部品が保持されたキャリアテープを捲回するためのキャリアテープ用リールの側面にラベルを取付けるためのラベル取付け装置、ラベル取付け方法およびラベルとして適用することもできる。さらに、本発明は、日用品などをパック詰めするためのブリスターパック、部品などを運搬する工業用トレーにも適用することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 鶏卵容器
5 鶏卵
21 上壁
90 凹部
91 第1の内壁
91a 第1の突部
91b 第1の端縁
92 第2の内壁
92a 第2の突部
92b 第2の端縁
93 第3の内壁
93a 第3の突部
93b 第3の端縁
94 第4の内壁
94a 第4の突部
94b 第4の端縁
95 底壁
96 開口面
100 ラベル
110 第1の側縁
120 第2の側縁
130 第3の側縁
140 第4の側縁
150 表面
160 裏面
200 ラベル吸着装置
205 ラベル吸着面
206 吸引口
300 移動装置
400 走行レール
500 吸引装置
600 制御装置
700 コンベヤ