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特開2024-121731植物誘引具、植物誘引装置及び植物誘引方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121731
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】植物誘引具、植物誘引装置及び植物誘引方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/12 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
A01G9/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028989
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】523070676
【氏名又は名称】永野 雅久
(74)【代理人】
【識別番号】100216736
【弁理士】
【氏名又は名称】竹井 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100202706
【弁理士】
【氏名又は名称】長野 克彦
(74)【代理人】
【氏名又は名称】長野 光宏
(72)【発明者】
【氏名】永野 雅久
【テーマコード(参考)】
2B023
【Fターム(参考)】
2B023AF05
2B023AF06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡単かつ安価に導入可能である、植物の茎を容易に誘引することができる植物誘引具、植物誘引装置及び植物誘引方法を提供する。
【解決手段】植物の茎を誘引するための植物誘引具であって、
植物の茎を保持する、少なくとも2つの第1保持具21及び第2保持具22と、
前記第1保持具と前記第2保持具を結ぶ紐状の接続紐3と、を備える、
植物誘引具1。
該誘引具を取り付けるための取付具4をさらに備え、
前記取付具は、前記第1保持具と前記第2保持具との間に位置し、かつ、前記接続紐が摺動可能に貫通する貫通孔4Hを有しており、
前記第1保持具及び前記第2保持具は前記貫通孔を通過できないような大きさで構成されている、
植物誘引具1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の茎を誘引するための植物誘引具であって、
植物の茎を保持する、少なくとも2つの第1保持具及び第2保持具と、
前記第1保持具と前記第2保持具を結ぶ紐状の接続紐と、を備える、
植物誘引具。
【請求項2】
該誘引具を取り付けるための取付具をさらに備え、
前記取付具は、前記第1保持具と前記第2保持具との間に位置し、かつ、前記接続紐が摺動可能に貫通する貫通孔を有しており、
前記第1保持具及び前記第2保持具は前記貫通孔を通過できないような大きさで構成されている、
請求項1に記載の植物誘引具。
【請求項3】
略水平方向に延びる吊り下げ部材と、
請求項2に記載の植物誘引具と、を備え、
前記植物誘引具における前記取付具が前記吊り下げ部材に取り付けられている、
植物誘引装置。
【請求項4】
植物の茎を誘引するための植物誘引方法であって、
請求項3の植物誘引装置を準備するステップと、
前記第1保有具が前記取付具から最も離隔した最下位置に存在しており、かつ前記第2保持具が前記取付具に最も近接した最上位置に存在している状態において、該第1保持具を前記茎に固定するステップと、
前記茎から取り外した前記第1保持具を前記最下位置から上方へと、及び前記第2保持具を前記最上位置から下方へと、移動させた状態において、該第1保持具及び該第2保持具を前記茎に固定するステップと、を含む、
植物誘引方法。
【請求項5】
植物の茎を誘引するための植物誘引方法であって、
請求項3の植物誘引装置を準備するステップと、
前記第2保持具より下方に位置する前記第1保持具が前記茎に固定されており、かつ前記第1保持具より上方に位置する前記第2保持具が前記茎に固定されている状態において、該第1保持具を前記茎から取り外した後に、前記第2保持具が前記茎に固定されている状態のままで該第2保持具及び前記茎を下方に移動させるステップと、
前記第2保持具が下方に移動したことに伴って上方に移動した前記第1保持具を前記茎に固定するステップと、を含む、
植物誘引方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物誘引具、植物誘引装置及び植物誘引方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2009-55909号公報(特許文献1)がある。この公報には、「容易に茎を誘引することができる簡単かつ安価なトマト栽培誘引装置およびトマトの栽培方法」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-55909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
植物の茎を容易に誘引することができる植物誘引具、植物誘引装置及び植物誘引方法を簡単かつ安価に導入できないおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、例えば以下の構成を採用する。
植物の茎を誘引するための植物誘引具であって、
植物の茎を保持する、少なくとも2つの第1保持具及び第2保持具と、
前記第1保持具と前記第2保持具を結ぶ紐状の接続紐と、を備える、
植物誘引具。
【0006】
該誘引具を取り付けるための取付具をさらに備え、
前記取付具は、前記第1保持具と前記第2保持具との間に位置し、かつ、前記接続紐が摺動可能に貫通する貫通孔を有しており、
前記第1保持具及び前記第2保持具は前記貫通孔を通過できないような大きさで構成されている、
植物誘引具。
【0007】
略水平方向に延びる吊り下げ部材と、
植物誘引具と、を備え、
前記植物誘引具における前記取付具が前記吊り下げ部材に取り付けられている、
植物誘引装置。
【0008】
植物の茎を誘引するための植物誘引方法であって、
植物誘引装置を準備するステップと、
前記第1保有具が前記取付具から最も離隔した最下位置に存在しており、かつ前記第2保持具が前記取付具に最も近接した最上位置に存在している状態において、該第1保持具を前記茎に固定するステップと、
前記茎から取り外した前記第1保持具を前記最下位置から上方へと、及び前記第2保持具を前記最上位置から下方へと、移動させた状態において、該第1保持具及び該第2保持具を前記茎に固定するステップと、を含む、
植物誘引方法。
【0009】
植物の茎を誘引するための植物誘引方法であって、
植物誘引装置を準備するステップと、
前記第2保持具より下方に位置する前記第1保持具が前記茎に固定されており、かつ前記第1保持具より上方に位置する前記第2保持具が前記茎に固定されている状態において、該第1保持具を前記茎から取り外した後に、前記第2保持具が前記茎に固定されている状態のままで該第2保持具及び前記茎を下方に移動させるステップと、
前記第2保持具が下方に移動したことに伴って上方に移動した前記第1保持具を前記茎に固定するステップと、を含む、
植物誘引方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡単かつ安価に導入可能である、植物の茎を容易に誘引することができる植物誘引具、植物誘引装置及び植物誘引方法を提供できる。
上述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】植物誘引具の概要図である。
図2】植物誘引装置(第1実施形態)の概要図である。
図3】植物誘引方法(第1方法)のステップを説明するフロー図である。
図4】植物誘引方法(第1方法)を説明する第1の図である。
図5】植物誘引方法(第1方法)を説明する第2の図である。
図6】植物誘引方法(第1方法)を説明する第3の図である。
図7】植物誘引方法(第1方法)を説明する第4の図である。
図8】植物誘引方法(第1方法)を説明する第5の図である。
図9】植物誘引方法(第1方法)を説明する第6の図である。
図10】植物誘引方法(第1方法)を説明する第7の図である。
図11】植物誘引方法(第1方法)を説明する第8の図である。
図12】植物誘引方法(第1方法)を説明する第9の図である。
図13】植物誘引方法(第1方法)を説明する第10の図である。
図14】植物誘引方法(第2方法)を説明する図である。
図15】植物誘引装置(第2実施形態)の概要図である。
図16】植物誘引装置(第3実施形態)の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態における植物誘引具1及び植物誘引装置10は、例えばトマトなどの植物の茎を誘引するための物品である。
図1は植物誘引具1の概要図である。
植物誘引具1は、保持具21及び22、接続紐3、及び取付具4を備えている。
【0013】
植物誘引具1は、2つの保持具(第1保持具21及び第2保持具22)を有している。
各保持具は、植物の茎に取り付けられ、植物の茎を保持するためのピンチである。
各保持具は、ピンチを閉じた状態に付勢するための付勢部材を有している。
他の実施形態としての保持具は、ピンチでなくとも、茎に結び付ける紐状部材等であってもよい。
【0014】
接続紐3は、第1保持具21と第2保持具22を結ぶ紐状部材である。
接続紐3における、一端は第1保持具21の付勢部材に結び付けられており、他端は第2保持具22の付勢部材に結び付けられている。
他の実施形態として接続紐3の各端部に複数個の保持具を有していてもよい。
【0015】
取付具4は、植物誘引具1を取り付けるためのピンチである。本実施形態における取付具4は保持具21及び22と同一のピンチであるが、他の実施形態においては其々異なる部材であってもよい。
取付具4は接続紐3が摺動可能に貫通する貫通孔4Hを有する。本実施形態の取付具4においては、ピンチの把持部と付勢部との間の空間が貫通孔4Hである。すなわち、接続紐3を貫通して設けられた取付具4は第1保持具21と第2保持具22との間に位置する。
なお、第1保持具21及び第2保持具22は貫通孔4Hを通過できないような大きさで構成されている。
【0016】
図2は植物誘引装置10(第1実施形態)の概要図である。
植物誘引装置10は、植物誘引具1及び吊り下げ部材9を備える。
吊り下げ部材9は略水平方向に延びる棒状又は紐状の長尺状部材である。
植物誘引具1における取付具4が吊り下げ部材9に取り付けられている。
【0017】
図3は植物誘引方法(第1方法)のステップを説明するフロー図である。
図4乃至図13は植物誘引方法(第1方法)を説明する図である。
図2乃至図13により、植物誘引装置10を用いてトマトの茎Tを誘引する植物誘引方法(第1方法)を以下で説明する。
【0018】
利用者は、図2で示すように植物誘引装置10を準備する(ステップ1)。
利用者は、次いで、図4で示すように、2つの保持具のうちのいずれか一方の保持具(本説明においては第1保持具21とする。)を取付具4から最も離隔した最下位置に移動させる(ステップ2)。なお、第1保持具21を最下位置に移動することに伴い第2保持具22は取付具に最も近接した最上位置に移動することとなる。すなわち、ステップ2が完了した場合には、第1保持具21が取付具4から最も離隔した最下位置に存在しており、かつ第2保持具22が取付具4に最も近接した最上位置に存在している状態となる。
【0019】
利用者は、次いで、図5で示すように、トマトの茎Tが所定の位置(上述する最下位置付近)まで伸びている場合において、第1保持具21を茎Tに取り付けることにより固定する(ステップ3)。なお、茎から分岐する枝と係止させるために、枝の下方の茎Tに保持具を取り付けることで、保持具により茎Tを固定してもよい。
【0020】
利用者は、次いで、図6で示すように、トマトの茎Tが所定の位置まで伸びている場合において、図7で示すように、茎Tから取り外した第1保持具21を最下位置から上方へと、及び第2保持具22を最上位置から下方へと、移動させる(ステップ4)。
利用者は、次いで、図8で示すように、第1保持具21及び第2保持具22を茎Tに取り付けることにより固定する(ステップ5)。ステップ5が完了した場合には、第2保持具22より下方に位置する第1保持具21が茎に固定されており、かつ第1保持具21より上方に位置する第2保持具22が茎Tに固定されている状態となる。
【0021】
利用者は、次いで、図9で示すように、トマトの茎Tが所定の位置まで伸びている場合において、図10で示すように、2つの保持具のうちの下方に位置する一方の保持具(本説明においては第1保持具21とする。)を茎Tから取り外す(ステップ6)。
利用者は、次いで、図11で示すように、一方の保持具(第1保持具21)より上方に位置する第2保持具22が茎Tに固定されている状態のままで該第2保持具22及び茎Tを下方に移動(つる下ろし)させる(ステップ7)。
【0022】
利用者は、次いで、図12で示すように、第2保持具22が下方に移動したことに伴って、上方に移動した第1保持具21を茎Tに固定する(ステップ8)。なお、利用者は、図11及び図12で示す誘引方法においては、第1保持具21が第2保持具22の上方に位置するまで第2保持具22及び茎Tを下方に移動させるが、他の方法としては、第1保持具21が茎Tに取り付けられていた位置より上方に移動していれば、第2保持具22より下方に位置していてもよい。
利用者は、次いで、図13で示すように、トマトの茎Tが所定の位置まで伸びている場合において、トマトの栽培が終了するまで上述したステップ6~ステップ8を繰り返す。
上述した植物誘引方法により、植物の茎を容易に誘引することができる。
【0023】
図4乃至図13ではトマトの茎を略垂直に誘引する方法を図示しており、当該方法は所謂、低段栽培に適した方法である。
他の方法(第2方法)として、図14で示すように、植物の茎を斜め誘引する場合にも上述したステップ1~ステップ8と同様の方法で誘引することが可能である。
【0024】
図15は植物誘引装置20(第2実施形態)の概要図である。
図15で示す植物誘引装置20は、略水平方向に延びる、少なくとも2つの吊り下げ部材(第1吊り下げ部材91と第2吊り下げ部材92)を備える。
第1吊り下げ部材91は第2吊り下げ部材92より上方に位置しており、第2吊り下げ部材92は第1吊り下げ部材91より上方に位置している。
【0025】
植物誘引装置20は、少なくとも2つの植物誘引具(第1植物誘引具11と第2植物誘引具12)を備える。
第1植物誘引具11における取付具が第1吊り下げ部材91に取り付けられている。
第2植物誘引具12における取付具が第2吊り下げ部材92に取り付けられている。
【0026】
植物誘引装置20は、つまり、上述した植物誘引装置10を上下に2段配置した装置である。各段における植物誘引装置10を用いた植物の茎を誘引する方法は上述したステップ1~ステップ8と同様である。
植物誘引装置20を用いた誘引は、所謂、長段栽培に適した方法である。
【0027】
なお、図2及び図4乃至図15においては1つの植物のみ図示しているが、通常、複数の植物が並列して栽培(誘引)されている。したがって、1つの吊り下げ部材9には並列して複数の植物誘引具1を取り付けることができる。
【0028】
他の実施形態として、植物誘引装置は、上述した植物誘引装置10を3段以上配置した装置であってもよい。
【0029】
図16で示すように、吊り下げ部材9に取り付けられた植物誘引具1における、一方の第1保持具21に他の植物誘引具1´の取付具4を取り付け、かつ他方の第2保持具22に他の植物誘引具1´´の取付具4を取り付けることにより、複数の植物誘引具を組み合わせて使用してもよい。
【0030】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 :植物誘引具
21 :第1保持具
22 :第2保持具
3 :接続紐
4 :取付具
4H :貫通孔
9 :吊り下げ部材
10 :植物誘引装置
T :茎

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16