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特開2024-121740リングネットワークにおける基地局間時刻同期方法
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  • 特開-リングネットワークにおける基地局間時刻同期方法 図1
  • 特開-リングネットワークにおける基地局間時刻同期方法 図2
  • 特開-リングネットワークにおける基地局間時刻同期方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121740
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】リングネットワークにおける基地局間時刻同期方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/00 20060101AFI20240830BHJP
   H04L 12/42 20060101ALI20240830BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20240830BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20240830BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20240830BHJP
【FI】
H04L7/00 990
H04L12/42 Z
H04W56/00 110
H04W92/20
H04W36/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029002
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】512243225
【氏名又は名称】龍野 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】龍野 秀雄
【テーマコード(参考)】
5K031
5K047
5K067
【Fターム(参考)】
5K031CB20
5K031DA12
5K047AA18
5K047GG56
5K067EE24
5K067EE37
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無線システムのハンドオーバーのための基地局間時刻同期を実現。
【解決手段】リングネットワークの頂点装置5からタイムスタンプを挿入したOAMパケットを、右回りリング2と左回りリング1に送出し、各リングノード装置はシーケンス番号が同じパケットの左回りと左周りのの受信タイムスタンプのの時間差Δtの1/2と、リング1周の転送時間の平均値の半分の時間Rt/2の和(Δt・2+Rt/2)を左回りの遅延時間として、左回りの周期的なタイムスタンプを現在時刻にセットし、一つ前に頂点装置から到着したタイムスタンプの到着時刻t1に周期時間pを加算した時刻より(Δt/2+Rt/2+α)(α:リングノード装置と基地局間の遅延)前の時刻に、一つ前に頂点装置から到着したタイムスタンプに周期時間pを加算したタイムスタンプのパケットを、移動先基地局選定用基準パケットとして、移動端末宛てに自基地局識別番号と共に送出する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局間の時刻同期方法であって、右回りリングの光伝送路2と左回りリングの光伝送路1のリングネットワークに複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過(リングノード装置)の装置を挿入し、前記リングノード装置に基地局を接続し、前記基地局配下に移動端末を収容し、前記リングネットワークの頂点装置5からパケットフィールドに連続パケット番号(シーケンス番号)とタイムスタンプを挿入したOAMパケットをコピーして、右回りリング2と左回りリング1に、同時に送出し、前記各リングノード装置は右回りリング2から到着するOAMパケットと、左回りリングから到着するOAMパケットを、前記リングノード装置の光中継回路から取り出して、それぞれ前記パケットに基地局で受信タイムスタンプと受信リング名を挿入してメモリに記憶し、前記メモリに記憶されたOAMパケットのシーケンス番号が同じ2つのパケットの左回りリング名のある受信タイムスタンプt1から右回りリング名のある受信タイムスタンプt2を減じたの時間差Δt(=t1-t2)の1/2と、前記頂点装置から送られたリング1周のOAMパケット転送時間の平均値の半分の時間Rt/2の和(Δt/2+Rt/2)を左回りリングの頂点装置からの遅延時間として、頂点装置のクロックがコンテンツサーバから送られる周期的パケットのタイムスタンプに周波数同期して、頂点装置から送られる、リングノード装置でパケットに戻さずに、中継する光伝送路の左回りリングで送られ、前記中継する回路から取り出される周期的な時刻タイムスタンプを前記リングノード装置に接続する基地局の時計の現在時刻にセットし、一つ前に頂点装置から到着したタイムスタンプの到着時刻t1(シーケンス番号n-1のパケット)に前記周期時間p(左回りリングから到着する周期タイムスタンプパケットの平均到着間隔)を加算したその時計の時刻より(Δt/2+Rt/2+α)(α:リングノード装置と基地局間の遅延時間)前の時刻に、一つ前に頂点装置から到着したタイムスタンプのシーケンス番号(n-1)に1加算したシーケンス番号nのパケットを、または、一つ前に頂点装置から到着したタイムスタンプT0に前記周期時間pを加算したタイムスタンプ(T0+P)のパケットを、
または、P<(Δt/2+Rt/2+α)の場合、
一つ前に頂点装置から到着したタイムスタンプの到着時刻t1(シーケンス番号n-1のパケット)に前記周期時間p(左回りリングから到着する周期タイムスタンプパケットの平均到着間隔)の2倍を加算したその時計の時刻より(Δt/2+Rt/2+α)(α:リングノード装置と基地局間の遅延時間)前の時刻に、一つ前に頂点装置から到着したタイムスタンプのシーケンス番号(n-1)に2加算したシーケンス番号n+1のパケットを、または、一つ前に頂点装置から到着したタイムスタンプT0に前記周期時間pの2倍を加算したタイムスタンプT0+2Pのパケットを、
移動先基地局選定用基準パケットとして、全方位または指向性アンテナ方向の移動端末宛てに自基地局識別番号と共に送出することを特徴とする基地局間の時刻同期方法。
【請求項2】
前記基地局は、前記頂点装置から左回りリングで送られる周期的な時刻タイムスタンプ入りのパケットの前記基地局への到着が断となった場合には、前記頂点装置から送られたリング1周のOAMパケット転送時間の平均値の半分の時間Rt/2と前記Δt/2(=(t1-t2)/2)の差(Rt/2-Δt/2+α)(α:リングノード装置と基地局の遅延時間)を右回りリングの頂点装置からの遅延時間として、頂点装置から右回りリングで送られる周期的な時刻タイムスタンプ入りのパケットのタイムスタンプがセットされる時計を持ち、
その時計のシーケンス番号n-1のタイムスタンプ到着時刻に前記周期時間pを加算した時刻から(Rt/2-Δt/2+α)前の時刻に移動先基地局選定用基準タイムスタンプ(T0+P)を含む/含まない、シーケンス番号n入りパケットを、
または、P<(Rt/2-Δt/2+α)の場合、
その時計のシーケンス番号n-1のタイムスタンプ到着時刻に前記周期時間pの2倍を加算した時刻から(Rt/2-Δt/2+α)前の時刻に移動先基地局選定用基準タイムスタンプ(T0+2P)を含む/含まない、シーケンス番号n+1入りパケットを、
全方位の移動端末宛てに自基地局識別番号と共に送出することを特徴とする請求項1に記載の基地局間の時刻同期方法。
【請求項3】
前記基地局またはリングノード装置が持つ時計は頂点装置から到着するタイムスタンプパケットの到着時刻上記t1、t2を設定する高精度のカウンタ時計と頂点装置から到着する周期的はタイムスタンプパケットの持つタイムスタンプを設定し、時刻同期パケット発出時刻を読み取る計数時刻の下位ビット列カウンタ時計である請求項1に記載の時刻同期方法。
【請求項4】
上記頂点装置から到着する周期的はタイムスタンプパケットの持つタイムスタンプを設定するのは、カウンタ時計の計数ビット列の上位ビットであり、下位ビットにはオールビット0を設定する方法である請求項3に記載の時刻同期方法。
【請求項5】
前記リングノード装置と基地局の遅延時間(α)を0としたことを特徴とする請求項1に記載の時刻同期方法。
【請求項6】
前記頂点装置のクロックが前記コンテンツサーバから送られる周期的なパケットのタイムスタンプに周波数同期する方法は、前記タイムスタンプの到着時刻差の平均に発信元クロックにスタッフしたクロックの一定分周比クロックのビット間隔が等しくなるようにする方法である請求項1に記載の時刻同期方法。
































【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リングネットワークにおける基地局間時刻同期方法に関する。本発明では、イーサーネット(登録商標)フレームを用いる。
【0002】
時刻同期方法の従来の方法は、非特許文献1にあるように、送信側と受信側との間の往復遅延時間を測り、その1/2の遅延時間だけ基準同期パケットの受信側に送る時間を前にする方法である。
【0003】
時刻同期方法としては、特許文献2の特開2020-184710がある。前記マスター、スレーブの時計の時刻差を図るため、マスターからスレーブに送られたタイムスタンプt1にスレーブでの受信時刻T2とし、マスターへの送出時刻をT3とし、マスターの受信時刻をt4とした時、((t1+t4)-(T2+T3))/2がマスター時計とスレーブ時計の時刻差となるので、スレーブの基地局はその時刻差を考慮して、周期的なマスターの時刻で時刻同期パケットを移動端末に送出すればよい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】今岡淳、木原雅巳、「時刻同期網における伝送遅延変動補正の検討」電子情報通信学会論文誌(B-1)、J74-B-1、pp.352-359,1991.
【特許文献】
【0005】
特開2020-184710
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の時刻同期方法の送信側から遅延時間分前に同期パケットを送る方法は、受信側毎に同期パケットの送出時刻を変えなければならないという問題があった。
【0007】
また、特許文献1は、マスターとスレーブをリング上に持ってきた場合には、左回りリングと右回りリングで独立してループバックで時刻差を測らなければならない問題があった。また、スレーブに置く時計の精度が高品質を必要とした。さらに、往復パケットで時刻同期を行っている場合は、問題ないが、片側断した場合に、この方法ではマスターとスレーブが非同期になる問題があった。
【0008】
本発明の目的は、リングネットワークに収容した基地局間の時刻同期を簡単な方法で実現する方法を示すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みて成されたもので、その解決手段は以下に示す
本発明の第1の観点から第6の観点である。
本発明の第1の観点は、基地局間の時刻同期方法であって、右回りリングの光伝送路2と左回りリングの光伝送路1のリングネットワークに複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過(リングノード装置)の装置を挿入し、前記リングノード装置に基地局を接続し、前記基地局配下に移動端末を収容し、前記リングネットワークの頂点装置5からパケットフィールドに連続パケット番号(シーケンス番号)とタイムスタンプを挿入したOAMパケットをコピーして、右回りリング2と左回りリング1に、同時に送出し、前記各リングノード装置は右回りリング2から到着するOAMパケットと、左回りリングから到着するOAMパケットを、前記リングノード装置の光中継回路から取り出して、それぞれ前記パケットに基地局で受信タイムスタンプと受信リング名を挿入してメモリに記憶し、前記メモリに記憶されたOAMパケットのシーケンス番号が同じ2つのパケットの左回りリング名のある受信タイムスタンプt1から右回りリング名のある受信タイムスタンプt2を減じたの時間差Δt(=t1-t2)の1/2と、前記頂点装置から送られたリング1周のOAMパケット転送時間の平均値の半分の時間Rt/2の和(Δt/2+Rt/2)を左回りリングの頂点装置からの遅延時間として、頂点装置のクロックがコンテンツサーバから送られる周期的パケットのタイムスタンプに周波数同期して、頂点装置から送られる、リングノード装置でパケットに戻さずに、中継する光伝送路の左回りリングで送られ、前記中継する回路から取り出される周期的な時刻タイムスタンプを前記リングノード装置に接続する基地局の時計の現在時刻にセットし、一つ前に頂点装置から到着したタイムスタンプの到着時刻t1(シーケンス番号n-1のパケット)に前記周期時間p(左回りリングから到着する周期タイムスタンプパケットの平均到着間隔)を加算したその時計の時刻より(Δt/2+Rt/2+α)(α:リングノード装置と基地局間の遅延時間)前の時刻に、一つ前に頂点装置から到着したタイムスタンプのシーケンス番号(n-1)に1加算したシーケンス番号nのパケットを、または、一つ前に頂点装置から到着したタイムスタンプT0に前記周期時間pを加算したタイムスタンプ(T0+P)のパケットを、
または、P<(Δt/2+Rt/2+α)の場合、
一つ前に頂点装置から到着したタイムスタンプの到着時刻t1(シーケンス番号n-1のパケット)に前記周期時間p(左回りリングから到着する周期タイムスタンプパケットの平均到着間隔)の2倍を加算したその時計の時刻より(Δt/2+Rt/2+α)(α:リングノード装置と基地局間の遅延時間)前の時刻に、一つ前に頂点装置から到着したタイムスタンプのシーケンス番号(n-1)に2加算したシーケンス番号n+1のパケットを、または、一つ前に頂点装置から到着したタイムスタンプT0に前記周期時間pの2倍を加算したタイムスタンプT0+2Pのパケットを、
移動先基地局選定用基準パケットとして、全方位または指向性アンテナ方向の移動端末宛てに自基地局識別番号と共に送出することを特徴とする基地局間の時刻同期方法である。
【0010】
本発明の第2の観点は、本発明の第1の観点に記載の基地局間の時刻同期方法であって、前記基地局は、前記頂点装置から左回りリングで送られる周期的な時刻タイムスタンプ入りのパケットの前記基地局への到着が断となった場合には、前記頂点装置から送られたリング1周のOAMパケット転送時間の平均値の半分の時間Rt/2と前記Δt/2(=(t1-t2)/2)の差(Rt/2-Δt/2+α)(α:リングノード装置と基地局の遅延時間)を右回りリングの頂点装置からの遅延時間として、頂点装置から右回りリングで送られる周期的な時刻タイムスタンプ入りのパケットのタイムスタンプがセットされる時計を持ち、
その時計のシーケンス番号n-1のタイムスタンプ到着時刻に前記周期時間pを加算した時刻から(Rt/2-Δt/2+α)前の時刻に移動先基地局選定用基準タイムスタンプ(T0+P)を含む/含まない、シーケンス番号n入りパケットを、
または、P<(Rt/2-Δt/2+α)の場合、
その時計のシーケンス番号n-1のタイムスタンプ到着時刻に前記周期時間pの2倍を加算した時刻から(Rt/2-Δt/2+α)前の時刻に移動先基地局選定用基準タイムスタンプ(T0+2P)を含む/含まない、シーケンス番号n+1入りパケットを、
全方位の移動端末宛てに自基地局識別番号と共に送出することを特徴とする基地局間の時刻同期方法である。
【0011】
本発明の第3の観点は、本発明の第1の観点に記載の基地局間の時刻同期方法において、
前記基地局またはリングノード装置が持つ時計は頂点装置から到着するタイムスタンプパケットの到着時刻上記t1、t2を設定する高精度のカウンタ時計と頂点装置から到着する周期的はタイムスタンプパケットの持つタイムスタンプを設定し、時刻同期パケット発出時刻を読み取る計数時刻の下位ビット列カウンタ時計である時刻同期方法である。
【0012】
本発明の第4の観点は、本発明の第3の観点に記載の基地局間の時刻同期方法において、
上記頂点装置から到着する周期的はタイムスタンプパケットの持つタイムスタンプを設定するのは、カウンタ時計の計数ビット列の上位ビットであり、下位ビットにはオールビット0を設定する方法である時刻同期方法である。
【0013】
本発明の第5の観点は、本発明の第1の観点に記載の基地局間の時刻同期方法において、
前記リングノード装置と基地局の遅延時間(α)を0としたことを特徴とする時刻同期方法である。
【0014】
本発明の第6の観点は、本発明の第1の観点に記載の基地局間の時刻同期方法において、
前記頂点装置のクロックが前記コンテンツサーバから送られる周期的なパケットのタイムスタンプに周波数同期する方法は、前記タイムスタンプの到着時刻差の平均に発信元クロックにスタッフしたクロックの一定分周比クロックのビット間隔が等しくなるようにする方法である時刻同期方法である。
【発明の効果】
【0015】
以上、説明したように、本発明は、リング伝送路が障害でも、基地局Aから送出される時刻同期パケットの送出時刻を求める際に、基地局Aの時計を用いずに、過去の左回りリングからのタイムスタンプ到着時刻t1と右回りリングからのタイムスタンプ到着時刻t2の差を用い、頂点装置から光中継器経由のタイムスタンプパケットの到着から基地局時計でカウントした短時間後に時刻同期パケットの送出を行っているので、頂点装置の時計と非同期にならない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例1-Aのリングネットワークの頂点装置から基地局に左回りリングと右回りリングで連続パケット番号入りのタイムスタンプパケットを送出する方法を説明するための図。
図2】本発明の実施例1-Bのリングネットワークの頂点装置から基地局に左回りリングと右回りリングで連続パケット番号入りのタイムスタンプパケットを送出する方法の時刻同期原理を説明するための図。
図3】本発明の実施例2のリングネットワークの頂点装置から基地局に左回りリングと右回りリングで連続パケット番号入りのタイムスタンプパケットを送出する方法の基地局の左側でリング伝送路故障中の時刻同期原理を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施例1-Aを図1により説明する。図1はリングネットワークの頂点装置から基地局に左回りリングと右回りリングで連続パケット番号入りのタイムスタンプパケットを送出することで、基地局で左回りリングからのタイムスタンプパケットの到着時刻と右回りリングからのタイムスタンプパケットの到着時刻との差の1/2とリング1周の遅延時間Rtの1/2を加算して、頂点装置からの基地局までの遅延時間を策定する方法を示す図である。
【0018】
図1において、1-1は左回りリングの通常パケットを転送する光伝送路、1-2は左回りリングのタイムスタンプパケットを転送する光伝送路、2-1は右回りリングの通常パケットを転送する光伝送路、2-2は右回りリングのタイムスタンプパケットを転送する光伝送路、5は頂点装置、6-1、6-2、6-3はリングノード装置(パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置)、10はパケット取り出し回路、11は光中継回路、13-1、13-2、13-3は移動端末、14-1,14-2、14-3は時刻同期パケットを送出する基地局、15はタイムスタンプパケットの到着時刻読み取りカウンタ時計、16はタイムスタンプパケットの下位ビットオールビット0中間ビット列時刻設定および時刻同期パケット送出時刻読み取り下位ビット列カウンタ時計、22はルータ、20はコンテンツサーバ、25は左回りリング1と右回りリング2に同時にタイムスタンプパケットを周期的に送出する回路である。また、(1L)、(1R)は点線の引き出し線で示したリングを転送されるMACアドレスを文字記号で略記したパケットの転送順番を示し、I0,I1,I2,I3,I4は、端末にダイナミックIPアドレス設定されるグローバルIPv4アドレス、またはサービスプロバイダーの国内IPv4アドレスである。またはIPv6アドレスである。
光伝送路1-1、2-1のOE変換回路、EO変換回路等と、入力バッファ、出力バッファは図には記してない。また、通常パケットの転送は記してない。
【0019】
以下に、図1の動作を説明する。頂点装置5の左回りリング1と右回りリング2に同時にタイムスタンプパケットを周期的に送出する回路25からパケット(1L)Mmr1r2(Sn-1,T0)(左回りリングLに送出された宛先MACアドレスがマルチキャストパケットmの送信元MACアドレスがルータ22のインタフェースMACアドレスr1r2の連続パケット番号(シーケンス番号)n-1のタイムスタンプT0のパケットを示す)、(1R)Mmr1r2(Sn-1,T0)(右回りリングRに送出された宛先MACアドレスがマルチキャストパケットmの送信元MACアドレスがルータ22のインタフェースMACアドレスr1r2の連続パケット番号(シーケンス番号)n-1のタイムスタンプT0のパケットを示す)が同時送出され、リングノード装置6-3にそれぞれ、時刻t1、時刻t2に到着する例を示す。左回りリング1-2と右回りリング2-2はリングノード装置で転送されるパケットがパケットに戻されずに、光中継回路11で中継される。パケット取り出し回路10は中継回路11の識別回路出力と等価増幅回路出力から得たタイミング回路出力よりタイムスタンプパケットを再生する回路である。パケット取り出し回路で再生されたタイムスタンプパケットは基地局14-3に通常のパケット伝送路と別の伝送路で送られる。リングノード装置6-3と基地局14-3の遅延がαとすれば、左回りリングからの到着時刻はT1(t1+α)、右回りリングからの到着時刻はT2(t2+α)となる。または、通常パケットの伝送路のパケットに割り込んでタイムスタンプパケットが送られる。これは8B10Bのパケット境界符号で可能となる。
【0020】
基地局14-3は、タイムスタンプパケットの到着時刻読み取りカウンタ時計15、タイムスタンプパケットの下位ビットオールビット0中間ビット列時刻設定および時刻同期パケット送出時刻読み取り下位ビット列カウンタ時計16を有している。
基地局14-3は移動端末に時刻同期パケットを送出しており、移動端末13-2が受信している時刻同期パケットの同じシーケンス番号のパケットが基地局14-2から到着する時刻より前に基地局14-3から到着する場合に、移動端末13-2は移動先基地局14-3に移動する。
【0021】
次に、本発明の実施例1-Bのリングネットワークの頂点装置から基地局に左回りリングと右回りリングで連続パケット番号入りのタイムスタンプパケットを送出する方法の時刻同期原理図を図2に示す。
【0022】
図2において、左回りリングの頂点装置5の経過時間101と右回りリングの頂点装置5の経過時間102の時刻T0とタイムスタンプパケット周期p後の時刻に、左回りリングのタイムスタンプT0パケット連続番号(n-1)のパケット110-1と右回りリングのタイムスタンプT0パケット連続番号(n-1)のパケット110-2が基地局A(14-3)にそれぞれ、カウンタ時計15の時刻t1、t2に到着する。t1とt2の時刻差はΔt=t1-t2である。Δt/2と頂点装置5でリング1周したタイムスタンプパケットの到着時刻とタイムスタンプの差で測定したリング1周遅延Rtの1/2の和(Δt/2+Rt/2)が頂点装置5から左回りリングで基地局Aに到着するまでの遅延時間となる。時刻t1は頂点装置時刻を用いればT0+(Rt/2+(t1-t2)/2)(115)となる。
時刻t1からタイムスタンプ周期p(左回りリングから到着する周期タイムスタンプパケットの平均到着間隔)時間後の計算上の時刻t1+pから頂点装置5から左回りリングで基地局Aに到着するまでの遅延時間(Δt/2+Rt/2)を減じた時刻(130)が基地局Aの時刻同期パケットタイムスタンプパケット(T0+P)(頂点装置と同じ時刻)送出時点(シーケンス番号n)となる。なお、頂点装置時計に一致する基地局時計はBT+p-(Δt/2+Rt/2),
頂点装置時計のタイムスタンプがセットされることで頂点装置時計に従属する基地局時計(BT)のタイムスタンプ(T0+p)送出時刻はT0+P-(Δt/2+Rt/2)である。
または、P<(Δt/2+Rt/2)の場合は、時刻t1からタイムスタンプ周期p(左回りリングから到着する周期タイムスタンプパケットの平均到着間隔)の2倍の時間後の計算上の時刻t1+2pから頂点装置5から左回りリングで基地局Aに到着するまでの遅延時間(Δt/2+Rt/2)を減じた時刻(130)が基地局Aの時刻同期パケットタイムスタンプパケット(T0+2P)(頂点装置と同じ時刻)送出時点(シーケンス番号n+1)となる。
【0023】
次に、本発明の実施例2のリングネットワークの頂点装置から基地局に左回りリングと右回りリングで連続パケット番号入りのタイムスタンプパケットを送出する方法の基地局の左側リング伝送路障害時の右回りリングからのタイプスタンプパケットによる基地局間時刻同期原理図を図3に示す。
【0024】
図3において、左回りリングの頂点装置5の経過時間101と右回りリングの頂点装置5の経過時間102の時刻T0とタイムスタンプパケット周期p後の時刻に、左回りリングのタイムスタンプT0パケット連続番号(n-1)のパケット110-1と右回りリングのタイムスタンプT0パケット連続番号(n-1)のパケット110-2が基地局A(14-3)にそれぞれ、カウンタ時計15の時刻t1、t2に到着する。点線は伝送路が切れていることを示すので、過去のt1とt2の時刻差はΔt=t1-t2である。Δt/2と頂点装置5でリング1周したタイムスタンプパケットの到着時刻とタイムスタンプの差で測定したリング1周遅延Rtの1/2の差(Rt/2-Δt/2)が頂点装置5から右回りリングで基地局Aに到着するまでの遅延時間となる。時刻t2は頂点装置時刻を用いればT0+(Rt/2-(t1-t2)/2)(116)となる。
時刻t2からタイムスタンプ周期p(右回りリングから到着する周期タイムスタンプパケットの平均到着間隔)時間後の計算上の時刻t2+pから頂点装置5から右回りリングで基地局Aに到着するまでの遅延時間(Rt/2-Δt/2)を減じた時刻(129)に基地局Aの時刻同期パケットタイムスタンプパケット(T0+P)(頂点装置と同じ時刻)送出時点(シーケンス番号n)となる。なお、頂点装置時計に一致する基地局時計はBT+p-(Rt/2-Δt/2),頂点装置時計のタイムスタンプがセットされることで頂点装置時計に従属する基地局時計(BT)のタイムスタンプ(T0+p)送出時刻はT0+P-(Rt/2-Δt/2)である。
または、P<(Rt/2-Δt/2)の場合、
時刻t2からタイムスタンプ周期p(右回りリングから到着する周期タイムスタンプパケットの平均到着間隔)の2倍の時間後の計算上の時刻t2+2pから頂点装置5から右回りリングで基地局Aに到着するまでの遅延時間(Rt/2-Δt/2)を減じた時刻(129)に基地局Aの時刻同期パケットタイムスタンプパケット(T0+2P)(頂点装置と同じ時刻)送出時点(シーケンス番号n+1)となる。
図3は、基地局Aから送出される時刻同期パケットの送出時刻を求める際に、基地局Aの時計を用いずに、到着時刻t1と到着時刻t2の差を用い、頂点装置から光中継器経由のタイムスタンプパケットの到着から基地局時計でカウントした短時間後に時刻同期パケットの送出を行っているので、頂点装置の時計と非同期にならない利点がある。
なお、図2図3の例はリングノード装置と基地局の間の遅延αが0の場合の例である。
【符号の説明】
【0025】
1-1 左回りリングの通常パケットを転送する光伝送路
1-2 左回りリングのタイムスタンプパケットを転送する光伝送路
2-1 右回りリングの通常パケットを転送する光伝送路
2-2 右回りリングのタイムスタンプパケットを転送する光伝送路
5 頂点装置
6-1、6-2、6-3 リングノード装置(パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置)
10 パケット取り出し回路
11 光中継回路
13-1、13-2、13-3 移動端末
14-1,14-2、14-3 時刻同期パケットを送出する基地局
15 タイムスタンプパケットの到着時刻読み取りカウンタ時計
16 タイムスタンプパケットの下位ビットオールビット0中間ビット列時刻設定および時刻同期パケット送出時刻読み取り下位ビット列カウンタ時計
20 コンテンツサーバ
22 ルータ
25 左回りリング1と右回りリング2に同時にタイムスタンプパケットを周期的に送出する回路



















図1
図2
図3