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  • 特開-路上排水溝装置 図1
  • 特開-路上排水溝装置 図2
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  • 特開-路上排水溝装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121745
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】路上排水溝装置
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/04 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
E03F5/04 A
E03F5/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023041395
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】507015240
【氏名又は名称】林 行雄
(72)【発明者】
【氏名】林 行雄
(72)【発明者】
【氏名】三浦 孝
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063CA02
2D063CA12
2D063CB02
2D063CB07
2D063CB26
(57)【要約】
【課題】 U字型排水溝体がセメントと合成樹脂との混合成型品であることから、一般の合成樹脂成形品に比し脆く、特に成形品の角部等の実寸精度にバラつき、更にはバリ等が伴うことによって、寸法精度下で製造された金属製品のグレーチング及び金属製中間フレームとの整合性に欠け、グレーチングを載置させることは実寸精度上、支障が伴うこと等の課題を解決する。
【解決手段】 路上排水溝装置に於いて、U字型排水溝体の上端開口部に着座する上片及びこの上片の左右から折り曲げられて該U字型排水溝体の左右口縁段部を差込み挟持する内外片にて構成された金属製の左右受金とで成したことを特徴とした路上排水溝装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
▲1▼セメントと合成樹脂とを適宜混合して成型すると共に、路面下に埋設される一定長さのU字型排水溝体と、
▲2▼該U字型排水溝体の上端開口部を閉塞し、且つ上端開口部の一方口縁段部に着座する一端及び他方口縁段部に着座する他端、更にタイル、レンガ等の道路表面材を支承する亜鉛メッキ等の防錆処理を施された金属製中間フレームと、
▲3▼この金属製中間フレームの立上り縦片及び一方側片に載置して前記道路表面材と略同一面に仕上げられるステンレス製グレーチングと、
▲4▼該ステンレス製グレーチングの細隙から前記立上り縦片と一方側片との空間及び前記窪部の内側、更にはU字型排水溝体に至って形成されこの金属製中間フレームの立上り縦片及び一方側片に載置して前記道路表面材と略同一面に仕上げられるステンレス製グレーチングと、
▲5▼該ステンレス製グレーチングの細隙から前記立上り縦片と一方側片との空間、更にはU字型排水溝体に至って形成された雨水流路とで成した路上排水溝装置に於いて、
▲6▼前記U字型排水溝体の上端開口部に着座する上片及びこの上片の左右から折り曲げられて該U字型排水溝体の左右口縁段部を差込み挟持する内外片にて構成された金属製の左右受金とで成したことを特徴とした路上排水溝装置。
【請求項2】
前記金属製の左右受金は、U字型排水溝体の夫々の上端開口部に着座する上片を有し、且つ該上片から下方向に折曲形成された内側片及びこの内側片と対面し、而もU字型排水溝体の左右口縁段部を挟持する外側片であって、該外側片は、U字型排水溝体の上端開口部に着座する上片より高く形成すると共に、断面h型としことを特徴とする請求項1記載の路上排水溝装置。
【請求項3】
前記雨水流路を形成する側のU字型排水溝体の上端口縁部を、他方の上端口縁部の高さに比し、約1/3に低く形成し、且つ一方側片を伸延して着座したことを特徴とする路上排水溝装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路上の側溝、更には建物の入口に敷設される雨水等の路上排水溝装置に関する。
【背景技術】
この種U字型排水溝体は、輸送、更には現場施工への対応性から長さ約1m程度の長さに加工されており、埋設現場に対応して所望本数を連結させると共に、U字型排水溝体の上部開口には金属製グレーチング枠体を装着して、該上部開口を被覆すると共に、雨水、清掃時の放水をU字型排水溝体から所定の公共下水管にと導いている。
【0002】
而して、この金属製グレーチング枠体からU字型排水溝体内に硬貨、キーホルダー等の小物の落とし込み、更には清掃時等において一時的にグレーチング枠を取外せることが不可欠となる。
斯様な背景から、下記の先行技術文献が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開2009-97311号 公報
【特許文献2】特開2010-90700号 公報
【0003】
而して、特に特許文献1は、グレーチング枠体の少なくとも四隅をボルトにて固定しており、ドライバー操作が煩わしい。
そこで、本願発明者の一人が成した特許文献2が存在する。
これは、オフイス街における女性の歩行に配慮してU字型排水溝体の容量は維持しつつ、上部開口を被覆するグレーチング枠体の、幅を極力狭くすることによって、路面上に露呈するグレーチングは、ステンレス製として感性を維持しつつ、路面下に位置して歩行による摩滅を考慮する必要のない中間フレームについては亜鉛メッキ等の防錆処理を施した金属製のため、グレーチング及び中間フレームを一体的にステンレスにて製造することに比し、コストダウンが図れたが、更なる予期せぬ課題が伴うこととなった。
【0004】
そこで図4に示す如く、路面下のU字型排水溝体の幅を極力広く採ることを企図し、ステンレス製のグレーチング(イ)を金属製中間フレーム(ニ)の立上り縦片(ホ)及び雨水量及びスムーズに流れことを考慮して下広状に形成した一方側片(ヘ)に載置して前記道路表面材(チ)と略同一面に仕上げている。
即ち、U字型排水溝体(ロ)の口縁(ハ)に沿わせて着座することのみを企図し、一方側片(ヘ)は水平に形成しており、雨水と共に微量の土砂が流入し、その口縁(ハ)に堆積していくこととなった。
この土砂に混入した草花の粒子も適宜な太陽光を浴びて発育し、排水を損なうと共に、場合によってはステンレス製のグレーチングの表面に露呈することともなる。
【0005】
而して、本事業を推進して行く上で更なる課題が伴うこととなった。
即ち、その一つとして、U字型排水溝体はセメントと合成樹脂との混合成型品であることから、一般の合成樹脂成形品に比し脆く、特に成形品の角部等の実寸精度にバラつき、更にはバリ等が伴うことによって、厳しい寸法精度下で製造された金属製品のグレーチング及び金属製中間フレームとの整合性に欠け、グレーチングを載置させることは実寸精度上、支障を伴うこととなった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、U字型排水溝体がセメントと合成樹脂との混合成型品であることから、一般の合成樹脂成形品に比し脆く、特に成形品の角部等の実寸精度にバラつき、更にはバリ等が伴うことによって、寸法精度下で製造された金属製品のグレーチング及び金属製中間フレームとの整合性に欠け、グレーチングを載置させることは実寸精度上、支障が伴うこと等の課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、U字型排水溝体の上端開口部に着座する上片及びこの上片の左右から折り曲げられて該U字型排水溝体の左右口縁段部を差込み挟持する内外片にて構成された金属製の左右受金とで成したことを特徴とするものである。
【0008】
更に本発明は、金属製の左右受金は、U字型排水溝体の夫々の上端開口部に着座する上片を有し、且つ該上片から下方向に折曲形成された内側片及びこの内側片と対面し、而もU字型排水溝体の左右口縁段部を挟持する外側片であって、該外側片は、U字型排水溝体の上端開口部に着座する上片より高く形成すると共に、断面h型とするものである。
【0009】
更に本発明は、雨水流路を形成する側のU字型排水溝体の上端口縁部を、他方の上端口縁部の高さに比し、約1/3に低く形成し、且つ一方側片を伸延して着座したこととするものである。
【発明の効果】
【0010】
(1)請求項1により、U字型排水溝体の上端開口部に直接金属製品のグレーチング或いは、金属製中間フレームに直接着座することなく、金属製の左右受金を介して着座されるので、合成樹脂との混合成型品特有の脆さ、更には成形品の角部等の実寸精度にバラつき、バリ等が伴うことによって、寸法精度管理下で製造された金属製品のグレーチング及び金属製中間フレームとの整合性に欠け、グレーチングを載置させる上で、支障が伴うこと等もない。
(2)請求項2により、金属製中間フレームを支承する金属製の左右受金は、U字型排水溝体の上端開口部に着座する上片よりも高く形成して断面h型としているので、そのh型部間にて金属製中間フレームは左右にズレることなく、特にこのU字型排水溝体を複数本連結埋設した場合、所定の直線的に埋設され、有効となる。
(3)請求項3により、U字型排水溝体の上端口縁部を、他方の上端口縁部の高さに比し、約1/3に低く形成し、且つ一方側片を伸延して着座しているので、雨水はU字型排水溝体内に一気に落水し、排水効果を高める。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】路上排水溝装置を示す断面図
図2】同上の分解斜視図
図3】同上の金属製中間フレームの断面図
図4】従来例を示す部分拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明を実施形態の図面に基づいて説明する。
図1は路上排水溝装置の断面図であって、所定の路面Hの下に水勾配を保持しつつ所望長さにて複数本連結して埋設されるU字型排水溝体1と、このU字型排水溝体1の上端開口部2を閉塞すると共にタイル、レンガ等の道路表面材Haとの間に介在して両者Ha、1とを隔離する金属製中間フレーム3と、更に前記道路表面材Haと略同一面に仕上げられると共に、前記金属製中間フレーム3に載置する金属製グレーチング4とで成っている。
【0013】
具体的には、U字型排水溝体1を、合成樹脂とセメント、更には砂、砂利等の骨材とを混合した高分子重合コンクリート(PCCと称す)製にて長さ約1mに形成している。
金属製中間フレーム3は、亜鉛メッキ等の防錆処理を施すか、又、亜鉛合金(JISH2201)製としてもよい。金属製グレーチング4はステンレス製となっている。
而して、金属製中間フレーム3は、タイル、レンガ等の道路表面材Haを支承する天板5よりの立上縦片6、この立上縦片6と一定空間Yを介して対面する一方側板7、更にこの一方側板7以外の他の側面で、而も天板5の下面に垂下して囲堯する側板8とで、下開口のL型箱枠状に形成されている。
尚、ここで言うタイル、レンガ等の道路表面材Haの支承とは、それらを支持し、受けることを称する。
【0011】
ステンレス製グレーチング4側となる金属製中間フレーム3の一方側板7を他方側板8より長く形成している。即ち、この長く形成された一方側板7はU字型排水溝体1の上端口縁部1aを、他方の上端口縁部1bの高さに比し、約1/3に低く形成しおり、雨水はU字型排水溝体内に一気に落水し、排水効果を高め、路上にあふれ出すことを抑止する。
【0012】
中間フレーム3を支承する金属製の左右受金9は、h型に形成し、U字型排水溝体1の上端開口縁部1a、1bに着座する上片9a、上端開口縁部1a、1bを挟持する内外片9b、9cにて構成しており、その内片9bが互いに内向に対面し、左右外片9b、9cが金属製中間フレーム3の横ズレを阻止し、所定位置にてU字型排水溝体1の上端開口縁部1a、1bに着座する。
【0013】
U字型排水溝体1の上端口縁部1a、1bの高さは、雨水流路を形成する側を他方の上端口縁部1bの高さに比し、約1/3に低く形成し、且つ一方側片7を伸延して着座させ、雨水と共に流入する土砂が流入口縁部分にて堆積することなく、U字型排水溝体1にとスムーズに流れ込むこととなる。
【0014】
更に、中間フレーム3とグレーチング4とを結合する手段として、連結板10を用いる。これはグレーチング4の平板11が差し込まれるスリット12を設け、更にグレーチング4の下縁に合成樹脂製凹型間座14を圧入して連結板10を平板11長手方向にずれない様、中間フレーム3とグレーチング4の平板11とグレーチング14との中間フレーム3とに夫々切欠部13、15を設けて篏合し、施工作業時に所定の位置に収めている。
【符号の説明】
【0015】
H 路面
Ha 道路表面材
Y 一定空間
1 U字型排水溝体
2 上端開口部
3 金属製中間フレーム
4 金属製グレーチング
5 天板
6 立上縦片
7 一方側板
8 側板
9 左右受金
10 連結板
11 平板
12 スリット
13 切欠部
14 凹型間座
15 切欠部
図1
図2
図3
図4