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  • 特開-自動車乗員の健康管理システム 図1
  • 特開-自動車乗員の健康管理システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121746
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】自動車乗員の健康管理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/00 20180101AFI20240830BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20240830BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20240830BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
G16H50/00
G06Q50/30
G01C21/36
G08G1/16 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023041397
(22)【出願日】2023-02-27
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】517267994
【氏名又は名称】桑井 太郎
(72)【発明者】
【氏名】桑井 太郎
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5L049
5L050
5L099
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129CC15
2F129CC16
2F129DD13
2F129DD15
2F129EE52
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE90
2F129FF12
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181LL06
5H181LL20
5L049CC42
5L050CC42
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】自動車の乗員の健康状態が悪化しても、従来の健康管理システムでは直接医療機関を紹介できるが、医療機関が現在位置に近いとは限らず、乗員は健康状態の悪化を放置しがちであった。
【解決手段】データ取得装置3が自動車1の乗員2aの生体情報を取得し、生体情報は外部の診断装置6に送られる。診断ソーチ6は受け取った生体情報を同じ性別、同じ年齢層の標準的生体情報と比較し、乗員の健康状態が直ちに医師10の診察を要するか判断する。この判断は車内情報処理装置4a、4bに送られ、乗員2aは直ちに診察を受けるか否かを診断装置6に返答する。直ちに診断を希望するときは、診断装置6が最寄りの無人遠隔診療ブース7の所在情報を車内情報処理装置4aに供給するので、自動車1は無人遠隔診療ブースに案内され、乗員2aは無人遠隔診療ブースから有人医療ブース8内の医師10と遠隔でも情報交換し医師10の診察を受けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員を収容する内部空間を有する自動車に設けられ、前記乗員の健康状態を表す生体情報を少なくとも前記自動車の内部空間で生成するデータ取得装置と、
該生体情報を外部に情報通信経路を介して送出し、外部から前記情報通信経路を介して受領した診断結果情報を前記乗員に提供する車内情報処理装置と、
前記自動車の外部空間に設置され前記生体情報を受け取り、該生体情報に基づき乗員の健康状態を判断して該判断結果を前記診断結果情報として前記車内情報処理装置に送出する診断装置とを備えた健康管理システムにおいて、
該健康管理システムは患者としての前記乗員を収容する無人遠隔診療ブースと、前記情報通信経路を介して前記無人遠隔診療ブースと情報交換をして前記患者を診察する医療従事者を収容する有人診療ブースを更に備え、
前記診断装置は
前記生体情報と健康人の健康状態を表す標準生体情報に基づき医療従事者による診断が望ましいか否かを判断し、医療従事者の診断が望ましい場合は医療従事者の診療を希望するか否かを前記診断結果情報として前記乗員に問い合わせる診療前情報処理装置と、
前記乗員が医療従事者の診療を希望した場合前記自動車を前記無人遠隔診療ブースに案内する案内情報を前記車内情報処理装置に送出する案内装置とを備え、
前記無人遠隔診療ブースは
前記データ取得装置では得られない他の生体情報を取得する検査装置と、
該他の生体情報を患者の外観画像情報および患者の音声情報と共に前記有人診療ブースに送出する無人ブース情報処理装置を有し、
前記有人診療ブースは
前記他の生体情報を前記患者の外観画像情報と音声情報と共に医療従事者に提供し、前記医療従事者の外観画像情報と音声情報を前記無人ブース情報処理装置に送出する有人ブース情報処理装置を有することを特徴とする健康管理システム。
【請求項2】
前記有人診療ブースは異なる診療科目を扱う複数の医療従事者がそれぞれ待機する複数の有人診療サブブースを有し、前記患者は適切と思われる診療科目の有人診療サブブースを前記無人ブース情報処理装置で選択する請求項1記載の健康管理システム。
【請求項3】
前記データ取得装置は前記内部空間と前記自動車の外部空間における前記乗員の身体の動きから所定期間の運動量を検出する運動センサーと前記所定機関に摂取した食事の画像を撮影する画像センサーを有し、
前記車内情報処理装置は前記運動量から当日の消費カロリーを推定する消費カロリー推定プログラムと、前記食事の画像から献立と該献立を食した量を推定し当日の摂取カロリーを推定する摂取カロリー推定プログラムを有し、該推定された消費カロリーと推定された摂取カロリーとを前記生体情報として診断装置に送出される請求項1記載の健康管理システム。
【請求項4】
前記推定された消費カロリーと推定された摂取カロリーを前記診療前情報処理装置に個人情報として蓄積され、該診療前情報処理装置は蓄積された個人情報を分析し生活習慣の改善提案を前記診断結果情報として前記車内情報処理装置に送出する請求項3記載の健康管理システム。
【請求項5】
自動車の乗員の健康状態を表す生体情報を生成するデータ取得装置と、
前記自動車の内部空間に設けられ、前記データ取得装置から内部情報通信経路を介して前記生体情報を受け取り、該生体情報から前記乗員の健康状態を判断し、該健康状態の判断を前記乗員に知らせる車内情報処理装置とを有する健康管理システムにおいて、
該健康管理システムは患者としての前記乗員を収容する無人遠隔診療ブースと、外部情報通信経路を介して前記無人遠隔診療ブースに接続され前記患者を遠隔診察する医療従事者を収容する有人診療ブースとを更に備え、
前記車内情報処理装置は
健康人の健康状態を表す標準生体情報と前記無人診療ブースの所在地情報を保持する情報記憶部と、
前記生体情報と前記標準生体情報に基づき医療従事者の診断が望ましいか否かを判断すると共に、医療従事者の診断が望ましい場合は医療従事者の診療を希望するか否かを前記乗員に問い合わせる健康判断部と、
前記乗員が医療従事者の診療を希望した場合は前記所在地情報に基づき前記自動車を前記無人遠隔診療ブースに案内する案内部を備え;
前記無人遠隔診療ブースは
前記データ取得装置では得られない情報を含む他の生体情報を取得するブース内検査装置と、
患者の外観画像情報および患者の音声情報を取得する患者側対話情報取得装置と、
前記他の生体情報と、患者の外観画像情報と患者の音声情報を前記外部情報通信経路に送出すると共に、医療従事者の外観画像情報と医療従事者の音声情報を前記患者に提供する無人ブース情報処理装置を有し、
前記有人診療ブースは
前記医療従事者の外観画像情報および前記医療従事者の音声情報を取得する医療者側対話情報取得装置と、
前記医療従事者の外観画像情報と医療従事者の音声情報を前記外部情報通信経路に送出すると共に、前記患者の外観画像情報と患者の音声情報を前記医療従事者に提供する有人ブース情報処理装置とを有することを特徴とする健康管理システム。
【請求項6】
前記無人診療ブースは前記自動車の販売店および他の自動車販売店に設けられている請求項5記載の健康管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は健康管理システムに係り、詳しくは自動車の乗員の健康を管理するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
長時間自動車を運転する人は精神的にストレスを蓄積するだけでなく、運動不足になりがちで健康に悪影響を受け易い。かかる状況下で自動車運転者の健康を監視し、健康悪化の兆しを見つけ、運転者に警告やアドバイスを与える運転者健康管理システムが提案されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-302206号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示されている健康管理システムでは、乗車検出手段が運転者の乗車を確認すると、データ取得手段が運転者の健康管理データを取得し、この健康管理データが自動車外部の健康管理センターに送られ、運転者の健康が診断される。健康管理センターは運転者の健康状態によっては医療機関に診療の予約をして、診療結果は健康管理センターにフィードバックされる。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、適切な医療機関が自動車の現在位置の近くにあるとは限らず、健康管理センターが予約をしても、医療機関が遠隔地にあれば、運転者は遠隔地の医療機関を受診することを躊躇しがちである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、医療従事者が診療をする有人診療ブースと外部情報通信経路を介して接続される無人遠隔診療ブースを設置し、この無人遠隔診療ブースに診断に必要な生体情報を得る検査装置と有人診療ブース内の医療従事者と遠隔会話を可能ならしめる情報処理装置を設置しておく。自動車の乗員が検査装置で生体データを取得して有人診療ブース内の医療従事者に送出し、医療従事者との問診を遠隔会話で行い、医療従事者から診断と診療を得る。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、医療機関が自動車の現在位置に近くになくても、乗員は無人診療ブースから医療従事者の診断を受け、適切な診療を受けられるので、乗員の健康を医療従事者の判断を得てきめ細かく管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る健康管理システムの一実施形態を示すシステム構成図である。
図2】本発明に係る健康管理システムの他の実施形態を示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に本発明に係る健康管理システムの一実施形態を示す。図1において、1は内部空間1aを有する自動車であり、内部空間1aには乗員2a、2bが収容されている。乗員2a、2bの近傍には接触型、あるいは非接触型の生体センサー3が設けられており、生体センサー3は乗員2a、2bの生体情報、例えば体重、血圧、脈拍数、体温および血中酸素濃度等、乗員2a、2bの健康状態を推測できる情報を検知するものである。しかしながら、乗員2a、2bの健康状態を推定できる生体情報ならこれらに限定されず、例えば血糖値、非乗車時の睡眠時間などであってもよい。
【0010】
しかしながら、これらすべての生体情報を乗員2a、2bの健康状態の判断に必ずしも必要としておらず、後述する診断装置6のアプリケーションプログラムに応じて選択的に設置される。生体センサー3は乗員2a、2bの生体情報を継続的に取得しており、自動車1の例えばステアリングに埋設された接触型血圧センサーや自動車の内壁に取り付けられた非接触型検温センサーを採用してもよい。生体センサー3には、乗員2a、2bが内部空間1aと外部空間で身体を動かしたときの運動量を検出する運動センサーと乗員2a、2bの食事の画像を撮影するカメラが含まれている。生体センサー3はデータ取得装置を構成する。
【0011】
生体センサー3は近距離無線情報伝達経路、例えばブルートゥースを介して車内情報処理装置4a、4bに生体情報を伝達でき、車内情報処理装置4a、4bには情報の送受信の際、自らと使用する乗員2a、2bを特定する通信情報が内部に保持されている。本実施例では車内情報処理装置4a、4bはタブレット端末とスマートホンでそれぞれ構成されており、道路ナビゲーションシステムが車内情報処理装置4a、4bの一部を構成している。前記運動センサーとカメラはこれらタブレット端末とスマートホンの一部
を構成していてもよい。
【0012】
タブレット端末4aとスマートホン4bは情報処理能力を実現する既知の電子回路と、大量のデータとアプリケーションプログラム群を記憶する記憶システムと、自動車の外部電子機器に情報を交換する通信回路を内蔵しているが、これら電子回路、記憶システム、通信回路はいずれも既知なので詳細な説明を省略する。本実施形態では、無線基地局を含むインターネット5が外部情報通信回路として利用されている。
【0013】
タブレット端末4aとスマートホン4bにインストールされているアプリケーションプログラム群には測定した運動から消費カロリーを推定するアプリケーションプログラムと、撮影された食事から乗員2a、2bが摂取した食材の摂取カロリーを推定するアプリケーションプログラムが含まれており、これらのアプリケーションプログラムで推定される消費カロリーと摂取カロリーは生体情報の一部を構成する。
【0014】
健康管理システムは診断装置6を更に備えており、診断装置6は情報処理能力を実現する電子回路と、アプリケーションプログラム群を記憶するプログラムメモリと、多数の乗員の生体情報と健康な男性と健康な女性の生体情報の年齢別許容範囲を表す標準生体情報と無人遠隔診療ブース7の所在情報および現在の利用状況を記憶する情報記憶部として機能するデータメモリと、インターネットを介して外部電子回路と情報交換する通信回路を備えている。本実施形態では、診断装置6は車内情報処理装置4a、4bと共にサーバー^クライアントシステムを構成している。このサーバークライアントシステムが実現するサービスについては後述する。
【0015】
診断装置6のアプリケーションプログラム群には、(1)車内情報処理装置4a、4bから送信されてきた生体情報を個人ごとにデータメモリに記憶して個人情報のデータベースを構成すると共に、(2)生体情報を乗員2a、2bの年齢における標準生体情報と比較して医療従事者の診断を受けることを勧告するか否かを決め、(3)当該勧告および、または生体情報の判断結果を診断結果情報として車内情報処理装置4a、4bに送出し、乗員2a、2bに知らしめ、(4)乗員2a、2bが医療従事者の診断を希望するか否かを受け付けるところの前記診療前情報処理装置あるいは健康判断部を実現するアプリケーションプログラム6aが含まれる。
【0016】
更に、診断装置6のアプリケーションプログラム群には、(1)乗員2a、2bが医療従事者の診断を希望する場合、予約可能な最寄りの無人遠隔診療ブース7の所在情報を車内情報処理装置4a、4bに送出し、(2)乗員2a、2bの選択した無人遠隔診療ブース7に乗員2a、2bの診療を予約し、(3)選択された無人遠隔診療ブース7の所在地情報、即ち自動車の案内情報を車内情報処理装置4a、4bに送出する案内装置あるいは案内部を実現するアプリケーションプログラム6bも含まれる。自動車案内情報は車内情報処理装置4a、4bの道路ナビゲーションシステムに送られ、自動車1を選択された無人遠隔診療ブース7に導く。
【0017】
診断装置6のアプリケーションプログラム群には、(1)長期にわたる個人情報を分析して乗員2a、2bの生活習慣、特に運動量と食事が生活習慣病を惹起する危険性を推測し、(2)危険性が一定水準を超えると、危険度と共に生活習慣の改善を勧告する生活習慣改善勧告装置を実現するアプリケーションプログラム6cも含まれる。
【0018】
本実施形態に係る健康管理システムは複数の無人遠隔診療ブース7と無人遠隔診療ブース7とインターネット5を介して接続される複数の有人医療ブース8が更に含まれており、無人遠隔診療ブース7と有人医療ブース8には、乗員2a、2bである患者9と医療従事者である医師10をそれぞれ収容する内部空間が画成されている。無人遠隔診療ブース7の各々は本出願人が既に2020年11月3日付けで特許出願しており出願番号2020-192823号が付与されており。無人遠隔診療ブースはこの特許出願の明細書で開示した被診療者側情報処理端末に類似であり、有人医療ブース8の各々は同明細書中の医療従事者側情報処理端末に類似である。
したがって、詳細な説明を省略する。
【0019】
無人遠隔診療ブース7は公共空間11に設置されており、公共空間とは無料なら誰でも侵入でき、有料なら料金を払えば誰でも入れる空間である。本実施例では無人遠隔診療ブースは自動車販売店のショールームに設置されている。
【0020】
無人遠隔診療ブース7には、無人ブース情報処理装置12と検査機器13とカメラ14aとマイク14bが設置されており、カメラ14aで撮像された患者9の外観画像情報とマイク14bで収音された患者の音声情報は無人ブース情報処理装置12からインターネット5を介して有人医療ブース8に送られるので、有人医療ブース8の有人ブース情報処理装置15で患者9の外観画像と音声がリアルタイムで再生される。患者9は無人ブース情報処理装置12を操作して、診断装置6に生体情報を要求し、受領した生体情報を有人診療ブース8に転送することもできる。
【0021】
なお、無人遠隔診療ブース7と遠隔診療を可能ならしめる複数の有人医療ブース8には診療科目の異なる医療従事者10、医師が待機しており、患者9は無人ブース情報処理装置12を操作して適切な有人診療ブース8,すなわち医師を選べ、また変更も可能である。
【0022】
一方、有人医療ブース8にもマイク16とカメラ17が設置されており、医療従事者10の外観画像情報と音声情報が有人医療ブース情報処理装置15からインターネット5を介して無人ブース情報処理装置12に送られ、医療従事者の外観画像と音声がリアルタイムで再生される。このように患者9と医療従事者10はリアルタイムで問診や相談を行えるので、医療従事者10は患者の健康状態を正確に判断でき、適切な治療に結び付けられる。無人ブース情報処理装置12はマイク14b、カメラ14aと共に請求項中の無人ブース情報処理装置を構成しており、有人ブース情報処理装置15はマイク16、カメラ17とともに請求項中の有人ブース情報処理装置を構成している。また複数の有人診療ブース8は請求項の有人診療サブブースに相当する。
【0023】
検査装置13は体温、血圧、脈拍数、血中酸素濃度等生体情報を取得するだけでなく、検査装置3では取得できないその他の生体情報、例えば患部の拡大画像や視力、更に眼底画像等を取得する。これらその他の生体情報は無人ブース情報処理装置12から有人ブース情報処理装置15にインターネット5を介して送られ、医療従事者が診断に用いる。
【0024】
本実施形態に係る健康管理システムの動作一例を説明する。乗員2aが自動車1を運転しているとする。データ取得装置3は乗員2aの生体情報を取得し、生体情報は車内情報処理装置4aを特定する情報および乗員2aを特定する情報と共に車内情報処理装置4aからインターネット5を介して診断装置6に送られる。診療前情報処理装置6aが起動し、取得した生体情報と乗員4aが属する年齢層および性別の標準生体情報を比較して医療従事者の診断を勧告すべきか否かを判断し、診断結果情報を車内情報処理装置4aから乗員2aに知らしめる。
【0025】
診断結果情報は乗員2aに診察を勧告していたとする。乗員2aが医療従事者の診察を希望すると、乗員2aの判断は車内情報処理装置4aから診断装置6に送られ、案内装置6bが起動する。案内装置6bは予約可能な最寄りの無人遠隔診療ブース7の所在地情報を車内情報処理装置4aに送出し、乗員2aの選択した無人遠隔診療ブース7に乗員2aの診療を予約すると共に選択された無人遠隔診療ブース7の所在情報、即ち自動車案内情報を車内情報処理装置4aに送出する。
【0026】
車内情報処理装置4aの自動車ナビゲーションシステムは自動車1を選択された無人遠隔診療ブース7に案内し、乗員2aは無人遠隔診療ブース7に入って無人ブース情報処理装置12の助けを受けながら、最適と思われる有人医療ブース8にいる医療従事者10を選ぶ。患者9は医療従事者10の指導を受けながら検査機器13で生体情報を取得し、取得された生体情報は無人ブース情報処理装置12からインターネット5を介して有人ブース情報処理装置15に送られ、医療従事者10が生体情報を検討すると共に、患者の外観画像を観察し、更に問診をして診断をする。
【0027】
乗員の生体情報が個人情報として多数蓄積されると、生活習慣改善勧告装置6cが起動し、消費カロリーと摂取カロリーのバランスも考慮して生活を改善するアドバイスを車内情報処理装置4aにインターネット5経由で送出し、乗員2aに生活習慣病の危険度とともに改善アドバイスを知らしめる。
【0028】
以上説明してきたように、本実施形態に係る健康管理システムは医師の診断が必要な場合、最寄りの無人遠隔診療ブース7から医療従事者10の遠隔診察を受けられるので、医療従事者の所在が自動車1の現在位置から遠くても、乗員2a、2bは容易に無人遠隔診療ブースに至ることができ、遠隔診療を受け、健康状態を改善しやすいという効果を奏する。
【0029】
図2に本発明の他の実施形態にかかわる健康管理システムが示されている。本実施形態に係る健康管理システムは自動車1Aとデータ取得装置3Aとインターネット5Aと無人遠隔診療ブース7Aと有人医療ブース8Aを含んで構成されており、無人診療ブース7Aは公共空間11A、例えば自動車販売店のショールーム、公園、駅の構内、商業施設等に設けられている。
【0030】
本実施形態に係る健康管理システムの構成1A,3A、5A,7A、8Aは車内情報処理装置4A,4Bを除き図1に示した健康管理システムの構成1,3,5,7,8に類似しているので、詳細な説明を省略する。本実施形態では、カメラ13とマイク14が無人遠隔診療ブース7Aの対話情報取得装置を構成しており、マイク16とカメラ17が有人診療ブース8Aの対話情報取得装置を構成している。
【0031】
本実施形態に係る健康管理システムでは、診断装置6の診療前情報処理装置6a、案内装置6b、生活習慣改善勧告装置6cが車内情報処理装置4A,4Bに内蔵されており、健康管理システムが簡略されている。
【0032】
なお、車内情報処理ソーチ4A,4Bは標準生体情報を不図示のデータセンターから生体情報の判断の際にダウンロードしてもよい。また、無人遠隔診療ブース7,7Aの一部は公共空間ではなく私的空間、例えば乗員2a、2bの所属する会社施設内等に設置されていてもよい。更に生体センサーは乗車時に内部空間にあればよく、スマートフォンに内蔵されている生体センサーを利用してもよい。
【符号の説明】
【0033】
1と1Aは自動車、
2aと2bは乗員、
3と3Aはデータ取得装置、
4a、4b、4A,4Bは車内情報処理装置、
5,5Aはインターネット、
6は診断装置、
6a、6b、6cはそれぞれ診療前情報処理装置、案内装置、生活習慣改善勧告装置、
7,7Aは無人遠隔診療ブース、
8,8Aは有人診療ブース、
11,11Aは公共空間である。
図1
図2