(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121764
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】ペット用出入口設置部材
(51)【国際特許分類】
E04B 2/74 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
E04B2/74 561A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023160100
(22)【出願日】2023-09-25
(31)【優先権主張番号】P 2023028173
(32)【優先日】2023-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】514077431
【氏名又は名称】アニーコーラス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 敬造
(57)【要約】
【課題】ペットも人も共に出入りするのが容易であり、部屋の出入口との間に大きな隙間を生じさせることなく、取り付けや取り外しの作業にも工具を必要とせず、しかも屋内用に適したペット用出入口設置部材を提供する。
【解決手段】部屋の出入口Dに着脱自在に取り付けられる第一支持部材1Aと、部屋の出入口Dに着脱自在に取り付けられる第二支持部材1Bと、第一支持部材1Aおよび第二支持部材1Bに支持されて前記出入口Dの一部を覆う矩形状の覆いシート2とから構成されている。覆いシート2は、上下方向の長さLが左右方向の横幅Sよりも長く形成されている。覆いシート2の片面の左右両側部には、前記覆いシート2の上部を折り返して重ね合わせた状態で止着したり、分離したりする着脱部材3を配設している。さらに、覆いシート2の下部には、開閉自在としたペット用の出入口4を配設している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の出入口に着脱自在に取り付けられる第一支持部材と、前記出入口に着脱自在に取り付けられる第二支持部材と、前記第一支持部材および第二支持部材に支持されて前記出入口の一部を覆う矩形状の覆いシートとから構成され、
前記覆いシートは、上下方向の長さが左右方向の横幅よりも長く形成され、
前記覆いシートの片面の左右両側部には、前記覆いシートの上部を折り返して重ね合わせた状態で止着したり、分離したりする着脱部材を配設しており、
前記覆いシートの下部には、開閉自在としたペット用の出入口を配設していることを特徴とするペット用出入口設置部材。
【請求項2】
前記第一支持部材が前記覆いシートの上側部に沿って配設され、前記第二支持部材が前記覆いシートの下側部に沿って配設されていることを特徴とする請求項1に記載のペット用出入口設置部材。
【請求項3】
前記第一支持部材が前記覆いシートの左右両側部の一方に沿って配設され、前記第二支持部材が前記覆いシートの左右両側部の他方に沿って配設されていることを特徴とする請求項1に記載のペット用出入口設置部材。
【請求項4】
前記第一支持部材が突っ張り棒からなるものとしていることを特徴とする請求項2に記載のペット用出入口設置部材。
【請求項5】
前記第一支持部材および第二支持部材が突っ張り棒からなるものとしていることを特徴とする請求項3に記載のペット用出入口設置部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部屋の出入口に設置しておくことができるペット用出入口設置部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ペット用出入口に関するものとしては、例えば
図28に示したようなペット用潜り部材が存在する(特許文献1)。
【0003】
このペット用潜り部材は、既存のロールブラインド装置40のブラインド布41の下部に設けられる支え棒42を把持する把持部43と、この把持部43から垂下される少なくとも1枚以上の可撓性を有するシートからなるのれん部44とを有してなるものとしている。
【0004】
このように構成された従来のペット用潜り部材によれば、部屋を分割して区切るロールブラインドに対し、ペットが潜れるようにした潜り部材を取り付けることができるので、簡易な方法で、ペットの部屋間の移動を可能としつつ部屋を仕切ることができるとしている。
【0005】
また、このペット用潜り部材は、専用品としてロールブラインドを加工する必要がないので、安価に提供することができるとしており、さらに、ロールブラインドの不使用・収納時には簡易に取り外しができ、ロールブラインドの巻き上げの阻害となることがないとしている。
【0006】
さらに、従来のペット用出入口に関するものとしては、例えば
図29に示したようなペット用出入口付き建具が存在する(特許文献2)。
【0007】
このペット用出入口付き建具は、引き違い式サッシ戸E1 、E2 で開閉される家屋の外部開口に装着されるものであって、サッシ戸の一方E1 を一定量開いて生じた開口空間に設置される。
【0008】
前記ペット用出入口付き建具は、矩形の枠体51と当該枠体51の内空間を閉止する光透過性のある窓板52 、53とを備えている。
【0009】
さらに、前記枠体51の上辺51aと下辺51bが、外部開口の上縁と下縁のサッシレールに嵌装されるとともに、窓板52 、53は上下に分割されて下側窓板53は枠体51の左右辺に沿って昇降可能となっている。
【0010】
そして、前記下側窓板53を適当量上昇させて生じる開口54をペット用出入口としている。
【0011】
このように構成された従来のペット用出入口付き建具によれば、サッシ戸の構造を変更することなく既存の家屋外部開口に簡易に設置することができ、しかも、光透過性のある窓板によって屋内への外部光の入射が遮られることもないとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】実用新案登録第3179716号公報
【特許文献2】特開2007-107181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、前記特許文献1に記載されたペット用潜り部材では、部屋の出入口に設置した場合、出入口全体がこのペット用潜り部材で被われてしまうため、人が出入りする場合には、ロールブラインド装置40を作動させてブラインド布41を上昇させるか、そのブラインド布41を手で押し退けなければならず、人の出入りが困難であるという課題を有していた。
【0014】
さらに、前記特許文献1に記載されたペット用潜り部材では、ロールブラインド装置40にブラインド布41が吊り下げられているだけであるので、出入口とブラインド布41間に大きな隙間が生じ、部屋間の仕切りが不完全となり、夏場では冷房の冷気が逃げたり、冬場では暖房の暖気が逃げたりしてしまうという課題を有していた。
【0015】
また、前記特許文献2に記載されたペット用出入口付き建具では、サッシ戸の一方E1 を一定量開いて生じた開口空間に設置されるため、人が出入りする場合には、そのサッシ戸E1 をさらに開いて、その開口空間から出入りすればよいので、人の出入りは容易である。しかし、このペット用出入口付き建具は、枠体51が金属製であり、その金属製の枠体51をサッシ戸に取り付けるには工具が必要であり、また不要となったときに取り外すにも工具が必要であり、その取り付けや取り外しの作業が非常に面倒であるという課題を有していた。
【0016】
さらにまた、前記特許文献2に記載されたペット用出入口付き建具では、引き違い式サッシ戸E1 、E2 で開閉される家屋の外部開口に装着されることを前提としており、そのため丈夫に作製されており製造単価も高くなってしまい、屋内用のペット用出入口には適していないという課題を有していた。
【0017】
そこで、本発明は、従来の課題を解決するものであり、部屋の出入口に設置した場合にも、人の出入りが容易であり、その出入口との間に大きな隙間を生じさせることなく、取り付けや取り外しの作業にも工具を必要とせず、容易に行うことができ、しかも屋内用に適したペット用出入口設置部材を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明のペット用出入口設置部材は、部屋の出入口Dに着脱自在に取り付けられる第一支持部材1Aと、前記出入口Dに着脱自在に取り付けられる第二支持部材1Bと、前記第一支持部材1Aおよび第二支持部材1Bに支持されて前記出入口Dの一部を覆う矩形状の覆いシート2とから構成されている。前記覆いシート2は、上下方向の長さLが左右方向の横幅Sよりも長く形成されている。前記覆いシート2の片面の左右両側部には、前記覆いシート2の上部を折り返して重ね合わせた状態で止着したり、分離したりする着脱部材3を配設している。さらに、前記覆いシート2の下部には、開閉自在としたペット用の出入口4を配設している。
【0019】
本発明のペット用出入口設置部材において、前記第一支持部材1Aが前記覆いシート2の上側部に沿って配設され、前記第二支持部材1Bが前記覆いシート2の下側部に沿って配設されている。
【0020】
また、本発明のペット用出入口設置部材において、前記第一支持部材1Aが前記覆いシート2の左右両側部の一方に沿って配設され、前記第二支持部材1Bが前記覆いシート2の左右両側部の他方に沿って配設されている。
【0021】
さらに、本発明のペット用出入口設置部材において、前記第一支持部材1Aや第二支持部材1Bは突っ張り棒からなるものとすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のペット用出入口設置部材は、部屋の出入口Dに設置された状態において、ペットはペット用の出入口4から出入りすることができ、人は部屋の出入口Dを全開すれば、その全開した出入口Dから出入りすることができるので、ペットも人も共に出入りするのが容易なものとなる。
【0023】
また、本発明のペット用出入口設置部材は、部屋の出入口Dに取り付けられた引戸を覆いシート2の側端に接触するまで閉めれば、出入口Dにほとんど隙間が生じないので、夏場では冷房の冷気が逃げにくく、冬場では暖房の暖気が逃げにくいものとなる。
【0024】
さらに、本発明のペット用出入口設置部材は、第一支持部材1Aおよび第二支持部材1Bを部屋の出入口Dに簡単に取り付けたり取り外すことができ、これらの作業に工具を必要とせず、容易に行うことができ、しかも屋内用にも非常に適したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明のペット用出入口設置部材の一実施形態を示す全体斜視図である。
【
図2】
図1に示すペット用出入口設置部材の分解斜視図である。
【
図3】
図1に示すペット用出入口設置部材の上下間を伸ばした状態を示す全体斜視図である。
【
図4】
図1に示すペット用出入口設置部材を設置する出入口が、片引き用の引戸の取付枠である場合の設置状態を示す説明図である。
【
図5】
図4において、ペット用出入口設置部材の側端に接触するまで引戸を閉めた状態を示す説明図である。
【
図6】
図4において、部屋の出入口の引戸を完全に閉めた状態を示す説明図である。
【
図7】
図1に示すペット用出入口設置部材を設置する出入口が、引違い用の引戸の取付枠である場合の設置状態を示す説明図である。
【
図8】
図7において、ペット用出入口設置部材の側端に接触するまで引戸を閉めた状態を示す説明図である。
【
図9】
図7において、部屋の出入口の引戸を完全に閉めた状態を示す説明図である。
【
図10】本発明のペット用出入口設置部材の他の実施形態を示す全体斜視図である。
【
図11】
図10に示すペット用出入口設置部材の分解斜視図である。
【
図12】
図10に示すペット用出入口設置部材の上下間を伸ばした状態を示す全体斜視図である。
【
図13】
図10に示すペット用出入口設置部材を設置する出入口が、片引き用の引戸の取付枠である場合の設置状態を示す説明図である。
【
図14】
図13において、ペット用出入口設置部材の側端に接触するまで引戸を閉めた状態を示す説明図である。
【
図15】
図13において、部屋の出入口の引戸を完全に閉めた状態を示す説明図である。
【
図16】
図10に示すペット用出入口設置部材を設置する出入口が、引違い用の引戸の取付枠である場合の設置状態を示す説明図である。
【
図17】
図16において、ペット用出入口設置部材の側端に接触するまで引戸を閉めた状態を示す説明図である。
【
図18】
図16において、部屋の出入口の引戸を完全に閉めた状態を示す説明図である。
【
図19】本発明のペット用出入口設置部材のさらに他の実施形態を示す全体斜視図である。
【
図20】
図19に示すペット用出入口設置部材の分解斜視図である。
【
図21】
図19に示すペット用出入口設置部材の上下間を伸ばした状態を示す全体斜視図である。
【
図22】
図19に示すペット用出入口設置部材を設置する出入口が、片引き用の引戸の取付枠である場合の設置状態を示す説明図である。
【
図23】
図22において、ペット用出入口設置部材の側端に接触するまで引戸を閉めた状態を示す説明図である。
【
図24】
図22において、部屋の出入口の引戸を完全に閉めた状態を示す説明図である。
【
図25】
図19に示すペット用出入口設置部材を設置する出入口が、引違い用の引戸の取付枠である場合の設置状態を示す説明図である。
【
図26】
図25において、ペット用出入口設置部材の側端に接触するまで引戸を閉めた状態を示す説明図である。
【
図27】
図25において、部屋の出入口の引戸を完全に閉めた状態を示す説明図である。
【
図28】従来のペット用潜り部材を示す正面図である。
【
図29】従来のペット用出入口付き建具を設置した状態の家屋の外部開口の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明のペット用出入口設置部材を実施するための形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
本発明のペット用出入口設置部材は、図示したように、部屋の出入口Dに着脱自在に取り付けられる第一支持部材1Aと、前記出入口Dに着脱自在に取り付けられる第二支持部材1Bと、前記第一支持部材1Aおよび第二支持部材1Bに支持されて前記出入口Dの上下方向の全部および左右方向の一部を覆う矩形状の覆いシート2とから構成されている。前記出入口Dは、和室の場合は襖などの引戸Pが取り付けられる両側の柱と鴨居と敷居で囲まれた部分となり、洋室の場合は板戸などの引戸Pの取付枠Fで囲まれた部分となる。なお、和室の場合でも、襖などの引戸Pを取付枠Fに取り付けているものでは、この取付枠Fで囲まれた部分となる。また、前記引戸Pとしては、他にガラス戸や帯戸などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
図1~3に示した実施形態では、前記第一支持部材1Aは、前記覆いシート2の上側部に沿って配設され、前記第二支持部材1Bは、前記覆いシート2の下側部に沿って配設されている。すなわち、前記覆いシート2の上部を折り返した部分に前記第一支持部材1Aを引っ掛けることにより、この第一支持部材1Aの一端側が前記覆いシート2の上側部に沿って配設され、前記覆いシート2の下端に設けた筒状の下支持部21に前記第二支持部材1Bを挿入することにより、この第二支持部材1Bの一端側が前記覆いシート2の下側部に沿って配設されている。
【0029】
前記第一支持部材1Aおよび第二支持部材1Bは、突っ張り棒からなるものとしている。突っ張り棒は、外筒11と、外筒11に挿入可能な内筒12からなり、内部にコイルスプリング(図示せず)を備えた既存のものが使用され、内側から押し広げる力によって、出入口Dに突っ張った状態で取り付けられるものとしている。
【0030】
そして、前記第一支持部材1Aおよび第二支持部材1Bは、前記出入口Dの横幅Wより少し小さい寸法から、少し大きい寸法まで伸縮自在としたものが使用される。
【0031】
また、
図10~12に示した実施形態では、前記第一支持部材1Aは、前記覆いシート2の左右両側部の一方に沿って配設され、第二支持部材1Bは、前記覆いシート2の左右両側部の他方に沿って配設されている。すなわち、前記覆いシート2の両側端に設けた筒状の左右支持部22a、22bに前記第一支持部材1Aおよび第二支持部材1Bを挿脱自在に挿入することにより、これら第一支持部材1Aおよび第二支持部材1Bが前記覆いシートの左右両側部の一方と他方に沿って配設されている。
【0032】
前記第一支持部材1Aおよび第二支持部材1Bは、突っ張り棒からなるものとしており、前記したのと同様の構造としている。
【0033】
そして、前記第一支持部材1Aおよび第二支持部材1Bは、前記出入口Dの高さHより少し小さい寸法から、少し大きい寸法まで伸縮自在としたものが使用される。
【0034】
なお、前記左右支持部22a、22bは、前記覆いシート2の下端から上端にいたる途中まで設けたものとすればよい。
【0035】
さらに、
図19~21に示した実施形態では、前記第一支持部材1Aは、前記覆いシート2の上側部に沿って配設され、前記第二支持部材1Bは、前記覆いシート2の下側部に沿って配設されている。すなわち、前記覆いシート2の上部を折り返した部分に前記第一支持部材1Aを引っ掛けることにより、この第一支持部材1Aの一端側が前記覆いシート2の上側部に沿って配設され、前記覆いシート2の下端に設けた後述する四角枠15の下枠部15dを、前記第二支持部材1Bの後述する挟持部13に挟み込むことにより、この第二支持部材1Bが前記覆いシート2の下側部に沿って配設されている。
【0036】
前記第一支持部材1Aは、突っ張り棒からなるものとしており、前記したのと同様の構造としている。第二支持部材1Bは、横長角棒からなるものとしており、弾力性を有する合成樹脂材からなり、横長の溝形状とした挟持部13を上面の中央または一側部寄りに設けており、両面接着テープ14を底面の全面に設けるなどして、底面を粘着面としている。なお、前記横長角棒は、接触した場合にケガなどをしないように、角部にアールを付けておくのが好ましい。
【0037】
そして、前記第一支持部材1Aは、前記出入口Dの横幅Wより少し小さい寸法から、少し大きい寸法まで伸縮自在としたものが使用され、第二支持部材1Bは、前記覆いシート2の左右の横幅Sと同一または略同一の寸法としたものが使用される。
【0038】
前記覆いシート2は、厚手の布地や合成樹脂地などからなるものとしており、上下方向の長さLが左右方向の横幅Sよりも長く形成されており、前記長さLを前記出入口Dの高さHより長くし、前記横幅Sを前記出入口Dの横幅Wの1/2~1/3にしている。なお、図示した実施形態では、前記覆いシート2は、長さLを250cm前後とし、横幅Sを30cm前後としている。
【0039】
また、前記覆いシート2の片面の左右両側部には、前記覆いシート2の上部を折り返して重ね合わせた状態で止着したり、分離したりする着脱部材3を配設している。さらに、前記覆いシート2の下部には、開閉自在としたペット用の出入口4を配設している。
【0040】
前記着脱部材3は、図示したものでは、合成樹脂製のフックとループとを混在した状態に植設したフック・ループ混在型の面ファスナーテープとしており、覆いシート2の片面の左右両側部に直線状に縫着するなどして配設したものとしている。このようにした着脱部材3は、前記覆いシート2に簡単に配設することができるが、このようなものに限定されるものではなく、重ね合わせた状態で止着したり、分離したりできるものであればよい。例えば、前記着脱部材3を、スナップボタンのオス、メスとし、これらオス、メスを交互に複数個、直線状に連設したものとしたり、磁石のN極とS極、または磁石とこの磁石に引っ付く磁性体を交互に複数個、直線状に連設したものとしたりすることができる。なお、前記着脱部材3は、前記覆いシート2の上端から下端にいたる全域に設けてもよいが、図示したように、折り返して重ね合わせ状態で止着したり、分離したりすることができる領域であれば、前記覆いシート2の上端から下端にいたる途中まで設けたものとすればよい。
【0041】
前記ペット用の出入口4は、
図1~3、
図10~12に示した実施形態では、左右両側切込み41a、41bと下側切込み41cとからなる切込み41を前記覆いシート2の下部に入れ、この切込み41の内外両側に互いに引き合う磁石42、または磁石42とこの磁石に引っ付く磁性体を配設している。そして、ペットが出入りするときに、ペットに押されて磁石42どうし、または磁石42と磁性体が離れて出入口4が開き、ペットがその出入口4を通り抜けると、磁石42どうし、または磁石42と磁性体が引き合って出入口4が閉まるようにしている。なお、前記切込み41の形状は、このようなものに限定されるものではなく、逆T字状などペットの種類などに応じて、そのペットが通り抜け易い形状などにすればよい。
【0042】
また、前記ペット用の出入口4は、
図1~3、
図10~12に示した実施形態では、矩形状などの枠体43を周囲の全部または一部に配設したものとしている。この枠体43は、前記出入口4の周囲を補強するものであり、開閉時にこの出入口4の周囲がばたつかないようにしている。なお、前記枠体43をスチールなどの磁石に引っ付く磁性体からなるものとした場合は、前記切込み41の内側のみに磁石42を取り付ければよい。
【0043】
さらに、前記ペット用の出入口4は、
図19~21に示した実施形態では、前記覆いシート2の下部を、縦横各30cm前後とした四角枠15で囲み、この四角枠15で囲まれた部分としている。前記四角枠15は、スチールなどの磁石に引っ付く磁性体からなるものとしており、上枠部15aを前記覆いシート2の下端より上方に配設し、両側枠部15b、15cを前記覆いシート2の下部の両側端に沿わせて配設し、下枠部15dを前記覆いシート2の下端に沿わせて配設している。そして、前記覆いシート2の下部の両側端および下端に、前記四角枠15の両側枠部15b、15cおよび下枠部15dに引っ付く磁石42を配設している。そして、ペットが出入りするときに、ペットに押されて四角枠15と磁石42が離れて出入口4が開き、ペットがその出入口4を通り抜けると、四角枠15と磁石42が引き合って出入口4が閉まるようにしている。
【0044】
なお、前記ペット用の出入口4は、
図19~21に示したように、前記覆いシート2とは切り離したものとすることができる。この場合、前記四角枠15は、上枠部15aを前記覆いシート2に取り付けた連結部材16により連結したものとしている。前記連結部材16は、図示したものでは前記着脱部材3を延長するなどしたフック・ループ混在型の面ファスナーテープとしており、前記四角枠15の上枠部15aに引っ掛け、折り返して重ね合わせた状態で止着するものとしているが、前記覆いシート2に前記四角枠15を連結することができるものであればよい。
【0045】
以上のように構成された本発明のペット用出入口設置部材は、
図1~3に示した実施形態では、以下のようにして部屋の出入口Dに設置される。図示した出入口Dは、洋室の取付枠Fで囲まれた部分としており、この取付枠Fは片引き用の引戸Pの取付枠としている。
【0046】
先ず、本発明のペット用出入口設置部材を設置する前に、出入口Dの高さH(取付枠Fの上枠Faから下枠Fbまでの寸法)を測定する。
【0047】
そして、前記覆いシート2の上部を折り返して、着脱部材3を重ね合わせた状態にして止着し、この覆いシート2の折り返した部分から第二支持部材1Bまでの長さLaを、測定した前記出入口Dの高さHに合わせる。なお、この長さLaは、前記出入口Dの高さHに合わせて、
図1に示したような短くした状態から、
図3に示したような長くした状態に自由自在に調節することができる。
【0048】
次に、前記第一支持部材1Aを縮めて、取付枠Fの上枠Faの引戸Pが通過する部分の奥の部分に押し当て、この第一支持部材1Aを元に戻せば、この部分、すなわち取付枠Fの両側枠Fc、Fdの上端間に第一支持部材1Aが支持されることになり、この第一支持部材1Aが出入口Dの上端に取り付けられる。
【0049】
さらに、前記第二支持部材1Bを縮めて、取付枠Fの下枠Fbの引戸Pが通過する部分の奥の部分に押し当て、この第二支持部材1Bを元に戻せば、この部分、すなわち取付枠Fの両側枠Fc、Fdの下端間に第二支持部材1Bが支持されることになり、この第二支持部材1Bが出入口Dの下端に取り付けられる。
【0050】
すると、前記覆いシート2が、出入口Dの上下端にほとんど隙間をあけることなく、前記第一支持部材1Aと第二支持部材1Bの間にピーンと張り詰めた状態となって、
図4に示したように、引戸Pと反対の出入口Dの一端側に配置される。
【0051】
そこで、前記覆いシート2の側端に接触するまで引戸Pを閉めると、
図5に示したように、その引戸Pと覆いシート2との間にほとんど隙間が生じることなく、本発明のペット用出入口設置部材が出入口Dに設置されることになる。
【0052】
このように本発明のペット用出入口設置部材が出入口Dに設置された状態において、ペットはペット用の出入口4から出入りすることができ、人は前記シート2の側端に接触するまで閉めた引戸Pを全開すれば、その引戸Pを開いた部分の出入口Dから出入りすることができる。
【0053】
また、前記覆いシート2の側端に接触するまで閉めた引戸Pを、
図6に示したように、取付枠Fの左枠Fcに当たるまで完全に閉めると、ペット用の出入口4も塞がれ、ペットも出入りすることができなくなるので、ペット用の出入口4にロック機能を設ける必要がないものとなる。
【0054】
さらに、本発明のペット用出入口設置部材は、出入口Dに設置された状態において、前記第一支持部材1Aおよび第二支持部材1Bを縮めて取付枠Fから引き抜けば、この出入口Dから簡単に取り外すことができる。
【0055】
なお、本発明のペット用出入口設置部材を設置する出入口Dの取付枠Fが、引違い用の引戸Pの取付枠である場合には、
図7に示したように、前記取付枠Fの側枠Fcの上端と、奥の引戸Pの側部Paの上端との間に前記第一支持部材1Aを支持して、この第一支持部材1Aを出入口Dの上端に取り付ければよく、前記取付枠Fの側枠Fcの下端と、奥の引戸Pの側部Paの下端との間に前記第二支持部材1Bを支持して、この第二支持部材1Bを出入口Dの下端に取り付ければよい。
【0056】
そして、前記引戸Pの操作も、
図8、9に示したように、前記
図5、6で説明した操作手順に準じて行えばよい。
【0057】
また、本発明のペット用出入口設置部材は、
図10~12に示した実施形態では、以下のようにして部屋の出入口Dに設置される。図示した出入口Dは、洋室の取付枠Fで囲まれた部分としており、この取付枠Fは片引き用の引戸Pの取付枠としている。
【0058】
先ず、本発明のペット用出入口設置部材を設置する前に、出入口Dの高さH(取付枠Fの上枠Faから下枠Fbまでの寸法)を測定する。
【0059】
そして、前記覆いシート2の上部を折り返して、着脱部材3を重ね合わせた状態にして止着し、この覆いシート2の折り返した部分から覆いシート2の下端までの長さLaを、測定した前記出入口Dの高さHに合わせる。この場合、前記覆いシート2の折り返した部分は、
図11に示したような第一支持部材1Aの上端および第二支持部材1Bの上端の間に着脱自在に取り付けられる横架材5に架け渡すようにしている。なお、前記長さLaは、出入口Dの高さHに合わせて、
図10に示したような短くした状態から、
図12に示したような長くした状態に自由自在に調節することができる。
【0060】
次に、前記第一支持部材1Aを縮めて、取付枠Fの左枠Fcの引戸Pが当たる部分、またはその奥の部分に押し当て、この第一支持部材1Aを元に戻せば、この部分、すなわち取付枠Fの上下枠Fa、Fb間に第一支持部材1Aが支持されることになり、この第一支持部材1Aが出入口Dの一側部に沿って取り付けられる。
【0061】
さらに、前記第二支持部材1Bを縮めて、取付枠Fの上枠Faと下枠Fbの間の引戸Pが通過する部分、またはその奥の部分に押し当て、この第二支持部材1Bを元に戻せば、この部分、すなわち取付枠Fの左枠Fcと右枠Fdの間の上下枠Fa、Fbに第二支持部材1Bが支持されることになり、この第二支持部材1Bが出入口Dの中間部に取り付けられる。
【0062】
すると、前記覆いシート2が、出入口Dの上下端にほとんど隙間をあけることなく、前記第一支持部材1Aと第二支持部材1Bの間にピーンと張り詰めた状態となって、
図13に示したように、引戸Pと反対の出入口Dの一端側に配置される。
【0063】
そこで、前記覆いシート2の側端に接触するまで引戸Pを閉めると、
図14に示したように、その引戸Pと覆いシート2との間にほとんど隙間が生じることなく、本発明のペット用出入口設置部材が出入口Dに設置されることになる。
【0064】
このように本発明のペット用出入口設置部材が出入口Dに設置された状態において、ペットはペット用の出入口4から出入りすることができ、人は前記シート2の側端に接触するまで閉めた引戸Pを全開すれば、その引戸Pを開いた部分の出入口Dから出入りすることができる。
【0065】
また、前記第一支持部材1Aを取付枠Fの左枠Fcの引戸Pが当たる部分の奥の部分に支持し、第二支持部材1Bを取付枠Fの上枠Faと下枠Fbの間の引戸Pが通過する部分の奥の部分に支持した場合には、
図15に示したように、前記覆いシート2の側端に接触するまで閉めた手前の引戸Pを、取付枠Fの左枠Fcに当たるまで完全に閉めることができるので、ペット用の出入口4も塞がれ、ペットも出入りすることができなくなるので、ペット用の出入口4にロック機能を設ける必要がないものとなる。
【0066】
さらに、本発明のペット用出入口設置部材は、出入口Dに設置された状態において、前記第一支持部材1Aおよび第二支持部材1Bを縮めて取付枠Fから引き抜けば、この出入口Dから簡単に取り外すことができる。
【0067】
なお、本発明のペット用出入口設置部材を設置する出入口Dの取付枠Fが、引違い用の引戸Pの取付枠である場合には、
図16に示したように、前記取付枠Fの左枠Fcの手前の引戸Pが当たる部分、またはその奥の部分に押し当て、取付枠Fの上下枠Fa、Fb間に第一支持部材1Aを支持して、この第一支持部材1Aを出入口Dの一側部に沿って取り付ければよく、前記取付枠Fの上枠Faと下枠Fbの間の手前の引戸Pが通過する部分、またはその奥の部分に押し当て、取付枠Fの左枠Fcと引戸Pの側部Paの間の上下枠Fa、Fbに第二支持部材1Bを支持して、この第二支持部材1Bを出入口Dの中間部に取り付ければよい。
【0068】
そして、前記引戸Pの操作も、
図17、18に示したように、前記
図14、15で説明した操作手順に準じて行えばよい。
【0069】
さらに、本発明のペット用出入口設置部材は、
図19~21に示した実施形態では、以下のようにして部屋の出入口Dに設置される。図示した出入口Dは、洋室の取付枠Fで囲まれた部分としており、この取付枠Fは片引き用の引戸Pの取付枠としている。
【0070】
先ず、本発明のペット用出入口設置部材を設置する前に、出入口Dの高さH(取付枠Fの上枠Faから下枠Fbまでの寸法)を測定する。
【0071】
そして、前記覆いシート2の上部を折り返して、着脱部材3を重ね合わせた状態にして止着し、この覆いシート2の折り返した部分から覆いシート2の下端までの長さLaを、測定した前記出入口Dの高さHに合わせる。なお、前記長さLaは、出入口Dの高さHに合わせて、
図19に示したような短くした状態から、
図21に示したような長くした状態に自由自在に調節することができる。
【0072】
次に、前記第一支持部材1Aを縮めて、取付枠Fの上枠Faの引戸Pが通過する部分の奥の部分に押し当て、この第一支持部材1Aを元に戻せば、この部分、すなわち取付枠Fの両側枠Fc、Fdの上端間に第一支持部材1Aが支持されることになり、この第一支持部材1Aが出入口Dの上端に取り付けられる。
【0073】
さらに、前記第二支持部材1Bの底面の粘着面を、取付枠Fの下枠Fbの引戸Pが通過する部分の奥の部分に押し当てて粘着させれば、この部分、すなわち取付枠Fの両側枠Fc、Fdの下端間に第二支持部材1Bが支持されることになり、この第二支持部材1Bが出入口Dの下端に取り付けられる。
【0074】
すると、前記覆いシート2が、出入口Dの上下端にほとんど隙間をあけることなく、前記第一支持部材1Aと第二支持部材1Bの間にピーンと張り詰めた状態となって、
図22示したように、引戸Pと反対の出入口Dの一端側に配置される。
【0075】
そこで、前記覆いシート2の側端に接触するまで引戸Pを閉めると、
図23に示したように、その引戸Pと覆いシート2との間にほとんど隙間が生じることなく、本発明のペット用出入口設置部材が出入口Dに設置されることになる。
【0076】
このように本発明のペット用出入口設置部材が出入口Dに設置された状態において、ペットはペット用の出入口4から出入りすることができ、人は前記覆いシート2の側端に接触するまで閉めた引戸Pを全開すれば、その引戸Pを開いた部分の出入口Dから出入りすることができる。
【0077】
また、前記覆いシート2の側端に接触するまで閉めた引戸Pを、
図24に示したように、取付枠Fの左枠Fcに当たるまで完全に閉めると、ペット用の出入口4も塞がれ、ペットも出入りすることができなくなるので、ペット用の出入口4にロック機能を設ける必要がないものとなる。
【0078】
さらに、本発明のペット用出入口設置部材は、出入口Dに設置された状態において、前記第一支持部材1Aを縮めて取付枠Fから引き抜き、第二支持部材1Bを引き上げ取付枠Fから引き離せば、この出入口Dから簡単に取り外すことができる。
【0079】
なお、本発明のペット用出入口設置部材を設置する出入口Dの取付枠Fが、引違い用の引戸Pの取付枠である場合には、
図25に示したように、前記取付枠Fの側枠Fcの上端と、奥の引戸Pの側部Paの上端との間に前記第一支持部材1Aを支持して、この第一支持部材1Aを出入口Dの上端に取り付ければよく、前記取付枠Fの下枠Fbの奥の引戸Pが通過する部分に、前記第二支持部材1Bを粘着させて、この第二支持部材1Bが出入口Dの下端に取り付ければよい。
【0080】
そして、前記引戸Pの操作も、
図26、27に示したように、前記
図23、24で説明した操作手順に準じて行えばよい。
【0081】
以上に述べたように、本発明のペット用出入口設置部材は、ペットはペット用の出入口4から出入りすることができ、人は部屋の出入口Dを全開すれば、その全開した出入口Dから出入りすることができるので、ペットも人も共に出入りするのが容易なものとなる。
【0082】
また、本発明のペット用出入口設置部材は、部屋の出入口Dに取り付けられた引戸Pを覆いシート2の側端に接触するまで閉めれば、出入口Dにほとんど隙間が生じることなく、またペットがペット用の出入口4を通過すると、磁石42どうし、または磁石42と磁性体が互いに引き合って出入口4が閉まるので、夏場では冷房の冷気が逃げにくく、冬場では暖房の暖気が逃げにくいものとなる。
【0083】
さらに、本発明のペット用出入口設置部材は、第一支持部材1Aおよび第二支持部材1Bを出入口Dに簡単に取り付けたり取り外すことができ、これらの作業に工具を必要とせず、容易に行うことができ、しかも屋内用にも非常に適したものとなる。
【符号の説明】
【0084】
1A 第一支持部材
1B 第二支持部材
2 覆いシート
3 着脱部材
4 ペット用の出入口
D 部屋の出入口
L 長さ
S 横幅